268 オリュース・ロマンスは顔が良い
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[しかし、それでも。 彼の腕が中年男に伸びると自然と男を引っ張り、す、と彼から遠ざけた。男の脚が蹈鞴を踏んで踊る。]
事務所にも話は通しておきます。 トレイル・セナと受付で伝えてください。
[彼の指先が中年男に触れないように相対し、羞恥心を顔面から追い出して顔を上げた。上手く柔和な笑みを作れていると良いのだが。]
この度はお騒がせして申し訳ありませんでした。
[彼と乗客と。等しく頭を下げたところで停留所につく。 漸く胸を撫でおろせば、ふわ、と羽が触れる柔さを手背に覚え。>>14
また熱が手首辺りか暴れ出し、逃げるように車両を降りた。**]
(42) 2019/07/28(Sun) 01時半頃
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― 幕間・友人達との晩餐 ―
明らかに怪しいおっさんが隣の客の尻触ってたら、 誰だって痴漢だと思うだろ? 車両《ハコ》で掏摸より現実的だろ?
[その日の夕飯は友人らと囲んだ。 奢りと聞いて出掛けないほど詰まらぬ男ではない。>>40 しかもその日は仕事の失敗を愚痴ってしまいたくて仕方なかったのだ。気心知れた彼らになら丁度良い。無論、詳細は被害者の人権に考慮して暈した。――― 主に性別と年齢を。]
俺は車内で犯罪行為なんかしないが、俺なら尻を狙う。 金なら稼げば良いだろう? だが尻は違う。 いや、しないが例えだ。フィクション。
[ジョッキを握って真顔で語る酔っ払いは責任ある車掌ではなく24の若造の顔をしていた。酔ってからが長い絡み酒は酒を覚えた頃から変わらないまま。
お前らは?と聞いたがどんな返事を返されたか記憶に曖昧。ただサイラスは妙に機嫌が良かったし、ヤニクは気前が良かった。 お蔭で落ち込みがちの心も浮き、感謝を込めて自分の代金は自分で払った。結局いつも通りの割り勘だ。――― それがまた、心地良かった。**]
(48) 2019/07/28(Sun) 02時頃
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[気心知れた友人らは寛容だったが、楽しい酒の席で愚痴を撒いてしまったのは訳がある。
結局、例の加害者の罪状は公務執行妨害になったのだ。 中年男は警察へと連行される間中、妻と幼い子供の話を涙ながらに語り、出来心であったのだと洟を啜った。立ち会った取り調べでも身を縮め安易に金が手に入る思ったと、短絡と罪悪感を吐露した。 これで黙秘したり暴れるようなら情状酌量の余地はないが、なにせことは窃盗未遂。前科と罰金は免れまいが逮捕状を出すまでのケースではない。
市電さんとしては腹に据えかねますでしょうが。なんて警察からも諭されて食い下がるほど己も物の道理が分からぬ子供ではない。必要書類を用意し刑法の執行に協力するのが正しい社会人の在りようだ。 そんなことは重々理解している。が。
痴漢は?]
(94) 2019/07/28(Sun) 13時半頃
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[被害者の年齢と性別は聞かれたが、加害者の男も、警察も、なんなら被害者の紳士だって誰一人として性犯罪に触れなかった。さり気無く被害者の身体に触れたことを口にしてもみたが調書に犯行状況として一筆書かれただけに終わった。
無論、窃盗も許しがたい犯罪であるし、模倣犯の本来の目的は金であったのだろう。だが、すらりとした腰元から降るラインをあわよくば弄ってやろうと魔が差すこともあるのではないか。ゲイセクシャルでなくても決してやぶさかではないのではないか。あの腰に触れてみたくなるのは世の理、一般的な発露ではないのか。]
――― 分かりました。 オリュース市電の方では公務執行妨害で受理します。 被害者から調書を取りましたらまた連絡します。
[しかし、己は大人だった。 中年男の不埒を詰りたい気持ちはあったが痴漢は被害申告が必須なのだ。彼に醜聞を立てたくない。]
(95) 2019/07/28(Sun) 13時半頃
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[故に夕食の席で愚痴に昇華した。 散々周囲から言われるので自身の容姿が優れている自覚は流石にあるが、制服を脱げば酒も飲むし絡みもする。猥談と莫迦騒ぎを厭うほど枯れていない。
そうして素に戻った晩餐は効果的で、ヤニクから同意を貰って安堵し、その時ようやく自分が私的に怒っていたのだと自覚した。>>72 車内犯罪を憎む心はあるがそれとはまた少し違う。あの被害者が女性や子供ならもっと義憤に駆られる怒りに燃えただろう、しかし己はあの時、ただひたすらに ―――― 嫌だったのだ。 彼に誰かが触れるのも>>0:308、彼が誰かに触れるのも。>>47
憧憬とはこれほど難儀な感情だっただろうか。 俺は胸より尻で、尻より腰かな。と酒の席で打った相槌はただ一人を思い浮かべていた。>>80*]
(96) 2019/07/28(Sun) 13時半頃
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― 最初の週末 ―
[その日は始発からの勤務であった。 飲みすぎたと自覚があっても翌日に残らないのが若さであり。大きな欠伸が出るくらいで鉄道勤務員らしく無遅刻記録を伸ばしている。
本日からは夏の一大祭事であるペルセウス・マーケット。 市電も本数を増やして対応するがその分、勤務が変則的になる。己の担当は主に昼間、この顔面は観光客への適性が高いのだ。 お蔭で朝から信じられないくらいキャーキャー言われ>>83、制服のネクタイを何度も結び直した。
車掌と言う職業に誇りを持っているので制服効果だと言われても悪い気はしないが、個人的には夏より冬の重厚感の方が好ましい。……が、冬は夏ほど客足が伸びない所為か、同意を貰ったことがあるのは時折停留所の傍で靴磨きをしている少年くらい。>>67 隠れファンがいるのかもよ?と明らかな世辞まで貰ったのだから今一世間と己の感性は合わないのかもしれない。]
(102) 2019/07/28(Sun) 14時半頃
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[ともあれ、引き続き昼もキャーキャー言われて夕方の交代までにずっと舌を回していた。 家族連れなら劇団ゼロイチの出張公演>>0:53がオススメで、この時期地元の出版社から出されている地域紙はマーケットの特集を組んでいる、だとか。港には今どんな船が停泊しているか。広場の移動遊園地の目玉はなにか。>>0:158 行く宛てもないのに自棄に詳しい職業病。
お蔭で日暮れまでの時間はあっと言う間に溶ける。 夏の陽射は強い。
最後に車両に乗り込んできた野良猫を下していたら刻限が迫り、慌てて回送車両に飛び乗った。運転士に笑われながら髪を掻き上げ、ネクタイは今日で一番きっちりと締める。これから会う相手は、客以上にだらしない様は見られたくない人だ。]
(103) 2019/07/28(Sun) 14時半頃
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─ オリュース市電・終点 ─
―――― お客様。 暑い中ご足労おかけして、申し訳ございません。
[終点で出迎える筈が出迎えられたのは、一枚上手の年の功か。>>69 己を降ろした車両は半円屋根の基地へと徐行し、対応を一人で受けた身が制帽をとって頭を下げた。]
この時間から既に街は込み合っていましたでしょう。 此処までは電車でお越しでしたか?
[手にした制帽を裏返して示すのは車両基地に併設された事務所。四角い積み木を重ねたような白壁の建物は二階建て。 街を環状運転する市電の規模に対して事務所が小さく人気がないのは、事実上の業務は殆ど車両基地内で行われているためだ。
お蔭で事務所内の空気は生温く湿っていた。 脚を踏み入れた瞬間にじとりと汗が首に浮き、夏の洗礼を受ける。]
(104) 2019/07/28(Sun) 14時半頃
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直ぐ空調を入れるので其方のソファにお掛けください。 書類も一緒にお持ちします。
[雑多な事務所の片隅には観葉植物をパーテーションにした応接セット。旧式のエアコンを起動させれば送風が始まるまでタイムラグがある。
一息継ながら、首筋を伝った汗を手背で拭った。*]
(105) 2019/07/28(Sun) 14時半頃
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[事務所は無人になることも多いから先回りを目論んだが、彼の方が数本早くに到着したらしい。西日に炙られたというのに然程変わらぬように見えるのは、これもまた年の差故か。 常より纏う余裕が崩れた昨日は、やはり特別だったのかもしれない。]
ハワードさん……、 ああ、いえ。マーケットが盛況なのは喜ばしいことです。 星が降り始めれば電車の混雑も落ち着くと思いますよ。
[確かめるように舌の上で転がした名前。 誌面の上では知っていたのに、直に名乗られると鼓膜に淡く響いて咽喉の奥に染みてくる。憧憬の味は難解だ。]
それまでは涼んでいってください。 ……と、言っても此処の空調は気分屋で、
[市電が通った時からある建物だ。その上、事務所は乗客となんら接点を持たないから経費節減の波を一番浴びる。笑い話のように告げれば視界の端に空色が映った。>>109]
(116) 2019/07/28(Sun) 17時半頃
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……ありがとうございます。
[刹那の間に葛藤があり、瞬きの後に謙虚を投げ飛ばしたのは私欲だった。身嗜みのひとつとして白いハンカチを常に携帯している癖、受け取る指先は流れる仕草。]
………、
[首に宛がう前に彼のハンカチを三秒見下ろし、ハッと気づくのは更に二秒後。新しい汗玉が浮いて襟に吸い込まれた。]
此方が書類一式です。 市電の要項は私が埋めています、 ハワードさん…、は、残りの空欄を埋めてください。
[応接机に並べる数枚の書類と安価なボールペン。 先に記入されている文字は丁寧だが大きく濃い。
ハンカチは未だ汗に濡れることなく、左手に握り込まれたまま。]
(117) 2019/07/28(Sun) 17時半頃
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冷たいものを淹れてきます。 直ぐに戻りますので。
[汗を噴いているのは己の方なのに。 涼しい顔も顔だけでは意味がない。 ハンカチを握り込んだ左手が炎を掴んだように熱い。 結局、給湯室で顔を洗う間も、茶を淹れる間も、ハンカチが本来の役目を果たすことはなかった。挙句、素手ですら触れていないのだから返せば良いものを、スラックスの隠しに押し込んで横領する始末。]
(118) 2019/07/28(Sun) 18時頃
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[程なくして戻れば、空調も気合を入れてきた頃か。 アイスコーヒーにガムシロップとポーションを添え、彼の手元へ並べた。コースターはオリュース市電の正面を模った市電グッズだ。 同じものを正面に用意すると己も腰を下ろし、進捗を伺うように彼の手元を覗く。]
分からないところがあれば聞いてください。
加害者は容疑を認めているので、 あくまで確認の為の書類となりますが。
[汗の引いた涼しい顔は車掌の顔。 公私を切り換え、開いた膝の上に肘を乗せ白手袋の指を組んだ。
自らを律するように。**]
(119) 2019/07/28(Sun) 18時頃
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[ゴゥンゴゥンと空調が唸り声を上げている。気難しい奴だがこれが正常だ。――― 正常になりきれないのは己の方。 現に、老眼鏡を掛けた彼は常よりも一層ストイックに見えて、無意識に咳払いしてしまった。>>127]
……窃盗未遂よりも市電主導で進められるのです。 未遂でなければ窃盗で被害届を出せたのですが。
[咳払いに合わせて顎を引けば、自然と俯く角度。 現行犯でないなら立件は難しく、それでも捕まえた手前、何らかの罪状が必要だ。己が独断でマニュアルから外れた行動を取った為、手続きが煩雑になったのだ。――― 否、痴漢ならば正しい判断ではあったのだが。]
私の短慮でご迷惑をおかけして申し訳ありません。 ………これで…、二度目ですね。
[眉根を寄せて頭を振り、軽い髪を揺らす。懊悩を払うようにポロリと新人の頃のミスが零れたが、失言に直ぐに気付いて手背で口元を隠した。 己にとっては忘れ得ぬ記憶だが、利用者である彼に、何人もいる車掌の区別が付いているとは限らない。自ら墓穴を掘った気がする。]
(139) 2019/07/28(Sun) 22時頃
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もしも、ハワードさんの方で気になることがあれば、 お気軽にご相談ください。私が窓口になります。 例えば―――……、
[知らぬ男に触れられて不快だったのではないか。
――― そう問いたかったが、その質問が既にセクハラであると分からぬほどモラルは低くない。結局誰も気にしていないことを、己ひとりだけが拘っている。萎んだ語尾は二度目の咳払いで隠し、渇きますね。と話題を逸らして黒一色のアイスコーヒーを煽った。]
ありがとうございます、拝見させて頂きます。 ……携帯等はお持ちではないですか?
[逸らした話題はそのまま流す。 タイミングよく書類を受け取って空欄のチェック。ひとつずつトントンと指で項目を弾き、最後に住所で止まる。
空は既に茜色から宵色移り替わり、太陽は水平線の向こうに消えていた。夜の深さが無灯の事務所に手を伸ばす。]
(144) 2019/07/28(Sun) 22時頃
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[繊細な文字を見つめる十数秒。>>128 遠い住所と日中に済ませたらしい用事。>>108]
――― もし、よろしければ。 ご自宅まで送りましょうか。
今回も私のミスで御足労頂いたようなものですから。 ……今度こそ。
[薄々感付いていた答え合わせ。 あの時の言葉は全て彼の優しさだったのだ。>>0:202
なるべく平静を装い問うたが、憧憬と言うには余りに衝動的な想いに胸を圧された気がした。*]
(145) 2019/07/28(Sun) 22時頃
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………、……あ、はい。
マーケットの方に市電からもテントを出しているんです。 コースターと、模型と……、 ORS-2型は可愛いので特に人気なんですよ。
[時々発生するタイムラグは意識の再起動。>>156 上下する咽喉仏を数える視線は何度瞬きしても断ち切れなくて表面化し、常に理性と若さが脳裏で火花を散らしていた。彼を巡って。 お蔭でうっかりと口を滑らせ、街を走る現行車両を規格名で呼んでしまった。鉄道員が鉄オタであるとは道理であるが、幼い趣味を明かすようで居た堪れない。
昼間はあれほど流暢に舌が回ったのに、なぜか彼の前では上手く行かない。称賛など慣れている筈なのに、さらりと礼を返せば良いのに、必ず一拍、喉に声が詰まる。>>157]
ハワードさんにそう言われると身が引き締まる思いです。 でも、私はまだまだです。
(181) 2019/07/28(Sun) 23時半頃
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ああ、一応確認しただけです。 何も無いと思いますが、万一があれば社に連絡しますね。 ……スイート・スチュワードに。
[彼がプライベートアドレスを持っていないことは知らなかったが、勤務先は知っていた。だからこの感情を憧れと命名したのだが。>>158 しかし、電話を自宅で受ける誰かが居ないとは知らなかった。自身の咽喉から無意識に零れた安堵に気付かず、書類は封筒へ。]
私も本日はこれで上がりなのです。 着替えてくるので少し表で待っていてください。
[彼の帰りを待つ者がいないと察すれば、急に気が大きくなって少し強引に踏み込んだ。前回はタクシーだから断られたのだと自身を鼓舞し、エスコートに名乗り出る。 新人の頃とは違う。至らぬ部分は多々あるが、今はきっと押し時だ。>>167]
(184) 2019/07/28(Sun) 23時半頃
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[引くべきか、押すべきか。 その二択に勝って言質を取ると、さっさと事務所の奥へ消えて制服を置いてきた。流石にマーケットを制服で歩いてはコスプレだ。 事務所の前で待たせた彼の戻るには五分も掛からない。>>171
黒のシャツにジーンズとブーツ。背中に掛けたボディバッグは平たく、首に掛かるチェーンのトップはシャツに隠す。 ホワイトカラーにありがちなことだが制服を脱ぐと少し若返り、制服効果が切れるお蔭か異性に声を掛けられることも減る。正しくオフモードだ。]
お待たせしました、ハワードさん。 流れ星は見つかりましたか?
[若者らしく声を張ると隣に並び、彼と歩調を合わせよう。この時期の挨拶の常套句も忘れず付け足して。*]
(190) 2019/07/28(Sun) 23時半頃
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[憧れる御仁と帰路を共に出来る。 言ってしまえばそれだけに妙に心が躍った。相変わらず憧憬と言う感情は宙に浮いたままあやふやだったが、これほど嬉しいのならば方向性は間違っていないのだろう。なにせ己は紳士の友人になりたい訳でも、彼を雇い主人を気取りたい訳でもないから。
―――― いや。 実のところ、一度だけ指名した場合の相場を調べたことはあるが。直後に凄まじい罪悪感に襲われたので、本当に調べただけだ。
彼が幾らで買えるのか、など。]
(227) 2019/07/29(Mon) 01時半頃
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[制服と責任をロッカーに閉じ込めて軽くなった我が身は今時だ。経験と円熟で出来た品性を纏う彼の隣ではそれが一層際立つ。 懐古的な制服を纏う間は気にならないが、改めて視線を貰うと少し違和感を覚えた。>>203]
お仕事の電話でしたか?
毎日お疲れ様です、 バカンスシーズンは依頼が増えそうですが。
[目敏い視線が携帯を見止め、解禁された話題を早速選ぶ。彼が地域紙にも載るプロの使用人だとしても、それを糸口にするのは憚れていた。――― いつも彼を探していると、誰より自分が知っているから後ろめたいのだ。]
(228) 2019/07/29(Mon) 01時半頃
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[そんな抑圧から解放されれば自然と声は弾むも、老眼鏡を掛けた彼から忙しなく視線は外れがち。別に眼鏡へのフェティシズムはないが、見慣れぬ紳士の顔は心臓への負荷が高い。 視力矯正だと言うのにその小道具は彼のシャープな面立ちを更に引き締め、なのにサッと眼鏡を掛けた仕草に愛嬌を覚える。 ……やはり、彼と二人きりになると己はおかしくなる。]
ハワードさんも良く似……、……。
[可笑しくなるのは良いことも悪いことも。
確かに今の彼の口調は若輩を詰るものではなかった。称賛かと言われれば怪しいが、不快感を覚えるものではなかった筈だ。 それなのに“若い”と事実を一線引かれて声が止まる。]
(229) 2019/07/29(Mon) 01時半頃
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………、
[昨日の車内で沸いた感情によく似たものが今日も顔を覗かせる。けれど、今日はカッと燃えるような激情ではなく、どろりと滴るように重い感覚だ。 彼に他意はあるまいし、己だって車掌になってからも千回は言われた。それに事実24歳は彼よりずっと若い。
作るべき顔に迷って唇を結ぶ。 朗らかに笑う横顔が自棄に遠く感じて。>>212]
(230) 2019/07/29(Mon) 01時半頃
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[不意に踏み込む一歩は大きい。 仕掛けたのは己だが、言葉を選び間違えたのは彼の方だ。>>214
空には星、最寄りの停留所までは人気もない。 背後には黒い海。遠くには地上の瞬き。
彼の肩を抱くようにして引き寄せるのは一瞬。 若者が同年代に絡む素振りは、勁く、硬く、低く。 唇が剥き出しの外耳に影を落とし、吐息が掛かる。]
(231) 2019/07/29(Mon) 01時半頃
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――――……、
[そっと吹き込んだ一声。 するりと腕から力を抜けば早々に解放し、隣に並び直す。]
それで、幾つ見つけましょう?
[業務用に似た笑みは、吊り上げた唇の角度が私用を示す。 確かに彼よりも随分と若いが、これを子供と呼ぶにはきっと手遅れにすぎる。**]
(232) 2019/07/29(Mon) 01時半頃
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[……罪悪感に襲われたから調べるに留めただけで、決して一介の鉄道員の給与で購い切れる金額でなかったから諦めた訳ではない。――― と、自分自身に見栄を張ったのも過去の話。 生涯年収を軽く超えた見積もり用途と期間はもうずっと前に屑籠の中に放り込んだ。>>289
――― 足りないのは年齢だけではないのだ。 子供が取るには過ぎたる挑発、されど若いと与えられた評価は覆せない。 それでも彼に童子の扱いを受けるのは嫌だった。
彼は己を侮っている訳でも軽んじている訳でもないのに。 寧ろ、多くを甘んじてくれている。現状のエスコートとて無理に押し切ったようなものだ。]
(313) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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[暴挙に出たのは衝動故だったが、押してみると言うのは案外有効らしい。押し返す防衛本能があることに安堵して、その対象に自分が入っていることが嬉しかった。 彼にとって、己は突然じゃれてきた子供ではない、と言うだけで胸に満ちるものがある。
彼の余裕を崩してしまったのに、覚えたのは罪悪感ではなく満足感。いよいよ憧憬の擬態も剥げてきた。狼狽えて、歪んで、立ち直る感情のグラデーションに眸を細め。>>296]
眼は良いんです。 昼も、夜も。
[夏の真昼も、冬の夜も。 パッと視線を空に向ければ、まずはペルセウス座を探す。 アンドロメダに傅くギリシャの英雄を。]
(316) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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― オリュース市電 ―
[―――― が。 まだペルセウス・マーケットは始まったばかり。 見つけようと空を仰ぐと意外と見つからないのは例年通り。
しかし全天を見上げる視線は真剣で、煽られたからには見つけたい。 結局電車を待つ間も、もうすこし。と猶予を貰い、乗車しても車窓の傍に陣取った。]
……いえ、お礼なんて。
そもそも助けたと言うより、 迷惑を掛けた部分の方が大きいですし。
[黒に染まった窓に映る自身越し、放射点を探して相槌を打つ。 こんな時、さらりと簡単な手土産を求められればスマートなのだろうが、彼に関わったのは謝礼欲しさではないから上手く行かない。]
(319) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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あ、
[閃いたのと、指が窓硝子に触れるのは同時。 空から零れる一条の光。夏の始まりを告げる流れ星。
瞬きよりも素早く夜に溶けたが、願いは胸で唱えた。]
(320) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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………、 ―――…なんでも構いませんか?
[視線がゆっくりとスライド。 欲しいものはなかったが、彼がくれるなら話は別だと気が付いた。 星が与えたもうた悪知恵。掌をくるりと返した男は、彼を間近で覗いた時と同じ顔をしていた。*]
(321) 2019/07/29(Mon) 23時頃
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