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[
大丈夫と微笑みかける。
縋れるモノはただ自分だけ。
心の枷は次第に作られ、枷から伸びる鎖が繋がったよ。
体を貫き穿つモノは楔となり、
薬により溺れる身を深き洞へと沈みこませるかのように]
ノッカ、初めてで気持ちいいなんて……
きっと自分と、相性がいいのですよ
これはねーー
[囁くように、呟くように、蝕むように。
偏執的な愛を囁いて、反対の手もしかりと捕らえて逃げられぬように手を結べば、
また一つ鎖が繋がりがんじがらめ]
もっと気持ちよくし差し上げますよ
ずっと、ずっとね?
[そうして自分はノッカ穿つケダモノを動かしてい。
その動きは遅く、焦らすように内側から支配するように、
まずは僅か腰を引いては突き入れて、
突き入れては奥でケダモノを振り回して媚肉を擦りつけ、
己の住処を変えていく**]
メモを貼った。
メモを貼った。
― 陽だまりパン工房 ―
[血だまりの中、いやいやと首を振って。
嘘だ嘘だって。
でも、誰かが私を呼ぶ声が聞こえる。
懐かしい、その呼び名。
懐かしい――あの人がいた頃の、呼び名]
セイルズ、さん……
[呆然として焦点の合わなかった目が合わさる。
セイルズさんを視界に入れて。
縋るように見上げた]
お願い、嘘だって言ってください……、
あの人は、生きてるって……、
ねえ……、
[うわ言のようにそう言って。
でも、誰もそれに答えてくれない。
私の望む言葉を、誰もかけられない。
沈黙がそのまま肯定に変わり、押し寄せ。
私の希望を殺していく]
[言葉の代わりに肩に手を置かれて、
包帯の巻かれた指を握ってくれて。
それがとても、温かくて、温かくて。
泣きはらした目からまた涙がぼろぼろと零れ落ちる]
うっ、ひぅっ…、
セイルズさん…、セイルズさん…
[セイルズさんの胸に飛び込んで顔を埋めて。
シャツの胸元に皺を作って、
そうして私、セイルズさんの温もりに縋っていたの。
ふるふると体が震えて。
現実が、温かさと共に胸に染み込んでいく。
もう、あの人はいないんだって――。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
[
あたしを絡めとっていく。
逃げ出せない。抜け出せない。
握った手も離せない。
縋れるものが、そーさんしか居ないから。
あたしが縋れるのは、もう]
ぁ ………… 、
[
ああ、そうだったんだって。
あたしの惚けた瞳が、瞬いた]
[だから、気持ちいいんだ。
初めてのはずなのに、身体がおかしいんだ。
ぐずぐずに蕩けてしまった思考は、
それを肯定することしか、できない]
ぁう、 あっ……、 ふぁ、 っ
[あたしのナカでそれが動けば、
もう、言葉を紡ぐことも難しく。
口から飛び出すのは、嬌声ばかり]
ひあぁ、 やっ、
[あたしの悦いところが、
ゆるやかに擦られていく。
ぐちぐちと鳴る水音が、
さらに大きく聞こえる気がするのは。
あたしがもう、
その行為にしか思考を割いていないから]
そー、 さん、
[焦らすような、ゆるやかな動き。
『なにか』を求めるあたしの身体は、
それじゃあ、満足してくれない]
もっとぉ…………っ
[熱い息を、吐き出して。
泣きそうな声で、甘えるような声で、
あたしはそーさんを求めた**]
メモを貼った。
そうです……ノッカ、分かってくださったのですね。
嬉しいですよ。
[
惚けた瞳が瞬くと、ノッカの中もまた変わったかのように自分の熱を包み込んでくる。
ノッカの中を動く熱は不規則に媚肉を掻き乱し、
もっと、ですか
自分もです、自分も、もっと、愛しますよ?
[身を乗り出し、唇を重ね合わせて腰を引く。
熱の先端が蜜壺から抜けきる程に引き抜かれ、
次の瞬間には先よりも重厚な水音を奏でて一息に奥まで突き入れてしまう]
ノッカ、ココもいいですよね?
嗚呼、ココもだ
[媚薬とケダモノの熱に犯され、
運命の相手と信じ込まされた相手の愛を受け入れさせられて、
先刻まで乙女であった身では感じ難いはずのナカでさえ「キモチイイ」の連鎖が止まらぬだろう。
そうしてノッカが感じていれば自分もまたキモチイイ。
熱く締め付ける中の具合も、
蜜が滴り湿り、滑る媚肉との協奏も、
浮かべる表情も、その声色も。
嗚呼――]
ノッカ、ノッカッ、
いっぱい感じてますか?
ほら、わかりますか?
自分のが、大きくなってますよ
[ノッカの腰に自分の腰を打ち付けるようにケダモノを操り、
その熱は蜜をとろりと蕩けさせてしまい、
思考すらもその毒牙でもうじゅくじゅくと消えていく頃合いか。
自分のケダモノが膨らむのは、種付けるためだ。
雄が雌を、身重にするための行為。
身を擦り寄せ、問いかけよう――]
ほら、孕んでしまいましょね?*
[ココアは名を呼べば振り返り
[傍にゆっくりと近付いて、間近で彼女の瞳を見下ろす。
──けれど、彼女に求められても
首を横に振りはしなかったけれど、頷いてみせもしない]
[数字と事実を扱ってきたセイルズは、元より推測も嘘も口にする方ではなかった。これまでだって招集者の死を肯定せず、それはつまり、招集者の生を肯定できないという事でもある]
[彼女への回答は、沈黙が肩代わりしてくれていた。
ぽろりと涙が零れ、胸元で彼女を受け止めた時
[優しく、ゆっくりと。細かな震えを感じながら。
彼女が現実に追いつく時間を、傍で待つ]
[とはいえ十分な時間を置いたところで、周囲の状況を見れば、落ち着いたかとも大丈夫かとも口に出来るはずがなくて]
……一旦、ここから離れないか。
[こんな時でもやはり、前置きの全てがするりと落ちる]
―――― ッ!!
[
そーさんの口に塞がれて消える。
ギリギリまで引き抜かれたそれに、
名残惜しさを感じるよりも前に。
一気に貫かれたあたしの腰が、跳ねた。
―― 息が、詰まる。
頭では処理できない、初めて知った刺激は、
あまりにも甘く、熱く]
自警団は今動けない、から
私の家に来ればいい。
少し眠るにしても
ここでは、心が休まらないだろう
[二階に累が及んでいなくとも、出入り口はこの1階。ベッドに籠もっている間は離れられようと、例えば水を飲むというだけのことで、再びここを訪れ、何度もこの、踏み躙られた居場所と砕けた希望を、直視する事になる]
[順当に行けばまずは自警団の事務所を頼るべきだろうが、彼らは今、火事によって出払っている]
あっ、あっ、
そこ……、 そこぉ……っ!!
[
あたしの理性を飛ばしてしまう程に
気持ち良いものだから、
何度も何度も、頷いてしまう。
息を吐く間も無い、
絶え間なく与えられる刺激。
あたしの肉壁は、
そーさんのそれを手放したくないと言うように、
何度もきつく締め付ける]
[低く囁いた声は、音量の割に良く聞こえた。
辺りに人も、動くものもない為に。
無理もないだろう。時間が時間だし、他者が見に行くのであれば、遠くからでも火の手が見える火事の側で──勿論、自警団と同じくココアが頼るべきである義妹も、この場にはいない]
[抱きしめていたから、彼女の反応は見えなかった。
また顔を赤くしているのかもしれない。
けれど今度は、そのまま引き下がるつもりもなかった]*
やっ、 やあっ、 ぁ、 ひぃ っ、
そーさんのっ、おっきぃ、 ……っ!!
[
カタチを感じることは出来ないけれど。
あたしを貫いているそれが大きいことだけは、
蕩けた頭でも、わかってしまう。
それが更に質量を増したことも。
そして、あたしが期待してしまってることも。
もう、認めることしか、できないから]
メモを貼った。
ひ、あぁ……、
あかちゃん、 できちゃう……っ
そーさんの、 っ
[これが『子供をつくる行為』ってこと、
あたしは知ってる。
あたしの、身体は。
そーさんの種を受け入れる準備が、
出来ているんだって。
荒い息を、吐き出した*]
メモを貼った。
そう、そうですよ……
自分とノッカの愛の結晶です――実に素晴らしい
[
その奥すらもいつしか物欲しそうに熱に吸い付こうとしてくるようになっていた。
くっ、はは、孕んだらエル・ドラードを目指しましょうね
踏破する手立てはありますから
そこで、そう――ッく……
あの絵のように暮らしましょう
[あの絵、ヌヴィル先輩の絵にあるように、皆で。
そうした未来を作るために、目指すために。
自分はケダモノをそれこそ獣のように奮い立たせノッカと共に高みへと昇っていく]
嗚呼、ッ、中に、だしますよ
[ぎうと手を強く握りしめ、
身体で覆いかぶさり逃げられぬようにベッドへと縫い付けて、
自分のケダモノをノッカの一番奥まで穿った。
そうして奥の小部屋の入り口へと熱の噴出口を押し付けると留めていた栓を抜き――
自分でも感じたことのない吐精感を味わいながら、
熱い白濁を解き放った。
幾度も幾度も熱は震え、震える度に白濁は吐き出されていった*]
[じっと、セイルズさんの瞳を見上げる。
――ああ、この人は嘘は言わない。
真っ直ぐな目は何よりも雄弁。
あの人は、もう、生きてはいないのでしょう]
う、うぅ……、ひっく…、
[セイルズさんの胸元で泣いて、泣いて。
宥める手が温かい。
受け止めてくれる優しさが頼もしい。
だから私、子供のようにたくさん泣いたわ。
三年間堪えていた涙を出し切るようにして]
[そうして、涙も枯れて、疲れ果てて。
もう、何も出ないほど泣きつくした後で。
セイルズ、さん……、
……は、い…、
[ここを離れないかって言われて促されるまま頷くの。
ぼうっとした頭で、
耳から入る言葉は何処か遠く聞こえて。
とにかくここを離れたいって。
セイルズさんの家に連れて行ってくれるって。
それだけを、なんとか理解する]
メモを貼った。
[低く囁く声が、耳に心地いい。
大丈夫、セイルズさんについて行けばいいんだって。
もう、怖い事はないんだって。
――そう、信じ込ませてくれる、今、この時だけは]
ついて、いきます……、
[抱き締めてくれる腕の温もりに今は縋って。
周囲の火事も、夫の死さえどこか遠く。
夢の中を歩いているようなぼうっとした顔で。
ただ、頼れる貴方に付き従うの。*]
メモを貼った。
[
父さんが言っていた、母さんが描いた、
あの、おとぎ話。
『ある』って信じたくて、
けれど、『あるはずもない』って
期待を抱かないようにしていた、それ。
本当に、あるのなら。
かつてのように、幸せに
あ、 あっ、 きちゃうっ、
きもちいの、 きちゃうのぉっ!
[ぐずぐずと、蕩けてしまうほどの熱。
奥深くまで潜ったそれを、
あたしの肉壁は、逃すまいと]
ひ、 ――――――!!!
[ぴんと、つま先が伸びる。
また、あたしの頭の中で、
何かが弾けるような感覚が。
すぐに、頭の中が、真っ白になって。
―― しあわせな、あの日が。
嬌声を漏らすあたしの頭の中に、過る]
メモを貼った。
ぁ、 あ………………、
[腹の奥に、吐き出された熱。
一滴も取りこぼすまいと、
肉壁が、きゅう、と収縮する。
今日、何度目かの初めての感覚。
流し込まれた熱量に、
あたしの身体は悦びに震えた]
そー、さん…………、
[惚けた声で、そーさんの名前を呼ぶ。
思い出したかのように、
握りしめられた手をまた、やさしく握り返して。
あたしに覆いかぶさるそーさんの肩に、
甘えるように擦りついた*]
メモを貼った。
ふふ……ノッカ、随分と気持ちよくイケたみたいですね?
[
内包する蜜壺は地獄の坩堝の様に精を貪ってくれる。
動きは動から静へ。
安らかなる平穏の中ベッドの上で自分は甘えてくるノッカをあやすように目元や頬に唇で触れていく]
ノッカは自分のイヴです。
意味は、わかりますね?
[もし分からなければ、また教えてあげなければならない。
もし分かっていたらイヴの役割をしてもらおうか。
そう――いずれにせよ『エル・ドラード』を目指すその時まで、
ノッカは自分から片時も離れることはできないのだ*]
── 自宅 ──
[着いてすぐ彼女を導いたのは、リビングルームのソファだった。
傍に立ち、彼女を深く腰掛けさせる]
茶を入れよう。少し待っていてくれ。
[セイルズはそのまま床に膝を付くと、彼女の瞳を覗き込んだ]
[ひとときの動揺ではなく、何年も掛けて胸中に積もっていたものを、すべて流しているのか
[だから、安心して良いと、すぐに戻って来ると、きっちり伝わるようにじっと見つめる]
[そうして台所に向かうと、極力手早く用意をした。
湯を沸かしている間に茶葉とポットを出し、二人分の茶葉を量っておく。また薬入れを探し出し、取り出したのは睡眠薬。片方のカップだけにころりと入れた]
[──普通に飲んで貰っても良かったのだけれど。
力ない今の彼女に、来て直ぐ薬を飲めと言うのは憚られた]
[沸いたお湯をポットに注ぎ、蒸らすこと数分。やや濃く淹れたミントティーをカップに注ぎ、砂糖入れを添えて持っていく]
砂糖は多めに入れた方がいいだろう、
きっと落ち着くから。
[リビングテーブルにカップを並べると、敢えて彼女の隣に腰掛けた]*
[深く息を吸って、吐き出して。
浅かった息も、なんとか落ち着いて行く。
今までずっと燻ぶっていた熱は、
気付けばあたしの中から発散されていて。
ただ、まだ。
あたしのナカに吐き出されたものは、
熱いまま]
…… イヴ、
[
あやされているあたしは、目を、細めて]
………… そーさん、は、
[ふと、浮かんだ疑問。
行為の後だからこそ、
浮かぶ疑問であったのかもしれない]
だれでも、よかった?
[あたしじゃなくても、
『イヴ』になれたのか、って。
伏し目がちに問いかけた**]
メモを貼った。
メモを貼った。
[
中に埋めていた雄の証を引き抜いた。
蜜と精に塗れたソレをノッカのお腹に当て擦り、
誰でも?
それはありえませんね
[細めた目元へと唇を触れ、そのまま耳たぶに唇を寄せた]
だから誰でもではありませんね。
自分の股間がノッカをモノにしろと言ったのです
初めてのことですよ、こんなこと
[
誰でもなんて反応するわけではないのだ。
幾つもの条件が重なった結果、自分のイヴにしようとしたのはノッカだけだ]
その答えでは不服ですか?
不服なら、分かるまで伝えようと思いますが……。
[そう――理解してもらえるまで話し合うのは大切なことだ。
ちゃんと伝わるまで伝えよう。
耳元から顔をあげると、微笑んで見せた。
ノッカがどちらと答えるのか。
それはそれで楽しみで**]
メモを貼った。
[ほうっとした顔のまま貴方に付き従って。
着いたお家は一人暮らしにしては大きかった。
導かれるままソファに深く腰掛けて]
あ……、
[――私を置いてどこかに行くの?って、
いかないでって、
そんな思いが過って泣きそうな目をするの。
でも、跪くみたいにして膝を折って瞳を覗き込んでくれる瞳に、嘘はない。
どこまでも誠実に、私を守ってくれる人。
それが、じっと見つめられて分かるから]
[泣き腫らした赤い目元、それでも柔らかく微笑んで]
は、い……、
[ぎゅっと両手を握りしめて頷くの。
そうして、待っている間にお部屋をぐるりと見渡して。
――穏やかな、世界。
ここには恐ろしいものなんて何もない。
怖い便箋も、夥しい血も、脅迫者の魔の手すら。
ここには存在しないって、そう思えて]
……、……っ
[思い出したように、また涙が一筋、零れた。
怖い事を、辛い事をたくさん思い出して]
[そうしていれば、ふわりと良いミントの香り。
私、慌てて目元をハンカチで拭うの。
イルマさんに借りたハンカチ、後で洗わなきゃって、そう思いながら]
……ありがとう、ございます。
[カップを受け取って、砂糖を4杯。
多めに、多めに言われるままに入れましょう。
さらさらと。
悲しみも苦痛も全てすべて溶かし込むように。
くるくるくるくる、かき混ぜる。
そうして一口飲み込んで――]
……あたたかい。
[甘さが、優しさが、温かさが胸に染み込んでいく。
味わうようにもう一口。
こくりこくりと飲み干して。
空になったカップを膝の上に置いてほうと一息]
ありがとう、ございます……、
私、わた、し……、
[何か話そうとすればまた涙が溢れそうで。
隣に腰かける貴方に申し訳なく呟いて、
俯いた間、静寂が過る]
[窓から差し込むレースのカーテン越しの朝日が美しい。
静かで、穏やかな時間。
そっと触れる手に、びくりと震えて]
ほんとう、ですか……?
[ここは荒らされない、安全な場所だと顔を上げて。
でも、迷惑じゃないかしらと過って。
でも、でも――]
ごめん、なさい……、ありがとう、ございます。
[弱い私を守ってくれて、頼りきりになってしまって。
そう思うけど、今の私には貴方しかいないの。
お世話になりますって、そうか細く呟いて――]
ごめん、なさい……、
[ずっと傍にいたいと思ってしまって、ごめんなさい。
私、私……そう、思って。
貴方の肩に身を寄せて。
やがてうとうと眠気が襲ってきて目を、閉じるの。*]
メモを貼った。
[手を柔らかく撫でてくれる感触が心地いい。
どこまでも穏やかで、優しい世界。
(そう言えば、聞き忘れていたわ。
どうしてここまで優しくしてくれるのって――。)
聞きたいけれど、知りたいけれど。
でも、今は眠くて、ねむくて。
貴方の温もりにただ身を委ねる、だけ。*]
メモを貼った。
[ココアは緩やかに眠りへと落ちて、静かに傍にいてくれる。
触れ合う身体が温かい]
[頬に落ちた彼女の髪は、細い絹糸のようだった。髪と遊び、頬へ触れる──そこは預けられた身体より尚柔らかく滑らかだった。
そうしていても瞼は開かれない。薬の効果が主因ではあろうけれど、警戒をされていないからこそ、すっと眠ってもくれたのだろう]
[暫くそうした後、離れ難さを堪えながら──彼女をそっと抱き上げた]
[運ぶ先は、叔父が使っていた寝室。
柔らかいベッドに彼女を寝かせ、布団を掛ける。差し込む日差しはカーテンで遮った。サイドテーブルには先程淹れたミントティーを持って来る。ボトルに入れ替えたその中身には、再び睡眠薬が溶けている]
“少し仕事に出掛けてくる。
昼前には戻る。
部屋からは出ないで、カーテンもそのままで。
危険があってはいけない“
[区役所の仕事だけであれば、今の薬が効いている内に済むだろうが、万が一彼女が目覚めた時のために、部屋にあったメモ帳を使い置き手紙をした。
そうして、部屋の扉にも、玄関の扉にも鍵を掛けていく]
[再び鍵が開かれるのは、区役所から戻ったセイルズが、食事の支度を終えたとき]
[鍋の中にはオートミール、フライパンには鶏胸肉の香草焼。
ココアがいつ起きてもいいように、コンロの上で待っていた]**
メモを貼った。
メモを貼った。
―飛行艇―
[キングスの知らない言葉、持ち得ない感覚のひとつに、『哀れみ』がある。
籠の少年のように、綺麗に歌う子の目をわざと潰し、哀れみを乞い、金を得るというもの。
傷付ける事の影響を知らない訳でもなかろうに。
召集までの生き道は自由に認めているとはいえ、腑に落ちない点でもあった。]**
ぁ、
[
ずるりと引き抜かれた。
内側を擦っていく感覚に、息を吐いて。
問いへの、こたえ。
耳元に囁かれる低い声に、身体が揺れる
ぼうっとする、あたしの頭。
疲れてるんだろうなって思う。
―― けれど、]
じゃあ …………、
[不安が、胸の中を渦巻いているから]
あたしは子供を産むための、道具?
[召集されたあたしは、
子を産むための道具になる筈だった。
なら――、 今は?
護る
そーさんが本当に欲しいのは、
子を産むための腹なんじゃ、ないかって。
そんな、不安が。寂しさが。恐怖が。
あたしの胸の内に、ある]
[面倒くさいって、思われてるかもしれない。
でも。
あたしを愛してる、って
言ってくれたとしても。
求められているのは身体だけで、
心がはおまけだったとしたら。
あたしの心は、どこで生きれば良いのだろう。
―― って、思ってしまって。
この場所から逃げられないのなら。
せめて、せめて。
『道具』じゃない、あたしになりたいから]
………… ひとりは、さみしいの。
[心がひとりぼっちなのは、嫌だって。
ちいさな本音を、発露した**]
メモを貼った。
[謝る度に、構わないと言ってくれて撫でてくれる。
優しい人、温かい人。
私、すっかり甘えて身を委ねてしまうの。
夢見心地に感じる指先。
触れられるとそれだけで落ち着いて、
ゆったりと眠りに落ちていくの。
そうして全て忘れて眠って――、
夢も見ないほどの深い眠り。
覚ましたのは、鍵の開く音。
[ぼうっと目を覚まして、
いつもの自室の天井じゃないって思って。
セイルズさんのお家に来たんだって、思い出して。
辛い事もたくさん、思い出して]
…………。
[私、動く気力もなくぼうっと天井を見上げていたの。
でも、顔を横に向ければサイドテーブルにメモを見つけて、手を伸ばす。
私の事を心配してくれる気遣いが嬉しくて。
そのメモを胸の上に置いて、目を閉じるの]
[でも、セイルズさんが帰ってきたなら挨拶しなきゃって。
ベッドの上に身を起こすの]
あ……、もうお昼、ですか……?
私、わたし……、
[食事の支度がしてあると知って。
私、昨日からまともに食事をしていないのを思い出すの。
お腹が空いたのを思い出して]
ありがとう、ございます。
何から何まで……、
[ぺこりと頭を下げて。
用意してくれた食事を頂く事にしたの。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
[
「子どもを産むための道具」とは中々どうして的を得た言葉だ。
『繁殖用』として招集されれば確かに道具であるし、 自分もまた『繁殖用』として選ばれた理由を探るべくという意味も含んだ行動だったからだ。
つまり
自分はノッカと繋いでいた手を、両手とも離してしまう。
片方の指先で自分の顎に触れ、
もう一方の手はノッカの脇の下辺りでベッドについて、
身を乗り出した]
独りは寂しくて、ノッカはどうしてほしいですか?
[自分は親指を己の唇に触れ、その親指の腹をノッカへと伸ばし先ほどまで美しい声を奏でていた唇に押し当てた。
独りは寂しい。
なるほど、――自分にはなかった考えだ。
自分は寂しいと思うよりも、キングスを駆逐する未来を描いていたのだ。
憎悪は心を動かす原動力であり、身体は心に従い動いていた。
寂しいと思う暇などなかったのだ]
ノッカ、心の空虚は身体の触れ合いで埋められます。
寂しさもまた、心の空虚。
家族を失った空虚は、さぞや寂しかったでしょう。
[唇に押し当てていた指先をずらして、頬を撫でる。
優しく、丁寧に、ゆっくりと。
益々と身を乗り出しては自身の股間の品をノッカの腹に擦り付けて、
ノッカの瞳を覗きこむ]
同時にね、身体の触れ合いは、
心の繋がりを強くします。
[脇の下辺りについていた手を折り、肘で身体を支えて前腕をノッカの背へと回していく。
背へと腕を回せば身体を抱き寄せて、
頬にあてていた手は首筋をなぞり項に触れた]
家族というのはね、そうやって繋がりを持っていくものです。
ほら、産まれた子は母親に抱かれて育つでしょう?
あれも触れ合いです。
育てば、父親に頭を撫でられたり、抱っこされるでしょう?
あれも、触れ合いです。
[『道具』であっても長年使えば愛着は湧く。
人への愛着も、ペットへの愛着も、『道具』への愛着も。
今回の理は変わらぬことだ]
ノッカ、こうして触れ合い続ければね。
自分とノッカは家族になれる。
一月で足りなければ、一年でも。
一年で足りなければ、三年でも。
三年で足りなければ、数多でも千代に八千代に。
ノッカが寂しいと感じなくなるまで、
ずっと一緒にいてあげますよ。
そう――
独りにはしませんよ?
[微笑みすらも浮かべずに、
自分はとても、とても、真顔でそう告げていた**]
メモを貼った。
[キングスに憐憫の情があるかは
わからないけれど、
少なからず気に入るもの
あるだろう。
その『お気に入り』が飽きられた時。
その『役割』を果たせなくなった時。
人間は、死を迎える。
じゃあ―― あたしは?
あたしが、子を産むという『役割』を
果たせなくなってしまったら。
そーさんが、あたしへの興味を失ったら。
あたしが迎える、未来は]
[―― 何も変わらない。
あたしを支配する者が、
人間か化け物かの違いだけ。
幾度も身体を重ねたとて
そこに心が伴わないのならば。
あたしに対する感情が、
『愛玩道具』に対するものならば
あたしの心が満たされることは、ない
そーさんは愛してくれるって言うけれど。
瞬いた瞳
本質のかけらを、拾い取る。
このひとは、『あたし』を見てくれない。
あたしが持つ『何か』を、見てるだけ]
[あたしの瞳は、そーさんをじっと見上げる。
ひとりは、こわい。
けれど、独りにはしないっていう、
そーさんの言葉は。
父さんと母さんが育んだような
穏やかな愛は無く。
あたしが欲しいと言ったから与える、
そんなように思えて]
………… そーさん。
あたし、シャワー浴びたいです。
[そーさんの言葉に返事はせず。
あたしは笑みを浮かべて、言葉を紡ぐ。
その表情は、かつての
諦めを抱いた、笑顔*]
メモを貼った。
[
見上げてくる瞳が映すは困ったように微笑みを浮かべた自分であろう。
「愛してあげる」とは言ったものの自分はノッカが求めた解答を知らぬようだ。
自分の与える愛は無機質なものなのだろう。
それもまた研究か――。
研究に明け暮れた自分が与える愛など高が知れている]
……嗚呼、今、連れていこう。
[ただ――その笑顔は見たくはなかった。
胸の奥が疼くような痛みを生み出し、
その痛みは更なる執着を生み出してしまう。
花のように笑ってくれたならば
いっそ興味を失ったかもしれないけれど]
―― シャワー室 ――
[「連れていく」の言葉通り、自分はノッカから一度身体を離すと横へと移動した。
背中へ回す手はそのままに、膝裏へと手を入れて横抱きに抱き上げてしまう。
自分が告げたこともあるが、
今、ノッカを独りにするつもりはなかった。
それはプライベートも何もあったものではないものだが。
仮眠部屋を出るとそこは大部屋になっている。
大部屋には何も置かれておらず、伽藍としていた。
床を見れば何かが置いてあった痕跡がいくつもあり、
それらが更に奥の扉へと向かった跡が見て取れるだろう。
つまりここは、引き払う準備が済まされている部屋だった。
ノッカを連れ込むのはその反対側。
大部屋から続く扉の一つを開けるとシャワールームになっている。
シャワールームは一人用でそれほど広いわけではないが二人いても少々窮屈なだけである]
[ノッカを床に下ろして、扉を閉めれば狭い空間に二人きり]
はい、ここがシャワールームですよ。
独りのほうがいいかもしれませんが……
[ゆるりとノッカの方へと手を伸ばす。
その手はノッカではなくその向こう側のコックを捻るために伸びたのだが、
ノッカにはどう見えたことだろう*]
メモを貼った。
[
あたしの知る愛を、持ち合わせてない。
知らないのか、忘れてしまったのか。
あたしには分からないけれど。
ラベンダー畑で笑い合うあの頃の、
家族の愛に満ちた、些細な一日を
穏やかな、愛を。
それさえあれば。
あたしの心は、生きていけるのに]
[
腹の中の精がまだ残っているから。
運んでもらうことを、甘んじて受け入れる。
―― つかれた。
初めての行為に、
疲労を覚えるのは当然のことで。
閉じそうになる瞼を必死に押し留める。
何もない部屋。
そこに何が置いてあったのか、
なにを奥の部屋に移動させたのか、
あたしには、知らないことだけど。
寂しい部屋を通り過ぎて、
辿り着いた先は、シャワールーム]
ひとりでも、
[
そう呟いても、そーさんは
あたしをひとりにする気はないようで。
深い息を吐き出して、
シャワーの方を向こうとした、ときに。
こちらに手が、伸びてきたものだから。
反射的に、ビクリと。
身体を跳ねさせて、しまった。
情事の前。
怯えるあたしに伸ばされた手を、思い出して*]
[鍵を開き、静かに作った隙間から覗いた先には、去る前と同じ布団の膨らみがあった。傍に置いたボトルにもまだ触れられた様子がなく、だからきっと彼女は深い眠りに落ちていたのだろう
材料ならば他にもあったが、消化の良い物と栄養のある物それぞれを用意して、きっと正解だった]
[布団がもぞりと動いた
身を起こした
──ココアが、そこにいる]
まだ正午は過ぎていない。
──おはよう。よく眠れただろうか。
[薄暗い部屋の中で挨拶と共に向けていたのは、微かな微笑み]
[食事も出来ているのだと伝えれば、彼女はまた、恐縮したように礼を告げた。気にせずともよいのにと、セイルズは再び口を開く]
どうか、気にしないで欲しい。
……私がしたくてしている事だ。
[全てを委ねられたって、むしろ望む所なのだ]
[食卓へと彼女を招き、二人分の食器に食事をよそう。香草焼の隣にはミニトマトを添えて、牛乳で煮込み塩で味を調えたオートミールには、胡椒を一振り。足りなければお代わりもあった]
ひとりには、しませんからね?
[
ここまで
伸びた手に身体を跳ねさせていた。
自分の手はノッカを素通りしてコックを捻る。
ぱらぱらと天蓋から降り落ちる湯は熱くもなく温くもない適温で、
肌に触れるとその上を滑り落ちていく。
髪事湿りゆくので乾かすのが大変であろうけれど、
浴びれればいいと作ったものなので融通が効かないのだ]
ノッカ、今、また抱かれると思いました?
[返す手でノッカの背に触れ、抱き寄せてしまう。
肌と肌が触れ合えばより情事の前を近づこうか]
もう眠そうですし、今はしませんよ
それよりお身体洗って差し上げましょうか?
それとも自分で洗います?
[洗うにしても間近であるから、ずっと見ているわけだけれど。
自分は目を細めて、努めて優しく微笑みかけた*]
[セイルズの椅子はココアの向かいで、食器は見分けが付くよう色違い。元二人暮らしの家は、今も二人で使いやすいように整えられたまま。
そうして最初は黙々と、食器を慣らしていたセイルズだが──オートミールの器が半分に減った辺りで、静かに口を開いた。
寝室で見せた姿とは違ういつもの真顔に、どこか緊張を滲ませながら]
この後、なのだが──
……貴女には、外へ出ないで、
ここに居てほしい。
自警団からの連絡があった場合は
私が対応する。
今日、私はこの後仕事がない。
不安ならば傍にいるし、
必要なものがあれば買ってこよう。
手続きの類も代行する。
[食間にさらりと告げるにしては少々重い“親切”だった。
それこそ、どうしてそんなに、と問われそうな程。
けれどそれが望みであるセイルズは、表情にやや緊張こそ滲めども、さも当然のことだとばかりの言いぶりだった]*
メモを貼った。
[
ぐちゃぐちゃになったあたしの身体を、
洗い流してくれるように]
………… おどろいた、だけ、
[情事の前を思い出したなんて
言いたくもなくて視線を逸らす。
触れ合った肌。
聞こえる鼓動はひとのもので、
あたしを落ち着かせてくれた]
いい、です。自分で……。
[
行為の後処理をどうすれば良いのか、
少しだけ、悩む。
掻き出せばいいのだろうかと、
股に力を入れてみれば、
中に残っていた精がどろりと流れ出してきた]
…………っ、
[その感覚に慣れなくて、あたしは眉を顰めたけれど。
流れ続けるシャワーがそれをも流してくれたから、
良かったのかもしれない]
[その間も、そーさんはすぐ傍にいる。
行為をしておいてなにを今更と言われそうだけど、
やっぱり、シャワーを浴びる姿を見られるのは、
それはそれで恥ずかしいもので。
本当はもっとしっかり身体を洗いたいけれど、
急いで、終わらせてしまおうと*]
そうですか……?
[
自分は一度、ぽむりとノッカの頭を撫でる。
肌が触れ合えば情が生まれる。
鼓動の音は安らぎだ。
ヒトとヒトはそうやって絆を深めていくものであるし、
ホルモンがそう思わせるように働くのだ。
――だから肌を重ねていればと告げたのだが、
そういう事ではないらしいので
自分の身体を洗いながらノッカの痴態を眺めていた]
ふぅむ……今のは蠱惑的ですね。
実に素晴らしい。
ですが我ながらよく出したものです。
[ノッカが力み、流れていく白を見て感慨深気にそう口にして、
ノッカ、いけません
足とか洗えてないでしょう?
嗚呼、足あげたら自分に見えてしまいますか……。
至極いいですね、愛らしい――
でも自分が洗ってしまいますからね?
[自分は身を静めるとノッカの前に膝立ちをなる。
ノッカに自分の肩に手を乗せるように告げて、
ボディソープを乗せた手でノッカの足を洗っていく。
足指の間や足首、ふくらはぎや膝裏を――
丁寧に丹念に指を這わせて早く終わらせたいであろうノッカを焦らすように、綺麗にしていってしまおう*]
[声の方に顔を向ければセイルズさんがいる。
まだぎこちなくだけど、私も笑みを返すの]
……ええ、よく、眠れましたわ。
こんなによくしてくださって、
なんとお礼を言っていいのか……、
[気にしないでと言われても、気にかかる。
戸惑うようにセイルズさんを見つめて。
案内されるまま食卓につくの]
[食卓を見て、パンがないからほっと一息。
今はパンを見たくなかったから。
辛い事を思い出してしまいそうだから。
オートミールと鶏の香草焼き。
美味しそうにできているのを見て]
セイルズさん、お料理も出来たんですのね。
それに……ふふっ、
本当に鶏肉がお好きなんですね。
[お店でよく鶏肉のパンを買ってくれるのを思い出して。
思い、出して。 俯いて。
静かにご飯を食べ始めるの]
[向かい合って食べる食卓、色違いの食器。
この食器は誰のかしらって、
セイルズさんはこのお家に一人なのかしらって、
次々に疑問が浮かぶ、けど。
踏み込んでいいお話なのか、分からなくて。
結局もくもくと食器を動かしてたの。
そうして、半分ほど食べ終えた頃]
外、へ……?
[緊張した面持ちのセイルズさんを前にして、
私、戸惑うように見つめるの]
[だって、飛空艇の到着予定日は明日なんですもの。
一日だけの滞在。この街での最後の一日]
あ、の……、イルマさんへ、
イルマさんへ連絡してもいいです、か?
きっと心配していると、思いますから。
それ、に……、
[あの人の死を、伝えるべきかどうか。
悩んで、思い出して、目を伏せて]
せめて、居場所だけでも……、
[控え目に、そう申し出る]
[それさえ出来れば、もう何も問題はなかった。
最後の日、お別れの日。
でも、今は誰にも会いたくはない。
パンを作れない私は、
みんなを笑顔にできない私は、
もうどこにも、居場所なんてないのだから。
――そう、この世のどこにも。
だから、外に出れなくても気にならなかった。
むしろその気遣いがありがたく感じる。
セイルズさんは私の欲しいものをなんでもくれた。
[
そうやって触れるから。
あたしの口が、への字になる。
今、あたしが元気だったなら、
デリカシーが無いって言ってたと思う。
それを言う元気もなかったし、
早く終わらせてしまいたかったから、
むっとするだけに留めたのだけど]
っ…………!!
[その顔が両手で包み込まれた、から。
また、あたしの身体が跳ねる]
待って、自分で洗うって……っ!
[一人用のシャワールームでは、
逃げる場所も無い。
シャワールームから出るための扉も、
そーさんの背後にある。
そんなあたしにも構わず、
あたしの足を洗い始めるものだから。
転げそうな身体を支えるために、
しぶしぶと、そーさんの肩に手を置いた]
ありがとうございます、セイルズさん。
本当にお優しい人。
私、あなたに出会えて、本当によかったわ。
どうか、私がいなくなっても元気で。
[せめて最後くらいは笑顔でと。
弱々しくでも、笑みを向けて。
そうして、そうして――最後に願うのは]
[ぎゅっと痛む右手を握りしめて。
使い物にならない人間の末路を思って。
力なく目を伏せ、寂し気に笑うの]
……セイルズ、さん。
どうか、頭を撫でてくださいな。
そして「大丈夫だよ」って……、
そう、言ってくださいまし。
それが私の最後の、お願いです。
そうしてくれれば、後は貴方の言う通りにしますわ。
[こんな事を頼んでしまってごめんなさい。
でも貴方の温もりが欲しかった。
懇願するように、セイルズさんを見つめるの。*]
…………っ、
[ぬるりと、ボディソープを纏った手が、
あたしの足を丹念に洗っていく。
そこまでする必要がないってほど、
丁寧に。執拗に。
くすぐったいような、
けれどどこか情事を思わせるその手つきに、
あたしは、小さく息を呑んだ*]
メモを貼った。
[
なるほど、触れないほうがいいのかと学び取る。
身体が跳ねたのは身体で抑えてやり、
肩に置かれた手に笑みを浮かべて上を見上げた。
ノッカの瞳を見つめたら、視線を戻そうとして秘所で一度視線が止まってしまったのは仕方のないことである。
綺麗になれば心もあらわれるというものだ。
自分の指先は情事を思わせる手つきではあったものの、
その逆で感じやすい処はなるだけ避けていっていた。
それがかえって、「焦らし」となってしまったかもしれないが――]
どうか、されましたか?
[息を吞んだノッカを見上げて、問いかける。
問いかけながらも洗う足を変えて、
そちらも指先からその間、踵から脹脛と丁寧に清めていった**]
なんでも、ない。
[
あたしの顔は、少し熱い。
たぶん、見れば紅潮してるんだと思う。
洗う足が変われば、
くすぐったさに、その感覚に、
あたしは軽く身を屈めてしまう]
そこまで、丁寧にしなくても……、
[兎に角、この時間が早く終わってほしい。
恥ずかしいし、
また、熱が燻ぶってきてしまいそうで。
あたしの口は、むっとしてへの字型*]
[告げた望みは、受け容れられた]
[戸惑いもあったのだろう
──判った。
けれど、貴女が義妹に連絡したことを
他者に伝えないよう、言い添えておいて欲しい。
[それはココアの行く先を隠すための対応で、まだ捕まらぬ“犯人”がパン屋の次にココアを襲えないよう、身を護るための手段とも言える]
[ココアがここに居てくれるための事ならば、出来る限り受け容れたかった。外への連絡には危険が伴うけれど、それでも叶えたい。ここがココアにとっての全てになるように
[だからこそ──別れを前提とした言葉
……わたし、は
[ココアが感謝を告げた瞬間、鏡を見ずとも、自分が酷い顔をしたのが判る。苦痛に喘ぐような、拒絶を示す様な。他者に安堵を与えたいときには、絶対にそぐわないもの。
けれど今は、嘘でだって、ココアの言葉に応じられない。一度は言えた
[彼女は弱々しくでも、笑顔を向けてくれているけれど。
いなくなっても──だなどと、そんな]
[がたん、と椅子が鳴る。
続く最後の願い
[動悸が酷い。
彼女の後頭部を撫でる腕は、朝と違ってぎこちない]
……だいじょうぶ、だ。
貴女は……大丈夫だ、から。
[食事が冷めてしまうとしても、自分からは離れがたい。
セイルズの心臓が落ち着くのと、彼女が何か声を上げるのと──一体どちらが早かっただろう]*
メモを貼った。
[イルマさんに連絡してもいいって言ってくれるから。
ほっと一息つくの]
ありがとうございます。
なら、後で連絡する事にしますわ。
[私を護ろうとしてくれる気持ちはすごく伝わるもの。
だから、その優しさを大切に胸に抱いて。
そうしてお別れの挨拶をするの。
その時の貴方の顔は、とても辛そうで。
せめて、笑顔を送りましょう。
これが最後になってもいいように。
私のありったけの想いを込めて]
[最後のお願いをしたのなら。
貴方が急に席を立ってこちらへと。
私、びっくりして見つめて、そして――]
あっ……、
[腕を引かれて声が上がる。
抱きしめる強さは驚くほど強くて。
胸元に身を寄せて、
ぎこちなく撫でてくれる手の感触を感じて。
私、私――]
[気付いてしまったの、セイルズさんの気持ちに。
ここまでされて、気付かないはずがないわ。
セイルズさんは私を、好きでいてくれたのね。
温かい、離れがたい、愛おしい。
目を閉じて、貴方の胸の鼓動を聞くの。
……嘘のつけない人、優しい人。
私、貴方の事が大好きでしたわ……。
[どうか、お元気で、なんて。
今の貴方に言うのは、辛くって。
私、そのまま貴方の温もりを感じていたの。**]
メモを貼った。
[おずおずと、貴方の背に腕をまわして抱き締めて。
そっと目を閉じるの。
せっかくのお料理が冷めちゃうけれど、でも。
お別れの時はもうすぐそこまで来ているんですもの。
だから、もう少しだけこのままで。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
[包帯を巻かれた傷は直ぐに治るもので
[だから気付かない。
彼女が、居場所を失ったと感じていること
それ故に、“使い物にならない人間”の行く先を、見据えていたことを
[彼女はセイルズを引き離すでもなく、腕の中の温もりは、セイルズの心拍が落ち着くまでの間、ずっとそこにあった。それどころか彼女の腕がおずおずと此方の背に回されて、抱きしめ返してくれる。瞬間胸に湧いた暖かな感情が、痛みと混じって溢れ出しそうだった。抑えきれず身体が一度震えたのも、彼女にきっと伝わっただろう]
[そうして、セイルズの吐息と彼女の呼吸音が重なり、腕の中の身体と鼓動が交わるのを──一体何分聞いていただろうか]
……す、まない。
冷めてしまったな……
[漸く身を離した時には、時計の針も明らかに進んでしまっていた]
[食事はその後も少し続いたけれど、折角の時間だというのにココアが最初に話し掛けてくれた
[どうやって彼女を引き留めようか──そればかり考えていた]
[だから、食後に取った手段も半ば無理矢理だった。
珈琲か紅茶かミントティーか、食後の飲み物を尋ねて、後でと言っていた義妹への連絡
[ただ片付けるだけの時間も、待ってもらう事が不安になっていた。
だってもし、彼女が出て行ってしまったなら。
言う通りにしてくれると
[地下に置いていた工具類を上の物置へと移動させ、叔父のベッドをばらして、地下に運び入れて、地下倉庫を人が休める状態にする。半日はかかるであろうその仕事の間、そのままで目を離しているのは耐えられない]
[食器を流し台へと運んだあと、工具箱の所へ行って真っ先に探し出したのは──彼女の足を戒められる、鋼製の鎖だった]*
メモを貼った。
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