191 The wonderful world -7 days of MORI-
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― 消え行く魂たちへ ―
[消えるのを待つだけの魂は、もはやUGからも切り離される存在。
ゆえに、ようやく僕の姿が見えるでしょうか。
といっても、人の姿の輪郭だけをした、ぼやけた怪物のような、今の僕ですが。]
……おはようございます。
残念ですが、あなたがたはゲームから脱落してしまいました。
[魂の残滓たちに、その事実を告げて回る。
消滅までは多少のタイムラグがある。
そう、ゲームが終了する7日目くらいまでは。
だからこそ、可能性は、潰えない。
ゲームの盤外でも、まだ終わったわけではない。]
……未だに諦め切れない方は。
どんな目に合ってもいい覚悟さえおありなら。
僕のところに来てください。
[――どれだけ泥臭くても、薄汚れても、生きようと藻掻くことでのみ救われる。
白上さんもそう言っていました。
だから、僕もその決意を汲もうではありませんか。
それはもう、存分に。
スクランブル交差点の上空で、ぼやけた姿の僕はじっと待ちます。
決意がある者がやって来るのを、ただじっと。
僕や、脱落者の行動は、死神の皆さんになら、気配だけは感じ取れるかもしれませんね。**]
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[聞こえてきた怒鳴のテレパシーに男は微かに瞠目した。 しかし、以前ならば否定しただろうその言葉に、 男は内心で苦笑を漏らした。
―――― "そうだな"
そう返そうと思ったが、鳴り響く警報音がそれを許さず、 建物の外に走り抜けているうちに 返るはずの言葉は終ぞ、伝わることは無かった]
(157) 2016/06/11(Sat) 22時半頃
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[ そしてまた、閉じられた水槽の中を繰り返す ]
(158) 2016/06/11(Sat) 22時半頃
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―― 4day・中央エリア901付近 ――
[流石に四度も同じことを繰り返せば、 異常な暗転にも慣れるというもの。 そしてまた今回もお馴染みのメールが届けられている>>#0]
今度は四方か。 手分けせねばならぬな……。
[他の参加者の協力が得られればいいが。 などと考えていたところに聞こえる怒号>>#1
見ずともわかる。ラーメン失楽園の店主だ。 懐寂しい男がよく世話になっていた者の声だった]
(159) 2016/06/11(Sat) 22時半頃
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む……無銭飲食とは許せぬな。 店主よ、待っておれ。直ぐに捕まえてこよう。
[微かに眉をしかめながらも、 とりあえずは、と北エリアに足を向ける。
怒鳴が近くに居なければテレパシーを飛ばして、 居所と向かう先を告げるだろう]*
(160) 2016/06/11(Sat) 22時半頃
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―― 北エリア ――
[あちらこちらで響き渡る爆発音>>@2 何事かと目を凝らせば、地面より モグラのようなノイズが顔を覗かせている。
どうやらあれが爆弾らしきものを 参加者に向けて投げつけているらしい]
……あれはちと、面倒であるな。
[爆風は、煙を吹き飛ばす。 だからモグラのノイズが爆弾を放り、 発生した爆風を建物の陰に隠れてやり過ごした後。
密やかにパイプから煙を生み出す]
(182) 2016/06/11(Sat) 23時頃
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[ただしそれは、先ほど宙を泳いだのとは別の 重く沈殿する煙。
穴から顔を出すノイズの視界を奪う様に、 雪の如く地面に煙を降り積もらせ、 モグラたちが油断している隙にそこを抜ける。
―― と、足元を何かが駆けて行った>>@17
ノイズのように見えたが、 それらは宵越屋とモリ美術館の方へ去って行く。
それを追うべきか逡巡するが、 銅像の前に人影と青い豚が見えて、>>147 ひとまずはそちらの方へ歩を進めた]
(189) 2016/06/11(Sat) 23時半頃
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何かあったのかね。 それにこの青い豚は……?
[二人組のうち、片方には見覚えがあった。 ヴァニタスコロシアムで開かれていた マブスラの大会で無銘と呼ばれていた少年。 そしてそのパートナーと思しき少女に視線をやった]*
(190) 2016/06/11(Sat) 23時半頃
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[こちらに気付き、下げられた頭>>206 そして彼女の説明と豚に伸ばされた手を見て、思案]
なるほど。 あの赤い死神のサブミッションか。
[となれば、十中八九食べ物系だろうと予想する。 (という男の失礼な想像は、 だがしかし、あながち間違ってもいなかった)]
ノイズの行先は、 おそらく宵越屋とモリ美術館だろう。 先ほどノイズが駆けていくのを見た。
(225) 2016/06/12(Sun) 00時半頃
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[>>207 少女が指先で指示した方向を見ながら、 先ほど見た光景を思い出して伝える。 捕まえておけばよかったと思うも、後の祭りだ]
ふむ……そうだな。 ならば、宵越屋は吾輩が行こう。 貴殿らにはモリ美術館を頼めるか?
[>>219 少年の言葉を聞き、提案を投げかける。 もちろん異論がなければと付け足して。
怒鳴の姿が見えないのが多少気がかりだが、 あの男の事だ、おそらく大丈夫であろう。
そこでようやくまだ名を名乗っていない事に気付き、 小津だと二人に告げた後、 向かう目的地の方へ足を進めるだろう]**
(228) 2016/06/12(Sun) 00時半頃
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[>>234 少年からの情報交換の提案には 一も二もなく頷き、また後程と声を掛けその場を去る。
森と名乗った少女と少年は共に美術館へ向かうよう。 二手に別れずに一緒に行動するのは、 やはり二人の方が心強いからだろうと、誤った予想を立てる。
そしてその姿に、怒鳴へ連絡をするべきかと、 そう思った瞬間、声が飛んでくる>>310]
おお、ミスター怒なグホァッ!!
[首元に急激な衝撃を受けて地に転がりながら咽る。 何やら怒っているようだが、男はそれどころではない。 ようやく息が整ったところに、よろりと立ち上がる]
(363) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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し、心配は有り難いが、 吾輩はいま、ノイズよりも貴殿に 息の根を止められるかと思ったぞ……。
[>>311 彼なりに心配してくれているようだが、 ノイズよりもこの怒鳴の方が危険だと男は悟った。 (ちなみに照れ隠しだと気付く余裕は男にはなかった)
一つ咳ばらいをし、先ほど得た情報を 怒鳴へと説明して、宵越屋の方を見る]
ノイズはあの建物へ向かったようだ。 ミッションクリアの手掛かりを捕まえに行こうぞ。
[そして再び宵越屋の方へと足を向けた。 右手に刻まれたタイムリミットは、あと半分と少し]
(364) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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―― 宵越屋 ――
[厳かな雰囲気に包まれた高級百貨店。 生前男がよく通っていた場所でもある。
そこでまた散在していた過去はさておき、 フロア内の事はよく把握していた]
さて、狐とやらはどこにいるのか。
[>>207 森から教えてもらったサブミッションは、 狐を捕まえるか倒すかして小袋を手に入れればいいらしい]
(365) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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狐なのだから油揚げが好きだったりしないのかね。
[駄目で元々。 この広い百貨店でノイズ一匹見つけるのは難しい。 そのため、期待はしないまま地下の食料品売り場へと]
……居るのか。 やはり呼び出した者に似て食べ物が好きか。
[食料品売り場の一角にそれは居た。 首に小袋のついた紐を結んでいる狐のノイズ]
(366) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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[ただ、問題が一つ。 あの小袋を手に入れるためには、どうすればよいか]
ミスター怒鳴。 あの狐、貴殿が捕まえ給え。
[倒して手に入れる方法もあるが、 万が一倒した瞬間、小袋も共に消えると困る。
それに、怒鳴の炎は小袋ごと燃やしてしまうだろうし、 男の煙で射抜こうにも、素早い狐に当てるのは至難の業だ。 その上、逃げ回る狐を追う体力も男にはない。
だからと言って、何もしないつもりはなかった]
(367) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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あの狐が逃げられないように吾輩が足止めしよう。 その隙をついて捕まえるのだ。
[煙を吐き出し、白煙の数体の狐を生み出す。 それはノイズの狐が駆ける速さと同じ速度で地を駆る。
油揚げに気を取られていたノイズが気付いた時には、 音無き足音で、かごめかごめよろしく、 白煙の狐たちが周りを囲んでいるだろう]
さあ、観念し給えよ。
[コツリ、リノリウムの床を鳴らして前に出る。 ノイズの狐が白煙の狐と男に気を取られればいい]
(368) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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[あとは相方が上手くやってくれればいいと、 表情にはおくびにも出すことなく、 男はこちらを睨むノイズの狐と対峙する]*
(369) 2016/06/12(Sun) 15時頃
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[>>381 怒鳴がノイズの背後から近づく。 一歩、二歩、距離が縮まる。
―――― 気付いてくれるなよ。
内心祈りながら、怒鳴の手がノイズへと伸びるのを見て、 ようやく男は不敵に笑んだ]
流石だ、ミスター。
[怒鳴が狐のノイズを捕まえるのと同時、 狐の姿をしていた煙は瞬時に霧散した。
掴まれているにもかかわらず、 ばたばたと暴れるノイズを見て、 やはり捕まえるのは怒鳴に任せて正解だったと、思う]
(392) 2016/06/12(Sun) 17時頃
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[>>382 しかし怒鳴の一喝に狐は瞬時に大人しくなった。 怒鳴の青筋を見て、次に何が起こるか察知していた男は 耳を塞ぎながらその光景を見た後に怒鳴の言葉に頷く]
ああ、そうしよう。 他の参加者の動向も気になるでな。
[狐のノイズは怒鳴に任せたまま、 宵越屋から外へと出る。
宵越屋からクロネコ像まで、そう距離は無い。 先ほど別れた少年少女は戻ってきているだろうか。 どちらにせよ早く戻った方がいいだろう。
―― 怒鳴に引っかき傷が増えて、 再び怒鳴の火山が噴火する前に]
(393) 2016/06/12(Sun) 17時頃
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[やがて見えてきたクロネコ像。 その近くのベンチに赤き死神の姿を見て、近づく]
死神よ。 この狐で良いのだろう?
[死神の足元に居るペンギンのようなノイズに警戒しながら、 怒鳴が掴み上げている狐に向けて顎をしゃくった]*
(394) 2016/06/12(Sun) 17時頃
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[>>@57 覚束ない足取りで歩いてくるペンギンは、 普段ならば愛くるしいと思う対象なれど、 今この場においては警戒する対象にしかならず。
咄嗟に火をつけたパイプ。 しかしそれよりもノイズが地を滑る方が、早い。
その行く先は、二体共に怒鳴の方へ。 そして死神の言葉に目を見開く>>@58]
……っ、ミスター! サイキックを使ってはイカン! 素手で何とかし給え!
[滑りだしたペンギンの首元。 そこに在るのは狐のノイズと同じ小袋。 炎を生み出す怒鳴のサイキックを使えば、 ノイズ諸共、小袋は灰燼に帰すだろう]
(428) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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[だからといって、狐を抱えたままの 怒鳴に一人戦わせるわけにもいかない。 確か、サイキック無しの攻撃はあまり ノイズに効果がないと最初のメールにあった気がする]
"プレゼント"ということは、 倒しても構わないと受け取ってよいのだな!
[さっきの狐は動きが読めなかった。 だが、真っ直ぐに滑りゆくペンギンの軌道は読める]
(429) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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[最初のペンギンの突進は流石に対応できず、 怒鳴に任せることになっただろうが、 その後は首元の小袋をペンギンから切り離すように 白煙でできた矢を放つ。
放たれた二本の矢が、それぞれのペンギンの首元から 小袋を繋げる紐を穿てば、あとは怒鳴に任せよう。
小袋がなくなったノイズは、倒しても構わないと]**
(430) 2016/06/12(Sun) 20時半頃
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[>>@62 煙の矢によりペンギンに括りつけられていた 小袋は地へと落下し、二つ分の軽い音を立てる。
ペンギンは怒鳴に任せて、落ちた小袋へと駆け、 中を開けば、ミルクキャンディーが一つ。 そして包み紙に塩飴と書かれたキャンディが一つ]
お任せではなく教え給え! ……って、待ち給え!
[>>@63 男の必死の叫びにも、 死神は優雅に空をゆき、離れていく。 あとに残されたノイズもこちらを攻撃することなく、 その場から逃げようとしている]
(498) 2016/06/12(Sun) 22時半頃
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このキャンディーでどうしろと……。 ミスター怒鳴、あの狐は何を持っていた?
[怒鳴にそう問いかけた頃。 モリ美術館の方から二人の男女が歩いてくる>>472 少女の腕に抱かれていたのは、狐のノイズ]
おお、無事に戻られたか。 して、そちらはどうだった?
[声を掛けながら森の動向を見守る。 彼女が開いた小袋から出てきたのも、キャンディー。 ただ、包み紙からレモンキャンディーだろうと]
(499) 2016/06/12(Sun) 22時半頃
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[しかしそこで、豚が動いたと森が呟く。 移した視線の先。 眠っていたはずの豚は薄っすらと目を開いていた。
その光景に目をわずかに細めながら、 青い豚に近づく二人の少し後ろで、ゆらり、煙を漂わせる]*
(500) 2016/06/12(Sun) 22時半頃
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[>>504 怒声と共に、紅蓮の炎が舞い上がる。 放たれた蹴りはペンギンの真芯を捉え、 宙を舞ったペンギンは地に落ち、燃え盛った]
無事であるか? 嗚呼、サングラスは犠牲になったか……。
[厳つい顔を覆っていたサングラスが無くなり、 鋭い眼光が飴玉を睨んでいる。>>505 こちらもまたキャンディーだった。 ただし、味は男が持っているものとは別。
しかしそこで少年が動いた。>>516 森が持っていた飴を使い、巧みに豚を誘導して 自らのパーカーの中へと誘導したのだ]
(551) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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[少年の胸元がもぞもぞと動き、 その中からカリカリと飴を削る音がする]
確保することがミッションなのだから、 これでゴールではないか……?多分。
[そう語尾に付けるのは、男にも自信がないからだ。 しかしその後、パーカーのふくらみが消えた>>#8 >>529 クリアみたいですと呟く森に釣られて 右手を見ると、刻まれていた数字は消えていた]
どうやら他の三ヶ所は 別の参加者がクリアしてくれたようであるな。
[笑顔を浮かべる森に、同じく笑みを浮かべて 怒鳴を見やれば溜息を一つ吐いていた>>532]
(552) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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すまんな。 もう少し早く対応できていれば良かったんだが。
[言ってから、自身に驚く。 普通に、怒鳴を励まそうとしている自分に。 ―― だけど、それでも、]
今日は、色々と助かった。感謝する。
[そう告げれば、疲れたと言わんばかりに クロネコ像に凭れかかるように座り込んだ]
(554) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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ああ、こちらこそ助かった。 ……良かったら食べぬか?
[>>558 少年へと言葉を返しながら 掌に乗せて差し出したのは、 先ほど死神から得たキャンディーが二つ。 塩飴とミルクキャンディーだ。
もしも受け取られぬようなら 怒鳴にでもやろうかと、そんな事を考えながら]*
(560) 2016/06/12(Sun) 23時半頃
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勿論、構わない。 死神から貰ったものではあるが。
[>>563 ミルクキャンディーを指さす少年に、 一応伝えておくべきかと思った事を伝えて、渡す。
そうして座り込みながら少年の声がリフレインする。
"生き返れるのは四人だけ" "そろそろ注意した方がいいかもしれない"
それが何を意味するのか、一瞬男には分からなかったが、 次の瞬間には、理解した]
(582) 2016/06/13(Mon) 00時頃
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……貴殿らも、気を付け給えよ。
[生き残りを賭けたゲームの参加者に そう言葉を掛けるのはきっとおかしい事だろう。
それでも彼らの死を望めるほど、 男は残酷にはなれなかったし、傲慢でもなかったし、 覚悟もまた、足りていなかった。
彼らがベンチの方へ去るならば、 視線だけで見送って男はその場で休むだろう。
視界が暗闇に染まるその時まで]*
(583) 2016/06/13(Mon) 00時頃
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何を言う。吾輩はいつだって正直だ。 貴殿の今の態度の方がよっぽど驚く。
[>>574 驚きを隠しもしない物言いに反論しながら、 同じように隣に座り込む怒鳴を横目で見る。
そんな彼の口から出るのは、少年少女を悼むような言葉。 ほら、やはり怒鳴らしくないと、そう思っているときだった。
彼の問いかけに、言葉に、耳を澄ませて。 途中で口を挟むことなく、最後まで聞いて ―― 空を仰いだ]
(614) 2016/06/13(Mon) 01時頃
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生き返るべき人間、なんてものは 神にだって分かりはしないのだよ。
[しかし彼はおそらくそんな答えは望んでいないだろう。 それでもただ一つ、確かに言えることはある]
……貴殿の事を恨んではおらんよ。 借金を作ったのは吾輩のせいだ。 ただ、恐ろしくはあったがな。
[はは、と乾いた笑いを漏らして こちらを見つめる怒鳴を一瞬見やった。 それでも懲りずに借金を重ねていた自分は、 彼らからしたら異常に思われていたかもしれないが]
(615) 2016/06/13(Mon) 01時頃
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[ "大切なもの"というのは人を狂わせる。 それがいい意味であれ、悪い意味であれ ―――― ]
(616) 2016/06/13(Mon) 01時頃
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貴殿が生き返るべき人間かは吾輩には分からん。
―― だが、死んで悔いるくらいなら、 生きて、自らの過ちを悔い給え。
[きっぱりと告げた男は、もう迷っていなかった。
ゲームが始まった初日は、男は迷っていた>>1:537 だが今は、怒鳴が生き返ったとしても 元の心を取り戻したとしても、 今の事を覚えている可能性に賭けようと思ったのだ]
(617) 2016/06/13(Mon) 01時頃
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フン、借金などすぐに返して見せようぞ。 だから、吾輩の事は気にするでない。 貴殿がそんな様子じゃ、吾輩の調子が狂うのだ。
[疲労の色を滲ませつつも、不敵に笑んで見せる。 そうしてほどなくして、視界は闇に包まれただろう]**
(618) 2016/06/13(Mon) 01時頃
|
―回想・とある春の日―
[――春。
それは別れと、出逢いの季節だ。
困り顔の鳥飼寿に引き取られたのも、
たしか、うららかな春の日だった。
朝に夕に、高らかに声を張り上げる。
大型インコに特有の雄叫び――
それが存外五月蠅かったからと、
気紛れな大家が飼育放棄したコンゴウインコ。
……それが、俺である。]
[前の主人は、好きになれなかった。
呼び掛けても構われなかったどころか、
飼い始めてすぐ匙を投げられてしまった身。
だから、新しい環境への期待は大きかった。
トリカイ、ヒトシ。
――どんな人なんだろう?
――たくさん、遊んでくれる?
――いっぱいお話し、してくれる?
――美味しいごはん、食べたいな。
――見て見て、僕って綺麗でしょう?
――君のためなら、綺麗に鳴いてみせるよ!]
[――ねぇ、ヒトシ。
ねぇ、ねぇ、
こっち向いて。
…僕を見て。
ねぇ、 ……ねぇ、ってば 、]
[ヒトシはいつだって、話半分だった。
ろくに耳も傾けず、視線はPCの画面に向けて。
うんうん、と形だけ頷いたりも。
最初のうちは、それで良かった。
反応を返してくれるだけで、嬉しかった。
けれど段々と、ものが解るようになって、
…その態度が、無関心の表れであると知って。
それが気に入らなくて、
さらに躍起になって気を惹こうとした。
結果的に、逆効果だったけれど。]
[春の終わりに、
俺は、寂しいという感情を知った。]
―回想・とある夏の日―
[それから数か月が経ち、
ヒトシとの関わりは相変わらず希薄なままだったが、
代わりに、絶え間なく流れる映像と音を得た。
話しかけても決して返事はくれなかったが、
それらは色々な言葉や、その意味を教えてくれた。
時間ばかりはたくさんあったから、
じっくりと、ニンゲンという生き物を観察した。
どういう時に、どんな単語を投げかければいいのか、
どうすれば、相手の――ヒトシの気を惹くことができるのか。]
[文字を読み、覚えた言葉を真似してみせると、
珍しくヒトシが笑顔を向けてくれた。
それが嬉しくて、また一つ言葉を覚えて、]
オハヨ!
コンチワ!
マタ アシタ!
[けれど、いつしかその言葉が向かう先は、
無機質なカメラのレンズとなっていた。
ヒトシ曰く、クスクス動画に投稿するとのこと。]
[それが何かは知らなかったが、何か下心がある気がして。
やがてカメラを向けられると喋らなくなり、
ヒトシは撮影をやめ、俺も新しい単語を口にしなくなった。
…つまりは、そういうことなのだ。
それが解ると、何だか無性に腹が立って仕方がなかった。]
[夏の終わりには、
俺は、反抗することを覚えていた。]
―回想・とある秋の日―
[それでもやっぱり、諦めきれずに。
あまり家に帰らぬヒトシが顔を見せれば、
今日こそはと、何かしら行動したものだ。
態度はだいぶ、可愛げがなくなって。
ストレスによる過剰な羽繕いも相俟って、
姿はなかなか、凶悪に見えていたかもしれないが。]
[リピート再生される幼児向けの教育番組はとうに飽きて、
この頃にはこっそり、テレビのリモコンを弄ったりもしていた。
…ヒトシが出掛けると足を伸ばし、帰る前には消しておく。
そうして観はじめた主婦向けの番組には、
これまでとは異なる種類のニンゲンが出ていて、
夫に邪険にされ、寂しく思う妻などにはかなり共感した。
ヒステリックに叫ぶ彼女達を見て、ふと思う。
――これを、ヒトシに問いかけてみたら?]
[半年も共に過ごせば、色々と理解できる。
ヒトシが日中、シゴトをしていること。
そのシゴトが大切で、そのために寝食を削る程であること。
テレビの中の夫達も大抵が彼と同じ状況にあり、
それで家に残された妻が、悲しい悲しいと泣くのだ。
件の問いかけには、二種類の答えが用意されている。
――“シゴト”か、“アタシ”。]
[おまえだよ、とすぐ謝るパターンは決して多くはないが、
それでも時折目にしたし、最後は幸せに締めくくられる。
大半の男はまず、シゴトだと答えてしまう。
けれどその場合でも、紆余曲折を経て最後には、
やっぱりおまえが大事だよ、という結論に辿り着く。
…つまり、この問いかけは。
ハッピーエンドに繋がるキーワードなのではないのか?]
[そう考え、ワクワクしながら帰宅を待って、
ドキドキ胸を高鳴らせながら、あの台詞を叫んだのだ。]
[驚いてこちらを振り向いたヒトシに、
キラキラと期待の眼差しを向けた。
ある程度辛辣な言葉が投げられるのは、
もちろん、覚悟の上だった。
働く男達の大半が、そうだったので。
一人でノリツッコミをこなして一見、上機嫌。
けれど続き、早口で述べられる答えはやはり、“シゴト”。]
[焼き鳥にして喰ってやる、という、
酷く恐ろしい、胸の潰れる、最大級の罵倒を受けて。
それ程までかと泣きたくもなったが、
どうにか涙は堪えて、じっと黙って見つめていた。
大量の餌だけを置いて、ヒトシが家を出る。
ここでヒステリーを起こしてはいけない。
黙って耐え忍び、風向きが変わるのを待て。
そうすればきっと、彼は振り向いてくれるから。
…物語の彼らはいつだって、そうだっただろう?]
[けれどそのまま秋も終わり、
俺は、諦めることを覚えてしまった。]
―回想・とある冬の日―
[朝晩が冷えるようになった頃。
寒いと抗議して鳴いたら、暖房が付くようになった。
光熱費が嵩むとボヤかれたものの、
南国の鳥であるから、そこは仕方がない。
いっそ人の身であれば良かったのに。
そしたらアンタは、もっと――
…そんなこと、考えたところで無駄だったけれど。]
[やがて冬も終わってしまい、
想い出も何もないまま、また、春が来た。]*
―ロスタイム:とある結末、その後―
[つぅ、と頬に温かなものが流れる。
ゆっくりと瞼を持ち上げると、
ぼんやり滲んだ視界が飛び込んできた。]
あ、っれ、……
[――最後の記憶。
鳥飼に礼を述べようとして、鮫に喰われた。
はず、だったのだけれども。]
[辺りを見渡せば、そこはスクランブル交差点。
翌日に移行したのかと疑問符を浮かべていたところ、
上空から、ぼやけた影のような人物に語り掛けられた。
…涙をごしごし拭っても、やはり上手く像が結べない。
“未だに諦めきれない方は、――”
嗚、そんなものは。
答えなど、わかりきっているというのに。]
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