272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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[瞬きをするのも億劫で、頭も首も動かなくて、 でも視界に入るのは見慣れた毛色だ。
ぼやけた視界は年月を鮮明には映さず、 ただこんな風に自分を呼んでくれるのは、 傍にいてくれるのは、ハラフだ、と。 そういう確信だけを抱いていた。 あれ、毛先のびた?
声を掛けられる。 口元が少し動くけど、やはり声は出ない。 なんでだ、喉の調子が悪い? 咳込むのも痛い、気がする、たぶん。]
(265) udon 2019/11/15(Fri) 04時半頃
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[全ての感覚が鈍くなっていて、 思考もめちゃくちゃ鈍くなっていて、 全然なんにも理解なんてできない。
強く握られた手が痛いような気がして、 少し眉根が動く。でも、
ハラフが、
―――― ハラフが、泣いてるから。]
(266) udon 2019/11/15(Fri) 04時半頃
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[何て顔してるんだ、 そんな顔見た事ないな、って、 少しだけ目を細めようとしたけど、 上手くいったかは解らない。
そしてその手を握り返したくて、 指を動かそうとした。
なんでかなかなか動かなかったけど、 指先がぴくりと微かに動いてハラフの手の甲の毛先に触れた。――― 触れた感触も鈍かったけど。でも。
そしたらなんだかほっとしてしまって、ゆっくりと口の端が上がった。]*
(267) udon 2019/11/15(Fri) 04時半頃
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[解るんだな、と言われて、 そういやなんか聞かれたんだった、と思う。
なんだっけかな、 でも何が解るか聞かれてるかは、考えてみても解らなかった。
おはよう。というハラフの声に、 そっかー俺寝てたんだ、と思いながら、 なんで俺が起きてそんなに泣くんだろ、って思って、 解んないなって思った。
瞬きして、ハラフを見て、 ちょっと身体を動かそうと思っただけなのに なんだか妙にきつくって、だるかった。
また、うと…、と目を伏せる。 閉じると同時にハラフの慌てた声が聞こえた気がしてまた目を開こうと思ったけど、なんだかどうやっても開かなくって、
あ〜、眠いなあって、 夢の中みたいなことを思ったけど、今回は別に、眠りたくないなんて思わなかったからそのまますんなりと眠りに落ちる。]
(271) udon 2019/11/15(Fri) 05時半頃
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[緩く握られた手はそのままだ。 間接の曲げ伸ばしもやって貰っていたらしいのは後から知る事だけど、それでも全ての間接に及ぶわけでもなく動かしたら痛い個所がそれなりに出てくるのだろう。
すやすやという安らかな寝息は先ほどまでと変わらない。
ナースコールにて看護師がやってきて、 ハラフの様子にまず驚くだろうけどそれも俺は見れなかった。
慌てたハラフは宥められただろうけど、 看護師もきっと慌てて主治医に連絡して診察が始まる。
その際、昨日まではなかった反応が確かにあった。 触れたり、身体を動かすたびに眉を少し寄せたり口元が動いたりするのだ。 ぅ、という掠れ声は小さすぎてほとんど聞こえなかったろうけれど。
五年経過の目前に、 確かに目を覚ました事が認められる。]
(272) udon 2019/11/15(Fri) 05時半頃
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[その日、病院は大忙しだったと思う。]
(273) udon 2019/11/15(Fri) 05時半頃
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[今までも大変だったけど、 これからだって大変だ。
五年近く動かなかった身体にどんな後遺症が残っているか解らない。それを今から少しずつ調べて行き、リハビリの計画を立て、実行し、 まずはどこまで社会への復帰が出来るのかを探らなければならない。
両親への連絡を最初に行ったのは病院だろうか、 それともハラフだったろうか。
どちらにせよ電話越しに、 泣き崩れる様子がありありと解っただろう。]
(274) udon 2019/11/15(Fri) 05時半頃
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[最初のうちはどこもかしこも痛くって、 筋力の衰えのせいでなんにも動かせなかったけど、
きっと徐々に、…徐々に。 元の生活に戻るための訓練をはじめていく。
―――― 医師による診断結果は良好で、 筋力の衰えや関節稼働に難ははあり、取り戻すまでに時間はかかるが、妙な後遺症はなくちゃんと動けるようになるだろうとの事だった。]*
(275) udon 2019/11/15(Fri) 05時半頃
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[起きたら五年経ってたなんて、 一体全体誰が思う!?]
(346) udon 2019/11/16(Sat) 21時半頃
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[俺の感覚としては事故ったあの日の『次の日』だ。『ただの明日』が『知らない明日』になっていて、ちょっとびっくりした。
親兄弟や知り合い友人が来るわ来るわ、 しかもだいたい皆が泣いてるし、 俺としては奇跡の目覚めなんてした覚えないから、どう反応していいかも解らない。
でも身体が動かないとか、 皆の見た目が変わってるとか、 鏡で見た自分の姿とか見ても、 どっきりとかじゃなくって本当の事なんだろうと思う。
――― 実感するまで、まだかかりそうだけど。]
(347) udon 2019/11/16(Sat) 21時半頃
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[ハラフの次に会ったのは両親だった。 兄たちも時間の都合を付けてくるらしく、今後の賑やかさが伺えて胸中が少しくすぐったくなる。 いやまあずっと寝てたことに対して何言われるか解んないから肝もちょっと冷えるけど。
…両親の、
両親の泣き顔なんて、本当に見たのは久しぶりで、『昨日』よりも老いて少し小さくなったその姿に俺もちょっと泣きそうになった。
今の俺は身体が動かせない。 手も動かせなくて、伸ばす事すらできなくて、伸ばしてくれた手をただ緩く、ほんの少しだけ握り返す事しかできない。 でもそれで十分という言葉にじわりと涙が浮かんだ。]
(348) udon 2019/11/16(Sat) 21時半頃
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[ごめん、と言いかけたら止められて、 逆に、ありがとう、と言われた。
うん。
自分の口元が緩んだのが解る。 少し頷けたと思う。 うまく笑えていたらいいなと思った。
俺は、幸せ者だなあ。
そして、ハラフにお礼を言えと言われた。]
(349) udon 2019/11/16(Sat) 21時半頃
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[兄たちの話の詳細は割愛する。 「起きると思ってたけど!」とか 「寝すぎにしては寝すぎ」とか 「俺の子の写真見る??」とか めちゃくちゃ笑ってて賑やかでこっちは言葉を発する暇もなかった。
必要もなかった。
言いたい事だけ言って、 「じゃーまたな」って帰っていった。 もうこれからは、いつだって会えるからそれくらいでいいんだそうだ。 うん、俺もそう思う。
帰り際、またハラフにお礼を言えと言われた。
因みに俺は末っ子だ。 兄よりハラフにめちゃくちゃ懐いていたために割とほっとかれてたけど!]
(350) udon 2019/11/16(Sat) 21時半頃
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[同僚とか上司とか先輩とかが来た時、 目を丸くして、 面影と記憶を照らし合わせる。
まだ声を出すのも困難だから、 ぽしょぽしょと口を動かしたら同僚の一人が耳を口元に寄せてくれた。]
みんなふけたなぁ…
[それを聞いた同僚が、 「お前な〜〜〜そういうところだぞ!!?」 と、大声で言いながら、それでも泣いてたのを見て、五年も起きずに申し訳ない気持ちにもなった。 俺とは違った意味で言葉が不自由になってしまった同僚を連れての帰り際、ハラフに礼を言えと言われた。三回目。
皆が帰った後、]
(351) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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…… ごねん かぁ
[そう小さく呟いた言葉は誰にも届かない。]
(352) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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― 11月・病室 ―
[会えなかった訳じゃないけど、 二人になれるのは漸くだ。
外は雪が降っている。 約束、守れなかったなぁ。 五年も、守れなかったんだな。
来年はどうだろ。頑張りたいけど。
視線が交わると軽く頷く。 少しだけ動かせるようになった身体は全く動かなかった時よりも不自由を感じる。 0よりも1のほうが辛いのだ。 でもこれはいつか100に届くのだから、頑張らねばならない。]
じゅんちょう
[まだ掠れの残る声で言う。舌が重くて発音も少し聞き取りにくいかもしれない。]
(353) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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[でも笑みは浮かべられるようになった。 尻尾の先がゆるゆる動いているのが解る。まだ全部を振り回せるほどではなかった。
少しの沈黙が落ちる。 なんか、心地良いな。 俺は、幸せ者だな。
間近にハラフの顔がある。>>327 それだけでも嬉しかったけど。 声に漏らす未来が嬉しくて、 早くそうなりたくて、頷いて、
ブラッシングも、勿論嬉しいんだけど、]
(354) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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はらふ、 ありがと。
(355) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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[出たのは礼だ。 散々言われたからかと言われると、それが全くないわけじゃない。でも、]
ずっと、 おれをよぶ、こえ、 きこえてた。
[そう、夢の中、もう薄らとしかないあの記憶の中。眠りそうになるたびにハラフの声が俺をこちらに留めてくれた。 俺がここにいるのは、本当になんの誇張もなくハラフのおかげなんだろう。]
(356) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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[あれが夢の中だけの出来事だとは、なぜか思っていない。 本当に呼んでくれてたんだろうな、と確信を持った響きだった。]
おかげで、おきれた。
[そう言って、笑みを浮かべて尻尾の先をゆるゆるゆらした。]
(357) udon 2019/11/16(Sat) 22時頃
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[五年が対した事ないなんて言わない。 その五年があったら、 もっともっと、色んなことが出来たんだから。
だけどなくなってしまったそれらに ハラフが深く関わっているなんて思ってもなく、 事故った飛行艇会社のお偉いさんも、俺が起きた時に「いやでなければ」と見舞いに来てくれた。
改めての謝罪を直接伝えられ、 今までの治療費の一部を負担したいと申し出られた。 起きたからって、というやつもいたけど、 正直稼ぎがなかったその期間の負担を両親やハラフに支払わせてたと聞いたのでその申し出を受けた。
ただ、変な取材とかはもちろんしない。 悪い噂は流さないという約束はした。 まあ、元からそんなもの流すつもりはなかったけど。]
(372) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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[お偉いさんは、 「あの事故以来、 うちの空陸で初期不良を起こした機体や、 機体のせい起こった事故は存在しません」 と頭を下げてくれた。
そっかぁ、ならいっか。と思った。]
(373) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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[両親に負債を返すという話を出したら、 それは今後に使いなさいと言われた。
確かに暫くはあてがないからそれもそうだった。
兄たちに話がもれると、 「新しい空二か空四貰ったらよかったのに」 と言われてなるほどね!?!?!?となったものの、 乗れるようになるまでまだまだかかるし 乗れるようになってから貰うのもちょっとたかりすぎでは?という結論に達して諦めた。
空二を買う夢はこんな目に遭っても別に諦めてない。]
(374) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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[面会時間以外はゆっくりとすごした。 話すのもつかれるからだ。
ハラフが持ってきてくれたアルバムを聴きながら過ごす。 聴きすぎてもつかれるのは不便な身体だ。 ほどほどにしてるけど。
好きなアーティストの中には、 既に解散していたグループもあったけど、 一番好きなグループは健在で嬉しかった。
俺の知ってるところでも、 知らないところでも、世界は変わっているんだな。]
(375) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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― 病室 ―
[たくさん呼んだ、という言葉に、]
やっぱり。
[と笑って返す。 たくさん喋った気がする。 もっと喋りたいな。
もっともっと、たくさん喋るために、 疲れないように体力を付けなきゃ。
色んなことをするために頑張ってる時、 俺はとても楽しかった。]
(376) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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[ハラフの目を見つめていると表面が潤んで、 今まで滅多に見なかったハラフの泣き顔を沢山見てるなあって気持ちになる。
でも『あの日』みたいな不安そうな涙じゃなくって、 嬉しそうな色の涙だったから、 俺はとても嬉しくって、胸の奥がぎゅっとして、
とてもとても幸せな気もちになっていた。]
(377) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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― この先の、いつかの11月 ―
ゆっっきだーーー!!!
[広がる銀世界を前に吐き出した大声と同じテンションで尻尾が動く。 現時点での年齢を言われると落ち着く頃合いだと言われもするけど、でも今年は待ちに待っていたのだから仕方がない。]
ハラフ!雪だよ! 積もったな〜!
[うわ〜っと嬉しそうに吐く息は真っ白だ。 ハラフに車いすを押してもらいながら居るのは銀世界の入り口。]
(378) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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[俺は車いすから立ち上がると、
さくっ、と 新雪に足を踏み出した。]
(379) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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[白銀に俺の足跡が残る。 雪野原に自力で、自分の二本の足で立っている。
てってって、と数歩歩いた。 歩いて、数メートル先まで行って、数十センチだけ、たたっと"駆けて"、ハラフを振り返って、]
(380) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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やったーーーーーーーーーーーー! よーーーーーーーーーーやくっ、
約束、守れた!!
[べふっと白銀にダイブしたら、心配して慌てて駆け寄ってきてくれるだろうか。 そうしたら見上げて、笑って、ぶるぶるぶるっと雪を振り落として、
嬉しそうに、大きく遠吠えをした。>>0:30]
(381) udon 2019/11/17(Sun) 08時半頃
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