193 ―星崩祭の手紙―
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[店もすっかり落ち着いて、客足も緩くなって来た頃。道
行く人は興奮気味に変わってゆく空を見上げ騒ぎ立てている。
暇を弄ぶワタシは店のテーブルにベッタリと張り付き、テーブルの下で足をゆらゆらと揺らしていた]
あーあ、お手紙もっと送りたかったな…ワタシが送ったお手紙達…届いたのかな、ちゃんと宇宙へ行けたのかなぁー
[お客さんが来ても上の空。だって手紙の行方と、送ってくれたかもしれないワタシへのお返事が気になるんだもの。
テーブルの上に小さな星貝を並べて指で弾いて遊んでいると、奥からお母さんが何かを持ってきた]
これはなあに?機械?
この星にも機械があるの?
[四角い形状のソレは、真ん中に真ん丸の網目模様がついていて、角には1本の細長い角が生えていた。
お母さんは幾つか並んでいるボタンを押した。]
…わぁ!声が聞こえるわ!
誰の声かしら…
[雑音に混じって聞こえる人の声。
聞いたこともない単語で会話をしていたり、子供たちが騒ぐ声が聞こえたり。まるでこの星じゃない所の会話みたい]
「この機械はね、貴方の本当のお父さんが貴方と一緒に此処に置いていった物なのよ。
星崩祭の前夜祭。他の星より早く波が来るここではその波に乗って流れてきた他の星の声が聞こえるの。」
えっ…どうしてお父さんがそんなものを……?
「さあ…お母さんにはわからないわ。
でもきっと…そうね、貴方に届けたかったのかもしれないわ。」
[ワタシはお母さんのその言葉に、バッと機械を振り返ると両手で掴んで耳元に近づける。
様々な声が流れる中で、聞こえるかもしれない。お父さんの声を探して]
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