15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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――……泣かないで ヨナ
[ その声は 彼女だけに届く声 ]
だいじょうぶ、
おれはそこに、いない だけ……
[影より別たれた影は、
ゆるゆると古城内を移動する。
誰の目にも存在しない
誰の耳にも聞こえない
ソレはそれを望んだ
彼女の為だけにある、モノ だから]
―ヨナの塒―
[それはベッドの足元に、腰掛けていた]
……ヨナ
[柔らかな声音で呼びかける、
彼女が何か言葉を発しようとすれば、
そっと口唇に指をたてて、静寂のサインを一つ。]
……ヨナ、大丈夫。
何も心配いらないよ。
[どこかで響く異形の声を、
掻き消す様に優しい声で、それはきっと彼女の望む言葉を紡ぐ]
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>>154>>155>>167 [淡い願い。 それは過去形じゃなくて。]
……今からでも、遅くはない 多分、あいつ……待ってるし
[不意に、傍らに視線を遣るヨナの姿を不思議そうに眺め。
……もしかしたら、と、 もうだめなのか、と、 心に入り混じる。]
(186) 2010/07/22(Thu) 23時頃
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フィリップは、響き渡る異形の声を聞く。
2010/07/22(Thu) 23時頃
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>>202 [青い眸を見返して、砂の声は落ちる。]
もし、生きてなかったら もう、それっきりか?
[生きている事にも、生きていた事にも、意味はある、と思う。]
……――ラルフがヨナにくれたものは なくならない
……違うか
(209) 2010/07/22(Thu) 23時半頃
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フィリップは、チャールズの聖痕が、彼を苦しめていなければ良いと思う。
2010/07/23(Fri) 00時頃
[ヨナを見つめる気配は、そこにある。
柔らかな眼差しで少女を見下ろしている。
ただ、彼女の望む言葉を、
彼女だけに届く言葉を発する為に]
[声音は響く、優しげに。
ただ、彼女の耳だけに――]
穢いなんて、そんなこと、あるはずない。
ヨナは綺麗だよ。
だって、君の中には 泉が見えるもの。
[語尾に柔らかな笑みが混ざる
気配はヨナに触れようとそうっと腕を伸ばして]
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>>212 [静かに首を振る。]
……――っ
[シィラとヨナは別物だ。 それを説明するんじゃなくて、解ってもらうのに。
二人の本当の願いがきっと寄り添っていた事を伝えるのに。
どうしたら良いんだろう。]
お前はきたなく、なんかないだろ……ッ
あいつがちゃんと、っ教えてくれたのと、違うのか、っ
[ざり、と、喉の奥が擦れた気がした。]
(221) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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>>223
……ばか、だな
[ぺし、と頭を撫でた。]
一人で背負、のが しんど…事だ、て……るだろ
そんな、完璧……に 綺麗、なれる訳、ない
[そう、どちらでもない。]
誰かの心を 求める、のが
……ひととして、普通、の事
(230) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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ボク みたい?
ねぇ、どうして気付いてくれないの?
どうして?
[そうして、ただ受け入れられない現実を見る。
撫でられたネコミミトカゲは不思議そうな顔を見せる。
見えない少女の傍らで。]
そう。
私が視えないのね。
ソフィアも、アリーシャも。
[泣き出しそうに潤んだ瞳。]
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……――同情する程、甘くは
ないから
お前は、ちゃんと ラルフと、向き合え
[……耐え兼ねて、やけに重い咳が零れた。]
(232) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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[眠る少女の躯に咲いた花は色を段々と褪せさせていった。
涙が毀れ落ちる直前。]
アリーシャ…。
[微笑むアリーシャと、瞳が合った。
そんな気が、した。]
フィリップは、口を押さえ付けて、嫌な感触を、飲み込んだ**
2010/07/23(Fri) 00時半頃
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>>233 [ヨナに幾つか頷いて見せて、手を引いて。 異形の声を警戒しながら、近くの部屋へと連れて行った。]
入…前に、約束
自分、責めな、い事……あと
心を、逸らさない、事
あの怖がりが、逃げ出さ、いよ…に ちゃんと
[そうしてドアを開ける。
生憎、ベッドが全壊していたから、床に布を敷いて。 顔や体を綺麗に拭って、肩から下に掛け布をして。
まるでそこに、眠らせるように、してある**]
(235) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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アリーシャ。
私の初めてのお友達。
一番に大好きよ。
私の精霊さん。
[たった一粒零した涙。
けれど、少女は笑顔であった。
それは幸せそうな、安らかな。]
[ 約束という呪いが影を動かす ]
[ 気配の手は冷たかっただろうか、温かだっただろうか ]
[ それは彼女の望む通りに ]
[そして]
[ 背後から伸びたその両腕は、
薄い肩を交差して、ヨナの両目を覆い隠そうとする ]
――……泣かないで、ヨナ
私が視えていなくてもいいの。
ソフィアも大好きよ。
私のお友達、大事なお友達。
みんな、みんな、大好き。
[やっぱり花《ポーチュラカ》の微笑みを携えて。]
視えてなくてもいいの。
慣れているもの。
誰にも見られず、相手にされず。
そうやって生きて来たのだから。
[淡く淡く、胸元の花が褪せていく。
淡く淡く、胸から落ちた記憶が戻っていく。]
[ ふりかえれば、
影は彼女が望むように、そこにあるだろう ]
[ そして ]
ヨナ、俺は死んでいないよ……
君がそう言わなければ、死なない。
――……だから、泣かないで
俺は死んでいない。
[ 声音は 囁き 再びその腕を伸ばす ]
驚かせること、好きだったわ。
怒られるなら、怒られたかった。
お話したかった。
遊びたかった。
手を繋いで欲しかった。
だいすきって
抱きしめて欲しかった。
呪われた、この躯がいけなかったの。
[触れるのは自分の冷たい躯。
動かず冷たい、呪われた躯。]
[その影は微笑むヨナに、優しげに微笑む。
伸ばした両腕は彼女を包み込むように抱きしめて]
[ 視界を、世界を閉ざす ]
――…うん、泣かなくていいんだよ。
あんまり泣いたら、涸れてしまう。
もう大丈夫だから。
ずっと傍にいるから。
ヨナ、辛いことは全部忘れてしまえばいい。
嫌なことがあったら俺に教えて、君を護るから……
|
>>242>>243 [ヨナがとめどなく泣いて。 死んでいない、と。 ラルフの名を呼んで、幸せそうに笑うのを見て。
フィルは、かたく目を閉じる。 ……生きる事と死ぬ事の線引きに、囚われているから。 ラルフのたましいに気付く事が出来ない。
思いを全部、呑んで。 佇む。]
(245) 2010/07/23(Fri) 02時頃
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[ その左腕の影は一度刃の形をなして、
けれど、決して彼女だけは傷つけない ]
[ ヨナの望むように、
その影は振舞うだろう ]
[少女の冷たい躯に誰が触れるだろう。
きっと、誰にも愛されない少女は
動かなくなったら触れられることもない。
花は枯れれば愛されない。
気付かれることはないのだろう。
少女は“少女でない”ことに**]
うん、ずっとずぅっと傍にいる。
[ 一度刃を為した腕は、その髪を撫でおろす。
涙の滲む眦にそっと口唇を寄せて、ささやく ]
たくさん、辛いことがあったね。
だから、
君はもっと望んでいいんだ。
[そう、彼女が“天使”との決別を望むのならば、
それは彼女を傷つけぬように、叶えられるだろう]
―生命の泉―
[ ――そして ]
[ ぽちゃり ]
[ 大樹から零れた露が、水面に落ちる。
臆病な青年の透き通る姿は、幾重にも割れた ]
[ それもまた一瞬の幻影 **]
[ 眦に触れた口唇は、
温かかっただろうか、冷たかっただろうか]
――君の望みを叶えたいんだ。
なんでも、いいから。
[恥じらうようなその仕草に、
影は慈しむような眼差しを落として、その手を取った]
……こんなところには、
あまり長くいないほうがいいよ。
[ここには“死んでいない”ことを、揺らがせるモノがある。]
あ、うん、この部屋は……あまり
――…街から出るの?それは少し大変だね。
でも、君が望むなら……
きっとここから、解放してあげられる。
[ 沈んだ意識 ]
[ それは、一度だけ過ぎった 形にならない自問 ]
[ どうすれば、よかったのか ? ]
[ 殺すことしか出来ない自分 ]
[ 救う方法はそれしかなかった ]
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