29 Sixth Heaven
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[あまりの事に、言葉を失った。 唇が戦慄くが、上手く言葉にならない。
何度か口を開いては閉じ、閉じては開いて。 一つ息を吸うと、ようやく震える声が音となった]
ギルバートお兄ちゃんが、死ん、だ……?
[此処から出て行ったあの日、ヘンリエッタが見た事のない顔で その言葉に微かに微笑んだのを覚えている。 それを見て、嗚呼、彼らは元の暮らしに戻るんだと、 そう思っていたのに]
なん、で……どうして、自殺なんて……。 折角此処から出られたのに。 それに……それに、それじゃまるで、ヘンリエッタは……。
[存在していないかのような扱いではないか? ギルバートがどれほど此処で参っていたとしても、 此処を出て自殺をするなんて事は俄かには信じられなかった]
(164) 2011/04/20(Wed) 00時半頃
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[続けられる言葉>>163はその考えを肯定しているようで。 何故だろう、思考より先に視界が滲んでいく。
声もなく、スティーブンを見詰める目から ぽたりと涙の粒が転がり落ちていった]
(165) 2011/04/20(Wed) 00時半頃
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[背後から、視界を遮られる。 その手を濡らして尚、涙が溢れるのは止まらなくて]
さい、ご……。
[限界、10年、手を汚す、管理……――]
[フィリップの手の内側で瞼を閉じる。 少しずつ顔が俯いて、彼の手の上から覆うように両手を重ねる]
じゃあ、皆……。 今まで出て行った皆は……。
[沢山の顔が浮かんでは消える。 皆何処かで元気に暮らしていると、思っていたのに]
(174) 2011/04/20(Wed) 01時頃
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…………。
それが本当、なら。 私は今度接続したら……もう……。
[世界に従い器としての最期を迎えるか。 世界を拒み世界を壊してそこに戻るか。
与えられた選択肢はどちらも茨だった]
(178) 2011/04/20(Wed) 01時頃
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[抱き締められるに任せて、少女は肩を震わせた]
……っ、……――。
[間近で聞こえた叫び>>181に、ひく、と一瞬呼吸が止まり。 声を上げて泣く事だけはすまいと、引き結んだ口元が歪む]
(183) 2011/04/20(Wed) 01時半頃
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[口を開けば泣き声が零れてしまいそうで。 やっとの事で紡げた言葉は]
……いい、え……知らないより……幸せ、のはず、だから。 ……ありが、と……――。
[か細く途切れ途切れの声。 他者を意識する余裕などなくて、 抱き上げられるがままにフィリップの胸に顔を埋めた]
(190) 2011/04/20(Wed) 02時頃
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[部屋を辞した事が解れば、もう泣きじゃくるのを止められなかった。 フィリップの首に腕を回し、ぎゅっとしがみ付く]
いや、こんなのいや……。 一緒に、いようって……好きって、言ってくれたのに……。
[ぼろぼろと涙を零しながら、耳元で告げる]
っ、……フィル、……お願い……。
(196) 2011/04/20(Wed) 02時頃
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マーゴは、フィリップの表情を目にすると、泣きながら首を振った。
2011/04/20(Wed) 03時頃
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[綺麗な翠から零れた雫をそっと指で掬う]
道化師じゃなくたって、良いよ。 私にとってフィルは、窓から……外の世界から 会いに来てくれる大好きな人。
[抱き締め返す腕に力が篭る]
……2人で、決めよう。 私達が一番、笑って暮らせる世界を……**
(204) 2011/04/20(Wed) 04時頃
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― 個室 ―
[静かな部屋の中、少年と少女は向き合っていた。 少女の手は力なく下ろされ、 少年の手は緩く少女の首へとかけられている。
少年は、穏やかに微笑んでいた。 少女は、道に迷った子供のような目で少年を見上げていた]
(267) 2011/04/20(Wed) 20時半頃
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― 個室 ―
[取られた手を引いて、背に回す。 そして、ゆっくりと目を閉じると一つ息を置いて]
[先程その指先に触れたその場所へと、そっと唇を寄せた]
(275) 2011/04/20(Wed) 21時半頃
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― 個室 ―
[何故か酷く赤い顔をして。 口元を抑えながらこくこくと頷いた。 笑うどころではなくて、半ばショートしたままぽややんと]
う、うん……。
[ほとんど話の内容を理解していないのは丸解り。 笑顔を向けられてようやく表情筋が動き始める。 ふわふわと雲を踏むような足取りで、 慌ててフィリップの後を追い駆ける]
(295) 2011/04/20(Wed) 22時半頃
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[フィリップの内心など露知らず。 手を引かれれば顔の火照りが引くどころではなくて]
な、何でフィルはそんなに平気なの……。
[頑として俯いたまま、手を引かれるがままに廊下を歩き出した]
→ 廊下 ―
(304) 2011/04/20(Wed) 23時頃
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……誰かと、き……キス、した事あるの、もしかして。
[むっと湧き上がった感情の名は嫉妬。 しかし、注がれるよりはずっと軽い。 だが、自発的に生じた感情ゆえに内心一瞬はっとした。
そうして、台所の方へ着く頃には 顔も上げられるくらいには平静を取り戻しており。 タオルを受け取ると、台所を覗き込んだ]
ベルナデットお姉ちゃん……? じゃなくて。
[そこにいたのは、フィリップが声をかけたのとは別の人物]
(316) 2011/04/20(Wed) 23時頃
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―回想―
[ケーキを提案すれば躇う様子に首をかしげ。
一緒に探しに行く、というのならそうしましょうと笑みを浮かべてともに台所へと向かった]
そうね……全部温めればたべれそうなものばかりかしら……
[台所に置かれている食材をみやり――というよりは手を加えなくても食べられるものが大半だった。
調理パンをみつけたトニーとは別に、ケーキや果物のたぐいが冷蔵庫にはいっていることも確認して。
オレンジを一つ、自分用に手にとった]
あら、それでいいの?
[軽く聞きながらも、個室に向かうというのに軽く頷いて。
トニーの部屋の扉を開く。
折角だから一緒にね、と笑って部屋に入った]
――
[いつもと違う、そんな風に見える少年の食べ方にいちどまたたく。
小食な少年は先ほどのパンでおなか一杯、といっていたのにまだほしがる様子にこれがそうなのか、とあらためて思って]
おなかが苦しくても、食べたくなるのね……
[何かを我慢するようにベッドにもぐりこむトニーの頭を軽く撫でる。
そのまま、彼が眠りに即くまで傍にいて。
寝息が聞こえはじめたころ、隣の自室へと移動したのだった**]
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― 台所 ―
[ネタだとかお芝居なんて事は解らないので、 小さな嫉妬は悶々と解消されないまま、 けれどその感情の受け流し方を心得ているためか それは酷い感情へとは至らない]
つわり?
[また聞きなれない単語が出てきて、それとレモンの関係も解らずに首を傾げる。 そうして、チャールズ>>321にはふるふると首を振り]
ううん、そういうわけじゃないけど。 荷物を纏めてって……何か、あったの?
[接続の準備をしているのだろうか、それとも、帰るのか……。 そして、彼の問いには、何かを既に決めたように言う]
不幸じゃ、ないわ。 不安がないわけではなかったけど、 フィルは私の事大事にしてくれるって、解ったから。
(328) 2011/04/20(Wed) 23時半頃
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[よくわからないが、2人の間で会話は通じているらしい。 その事に、少しだけ劣等感を抱きながら。 タオルは、2人して泣いた後始末。 よくよく見ればまだ少し2人共目元が赤かっただろう]
レモンが、インク代わりになるの……?
[不思議そうに、首を傾げた。 炙り出しなる遊びもやった事がないようで]
(331) 2011/04/20(Wed) 23時半頃
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マーゴは、柔らかくその手を握り返した。
2011/04/20(Wed) 23時半頃
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[フィリップの説明を聞いて少しもじ、として。 しかし、それでチャールズに妻子がいる事、 その上で色欲の器とならねばならない事を知り、 表情に影が落ちた]
……チャールズおじさん。 接続、するの……?
[拒んでも良い、そうシステムは言っていた。 半ば脅迫的ではあったが。 チャールズの立場で受け入れるにはこの任はあまりに酷に思えて]
(340) 2011/04/21(Thu) 00時頃
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[問うのと入れ違いに、接続の意志を聞かされる。 また、同時に管理者たるベルナデットを地上へ 戻す意向であるという事も]
お世話する人がいなかったら、壊れちゃうわ。 一人でなんて、行っちゃだめ……。 受け止めてくれる人がいないと、 すごく……すごく、苦しいんだよ。
[器としての寿命もすり減らされるだろう。 それ以前に、管理者なしの接続を今まで見た事はなかった。 システムはそれを許すのだろうか。
タオルを手近な場所に置くと、 引き止めるようにチャールズの袖の裾を掴もうとした]
(342) 2011/04/21(Thu) 00時頃
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……こうそく、ぐ。 動けないようにするための、ものの事なら。 ある、けど……。
でも……ずっとそれじゃ、すぐに壊れちゃう……。 だめだよ、せめて次の管理者が決まるまで待って……。 器は壊れるために生きてるんじゃない……そんなの違うよ……!
[大きくかぶりを振って、言い募る]
チャールズおじさん、なんだか。 自分から壊れにいってるみたい……。 ベルナデットお姉ちゃんは、それで良いって言ったの……?
(351) 2011/04/21(Thu) 00時頃
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[>>355との言葉には口を噤んだ。 しかし、管理者とてすぐに限界がくるような者が 選ばれるはずはないと思って]
壊れたまま繋げられるなら、器の入れ代わりなんてないよ……。 壊れたから、皆……此処からいなくなっちゃったのに……。
[器の末路の事を知っているのか、いないのか。 この様子では恐らく知らないのだろう。 しかし、ベルナデットを汚す事を恐れている彼に、 その事を告げるのは逆効果のような気がして言えなかった]
ベルナデットお姉ちゃんだって、 怒ったのならちゃんと覚悟してたんだよ、きっと。 だって、でないと怒ったりしないもの。
どっちにしたって、お姉ちゃんは傷付くよ。 自分の手で傷付けないですむだけだよ、そんなの……。
(366) 2011/04/21(Thu) 00時半頃
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[フィリップに宥められれば、遣る瀬無げに俯いて。 ペラジーの声がしたのには]
ペラジーお兄ちゃん?
……ベルナデットお姉ちゃん、は? 帰っちゃった?
[チャールズの言うように、大人しく出て行ったとは思えなくて。 何か知らないか、問うてみた]
(370) 2011/04/21(Thu) 00時半頃
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[チャールズの言葉に押し黙る。 確かに、見ず知らずの間柄ならば 何処までも相手に献身できるわけでもないし、 される方とて気遣いもあるだろう]
……でも。 ただの偽善者なら、そんな事しない。
[すり抜けるように戸口へ向かうのにはぎゅっと拳を握った。 そうして、ペラジーの答え>>375を聞けば]
逆……? もしかして、先に接続に……?
[それはまた的外れな問いだったが。 ペラジーの答えは恐らくチャールズにも聞こえただろう]
(378) 2011/04/21(Thu) 01時頃
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ごうよく……は、ラルフお兄ちゃん……?
[一緒に部屋に入っていった。 どういう事だろうか、会話を聞いていなかったから推測はできない。 ペラジーが言い淀んでいる理由が自分にあるとは知らず。 ただ、何も言わずチャールズを見上げた]
(382) 2011/04/21(Thu) 01時頃
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[フィリップの暗喩が理解できなくて困惑するも。 何かあまり良くない事のような気はした]
チャールズおじさんは追い返そうとして、 それでベルナデットお姉ちゃんが怒って……。 帰らないで、ラルフお兄ちゃんと?
[帰らない、という事は管理者として留まるという意味で。 それとラルフとが結びつかない]
ラルフお兄ちゃんの管理者になりに言った?
[全く持って見当違いである]
でも……選ばれたのと違う役目に着くなんて、 これまでは……。
[なかったはずだ。 わけがわからなかった]
(387) 2011/04/21(Thu) 01時半頃
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[管理者の話には、確かにそうだと頷く。 管理者のトレードなどできるとも思えなかった]
殴る……。
[誰が、誰を、かは解らない。 ただ、チャールズが出て行くのには 少し安心したようにフィリップとペラジーを見て]
ベルナデットお姉ちゃんのところに行った、んだよね。
[やはり何やらすれ違いが発生していたのは確からしく]
……仲直り、できたら良いけど。 ここで器としてやっていく以上は。 管理者がいないなんて、無理な話だもの……。
[転がったレモンを、何とはなしに拾い上げる。 微かに酸っぱい香りがした]
(393) 2011/04/21(Thu) 01時半頃
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[首をふりつつも言葉を紡ぐペラジーに ゆるやかに首をかしげながら。 ただ、彼がチャールズを見送ったという事は これで大丈夫なのかとも思って]
ベルナデットお姉ちゃんは、チャールズおじさんの お世話をしたい……んだよね。
[怒った、という表現をチャールズから聞いた時にそう思った。 それはどうやら間違いではなかったようで]
……あまり知らない人同士、より。 知ってる人同士の方がやりやすい、のかな。 やっぱり。
[気持ちの疎通という意味合いで。 つ、とフィリップを見やる。 自分達の選択はシステムの望んだ結果なのかどうか。 それはさておいて]
(399) 2011/04/21(Thu) 02時頃
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[間に合う、という表現にはまた首を傾げる]
……こんな場所で、こんなお仕事だけど。 できれば哀しい事は、少ない方が良いから。
[当人達の間でだけでも、上手くいけば良い。 そう願いながら]
……え、と。 ずっとここで立ってるのも難だね。 一度、待機室に戻る?
[レモンだけが残された台所。 それを見詰めるフィリップに“欲しいの?”と それを差し出しながら]
(400) 2011/04/21(Thu) 02時頃
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[最期、の事については口を噤んだ]
……そう、だね。 でも、私は最期の相手がフィルで良かったと思ってる。
でなきゃ、覚悟も決められなかった。 ただ諦めるだけで終わってしまったと思うから。
(406) 2011/04/21(Thu) 02時頃
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[頭を撫でられて、フィリップを見上げた。 もう互いに目の腫れも引いてきた頃合いか。 手から手へと移ったレモンは、微かな残り香を指先に移して]
じゃあ、行こっか。
[ぺたぺたと待機室へと戻っていくペラジーの後ろを ゆっくりと着いていく事に*した*]
(407) 2011/04/21(Thu) 02時頃
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