255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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[其れは地獄だった―――]
……… …ひどいね。
[兄は倖せになれという。 それは呪いだ。酷く恐ろしい呪いと同じだ。 兄の居ない世界で、笑っていく兄を見送って生きろという。
君の為、と言うのだ。記憶のない兄が、 顔が青白く声が震える。
それはそれだけは 言ってはいけなかった ずっと、聞きたかった言葉だった。]
(419) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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………酷いね、ほんとう酷い
[生きろ。と言う。 それは、きっと生きながら死ぬということだ。 唇は噛み締めすぎて、血が滲み、爛れてしまっていた。 いつか私が幸せを掴むとき、兄がいない。そんなこと。 そんな理不尽な事、あってはならない。 ――全部ぜんぶ、××だったんだ]
兄さん、愛しているって酷いね とても嬉しい事なのに ……酷い。
(420) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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[愛しているから、逝く。 愛しているから置いていく。それは突き放すのと 何も変わらない。…違うって分かっているのに
何もかも、全てが遅く。 心は、心が、身体が悲鳴を上げた。
ナイフを握る手が強くなる]
(421) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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……誰かが、逝って助かる世界なんておかしい 誰かだけが助かる世界も
………みんなおかしい
[――沢山の絵を 残して、兄は痕跡だけを残して 逝くという。愛していると、呪いだけを残して]
(422) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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[呪いは、私に刺さるのではなく]
誰かが死ぬことで助かる誰かが いるなんて
――――許容なんてしていない。
[私は、友達が、先輩が 好きな人がいくのを許容した覚えなんてない。 幸せになる為に誰かが犠牲になる。幸せの為に誰かを殺す。 ―――本当は、殺したくなんてなかったのに。
言い訳して蝶を、人を殺した手が震える]
(423) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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絵は、もう描けないよ だって、私の心は。
……独りぼっちだ。
[家族の為に。 君の為に。逝かれて、それで納得できない。 兄も私も楽園に遠く、何処にもいけないから
圧迫した腕を掴む兄に向けて ナイフを握る手を力込める
綺麗なものだけを描いていたかった。 空想の少女は、綺麗なもの以外を―――描けない]
(424) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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………心からの笑顔なんてもう無理なんだよ 兄さんがいなくなって、その事を
私は忘れない。
…忘れられない。
[――ずっと心に残ったまま生きる。 そういう女性を知っていた。
そういう兄を知っていた。 誰かを忘れて、誰かを失って 心から笑えるような、人間として出来てない。 私のことは、私が一番結局知っていた。]
(425) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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[例えば傷を癒してくれる人が現れて ――それで幸せになる事を、人は赦せるのか。 兄が一人だけ助かる道を。 選べないのは分かっている。
かりに、キングスの魔の手から逃れられると聞いても
今までの人を置いていけないだろう 私に危険が及ぶリスクを兄は侵せない]
愛しているって ――本当酷い。
[けどね。私も フローラ・ヌヴィルも。]
(426) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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『兄さん』を、愛していたよ。
[だから。]
(427) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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……ごめんなさい。 願いを、叶えられなくて。
(428) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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――ごめんなさい。
死んでほしくないって言ったのに 本当の事なんだよ
誰も、……奪われたくない、見たくない。
[私の家族は誰も、 キングスに奪われることなく 幸せの中、楽園で暮らしている。そう誰も 奪われてはいけないから。
皆、倖せに――あのラベンダー畑で眠っている。
だから、これはきっと恋じゃなかった。]
(429) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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[此れは、ただの愛(エゴ)だ―――]
(430) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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[この街で生きてほしい。 それは、フローラの願いだった。 家族として、ずっと、ずっと仲のよい兄妹になりたかった。 兄の結婚式を見たかった。兄の倖せを見たかった。 なのに何一つ叶えられない。
――そんな、理不尽赦せなくて。 抑えられた手と反対側、握ったままのナイフを。
兄へ。――お腹を狙って刃を走らせた*]
(431) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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逝かせたくない
……いかないで。
[愛する人を。―――奪わないで*]
(432) sudati 2018/12/18(Tue) 22時頃
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[とても、とても苦しかった。
――ねえ兄さん。
擽ったそうに笑う兄さん>>443
もっとその笑顔を早くみたかった。 もっと見てたかったのに。]
(471) sudati 2018/12/19(Wed) 00時頃
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[私はね、 私は結局家族で暮らせればそれで良かったんだよ。 それすら叶わないのなら、それすら叶えられないのなら。 理不尽で、酷い事だと思うんだ。とても。]
(473) sudati 2018/12/19(Wed) 00時頃
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[兄の思いは分かる。私の為というのも分かる。 でも、受け止められても。>>444
目を大きく見開いても]
……あ、……
[兄さん。と紡いだ声は掠れる 大好きな兄の手が、開かれて刃を通す。 芸術家の利き腕を殺す、一刃は、酷く強く、酷く脆く。 兄の言葉に、記憶が戻った事をしる。
ぽたぽたと落ちるのは流血だけではない]
(474) sudati 2018/12/19(Wed) 00時頃
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………………兄さん。
[―――父さんと、母さんの名をだされ 私の肩は揺れた。兄さん。
兄さん]
(475) sudati 2018/12/19(Wed) 00時頃
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………兄さん、どうして。
夢なんて、……いうの。
[違う。ちがう。ちがうでしょ。 どうして、と流れる血に思う。
半分しか私たちは同じ血が流れていない。 半分しか、私たちは分かりあえない。何時までも。
―――何時までも]
(476) sudati 2018/12/19(Wed) 00時頃
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夢なんて、もう 見てないんだよ。
[私が欲しかったのは、 幸せだけ。ただ、兄さんと家族で居たかった。 ――ただ、兄さんをいかせたくなかった。
其れを都合のいい夢と 押し付けだと、兄はいうけれど。
違うのだと、言いたい。他の家族を見殺しにって違う]
(479) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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………どうして。
兄さんは、そんな事を言うの。 私は、ただ、家族を失いたくないだけだよ 誰だって願うことだ。
ただ……逝かせたくないだけ。 誰かを犠牲にする世界で…生きたくない
[思いは、兄に届いただろうか ――気絶した兄を抱きしめ。 そうして、重い身体を引っ張った。 おもい、おもい躰だ。無理やりに車いすに、乗せたせいで。 酷い有様だったけど。それでも、もうよかった。
兄が止めようとした腕の傷が――裂ける]
(480) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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………違うんだよ。
私が、欲しかったのは
[夢じゃない。 端末を操作すれば、おじいちゃんにごめんなさい。って メールを送った。ごめんなさい、せっかく
助けようとしてくれたのに。 ――兄の車いすを動かしてそうして]
……………嫌われても、もういいの。
(482) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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[――兄妹の縁を切られても。 それでも私は
目指したのはラベンダー畑。 家族の両親の、『死』が眠る其処にたどり着くまで どれぐらい、どれほど時間はかかっただろう。
解けた、タオル。流れる血の量が教えてくれる]
(483) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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[あの時の猶予は、一日と後少し―――
今は―――]
(484) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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[最初は、痛みを感じないのだと思った。 けど違った、痛みはずっとずっと
感じていた――――のに]
……悪魔でも、山羊でもいい
[ずるっと兄の車いすの横に座り込み。 スケッチブックを開いた。
車いすに置かれたままの、其れに絵を描いていく デッサンとも呼べないような兄の貌を。
『ラベンダー』の花を]
(486) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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兄さんをいかせたい
…兄さん、を 死なせたくない。
[この季節に花は咲かない
そっと親愛の、家族のキスを額に届け]
(488) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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愛しているよ
―――兄さん。
[暫くそうしていよう。 二人の血が止まった頃か、それよりも
祖父が黒塗りの車にのって現れるのが先か
オズワルドという男が『復讐』しに来るのが、先か]
(489) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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[――――勢いよく飛び出した、
黒塗りの車が
ラベンダー畑を走る]
(490) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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[街 から でる ]
(492) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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[一日と、後少し
今は ゲートが ―――あいていた**]
(493) sudati 2018/12/19(Wed) 00時半頃
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