情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
【人】 重層培養 イースター……そうだね。 (42) 2016/05/21(Sat) 01時半頃 |
『ね。経つ前に結婚しない?』
[枕に横向きに頭を預けた女性が、隣で仰向けになっているワレンチナにそう零した。
ワレンチナは横目で彼女を見る。緩慢に視線を中に漂わせたのち、起き上がり、前髪を掻き上げた。二人とも、衣服は身につけていない。]
『急だね』
『だって。最低でも数ヶ月、下手したら2年くらい会えなくなるでしょ』
『慣れてるでしょ?僕が長く戻らないのは』
『そうだけど……んー』
[女性がシーツの中で身じろぎする。]
『子どもほしいの。ティナの精細胞作って人工授精させる』
[瞬間、ワレンチナの動きがぴたりと止まった。
額に当てていた手がシーツの上に降りる。]
[今や同性婚は珍しいものではなく、地域階級種族を問わず自由に行うことができる。しかし遺伝子操作によって同性同士の子どもを作る場合、婚姻届はもとより、他にもそれなりの認証や準備が必要だった。]
『だから……急だね』
『うーん。そろそろかな?みたいな。ずっと考えてたけど』
『……』
『やなの?帰ってきた時、子どもが産まれてたら』
[寝転がったままの女性が、いたずらっぽくくすくす笑う。
ワレンチナは彼女を肩越しに見ようとして、しかし視線をどこか遠くに置いたまま。振り返ることなく、ベッドの上で長く細く息を吐いた。]
『嫌だな。寒気がする』
[普段のワレンチナからはあまり想像のつかない、恐ろしく冷たい声音だった。]
【人】 重層培養 イースター― 現在 / コンソールルーム ― (43) 2016/05/21(Sat) 01時半頃 |
[女性は一瞬ぽかんとしたのち、目にいっぱいの涙を溜めたかと思うと、子どものようにわあわあと泣いてワレンチナをなじった。しかし何を言われても、ワレンチナの態度は変わらなかった。自分の子を女性が孕む。それを想像した瞬間、今まで経験したことのないような、途轍もない不快感がワレンチナを支配したために。
そうしてそのまま、ワレンチナは母星を発った。
未開のPavr=opety星へ、学者としての経歴に華々しい色を添える為に。]
(思えば理由は単純だった)
[ぼんやりと意識の海に漂いながら、ワレンチナは薄く目を開く。]
(それは、僕が、僕自身が……)
[涙が溢れる。粘性の高いPavr=opetyの海において、涙はすぐさまそこに溶けるということはない。水中に油の球が浮かぶように、少しの間、ワレンチナの涙は桃色の水の中をゆるやかに泳いだ。]
(『産みたい』と。
『女で在りたい』と、感じていたからだ)
[自身の身体。環境。周囲からの視線。反応。
それらはそれぞれに、薄い薄い膜だった。しかしそれが幾重も幾重も重なって、やがて強固な層となり、ワレンチナの本質を封じていた。
しかし否応にも反応する――それが本能であるがゆえに。]
『こう在りたい、と望み続ければ』
『生物はそのように――進化する?』
(さあ、判らない)
(けれども――Remdaが助けてくれるかもしれない)
(だから、僕は……)
[ふと。水の揺れる、重い感触。
視線を巡らせる――不思議なことに、天地左右、どこにも水面が見受けられた――その中に、]
(シルク)
[『彼』がいた。]
[水にたゆたいながら、ワレンチナはただぼんやりとシルクの姿を見つめていた。薄桃色の水の中にあって、その姿は柔らかくほの白く光って見えた。
水のゆらめくたびに光を弾く絹のような髪、えも言われぬ透明感、男とも女ともつかぬ、一糸纏わぬその姿……]
(きれいだ)
[ワレンチナは何かひどく懐かしいような、寂しいような、嬉しいような気持ちになって、ぼんやりとした表情のまま、涙をこぼした。ふと気がついてみると、ワレンチナもまた何も身には纏っていない。しかし気恥ずかしさはどこにもなかった。]
【人】 重層培養 イースター― → 自室 ― (60) 2016/05/21(Sat) 20時頃 |
【人】 重層培養 イースター ……ん? (63) 2016/05/21(Sat) 20時半頃 |
【人】 重層培養 イースター(>>66) (69) 2016/05/21(Sat) 20時半頃 |
【人】 重層培養 イースター えーっと、だから、言いたいのは。 (70) 2016/05/21(Sat) 20時半頃 |
【人】 重層培養 イースター(>>72) (74) 2016/05/21(Sat) 21時頃 |
[頬に温かい物が当たる。
それは緩やかな水流に乗って、届けられた。
薄桃色の流れの先へ、目線を向ける。
探していた姿が、そこにあった。
ゆっくと流れに逆らって、近づいていく]
[近づくにつれ、彼女の顔がはっきりと見えてくる。
寂しさの混じった、その表情が。
先ほど頬に当たった暖かさを思い出す。
寂しさを抱いて泣いている女の子が、目の前にいる。
だから――]
[両手を伸ばし柔らかに、抱きとめた。
まるで、彼女を包み込むかのように]
【人】 重層培養 イースター― 自室 ― (77) 2016/05/21(Sat) 21時半頃 |
【人】 重層培養 イースター[次に、頭に繋がっている方の個人端末で、一つのファイルを起動した。 (81) 2016/05/21(Sat) 21時半頃 |
/* うわーみんな頑張れ! */
【人】 重層培養 イースター[良い感じにキノコが美味くなってきたところで、改めて作業用端末へ向き直った。] (84) 2016/05/21(Sat) 22時半頃 |
【人】 重層培養 イースター[その、ミツボシから拝借したデータを、AIモジュールへと組み込んでいく。] (85) 2016/05/21(Sat) 22時半頃 |
【人】 重層培養 イースター[こうして改竄をしている時間を、私はプログラムとのコミュニケーションとして捉えている。] (86) 2016/05/21(Sat) 22時半頃 |
【人】 重層培養 イースター[だからコイツも私がひん剥いてやるんだ。 (87) 2016/05/21(Sat) 22時半頃 |
【人】 重層培養 イースター …………………… ブォェロロロロロロ (88) 2016/05/21(Sat) 22時半頃 |
【人】 重層培養 イースター[それから数分? 数十分? 頭がグルグルしてて定かではなかったけど、] (89) 2016/05/21(Sat) 22時半頃 |
[ゆっくりとシルクが近付いてくる。ワレンチナの目からはふわふわと涙が溢れ続けていて、それらは近付いてくるシルクの頬や、髪や、指先を音も無く柔らかくすり抜けて、やがて海へと溶けていった。
彼の両手が自身に触れるその瞬間まで、ワレンチナの視線はシルクに真っすぐ注がれたまま――そうしてゆるやかに抱きとめられ、一瞬目を見開く。それはあまりに優しい抱擁だった。今までの何もかもを、許してくれるような――]
ふ……、う、
うわああああん。ああーーん。わあーーーん……
[ワレンチナは彼を抱き返して、大声を上げて泣いた。時にしゃくり上げ、いやいやをするように彼の肩に、胸に縋り、泣き続けた。
ワレンチナの泣き声はゆるやかな波となって広がってゆいった。その残響。反響。それらは鐘の鳴るようにどこまでも幽玄に響きあって、その場のすべてを幻のように包んだ。]
『もし、ボクが男の子になったら』
[記憶の中の声がする。ワレンチナはもう、泣き声をあげてはいなかった。それでも未だ遠く響き渡り続ける――もはや掠れに掠れ、ただ不思議なノイズのようになった――声の中で、ワレンチナはゆっくりと顔を上げる。目の前には、どこまでも無垢で透明なシルクの顔があった。ワレンチナは目を見張る。]
(ああ)
『ワレンチナさんは』
『交際相手もしくはそれに類するものに』
(シルク、僕は)
『してみたいと思いますか?』
[泣きながら下唇を噛んで微笑む。シルクを見つめたまま、ワレンチナはゆっくりと首を横に振った。そうして今一度、シルクを両腕で抱きしめる。瞳を閉じ、唇を開く――]
僕は。君のような――
無垢な子どもに、産まれたかった……
[抱きしめる腕に力がこもった。
海が揺れた。星空のように辺りに漂っていたRemdaのすべてが一瞬、一同に震えわななく。
世界が、白くざわめいた。]
【人】 重層培養 イースター― 自室 ― (104) 2016/05/21(Sat) 23時半頃 |
【人】 重層培養 イースター― 医務室 ― (105) 2016/05/21(Sat) 23時半頃 |
【人】 重層培養 イースター(>>108) (117) 2016/05/22(Sun) 00時頃 |
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
sol・la
ななころび
下記の場所以外では、人狼議事内キャラチップ
の利用を許諾しておりません。ご了承ください。
議事総合トップ
人狼議事lobby
人狼議事morphe
人狼議事cafe
人狼議事perjury
人狼議事xebec
人狼議事crazy
人狼議事ciel
SoyBean
Sangria
@hello_giji
@7korobi