266 冷たい校舎村7
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[どれだけ青空を夢見たって 現実というものは、そう簡単じゃない。>>5:+77]
(3) さねきち 2019/06/18(Tue) 01時頃
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―― 病院 ―― ………………ぇ……
[――びくんっ、と血の気が失せた指先が跳ねる。 さいあくな気分でぼんやりした世界を見上げる。
しこたま殴られた後 飯作らなきゃいけない朝、みたいな気分だった。
白い無機質な天井が見えてる。 息苦しさに身じろごうとして、 それ以上欠片も動けやしないことに気づき いてぇ、ともう一回、俺は呟いた。
縛ってた髪の毛が馴染みのないタオルに擦れてる。 見渡せば、医療器具と思しきもの以外は殆ど白くって まるで雪の中にでも埋もれているみたいだ。]
(4) さねきち 2019/06/18(Tue) 01時頃
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[……じゃあ、もう少しだけ埋まっていようかな。 そう思って痛みの中で朦朧と意識を漂わせて
輸血。とか。事件。とか。 ましてやけーじさん。とか。
そういう騒々しい話が向こうからやってきて 俺の気分を最悪にしてくれるまで そう時間はかからない。]
(5) さねきち 2019/06/18(Tue) 01時頃
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[親父は? って聞いたら、 大人がすっごい困った顔をしたので、 いい子の俺は一旦見なかったことにした。
…………嗚呼。]
(6) さねきち 2019/06/18(Tue) 01時頃
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[「メイワクかけて、ごめん」って、 とりあえず可愛そうな担任の先生に言伝を頼んでから 腹の傷を抱えて、ぼんやりと冬の窓を見て
いろいろ、言いたいこととか 会いたい人とか、いたはずなんだけど
……ひとまずゆっくり目を閉じた**]
(7) さねきち 2019/06/18(Tue) 01時頃
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[落ちる点滴の速度を、なんとなく見ていた。] 「お父さんとの関係は?」
「別に、普通の親子ですけど。 母親がいなくって、家事は俺持ちで 昔はよく遊んでくれました」
「お父さんに殴られたりした?」
「そんなのは、しょっちゅう。 ……でも、どこの家庭でもやってるでしょう。そんなの」
[腹の傷が引き攣れるふりをして視線をそらした。 大人たちが首を横に振る。 そうして、調書を取りまとめて部屋を出て行った。]
(86) さねきち 2019/06/18(Tue) 23時半頃
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[次に部屋に入ってきたのは一人の年老いた女性だった。 親父の妹さん。随分昔に遊んだっきりのおばさん。
その人が、とても悲しそうな顔をして ゆっくりと部屋の中に入ってきて 俺の机に荷物を置いた。
親父は勾留されていること。 足りない品があれば電話で伝えてほしいということ。 最後に、駄目な父親でごめんなさい、と 謝る必要もないのに、 三児の母らしいおばさんが頭を下げた。
俺は困ったように「いいんですよ」と首を振る。
親父も追い詰められてたんですよ。 俺は大丈夫です。
いったい誰のためにそんな言葉を吐いたのかわからないけど 呪い、みたいに言って、笑って]
(87) さねきち 2019/06/18(Tue) 23時半頃
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[涙を浮かべたおばさんの手が伸びてきて、 抱きしめようとしてくれるのに ぞわりと背筋が粟立ってその手を払いのけた。
背骨に、あるいは腹に生ぬるい泥が這いずるような嫌悪感。
おばさんは俺を見て、ごめんね、とまた泣く。 どうすればいいのかわからなくって、 誰もいなくなった病室で、 腹の傷にうめきながら、俺は吐き気を飲み込んだ。
なんだか自分の体が自分のものじゃなくなったみたいだ。 ……夢の中で小さい悟を抱きしめたときは、 ぜんぜん、そんなことはなかったのに。
咽て痛みにうめいて、空を見る。 冬の青空は高くて色が薄くって、 汗ばむような夏はまだまだ遠い。]
(88) さねきち 2019/06/19(Wed) 00時頃
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[手元には、あの日血に落ちた携帯がある。 今頃皆、勉強頑張ってんのかなあ。 と、思いながらそれを拾い上げる。
拾い上げて、少し震える指でこんな言葉を打って]
(89) さねきち 2019/06/19(Wed) 00時頃
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――――――――――――――― To みんなへ
無事に帰ってきました。 巻き込んでごめんな。俺は大丈夫です。
少し退院に時間がかかるので。 病室から応援してます。 勉強、頑張って ―――――――――――――――
(90) さねきち 2019/06/19(Wed) 00時頃
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[ふっ、と、小さくため息をついた。]
(91) さねきち 2019/06/19(Wed) 00時頃
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拝啓。 生きて、って言ってくれたけど 早々、そう前向きにはなれないもんで。
……………でも多分。 どこに行っても地獄なら、 俺はきっと、こっちの地獄の方がいいんだと思う。
だから――――。
**
(92) さねきち 2019/06/19(Wed) 00時頃
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―― 目覚め直後 ――
[ガレージの中にも似た真っ暗な瞼の裏で 知っている、声が聞こえた。
夢なのかな。と一瞬思ったんだけれども 途切れ途切れの意識を、 水面へ浮き上がらせるように起こして
ゆっくり、もういちど白い世界を見る。
白いシーツ。白い壁。白い天井に、照明。 その中で確かに色をもっているお前が見えた。]
(121) さねきち 2019/06/19(Wed) 08時半頃
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[レインコートじゃなくて マフラーを身につけて 鼻先が赤いのは寒いからかなあ。
笑っているんだか、笑えていないんだか、 微妙な顔を浮かべてそこにいる。>>108
なんだか 俺にとってとても、とても>>105 都合のいい言葉が聞こえた気がしたんだよ。 それが本当であれ、幻聴であれ、]
(122) さねきち 2019/06/19(Wed) 08時半頃
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キョー…………
[…………呼吸器がちょっと邪魔だなあ。ひとつ咳き込んで]
キョースケ。
[名前を呼んで]
(123) さねきち 2019/06/19(Wed) 08時半頃
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…………おはよう。 ありがと、うれし
(124) さねきち 2019/06/19(Wed) 08時半頃
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[笑いながら、立ち尽くすお前の頭でも ひとつ撫でてやろうかと思ったんだけれども、 また会えたな、って少しだけ涙が浮かんだんだけれども
許せよ、体がうまく動かせやしない。
だからほんとうにゆっくりした動きで、 横たわっていた俺の右手が ベッドの傍にあった指先にだけ触れただろう**]
(125) さねきち 2019/06/19(Wed) 08時半頃
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―― 後日:病室 ――
うるせー。 お前だけにメール送ったんじゃないもーん。 それに、大学いかねーからって 勉強しないやつでもないっしょ。
[お前はさ、と、俺は悟に笑いかけた。 病室で椅子に腰かけて口を尖らせて 気遣うでもなく、文句が出てくる悟は やっぱり相変わらず高本悟のままで 俺が危惧した「ただのイケメン化」は免れたらしい。
無茶をいわれたので半目になって笑う。 結構中身イッたからなあ。とか。刺し傷の具合を考えながら 口をつくのはやっぱり冗談みたいなじゃれる言葉だ。]
(145) さねきち 2019/06/19(Wed) 13時半頃
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お? やっぱ俺がいないとさみしいか? さみしいのか? しょーがねーなー、悟は。ふふん。 ハグしてやろ。
[おいでおいで、と両手を広げて、 どうなったかは知らないけど、 悟はほどなくして寄せ書きと千羽鶴を取り出し 俺に寄せ書きの方を渡してくれる。 俺は歓声をあげて、その寄せ書きを受け取り その中身をしみじみと見ただろう。]
(146) さねきち 2019/06/19(Wed) 13時半頃
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おーーっ、ありがとう。悟。 嬉しい!
へへ。こんなバカにありがてえ話だよなあ… つーか。お前のコメントほんとらしくもないし
なにが早くよくなってください、だよ。
[少しだけ鼻をすすって、涙をごまかしながら 俺はにこにこその寄せ書きを眺めた。 文字で性格って出るよなあ、と思いながら ふと顔をあげる。]
(147) さねきち 2019/06/19(Wed) 13時半頃
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[お前も大学いかねえの、と、 悟にしては伺うような顔が見えたので、 俺はきょとんとしてから、 「あー、そーそー」と事もなげに笑った。]
俺んち、父子家庭だし。親父あんなんだし。 奨学金借りてもかえせねーかもだし。 無理だわ。 だから、いかねーよ。就職だ。
[こう見えても財布のひもは握ってたし、 実家の経済状態はよくわかってんのよ、俺、と 文化祭で田所さんにゴネた時とは打って変わって冷静に笑う。
それから、話を聞き出す母親のように微笑んで、 悟にこう問い返すだろう。]
(148) さねきち 2019/06/19(Wed) 13時半頃
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悟は、うどん屋継ぐのか?
**
(149) さねきち 2019/06/19(Wed) 13時半頃
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生きればいいんだろ。と 投げ捨てるように出した答えを拾い上げて ひとつ、ふたつとまわし、生きる理由を探した。
(186) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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―― 起きた直後:病室 ――
[呼吸する事を忘れてしまったように、 キョースケがじっと俺を見ている。
いつもの笑顔は、閉店休業だそうです。
お前が血の気のない手に縋りつくのを目で追いながら 困ったなあ、って俺は別の意味で少しだけ笑った。
こんな風に悲しませるなら、 馬鹿なことしなけりゃよかったって 申し訳なく思う気持ちが三割。
それから、また会えた事 生きて、といってくれた事、 それに対してありがとう、って思う気持ちが六割。]
(187) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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[残り一割は、…………そうだなあ。
随分と、微笑む顔以外を見ていなかったので、 そんな顔もするんだ、って
…………見えもしないのに、 涙に濡れた声から察して、>>138>>139 嬉しく思う気持ち、で一割。
俺は善人じゃないので、 泣きながら、いろんな気持ちを伝えてくるキョースケの いつもは見えない旋毛をじっと見下ろしながら たどたどしい言葉を聞いている。
触れてくる手が暖かくて、静かに握り返した。]
(188) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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…………………そう、だな。
[言葉少なに頷いた。 義務ではなくって、楽しみのために。 そのためだけに、ただ一瞬のために 花火のように、あるいは花のように。
そんな風に生きていけたら、どんなにいいだろう。 お前の言葉を聞きながらそう思ったよ。
生きる道を見つけるよ、と言ったからには まっとうにまっすぐに明るく生きていこうって 俺は思っているから ひとまず、気休めのように明るい言葉を吐く。]
(189) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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あんま、心配すんな。 つか、夏が楽しみだから生きんのか なんだそれ
[俺は笑って、涙に濡れる手のひらを動かして ゆっくり、あふれる涙を拭った。
丁度小さい頃花をお前の耳に挟んで 「可愛い」って笑った時みたいに 動かない指で、そっと耳の上あたりを撫でて 後ろ頭を撫でて、
ずきり、と痛む腹に息をついてから きっと子供に言い聞かせるように小さい声で言った。]
(190) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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あのな、気づいてるよ。呪い。 ……死ねないな、って思ってしまった。 だからあんまり褒められないことを、俺もするよ。
(191) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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キョースケ。 俺も、夏を楽しみにするな ……もっと色んな季節や時間が楽しみになるように いろいろ、遊ぼうな。
ありがとう。
…………あのな。 それでも俺とお前が嫌になるくらい世界がダメなら そのときは……
……逃げちまおっか。
[具体的にどうする、っていわずに、俺は笑った。]
(192) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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俺は、その日を楽しみに生きるよ。
(193) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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[しずかにそこまで言い切って 少し意地悪だったかなあ、と思いながら目をそらした。
けれど叶うなら、 看護士さんがやってくるまでに 最後にもういちどだけ、お前の手を握ったと思う*]
(194) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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生きる理由を死ぬ時の理由に挿げ替えたところで、 きっと誰も困らない。
いつか来る嵐のときのため きっと俺たちは、生きやすい方を選べばいい
多分ね! って、俺は明るく後ろ向きに笑った。*
(195) さねきち 2019/06/19(Wed) 21時半頃
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―― 後日/病室 ――
春が来たらなんだよー あっ、卒業式には出たい!
[さーくーらー、と口ずさみながら、 俺はにこにこと笑っている。
悟はまるで拗ねた子供みたいな顔をして、 ハグをねだる俺におざなりに答えて>>150>>151 雑な動作で俺の熱烈な愛に応えてくれた。
うん? 誰が素直じゃないって? 素直じゃない、というのは、 こういう時に近寄ってこない奴の事をいうんだ。]
(199) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[静かに悟のぬくもりを感じて、 うん、大丈夫、と小さく呟いた。 今もお前はここにいて、俺と生きていて、 …………怖くはない。]
(200) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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ひでーー棒読み。文化祭劇じゃなくてよかったわ。 ほんとかよ
[目じりを拭いながら、俺はその寄せ書きを読む。 「無理はするなよ」に微笑んだり>>181
あきらかに書き手がわかるのに 名前が傍にない「アホ」>>171に噴き出したりして ちょっと俺は忙しくなった。
後でちゃんと読もう、と寄せ書きを膝の上において 俺は悟に向き直る。>>155 こてん、と首をかしげて、複雑そうな悟を見ている。]
(201) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[継ぐよ。
そういいきるのに、随分と悟が苦労しただろうことは 長い付き合いだ、すぐに察せられた。 俺はけれど微笑んだままで、 そっか、って、悟の言葉の全部を聞いてる。 >>156>>157>>158>>159]
(202) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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…………ばかだなぁ。
[俺は、相好を崩した悟にふっと笑ってそう返した。>>160 そうしてまた相槌をうつ。
とっくに打ち明けてたわ。――ほんとうに?
ノート盗まれただろ。――ああ、あの事件。
あの犯人、俺だから。――…………はあ?
最後まで言葉を聞いて、 やっぱり俺は最後に、「ばかだなぁ」と笑う。]
(203) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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寂しがり屋かよ。 ばかだなあ悟。
うどん屋継いでる俺はいなくなればいいとか。 ノート盗んで受験失敗させてやるとか。
頭いいくせに、やる事子供なんだから。
[俺は正直、 自分の数学のノートなんてどうでもよかったんだ。 けれども悟はバツが悪そうに俺から目をそらすので、 まるで子供をしかる親みたいに、俺は口を尖らせる。]
(204) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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おまえさー。隠したかったってそーはいうけど 後でバレて 「えーっ、あの頭よかった悟くん、 うどん屋で働いてるのー?」 っていわれんのかっこわるくね?
「俺は妹のために家継ぐんだ!」って 最初から言っといた方が たぶん、億倍かっこいいぞ。
皆、うどん食いにきてくれるかもしんないし。 売り上げあがるかもしんないし。 そしたら治療費だって稼げるかもしんないし。
ちっちゃい。今のお前はちっちゃいぞ悟。 もっと大きくなりなー? …………あ、身長は伸びなくていい。
(205) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[めっ、と言って、 叶うなら、悟の額にひとつ軽いチョップをくれてやった。]
あ、あと俺は。ぜーんぜん気にしてないから。ノート。
[ついでに、からり、と笑って*]
(206) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時頃
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[煙の匂いが恋しい。]
(220) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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―― 後日:見舞い ――
[赤いハートを抱えたしあわせなねこを、>>184 ぼんやりと見つめていた。 それは千羽鶴の傍に、ちゃんと見えるように置いてある。
位置をずらしたのは……入院生活は気が滅入るから?]
(222) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[入院してから何日経ったか、 まだ、てんとうむしが目覚めるには早い時期。
曜日の感覚がなくなってきた頃に、 そいつはがらり、と猫のようにやってきて 突然、ベッド脇の椅子に座り込んだ。>>174]
……ふー、た……………?!
[煙草が恋しすぎてぼんやりしていた俺は びっくりしながらそいつの名前を呼ぶ。
おはよう、こんにちは、こんばんは、も無く 「見舞い」と押し付けられたパンを見て、 おお、と声を跳ねさせた。]
(225) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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ありがと! すげえうまそう。嬉しい。 つか、見舞い来てくれたんだ。
[俺はたぶん、いつもに増して間抜け面で笑っている。 嬉しい、って笑う犬の間抜け面だ。 尻尾はあれば振ってる。]
寄せ書き、見たぜ。 「アホ」ってお前のコメントわかりやすすぎんだろ。
でも、ありがとな。 ……死にきれなくって追っかけてきちまったわ。
(233) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[あはは、って笑って、 俺はてんとうむしのパンをかじろうとする。
袋の下の何か固いものに気づき瞬いた。]
ん……? これは……
[とりだして、俺はそのライターを見つめる。 そうして、真意を問うようにじっと颯太を見つめた。]
(234) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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[眠らされていたそれは――]
……早く火つけにこいってこと?
[俺は少し笑って、そう問いかけた]*
(235) さねきち 2019/06/19(Wed) 22時半頃
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―― 後日:病院 宇井野へ ――
[とんとん、と誰かが病室をノックする音が聞こえ 俺は少しスケッチブックから視線をあげた。
腹に傷があるのでそう体勢は変えられないけど 本を読む性分でもなし、 仕方なく暇な時は寝るか落書きをしている。
そんな中、尋ねてきた宇井野に、 俺は「やっほ」、と嬉しそうに短く挨拶を返した。]
ういの、来てくれたんだ。 ありがとな。 あと、メーワクかけてごめん。
(262) さねきち 2019/06/19(Wed) 23時半頃
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[あの校舎の事を覚えているかどうか、 わからなかったけれど 俺はそう謝罪してから、 真新しいノートに瞬きをした。>>182]
……これ、作ってくれたの? すっごくわかりやすい。
[宇井野が教科書までもコピーできる男だとは 知らないので、 ぱちぱちと瞬き、渡されたノートをめくる。
大学受験はしないから必要ない、っちゃないんだけど だからって勉強しないっていうのは寂しいので 俺は喜んでそれを受け取ったんだ。]
(263) さねきち 2019/06/19(Wed) 23時半頃
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[続いて出てきたピンク色のもふもふに あっ。と、俺は声をあげる。
名前はつけていなかったけれど ゆるい顔をした、しあわせそうなその猫には 見覚えがあった。 ……なんだか、どっかで見たことあるハート抱えてんな。]
そのぬいぐるみ、どこにあったんだ? 学校? ありがと。……はやめに先生に返せるようにするよ。
そのハート、どこから買ってきたの? おまもり?
[俺はねこが抱えているハートについて尋ねて それが「店員にすすめられた」ものだときけば 妙な偶然があるもんだな、って 素直に受け入れてしまう。]
(264) さねきち 2019/06/19(Wed) 23時半頃
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[受け入れて、しまうのだけれど]
なーんか、へんな感じ。
あのさ、校舎のこと、覚えてる? ……おぼえてねーならいーんだけど。
[そう言って俺は宇井野に不思議な話をするだろう。
宇井野のマネキンの傍に、このねこがいたこと。
轟木のマネキンの傍に、 このハートに似たぬいぐるみがあったこと。]
(265) さねきち 2019/06/19(Wed) 23時半頃
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なんか、こーして抱えてるとさあ…… 二人が一緒にいるみたいで不思議だなー
んん? でもお前らそんなに仲よかったっけ? ただの偶然?
[俺は空気が読めるようで読めないいきものなので、 不思議だな、ってしみじみしたあとに、 きょとん、と目を開き、 首をかしげて二人の仲を問うただろう*]
(266) さねきち 2019/06/19(Wed) 23時半頃
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―― 病室:キョースケへ ――
わかった。……連れていく。
[その言葉を、静かにキョースケを撫でながら呟いた。
花なんて毎年咲くじゃん。 俺じゃない人といけばいいよ。
そういった俺は、 どうやらあの校舎で殺されてしまったようなので だからこんな呪いじみた願いを言うんだろうな。]
(288) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[あのな。 別に、人並みに幸福になる気がないわけじゃないんだ。
こうなった以上は、笑って生きるのが礼儀でしょ。 とも思うし
無二の機会に君たちの時間を止め損ねたので、 今更ぐだぐだと、不幸せになりたいです、 ……と言う気もない。
明日への約束を交わしながら、 明日を楽しみに生きていこう、って 割と本気で思ってるんだ。 だから多分、明日以降の俺は、いつもの養拓海だ。
元気で馬鹿で、明日の心配はしない俺であって きっとこんなこと、もう言わないだろう。
じゃあ、キョースケに投げかけているこれは いったい何かって言うと――……]
(289) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[おびえたような目を、少しの間、見つめていた。 すぐに視線をそらしてしまうから お前の言葉を聞き届けていても、 きっと、笑ったことには気づかなかった。]
……ありがとう。 そう……待ってて。
[俺はそれだけを呟いて、 最後に握り返されたその手に、かすか小指を絡め]
(290) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[空気に溶けるほどの音で、小さく呟いた。 そうして微笑み、再び目を閉じる。 …………もう、暗闇だって怖くはなかった。]
(291) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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「社会が滞りなく運営されゆくために、 必要があって設定された、ひとつの仕組み。」
[「家族」も「俺」も「お前」も、 きっとその一つなんだよ、キョースケ。 物と変わらないから、簡単に壊れるんだ。
例えばこの内緒話がずっと続くなんて俺は思ってない。 約束したって、それが叶うとは思ってないんだ。 永遠なんてどこにもないんだよ。
けれども、例えば世界が終わるだとか 異常気象で自然が崩壊するだとか
そう、この社会というものを成り立たせている 人間という種族を脅かすような滅多な事がない限り、 夏は来てひまわりは咲く。]
(292) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[…………咲いたら、思い出すだろう。]
[何年経っても、いつか思い出す一瞬が来るだろう。]
[その一瞬が重なって生きる理由になるなら、 それでいい。構いやしない。
そしてその一瞬が罪悪感として心を苛むなら それでも、構わない。]
(293) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[最高の一瞬で時を止められなかったのだから 壊れていく世界に身をおくのだから せめて切れそうで切れない繋がりがほしい。
救い出すための蜘蛛糸でがんじがらめになったって どうせ、誰も迷惑しないんだから。
一緒に楽しく生きていければ万々歳。 どちらかが裏切っても、 きっと思い出して痛みになる。傷になる。
だから、どっちでもいい。 これはそういう、呪いの話。 俺を地獄に留めおいたお前を、道連れにする話。]
(294) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[…………嗚呼。俺ってやっぱり、 あんまり明るく生きられそうにないや]*
(295) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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|
―― 後日:病室 悟へ ――
悪くねーよ。ばーか。 ……別人のフリしちゃうのー?
[くすくすと俺は笑って、 拗ねた悟の横っ面を見ている。 高山型のプライドはいまだ健在のようだ。]
(296) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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ははー。自分でいってりゃ世話ねーわ。 顔とスタイルは認めてやるけど 頭はどうかな、頭はー
[音量は控えめにからかう言葉を返す。 定期テストの点数は確かに悟に及ぶべくもねえけどさ。 でも、悟が頭がいいかっていうと ちょっと微妙だな、って思う俺がいる。
俺とおんなじくらい馬鹿じゃん?多分ね。]
(297) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[なので、 その曰く賢い額に軽めのチョップを降らせるのです。 くらえ拓海式エクストリームファイナルチョップ。]
(298) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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俺はそういう奴だって。 信用がねーな
[嫌われると思った? 可愛い奴。 そんなことで嫌いになるなら とうの昔に絶交してるぜ、って
俺の顔を伺うようにみる悟に、 にっこりとした笑顔を返した。]
(299) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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馬鹿は話がはえーって?>>256 ふふん。そうだろう、そうだろう。
……
さあ、どうだろうなあ。 皆が皆良い奴ってわけじゃないから―― お前が思うように思うやつも、いるかもしんないけど。
[でもさ、と俺は肩をすくめる。]
お前、そーゆーの。 ジイシキカジョーっていうんだぜ
(300) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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[基本的には、 行きかう人々は他の人を気にしないものです。 皆自分の人生で忙しいので。
その分、かかわれた人たちってのは貴重だし 大事にしていくべきだけれど、 これは話が脱線しそうなので置いといて
内緒だ。俺だけ知っていればいい、と 強気なんだか弱気なんだかわからない 高本悟という男の「ホンネ」を>>258>>261 ふうん、って俺は聞いて、
まあね。と笑った。]
(301) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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いーけど。 どうせそのうち付き合ってる女の子とかに バレんだからさ。
うどん捏ねてようが勉強してようが 高本悟は高本悟なんだーって。
自分のそういうところも、 受け入れられるといいよな。
[あるいはもうお前の本性なんて 付き合ってる女の子にはバレてるかもしれないけど。 俺は肩をすくめて、
……あ、そうだ。って、首をかしげる。]
(302) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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俺、お前の教科書盗んだ犯人知ってるけど。 聞きたい?
[って、つとめて無表情に**]
(303) さねきち 2019/06/20(Thu) 00時半頃
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―― お見舞い:瑠璃 ――
[バスケットの中の赤くて瑞々しい林檎を見ていた。]
(398) さねきち 2019/06/20(Thu) 20時半頃
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みやこさん。こんにちは、 お見舞いきてくれたんだ。ありがと。 ……果物? 綺麗。
[開く扉を見て、そこにある小さな姿に笑いかけた。
体育館裏でもないのに、 俺は遅すぎる四月一日みたいに笑って 見せられたフルーツバスケット>>285に瞬きをし 「ありがと」と手を伸ばす。
とん、と机の脇にフルーツバスケットは置かれる。 俺はにこにこしている宮古瑠璃をじいっと見た。
あんなにぼろぼろのマネキンになってしまったのに 現実世界のあなたはいつもどおり笑っているので なんだかまやかしじみているな、と思った。]
(399) さねきち 2019/06/20(Thu) 20時半頃
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……なんだ?
[白いベッドに乗りあがってくるあなたを見つめる。 少しばかり驚いていたから、 伸びてくる白い手に気づくのが遅れて、]
[つう、と糸をたどるように、 その手が服の上から傷をなぞる。>>286]
(400) さねきち 2019/06/20(Thu) 20時半頃
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ふ…………っ、……、う゛
[ちかっ、と何かが明滅した気がした。 触れられている場所から痛みが走り目を閉じる。
その一瞬だけ、屈服した犬みたいに 触れてくるひとの色に頭の中が染まる。
一呼吸の間だけ。 その人のことだけ。
こわばっていたのは一瞬。 体を弛緩させ、息をついて宮古を見、小さく笑った。]
(401) さねきち 2019/06/20(Thu) 20時半頃
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いてぇよ、みやこさん。いじわる。
[俺はへたくそに笑いながら、きちんと「痛い」と言って すこしだけ恨みがましげに宮古瑠璃を見る。 そうして、ぽん、と宮古の手の甲に己の手を置いた。
別にお手、じゃないけれども。]
怒ってる? それとも、何か後悔してる? ……マネキン、酷い状態だったから。
[校舎から出る時何かあった? って、 俺はきっと的外れな質問を投げるだろう。
体育館裏であなたに問いを投げかけた、あの時みたいに*]
(402) さねきち 2019/06/20(Thu) 20時半頃
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―― 病院:宇井野へ ――
[スケッチブックには、子供達が遊ぶ絵が描かれている。 俺はそれを覗かれても、ん?と首を傾げるだけで 別に伏せたりはしない。>>304
覚えがないな、といいたげな顔をする宇井野に 「お前はいいやつだなあ」って笑って、
宇井野の努力の結晶を受け取る。]
勉強しないわけにはいかねえなあ。
[って、ノートを捲りながら目を細めて、 それを優しく脇に置く。]
(416) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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[俺は見覚えのあるぬいぐるみたちを渡された後から、 スケッチブックの真新しいページを開いて 細いペンを走らせ手元を動かしながら、 宇井野の話を聞いている。
ちょっぴり失礼かも? と思いつつ 声がきこえれば、視線は宇井野の方を見て外さない。
……おや? ういのの様子が?>>307>>308]
(417) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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ういの…………? どうした、体調悪いのか? 顔赤……くはないけど。具合悪そう。
[ぎこちない笑顔を指して暢気に指摘し、]
んー、偶然? そっかあ。そういう偶然もあるのか。 店員さんもいい趣味だな。
(418) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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熱い真っ赤な心ってことなんじゃない。 いや……純粋な心? ほら、轟木、いいやつだから。
具体的にどういう意味があったのかは ぜんぜんわかんねーけどさ 傍にあったのは赤いハートのぬいぐるみだったよ。 …………皆の?
[こてん、と首をかしげる。 宇井野の目が一瞬泳いだように見えて 「ん?」って思ったけど、 やっぱり俺は空気が読めない。
だから、簡単に事実だけ宇井野に告げよう]
(419) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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ぬいぐるみが傍にあったの、お前ら二人だけだぞ。 なかよしってか、運命みたいだな。色々と。
[こうやってハート抱っこしてるねこまで、 俺のところにやってくるんだからさ、って 俺は暢気に笑って
動かしていた手を止める。 ぱちん、とスケッチブックの紙を取り、 はい、と宇井野に渡した。]
(420) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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全然ノートの代金にはなんないので また退院したら、何かおごるよ。 野郎引き連れてラーメン屋とかいこうぜ
[ひとまずこれは、感謝の気持ち、って笑って 手早く俺が描いたのは、 ハートを抱いたねこのぬいぐるみと
そのねこを抱っこしてる 漫画のキャラみたいに等身の低い宇井野だ。
「THANK YOU」なんて こんな病室のベッドじゃ レタリングもろくにできやしないけど。]
(421) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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俺さ。やっぱ、ういのと組んで内装やったの すっげー楽しかったんだあ。 …………だから、 ありがとうな、って言わせて。
[こんなものじゃ全然、お礼になってないけど 気持ちだけ伝わればいい、って 俺は頬を掻いて笑った。 宇井野の内心は全然知らないまんまで*]
(422) さねきち 2019/06/20(Thu) 21時頃
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―― 見舞い:颯太へ ――
[何かに耐えているように不機嫌な顔を見せるお前の 感情の機微がわかっているんだかわかってないんだか、 微妙な俺だ。>>320
満足してくれてる、って自信は特に無いけど 嬉しいは嬉しいので、にこにこと笑っている。]
(440) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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生きてるぞ。生きてる。 ……んあああ、つねるなふねるなー。
[だから俺はゆるい笑顔を浮かべたまんま 無防備に抓られるし、
久しぶりに見た轟木颯太が、 俺に対して「迷惑」などというので>>321 ごめん、って言いながら、困ったように笑ってる。
ごめん、迷惑かけました。 でも少しだけ、心配してくれたのが嬉しかった。ごめんな]
(441) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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……おお、 知らない、けど……?
[ここで煙草を吸うことはできないけれども まるであの校舎に居た時みたいに 颯太が窓をあけるもんだから
俺は冷たい風に、ぱちぱちと瞬きをして>>322 揺れる千羽鶴と、窓際のお前を見比べてる。
見比べてから、 振り向いてくる颯太に目を丸くして 多分、そん時も俺は間抜け面で]
(442) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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[……それから、耐え切れなくなったみたいに 腹の傷が引き攣れるのもおかまいなしに くすくすと笑い出すだろう。
笑いすぎて頬に熱が上ってくる。 なあ、どうしてお前が窓を開けたか知らないけど、 窓から吹く風だって、 すぐにこれを冷まさせてくれやしないだろうよ。]
ふふふ、…………っはは、なんだ それ なんだよもう。 わかってる。わーかってるよ。
俺も、ひとりで吸うのさみしいから…… 追っかけてくから、待ってて。通報すんなよ?
[通報すんなよ、ってふざけるように言って、 隠れ場所に立ち上るふた筋の煙を思った。>>324]
(443) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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[それからやっぱり、早まってごめんな、 ってもう一回だけ心ン中で謝った。
あの隠れ場所は確かに俺の居場所だったから 突然いなくなるのは、ひどかったなあ、って。]
(444) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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[ぐしゃ、と髪を掻いて 颯太が取り出すのは、一羽の千羽鶴だ。
無理やりつくらされたんだ、って顔をして 塊の傍に置かれるそいつは、 少しだけ特別なようにも思えて
俺はそいつを、あとで飛ばされたりしないように きっちり保存しておこう、と思う。
何か、を言う前に、颯太はぬいぐるみを見て 赤いハートをつつくので そうそう、とそのぬいぐるみがここに来た経緯を話した。]
ちげーーよ。ぬすんでねーし。 ういのが学校から持ってきてくれたんだよ。 ハートは、店員さんからおすすめされたんだってさ。
(445) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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お前がマネキンになった時、 そばにそれによく似た 真っ赤なハートのぬいぐるみがあってさあ。
…なんか、お前らしいな、って思ったんだよな。 なんでだっただろう。
[目を細めて語り、嗚呼。と呟く。]
(446) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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お前がくれたパンもてんとうむしだし、 そいつにもてんとうむしがついてて なんか、そういう偶然の一致ってあるんだな。
[俺は、しあわせをはこぶ象徴の話を知らないので、 そういいながら目を細めて笑って ぱくり、とパンをかじる。
甘くて優しい味がした*]
(447) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時頃
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―― 病室:悟へ ――
そっか。
[特に残念!というでもなく 俺は無表情を崩して、笑って頷いた。>>370
その笑顔だけで多分、悟にはわかってしまうだろう。 俺が犯人じゃないってことくらい。]
(448) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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わかったよ。 じゃ、俺からは黙っておくな。 でもホントーに気になったら、 きーていいから。
[しかしまあ、世の中の皆が皆、 謝りたいからって直接言ってくるかね? そこんとこはわからないから、 曖昧に笑って済ませておいた。>>372
それから――]
(449) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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[それから。]
(450) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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[…………ええと。 俺、もう一回時を止めたい、なんて思ったっけ。
もしかしてチャイムが聞こえたりしないかな、って 一瞬思ったんだけれど
何度笑ったまま見つめ返しても、 悟は馬鹿みたいに無表情で俺を見てるだけだし 多分きっと、その形のいい唇から漏れた言葉>>373は 幻聴なんかじゃなくって]
(451) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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…………。 ……………、
(452) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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[なあ。 まさか近所の人が、「あそこのお父さんが子供を…」とか 「強制××××罪」とか「虐待」とか そういうワードをうどん屋で吐いてるとは思わないので
お前が知ってる、とも、やっぱり俺は思わなくって
息ってどうやってするんだっけ。 白いシーツの下で、静かに拳を握る。]
(453) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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[笑ったまま固まった俺がふたたび動き出すのは その少し後。]
……アハハ 親父は、…………わるくねーよ
[笑ったまんま言葉を吐く。 まるで人形みたいに。まるで呪文みたいに。
俺はまだ、暢気に笑ってる だけ**]
(454) さねきち 2019/06/20(Thu) 23時半頃
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―― 病院:宇井野へ ――
そっかあ。
[なんでもないよ、といわれてしまえば 俺の視線は簡単に宇井野の表情からそれてしまって 手元、に目を落とす。
背丈で女の子と勘違いされたのかも、 …………なんていわれた暁にゃあ 多分退院後そのでかい背中に 俺式ジェットアタック(助走付たいあたり)が飛ぶだろう。
だから言わなくてよかったな。]
(562) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時頃
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ふふん。そうとも。 げーじつか気質なので。 運命だって信じる俺なのです。
[からかわれて、俺はにかっと笑った。 ふざけるように。けれど本気で。
永遠を誓って壊れる夫婦の愛もあれば たとえ姿かたちが変わってしまっても 切れないつながりもある。 それはきっと、運命の仕業さ。>>470
って半分くらい信じてる顔で]
(563) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時頃
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かわいいだろ? お前に似せようと思って。
ってー。えー。 替え玉もいいよっていってやりてーけど お前がどんだけ食べるかによるー。
[笑いながら絵を受け取ってくれた彼に、 こて、と首をかしげて、似てる? って問う。
ごつい宇井野を描く事も考えたけれど>>471 やっぱりこっちのほうが、 彼の印象に合ってる気がする。]
(564) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時頃
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[一仕事終えた俺は、 見舞いにきてくれた仲間に礼を言う。
渡される「楽しかった」に、 「ほんと」って目を細めて小さく頷いた。]
――そいつは嬉しい。 またデートにでもつきあってくれよ。 退院したら。
[ひらり、と手を振って、 俺は去りゆく大きな背中が消えるまで その姿に切れないシャッターを切っていた。]
(565) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時頃
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[もう一度しあわせそうなねこと目を合わせる。
宇井野が選んだそのねこは、 終わってしまった文化祭の夢を引き連れて、 ゆるゆるとまどろんでいるようにも見えた。*]
(566) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時頃
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―― 見舞い:悟へ ――
[笑ったまんま、無表情になった悟をみている。 ……今お前が何を考えてるのかわかんないや。 お前の真意がわかんないや。
だから、俺は問いかけにも笑ったままだし 無理に笑うなよ、って優しすぎる言葉にも 人形みたいに笑ったままだ。
頼れ、って言われて、>>500 ハグをしてやる、と両手を広げられて ようやく俺は悟の意図を理解するわけだけれど うるさい心臓と、まとまらない言葉を 咀嚼するのに忙しくって手が伸ばせない。]
(578) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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なにを……まもる……? かぞく、とか。 昔の思い出とか。あるけど。
[目の前が真っ暗になったみたいだ。 あのガレージに引き戻されたみたい。]
悟。俺さ、子供の頃、幸せだったよなあ。
[笑って、確認するように問いかけた。]
(579) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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[ガレージではたろが尻尾を振っていて、 親父が「ともだちか」って笑ってて 母さんが「お茶用意するわね」っていってた、
あの夢みたいな、真昼の世界で
蝉の鳴き声を聞きながら あせっかきのガラスのコップを手にして 夏休みのドリル、二人で埋めて]
「えへへ、そうだろー。じまんなんだあ」
[って、悟が囁いた言葉に胸を張った。 あの時たしかに、俺の世界は完全で 欠けたところなんて何一つなかった。]
(580) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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なんでこうなったんだろうな。 幸せだったのに。
[頬をぬるいものが伝う。
笑いながら、 多分真っ黒な目からいくつも涙が流れてる。 ぽろぽろ、という風でもなくて きっと垂れて流れるだけの不気味な涙だ。]
(581) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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愚痴? 頼れ? やだよ。俺、お前がうらやましいもん。 お前は家に帰ったら飯があんだもん。 ………やだ。そんなこと、怨みに思いたくねえよ すがりたくなんかねえよ
[手を伸ばして悟の服をつかむ。
千切れやしないけど、 ちぎってしまいそうなほど手を震わせて その胸だか腹に、額を埋めた。]
(582) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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縋ったら、理解できちまうだろうが。 自分がどれだけ惨めかわかっちまうじゃん
だから、そんな風にするんだったら俺にいってくれよ お前がおかしかったって お前が悪かったって お前が生まれてきたからいけなかったって
言ってよ 言え お願いだからいつもみたいに傷つけてくれよ 無神経なこと言って安心させてよ
(583) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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………… 笑顔で守りたいのなんか、 俺自身にきまってんじゃん ……やめてくれ 自覚させないで お願い
[震えながら、抱きつくでもなく 俺は悟の服を握って額を押し付ける。
腹の痛みがぎりぎりと身を苛んでも、落ちる涙が見えても 痛む頭では、どちらもいたわることはできなくて
おしまいに、「帰れ」という言葉だけ、出た*]
(584) さねきち 2019/06/21(Fri) 21時半頃
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―― 見舞い:瑠璃へ ――
なんでえ…………?
[いじわる、って言われましたので、 俺は心外です、って言いながら微笑んだ。>>516
校舎から外に出したことを いじわる、っていわれてる、なんて思わないから 不思議なことをいうあなたをじいっと見ていたら
雪のような白いシーツの上に、 重ねた手のひらの上に、 もうひとひら、重ねるように手が乗る。]
(585) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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[ぽてん、と横になる宮古瑠璃の、揺れる髪を見ている。]
そうだったんだよ。
[って、読み聞かせるように話して 別にベッドの上に転がることを咎めることもせず 俺は、眠たげなあなたの目を見ている。>>517]
(586) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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[夢のはざま、曖昧な記憶の中に、 何が眠っているのか とか
ましてや霊感なんてないんだから るりいろを好む誰かの話 とか
雪道に足跡をつけるように 不必要に、踏み入ったりはしないんだけれどさ。]
(587) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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勉強、お疲れ様?
[包んでくる両手は、 ……いったい誰の手を包みたかったのでしょう。
まどろみに足をひきずられるようにして ぱち、ぱち、と瞬きを繰り返した。]
……なんだよ、みやこさん
…………取れない、のかあ これ。 取れたら、楽なんだろうけどな。呪いみたい。
(588) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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[例えば日ごろの癖で血のつながりを思い出し 習慣で、首輪に繋がれていたことを思い出す。 なら、さっさと取れてくれたほうがいい。 俺の首についた鎖なんて。
でもね、と宮古瑠璃は前置いた。>>520 俺はそれを子供のように聞いている。]
…………遠くまで。 自由、ってこと? 縛られなくて、いいよ、ってこと?
[よくわかんないな、って俺は笑った。]
(589) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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……そうだといいな、ありがとう。
遠くにいけるといい。 呪いが見えなくなるまで、遠くに。 当分は……遠すぎるところにいくのはやめるけど
[宮古瑠璃が慰めてくれているのか、 ただ実感を語っているだけなのか、 俺にはわからなかった。 だから思った言葉だけを吐き出して
シーツに垂れた滑らかな髪の毛だけ 指先ですこし、撫でようとする。
飼われた犬が鼻先を寄せるようにおずおずと 年上の男が女の子にするようにただ優しく それができなくっても、俺はぽつりと零すだろう。]
(590) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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いぬは、目を離すと すぐ飛び出していくもんだから
もしも遠すぎるところに行こうとしたら…… 気が向いたら、 リードを引いてくれると嬉しいんだけど。
[まさかな。って、思う気持ちも半分あって 遅すぎる四月一日みたいに、俺はぼんやりとしている。
タンポポの綿毛みたいに ふわふわととんでいってしまいそう、と思って なんとなく、引き止めるようなことを言ったのは
古典の勉強をしたわけでもないのに、 少しだけ眠いからだろう。*]
(591) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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―― ・・・ ――
[よく人が刺されるねえ、なんて 他の患者が話しているのを聞いたのは その事件があってから、少し後のことだ。>>559
ななつきよーこ。なんて名前の人 そんなにかぶるとは思わなくって 俺はすぐに、運ばれてきた患者が 七月葉子そのひとであると理解したのだけれど
そもそも病室が違うし、うまく動けない、ので 俺は携帯を片手に、高本悟にメールをした。]
(592) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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To 悟
ヨーコねーさん、病院に運ばれたの?
何があったかぜんぜんわからねえけど 俺は見舞い、いけそうにないから いってあげて
[さて、それをうけて高本悟がどうしたのかは 俺にはわからない。
真っ白な病室の天井を見上げて、 なんだよこの世、やべえな地獄か、って そんなことを思うばかりであった**]
(593) さねきち 2019/06/21(Fri) 23時頃
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|
―― 病室:悟へ ――
[暖かさが降ってくる。
背に腕を回されても、 俺はそれを振り払う事が出来ない。
ぽつり、ぽつり、と 雪みたいに落ちて積もる言葉を 聞かないでいることもできなくって
俺は震えながら、お前の胸に額を押し付けている。]
だって……だって……だって、さあ。 俺、おまえのこと友達だと思ってるもん そんな風に思いたくねえんだよ……
(632) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
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|
[ぐずるように言って、 抱きしめてくる手に力がこもる事に安堵する。 お前が与えてくれる言葉は>>596>>597 いつもからは考えられないくらい優しくて]
…………悟…………
[ゆっくり、顔をあげる。 もう笑えてなんかいなくて ぼろぼろ涙だけ零して泣きじゃくる俺がそこにいた。 何度も情けねえなあ。
わしゃ、と頭を撫でられるのにあわせて もう一度額を悟の胸に埋める。 まるで本当に犬になってしまったみたいだ。]
(633) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
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しゃいんは、諦めてる…派遣かなあ…バイトか… 家は。色々あるけど、ひとまずあそこに帰る……
[あそこが俺の「家」なんだから、と呟く。 あの土地を売ればそこそこの値になって 大学だって、いけなくはないんだろうけど …………それは俺が嫌だったんだ。
俺はぐしぐし泣きながら、 ようやくゆっくりと、悟の体に腕を回した。]
(634) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
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|
あのさ。俺、 親父みたいに、なりたくないんだ。 悟んちの父さんみたいに……強くなくって なにもかも恨めしくって、酒に逃げて そういうの、……やなんだ
怖い。歳を重ねるごと、親に似てくんのが怖い
だから…… 俺、やっぱりお前をうらむことは、いやで だって、だいじなともだちだもん 怨みそうになるから、頼るのも、難しくて
(635) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
|
|
でも。 ……でも。
(636) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
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|
さびしかったら、遊びにいっていい…? もううどん屋やってるお前に遠慮しなくていい…?
あのさ、ほんとに職がみつかんなかったら ほんのすこしだけ、置いてほしい
…………いい、かなあ
(637) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
|
|
[俺は悟を見上げて、もう一度だけ笑う。
けれどその笑みは、人形みたいな笑顔じゃなくて どこか力のない、折れてしまいそうな弱い笑みだ。
ぼろ、とまた大粒の涙が零れて 俺の手は、悟に縋りついている。]
(638) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
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|
[すべて、を委ねるわけにはいかなくて でも、今までみたいに前を走り続けることはできないから
……一緒に、隣を歩いてても許してくれるかなあ、って 俺は、思ってる。]*
(639) さねきち 2019/06/22(Sat) 03時頃
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―― 後日談:灰谷へ ――
[ぽたぽたと雪が落ちる、寒い日の事だった。>>626]
(640) さねきち 2019/06/22(Sat) 08時頃
|
|
[病院だから空調が効いているとはいえ やっぱり、少しだけ寒い。
ぼんやりと病院の外を窓から眺めていれば 真っ白な外には色とりどりの傘の花が咲いている。 その花の中に、見覚えのある色を見た気がして 俺は少しだけ、瞬きをしたんだ。>>627]
(641) さねきち 2019/06/22(Sat) 08時頃
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|
[かくして、病室に彼女はやってきた>>628 以前と同じように賑やかに華やかに やっほー、と言うので、 俺もやっほー、と返した]
やっほー、灰谷さん。 元気元気。元気してるぅー。そっちは元気? お見舞いありがとな。 それから、寄せ書きも。
[みたよ、って報告しながら>>629 お見舞いの品を受け取る。
ふんわりとした生地にきつね色の焦げ目 はさまれたサラダやレタス、ハムが艶やかなホットサンド。 うまそう、って俺は喜んで目を細める。]
(642) さねきち 2019/06/22(Sat) 08時頃
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|
ゆっくり食べるよ。 …………ん?
[こてんと首をかしげて、 ちらつく雪から視線をそらし、 何かいいかけた灰谷をじっと見る。
それから、告げられる言葉に>>630 校舎から出る前の記憶をたどって、 ああ、と頷いた。]
(643) さねきち 2019/06/22(Sat) 08時頃
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|
そのこと。 お礼言いに来てくれたのか? ……なんか、ありがとな。
今日もあの傘さしてきた? 雪だからさ。見た気がして。
[事実やひみつを追うことはない。 俺には知りえないことだから。 けれども、やっぱり、]
(644) さねきち 2019/06/22(Sat) 08時頃
|
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やっぱり、「いいなあ」って思う。そういうの。 だから、大事にな。
[って、俺は笑う。 ないものねだりめいて聞こえただろうか? 灰谷はどう返すだろうか。
俺はただ、 目の前の女の子をほほえましく見つめながら 遠い遠い昔に、母さんに買ってもらった洋服が あったなあって そんなことだけ、思い出していた*]
(645) さねきち 2019/06/22(Sat) 08時頃
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―― 病室にて:京輔へ ――
[冬は日没が早い。 夏ならまだまだ明るいだろう時刻、 茜色の空が眩しい頃合にやってきたキョースケに 俺は「よっ」、って軽く手を振る。 腹の中身がまだ完全には回復してない頃合だ。]
キョースケ。学校帰り? 来てくれてありがと。 これは、……差し入れ?
[渡された色鉛筆とゼリーに歓声をあげてから 俺は端末にぽんっと表示されたものに首を傾げて なになに、なになに、と動画を再生する。]
(649) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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|
[見慣れた階段の踊り場で 見覚えのある男女がなにやら話し合っている。 ひとりは、笑いをこらえている宮古瑠璃で。 もうひとりは――]
悟あーいつ、なにしてんの。 ばかじゃん ばかじゃん?! はははは、おっかし……ひぃ……はらいて…… お前が面白い男じゃねーか
[茶番なんだろうなあ、って思う。 思うけど、そんなことする仲だったんだ、って 俺は初めて知ったよ。 面白い男高本悟の動画を、笑い転げながら見て>>647
キョースケの笑い声とかまで入ってるので ああ、学校はいつもどおりなんだなあ、って それだけちょっぴり安心した。]
(650) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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おもしろすぎ。見せてくれてありがと あぁ、そういえば。
[学校、大丈夫だった? 七月運ばれてきただろ、って そんな物騒な話題から、報告を聞く。
こんな時期に不祥事なんて、 進学校からすれば大問題だろうな。 ……人の事いえねえけど。
皆の進学先に影響が出なければいいと思いながら 俺はキョースケの近況に耳を傾ける。 順調に受験勉強をしていて、それから。]
(651) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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家、出るんだ。 ちゃんと一人暮らしできそ?
[俺はそのふんわりとした報告を、微笑みながら聞いた。 少しぼんやりしたところがある幼馴染だから 家を出る、ってだけでも大問題だとは思うけど。
俺はそっか、って言って、 キョースケが持ってきてくれたゼリーの封を切る。 林檎味のそれをひと掬いして、 食う?って軽く差し出してみせてから
一口食べようが食べまいが、 俺は残りのゼリーを少しずつ食べる。 食べながら語った。]
(652) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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かってな事いうけど キョースケはきっと、それがいいよ。
……お姉さんのすること 好きにすりゃいいって言ってたけどさ。>>1:165 やっぱりきっと、ずっと一緒だと息が詰まるから。
応援してる。 どこ、って見つかったら、教えて?
…………うまかった。ありがと。
(653) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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[小さめのゼリーだったから、 男子高校生の手にかかれば 食べ終えるのに時間はかからない。
プラスチックのスプーンを口から離して
そろそろ予備校行っちゃう? って 参考書で重そうな鞄を見て
それが確か、冬のさなかの出来事。]
(654) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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「先生に明かしてもらえなかったのは悲しいよ」
「けれど試験に落ちた子と 同じタイミングで就職するというなら 君の家の事情もあるから、止められないな……」
(655) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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――退院後:昼休み――
[1月半ばに退院が間に合う筈もなく、 私立の後期試験がはじまるくらいの頃合に 俺はまた学校に来るようになった。
まあ、色々噂話はたてられるけど そこらへんは馬鹿っぽく
「皆久しぶりー!迷惑かけてごめーん!」とか 「ちょっと事故ったー!」とか
なんでもなさそうなふりをして笑って、 一応ごまかした。
何なら俺が病院に運ばれたことより 教師の一人が学校に来なくなって 女生徒が一人刺されたことのほうが 口さがない高校生たちの噂には上っていたかも、だ。]
(656) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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[ぽつぽつと学校に来るやつ、 試験があって来なくなったやつ 色んなやつがいるけれども
俺は昼休みに、キョースケの姿を見つけて 誰も座っちゃいない前の席から椅子を持ってきて ぽん、と自分の昼飯をおいた。]
(657) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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よー。 部屋、決まった? 俺は仕事探してるとこ。
[って、軽く言って笑って 目の前で林檎ジュースを飲みながら 唐突にキョースケに聞いてみた**]
(658) さねきち 2019/06/22(Sat) 10時頃
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―― 見舞い:颯太へ ――
いわねえよ。誰の世界なんだよ
[もしもここが夢の世界なら そりゃあ、皆優しいから――…… 俺の夢の世界なんてこともありえるが、現実は非常だ。 開け放たれた窓から冷気は忍び寄るし、 昇った熱は消えやしない。>>659>>660]
あてっ やーめーてー乱暴よおー
(682) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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[って、ぺちんとかまされたチョップに やっぱり俺は笑ったままだ。 ノート騒ぎの時みたいな変な笑いはそこになくって
――ああ、ここにいるなあ、……って マネキンになっていない轟木颯太がいるんだ、って それだけで、寂しくないと感じて ほのぼのと笑っている。
まるで吟味するように「どうすっかな」と 通報について悩まれるので、 「されるまで怯えてまーす」とふざけて返す。>>662
返しながら、その手のひらが頭を撫でてくれるので、 「なんだよ」って、声が笑いで跳ねた。 なんとなく心配してくれてるのかな、って思って 申し訳なくもなるけれど]
(683) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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なんだよ。なんだよ。 嬉しくなっちまうだろうが。 追いかけんぞほんと
[撫でてくれる手は、ぶっきらぼうで優しいので 俺は少し涙目になりながら笑って、 ちょっとばかし額を手に押し付けたりもし]
(684) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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[それから、>>663>>664 ぬいぐるみとてんとうむしの話に移る。
へえ、に篭もった意味なんか知らないから 俺は口の端から零れそうなクリームを 人差し指ですくって口にした。]
ぬいぐるみあったの、お前ら二人だけだから 何か意味とかあんのかなって思ったりしたな…
まじ? そんな言い伝えあんの。 ……おすそわけ、みたいな?
[しあわせのおすそわけ、というか しあわせを運ぶ、というか。 俺はその話を聞いて、ちょっぴりかじられた てんとうむしと目を合わせた。]
(685) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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[多分全然関係ないんだけど、 パンのむしと、しあわせそうなねこの顔が似ている。]
チリツモ。たしかに、チリツモだなあ。 ……なんか、ありがとうな。
[住めば都ともいうし、 いつかふわふわと積もった幸せが もうちょっと世界をマシにしてくれればいいなって そんなことも、思う。
カチカチと窓辺でライターを鳴らす轟木が さすがに看護士さんに怒られているのをみて、 ははは、と笑ってしまった。>>666]
怒られてやーんの。 わかってる。はやく、追いかけていくよ。
(686) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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…………。
あのさあ。颯太。 ううん。 あー。 言いづらいな。
3年7組養拓海、 今しか言わないと思うので すげえお花畑なコト一回だけいいまーす。
[いくつか咳き込んだ後、 俺は窓辺にいるお前にこう投げかける。]
(687) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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俺、お前と友達で、本当によかった。 不器用だけど強くっていいやつで。
だからさ。 こーこーせーじゃなくなっても たまにの休息、つきあってくれっと嬉しい!
[そこまでを言い切る。 ここでは煙草が吸えないので、 ホンネを煙に紛らわせられないのが辛いな。
だから、こういう話も、 いつもみたいに馬鹿らしく流してしまうんだ。]
(688) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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はい。今日の本音タイム終了ー。 …………また例の場所で待ってて
[俺はそういって、 すっ、と傍にあったタオルケットを頭から被ると 窓辺に立つ姿に目を細めていた。]
(689) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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[後日。 轟木颯太が体育館裏で煙を揺らしていたら いつもみたいに俺がひょっこり現れて もらったライターを手に「火、いる?」なんて 聞いたりするんだけれども
それはまた、別の話だ*]
(690) さねきち 2019/06/22(Sat) 15時半頃
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――冬の病室――
[俺がいなかった日常では、 委員長が書記を壁ドンして 颯爽と去っていくような面白い事件があったらしい。
俺がいなかった日常では、 繁華街付近で受験を控えた生徒が一人刺されて 教師が警察に連れて行かれたらしい。
そのどっちも直にみたわけではない俺は 病院の上で非日常を送っていて>>673 なせばなる、とかいう言葉に、 大丈夫かな、って笑ってる。>>674
ひな鳥みたいに食べるキョースケに 林檎ゼリーをひと掬い。俺にもひと掬い。]
(691) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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[ふわふわとした物言いで、何か、に悩むように ぐるぐると言葉を操りだすものだから、 なんだか見覚えがあるなあと思ってしまう。
多分、ほかならぬ俺自身が、 似たようなことを普段考えていて……
俺はそういうのが嫌いだから、 すぐに馬鹿になって忘れてしまうのだけれど ……自覚なんて痛々しくてやってられないのだけれど キョースケは真面目に悩んでるんだろうなあと そんなことを、考えもした。]
幸運とか、そういうの、キリないからやめとけ。 おにーさんよく知ってんの。 そゆこと考え出すとずっとずっとずっと 頭の中で回んの。
……今はわかんないかもだけど。
(692) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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[キョースケの方が早生まれだって? 細かいことはいいんだよ。
空の容器にスプーンを放り込んで 俺はからっと笑ってる。
なんたってこれから予備校だ。 数学の公式以上に頭に詰め込んでおくべきことなんて 受験生にありはしないのだ。]
ああ、いってらっしゃい。またな
*
(693) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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――教室:昼休み――
[そうして、俺は日常に戻ってきた。 いつだって話が唐突な俺は のんびり林檎ジュースをのみながら 目を逸らすキョースケをみて色々察してしまう。]
(694) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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ふふん。 高い物件しかなかったり遠かったりしたんだろう。 俺にはわかる。わかるぞ。ちゃんと選んどけよ。 特に学校からの距離大事
[わらいながらコンビニのレジ袋を漁って そのまんま許可もされていないのに目の前で昼飯を食う。 安っぽいホットドッグを齧ろうとして、 こっち、に視線が向くのに気づいた。
問いかけにぱちぱちと瞬いて、 ああ、って俺は事もなげに言う。
気を使ってくれていたのか、 それとも思い至らなかったのか、どちらにせよ 俺にとってその話題は、どこかの委員長と違って 傷、にはならないものだから]
(695) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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しない。就職活動してるけど けっこう大変だなー。 ほんとは七月くらいから動いとくべきだったんだけど
[もしかしたら試験受けられるかも、って、 思っちゃったよな、と、ぼやくように言う。 それから様子を見るように笑った。]
……もしかして気にしてくれてた?
[って言って、 まだ誰にも話してなかったことを 昼休みの喧騒にまぎれて呟く。]
(696) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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[キョースケが何をどこまで知ってるかは 俺にはわからないことだから それなりに、ぼかすんだけど]
しばらくさ。家、俺ひとりきりだから お前と似たようなもんなんだよな。 ひとりぐらし。 大して生活かわんない気もするけど。
……ってーなわけでー たまに遊びにいっていい?
[俺はふざけるように、 キョースケに言質をとろうとするだろう。
ゴネンイジョウノユウキチョウエキ、って 親父の妹さんにいわれた外国語みたいな単語が 頭の中でふっと浮かんで、それをかき消した*]
(697) さねきち 2019/06/22(Sat) 16時半頃
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――教室:昼休み――
……ふふ。なんか想像ついて笑える。 笑い事じゃねーけど。
[俺もお前も進学校の生徒だもんな。 参考書に載ってないことは、ちょっと難しい。]
結構近いとこ受けんのな。 そうしな、そうしな。
…………そうだなあ、長期戦。 はやいとこ決めちゃいたいんだけどさ。
(712) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[雑談のように、ふんわりした言葉を交わして 差し出された瑞々しい林檎に瞬きをひとつ。 「いいの?」って聞いて、ぱくりとそれを口に含んだ。
しゃりしゃりと甘さを味わいながら 「なんでもなかった」ことについて思いを馳せている。]
(713) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[これってきっと、間違っていた、だとか あの時の自分ってきっと、ああだった、だとか
家族と、自分と、学校と、
それだけで完結した世界に生きているうちは きっと、そういう風に考えるのが難しくって どうどうめぐりをしてしまうものだから……
呪われると、すこし、まっすぐ生きるのが難しい。]
(714) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[……今日もまたガレージの暗闇を想う。]
(715) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[ゆっくりながらも確実に消えていく弁当の中身と 噛みつくスピードは早いのに、なかなか減らないパンと。 食べる速度は違うけれど、同じ食卓を囲むように 同じ机で昼飯を食べて
キョースケが何を考えているかはわからないけど 俺は「鍵」という単語にえっ、ってびっくりして 「いいの?」って林檎を差し出されるみたいに 首をかしげた。]
キョースケ。 俺、嬉しい。ありがとう。
……嬉しいけどー、俺以外にあんまり、 簡単に家の鍵渡しちゃだめだぞ? 信頼できるひとだけにしてね。
(716) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[酔っ払いの父親がいたもんで、 そこそこ、戸締りとかは気をつける習慣がついてる。 から、いいんだけど、
キョースケはそうだな…… 例えば大学で出会った友達に 簡単に鍵を渡したりしそうでちょっと怖い。
まあ、そこまでは心配そうにしていたけれど 甘えるような提案と、お兄さんめいた提案二つ並べて 俺はやっぱり、「ありがとう」って笑った。]
(717) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[その時の俺は、いつもと違って心細そうに笑っていて おにーさん、でいるには頼りなかったかもしれない。]
……大事な家だけど、ちょっと堪えるから。 誰かがいた痕も、誰もいない部屋も 真っ暗なガレージも。
[…………頭の中っていう真っ暗な箱から どうどうめぐりの旅をやめて 真っ暗なガレージから少し、飛び出すために
逃避先をそこに選んだ、なんて 随分と身勝手な話だけれど お前は知らない話だから、いいかな、って わがままなことを思う。
お兄さんぶっても、お母さんぶっても、 結局、俺は友人に頼らなきゃ生きていけないんだ]
(718) さねきち 2019/06/22(Sat) 18時半頃
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[そこが別に新世界じゃなくても構わなくて ……欲しければ勝手に連れ出すし]
(719) さねきち 2019/06/22(Sat) 19時頃
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だから、遊びにいくよ。 会いにいく。 よゆーできたら、ゲームとか買ってもってくから
[俺は笑って、パンを食べ終えた。 ゆっくりとした咀嚼がおわって、 弁当が空になるのと同じくらいに。
ふと思い出したようにあ、と声をあげる]
そーいや色鉛筆の差し入れ、ありがとう。 たいしたもんじゃないけど、暇だったんで
[そういって俺は、 ついでに持ってきていた封筒をキョースケに渡した。]
(720) さねきち 2019/06/22(Sat) 19時頃
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[中には――スケッチブックのページ一枚に ひまわり畑を前にした子供が二人かかれている。 一人は、ひまわりの麦藁帽子を被っている。
たいした贈り物ではないけど、 今もその思い出は大事だよ、っていう 俺からのほんの気持ちだ。
それについて深く語ることはなく、 立ち上がって、あ、と振り返った。]
(721) さねきち 2019/06/22(Sat) 19時頃
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部においたまんまの作品 回収するかどーにかしろ、って せんせーいってたぜ
[美術部においたままの日曜大工の結果は 現実世界じゃ壊れちゃいないので 俺は折を見て回収しにいくけれど
キョースケはどうするんだろうな、って、 ふと、そんなことを思いまして*]
(722) さねきち 2019/06/22(Sat) 19時頃
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―― お見舞い:灰谷へ ――
寒いもんなあ。爪先大事にして。 へへ、そうだな! もう今も肉が恋しい。くえねーけど
[そういやあ、近所の喫茶店には>>708 男子高校生の味方みたいなカツサンドがあるんだっけ。
退院したら食いてえなあと思いながら 今は、灰谷がもってきてくれた ヘルシーホットサンドを楽しみにすることにした。]
(732) さねきち 2019/06/22(Sat) 20時半頃
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見えた見えた。 暇だから、よく窓の外みてんだよね
[そこから見えるよ、って俺は窓を指差すけど 定位置から動かないまんまなら、 無理に見せるわけでも無くて]
(733) さねきち 2019/06/22(Sat) 20時半頃
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[「いいなあ」って言葉に乗せるのは、羨望? あるいはただの感想?
多分、両方だ。
まあ、そこに俺がどんな意味をこめようと 「大事にな」って言葉を まだ壊れていないものを持つ子供に 託すように言っただけだから
(たとえばそれがハナから 普通じゃないものだとしても)
うん、と頷いてくれただけで 問題なかったりもする。>>711]
(734) さねきち 2019/06/22(Sat) 21時頃
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[灰谷がどこまで知っているか、俺はわからないけれど 悟の口ぶりからして、俺の家族構成とか おおまかな事は知っているのかもしれないな、 ……って思う。
だから、「大事にしたほうがいいよ」>>711 っていわれて、そうだな、って相槌を打って
なんていえばいいかなあ、ってちょっと考えてから こう答えた]
(735) さねきち 2019/06/22(Sat) 21時頃
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そうだなあ……俺、追い詰められると 「離れないでほしい」とか、 「今とかわらないでほしい」とか 家族だけじゃなくて、友達にも。 色々思っちゃうみたいでさ。 だめだよなあ。
だけど、 皆と作っていく思い出も大事だなって 色々教えてもらったから。 ちゃんと前向いて生きていくよ。 家族のことだけじゃなく。 ……ありがとな。
(736) さねきち 2019/06/22(Sat) 21時頃
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それに、 灰谷さんと盛り上げた文化祭楽しかったし。 持ってきてくれたホットサンドうまそうだし 多分、まだ死ぬのははえーかなって。
[少ししめっぽくなってきたので、 俺は笑って、差し入れてくれたホットサンドを示す。 あはは、って軽く男子高校生らしく笑って
「これ」も、今の俺を生かす要素だよ、って 理解する必要はないけれど、 ただただ「ありがとう」の気持ちだけ、 伝わればいいなって思う]
(737) さねきち 2019/06/22(Sat) 21時頃
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……そういえば、ヨーコねーさん。 七月葉子も入院してるんだってな。
灰谷さん仲良かったろ。 もしまだだったら、いってらっしゃい。 できれば「養がお大事にっていってた」って伝えといて
[お見舞いの最後に、 俺はそう灰谷に声をかけただろう*]
(738) さねきち 2019/06/22(Sat) 21時頃
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―― 教室 ――
そう?
[って、俺は相槌だけを打った。>>739 どこかで、終わりだから>>1:167、って言葉を聞いて、 ……だから? ううん、なんでもねーや。
それから、本気で鍵の事を心配すれば 「さすがに相手は選んでるよ」っていわれて 「それはそっか」って苦笑した。 俺はキョースケを子供扱いしすぎるのかも。]
お前ほんとうに照れてる? ……ほんと?
[じー、とキョースケの表情筋を見つめるけども そこらへんの機微はよくわからなかったので 俺は目下の問題に向き合って]
(760) さねきち 2019/06/22(Sat) 22時頃
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[何かを察されたのか、 微笑んだままキョースケが俺に意見を言うので それに耳を傾けた。>>741
それはやっぱり、友人にかける言葉として優しくて 俺は少し視線をさまよわせて、微笑む。]
優しすぎでしょ。 うっかり居座りそう。 あんま甘やかすな、甘やかすな。 でも、ありがとうな。
[嬉しい、と示すように けれど内心は誤魔化すように笑って、 「ごちそうさま」って手を合わせた。]
(761) さねきち 2019/06/22(Sat) 22時頃
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[幸せそうに喉を鳴らして笑って、 小指を絡めていた。 その時の温度を思い出した。>>316
ああ、あれって、こういう風に作用するんだ、って 勝手に思い出して勝手に自覚して いつもより言葉が少なくなる。
嫌、とかじゃなくて、 ただ胸が締め付けられるだけ。 ・・・・・・・・・ 許されてるんだなあ。って思って
それがなんなのか、 どういう感情なのか言葉にする術は俺にはなくて
だからたった今感じたものを、ただ、 死にたがりに絡まる自縄自縛の糸だと思った。]
(762) さねきち 2019/06/22(Sat) 22時頃
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[贈り物の価値は僕が決める、なんて ちょっぴり強気な言葉が聞こえたもので
「まじで。じゃあ決めておいて」って 俺は鼻の頭を掻いて照れてみせた。
それから、美術部の作品について触れれば やや濁した言い方で「引取りにいく」って言ってたから]
じゃあ、俺が先に部室行くことがあれば 先生にそれ伝えとくわ、 またな〜
[って、軽く言って、その席を後にする。
訪れはいつだって唐突で、別れだって唐突なのだ。 ……ちょっと俺が気まぐれに生きすぎてるだけだけど*]
(763) さねきち 2019/06/22(Sat) 22時頃
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―― お見舞い:宮古へ ――
[曖昧な微笑みから、 読み取ろうとしてたこと、ちょっと違うかな、って 思考を修正しながら>>744
「呪い」と形容したそれが、 あなたにどう響いたのか、>>745わからないまま 俺は閉じられる瞼と、長い睫を見ている。
愛も呪いもおんなじ、って言ってしまえば 随分と悲しい話になってしまう。 だからきっと、似ているだけの違うものだよ。
……あなたの内心が聞こえていればそう思うけど 聞こえていないので あなたに伝える術も、ないのだけれど。]
(792) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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そーなの。
[って、俺はまどろむように話をしてる。
引いてくれる? ってちょっと傲慢に聞くのは やっぱりちょっとペットらしくもないかな。
選んで、って両手を差し出すようなけなげさとか めちゃくちゃ携帯に連絡するマメさは あんまり持ちえていないけど]
(793) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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なかなか難題。 そうだな。 ……おともだちから、はじめよっか。 ていうと傲慢かなあ。
(794) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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[眠そうに笑って、小さく肩を竦めた。
崇拝したいわけでも 献身したいわけでも、 掌握されたいわけでもなくて
ただ、友達らしく 冷たい手のひらを、あなたが欲した時に暖めるだけ。
どちらかの熱が高すぎないように 少しは互いに踏み込まないところがあるように けれど決して、寒くはないように。
それだったら、もう誰かの首輪がついたいぬでも できることかな、って思うので そういう関係を、提案いたしまして]
(795) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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[眠たそうなあなたに、 「寝ちゃっていいよ」、と笑う。>>748
靴を脱いで勉強を忘れたって構わない。 俺は男だけども、ぼろぼろのいぬ、に近いので 隣で女の子が眠りだしたら、多分一緒に寝るだけだ。 ……まあ、難しいかもしれないけど。
ぽつり、と寝言のように降ってきた言葉に首を傾げて 「なに?」って尋ねる。
尋ねてから――。]
(796) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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ありがとう、瑠璃さん。 …………あのさ。
ただいま。
(797) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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[触れられている手を軽く握って微笑んだ。
死にかけて血の気のうせた手のひら。 冷たい、といつもいわれていた手のひら。
いまはどちらの手のひらだって冷たくはない。
それだけのことに、ただ、安心していた。 勝手なことだけれども。
ペットも飼い主もなく 病室に転がっているのは二つの呼吸。 いつあなたが離れたかはわからないけれど 離れるまでは、俺から手を離すことはしなかった*]
(798) さねきち 2019/06/22(Sat) 23時半頃
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―― 病室:悟へ ――
……して、たよ。 だってうどん屋継ぎたくなさそうなのに 食いにいったら……
[なれ、っていってるようなもんじゃん、って 俺は口を尖らせて、わしゃわしゃと頭を撫でられている。 もっと撫でて、っていいたげに額を押し付けて]
(799) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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…………うん。
[抱きしめられながら、くぐもった声で頷いた。 命令形かよ。って突っ込みとか、 ご両親困らないの、とか、 そういう言葉は、全部俺と悟の間に消えてしまって
強引な言葉とか、強引なハグとか、 ……いつもなら高飛車だと思うことに どうも安心してしまって、困った。]
(800) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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[怨んじまう、憎んじまう、って言って 嬉しそうなお前がよくわかんなくて だってお前って、いっつも俺に甘えてたんだもの。
与えられたら、求められたい、って それだけの話なのかもしれないんだけど 俺は、あんまりそういうの、馴染みがないから]
(801) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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[……だから、今高本悟に縋りついている 養拓海とかいう野良犬のなりそこないは、 抱きついた体の温かさに戸惑いながら そこから逃げ出すこともできないでいる。]
(802) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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[俺はゆっくりと顔をあげる。 まるで子供の頃のように無邪気に笑う悟がそこにいて こいつのこんな顔、何年ぶりに見たかなあ、って そんな事をふと考えた。
神様。神様。 ここにはいないだろう神様。 きっと俺は、これから先も死に損ねるのでしょうね。
だって、こんなにも懐かしくて大好きな笑顔を こんな歳にもなって、友達にもらってしまったから>>769]
(803) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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悟……
[名前を呼んで、呼びかけにこくり、と一つ頷く。>>768 ともだち。夕暮れ時に公園で約束を交わした、友達。]
…………ともだち。 ………………そうだな、悟
ずうっと、ともだちだ。
(804) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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[なんだかそこから先は、俺にも制御がつかなくて 声もなくめそめそ泣いていたと思ったら 腕の力を強くして嗚咽を漏らしたり、
たぶん、悟の服だって 涙で無事じゃ済まないくらいに泣いてしまって
まともな言葉もなく、頑是無い子供のように しばらくの間、 すがり付いて弱さと心を明け渡していた。**]
(805) さねきち 2019/06/23(Sun) 00時半頃
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――美術室にて――
[いくつもいくつも、ガラスを重ねる音だけが響く。]
(853) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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[青空を背にしたひまわり畑。 夕暮れの中滑り台が見える公園。 子供達が遊ぶ雪の学校。]
[木枠からとりだしたそれらを、 宝物のようにながめて、重ねて、鞄に詰める。
カプセルを構成していた木については、 残念ながら抱えて帰ることもできなければ 家にもって帰ったところで置いても崩れるだけなので ひとつひとつ解体して、まとめて処分することにした。
大丈夫。 カプセル、ではなくなってしまうけれど 油絵をパレットナイフで削るようなもの。
俺が大切にしたかったものは、ガラスの絵であるのだから 思い出を飾っておく枠組みがなくなったところで ただ、それだけであるのだから。]
(854) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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[棺めいたそれを壊して、土に還す。 ……ただ、それだけのこと。]
(855) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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[とはいえ、作業は少し苦痛だった。 後輩ちゃんたちが来る前に、俺はその作品に片をつけて 木材をゴミ袋へ。ガラス絵を丁寧に包んで鞄へ。
……そうしたときに、 もう閉じこもるように入りこめる あのカプセルはないんだな、って理解して 静かに胸を痛めた。]
(856) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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[そういえば、悟がここで絵を描いていたなあ、って 俺は少し視線をさまよわせて それらしいものが見えて、布を取り去る。>>492
青白い顔の端正な顔立ちの少女が 穏やかに微笑んでいる。 悟の妹さん。と俺は呟いて、 その絵にもう一度布をかけた。
お兄さん、美術部の物品勝手につかってるぜ。 しかも君を描いてさ。 パレットは紙パレットつかっとけ、とか 色々指導大変だったよ。
そんなぼやきは、美術部の静寂に消えて]
(857) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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[振り向けば、 今年の一年生が作った作品たちが立ち並んでいる。
わかっている。
そろそろここにも、三年生の居場所はない。
柊のことが好きだった子を含めて、後輩たちが 昨日と変わらない地続きの明日の中 学生らしく部活動に勤しむのだろう。
それは、俺たちの先輩であってもそうだったのだろうけれど いよいよ出て行くんだな、という感慨は やっぱり俺一人のものなので
しばらく、使い慣れたパレットと、作品たちと、 見慣れた美術部の風景を見つめて ふと見えた赤い頭部に目を細めもして
最後にそれらすべてに、切れないシャッターを切った。]
(858) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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[きっと忘れられない]*
(859) さねきち 2019/06/23(Sun) 13時半頃
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―― 家 ――
[硬い足音を響かせて敷地の中に入る。
誰か、……多分親父の妹さん、が 少しは洗い流してくれたらしいけれど 開け放ったガレージの中にははっきりと赤黒い痕が残っていた。
掃除しなきゃな、と思いながら、 その血痕をしゃがんで見下ろす。
入院費、治療費が馬鹿にならなくて 確かその時輸血のお金か何かも含まれていたんだか ……通帳の残高がごりっと減った事以外、 俺にはあんまりわからないことだけれど、
流れた血の量がありありとわかるその場所をただ見つめる。]
(860) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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[ほんとうに小さな頃、 ここでたろを蹴った事があったっけ。 「母さんに似てる」って、何度言われたことがあったっけ。
……なあ、あの人たちの血、ちゃんと流れてくれた?
結局俺の性質や性格が 脳みそや遺伝子に刻まれたものであるならば 骨髄で作られたものをいくら流したって意味はない。
意味は、ないんだけれど。
例えばこの体を開いて、心臓も何もかも引きずり出して あのひとたちとおんなじものにならずに済むなら 俺は喜んでそうするだろうから 流れた血の量を見て、少しだけ期待してしまう。]
(861) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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……痛かったなあ。
[耳鳴りがするから耳をふさいだ。 腹の傷が痛むからうずくまった。 陽光に薄く照らされたガレージには たろも、親父が使っていた車もない。
ただ、俺が流した血の痕があるだけ。]
(862) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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[ようやくそれから目を離して、 俺はふらふらと家の中に入る。
玄関に並んでいたはずの靴たちは、今は俺の分しかない。 靴箱の脇におかれた子供の頃の作品は埃を被っている。
廊下を歩いていって、リビングに辿り着けば いくつか空き缶やごみが転がっていて 俺はそれをため息をつきながら捨てた。 冷蔵庫の中身も全部一旦捨てなきゃ。]
(863) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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[曇りガラスから差し込む日差し。 照らされた食卓に、 羊と古い日付が刻まれているので、それを撫でた。
かつてここに刻まれていたものを思い出して 食卓に整然とならんだ、母さんの料理を思った。 休日の昼間は、よくスパゲティを出してくれて 小さい俺はそれを服につけてしかられたっけ。 空き缶なんか転がっちゃいなくて。
机についた輪を撫でる。 三つ分の輪。家族三人がコップを置く定位置。]
(864) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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[伸びづらかった身長を刻んだ柱、を一瞥してから 2階にあがって親父の部屋に辿り着く。
思った以上に部屋が荒れていた。 警察が来た時に暴れたのか、 それともあの夜に乱したのか
畳は削れているし、 棚の上のものは落ちているし、 テレビだって倒れている。 空き缶だってやっぱり転がっていて。
……けれど]
(865) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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[パソコンの傍に家族の写真と、 母さんの写真が置いてある。
小さい頃プレゼントした小鳥の小物が転がっていて、 遠い昔に新婚旅行で行った時に買ったんだ、とか言っていた 外国のアクセサリが、そのまま残っている。
「ちゃんとせんたくもんにださなきゃだめだろ!」って 小さい頃からよく叱ったのに 相も変わらず布団の傍には脱いだ靴下が散ってる。]
(866) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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[家族の痕跡はあるのに、 それは取り返しようもなく壊れていて
そこに生きていた証はきちんとあって 別にもう死んだわけでもないのに 家の中からは、誰かがたてる物音すらしない。
…… 俺が生まれて、育って、生きてきた「家」は 時をとめたようにしんと静まり返っている。]
(867) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃
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とうさん。かあさん。 …………ただいま。 ただいま、ただいま。…………
(868) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時半頃
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[おかえりなんて、誰も言わないのに 俺は笑って呟いて、泣いた。
あの人たちなんかに似たくないって 死ぬほど嫌いで、憎んでいるのにね。
それでも、俺は、この場所が捨てられなかった。*]
(869) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時半頃
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―― 起訴の話 ――
[起訴、が決まったんだって。]
[そんな事をいわれても せいぜい喫煙のルールを破るのが関の山な18歳には ちょっと理解が及ばないんだけれど ともかくも親父は犯罪者になるらしい。
見つかった体液とか。血液とか。 そこらへんの話を聞き流しながら 俺は偉い人の話を聞いている。 この人、刑事さんだっけ。それとも弁護士?検察官?
始終俺に突き刺してくる「かわいそうに」って目が痛いので そこらへんもよく見ちゃいなかったけど、 5年以上の有期懲役、って呪文が、>>697 ちゃんと日本語として認識されてしまったので、俺は頭が痛い。]
(870) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃
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[薄暗い面会室で縮こまるように座っている 親父の姿を見ている。
ガラス越しに、まるでドラマの1シーンみたいで 俺はそれを、来るところまで来ちまったんだなあ、って なんだかおかしな気分で見つめていた。]
親父。
[小さく声をかける。 差し入れとか、できなくてごめんな。
ほんとうはてんとうむしパンとかカツサンドとか 買ってきてやろうと思ったけど 家族から直接は渡せないらしい。]
(871) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃
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[うつむいたまま、 「ごめんなあ」って壊れたように言う親父は いったい誰に謝っているんだかわかりゃしない。 母さん? 俺?
俺は困った顔をして、許せるかを自分に問いかけた。 …………許せるわけ、ない。
ふっとため息をついて、こう切り出す。]
あのさ。親父。 帰ってくるまで、俺、あの家守ってるから。 …………もしも刑務所から出てきたら。
もう、終わりにしよう。 「かぞく」でいるの。
[声が震えるのは隠せなかった。]
(872) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃
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家も売っていい。土地も売っていい。 売った後親父が何しようが、いいんだよ。 もうしばられなくていい。
生まれてきてごめんな。 10何年間を棒に振らせた。
だから、もう、いい。
……それだけ。
(873) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃
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[いいたい事を言い切ると、 俺はゆっくりと部屋から出ていく。
出て行く瞬間、「愛していたんだ」って言葉が聞こえて …………どうにか振り向かずに扉を閉めた。]
(874) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃
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[帰りの電車の中、 俺は文化祭の写真をじっと見つめていた。 皆で笑って、皆で楽しかった文化祭。
……ここで止めたい、とまで思った 最高の思い出だ。
それがあるから、まだきっと、俺は頑張れる。 …………大丈夫。
頭の痛みを封じ込めて、ただ祈るように目を閉じて 色んな人のいろんな人生が詰まった電車に揺られてた*]
(875) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃
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―― 後日譚 ――
[ハートのぬいぐるみと、ねこのぬいぐるみは、 ういのは「先生にでも渡してやれよ」>>184 ……といったけれど 正直、子供にとって文化祭がどれだけ楽しかったか、って 大人にはわかってない、と俺は思うので、 僭越ながら、うちで大切に保管しておくことにした。
いつかは色あせてしまうだろう ねことハート。 その色がすぐにはくすんでしまわないように>>619 保存場所には気をつけて]
(922) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[少しずつ、クラスから活気が減っていく。 皆が試験に勤しんでいる時に 俺は登校してたりするので、 その気配がよくよくわかるのだけれど
がらんと誰も座っていない机を見渡して、 そろそろか、と思ったりもして
長ったらしい先生のお話があったり 誰がどこに受かった、なんて話が漏れ聞こえたり
暖かさが戻ってくるにつれてそういう変化が見え やがて、おしまいの日がやってくる。]
(923) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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悟。あのさ。 やっぱり、うどん屋置いてくれないかな。 ……親父の事とかで忙しくって 落ち着いて探せなくてさ。
[何かあったら支援してくれるてt 親父の妹さんは言っていたけれど 三人も子供がいる家庭に何かをいうわけにはいかないし
維持していくにも、貯金していくにも とにもかくにも、働かなきゃいけなくて でも、俺はこの家をあまり離れたくないので
ひとまずは幼馴染の店で働きながら 別の仕事を探すことにしたのが、卒業間近のこと。 ご両親に挨拶もして、結果がどうだったかはわからないけど 傲慢だった俺はようやく、友達に頼ることを覚える。]
(924) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[高校生活のスケジュールは、 簡単に俺の気持ちを置き去りにしていってしまって
気づけば、もう、桜の蕾が膨らむ頃だ。
受験の時は姿を消していたクラスメイトが 全員そろって壇上を見ていて ひとりずつ名前を呼ばれ、卒業証書を受け取っている。
見知った顔が、ひとりずつ壇上にのぼっていく。 そうして3年7組のおしまいごろになって 「養拓海」って名前が呼ばれると
俺はおもわず「はい!」って大きな声で返事をして 校長先生のもとまで歩いていった。]
(925) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[卒業証書は卒業証書であって、 別に「3年間がんばりました」で賞じゃないんだけど 俺はそれを誇らしげに受け取って、自分の席に戻る。 歌詞が覚えづらかった仲冬の校歌だってもう歌い納めだ。
卒業式、って、用事がないやつはさっさと帰ってしまうので 皆が散り散りになる前に、 俺はやっぱり「撮らせて」って走り回っただろう。
帰らないで休息をとってる「ともだち」を こっそり、見つめて撮ってやったりもしながら>>913]
(926) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[――…………]
[卒業式の後、なんの区切りもなく 「今からあなたは高卒です」みたいなアナウンスもなく
そう、びっくりすることに ほんとうに何のお知らせもなく 生きていくための戦いがはじまる。
裁判所から示された期間は6年間。
過去の友人たちが大学にいって、 就職するまでの間 親父は刑務所の中で暮らすのだし 俺は俺で、この家を守らなきゃいけない。
悟の親父さんに頭を下げて、 朝から晩まで働いて、 自分の生活費以外は贅沢を控えて……]
(927) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[そんな生活の延長線上に、
四月一日を越えて、 ともだちと遊びにいくこともあっただろうか。 進学先とかも全然きいちゃいなかったけれど
俺は、ともだちのつもりなので、 「遊びにいかない?」ってメッセージが たくさんのペットからの愛に埋もれませんように。]
(928) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[それから、ここから多分そう遠くない家に 休みの日は足を運んで、 勝手知ったる風に鍵をあけて、 そこの住人に「遊ぼう」なんていったりも、したかもな。
手にしているのはカードゲームとか あるいは携帯ゲーム機とか 兎角、インドアなものばかりだけれど
二人の気が向いた時は、 美しい景色を二人で見に行ったかもしれないね。]
(929) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[季節は簡単に移り変わる。 19歳になる頃、アルバイトを変えて事務の仕事をはじめた。 めまぐるしく世界は変わっていく。
生きることに必死で、死のう、って感情がなくなった頃 やっと、親父の呪縛が融けていることに気がついた。
「父さん」じゃなくて、「あの人」になった瞬間から 少しだけ自由になれた気がして ……きっと戻ってくれば すぐに呪縛は元通りになってしまうのだろうけれど
ともかくもそんな21歳の折。 俺は久しぶりにメールを開いて、 そこにある届けそこねた遺書メールの本文を消して こう、書き記した。]
(930) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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タイトル:「夢幻病棟」からのお知らせ
こんばんは。おはよう? こんにちは。 久しぶりです。養拓海です。
皆、大人になったと思うので、 久しぶりに会って遊びませんか。 飲み会ってやつです。
時期は、文化祭があった頃。 場所は、仲冬の傍を予定してます。 できれば、久しぶりに会ってくれると嬉しい。
じゃあ、またね。
(931) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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[その「招待状」で、何人が来るかは分からなかった。 わからなかったけれど、 もしも集まる日があれば 俺はしあわせそうなねことハートを会場に引き連れて 昔と変わらない笑顔で、皆に手を振るのだろう。]
(932) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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止めてしまいたいと思ったほど、大好きな君たちへ。 つながりが切れても、壊れてしまっても、
これからずっと先の人生でまた出会えますように *
(933) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃
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―― 回想 ――
[卒業式で「撮っていい?」と尋ねたら、 やっぱり灰谷は快く写真をとらせてくれた。
以前とは違って、目は二つだけ。 文化祭の華々しさとはまたうってかわって 卒業生として誇らしく、かわいらしく写真に写っている。 七月も写真に写りこむことがあったかな。
撮ったらそそくさといなくなろうとする俺を捕まえて 灰谷は一緒に写真を撮ろうとするのだから、 俺は面食らってしまって、 それから照れくさくなって、「いいの?」って笑った]
(989) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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すっげぇ照れくさい…!
[そういいながら、聞き覚えのある掛け声を聞いて 青空が似合うように明るく笑う。
あとで写真を見返して、 がっつり映っている自分が気恥ずかしくもなったっけ。 全部ちゃんと、3年7組の皆がみられるように アプリにアルバムでアップロードしたけれど。]
(990) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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[約束ですらない 「またね」を交わすことがなくなっても 俺は何度かその写真を見返して ひどく懐かしくなったんだよ。
……そういえば、同窓会には来るんだっけ?
ねことハートのぬいぐるみを携えて もしも遅れてくることがあっても、なくても その姿をみたなら、 また学校の続きみたいに挨拶をしただろう。
「久しぶり、灰谷さん」って。*]
(991) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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―― 真夜中に ――
[なんでベッドがその位置なんだっけ? >>941 窓から月明かりを見上げて、 ふとそんな事を思いもする。
不定期開催、 勝手に遊びに来て勝手に泊まっていくお泊り会―― の実行中だった俺は、 飾られたスケッチを一瞥してから 人形のように眠る部屋の主を見ている。
何のことはない。 別の場所で寝てた俺が起きてきただけだ。]
(992) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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[ひまわり畑にいた初恋の女の子、じゃなくて しっかりと男の骨格をした横顔を見つめて
世界が終わるときまで内緒、の話を思い出している。
「ずっと置いといてあげるし、 どこに行ってもいいんだよ。」
……ほんとに? って言葉を空気に溶かした。 「君に死んでほしくないよ」って言ったときの 涙を思い出して>>5:192 それから苦笑を一つ。 目を閉じて白い手首に触れる。 今この地獄に生きている証として脈を感じて 規則正しく聞こえる呼吸音に耳を澄ませて]
(993) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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[止めようと思えば止めてしまえるものを 止めてしまわない理由を
あるいは人ひとりを巻き込んで 死ぬ約束をするほど自分に価値があるか、を それぞれ考えた。
執着。 って単語を、なぞって、消して、 やっぱり国語は好きじゃないな。 首を横に振る。]
俺たち、ちゃんとまだ「ともだち」?
[笑いながら問いかけた言葉は、 眠っているひとに届けるつもりもないんだ。 俺はあっけなく手を離す。離してから、]
(994) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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おやすみ。また明日。
[変わらぬ地獄を歩き続けるための暗号を吐いて 別の寝所に沈みこむ。]
[呪いの意味も、感情の名前も、 きっと地球が終わるまでわからなくていい]**
(995) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃
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