人狼議事


190 【身内村】宇宙奇病村

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 重層培養 イースター

― 2週間前 / 自室 ―

 ――、

[自室の壁を、強く殴りつける。]

[後手に回るにも程があった。
 サイバーセキュリティが専門の自分が居ながら、船内AIにシステムエラーが生じた。]

[もっと早くAIの復旧に着手して成功していれば、AIの補助により船外活動の危険性を下げられていたかもしれない。]

 ……最悪だ。

[拳の痛み以上に、胸奥から込み上げる吐き気が不快だった。]

(0) 2016/05/20(Fri) 00時頃

[『親父』と呼ぶその声が。
エスペラントにも届いていた。]

 ああ――

 ははは ははははは。

[己は宇宙の藻屑になると理解した以上に泣きたい心地がした。
しかし、涙声も涙も、この機械の体には無い。
幸せな一生である。
長い命だった。

通信が圏外となったか、皆の声が途絶えた。
それでは、おそらくこちらの笑い声もまた届かない。]


重層培養 イースターは、メモを貼った。

2016/05/20(Fri) 00時半頃


[気がつくと、薄桃色の水の中にいた。
周囲には無数の白い星が漂っている。]

(ああRemdaだ)

[どくん、どくん、と脈打つ音がする。
自分のものか。それとも、この海の。この星の――Pavr=opetyそのものの?
いずれにせよ、心地良かった。熱くも寒くもない。あらゆる重力を感じない。目を閉じる。何もかもが遠く懐かしいような気持ちになって、自然と涙が溢れた。]

(――、誰?)

[心の呼びかけに応える声はない。少なくとも、今は。
ワレンチナはわずかの心細さに薄く目を開き、再び薄桃色の宇宙を見た。
遠い水面の編み模様は、あたかも張り巡らされた血管のようにも見えた。もしも、産まれる前に見える世界があるならば――子宮の内側から見る風景は、きっとこんな感じなんじゃないだろうか。そんな事を考えながら――
ワレンチナは再び目を閉じると、深い無意識の中へと沈んでいった。]


夢を見ている。


重層培養 イースターは、メモを貼った。

2016/05/20(Fri) 00時半頃


 
[――もしも、ワクラバがワレンチナの端末を開いたなら。

まず、『ワクラバへ』というタイトルで、中身もまた『ワクラバへ』という一行のみが記載されたテキストデータが、最前面に開かれたままになっているだろう。

ファイル一覧の一番目立つ位置には『Remda』と名付けられたフォルダがあり、その中にはRemdaを始祖としたPavr=opetyの生態分布及び進化過程の仮説論文等がまとめられている。

整然としたそれらファイルの中に、ひとつ、手描きの画像メモが残されている。
字はひどく汚く、走り書きといった体の文面。
所々妙な図などを交えながら、つらつらと連ねられている。その内容は。]


・雌雄及び生殖器官を持たない水棲生物が繁殖期になると自然にほぼすべての個体が雌型となり妊娠出産する→その変異の核となるのは経口摂取されたRemdaである
・クラゲで検証済み。一応。要再検証
・少なくとも一定のPavr=opety水域における生態系において、remdaは全ての生物に共通する完全な受精卵としての機能を果たし、母体(下線。矢印が飛び、その先に『雌雄は問わないが形式上こう表現する』の補足)のほぼ完全なクローンとして成長する※視認したのみだが

(白い球体を食べる魚、その隣には小さい魚の落書き。
あまり上手とは言えない)

→RemdaがPavr=opety外で作用することが認められる場合
 クローン生産の効率化
 性染色体との掛け合わせによって性別その他特性を付与した新時代の生体を誕生させる等遺伝子工学に大いに貢献する可能性←倫理にうるさい連中はどう言うか
 生体だけでなく例えば原子炉等に投げ込んだ場合、非常に効率的なエネルギー循環装置となる可能性

 『こう在ろう』とする種の本能に呼応する?
  あるいは子の成長を願う母親のように?
 →繁殖期ゆえに『種を残せる』雌型への変化を呼び起こしたか、単純に雌型にさせるだけか?


(ぐるぐるとペンを動かしたらしい渦状の筆跡。)
(狭い範囲に無造作にトントンとペンを打ち付けたらしい筆跡。)

・ともかくRemdaの成分分析 精細な検査が必要
・Remdaが星の核ならば、何故星自身が生物を繁殖させる?
・我が星における進化論の一説――宇宙からきたバクテリアが海に落ちて変異を起こし、現在の生態系を作った――の、バクテリアは、Remdaである可能性?
・生殖機能を持たない人間もまた妊娠可能か?定着するのは内臓のどの部分か。
・僕の場合は?きちんとした男が産まれるのか それともまた成り損ないか?

(下手なクラゲの落書き。)


[他、端末には。

膨大な量の過去の進化論の研究データ。
今回の探査で撮り溜めたであろうRemdaを中心とした映像、画像、その他分析結果等の研究用データ一式。
ワレンチナを含め、複数人の学者達が整然と並ぶ写真。
そのうちの二人と、ワレンチナ。三人だけの写真。
数人の男女――友人達あるいは恋人達か――の写真。
船員それぞれの簡素な経歴と、顔画像の入ったデータ。

が、入っている。
ワクラバがこれらの一部、あるいは全てを確かめることがなくとも。]


重層培養 イースターは、メモを貼った。

2016/05/20(Fri) 01時頃


― 生物学系雑誌『Foundation』XXX号 ―

[『特集:不思議な隣人たち』ボムビークス種研究の第一人者、Vanallen教授へのインタビューより]

――ボムビークス種の特徴についてお話しいただけますか。
はい。大きな特徴として『繭』と呼ばれるものにて出生、成長していく事と、性別が後天的に決定される事が上げられます。
『繭』は二つありますが、まず彼らが出生する小さな繭の話から。
半径20mほどの楕円形で、表面は保温性の高い繊維で覆われています。内部は培養液のようなもので満たされていると考えられ――ああ、何と言っても宇宙に一つだけしか存在しないものですので、内部を開けて見るわけにもいかないため外部からの分析結果による予測となりますが――まず、繭の中に一定の周期で核が発生します。それは中央から外側へ向けてゆっくりと移動しながら細胞分裂を繰り返しhuman型を形作り外周部に到達する。そうすると、表面の繊維に包まれるような形で出生されるのです。
そうして出生された後、三年が経過すると表面から繊維が自壊し始め、ようやく彼らは小さな繭の外へと出ることが出来るのです。


さて、小さな繭から出てもまだ彼らは外の世界に触れる事はできません。次に彼らは大きな繭と呼ばれる施設で生育されることになります。
小さな繭を中心として建てられた、人類がボムビークスを育てるための施設。徹底的に管理された環境で彼らは成長していくこととなります。なぜそこまでするかというと、大きな繭から一歩でも外に出ると彼らはすぐに病に侵され死んでしまうほど体が弱いのです。育成の過程で免疫をつける処置をしなければ、大きな繭の外に出ることはできませんし、大きな繭がなければ彼らは繭が自壊した後に死滅する運命でしょう。
彼らの育成には多大なエネルギーを必要としますが、それに消費したものよりも多くの物を返してくれます。その脆弱な肉体と引き換えに彼らは高度な知性を持っています。我々がいわゆる天才と呼ぶ者達と比べてても遜色のない知性を持っており、科学者として名を刻んでいる者も多く居ることはみなさんもご存知だと思います。


彼らが我々にもたらした研究結果や技術はそれこそ金額に換算するのも馬鹿らしいほどの物となっています。差別主義者や彼らの能力に嫉妬する者は『人類に庇護されなけれ生きることもできない寄生虫』などと言ったりもしますが、共生や互恵関係と呼ぶのが正しいと思いますね。
また、彼らは我々人類にとって非常に美しい、愛らしいと感じさせる容貌をしています。色彩の薄さも彼らの神秘性を増すのに一役買っており、『生きた芸術品』と呼ぶものもいるくらいです。もちろん、それが良いことばかりではなく、誘拐されて出生数の少ない希少性も相まって、特に成人前の場合は高額で取引されたり、宗教団体に神代として祀り上げられているなんて事もありますが。
過去の彼らは現在ほど肉体が脆弱ではありませんでした。人類の庇護を受けるに従って、より庇護を受けやすい形に適応していったのが現在の彼らです。
もっとも、彼らがより人類からより手厚い庇護を受けられるように適応していったのか、それとも彼らが人類の庇護なしには生きられないように人類が適応させたのか、どちらなのかはわかりません。当時の記録にアクセスする権限がありませんので。


――教授はどちらだと思われますか?
それを公の場で言っちゃうと大変な事になりますからねー(笑)
さて、話は変わりますが彼らが性別を持たずに生まれてきて後天的に性別が決まる、というのはよく知られた話ですね。
彼らは同種では交配することが出来ず、外部にパートナーを求めるわけで、その過程でパートナーに合わせて性別が定まるわけです。具体的に何が性別の確定に影響をあたえるのか、その際心身にどのような変化が起こっているのかは現在も研究中となっておりますが、彼らは子供の遺伝子にあまり影響を与えない事がわかっています。知能が高かったり、外見が良かったりなんてことはありますが、基本的にはパートナーの種族特性を引き継ぎます。ボムビークス自体は『繭』から出生するわけで、自らを繁殖する必要がないのかもしれませんね。


では、なぜ彼らは性別を選択するのか。彼らは、繭の情報の一部をバックアップとして他種族に刻んでいるのでは、という仮説が立てられています。彼らは、性別も生物としての本能も関わらない真実の愛を求めているのだ、なんてロマンチックな説もありますね。僕もこの説嫌いじゃないです(笑)
ああ、そうだ、僕独自の研究ですが。彼らの恋愛観についてお話しましょうか。彼らは年上をパートナーに選ぶことが多く見られ、これは彼らが繭から出生し両親が存在しないことに起因して……
・・・
・・

(ページ上部に、Vanallen 教授と彼に肩を抱かれ恥ずかしげにピースサインをする白衣を着た小柄な女性の写真)


― 夢のなか ―

[Pavr=opetyに向かう船内。
医務室にて作業をしながらアシモフと語り合う。その内容は『繭』を見るためにXi=Lingをアシモフが訪れた時の話。
一作業を終えた後は、整備室へと向かいミツボシのメンテナンスを行う。タイミングを合わせて顔を出しに来た、ヤンファの語るOllovaの研究結果を聞きながらミツボシの少しずれた相槌を楽しむ。
食堂へ向かう途中、会話をしてるワクラバとエスペラントに遭遇。ワクラバに封筒を手渡しして、三人で食堂へ向かうことを提案。
食堂ではイースターとナユタも混ざり、食事を取る。キノコとプリントークで盛り上がった。
食後は倉庫へ向かう。大きな水槽の前で彼女は待っていて、Pavr=opetyの海やそこに生息する生物について語り合う一時を過ごす]



[そんな夢を見た]


[とくん。
そんな音を聞いた気がする。
その鼓動の音は甘い夢から引き戻す。
夢から醒めた夢の中。
だけれども、こちらの夢はただ見るだけのものではなく。
明晰夢に近いのだろうか、意思が動きとなって反映される]

[ゆっくりと体が浮上していく]


― 2週間前と2日前 / コンピュータルーム / 薄れ行く意識の中 ―

[あらゆるところが焼けて病んでいた、皮膚も喉も肺も目も。呼吸はままならない。酸素でできた毒がとげとげしく突き刺さり、意識はすでに混濁の中だった]

[けれども存外に冷静だった。彼らを前に私が冷静さを損なうわけにはいかず、冷静を装い続けた。それが偽りの冷静であっても、そう振る舞ううちに本当のことになる。なんてことはない、私はまだ若い彼らと同じ一人の弱い人間だ。彼らがいるからこそ、私は頼りがいのある人物として振る舞えただけにすぎない――]

[あとはただ朽ちていくだけの暗闇の中。私にできることはもうない]


[後悔はない。
私はただただ自分に忠実だった。
今も昔も、死が遠ざけられてゆくにつれ、世界は倦怠感に満ちてゆく。みんなが幸せで、それ以上にない世界。そんな世界にうんざりして、曾祖父のボウリング場に入り浸った。実に楽しい脱落だった]

[それからここまで、私はずっと楽しく生きてきた。
したいことをした、なすべきと思ったことをした。誰かを従えることなく、また誰かに従うこともなかった。苦しみもしたし、いくらかの破滅だってあった。それでも私は思うままに生きてきた]

[だから――後悔はない。されど、心残りはある]


[仮に私がベストを尽くしたとしても、私の仕事たる、船を維持して無事クルーを送り届ける、その任務を見届けられないのは。
今となっては、皆の無事を祈る以外に何もできないというのは。
それにOllova。一文節くらい、彼らの文学に影響を与えたかった。
それだけが心残りだった]

――なんだ、意外に、多いな……。

[機械の駆動音と喘鳴ばかりの暗闇に、かすかな一言が浮かび上がっては、散った]


[初めは、しっかりとした大人の方だという印象でした。
行きの船の中での印象もそれから変わることはありませんでしたが、一緒にお茶をしながら話した時、少し不思議な感じを受けた事を覚えています。
それが始まりだったのかもしれません]

[大きく変わったのはあの時でしょうか、食堂で『女らしさ』の話をした時。
問いかけに答える彼女の目に翳ったのは、何だったのでしょうか。
その時にボクの中でこの女性のそばにいたい、支えてあげたいという気持ちが大きくなっていったのです。
研究の協力者としてボクが選ばれれば良いなとか、そんな他愛もないことを考えたりして。
話の流れの中で彼女にボクの事を好ましいと思っているかを聞きました。
少し冗談めかして、悪い答えが返ってこないように、卑怯にもそんな聞き方で]


[『君を好ましく思っているよ。とってもね』]

[ボクの中で何かのスイッチが入った、そんな感覚でした。
そう応えてくれるだろうと、予測していた答え。
それでも、心臓が大きく脈打つのがわかりました。
胸の奥がじわりと熱くなるのを感じ、それが高まる鼓動と共に全身に広がっていく。
そういう意味の好ましいではない、ということが理解っていながらも心身の異常を抑えることはできませんでした]


[もしボクが男の子になったら。
あんな告白じみた問いかけをこの船旅でするとは、その直前まで自分でも思っていませんでした。
船旅も終わり、そのままそれぞれの星に帰る。
もしまた会えたのなら、そんな風に思っていました。
そう思っていたはずなのに、ボクは彼女に自分の気持ちを押し付けたんです。
それは危機的状況に見舞われていたからでしょうか、それとも未知の病による影響でしょうか]

[でも、それは、心の奥に秘めていた本当の気持ち]


[浮上していくにつれて、周囲の色は薄まっていく。
ふと不思議な感覚がして、動きを止めた。
誰かがいるような、そんな感じが。
見渡してみても自分以外居ないし、もし誰かがいたとしてもこれは自分が見ているただの夢だ]

[それでも、鈍い水流に沈められないように逆らう。
例えそれが独りよがりな考えだとしても。
もしこの場にいるのが彼女ならば、一人で寂しくないように。
彼はその場にふわりふわりとたゆたっていた]


【人】 重層培養 イースター

―   ―

 『一体何なの! 本当に…本当に気味が悪い!!』


[ああ、]


 『……ッ! 何なのよその目ェェ!!!』


[またあの頃の夢か。]


 『この欠陥品!! アンタなんて創らなければ良かった!!』


[私を捨てて姿を消す直前の母の形相と言葉は、未だ深く、私の心に刺さり続けているらしい。]

(28) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[私の母星――Barc=Dn=Paraは、総合的には経済、技術、物質的に恵まれた星と言える。
 少しだけ貧富の差がなんかが問題となる事もあるけれど、貧しいとされる層でもそれなりにヒトとしての尊厳を保って生きられる程度には。]

[そんな星を、四半世紀ほど前に恐ろしい風土病が襲った。
 それは女性が罹患すると高確率で不育症を引き起こす物で、何より危険なのはその感染力だった。
 最近ようやく治療法らしき物が見つかったらしいが、今では生粋のPara人女性のうち4割がこの病を抱えているらしい。]

(29) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[この事態に、Barc=Dn=Para統一政府の対応は珍しく迅速だったと言える。
 当時すでに技術としては確立していた、受精から生産までを複数の段階に分けて専用の機器内で管理する『重層培養』の方式を推し進める事で、人口の急激な減少を食い止めた。]

[しかしそれでも、初期は不確かな技術による培養が蔓延ったために事故が絶えなかったらしい。
 私の母も病に感染し、それでも両親は愛の結晶として子供を作る事を選んだが……残念ながら「貧しいとされる層」だった両親が立派な病院を頼ることはできず、ヤブ医者しか選べなかった。]

[その結果が、表情を作る機能の無い欠陥品――私だったらしい。ご愁傷様な事だ。
 19年生きてきて他に身体の不調を覚えた事も無いので、本人からするとそこそこアタリだったと思うのだけれど……あの人たちはそう思えなかったようで、私が10歳を迎えた日の朝に姿を消していた。]

(30) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[その後の私は少々荒れたもので、気付くと世間から爪弾きにされた連中とつるむようになっていた。
 皆、自分と同程度かそれより不幸な境遇のため、子供ながらに同族に囲まれて安心できたのだろう。]

[そこで私は、生きるため、仲間に捨てられないため、善くない技術を身に着けた。]


[最初は、しょぼい店の簡単な電子ロックをこじ開ける程度だった。]

[次第に、大きな企業の警備システムを掻い潜れるようになった。]

[国営銀行のシステムに攻撃を仕掛けたところでお縄になったのが、12歳になる少し前の事だ。]

(31) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[更生施設にでも放り込まれるのかと思っていた私は、お国のよくわからない部署の長い肩書きを持った偉そうな人の前に連れて行かれた。
 国家間のサイバー戦争に後れを取らないためのスペシャリストとして、私の技術とセンスを見出したとの事だ。
 今も昔も、セキュリティを強化するには攻撃者上がりの有識者を取り込むのが近道らしい。
 ちょっと派手にやりすぎた私はそれまでの名を捨てさせられ、「イースター」と呼ばれるようになった。
 両親が最初は私の誕生を祝って付けたらしい「クリスマス」という名は戸籍から消え、両親が私にくれたもので残るのは、普通よりはだいぶ優れているらしい才能ひとつだけとなった。]

[……その才能だけで今を生きているようなものなので、実は私は両親をあまり恨んでいない。
 もしまた会えるなら、私の稼ぎで飼ってやっても良いと思う程度には許している。]

(32) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[私は社会の底辺から国直轄の部隊へと生きる場を替えた。
 強制的とは言え新しい人生を与えられた形となったため、今度は無表情なりに親しみを感じさせる会話もできるよう努力もした。
 キャリアを積んで惑星連合の連立調査団の一員として選抜されるに至って、そして今は――]

(33) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

― 少し前 / コンソールルーム ―

[私は、ノックの音(>>12)に目を覚ました。
 ……寝落ちていたようだ。
 そう、今はこの、あるいはグレていた頃よりもクソみたいな状況の真っただ中。
 そりゃあ夢見も悪くなるってもんだ。]

 ……どうぞー。

[共有空間なのだから好きに入ってくれて構わないのだが、ここに陣取って私室のようにしていた私が言う事でもないか。
 扉を開けて入ってきたのはワクラバだった。]

 ああうん。データは見たよ。

[寝落ちる前に。]

 数値的には問題無いと思う。
 まったく、この船の限られた資源の中でよくぞまあ、って感じだよ。

(34) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[素直にそう思った。だから褒めた。
 そうしたら、なんだろう、気でも良くしたのだろうか。
 ワクラバが気持ち悪い事を言ってきた。]

 ……どしたのさ、ワクさん。
 こんな時っていうかどんな時でも驚くよ、柄でもない。

 それに、お互い様じゃないかな。
 私だってワクさんが居てくれてだいぶ安心できるもの。

[嘘だ。
 私はちょっとだけ嘘吐きで、しかもキャラを作ってる。
 それも、私の10倍近く生きてる――生きてたジジイの目を欺けてた程度には。
 他人と話すだけで気を使うし、一人の方が楽に決まってるじゃないか。]

(35) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[それに、私はこの男が嫌いだ。
 話の端々から、私なんか可愛いくらいに悲惨な状況に身を置いていたんじゃないかと思う。
 なのになんでコイツはこうも自然に真っ当に、頼れる兄貴分として振る舞えるんだ。
 良い師に巡り合えたから? 改心した?
 こっちはこれまで特に反省も更生もする事なくここまでこじらせてるのに。]

(36) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[嫌いと言えば、私はあのジジイも嫌いだった。
 話は面白いし、なんか雰囲気もその歳に恥じないだけの雰囲気も持ってて、そりゃああんなのに導かれりゃ生き方だって変わるだろうさ。
 なんで荒れてた頃の私の前に現れてくれなかったんだ。
 アンタに出会ってれば、私はもう少し矯正されてたかもしれないのに。
 いや……今からでもたまに説法の一つや二つ聞けば何か変わったかもしれないんだ。
 でももう、それもできなくなった。]

(37) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[嫌いな奴ばっかりだ。
 自分の無力さを痛感していても私なんかを気遣ってきた男女も。
 純真な魅力を持ってて、傍から見ても将来に期待したくなるお子様も。
 小さな体にきっと大きな使命を自らに課してるであろう雰囲気を持つネズ公も。
 自身がマルチな才能を持っているのに、他の人たちに本気の尊敬を向けてた若作りのババアも。
 適当なことばかり言って、その裏に深い知性と冷静さを持ったf*ck'nプリン野郎も。
 ヒトでもないくせに、「そうすべきだと思うから」「皆の役に立ちたい」だなんてご立派な思考を身に着けたアンドロイドも。]

(38) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

[――畜生かよ私は。]

[昔の事を思い出した直後だったからか。
 碌に成長もせずここまで来てしまった自分の卑小さを痛感して。
 その分、この旅で触れ合った皆がやたらと眩しく見えて。]

[でも、何故か厭な気分じゃない。
 まだまだ皆を嫌いでいたいと思う気持ちがどこかに有るからこそ、]

(39) 2016/05/21(Sat) 01時頃

【人】 重層培養 イースター

(>>12)

 ……こちらこそ、ありがとうね。
 本当に助かってるよ。


[たぶん私は、まだ頑張れている。]


[それに私は、死ぬときはキノコの苗床になって死ぬと決めているんだ。
 だから、こんなところで死なないために。
 皆で一緒に帰るために、最後まで頑張ろう。]

(40) 2016/05/21(Sat) 01時半頃

【人】 重層培養 イースター

(>>13)

 ん? なになに?

[ワクラバが投影した立体図面を眺めて首を傾げた。
 続く説明――なるほど、動力炉の変換機か。]

 ……ガチなヤツじゃないか。

[トップシークレットって簡単に言うけれど。
 よりによってLa=Sta=Demonicがこの技術を他に先んじて手にしたら、一気に警戒度跳ね上がるんじゃないか。]

 ああ、うん。
 私でどこまで検証できるか解らないけれど……
 賭けてみる価値、十分にありそうだ。

[差し出された、無事に持って帰れれば恐らく凄まじい価値になろうデータが入った端末を受け取った。
 ……無防備だなあ。無防備すぎて勘繰りたくなる私が厭になる。]

(41) 2016/05/21(Sat) 01時半頃

【人】 重層培養 イースター

……そうだね。
ミッちゃんのメンテ、よろしく頼むよ。
本人はどう言うかわからないけど、頑張ってくれてたからね。

ついでに、覚えてたら「ご協力ありがとうございました」って伝えておいてくれる?

思ったより時間かかったけど、この二週間でミッちゃんのAIの解析は終わったよ。
この後、部屋で船内AIの修正作業に入ろうと思ってる。


[言いながら、出て行くワクラバを見送った。
 次元航法装置も復旧の目処が立ってきたし……
 そろそろ、おイタをしてくれたバカAIの性根を叩き直してやらなきゃな。]

(42) 2016/05/21(Sat) 01時半頃


『ね。経つ前に結婚しない?』

[枕に横向きに頭を預けた女性が、隣で仰向けになっているワレンチナにそう零した。
ワレンチナは横目で彼女を見る。緩慢に視線を中に漂わせたのち、起き上がり、前髪を掻き上げた。二人とも、衣服は身につけていない。]

『急だね』
『だって。最低でも数ヶ月、下手したら2年くらい会えなくなるでしょ』
『慣れてるでしょ?僕が長く戻らないのは』
『そうだけど……んー』

[女性がシーツの中で身じろぎする。]


『子どもほしいの。ティナの精細胞作って人工授精させる』


[瞬間、ワレンチナの動きがぴたりと止まった。
額に当てていた手がシーツの上に降りる。]


[今や同性婚は珍しいものではなく、地域階級種族を問わず自由に行うことができる。しかし遺伝子操作によって同性同士の子どもを作る場合、婚姻届はもとより、他にもそれなりの認証や準備が必要だった。]

『だから……急だね』
『うーん。そろそろかな?みたいな。ずっと考えてたけど』
『……』
『やなの?帰ってきた時、子どもが産まれてたら』

[寝転がったままの女性が、いたずらっぽくくすくす笑う。

ワレンチナは彼女を肩越しに見ようとして、しかし視線をどこか遠くに置いたまま。振り返ることなく、ベッドの上で長く細く息を吐いた。]


『嫌だな。寒気がする』


[普段のワレンチナからはあまり想像のつかない、恐ろしく冷たい声音だった。]


【人】 重層培養 イースター

― 現在 / コンソールルーム ―

(>>27)

 ……ワクさん。

[変換機の検証の件で通信開こうとチャンネル回したら、途端これだよ。
 て言うかメンテナンスしてるんじゃなかったのかよ。
 さすがにびっくりするからやめて欲しいなまったく。]

 えーっと……ぶっちゃけトーク大会開催中?
 私あまり秘密とか無くて混ざれないけど、聞いててオーケーなヤツかい、これ。

(43) 2016/05/21(Sat) 01時半頃

[女性は一瞬ぽかんとしたのち、目にいっぱいの涙を溜めたかと思うと、子どものようにわあわあと泣いてワレンチナをなじった。しかし何を言われても、ワレンチナの態度は変わらなかった。自分の子を女性が孕む。それを想像した瞬間、今まで経験したことのないような、途轍もない不快感がワレンチナを支配したために。

そうしてそのまま、ワレンチナは母星を発った。
未開のPavr=opety星へ、学者としての経歴に華々しい色を添える為に。]



(思えば理由は単純だった)

[ぼんやりと意識の海に漂いながら、ワレンチナは薄く目を開く。]

(それは、僕が、僕自身が……)

[涙が溢れる。粘性の高いPavr=opetyの海において、涙はすぐさまそこに溶けるということはない。水中に油の球が浮かぶように、少しの間、ワレンチナの涙は桃色の水の中をゆるやかに泳いだ。]

(『産みたい』と。
 『女で在りたい』と、感じていたからだ)

[自身の身体。環境。周囲からの視線。反応。
それらはそれぞれに、薄い薄い膜だった。しかしそれが幾重も幾重も重なって、やがて強固な層となり、ワレンチナの本質を封じていた。
しかし否応にも反応する――それが本能であるがゆえに。]


重層培養 イースターは、メモを貼った。

2016/05/21(Sat) 01時半頃




『こう在りたい、と望み続ければ』
『生物はそのように――進化する?』

(さあ、判らない)
(けれども――Remdaが助けてくれるかもしれない)
(だから、僕は……)


[ふと。水の揺れる、重い感触。
視線を巡らせる――不思議なことに、天地左右、どこにも水面が見受けられた――その中に、]


(シルク)


[『彼』がいた。]


[水にたゆたいながら、ワレンチナはただぼんやりとシルクの姿を見つめていた。薄桃色の水の中にあって、その姿は柔らかくほの白く光って見えた。

水のゆらめくたびに光を弾く絹のような髪、えも言われぬ透明感、男とも女ともつかぬ、一糸纏わぬその姿……]

(きれいだ)

[ワレンチナは何かひどく懐かしいような、寂しいような、嬉しいような気持ちになって、ぼんやりとした表情のまま、涙をこぼした。ふと気がついてみると、ワレンチナもまた何も身には纏っていない。しかし気恥ずかしさはどこにもなかった。]


【人】 重層培養 イースター

― → 自室 ―

(>>56)

[ババアが必死に引き抜いたAIモジュールとメンテナンス用端末を接続しながら、私は開きっぱなしの通信回線から届く声を聞いていた。]

 ……私たちがその「寄生体」とやらにミッちゃんの事を誤認させられてる、って事は。
 症状の進行が遅いってだけで、私たちもとっくにヤられてるって話だよね。

[医務室で寝こけてる連中同様、私も寝落ちたままいつ目を覚まさなくなっても不思議じゃないって事かよ。
 悲惨すぎて笑えてくる。
 笑えないけど。物理的にも。]

(60) 2016/05/21(Sat) 20時頃

【人】 重層培養 イースター

 ……ん?

[ふと、頭に浮かんだ一つの仮説。]

 いや、待て。待って。
 そういう、事か……?

 ――――、…… ヘイ、モフっち。

 聞こえる? 聞こえてる?
 ミッちゃんとワクさんの会話は把握してる?

 ちょっと、話しておきたい事というか、思い付きというか……
 いや、見当外れっぽかったら無視してくれて構わないんだけどさ、

[どうも最近やたらと思い悩んでる様子のネズ公……この船で最も医学に長けたそいつに、私は通信を飛ばした。]

(63) 2016/05/21(Sat) 20時半頃

【人】 重層培養 イースター

(>>66)

[返答が有った。何やらぶつぶつ言っているが、取り敢えず私の考えを伝える事にする。]

 ……いや、ね。
 船内AIがおかしくなったのが、どうしても疑問だったんだ。
 タイミング的には例の彗星の後――って感じで、何となく釈然としないのにそのままになってたんだけど。

 ……実は、どこもおかしくなってなかったんじゃないか、って。
 今、ちょっと思ってさ。

 何と言うかさ、あのシステムエラー騒ぎの時。
 単純な故障って感じじゃなくて、小狡い計算で私たちを的確に殺そうとしてきてたじゃない。

 本来、調査団を守るべきAIが、私たちを殺そうとする理由、ひとつ有るな、って。

 ……未開の星系から、未知の脅威を、私たちの星系に持ち帰らせない、ため。
 私たち以上に優先度を高く設定された――私たちの母星を守るため、だったんじゃないかな、と思ったんだ。

(69) 2016/05/21(Sat) 20時半頃

【人】 重層培養 イースター

 えーっと、だから、言いたいのは。

 ……この船のAIは、かなり早い段階で、「寄生体」とやらを検出できていたんじゃないかな、って事。

 調査直後のバイタルチェックとかはAIも参照してるだろうし、他の要因もあるのかもしれない。

 ……まあ、本当に思い付きだから、実際はどうかわからないけど、仮にそうだとして。

 AIが寄生体を検出した瞬間の判断基準……そのログや分析結果を抽出することが、もしできたら。
 それは、モフっちが寄生体とやらの事を調べるのに、役に立つ?

(70) 2016/05/21(Sat) 20時半頃

【人】 重層培養 イースター

(>>72)

 私もだいぶ荒唐無稽な事言ってると思うから、どうかな、ってとこだけど……
 仮にビンゴだったら、データ自体は暗号化されてアーカイブされてるはず。
 今は止めてるAIを復旧されれば、簡単に読めるようになるよ。

 1時間ほど待ってて。
 ヤンファお姉様が引っこ抜いたAIモジュールを、これから直すから。
 ……さっきの思い付きが合ってたら、直すって言うかむしろ私たちに都合良くブッ壊すって事になるけど。

[私にとっては、そっちの方が俄然やる気が上がるってもんだ。]

 じゃ、ちょっと集中するから暫く黙るよ。

(74) 2016/05/21(Sat) 21時頃

[頬に温かい物が当たる。
それは緩やかな水流に乗って、届けられた。
薄桃色の流れの先へ、目線を向ける。
探していた姿が、そこにあった。
ゆっくと流れに逆らって、近づいていく]

[近づくにつれ、彼女の顔がはっきりと見えてくる。
寂しさの混じった、その表情が。
先ほど頬に当たった暖かさを思い出す。
寂しさを抱いて泣いている女の子が、目の前にいる。
だから――]

[両手を伸ばし柔らかに、抱きとめた。
まるで、彼女を包み込むかのように]


【人】 重層培養 イースター

― 自室 ―

[作業用BGM代わりに通信は開いたまま、私はメンテナンス用端末に向き直る――前に、集中するための準備だ。]

[まず、服を脱いだ。全部だ。全裸だ。]

[私は決して変態じゃない。
 これは単に、身に纏わりつく余計な感触を絶って集中するためだ。
 実際、私の部隊ではオペレーションルームで常に全裸という奴らだって何人もいる。
 良識派の私はさすがに一人の時にしか脱がないけど。]

(77) 2016/05/21(Sat) 21時半頃

【人】 重層培養 イースター

[次に、頭に繋がっている方の個人端末で、一つのファイルを起動した。
 特製バーチャルキノコだ。]

[それも、ジジイやワクラバへ前に送ったような子供騙しじゃない。
 子供のキノコ嫌いを矯正できる程度じゃ、私の脳のリミッターは騙せない。]

[感覚データの配合自体はここ数日の空き時間で組んだ急拵えだけど、私のシマでも持っているだけで怖い制服の奴らが飛んでくるヤツだ。
 宇宙まで飛んで来れるもんなら来てみやがれ、って話なので、今回はこういったドーピングだって使ってやる。]

(81) 2016/05/21(Sat) 21時半頃

【人】 重層培養 イースター


 フゥ……
 

(82) 2016/05/21(Sat) 21時半頃

イースターは、寝不足で淀んでいた思考が急激に冴えていくのを感じた。

2016/05/21(Sat) 21時半頃


/* うわーみんな頑張れ! */


【人】 重層培養 イースター

[良い感じにキノコが美味くなってきたところで、改めて作業用端末へ向き直った。]

[AIモジュールのプロテクトは既に解除済み。
 そもそも軍事用でも無く、あまり攻撃を受ける事を想定していないから守りも最低限だった。
 私にとってこんなの相手にもなりやしない。]

[私が一番苦労し、時間がかかったのはむしろ、ミツボシのAIを解析する方だった。
 その出所を聞いた今としては納得できるが、見た事も無い造りのそれを解き明かすのは、突然知らない星の遺跡に放り出されて、時代も文明も知らぬままに文字を読み解いていくような作業だった。]

[判断基準のシンプル化を事前にしておいたのが効いて、2週間でようやくその肝心な部分のみ拾えたというところだ。]

(84) 2016/05/21(Sat) 22時半頃

【人】 重層培養 イースター

[その、ミツボシから拝借したデータを、AIモジュールへと組み込んでいく。]

[船員を害するようなフローにアタリをつけて、一部を上書いていきながらも機能自体は決して殺さず。
 不整合を起こしそうな箇所も潰していって――]


 ……、……

(85) 2016/05/21(Sat) 22時半頃

【人】 重層培養 イースター

[こうして改竄をしている時間を、私はプログラムとのコミュニケーションとして捉えている。]

[弱い箇所、敏感な急所を、いやらしく突く。]
[手が出せない箇所、反応の悪い点には固着しない。]

[主導権は完全に私にあった。
 相手の隅々まで意地悪な目で眺めながら経験と勘で要所を責め立てていく内に、快楽物質が分泌される。]

[……セックスで良いんじゃないかなこれもう。私、裸だし。]

(86) 2016/05/21(Sat) 22時半頃

【人】 重層培養 イースター

[だからコイツも私がひん剥いてやるんだ。
 私の前に、全部晒して見ろよ。]

 ……、……

[プログラムとサシでのコミュニケーションは、私を偽る必要が無くて気持ち良い。]

[親に捨てられた私が、気付けばこんな事に手を染めていたのも、きっと代わりとなる何かとの濃密なコミュニケーションを求めて――]

(87) 2016/05/21(Sat) 22時半頃

【人】 重層培養 イースター

 …………………… ブォェロロロロロロ

[ビチャビチャと、口から床に水分が垂れる音とともに、急激に落ち着く。
 チクショウ、久々すぎてキノコの配合トチったみたいだ。
 折角の良い気分が台無しだ。]

 ……オ゛ェッ

[端末やモジュールに吐瀉物がかからなくて良かった。]

(88) 2016/05/21(Sat) 22時半頃

【人】 重層培養 イースター

[それから数分? 数十分? 頭がグルグルしてて定かではなかったけど、]

 ――……AIモジュールの直し、終わったよー。
 ちょっと動けないから、誰か取りに来て、これメインコンピュータに挿してきて……
 
[完成と共に崩れ落ちた。
 うっかり吐瀉物に顔を突っ込む事になって、本当に最低な気分だったけれど、どうにか皆へと通信を飛ばす。]


[あー……服着てないな。まあ 良い  …か。]

(89) 2016/05/21(Sat) 22時半頃

[ゆっくりとシルクが近付いてくる。ワレンチナの目からはふわふわと涙が溢れ続けていて、それらは近付いてくるシルクの頬や、髪や、指先を音も無く柔らかくすり抜けて、やがて海へと溶けていった。

彼の両手が自身に触れるその瞬間まで、ワレンチナの視線はシルクに真っすぐ注がれたまま――そうしてゆるやかに抱きとめられ、一瞬目を見開く。それはあまりに優しい抱擁だった。今までの何もかもを、許してくれるような――]

ふ……、う、
うわああああん。ああーーん。わあーーーん……

[ワレンチナは彼を抱き返して、大声を上げて泣いた。時にしゃくり上げ、いやいやをするように彼の肩に、胸に縋り、泣き続けた。
ワレンチナの泣き声はゆるやかな波となって広がってゆいった。その残響。反響。それらは鐘の鳴るようにどこまでも幽玄に響きあって、その場のすべてを幻のように包んだ。]


『もし、ボクが男の子になったら』

[記憶の中の声がする。ワレンチナはもう、泣き声をあげてはいなかった。それでも未だ遠く響き渡り続ける――もはや掠れに掠れ、ただ不思議なノイズのようになった――声の中で、ワレンチナはゆっくりと顔を上げる。目の前には、どこまでも無垢で透明なシルクの顔があった。ワレンチナは目を見張る。]

(ああ)

『ワレンチナさんは』
『交際相手もしくはそれに類するものに』

(シルク、僕は)

『してみたいと思いますか?』

[泣きながら下唇を噛んで微笑む。シルクを見つめたまま、ワレンチナはゆっくりと首を横に振った。そうして今一度、シルクを両腕で抱きしめる。瞳を閉じ、唇を開く――]


僕は。君のような――
無垢な子どもに、産まれたかった……


[抱きしめる腕に力がこもった。
海が揺れた。星空のように辺りに漂っていたRemdaのすべてが一瞬、一同に震えわななく。
世界が、白くざわめいた。]


【人】 重層培養 イースター

― 自室 ―

(>>90)

 まあ、どっちもかな……

[畜生、良い勘してやがる。]

 これ見て役得と本気で思えるならワクさんだいぶ業が深いよ……

(104) 2016/05/21(Sat) 23時半頃

【人】 重層培養 イースター

― 医務室 ―

[ベッドに寝かされたが、込み上げる吐き気でちょっと寝られそうにないなこれ……]

 取り敢えず、問題無く動いたようで何よりだよ……

[ワクラバがAIモジュールを挿したのだろう。
 順次、船内の管理が復旧しつつあるようだった。
 エネルギーを節約しなければならない現状、一部の機能はセーフモードを維持せざるを得ないけれど……
 まあ、その辺の管理もAIが上手い事やってくれるはずだ。]

 ……、……

[ネズ公が、早速過去の記録を参照してる。
 もう、私が何か言っても邪魔になるだけだろう。]

 ウォェ……

[暫くはベッドでのたうち回るくらいの事しかできそうにない。]

(105) 2016/05/21(Sat) 23時半頃

【人】 重層培養 イースター

(>>108)

 ……本当にそれしか無いの?

[胸糞悪いったらない。]

 無いなら、私はやるんだろうね。
 自分が助かりたいから。

 モフっちの意思に従ってとか
 ミッちゃんが自分で望むからとか

 そういうのじゃなく、他に手が無ければ私はやるだろうさ。

 ……本当、畜生だな。

(117) 2016/05/22(Sun) 00時頃

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