人狼議事


219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


       ─    ─

 ( 謂わば、諦念とは───。
   僕にとっての鞘のようなものでした。
  他人様に迷惑を掛けない為に納めて来た、
               鞘でした。)
 
[だからこそ思慕してしたきみに、
想いの程など伝えられるわけも無かった。
嗚呼、それだと謂うのに最大の過ちがあったとすれば、
そんな思いすらも綺麗に諦めちまえば好かったのに。

──唯一出来なかった ”罰” がこの末路でしょう。]
 
 



  ( 何よりも、
    自らを縛って来た藤蔓を、
    絶って欲しいと願いながら
    誰にも手を伸ばせぬこの手が、 )


[ その、かそけき鎖枷にこそ、
 諦めずに手を伸ばせていたのなら─── ……。 ]

 



[ ─── … 

 はじめであれば、
 喪うものは変わったのかも知れない。
 二度目であれば、
 喪う運命を変えられたのかも知れない。


        ─── では、三度目は? ]**
 


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/*
やって良いなら、暇つぶしにそれを攻略するロルをするし、
ダメならダメでのんびりしてる!

土日はツナさんがよりお仕事でお疲れなの
知ってるから………
でも、土日は私も半ば死んでる(少なくとも昼間は(子供達…ッ!


[目下にあった影はいつの間にか自分たちの頭上にも
 対空となれば自分ではかなり分が悪い。

 守りをお願い、と言われれば丈司のサポートに回るように動く。
 彼の力なら弱めることができる。ただ、数がかなり多い]

 ……無理はしないで! 

[苦鳴が聞こえれば、彼のほうを振り返る。
 虚ろな目、にじむ汗、明らかに様子が変だと思えば彼の身体は崩れ落ちた]


 ――っ、丈司君!

[彼のもとへ駆け寄り、その体を抱きかかえ、駆ける。
 この数を意識を失った彼を守りながら戦うのは無理だ。

 抱えてみれば、心音も体温も感じる。
 少し安堵し、ひとまず屋内へ逃げる。

 守りも攻撃も考えず、一目散に駆ける]


― コキュートスJ/内部 ―

[ぐったりと体を預けてくる自分のパートナーを呼ぶが、反応がない。
 何かを"見て"いるのだろうか?]

 ―――……

[直接、呼びかける。
 意識なく聞こえない耳にではなく、彼に、直接。
 その声は届くだろうか?]**


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─ →北:浄玻璃公園 ─

[どこかで一度、意識がフツリと
 途切れたかも知れない。
 それを持って、日付の変わり目を知ることが
 できたかも知れない。
 ただそれでも、公園にたどり着くまでに
 何人の死神を追い払いいなしてきたか。
 何匹の闇色のノイズを潰してきたか、逃げてきたか。
 その疲労感の回復は完全には治らない。
 矢張り魂の力が二度目の死を迎えたことで
 弱っているのかも知れなかった。
 ひんやりと冷える指先を自身の首に当てて温める。

 基本的には相棒に撹乱して貰い、
 相手を迎撃するのが基本パターンだ。
 死神は手足を壁や地面に縫い付けて、
 ノイズは小物は潰し、大きなものは無理せず。
 しかしその姿が徐々に禍々しい物に
 なってはいないだろうか?]


「数え切れないこの世の歪みを正すために、蒼き光の救済を」
「幸福への導き手となりて、すばらしきせかいへ誘い賜え」
「すばらしきせかいを」
「すばらしきせかいを」


[蒼に目を輝かせる彼らは口々にその言葉を繰り返す。
 そして行き交う闇色は、死神の翼めいたものが
 身体の彼方此方に歪に付けられるようになった。
 腹側に翼を付けられたカエルは
 バサバサ羽をバタつかせては引っ繰り返り
 眉を顰めつつそれを手にした氷槍で貫く]


   すばらしきせかいって、なんじゃそりゃ?
   ただ真っ直ぐなだけな世界じゃダメだろ。
   正された歪み……その形が本当に正しいか?
   そんなん、誰が決めんのかね。


[小さな声で紡ぐ言葉に相方は答えたか。
 それにしても、]


   なんか、ノイズ多くなってきてないか?
   変な形になってきてるし……?


[公園の中、その最北に位置する辺り。
 その辺りに何やら見慣れない漆黒の紋様が
 描かれているようだった。
 そこからずるりと、カエル型が這い出てきたのに
 目を見張り相棒の腕を握りしめ草陰に隠れて
 そこの様子を伺ってみせた。
 そして、更にペンギンが。
 更にカラスが這い出て空に飛んでいけば、
 相棒の腕を握りしめた手がわずかに震えて]


   アレ、だ。
   アレ、壊せば、……危険因子が減る?


[ちら、と相棒を見ては1つ頷いた。
 よろしく頼むと言葉をかけないままに
 深い信頼を寄せて、氷槍を託そうか。
 自分もまた、手をかざして氷槍を射出せんと
 その掌を錬成陣やノイズへと向けた]**


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── 回想/6th day ──

[駄々を捏ねているのは何方だろう。

如何にか無理にその華の生命を延ばそうとするのは。
真っ当な言葉も探せない内に己の“我”を通そうとするのは、紛れもない駄々になるだろうに。

  (生殺しの状態のまま、おく事の、
   凄惨さにまで気の回らないまま。)

流れるように拡がる艶黒の髪と、随分血の気が失せたように思える肌の色が只冷たく思えて。

嗚呼、それでも、最期の願いと。
云う口調ばかりは“先生”のそれに、一度伏せた視線を引き上げる。
未だ、意識のある事など気が付かずに、落ちた“木刀だったもの”を、右手で拾い上げた。

  (左の腕にその身体を凭れさせたまま、)

ぐ、目を閉ざすと、縦に真っ直ぐと構えた刀を、
蝶でも縫い止めるかのように、]


 
 
  [ ─── 孤独華を、己で手折った。 ]
 
 


 
  (深い獄だろうと、灼熱の中だろうと、
   貴方の行く先であるならば、

     ─── 何処へでも、添います、)


[手折った華を大切に抱え込んだまま、ぽつぽつ、空も泣かないのに雫が落ちる。
側に居る筈の死神の彼が何を言ったとしても、青年は抱えた華を取り零さないよう黙するだけだ。

   ── そうして、緋く染まった華二輪、
      其処に、静謐として佇んでいる。]*
 
 


 
     ──  ──


[慎ましく生きるべきなのだと教えられてきたのだ。
人の主張とは否が応でも波を立てる。
だから、如何しても必要な時以外は疵ごと飲み込んできた。
そう云うところは父より人に好かれやすいと言われていたが、青年にとっては肝要な事ではなかった。


    ─── そこに若し、“次の機会”があれば?


その時は、きっと、 ──── ]*
 
 


ー 5日目/九想屋付近・目覚めた時のお話 ー

[『怪我は今は何ともない』
それを聞いてオレはすごく安心した。
でも落ち着けと言われて、桐生が頭をぶち抜かれた後の事情分かってないと聞いて]

その後の事情……
いやまぁ、桐生死んじまったと思って
近くにいた死神がいるの見つけて
こいつがお前をやったんだと思ったからぶん殴ろうとして……簡単に流されて自爆して、こうなってた

[なんで最後に疑問形なのか?
桐生よりは確かに生きてたけど、オレも派手にすっ転んだ後は……気付いた時には意識無くなってたし。
だから簡単に説明してみた、けど……これで伝えられているのか?
伝わらなかったようならかくかくしかじかで詳しく伝えるつもり。
……ところで、なんか手が湿ってるような?
てかよく見たら桐生の口まだ血付いたままじゃ?]

近い?……あ、悪い悪い
って、そうか……脱落組か


[手の確認やら口元の血を教えるやらをする前に
服から手を離し、詰め寄ってた顔も離して話の続きを聞いていた。
オレ達は脱落組だと思う。
でも今のオレ達は、華月斎さんとやらが言っていた例外なのかもしれない。
……だそうだ。
本当にまだ権利が残っているなら有難い。
生き返ってやりたい事、増えたし。

でも華月斎さんというのが
オレが最後に見たあの死神だって知ったら
胸糞悪くなって信用もしなかったかもしれない。
でもまぁ、今の時点ではそうなる事もないけどな。

しかし例外だとして、生き返る権利とやらはどうすれば手に出来るんだろう。
ミッションは来ていないし、ゲーム以外の事で示さないといけないのかもしれないが……
なんて考えていたら桐生が離れて、オレに手を差し出してきた。]


……あぁ、勿論だ
やってやろうぜ相棒!

[また頭は撫でられたけど、今回は感動の再会って事で抵抗しないでおいた。
今回は特別だぞ、感謝しろよ相棒。

……じゃなくて、一緒に戦おうと言われて嫌って返す訳ない。
差し出された手だって、当然がっちり繋いださ。
繋ぐ前に、手の平見たら血がべったりだったから自分の服で拭いてから。
別にそれで汚れたって気にしない。
抱き起こされた時にそうなったのかなんかもう既に血で大変な有様になってたし。]

よし、とりあえずお前は口の血拭いとけな?
服……じゃ余計顔汚れるからダメか
あーなら自分の腕使ってキュッと拭け!
なんならオレの服の汚くない所でで拭いてもいいし
とにかくそのままじゃあんまりだから、な!

[とか言いながら、念の為オレも服の襟で口拭いた。
確か血を吐いた覚えはあるし。]



………なぁ、桐生
お前、あんなボロボロにされてたのに
なんでオレの事呼ばなかったんだ?
呼ばれたらすぐお前の所まで飛んで行ったんだぞ?

[桐生がどう口元の血を拭いたにしろ
拭き終わったのを確認してから、そう聞いてみる。

助けを呼ばれて駆け付けてもオレに出来る事があったかは分からないけど、何かあればすぐ合流しに行くつもりだったから
呼んでくれなかったのはなぜなのか知りたいというか。

怒ってる訳ではないけど、つい顰めっ面になってるのは……ごめん?**]


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── Re:prologue ──

[ふ、確かに千切られた筈の意識が揺蕩っていた。]

  (嗚呼、どうせ死んでしまったのだ、
   静かに放っておいてくれないか、)


[そう、思っていたのだが。

何処へでも、と云った言葉を思い起こせば、薄らと目を開く。
次は何処だと思えば、目の前に広がるのはサイガワラの街だったものだから、呆気に取られて幾度か緩慢に瞬いた。

未だ生きているのでは、などと思う事がなかったから、
状況を上手く理解できなかったのだ。]


[何ぞ呪いめいた言葉を述べる異口同音も又、増えていた。
皆々一様に虚ろの硝子張りに仄昏い青を宿している。
序で、日増しに現れる雑音が、元から凶暴なものが黒く変わったものとなっていた。

只、黙して道を睨めれば立ち上がろうとして。
質量のあるのに気が付いて目線を下ろせば、

  ─── 脚の上に乗せられたままの先生だった。


小さく苦笑って、酷く勝手な事と知りながら。
何時もは束ねられている髪を梳いていた。
水を掬う如く、拾い上げても直ぐに落ちてしまうのを、繰り返しながら、何処か夢心地を半分くらい混ぜたような気持ちでそうしていた。]*


[薄く目を開けば、そこはどこまでも黒が広がる場所だった。

やがて目が慣れてくれば、そこが最低限の家具のみが置かれただけの部屋という事がわかっただろうか。

見覚えのない部屋なのに何故だろう
この場所にいると、ぬるま湯に浸かっているような心地よさを感じる。

一先ず体を起こそうとするが、すぐに誰かの手によって元の姿勢に戻されてしまう。
まるでなかなか寝床につかない子供を布団に寝かせるように。]

誰か…いるの?


[隣をみれば、そこにはクリーム色をした薄手のカーディガンを羽織った…おそらく女の人がいる。

おそらくと付けたのは彼女の顔が見えなかったから。
その顔を見ようとどれだけ注視しようとも、どうしても顔の部分だけが闇にぼやけてしまうのだ。
それでも、ゆるく結われた長い髪と服装から性別の推測はできた。]

『うん、いるよ …ううん』

[やわらかい女の声。
問いに答えたかと思えばすぐに彼女は首を横に振り]

『ずっと、いたよ』

[慈しむように少年の胸を撫でながら、言い直す]


ずっと……?

[そう言われても彼女に対する心当たりはなかった。
顔が見えていないだけで、もしかしたらどこかで会った事があるのかもしれないが…まだまだ世界の狭い少年にとって年上の知り合いなど限られていて。

(おばさん…よりはずっと若い。神鷺先生よりももう少し…25…いや、20?)

ぼんやりとする頭で思いつく限りの顔と名前を浮かべてみたけれど、そのどれとも合致がしなかった。

そもそもずっといたというのもどういう意味だろうか?
自分はさっきまで…さっきまで…?]


─ 6日目/九想屋付近・目覚めた時のお話 ─

[近くにいた死神。
 それを聞けば誰も聞かずとも相手は解る気がした。
 自分に希望を見せて足掻かせて、そして
 きっと彼にとって一番面白い殺し方に
 仕立て上げられたのだろう。
 眉根を寄せて拳を握り締めるが、一先ずは
 自分たちがW消滅Wしなかった事、そしてその理由を
 察することが出来たのだけは有難い。
 彼奴一発殴る、とは思いつつも。
 その現状への推測も相手に納得して貰えた様で
 相棒、と頼もしい声量で返してくれる相手に
 わずかに頬に熱を灯しながら、へへ、と照れ笑い。
 繋がれた手を確りと握り返しながら
 頬だけでなく、確かに胸にも暖かいものが宿る]


[口元を指摘されれば、小さな氷槍を精査し
 手の熱で溶かしては取り出したハンカチで
 口元を拭って清めて行く。
 これ使う?と、氷槍を溶かした水を相手にも
 差し出したりもしただろう。
 ひんやり、冷たい氷。
 緩やかに溶けて、禊の水にもなる]


   ………ん?え、あー………。


[しかし、相手に問われた言葉に
 思わず言い淀んでしまったのは。
 その顰め面を見たからもあり、
 それが叱られてるような気もしたからでもあり、
 少し、言い難い気もしたから]


   ……あの、死神に。
   お前のことを、言ってたから。
   お前を生かしたいから、生き返らせたいから
   頑張れるって。


[………嗚呼、そうじゃない。首を横に振る]


   お前が、俺には眩しくて。
   普通に生き返りたいって思える、
   普通の男の子のお前が。
   途中、呼ぼうか迷ったんだ。
   けど、そんな、がらんどうの、上っ面ばかりの
   俺を庇って、もしお前が倒れたら

   ………俺はもう、お前を守れるほどには
   動けなくなってたから。
   それだけは、見たくなくって、ゴメン。


[ぐ、と瞳を閉ざして頭を下げた。
 そうしてから、自分の胸元をぐっと握り込む。
 言い澱むように視線をさ迷わせ、伏せて。
 そして、はくりと唇を開いて空気をわずかに震わせ。
 ごく、と喉を鳴らしてから]


   ………そ、俺、がらんどうなんだ。
   俺のエントリー料。
   俺の中で、ずっと隠していた俺の本心。
   それの所為で、酷い目に遭ったし
   母さんにも産まなきゃよかったって
   言われたけど、さ。


[ああ、声よ震えるんじゃない。
 涙も勝手に滲まないでほしい。
 それでも、胸元を握り締める手を震わせながら
 …それでも、視線は相手の靴先に]


   エントリー料は、俺の中の本心。
   俺の中の、女の子。

   ………だよ。


[ごめんな。
 思わず、小さく謝罪を付け足してしまっていた。
 こんな、本当は生き返りたくなかった。
 ただ消えたくなかった。
 自分より相手を生かしたくなった自分が相棒で
 …ごめん、と]*


メモを貼った。


こんなところにいる場合じゃない、いかないと…

[そうだ、さっきまで自分は屋上展望台で鳥型ノイズの襲来を受けていた。
だったらこれは夢の中?早く目覚めなくては…パティさんの身が危ない。

なのに、いくら起きろ起きろと念じてもなかなか意識が夢から覚める気配を感じられない。
だったらまずは体を起こして、それから…と上体を起こした瞬間、今度はさっきまで隣にいた彼女に後ろから抱きこまれてしまう。
そして彼女は耳元に唇を寄せ囁くのだ]

『だめ、いかないで…  をひとりにしないで』

[体に入った力が抜けてしまうような、とてもとても甘い声で]


メモを貼った。


[どこへもいかせないというかのように強く…
しかしこちらの体から力が抜けたのを確認すれば優しく抱き直して]

『もういい、もういいの…丈司』

ど…して……

[気のせいだろうか
さらに頭がぼんやりとして、喋る事も億劫に感じてくるのは
あれだけ軽く感じていた体が重くなっていくのは]

ぁ…

『もう傷つかないでいいの…   とここで…』

(うごけ…な………)

[この女の人に抱きしめられると抵抗する力を奪われていくようで
瞼を開いている事すらも辛くなってきた時]


メモを貼った。


[―――君。 じょ…く ……

夢から呼び戻そうとする、声が聞こえた]


[その声にこたえようと、もう一度自身を抱きしめる腕から逃れようと試みるもやはり体に力は入らない]

『いや!いってはだめ…』

…はなし…て…

『ここなら、ここなら守れるから…  が、丈司を守るから…』

…め……

『外にいって…は…?』


…守ってもらうだけじゃ、だめなんだ…

[体が動かないのなら能力<サイキック>を使うしかない]

だから、ばいばい…

[彼女の待つ世界へ戻る為、縋る女の生命を赤い花へとかえただろう]


―回想/姉と弟と赤い花―

[姉弟が二人で暮らすようになってから数年がたっただろうか。
弟の病も回復傾向を見せてきた頃、買い物から戻った姉はとても上機嫌な様子で、それを不思議に思った弟は声をかけてみた。

「あ、わかる?実は今日とても良い物を見つけたんだ!」

ほら!と目の前に出されたのは赤い何かの花を模したチャーム。
何だっけ…サルスベリ?と聞けばおしいけど違うなぁ、と苦笑を返され。

「サルビアの花だよ。珍しいでしょ?」

と、サルビアを模したそれの唇花をじゃらりと揺らす。]


[バラとかひまわりとか桜とか、女性に好まれそうな花やそれを模したチャームなんて物ははいくらでもあるのに。
何でサルビアなの?と問いかければ姉はイタズラっ子な笑みで答えた。

「サルビアは家族の花なんだ。だからおねえちゃんはこれがよかったの」

サルビアが家族の花…?
そんな話は特に聞いた事もなかったけれど
家族という言葉に惹かれたというのはとても姉らしく思え、弟もそうなんだ、と笑って返した。


…サルビアの花言葉が『家族愛』である事を知ったのはそれからもうしばらく後の話。
先に天国へいってしまった両親を含め姉は家族を大事に思っていたのだと、火葬場へ向かう車に揺られながら。]


 ― 少し前 ―

 [ 殺してくれた死神との別れ際。
  飛びかかりそうなのを抑えただけ、
  私は褒められて良いと思った。 ]

   ……あのね。

 [ 静かに、静かに 呟く。 ]
 



   救おう、じゃ ない。
   助けてやろう、とか そういうのでもない。
   私はそんな大きいことを
   言っているつもりじゃないし、
   偉そうなこと言える人生、送ってないし

   "二人揃って生きてなければ"
   生き返る権利は貰えないんでしょう。
   
   シーシャのパートナーは、私。
   パートナーとして、ルールは守る。
   それだけのこと。
 



 [ そうね、そこに私情が入ったのは、
  完全に私が馬鹿だったってお話。
  ( この辺りはまだ
       人間らしかったのかもしれない。 )
  
  ── でもさ、じゃあ
  言うと更にブレーキきかなくなるだろうから、
  口にはしないけれどさ、 ]
 



 [ 十七年殺され続けた環境から、
  消えてしまいたいと願う相手に
  
  お前は生きろ、やり直せる、
  きっと戻れる、未来はある というのは、
  それだって独りよがりと言う気がしたけれど
  
  それは、違うのかな。 ]
 


[家族の花が  の幻影をころしたと知らぬまま
大切な人を守る為に、少年の意識は深い水の底から浮上する。

意識の戻った少年が、心配そうにこちらを見るパートナーに気づけばまずはこう言っただろうか。

ただいま、と。*]



 [ …多分、相容れない、って言うんでしょう。
  
  客観的に見ればあなたの言い分が正しいと、
  自己評価が"血縁という第三者によって"
  底辺になってしまった私は思います。
  
  たとえば、目の前の死神が
  誰でも良いから愛されたかったとして、
  逆に私は誰に嫌われても良いから、
  世界でたったひとりに愛されたかった。
  
  どちらでも間違いじゃあ、ないんだと思う。
  だけど私は、この死神の考えに、
  みっともなく噛みついて、否定する以外に術がない。
  
  きっと、なんてつけなくても、私は餓鬼なんです。
  父親に見てほしくて喧嘩を始めた、馬鹿野郎。 ]
 


メモを貼った。



   ── "オニーサン"も。
   独りよがりに誰かを殺して諭すの止めなよ。

 [ まったく反対な嫌味を投げて、
  タオルが飛んだのを終わりに、
  私たちはおさらば、となる。

  生憎私は、
  名前に込められた祈りとは無縁だったので、
  去る死神の名前を呼ばずに* ] 
 


  ─ …… This is NOT the end ─

(思えば、幼い頃から。
 なにかと持て囃されるような事もなく、
 僅かな人間とばかり、友好を築いてきた。
 触れる暖かい手の温度など、無縁のところに居た。)

[
 ばら、と散らばった黒髪を掬い上げるように、
 優しく撫ぜる手の影は最初誰ぞと分からずに
 黒靄に塗り潰されていた。

 薄らと開く瞼の隙間から入り込んでくる視界の中
 首と手の傷みを感じ乍らも───…。

 水椀から零れ落ちる雫の如く、何度目かの髪糸が
 首筋にふれた時、──はく、と、唇を開こうとして、
 漸く、事切れた筈の声が戻った。]
 



(先ず、浮かんだのはひとりだった。
 けれども、あの高嶺の華たる兄の手が
 伸びることはないだろう、と消えていった。
 次に、浮かんだのはひとりだった。
 けれども、あの友人がこういうふうに
 僕に触れてくれるようにないことは知って居た。
 ………”三度目”、)


       ………  ─── 榴斗?


[ きみの名を呼んで、呼んでから、
       夢十夜のたぐいかと思ったのだ。 ]
 



(……死んでも夢ってのは見るのか。
 ──、臆、どっちにしたって死んでたが。)


 ……… 今度こそ、
 死んだんじゃなかったかね、僕は。


[地よりも柔く、枕にしたものを知らぬ儘、
”望み通り”にその背に翼があったかは望め無い。
手折られたはずの華は首から下を撫でれば、
浅くなった刀傷があるばかりのようすに

           ───浅い息を吐いた。]
 




(記憶を失った僕には、
 これが漸く一度目の死を経た感覚だったとは言え
 だからこそ、遅れた、狐につままれた心地にもなって。
 幻想小説かなにかのように、思っちまうのだ。)

 ……… でも、きみが生きてんなら好かった。

 (───臆、でも、……死ねなかったんだなァ。)


[ふ、と、笑ってから。
見上げたきみのすがたに、
きみの重石になっているのに気づいては
慌てたように髪をはら、と跳ねさせて───……。

「……悪い」と乱した髪を掻きながら、
ゆるうく辺りを、──三度目の「せかい」を見渡した。]*
 


メモを貼った。




   [ ……父さん 知ってますか、今日は私の誕生日。 ]

 



 [ ── 何時かの、死にかけた雨の日。
  ぼんやりしていた視界が、
  突然明るくなったのは、車が傍まで来たからだった。
  
  一瞬だけ顔を上げて、
  ── 警察じゃあ ないな って安堵と、
  ── やっぱりあの人、探しに来ない、って、落胆。

  ない交ぜになった心は締め上げられて、
  確かにあの日は、痛みを感じていた。

  もう存在すら忘れた私の、なにか。 ]
 



 [ 言うなれば小学生の子供によくある話で、
  ( 私は高校生だったわけですが。 )
  
  私が悪い子へ突き進もうとしたのも、
  …こうすれば、ここまですれば
  あの血も涙もない自己保身に走る父親に、
  見て貰えると思ったからだ。
  
  たとえそれが叱りの声であっても、
  確かに私が貴方の娘だと感じられれば、
  私はそれでよかった。
  私はあの人の愛が貰えれば、それだけで。

  …積み重なっていく不安も、落胆も、
  こんな夜になってしまえば大きくなる以外になく。 ]
 



 [ ── だからこそ、余計に。
  消えてしまいたいなあ って 思った。
  
  やっぱり私 あの時胎の中で死んでいた方が、
  みーんな幸せだったんじゃないかって、
  未だに信じて疑わないし、譲らない。
  だってこればっかりは、私しか分からないことだよ。
  
  いっそあの車に轢かれてしまおうかすら考えた。
  やらなかったのは、
  …残念なことに、体中が痛かったからだ。
 ( 今思えば一人犯罪者を増やすところだった。
    思考能力も酷いことになっていたらしい。 ) ]
 



 [ 足音が近づく。
  ああ、…車の運転手、そりゃあ、驚いてそうだった。
  こんな大雨の中転がっている人間を見れば、
  そりゃあ そうなるよなあ。

  おっかなびっくり。
  大丈夫か って 声が
  雨音の遠くから、聞こえてくる。
  
  軋む身体を起こして、フードの陰から相手を見て、
  …いや、真っ暗に近かったからよく見えなかったけれど、
  おにーさん、っぽい。
  
  第一感想。
  なんとも酔狂な人間がいたもんだ。 ]
 



 [ 私はといえば、
  …おにーさんの問いかけに
  ちゃんとしたお返事をしなかった。

  もう色々疲れたなあ、とか 思っていたし、
  このおにーさんが百パーセントいい人の保証なんて
  何処にも無い。

  そう簡単に信じちゃ行けないんだ。
  信じたら私の両親の二の舞だって、
  親を選べなかった子供はよぅく、学習しているから。

  だから、つい 出た言葉が、 ]
 



  「 子供の誕生日を覚えてない親って、
            "普通"に考えて居ると思う? 」
 




   [ 短い金糸の毛先から、滴がひとつ、垂れた* ]

 




          ── うん。

 


―  戻って、 ―

 [ くる、と ]

 [ シーシャへ振り向けば、
  ポニーテイルが揺れる。

  ── 気がつけば、
  黒い雑音が増えていく世界だった。
  いくつもあるそれは私の足元を勢いよく掠めていって、
  地面に浅く、傷を残していく。

  境界線。
  線の向こう側には、シーシャがいた。 ]
 



   ── 十七年、ずっと
   戦ったところで報われない、
   あのろくでもない世界から消えたかった。

 [ 語る私の声は、きっと冷静で。
  私の表情は、何時もの鉄仮面。 ]
 



   ……それで、どうして?
   生きている方が素晴らしいって、説くの?

 [ ゆぅるり、首を傾げる。
  油断すると ぷつり と 糸が切れそうで
  
  それを止めようと
  ぎりぎりと、腕を蛇が 締め上げていく* ]
 


[何度呼びかけただろう。
ふっと、瞳が開き、抱いていた小さな身体が起き上がる]

……おかえり。

[心配かけて、とか。色々言いたい事はあったけれど。
何故だろう。どこか吹っ切れた様子の彼を見ればそれしか言えなかった。

回復したようならば、サイガワラを覆うノイズをなんとかしようと、行動を始めるだろう]*


メモを貼った。


―― 生の死神と ――


[ 死神とリョウの話は平行線を辿る。

 それに口を挟めずにいた。
 どちらの話も、きっと正しいと思ったから。

 ( でもこの死神は、想像していたよりも
   ずっと優しくて、微かに零す、苦笑い )]

 




   禁断ノイズ?
   なんだか物騒な名前ねえ。


[ 最後まで嫌味たらしいくせに、
 親切に教えてくれる、死神。

 リョウを殺した時は絶対許せないと思ったけど、
 妙に人間臭いその態度が、
 怪我を負って尚、立ち止まらない姿が、気になって。

 ―――― 掛けた問に、応えは返った。]
 




   トガクレ リュウセイ?

   “死”神なのに
   “生”きるって、矛盾してるわね。


[ くすくす。微かに零す笑みは、
 穏やかに持ち上がる口角と共に ]
 




   でも、いい名前だわ。

   …… ありがとう、流生くん。


[ 告げる礼は、二つの意味で。

 気持ちを汲んでくれて。
 そして、リョウを助けてくれて ]*
 


[掬うように撫ぜている手の向こうで、先生の睫毛が少しさざめいた気がしながら、なおもその髪を梳いていた。

  (思えば、近くにいた筈なのに、
   存外に遠い距離だった事を薄らと自覚した。)


そうしていれば、その唇が、何かを言いかけては止まって、

 ─── 三度目にして、言葉は音を成す。]


 …… ええ、私です、
 お早う、りゅう、

[梳いていた手を止めると緩く笑んで、首を僅かに傾けると、玻璃を覗き込むようにしながら、口数多くなく言葉にした。

只、青年は穴を掘った訳でも、百年待った訳でもないのだが。]


―コキュートスJ付近―

[しばらく休憩をはさんだ後。
展望台から確認する事がかなわないのなら足で探しに行くしかないと思い外へ出たまではよかったが、一歩外に出ればその異変に気づいただろう。]

…これも、ミッションに関係があるってこと…なのかな

[蒼き救済を求める人々の姿。

死神のゲームによるRGへの干渉という意味なら
確かに以前にもシアターの照明へ干渉をしていた事はあった。
しかし目の前に広がる光景は、明らかに以前とは規模が違って見える。]


[死んでなお、夢に魘された日もあったのだから、
死んでも夢は見るのだろう、などと、若し此れが虚ろの夢であっても覚めたくないと思う青年は、夢か現かを確かめようともせず。]

 … 如何、だろう、
 先の遊戯から篩い落とされたは確かだが。

[先生と死神の会話なんぞは知らないから、一体何を望まれたのかも知らないまま、浅く息吐くのを見つめていた。]

 嗚呼、君が生きていて良かった。

[鏡合わせのようにおんなじ事を口にして、緩やかな笑みのまま見下ろしていれば、何に気付いたか突然に跳ね起きるのを少し驚きを以って見遣ってから。

髪の揺らめくのと、すっかり軽くなった脚の感覚を知って、
僅かに惜しむ心地になりながら、ふるり、被りを振った。]


[―異変が起きているのは人々にだけではない。

先に人ならぬモノの気配に気づいたパートナーに手を引かれてか、物陰に身を潜めて様子を窺えば今までに見たことのないノイズ達の姿が見える。

これは現代の大名行列か百鬼夜行か

その流れを注意深く観察したならば
ここよりさらに西から、東の方向へ向かっている事を確認できたのかもしれない。

しかし最初のメールで添付された地図上、ここが一番西の果てに近い場所のはずだったが…一体あのノイズ達はどこから来ているというのか。*]


メモを貼った。


メモを貼った。


[…そうして、改めて。
三度目の世界に、ゆるり、視線を巡らした。

  (というのも、此処でする事など。
   皆目と知りもしなければ、
   未だ夢水に浸ったような心地のまま。)

扨、何をしよう、などと思ったところで、降って湧くような事などないのだ。


  ( ─── 嗚呼、否、訂正しよう。

   したい事やすべき事は兎角として。
   黒い雑音は湧いていたようだったから。)


只、とても穏やかで静謐な刹那であるのは間違いがないから、そのままに居るのもいいかと思いながら。]*


メモを貼った。


─ 幕間 ─

「数え切れないこの世の歪みを正すために、蒼き光の救済を」
「幸福への導き手となりて、すばらしきせかいへ誘い賜え」
「すばらしきせかいを」
「すばらしきせかいを」


[蒼に目を輝かせる彼らが口にするその言葉を聞き
 とある詩を思い出してもいた。
 いつの頃からかその詩人の詩集に出会ってから
 幾度と無く読み返してきたそれ。

 谷川俊太郎のW二十億光年の孤独W
 そこには確かこうあった]


[W宇宙はひずんでいる
  それゆえみんなはもとめ合うW

 この世の歪みが、何1つなくなったら
 誰も何も求め合いはしないのかと思いついたら

 それは、とても、とても寂しいと]*


メモを貼った。



[ くるり、]


[ ポニーテールが揺れ、
 揺らがぬ表情がこちらを向く。

 ( 先ほど見たのとは違う、
   黒いノイズが視界を過る。
   だけど、いまアタシが見ているのは、 )

 何の迷いもなく、うん、と頷かれた。

 さっきまで隣にいたのに、
 なんだか今は、近くにいるのに、遠くて、]


[ でも、]
 





   ―――― 本当に、消えたかったの?


   だって、本当に消えたかったなら、
   アタシと契約なんかしなきゃいいわ。

   ミッションだって、
   頑張る必要なんて、無かったでしょう?


[ 思い出すのは、リョウと過ごした七日間。

 サイガワラを走り回って、
 ノイズを倒して、サブミッションをして、
 そして、斃れた時の記憶 ]
 



[ 隣にいたから、分かってるつもりだった。
 リョウは一度も、諦めた事なんてなかったって。
 ―― だから、勘違いしていた ]


   生きている方が素晴らしいなんて、
   アタシは説くつもりは無いわ。

   …… アタシは、
   リョウは「生き返りたい」って
   思ってるんだと、思ってたから。


[ 最も、それを彼女が望まなくても、
 きっと、同じことをしただろうけど。

  苦々しく伏せる目は、
 彼女の袖の下の蛇の事には、気付けない ]
 




   アタシには、リョウのお母さんを
   蘇らせることも出来ないし、
   リョウの家に居場所を作ってあげる事も出来ない。

   居場所なんて大層な物にもなれないでしょう。
   精々、止まり木がいいところよ。


[ “王子様”なんて柄じゃない。

 だって本当の“王子様”なら、
 “お姫様”を苦しめるやつをやっつけて、
 願いだって叶えてくれるでしょう? 

 自分は王子様どころか、
 友人でも恋人でも兄妹でも家族でもない。
 少し奇妙で、一時的な ―― 隣人だ ]
 




   でもね、アナタの意思は尊重するわ。


   もし七日間生き延びて、
   リョウが生きたくないって願うなら、

   …… その時は、お別れしましょ。


[ 目を逸らさずに、真っすぐに彼女を見つめる。
 だけど、きっと。少しだけ、声が震えた。

 彼女の人生は彼女のものだ。
 無理に生き返らせても、
 生きる意志が無ければ、結末は同じ ]
 





   でもね、アタシはアナタに生きて欲しい。
   ここで終わってほしくない。
   生きて、またアナタと会いたいわ。

   リョウはアタシが死んだら
   嘆く人がいるって言ったけど、
   リョウが死んだら、アタシは悲しいわ。

   …… それは、覚えておいて。

 



[
 何日間か幸せだったと、彼女は言った。

 彼女の一番の願いが叶わなくても、
 充分生きたと言えるくらいの幸福が、
 この数日間で彼女の中にあったのは確かで。

 それは、この死者の世界の中だけじゃなくて、
 生きてる世界でもきっとある。

 それでも、この想いが届かない時は、]
 




   でも、もしリョウが死を選ぶなら、

   ―――― 忘れて頂戴。アタシの事も。全部。


[ “死”を望むリョウの妨げになりたくないから、
 その時は未練なんて一片も残さず、
 リョウが望むままに、願いを叶えて欲しい。

 ( 例え、二度目の喪失になろうとも、
   彼女にすべて忘れ去られようとも、

   それでも、自分だけは覚えていようと決めた )]
 




   アタシもアナタに生きる権利を渡す。
   エントリー料も取り返す。

   その上で決めたなら、
   アタシはもう何も言わないわ。


[ だから、それまでは考えて、と。
 これは願いでもない、ただの、我儘だ。

 
 そして、考えていた、“ 自分が、彼女に出来る事は ”
 それは、無理やりこちらを向かせることではなく、
 “手を差し伸べる事”だと、思う ]
 




   …… リョウのそのシュシュ。
   お母さんから、貰ったのね。


[
「シュシュは。無くさないで。」
「お母さんを蘇らせてくれるの?」

 それだけ聞けば、分かってしまう。
 本当に、とても大事な物なんだって。

 あの時、血塗れになったのはドレスで良かったって、
 そんな事を思いながら、ぽつり、独り言 ]*
 


メモを貼った。



(暗黒を照らす灯台だろうとも、
 その足許ばかりは闇に紛れてしまうように。
 直ぐ傍にある近いものほど、
 傍に寄る為の溝は深いのかもしれない──、)

[身動ぐ男の頭はそのような事を考えるほど、
働いているわけでは無かった。
唯、その名があっていた事に微笑んで、
”今度は”記憶を失くしていなかったことに安堵しながら
緩慢な仕草で、漣打つ睫帳毎、目を擦り。]


       ……嗚呼、お早う。 榴斗。


[覗き込むようにして傾がる玻璃の彩を、
己の黒曜の鏡面に照らし返せば、そのかんばせへと
手を伸ばし掛けて─── …… 留めた。]
 



(百年待たせたにしては早くの目醒め、
 然れども夢から夢へと醒めたのかも知れ無い と
 思うこころは何処かにあったとしても、
 ………また、うたかたを視ていても、いまは。)

    はは、 まぁ、だろうなァ……。

(「……モラトリアム、ってやつなんだろうか。」)

[この先に待ち受けているものを如何にも、
ひかりとは取れずに淡く引き伸ばした息の末。

(そのうちに。この夢遊めいた刻も
        消えてしまうんじゃあないか。)

   浮揚する泡沫の思考を、───放り出した。]
 



 ……もっと、恨み言を言われるかと思った。

( なぞられる鏡合わせの言の葉を、
  くすぐったげになぞりながら、身を起こす。
  きみの邪魔になっていたと思った重みを、
  惜しまれる事なんて、知りもしねえから。 )

[はは……、と消えてゆくばかりの
名残雪めいた笑声とともに振られた被りを眺めながら、
する事も、できる事も、なにがあるとも知らぬからこそ
雑踏のなか、深に取り残されたような静謐さに
寂寞のようなものを想い、─── …。]

 ( きみの背に翼がないのを、見る。 )

       ……、 きみは、あの後、───。
 




 ( 厭、と首を振ったのは。
   一重に、この夢のつづきを
       壊したくなかったから───。 )


   ……如何しような。 これから。


[他に誰ぞ、気づくものは居ないのか、と。
巡らせた果てに呆けたような吐息が、もうひとつ。
背に解けた濡れ羽色を鬱陶しくも感じて、
細い一房を指に絡めた。]

 (……なんで切ってなかったんだっけなァ、
     なんて、呑気を考える頭ばかりは健在だ。)*
 



 [ もし、ここで
  死が悪いことだと言い切り、
  更に生の尊さを語られでもしたら、
  生きている方が素晴らしいとでも押しつけられたら、

  私は蛇を差し向けて、ここで共倒れしていたと。

  そういう確信があった。 ]
 



 [ 蛇の力が緩む。
  死んでいる筈なのに、血の巡る感覚。

  ああ そうか。
  ……勘違い、させていた、のか。 ]  
 



 [ するり、するり、
  蛇で柔く自分を抱きながら語るのは、 ]

   …シーシャが飛び出してきて、
   シーシャは死にたく無さそうだった。
   
   蛙は邪魔で。
   あの時手を取ってくれた相手を置いて、
   先に自殺するほど、私 卑怯じゃない。


   それに、
 



   ……誰かの記憶に残りたかった。
   "生きている"思い出が、欲しかった。
   
   物理的な話じゃない。
   …精神的な、意味で。
  



   愛して欲しいとは言わないし
   生き返って欲しいとか言われるよりも
   私は此処に居るんだって覚えていてほしかった。
   
   何日間か、たとえ一瞬でも
   私が本当の意味で この世界で生きていたこと、
   死神とか言う奴に会って、
   甘ったるい苺食べて、謎を解いて、
   あちこち走って、…ロリータなんて着ちゃって、
   マブスラやって、写真撮って、
   鎖振り回して、……本気でやりあって、
     
   そのたったひとつだけでいい。
   誰かの記憶に残っていれば
   それだけで良かった。
 



   だから、── もう、いいの。
   死んだあとにしては、幸せすぎた。
   これ以上望んだら、望んじゃったら、
   
   また十何年も苦しむ羽目になる。
 



 [ なんて ぽつ ぽつ、
 
  お互い語る、けれど。
  シーシャは、そんなこと、言ってくれるけれど。
  声が震えているの、分かったよ
  何時も明るいから尚のこと。
  
  …何かが抜け落ちた、みたいな
  そんな心境は消せやしないけれど。
  なんだか ね。
  パートナーが目の前の相手で良かったと
  そう思えたのは、多分、確かで。
  
  …ゆっくり 息を 吐く。
  俯いた先、
  境界線の向こうには、行けない。 ] 
 



   それと…それは……
   無理かなあ………

 [ 忘れろ、って。
  たった数日間、されど数日間。
  捨てるには印象に残りすぎた。

  それに、── 未練、なんて そんな。
  シーシャの望みを抱いて消えることは、
  未練、ではなくて 幸福な思い出、だよ。

  私はUGで幸せだった。それは、確か。 ]
 



 [ 続く、── そう、だな。
  言うなれば我儘みたいな、
  そんな言葉には 眉を下げて笑んだ。

  仕方ないなあ って 顔。
  
  私も大概子供だけど、
  もしかしたらシーシャも案外、とか
  そう思ってしまったのは …そう だなあ。
  
  私の決意はきっと変わらないと、
  思っているからかもしれない。 ]
 



 [ ── と。 ]

 [ 腕の蛇も大人しくなったところで。
  今度は何を、と思えば、
  私のシュシュのことだった

  私は明らかに疑問符を付けて、 ]
 



   …ううん?
   知らない誰かから。

   お母さんはもう
   寝たきりみたいなものだったから、
   ……こういうの、選んでくれる余裕もなかった。
 
 [ 言いながらするりと解く。
  ゴムも一緒に取ったから、
  ふわ と 何時かより伸びた黒髪が広がった。
  
  ゴムは手首に引っかけて、
  線の向こう側から、青いシュシュを手渡す** ]
 


メモを貼った。


メモを貼った。


[
  (明るい場所に近い影の方が暗い、
   それは、或る意味的を射ていると思う。)

ふ、と、緩んで戻りそうにない笑みのまま、その目蓋に落ちる細指を確とは捉えないで言葉を落とす。

…穏やかにすぎて、実に死後らしいかもしれなかった。

手を伸ばされたとして、拒む事はおろか、嫌がりもしないのに。
先生が手を動かしかけた理由は知らないままで、
幽かに留まった言の葉の行く末を捕まえようとも思わなかった。]

  (戦わせず済むなら、越した事はない、)


[玉響に消える夢でも構いはしなかった。
本当に、独りで道を生かされるのかと思った先に比べたなら、ずっと平穏なものだったから。]


[夢も、 思いも、 …… 刹那の華の命でも。
何時かは喪くなるものなのだから、此の時から態々醒める必要も感じない、と、先を考える事は ── 辞めていた。

  (短い華の、更に短い夢なれば。
   今暫らくの、心休める静謐くらいは、
   生き様が如何とあれど、赦されるだろう。)

幻と消えるのを愁うのは青年も同じ事だったが。
そこに落とされた言葉に、少し目線を伏せたが、起き上がるのにつられて跳ね上がり、気にしないようにと頭を振るのが先だった。
それから、一拍、二拍、と間の空いてから、言葉を溢すように落とす。]

 … 嗚呼、恨んでやろうかと思った。
 私だけが遺されたなら、赦すまいと思った。

 だが、君が慮ってくれたのだとは分かったから。

 こうして君と同じ所に居れるものだから、
 そんな八ツ当りめいた感情は忘れてしまった。
 


[余分に付け足してしまってから。
ついついと軽くなってしまったらしい口を鎖す。
何かを言いかけた隣の“君”が、先を飲み込んで仕舞えば態々尋ねる事もしない。

  (夢が醒めないで欲しいのは、青年とて同じ事、)

静謐に落ちるのは、二人分の存在の僅かな音ばかり。


それが、事前に先生が精製陣を壊した事で此方に黒い雑音が湧かないからだとか、そんなものを考えられない程には思考が巡っていない。
その内に追加報酬を狙った死神などに追われるのかもしれないが、未だ先の話。]

 …… 嗚呼、折角だ。
 何にも急かされず追われずの内に、
 此の街を君と話しながら歩くってのも悪くない。

[誰も気が付かないのなら、人目も喧騒も気にしないでも善い。
そうやって散歩なんぞ提案したのは、単に思い付きだ。]


[行き当たりばったりなんかとは無縁だったものだが。
或る意味、死んでいると云う現状を飲み込んで受け容れているからこそ、責任やら何やらを忘れて言葉にできるというのはあっただろう。]

  (此れが譬え霞朧の幻でも、
   君が居てくれる夢だってなら。

   ─── 随分と粋な事をする、とは思うが。)


[頷くなり、同意なりが返るなら、漸く座ったままの腰を上げて、と、道を歩き始めるだろう。
今度こそは、きちんと“君”の横に並んで。]*


メモを貼った。


― コキュートスJ付近 ―

[丈司の体調も戻ったようで、展望台に戻るのは危険と判断し、ひとまず外へ。
 ノイズの数が明らかに多い。流れ?のようなものを感じた。
 感覚としか言いようがないのだが、格闘術とかの時の気の流れのような、そんなものを何故かここでも感じた]

 …あっちから?

[東へ向かうノイズの大群は、西から来ている。
 これ以上西へと行けるというのだろうか。

 試しに、少し物陰から姿を出してみる。 
 ノイズたちはどうも何か目的地があるようでこちらを意識することはないらしい]

 ねぇ、ちょっと行ってみようか。

[西の、その奥へ行こうと、丈司に言う。
 彼が恐怖を感じたのならば、自分だけでも行って、大本を確かめたいが、さて]*


メモを貼った。


[…あっちから?

彼女の言葉にノイズの流れを目で追えば
西のさらに奥から向かってくるのが少年にも確認できた。]

…うん

[行ってみようかと言われれば
ノイズ達に気づかれないように小さく、けれどはっきりと意思を持った声で相槌を返す。
元よりこの混沌の元凶を探していたのだ。進むしかない。

今のところノイズ達がこちらを意識する事はなさそうだが、この先に何があるのかはわからない。
細心の注意を払いながら移動を開始しただろう。*]


メモを貼った。


メモを貼った。


―コキュートスJ付近→西エリア/境界線付近―

[建物の影に潜むように、それはあった。

十王ストリートの突き当り
今は使われていないであろう寂れたビルの壁に描かれた漆黒の紋様。
それはいつか本で見た、魔法陣とよく似ている。]

もしかしてあそこから出てきてるのかな…

[もう少し近くに寄って確認しようとすれば
そうはさせまいとばかりに一匹のまっくろなイタチ型ノイズが陣より飛び出してきた。

―当たりだ。目的の場所はここで間違いはない]


─ 幕間 ─

[どうして、自分のサイキックは氷槍だったのだろうと
 闘いながらに考えたことは幾度かあった。
 炎でも、水でもなく。
 光でも闇でもなく。
 炎のように人を温め、罪を焼き払い、
 辺りを照らすこともなく。
 水のように人の渇きを潤し、岩肌を削り、
 全てを水底に沈めることもない。
 貫こうとする、凍て付かせようとする、
 それでいて陽の光をキラキラと返しながらも
 砕け散ってしまったりもする。
 それが、自分のサイキックだった]


[相棒のそれと比べて攻撃的なその力は、
 確かにこのゲームの中で役立つものでもあった。
 しかし、それで他者を殺めてしまったのも事実。
 自分は、若しかしたら自分に危害を加えて
 殺してしまった人物に対抗したい気持ちがあって
 この能力を得てしまったのではないか、
 そんな事を思う。

 失ってしまった、
 エントリー料として支払ってしまった
 自分の中のW女性らしい自分Wが、
 相手に危害を加えようとしたまでかは分からない。
 けれど確かに死にたくはなくて。
 あの時だって桃源郷を目指しての
 逃避という生き方を目指そうとしての家出で。
 けれど、残された自分の男性的な部分は、
 相手に仕返ししたくて、けれど
 殺したいかまで問われると頷くことは出来ず
 氷なんて砕けるものを、武器として
 選んでいたのかもしれない]


[タネがわかればおのずと対処法も浮かんでくる。

あの漆黒のものが本で見た魔法陣と同じなら
壁に描かれた陣の文字を消す、もしくはビルの壁ごと陣そのものを破壊すればこの召喚の儀式も止まるはず。]

―パティさん!

[ここからノイズの攻撃をかわしつつ陣へ到達し破壊する事を考えれば、彼女の能力の方が適している。

彼女が陣の元へ走ろうとするならば、少年はサポートに回る為構えただろう。*]


[キラキラと輝く、綺麗な氷。
 それを赤に染めてでも守りたかったのか。
 それとも、
 微かに残る母との大切な思い出ゆえか]*


メモを貼った。



[ リョウが語る言葉は、
 この七日間で自分の目でも見てきた事。

 命を賭けた【 死神のゲーム 】

 ノイズとか死神とかに襲われて、
 怖かった事もあったけど、
 それと同じくらいに、あるいはそれ以上に、
 “ 楽しかった ”のも本当で。

 だから、彼女言う事は伝わったし、
 最後の言葉を聞いて、悟った。

 ―――― 止めてあげるべきじゃない、って ]
 




   なによ、
   途中で引き返したくなっても、知らないわよ?


[
 言いながら、でも、分かっていた。
 リョウは、一度言い出したら聞かないし、
 後ろ髪を引かれるような事なんて、しないだろう。

 無意識に握りしめた拳は解けない。
 だって、気を抜いたら
 笑顔で見送れなくなりそうだから ]
 



[ だけど、下がっていた視線が思わず上がったのは、
 全く予期しない答えが返ったから。]


   し、知らない人 …… ?


[ なのに、どうして
 あんなに大事にしてるんだろう。

 ポカンとしている間に、
 リョウの髪が解かれて、黒髪が靡く。


 ( 境界の向こう側から )
   手渡された、それは ―――― …… ]*
 


  ―― 二年前 ――



[ しゃがんで差しかけた傘の中。

 見下ろした顔は、夜の暗さと、
 フードの陰に隠れてよく見えなかった。
 短い金糸だけが、ちろりとその陰から覗く。


 大丈夫か、と。
 呼びかけた声に応えはすぐには返らなかった。

 雨音に掻き消されないように、
 注意深く耳を傾けていたけど、
 やがて聞こえてきたのは、予想外の返答だ。]
 




   誕生日 …… ?


[ 覚えていると思う。普通は。

 だって自分の子供の生まれた日だもの。
 おめでとう、って祝ってくれるのが、
 自分にとっては当たり前だった。

 でも、目の前に転がってる少女にとっては、
 もしかしたら違うのかもしれない。

 だって幸福に包まれている子供は、
 雨が降る夜に、独りで道路に倒れてなんかないだろう ]
 




[ 掛ける言葉を失う。
 雨が傘を叩いて、その淵から雫が止めどなく流れ落ちる。

 ふ、と。

 濡れて、ぼさぼさの金糸が目に留まる。
 女の子なのに。勿体ないなぁ、って。
 そう、思った時には、]


   ―――― これ、上げる。


[ 小さなショッパーを彼女の頭上に翳した。
 それが濡れないように、傘の角度を変えて。
 背中が冷たくなり始めるけど、構う事は無く ]
 





   誕生日忘れられたら、寂しい、よね。
   だから、通りすがりだけど、祝わせて。

   ―― 誕生日、おめでとう。



[ 夜の闇と傘の陰で見えなかったかもしれないけど、
 それでも黒髪の隙間から覗く目元は、緩く、笑んでいた。

 命がある事を、その存在がある事を、
 この世界に生み落としてくれた親に祝われないのは
 とても寂しい事だから。
 せめて、その寂しさが少しでも紛れればいいと思う ]
 





   キミにとって、いい日でありますように。



[ 差し出したショッパーの中には、
「 Happy Birthday 」と書かれたタグと
 リボンが巻かれた箱が一つ。

 その中身は ―――― …… ]*

 





    [  鮮やかな空の色をした シュシュ  ]


 





   …………。


[ 同じとは、気付いていた。
 でも偶然だろうと、思っていた。

 だって、とても大事そうにしているから。

 あの日は、名前も聞かずに、渡すだけ渡して去った。
 たったそれだけの事だったから、違うだろうって。


 ( でも、いま立っている現在地が、
   “あの日”と“今”が交わる地点か、
   一人じゃ分からないから。だから、)]
 





   …… アタシもねえ。
   前に、知らない女の子に、
   これと同じもの上げた事があるのよね。

   短い金髪の女の子で、雨が降ってる夜に
   道路に転がってたから、びっくりしちゃった。



[ 苦笑いして、手の中の青色を見遣る。

 差し出されたそれは、
 少しばかりゴムが緩んでいたけど、
 どこもほつれてはなくて、
 本当に大事に使われてたんだろうな、って ]
 



[ ちらり、上げた視線。
 解かれた髪は、金じゃなくて、黒だったけど、]



   ―――― 知らない、かしら?その子の事。



[ 流れるような長髪に、
 微かに、あの女の子の姿が、重なる気がした。

 境界のこちら側からは、動かないまま、
 手の中の空色を返すように、ただ、手を伸べる ]**
 


メモを貼った。


ー 九想屋付近/目覚めた時のお話 ー

(その手があったか……!)

[なんて心の中で驚いたのも無理はない。
だって桐生の能力で出した氷を溶かした水使って血を洗うなんて発想オレにはなかったんだもの!
しかもちゃんとハンカチ持ってるし!
悔しい!でもナイスアイディアだ桐生!

あ、オレも水使うか聞いてもらえた時は軽く顔洗うのに使わせてもらった。
口元は勿論洗うけど、目が覚めたばかりだからスッキリしたかったのもある。

さて、顔洗って服で拭いたらちょっとした日常もどき風景はここまで。
ボロボロになってもオレを呼ばなかったのはなぜか
そんな事をオレが聞いたら言葉を詰まらせてるような、答えに困ってるような
そんな様子だったから顰めっ面もやめて、急かさず桐生が話すのを待ってた。]


[いざ話が始まったのはいいけど
オレにとっては疑問だったり、そうなのかな?っていう想像が浮かんだりする内容でさ。

普通に生き返りたいって思えるってなんだ?
生き返りたいって思ってないのか?、とか
迷ったというのは言葉になってなかったあのテレパシーがそれか?とか
エントリー料の関係で自分の事がらんどうって言った時はそう見えてなかったから驚いたし
親から産まなきゃ良かったって言われるの相当ショックだったろうな、とか
とにかく色々考えてたんだ。

酷い目にあったってとこに関してはまぁ……木村翔子が電話で言ってた事がそれに当たるのかなとか想像出来たから、そこは深く考えなかったけど。

でも泣きそうになりながら話すもんだから、無理しなくていいぞとか言ってやるべきだったかもしれない。
かもしれないけど]

………うん?

[今回最大の悩みポイントが投下されて言えずじまいに。
”俺の中の、女の子”とはさてどういう事なのか。]


(女の子って、男子女子の女の子だよな?
桐生って実は所謂オネェだったとかそんなん?
それとも心と身体で性別違うとか……んん?)

[ごめんって言われたのを聞いた後、腕組んで黙り状態のまま暫く考え込んでた。
考え込んだ原因はそこだけじゃないけど、目を瞑りながらそうしてた。
何をどう言えばいいんだろうなとか、色々考えて。]

………ありがとうな桐生、エントリー料の事とか
オレが聞いてない所まで話してくれてすげぇ嬉しい

[漸く目を開けて先ず出て来たのは桐生への感謝の言葉。
難しい事を考えていたら結局オレが言いたい事言えなくなるんじゃ?なんて結論が出ちゃったからな。
まとまりも何もない内容になってもいいから、とりあえず喋ろうって。]

ただな……”俺の中の、女の子”がどういう事なのか
ここで一緒にやって来た”桐生ロイ”しか知らないから
オレにはイマイチ、ピンと来てないけど

そんなのどうでもいいかなって、オレ思うんだ



言い方悪く聞こえるかもしれないけど
そういうつもりはないぞ?

ただ……オレ、桐生の事信頼してたし
色々ツッコミ入れたけどバカやってる時も楽しかった
お前と友達になれた気でいたんだ

だから、今まで一緒に頑張ってきた桐生がな
上っ面だけとか、がらんどうだとか
その上エントリー料の事聞いたらさ

生き返って本来の桐生と友達になりたいって思ったから
女の子ってのがどういう意味でも気にならねぇかなって
友達も男も女もない、って言うだろ?

[友達がいた事ないからなんの説得力もないけど
そこは一旦目を瞑って見逃してほしい。
上手く話せてるか分からないけど、まだ話は終わりじゃないから
それが心配でつい首をぽりぽり掻きつつ、話の続きを。]


生き返れるなら生き返りたいって、そりゃ思うさ
オレ、バスケしか好きでやれる事ないのに
その事で考え出すと周り見えなくなるし
元の体は膝ダメになってて、今みたいに満足に動けない体に戻るし、友達だって1人もいないけど
それでも色々経験してきたオレの唯一の身体だし
さっきも言った通り本来のお前に会ってみたいし、友達になりたいからな

まぁ……桐生が生き返りについてどう思ってるにしろ
オレは何を聞いても、何を知っても
お前を1人置いて行くつもりはねぇよ、って
……それは確実に言える事かな

[と、一応話し終えたところでオレの緊張はぷつん。
だらだらっと長く語ってしまった気不味さに苦笑い。]

いやー悪い、長すぎて伝らねぇよな!
どう言えば上手く伝わんのか分かんなくてさ
……あ、こう言えば伝わるか?

[桐生の目の前に、ビシッと右手を差し出して]


今までもこれからも、オレ達は相棒だろ?

[全てこの言葉でオレの気持ちを表せる。
……というのは流石に大げさだが、ほぼ間違いはない。
差し出した手を握り返してくれるといいんだけど
強制出来る事ないからダメだったらその時は仕方ない。

でも、今話したのは全部本心だ。
こいつの為ならどんな事でも頑張れる、頑張ってやるとも思える。
それ以上の理由は、オレは思い浮かばないんだ。*]


メモを貼った。


[パートナーが陣へ到達するまでの間

一体、また一体と新たなノイズが召喚されたが
5体はこちらを気にする様子もなくそのまま東へ向かっていった。

もしノイズが陣より無限に召喚されるというなら、そのすべてを相手にしていたのではとてもじゃないがキリがない。
彼女の邪魔をするノイズのみに標的を絞り込んで…]


[4体のノイズが砕かれ、もしくは絞り粕となっただろうか

黒い骸の道を敷きながら、ようやく彼女が陣の元まで到達したのを見届ければ少年は叫んだだろう。]

そのまま壁ごと壊して!

[そして言われるまでもないと即座に構えられる回し蹴りのモーション。
さぁ、陣は無事に破壊できるのか。*]


メモを貼った。


─ 6日目/九想屋付近・目覚めた時のお話 ─

[戸惑う内容だったとは思う。
 生き返るのを躊躇う人間が居るなんて、そもそも
 じゃあ何でW契約Wしてゲームに参加したのだと
 問い詰められても不思議ではない。
 消えるのが怖かっただけの臆病者なのだと、
 問われたならばそう答えていただろう。

 だが、彼はそれを問う事はなかった。
 ただ、此方の言葉にずっと考え込むようだった。

 エントリー料に関しても、腕組みをして。
 どう言う意味だとも問われる事なく。
 その暫しの沈黙が恐ろしくて奥歯を噛みしめる。
 ぎゅっと瞳を閉じて次に来る言葉が何であれ
 耐えようとしていた、その時に]


   ………、豊原、


[有難う、なんて言われて。
 そんなのどうでも良いと言われて、薄らと瞳を開く。
 彼のその声音は優しく響いて、疑問符を投げるように
 震える声で相手の名前を呼んだ。
 ジワリと目頭が熱くなる。
 透明な雫が瞳の縁に集まって、ぽたりと落ちた]


   お、俺だって、友達だって思ってるよ。
   友達で、相棒で、でもそんなお前だから
   ……失くすのが怖く、て、


[それは、目の前で傷つくのを見せつけられるのも。
 自分を見限られて置き去りにされるのも。
 全部が全部、嫌だったから。

      それでもがらんどうの自分を曝けたのは
      きっとそれ以上に偽り続けるのが
      辛くなったからかも知れない。
      自分のそんな我儘で自分の二度目の死と
      共に彼の可能性を奪った自分をむしろ
      叱責して欲しかったのかも知れない。

 なのに、彼は何を責めることもなく、剰え
 自分が元の自分に戻っても友達になりたいと
 自分を置いて行くつもりは無いと
 何よりも
 自分のことを信頼してくれていたのだと。


   ……ッ、豊原ァ……!


[ゴメン、と言う言葉は涙に溶けた。
 ボロボロと止め処なく大粒の涙を零しては
 ひぐ、えぐっ、と泣きじゃくる。
 自分の方が今は年上に見えると言うのに
 本当だって同い年の筈なのに
 目の前のこの相棒は、本当に懐が広い
 人として尊敬できる相手だったのだと
 今更ながらに気づかされる。

 それと同時に、自分だって
 矢張り彼に生き返って欲しいのだと痛感する。
 生きて居る彼に、会いたい。
 そのチャンスがまだあるのなら。

 だが、そんな事を口にするより前に
 涙に濡れる眼前に突き出された指先。
 それに目を丸くしていれば]


   ………ふ、そうだな、豊原。
   今までも、これからも、……相棒。
   ごめんな、相棒。
   これからも………ヨロシク。


[涙を拳で拭って、へにゃりと目元を緩ませた。
 そして相手の今は小さな手を握り締める。
 そうだ、自分は彼が相棒だから、頑張れた。
 だから、こうしてまた立ち上がれるのだろう]


   ……お前ホント、いい男だな?
   友達いないなんて思えないけど、でも、
   俺はもう友達で、相棒だからな!


[軽口半分、本音半分。
 でも、本当に言いたい事は]*


メモを貼った。



(触れるのを惑った理由、なんてひとつだ。
 今迄然りと”きみ自身”を見れていなかったこの身が
 この目が、この手が、──触れていいものか、
         分からなくなっちまったから。)


      ─── ………  、


[夢見心地のひとつ晴れ、
霧の中の影が明瞭に見えるようになったからこそ
生まれた手の惑いを遠離らせ、手放し、
道の先が見えように”なってしまった”からこその
先往きさえも、きみとともに手離して─── …。]
 



(華の命は短いからこそ、
 散る迄の、一瞬の束の間。
 この空白じゃあ、思うように在りたくて、
 きみのかぶりを振るのをゆるりと眺めていた。)

       
 ……。 恨まれても、
 好いと思ったんだけどなァ。
 赦されなくても、呪われても。
 
    ──消えちまってもいい、と思ってたから。
           (……二度目の今際迄。)


[
”きみらしくなく”飾られた言の葉に参ったとばかり
揺らした腕を引っ込めもすれば、立ち上がろうとする。
傷みの重石は夢ではない、と叫んじゃあいたが、
為ら、これは尚更夢のつづきだろう と思い込んで。]



[顰めた何某かの代わり、
静謐に下駄の音をからりと転がしもすれば
きみの提案を「いいな」と明朗に笑った。]


 この七日。
 なにかと忙しかったことも多かったんだから、
 今日一日くらい、

      ──静かに過ごしてもいいだろう。


無縁だったからこその、
    ”行き当たりばったり”も悪くない。

 きみを見下ろしていた玻璃は、
 その腰が上がれば自然、見上げるかたちになる。
 隣に並ぶきみを仰いで、「行こうか」と招び、)
 



  ……序でに、
  僕が忘れちまったきみのことでも。
        教えてくれたら嬉しいな。


(”結局聞けず仕舞いだったもんだから” と。
 はにかみをはぐらかし、西と東と北、
 見回せば、 ──「どっちに行きたい?」
        なんて、ゆる、と問いかけた。)*

 


メモを貼った。


メモを貼った。




    [ ずっと言い損ねていたことがあったの。 ]

 



 [ 直ぐに返事が返ってこなかった、おにーさん。
  私は、なんとなく分かっていたよ。
  
  普通は、覚えてると思う から、
  普通と、私を 照らし合わせて
  すこぅし、考え事をしていたんだって。

  ── 分かってしまったから、
  身体が冷たくなっているのもあって、
  適当に相槌を打って、
  そのまま帰って貰おうと思っていた。 ]
 



 [ ……だけどかかってきた声は、
  想像していたものと全然違って


  ── 私は意味が分からなくて顔を上げた。
  

  だって 本当に、今何を言われたのか
  今、何を差し出されているのか
  独りのこどもには 理解できなかったのだ。
  
  フードの陰から、差し伸べられたのは
  それは、本当の祝福 で、しょうか。 ]
 



   ──……、 、…

 [ はくはくと 口が動いたのは、分かって。
  でも 声が出てこなかった。
  
  自分が今、何をされたか、…じゃあ ない
  何を"してもらったか"が、
  やっぱりよく分からなくて、

  覚えているのは、
  縋り付くみたいに抱きしめた、
  私 の、 唯一の誕生日プレゼントと
  やがて去って行く おにーさんの車* ]
 



 [ あの世界にいて、
  唯一生きる理由があるとすれば
  
  あのおにーさんに一言、
  伝え損ねたことがある言葉がある、こと。
  だからこそあの後、私は立ち上がれた。

  だけど 世界というのは広いもので、
  あれ以来、いくら探しても見つからないし、
  腹立たしくも、探すのを諦めてしまったのは。  
  父が再婚するという理由で、
  新しい母への体裁を気にして
  あのよぅく目立つ金髪を 黒に染めてしまった時。

  その 言葉 は、* ]
 




    ──………… あり が とう、

 



 [ 嘘だ って 最初は思った。

  だって私はあの人を"おにーさん"と認識していたから
  そもそも選択肢から外れているわけだ。
  シーシャが私のシュシュを見て、
  まさか?と思ったことも知らない訳で。

  だから 少しずつ話される、
  何時かの日の出来事が耳に届いて、
  それを理解していく度に、
  私は 段々 ぽかん、と して

  やがて絞り出すみたいに 告げた。 ]
 



   ずっと言いたかった、私、
   ……初めての、私の プレゼント、
   
   なんでシーシャ おねえになってるの、
   そりゃ、見つからないわけだよ…

 [ 力の抜けた笑みを浮かべて、
  あれはヤンチャしてた頃の私です なんて
  恥ずかしくて言えなかったから、
  遠回しの、だったけれど。

  あまりに波瀾万丈な七日間だったから、
  その パートナー、だったから
  分かってくれる、かな。

  伸べられた手に乗る、何時かの青色を
  指先で摘まんで 再び私の手に戻す。 ]
 



      ……最後に 言えて良かった。

       [ ぽつん、と 呟き* ]
 


― 少し前 ―

[ノイズの大本らしきところを見つければ、丈司の方をちらと見る。
 それと同時に自分を呼ぶ声。頼る――いや、任せたという、意思を持った言葉]

 ――任せて?

[もうへまはしない。だって、一緒に帰るんだから。一緒に生きるんだから。
 
 丈司の頭に手を優しくぽん、と置いた後、振り向かずに大本の仁へと駆けていく。
 あたしは、前だけを見ていればいい。後ろは、あの子が守ってくれるから]


[進行を邪魔するノイズのみを沈め、陣の壁のもとへ。
 もちろん、そこまで到達するのに自分の力だけでは無理なことはわかっていた。
 己の背後で咲くサルビアの花は、なんと雄々しく、美しいことだろうか]

 ―――……

[生への約束、想いは鋼に代わり、障壁となるものすべてを打ち砕く。
 硬質化した脚はそのまま陣の中央に延ばされ、壁ごと貫き、ノイズごと葬り去られたことだろう]*


メモを貼った。



[ 問いかけてみたけれど、
 確信なんか全然なかった。

 ただ、同じ物を持ってた、
 同じ年頃の女の子で、
 …… その持ち主を知らないってだけで。

 
 でも、振り絞るな声で告げられたお礼に、
 ようやく、あの日の少女の姿が ―― 重なった ]
 




   いや、ちがっ ……
   あれその …… 事情があって!
   アタシは最初からこうだったの!


[  笑みを浮かべて言うものだから、
 思わず口を出る弁解めいた言葉。

「 道路に転がってて危なそうな人だったから、
  身バレしたくなくて演技しました 」

 なんて、言えるはずもない。
 それに、男口調で話したのが知られたの、
 …… 恥ずかしいし。

 金髪のあの子がアナタだって、分かったけど、
 アタシの事も、どうか内緒にしててね ]
 



[
 それから、零された呟きに“最後”を知る。


 ―― リョウ、が。
 消え去ってしまいたいと願っていたこの世界に
 それでも居た理由が自分にあったなんて、勿論知らない。

 でも、それも達成された。
 あとは来るべき時に、別れを告げるだけ。
 それで彼女との七日間はお終い。

 そうして二度目の喪失を迎えて、
 彼女の望み通り、彼女を忘れず生きていく。

 そうしようと、決めた ]
 





[ ―――― はず、だったんだけど、な ]


 





   …… あのね、リョウ。

   アタシも誕生日なの。明日。


[ ぽつり、零す。

 多分、と付け足したのは、
 繰り返されるゲームの中で、
 今日が“いつ”かがよく分からなくなったからだ。

 死んだ日の翌日が、その日、だった ]
 





   でもね、アタシの家族、みんな死んじゃって、
   祝ってくれるのはダイレクトメールくらい。

   だから、一人でいいお店行って
   美味しい物でも食べようかなって思ってたのに、

   お金、アナタのドレスに全部使っちゃったわ。


[ しかもそのドレスももう使い物にはならない。
 死んだからいいや!って散財したけど、
 生き返れるとなったら話は別だ ]
 




   生き返っても、アタシ、
   独りぼっちで、何もない寂しい誕生日よ。

   だから …… だから、リョウ。

   アナタに使ったドレスの代わりに、
   アタシの誕生日、祝って頂戴。

 



[ 彼女の願いを一つも叶えられないから。
 彼女の人生の責任も負えないから。
 だから無責任に彼女の手を引っ張れない。

 ―― そんな“大人”な思考は引っ込んだ。


 あの日、道路に転がっていた少女が、
 目の前にいるリョウと知ったから。

( ひったくるように、
  プレゼントを抱えた彼女の姿が目に焼き付いて )

 孤独な少女を、孤独のまま終わらせたくないと
 思ってしまったから ]
 


[手が伸ばされようとしていた事すら知らないのは盗られてしまったからこそだろう。
だが、同時に、嘘だとかを気にせずに誰かと距離を詰めようとできた所以でもあった。
だからこそ、先生が負い目を感じるならば、それは本来青年自身も感じるべきものなのだ。

  (誰も“自分”を掬い上げてはくれないと。
   声を上げもしなかったのに、勝手に思っては、
   如何しようともしなかったのだから。)


そうして、先生がその先行きごと手放そうとした事を、未だ、半ば夢心地の青年は知らないのだ。]




   プレゼントなんていらないから。
   明日、おめでとうって言って。
   生き返って、祝って。


[ まるで“子供”の我儘だ。

 だけど、もうそれくらいしか
 彼女を引き留める術を知らなくて。

 下がった眉と不安げな目で、
 きっと情けない表情になっているだろうけど、
 それでも真っ直ぐにリョウを見つめた ]*
 


[響き渡る硬質な物の砕かれる音。

瞬間、蒼い光が走ったかと思えばすぐに陣は活動を停止し無残な破片へ変わり果てた。
もうこれで西エリアからまっくろなノイズが発生するという事もなくなるはず。]

…やった!

[その様を見届ければ
頭上に咲き誇るサルビアを揺らしながら少年は彼女のもとへ駆け寄っただろう。*]


メモを貼った。


ー 北エリア・浄瑠璃公園 ー

[さて、桐生との話が終わってから暫く経った今
オレ達は桐生の提案で浄瑠璃公園まで来ていた。

道中?いやー色々あったぞ。
九想屋前でオレ達を見てた死神はよく分からない言葉混じりになんか言ってて、桐生がそれを要約してくれて漸く理解したり
その死神がまさかのサメ型の黒いノイズに飲み込まれる衝撃的な光景を見てしまったり
公園まで付かず離れずで桐生と向かったりがあった。
抹茶ミルクの飴もらったりもしたな。

こう言うとなんでもないように聞こえるけど
実際はもっと大変だった。
死神を撃退したりノイズ倒したりしながらだったから。

オレがダッシュやらジャンプで注意引きつつ攻撃避けて桐生が氷の槍で応戦するスタイル。
桐生が危なくなれば腕掴んで桐生ごと避けたりもしたから、足は結構酷使してたけどまだ平気。]


[そうやって移動してる途中で意識途切れたから、その時に次の日になったのかって思ったけど
脱落する前と違って疲労感が完全には回復してない気がする。
痛くはないが、膝の違和感が抜けきっていない。
気になる事があるとすれば……]

(更に君悪くなってんな、バッジ教
ノイズもなんか羽生えてんのいるし……)

[そう、その2つぐらい。
バッジ教というのはオレが勝手に考えた名称。
だってそう名前付けたくなる事言ってるし、オレにはもう訳が分からない。]

だよな、真っ直ぐじゃないから色々あるんだし
世界がすばらしいか決めるのはオレら個人だしな
正しいかなんて決めんのも変……てか無理だろ

[小さく口にする桐生に、オレもボソボソっと返す。
呆れた顔して話してるのはまぁ気にしないでほしいが、実際よく分からないやら本当に少し呆れてるやらでそうなってるから……まぁね?]



ノイズ?確かに数多いし形も……

[そこまで言いかけて目に入ったのは、前に来た時は見かけなかったと思われる謎の黒い紋様。
しかもそこからカエル型ノイズが出てくるもんだから
オレの腕を掴む桐生と草陰に隠れて避難。
その後もペンギンにカラスに……あれ、ドンドン湧いてきてないか?
なんて思うけど、オレは割と冷静にその様子を見てた。
桐生の手が少し震えてるの気付いたから、オレまでビビってちゃ笑えないだろ?]

……そうかもな、あの感じだと

[相棒を見れば、オレを見て頷いて
何も言わず氷の槍を託してきた。
言葉はなくても言いたい事は分かったつもり。
ド真ん中ぶっ刺してくると伝える代わりに
ニッと笑ってみせて、草陰から飛び出した。]


お前らの獲物はここだぞノイズ供!!!

[クマの凶悪な爪による攻撃は当たる寸前まで
ペンギンの体当たりはぶつかるギリギリまで
カラスはちらちら気にしつつ
カエルはすっかり慣れたから他のノイズとの連携にだけ注意して
他にも色々いたかもしれないけど、とにかくどのノイズに対してもギリギリまで引き付けてから避けていく。

早めに避けられない訳じゃないけど
相棒の元に少しでもノイズが近寄らないようにするのと
相棒が攻撃を当てやすくするの為に乱しすぎないようにする目的があっての事。

だから、そこらにいたノイズ達の注意を粗方引き付けられた時
ノイズ達の間をシュバッと抜けて
託された氷の槍をしっかり構え……]


消え失せろやああああ!!!

[勢いそのまま、謎の紋様のド真ん中に氷の槍をぶっ刺した。
桐生が放った分も命中していたおかげか
一瞬バチッと軽い電流が流れるような感覚の後で紋様が消えていく。]

はぁ……消えた……! 消えたぞ桐生!!

[つい成し遂げた感動でそう叫んだオレだけど
既に湧き出てた分の残党がまだいたかもしれないからとすぐに気持ちは切り替える。]

『残ってる黒ノイズどうする?
オレはまだ動いてられそうだけど
桐生がキツいようならどっか移動して休むぞ?』

[桐生の傍に行って直接声を掛けに行くとノイズまで連れて行く事になると思って、テレパシーで確認。
残党狩りするならさっきまで同様にノイズの注意を引いておくし
休むとなれば、ダッシュで桐生の腕を掴んでノイズがなるべく少ない場所を探しつつ公園から逃げるつもり。*]


[壁の一部が崩されたビルに目をやる。
恐らくは廃ビルだったのだから多少破壊したところでそこまで問題もない…だろう。

それよりも問題なのは]

…もうこれで、不思議な力はなくなったんだよね

[今ではコンクリートの破片へと成り果てた物をひとかけ拾う。
黒い紋様の一部が描かれているそれを手の中で回しながら眺めてみるが特に何かが起きる様子もなさそうだ。
完全に力を失ったのだろう。

それでも何かの役に立つかもしれないと、欠片をポケットへ仕舞いこんでおいた。*]


メモを貼った。



 [ 結論 から、言うと。
  ……数分、黙っていた。
  視線の先には、ローファーの爪先があって。

  ……なんで、って。

  最後の言葉、未練も残さず消滅できると
  さようなら、が できると。
  …後悔のない選択をしたと、
  そう 言えたはずなのに。

  シーシャが、ふと
  誕生日のことを言うものだから、 ]
 



 [ ……語る様子が、あまりにも。
  何時かの私に、そっくりだったから。

  私は 明らかに困惑して しまって。 ]
 



   ………う、うー ん、
   でも、…わたし は、あの家に、戻りたくないし、
   怖いよ、もう
   あの人が 見てくれないの 嫌だ。

   ………、
  



 [ ……咄嗟に出た、けれど、
  躊躇いがちな答えは、本当。

  だけど たん、たん、
  ローファーが地面を叩く。
  
  私を抱く蛇は、また ぎゅうと力強くなって、
  ( …私よりよっぽど感情豊かだ、 )
  結構な間、黙った。

  ……あのね、きっと、
  たとえ、一度は生きる理由になっていたとしても、
  私たちは、この場において平行線なんだと思う。
  
  決して相いれない考えの中で、
  選べるとしたら、きっと "真ん中"。 ]  
 



   ……一年に 二回。
   私の誕生日と、シーシャの誕生日。
   その日だけ、生き返ったシーシャに会いに行く。
   
   ………それが、譲歩できる、最大限。
   
 [ 指を、二本立てる。
  それがどんな意味であるかだなんて、
  この世界で生きてきた貴方になら、
  きっとわかるでしょう。
  
  生き返ること、消滅すること。
  もうひとつ、初日まで戻って
  喪服のあのこに聞いた、選択肢。 ]
 



 [ ……その選択肢を、
  考えなかった、訳じゃあない。
  要は"向こう"でいなくなれば、
  めでたし、ハッピーエンドなのだから。

  選びたくなかったのは、
  私がそうなってしまったとして
  たったひとつだけ恐ろしいことが、あった。
  それだけ。 ]
 



   ── でもね、それを選んだと、して
   盗られたものを取り返せるかわからないし、
   きっと無理だと、思う。

   …もうね、私 わからないんだ。
   何をなくしたのか、忘れてるの。
   だんだん 消えていく、から。

   だから、きっと、
   文字通り人じゃなくなっていく と、思う。
   それが、少し 怖い。
 


[周囲の安全が確保できたところで休憩をはさもうと言ったのはどちらからだっただろうか。
壁に背を預けながら腰を下ろし一息つく。

まっくろノイズと陣の問題は一旦解決したものの、周囲に見える生きている人間は相変わらずの様子で

この現象がミッションと関係しているというのなら、
まだ生き残っている参加者がどうにかするしかないのだろうか…。

だとしても、今生き残っているのは何組程か。
その中に自分の知っている顔はあるのだろうか。]



   ── でも、
   その日だけは、会いに行くから
   私がどれだけぼろぼろになっても、
   あの日より死にかけたとしても、
   
   絶対、生きるって、
   おめでとうって言う為に戦うって、
   …約束するから、
   …その日は、シーシャ、お願い。
 



 [ ── 何時か私を救ってくれたように、
  そんな 囁き一つ 落として。

  ……結局私も我儘だったんだ。
  でも、本当に、さ。
  本当にもう、未練はないんだ 私。
  たとえ誕生日を祝うために生き返っても、
  他の日のことを延々と考えてしまう愚か者。

  …だから、これが限界だった。
  ふたりぶんの我儘の、真ん中。
  歩み寄れる最大限、が きっとこれでしょう。
 
  不安げな瞳とは反対に、
  シーシャのことをじっと 見据えた* ]
 


[ハッとした顔で隣に腰を下ろす彼女へ視線を向け。

頭を寄せる形でもたれかかりながら彼女にのみ聞こえる声で返しただろう。

「そうだね」と。

今ここで自分が悩んでいてもしかたがないのだ。
まずは自分達が無事に生きる権利を得る事。
そして彼らが生き残り、再びまたどこかで会える時がくるなら…。

その時はゆっくり話をしてみよう。
今回の出来事を。これまでの生を。これから歩む希望を。]


─ →北:浄玻璃公園 ─

[そう、人の数だけそれぞれの想いがあり
 それだけ正義の形も変わるのかもしれない。
 大多数が決して絶対的な正義でもなく
 少数が悪と言うわけでもない。
 だから、彼の言う通り無理なのだ。
 何が正しいかを一括りに決めてしまうなんて。
 全ての歪みを正すことなんて。
 それは即ち、死の世界なのかも知れない。
 二度死んだ今この時点よりも更に深い、
 それこそ消滅後の世界。
 それを思えばぞくりと肚の底から冷える気がしたが
 相手の手を握り、震えをその時は誤魔化せた。
 そして、相手の言葉に頷いてみせたのである]


[そして見つけた精製陣。
 そこに近づく事は危険だったのかも知れない。
 しかしそれに襲われ、死神すらも喰らわんとする
 その精製陣を放置しておけなかったのは
 自分も、彼も、一緒だったのだ。
 だからこそ、彼に氷槍を託し、
 その頼もしい笑顔に此方もニッと白い歯を見せる]


   ……ったく、無理すんなよ!!


[大丈夫、彼が共に動くなら。
 そう自身を鼓舞しながら、彼のひきつけたノイズを
 地面から氷槍を生やして天空へと突き上げる。
 大型のノイズはそれで一度天に舞い、
 地面に叩きつけられた所を
 その真上から地面に縫い付け足止めし、消滅させ。
 空を舞うノイズには氷槍を射出しその翼を狙い
 接近してきたノイズには迎撃の形で氷槍を見舞う。
 辺りにキラキラ、氷の欠片が舞い散って、
 陽の光に煌めいて場違いに美しく感じる。
 相棒に氷槍が当たらないように、
 それでいてノイズ達が彼の邪魔をしない様に。
 牽制し、迎撃を繰り返していたさなか]


   やれええええ!!豊原!!!!


[相棒の叫びに追って被せる様に叫んだ。
 バチッ、と辺りを震わせる何かの音が聞こえ、次いで
 相棒の喜びの声が聞こえて顔が綻ぶ]


   やったな豊原!
   これで、闇色のノイズはここからは……?


[休憩を取る間

もしかしたら何かを探す狐が近くまできていたかもしれないが、気づく事はできただろうか。
もし気づいたとしても、二度目の死のきっかけを思えばその姿に警戒をしたのかもしれない。*]


[あと、どれくらいのノイズが残っていただろう。
 大体は弱らせた。ぜ、は、と肩で息をし
 冷え切った指先を喉で温めながら目にしたのは
 闇色ではない、ノイズ。
 こちらをジィと見つめては、近付いてくるそれ。
 手にした氷槍で地面に縫い付けたクマの頭を
 ブチ抜きつつも視線で追えば、一声鳴いたか。
 闇色のノイズ退治をしていると言うのに駆け寄って
 そして離れて、またこちらを見てる]


『……あいつ、呼んでるみたいだ。
 なんかの罠か?
 それとも……助け、呼んでる?
 こいつら、死神も襲ってたし、もしかして』


[死神の誰かを助けようと?
 そもそも、そんな仲間意識が
 ノイズと死神とに成立しているか否かなんて
 男は知る由もない。
 しかし、死神もまた襲われていた現状に]


   ……あいつ、追ってみよう。
   いざとなったら、俺連れて脱出、な?
   俺はまだ大丈夫だから、お前も無理すんなよ!


[そんな風に相棒に声をかけて、狐を追いかけ
 走り始めたのだった。
 追ってくる残党が居たなら、氷槍を射出し牽制し
 そのまま、足先は南へと]*


メモを貼った。


メモを貼った。


─ →南:黒の精製陣 ─

[狐に誘われるままに、相棒と共に
 サイガワラ区の反対側、南へと連れてこられ
 その最中にも闇色の雑音は遅いかかってくる。
 死神の数自体は、少なくなっている気がするのは
 気の所為だっただろうか?

 此方に襲いかかってくることはない狐。
 それが導く先は何か、と
 雑音をいなし、滅し、時に避けて逃げ出しながら]

   大丈夫か、豊原?
   ………無理はするなよ。

[それは、互いに言い聞かせていた言葉かも知れない。
 やがて先に男が目にしたのは、
 公園で見かけたものと同じか似通った紋様。
 闇色の雑音が生み出される様。
 そして]


   …………あいつ…………ッ!!!


[視線の先に、二人の死神。
 ギリ、と奥歯を噛み締め其方を睨みつけるものの。
 また生み出される闇色ノイズ。
 しかし、自身と相棒の仇に近づくには
 どうしても、その精製陣が、邪魔で。

 邪魔で、雑音も、雑音を生み出す精製陣も!]


   このぉっ、砕けろぉぉぉ!!!!


[怒りの咆哮と共に陣の真上に精製されたのは
 巨大な氷柱を思わせる氷の槍。
 それは、精製陣目掛けて真っ直ぐに落ちていき
 そこから今まさに生み出されようとしていた
 闇色の雑音をも巻き込んでバキバキと砕けながら
 その紋様を切り刻んで行く。

 バヂッ!!と、辺りに放電した様な音が、響いた]**


[
  (短い短い華の命。
   散る間際まで、満足の行く生であったのか、
   それすら見る事を赦されない個々の華。

   なれば、その刹那くらいは、
   儘、真白に彩を乗せられたなら、と。)


仄かに疵の名残は感じながらも、
降参宛らに振られた手と言葉と、余りにも己に正直であれたものだから、夢と思ったまま。]

 だとすれば、君が消えなくて良かった。
 恨むと同時に、空虚を感じただろうから。


[立ち上がっていた君の下駄が、軽く音を立てた。]


メモを貼った。


メモを貼った。


 
 嗚呼、余りにも忙しくて、
 静寂とは当分無縁だったから。

 今日一日くらいは赦されて善いだろう、て、

[明朗に笑うその姿を、眩しげに目を眇めて見上げたなら、腰を起こして立ち上がる。
招く君の横に添って、“行き当たりばったり”に付き合ってくれるらしいのに笑って返せば、はにかむでもなく言われた言葉に頷いた。]


 ……私の事?
 はは、そんな事で良かったら。

[それから、尚も行き当たりばったりを続けるように、「気になった道を適当に選んで行くでは駄目か、」などと言った。]*


メモを貼った。


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