219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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[―君は、あたしの何だったのかな。
問われるだろう内容について、大方予想はついていた。
だったら、後はそれを彼女に答えるのみだ。
一度こくりと頷き、すぅ…と息を吐く]
まずぼくについて、簡単に自己紹介させてもらうね。
ぼく、赤根丈司は比良坂第三小学校の6年2組。図書係
そのぼくが何でパティさんの事を知っているか、だけど
答えはパティさんの弟も同じ6年2組のクラスメイトだったからだよ
[さぁ、彼女が忘れてしまった弟という存在を示せば
彼女はどんな反応を見せるだろうか*]
[返ってきた答えは、空いてしまった隙間に埋まらんとする事実
図書係。そういえばこの子にあった時、彼はカバンの中に大量の本を入れていたっけ。
読むの?と聞いたら、上ずった声で返事をされたはず。
………あの時、この子の隣に、誰かいた?
それが、あたしの……弟?]
弟、の、クラスメイト。
[そうなると、自分には9歳下の弟がいたということになるのだろうか。
その瞳は真剣で、嘘をついているようには見えない
自分はその、弟、が大事だったのか。あの死神が言っていたエントリー料として選ばれるほどに]
[丈司から弟の存在を聞かされても、思い出すことはないのだけれど。隣にまた来ることもないのだけれど]
………そ、っか。
[あぁそうなのか。あたしには弟がいたのか。
亡くした事実が、言葉上でしかないにせよ、戻ってきた]
……ねぇ、その、あたしの……弟、はいい子だった?
あたしに似ていたのかな?
[エントリー料として取られたのなら、このゲームに「勝利しない限り」戻ることはないのだろうけれど。
どうしてか無性に、あたしの「弟」について聞きたくなった。
丈司から弟の話が出るのなら、そのたびにどこか心が温かくなるだろう]
そっか……そ、か。
あれ? ………あれ?
[優しい声で紡がれる「生前の」話を聞いているうちに、ぽろぽろと、涙があふれてきた。
弟について今の自分が思い出せることはないのだけれど、身体が覚えているということなのだろうか。
涙の理由は、今の彼女にはわからないが、おさまることを知らずに、ただ、はらはらと流れ落ちる。
小さなこの前で泣き出すとか、恥ずかしいのだが、丈司はどう対応しただろうか]*
…うん!
図書室まで本を運ぶのを手伝ってもらった事もあるし
僕の知らないお話、いっぱい聞かせてもらったんだ
[それは彼の母国の事だったり、その風習だったり、]
それに、自慢のお姉さんがいるってお話してくれたよ
[聞いた後で慌てて、恥ずかしいからここだけの話な?と彼に口止めをされていた気はしたが、こちらは一度死んでいるし勝手に時効という事にさせてもらおう。
もし後にばれる事があれば、その時に謝らせてもらえばいい。
それはぼくも彼女も生き返る事ができたという意味である以上。
だから今は語ろう。ぼくの知る限り、彼女が求める弟の話を]
[語り続ける中、涙を浮かべる彼女の様子に
少年はハッとするもすぐにやわらかい笑みを浮かべ
背伸びをしても彼女の涙を拭ったり頭を撫でる事は叶わないので、代わりに優しく手を握り告げる]
…大丈夫、今は好きなだけ泣いてもいいからね
だけど、落ち着いたら…また歩きだそっか
大事なものを取り戻す為に。また、一緒に戦おう?
[その為にぼくが、パートナーがいるから。
その後彼女が落ち着くまでの間、少年は彼女に寄り添っただろう*]
――…あぁ、もう、本当に
泣き虫だなぁ、と思う。恥ずかしいや。
でも、ね。今は、いいよね?今は、死んでるんだもの。
[小さな、けれど健気なナイトに、膝をついて、そのまま抱きしめた。
彼の肩が涙で濡れてしまうだろうけれど、気にしない。
強く強く抱きしめて、頭を優しくなでる。
この感覚は、やっぱり体のどこかで覚えている……おそらく、弟を抱いたときのもの、とは違うのだけど。
負けないくらい暖かくて、心を震わせる]
ごめんね。ごめん。
ありがとう、本当に。
[涙声かもしれなかったけど、心からの言葉を告げる。
己の肉体の喉を震わせて、きちんと彼の生きた耳に自分の声を届ける]
二人で、あたしの弟に会いに行こう。
あの子、きっと、待っててくれるよね。
[こんなに小さな体でも、一生懸命あたしをパートナーと慕い、守ろうとしてくれた子のために。
生き返る意味を与えてくれた子のために。
止まっていた心が、トクン、と動き出す]*
[抱きしめられればされるがままに。
肩が濡れていく事を気にする様子もなく]
きっと、待っててくれているよ
それから三人で、どこかおいしい物を食べに行ってみよう?色んなお店をたくさんまわって…
博物館で記念写真を撮るのもいいね
[彼女の全てを受けとめよう。そして希望を紡ごう。
これからの道が大変なものだったとしても、それでもまたみんなのいる懐かしい未来へ戻れると信じて*]
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― 4th day/浄玻璃公園 ―
[ 少し離れたところで顔見知りの参加者と RGの少女が交わしていた会話には気づかず>>381>>384
ベンチに腰を下ろしたまま、 暫くそうして小さな上司との会話>>@150を 続けていただろうか。 ]
それじゃァ、よろしくなァ?
[ そう言って電話を切ってから、ふぅとため息一つ。 あの黒猫共はどうしてるだろうなァと立ち上がると ]
「……おい」
[ そう声がかかるのと同時、数人の男たちに囲まれる。 ぱっと見の年齢はバラバラだが、 その半数がわかりやすく武器を手にしている。 ]
(@153) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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…サブミッションかァ? 今日はもうバッジは…
[ ねぇよと、そう此方が話すより早く、 鉄パイプを手にした男がこちらに振り下ろされる。 ]
「ぐ…っ!?」
[ 振りおろされた鉄パイプが此方に触れることなく 見えない力で止められているのを見て、 男たちが顔色を変える。 ]
(@154) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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…なあ、俺は人間の喧嘩のあれそれはよく知らねぇんだ。
自慢じゃねぇが、生きていた頃は暴力とは程遠い生き方をしていたんでなァ。 とはいえ、こいつぁいただけない。
[ 全くもって、面白みにかける。 そして何より、今の俺は虫の居所が悪い。 なんつーか、運のない連中だなァ、おい。 ]
(@155) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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[ そこまで考えてふと思いついたことがある。 ]
――…なァ。
[ 鉄パイプを振り下ろしてきた男の胸ぐらを掴むと そいつの顔を此方に引き寄せる。 ああ、わかるやすくていいぜその顔。 “死”が眼前に迫った人間らしい、 実にいい顔をしている。 ]
今回のゲームは特別らしくてなァ。 なんでも『敗者復活戦』があるんだってよォ?
[ 耳許でそう囁いてやれば、さっきとは別の意味で 男の顔色が変わった。 ]
(@156) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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なんでも『強い魂』ってなァ、 UGで死んでも簡単には消えずに残るらしいぜ。
[ さて、ここでひとつ、問いかけるとしよう。 サブミッションじゃねぇから報酬はねぇがな。 ]
(@157) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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――アンタは『強い魂』か否か? 俺に教えてくれよ。
[ 男の胸ぐらを掴んでいた右手を、 トンと胸元に置けば…そのまま、勢い良く後方へと男の身体が吹き飛んだ。 仲間二、三人を巻き込んで転がっていく身体。 その手から落ちた鉄パイプを手に取れば。 ]
別に、他の連中が応えてくれてもいいんだぜ?
[ ……まぁ。 一番手っ取り早い確かめ方は、 一度試しに殺しちまうことなんだけどな? ]
(@158) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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……あーァ。 ここの連中は違ったみてえだなァ?
[ 残念、と鉄パイプ片手に小さく肩を竦めてみせる。 ]
…。
[ 折角だから、他の連中でも試してみるか。
できるだけ、戦い甲斐のありそうな、 残っても、なお此方に向かってくれるような、 そんな意思のもってそうな魂に、 まずはふっかけてみることにしよう。 ]*
(@159) 2017/06/18(Sun) 20時半頃
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[ 公園を出てから、 手頃な参加者を見つけては声をかける。
黒い翼さえ隠さなければ、襲ってくる魂が 一定数いるというのは便利なもんだ。 とはいえ、さっきの公園のときと同様、 それらしい奴らにはなかなか出会えない。 ]
……はっ、わけわかんねぇ。
[ 死にたくない死にたくない…!と、 ついさっきまで泣き叫んでいた若い女だったそれを 見下ろしながらぽつりこぼす。 ]
(@174) 2017/06/18(Sun) 22時半頃
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[ 公園から持参した鉄パイプを肩にかけながら、考える。
――『死にたくない』『生きたい』
繰り返されるこのゲームの中で、 幾度となく同じ言葉を聞いてきた。 何度も何度も、繰り返し。耳にこびりつくくらいには。
そしてその言葉を口にした連中の殆どが、 その願いを叶えることなく死んでいったのも見てきた。
命の重みは、決して平等なんかじゃない。
それでも「死にたくない」奴らが死んでいって、 生きていくのを恐れるような奴が生きているというのは ――…ああ、やっぱり理不尽だよなァ。 訳がわかんねぇよ、ほんと。 ]
(@175) 2017/06/18(Sun) 22時半頃
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─ 4th day/ジョードデンキ前 ─
[ さて、次はどこへ行こうかと。 特に行く宛もなく中央エリアから東方面へと 歩みを進めていけば――、
――鮫が、跳ねるのが見えた。>>@165>>427 ]
(@176) 2017/06/18(Sun) 22時半頃
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――よお、お嬢さん! なぁ、俺と遊んでくれねぇか?
[ 赤黒く染まった鉄パイプを手にしていなければ 完全に軟派の体である。 が、そんなことを気にするようなタチでもない。
鉄パイプを持った手とは反対側の親指を くい、と下に向ければ 彼女の手にした“お姫様”のアンブレラが 鉄の塊のように急に重みを増しただろう。
彼女は怯んだだろうか? それとも咄嗟に何かしらの行動をとったか? なんにせよ、力を行使するのと同時、 タンッと地面を蹴り上げて、彼女との距離を詰める。 ]*
(@177) 2017/06/18(Sun) 22時半頃
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他の奴らじゃ、つまんねぇんだよ!!
[ 聞こえてきた男の声>>454は、 おそらく彼女のパートナーだろう。
ちらと視界の端に声の主を捉えれば、 水の球が二つ…いや三つか。 飛んできたそれらをタンッと 更に強く地面を蹴り上げて避ける。 ]
(@178) 2017/06/18(Sun) 23時頃
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[ 避け切れたとはいえ、 今の攻撃はなかなか危なかった。
…ああ、悪くない。 どうやら楽しめそうなのは、 あのお嬢さんだけではないらしい。]
そらよ!!
[ 一度立ち止まって男のほう鉄パイプを一薙ぎ。 斥力の波動が男を後方へ吹き飛ばそうと迫り来る。 ]
(@179) 2017/06/18(Sun) 23時頃
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そいつぁ悪かったなァ。 ナンパなんてしたことねぇからわかんねぇし。
[ >>458素っ気ない言葉に二ィと笑みを浮かべる。
一瞬驚いたように見えたものの、 すぐに体制を立て直して反撃に移る彼女。
ああ、これはアレだな。 “喧嘩慣れしてる”って奴だ。 ]
(@180) 2017/06/18(Sun) 23時頃
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アンタ、可愛い格好してなかなか強そうじゃぁないか?
[ 最初に感じた違和感は、 閃くスカートから覗く赤色>>458 それに構うことなく此方に駆け寄って距離をつめる姿に ほんの少しの違和を覚える。
裂けた右脚に構わず、手にしたアンブレラで 此方の腹を突こうとする彼女に。 咄嗟に半身を逸らして回避すれば。 ]
(@181) 2017/06/18(Sun) 23時頃
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――そらよ!!
[ 手にした鉄パイプの質量を“力”を使って増大させる。 一見普通の鉄パイプに見える、 その見た目よりも遥かに重い一撃が、 彼女の手にした傘へと目がけて振り下ろされる。 ]*
(@182) 2017/06/18(Sun) 23時頃
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なんだ? お嬢さんって呼ばれるのは嫌いかアンタ? なら、なんて呼べばいい。
[ >>477名前なんて、 自分のものも他人のそれにも興味はない。
ただ不便がなければそれでいいから、 呼ばれたい名前を聞いておく。
聞こえてきた舌打ち>>479 彼女が手にしたアンブレラを引こうとしたときに ちょうど此方の一撃が当たる。 ]
(@186) 2017/06/19(Mon) 00時頃
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[ 此方としてはてっきりアンブレラのほうが サイキックの具現だと思っていたので 手応えの無さに一瞬虚を突かれる形になった。
だがそれ以上に此方にとって予想外だったのは。
今の一撃で赤くなった肌の色だったり>>479 辺りに飛び散った血の赤の鮮やかさだったり、 彼女の右脚の下に僅かに出来た血溜まりだったり>>482 ]
……なァ、アンタまさか…
[ そこから先の言葉を紡ごうとして>>481 二匹の蛇が、此方目がけて飛びかかってきた。 ]
(@187) 2017/06/19(Mon) 00時頃
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…ッ。
[ 避けようとしても、間に合わず。 鉄パイプを持った右手がギリギリと絞めあげられる。 …はは、こいつは予想外だ。 ]
縛られるのが好きかって? …別に、好きでも嫌いでもねぇなァ。 人間なんざ、大なり小なり見えないモノに 縛られてるもんだ。
[ 望む望まざるに関わらず。 自分の“せかい”に他人がいる限り、 それはきっと、変わらない。 ]
……アンタも、そうなんじゃねぇのか?
(@188) 2017/06/19(Mon) 00時頃
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[ カマかけ半分、本音半分。 そうしているあいだにギリギリと締め上げられた右手が 赤黒い色合いに染まり始めてきた。 力が入らなくて、カラン、と その重さに見合わぬ軽い音を立てて地面に転がり落ちる。
腕に痛みが、ないわけじゃない。 だが、此方の口許には自然と笑みが浮かぶ。 ――…ああ、やっぱり楽しい。 この高揚感だけは、やっぱりどうにも抗い難い。 ]
なあ、アンタのエントリー料ってさ…。
[ なおも問いかけようとしたそのとき>>484 ]
(@189) 2017/06/19(Mon) 00時頃
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…ッ、
[ 横薙ぎに迫ってきた水の大鎌。 咄嗟に回避しようとするも、蛇に縛られた状態では 完全には避けきれず。 頬に一瞬、熱いものが疾った。 その熱は瞬く間に冷めて、頬を赤いものが伝う。 ]
――って、うぜぇんだよ!!!
[ 別に顔を傷つけられたことに 怒ったわけではない。 単に聞こうとしたことを邪魔されたことに 腹を立てただけだ。
縛られていない左手を男の前に翳して 斥力で作られた見えない壁を展開するのと、 此方を縛る蛇の力が緩んだのはほぼ同時。>>489 ]
(@190) 2017/06/19(Mon) 00時頃
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[ 一瞬、出来た僅かな隙に。 ]
…。
[ 地面に落とした鉄パイプを手にとると、 ――…彼女に向かって力いっぱい振り下ろした。 ]*
(@191) 2017/06/19(Mon) 00時頃
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