270 「 」に至る病
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[今度こそ、これだけは譲らない。 こういう時の僕が頑固なのは、知ってるはずだ。 いつも飄々と笑っている蒼佑が本気で戸惑っている顔を、じっと見上げて待てば。>>11
長めの沈黙のあと。 その目からまたぽろりと零れる雫に、ぎょっとした。]
……泣くな、ばか。 地獄に行くからって途中で手を離したら ゆるさないからな。
[変なところで遠慮しそうな男に釘をさしつつ。>>13 顔を伏せれば、さっきから視界の端にちらついてしょうがなかった赤を舐めとっていく。 乾きかけの部分から少し袖をめくって、塞がりかけの傷痕まで丁寧に舌を這わせながら。
頭上から聞こえる声に混ざる吐息に。>>14 ぞくりと犬歯が疼く。
このまま肌に突き立てたくなる衝動を堪えたのは、咬むのを躊躇ったわけじゃなくて。 職人の蒼佑にとって腕は大事なものだから。]
(26) SUZU 2019/10/14(Mon) 22時頃
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[久しぶりになる食事。 熟れきった甘さに、喉が満たされていく。
けど、まだ足りない。
まるで読んだようなタイミングで、蒼佑の声が降ってきて。>>15 腕から顔を離さないまま、こくりと頷けば。 頭を撫でる掌の体温に、とろりと目元が緩んだ。のに。]
(27) SUZU 2019/10/14(Mon) 22時半頃
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[ここまできて、先にシャワーを浴びるという。 ソラを看取るのは当然だし、どうやら一旦落ち着いたらしい蒼佑が無茶をする可能性も低いだろうけど。 文句を言いたいのは、そうじゃない。
僕はぺろりと唇に残る甘い残滓を舐めとりながら、不満げに顔を上げた。>>16]
べつに汗臭いってほどじゃないから、このままでいい。 それに……
[身体を寄せながらほどいた手を肩に乗せて背伸びをすれば、顎下に口を寄せる。 髭がまばらな肌に舌を這わせると、少ししょっぱい味がするけど。]
蒼佑のにおいは、嫌いじゃない。 それなら、問題ないだろ。
(28) SUZU 2019/10/14(Mon) 22時半頃
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[手錠は動きにくいし指輪はなくしそう、とか。>>30 無茶言うな、とか>>-205
相変わらず僕は、蒼佑と一緒になって浮かれたり、呻くような記憶を慰めたりはできそうにない。 それでも、100年一緒に居た分だけ。 どうすれば蒼佑が弱いかは、わかってるつもりだ。
僕の食事の時、紛らわすように吐かれる息も。 終えた後に覗きこんでくる顔も。 何百回と見て来たんだから、知らないわけがない。]
(55) SUZU 2019/10/15(Tue) 01時頃
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[真っ赤になった蒼佑の顔を見れば、口角が微かに上がり。 くつくつと堪えきれず小さく肩を震わせながら、ベッドに腰掛ける蒼佑についていく。
ネクタイやシャツを取り去るのを待ち。 咬みやすいように片膝に跨るよう乗り上がれば、再び肩へ手を掛ける。]
ちょっと痩せたか?
[なんとなく見慣れた身体の厚みが変わったような気がして、呟きながら。 消えかかった咬み痕に目を細めながら、薄く口を開いた。
その時。]
(56) SUZU 2019/10/15(Tue) 01時頃
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…………。 それは、あとじゃだめか?
[おあずけの一声に、また不満げな顔を。>>33 今は少し下にある蒼佑の顔を見下ろせば、大人しく待てをする犬のような顔をしていて。 はぁ、と息をついた。]
(57) SUZU 2019/10/15(Tue) 01時頃
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── それから、 ──
[「恋人」になって、僕の寝室が蒼佑の部屋になり。 しばらくは、また落ち着いた日常がすぎていった。
けれど。 症状を認めてからの進行は、坂道を転がり出した石のように。止まることなく、着実に蒼佑は変わっていった。]
(213) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[日課だったジョギングをやめて、少し筋肉が落ち。 外出の時間が日に日に減っていき。 家の中、ふたりで過ごし触れ合う時間が増えていくにつれ、僕も少しずつ仕事を減らしていった。
工房や家のあちこちにあったガラス細工も、人手に譲り。 とうとう隣の工房も閉まり、ますます坂道を転がる速度は増していく中。
それでも、ソラの散歩の時間だけは。 一緒に行こうと、手を繋いで外に出た。]
(214) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[蒼佑に言ってないけど。 最近また、”彼女”を思い出す。
僕を家という箱庭に閉じ込めた”彼女”と過ごした、十年足らずの時間。 確かにあの頃の僕は”しあわせ”だったし。 そして、今も”しあわせ”だと思う。
だから、僕は全部わかっていながら。 変わってしまい失っていくものから、そっと目を伏せて。]
(215) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[────そして。 ソラが老いて足腰が弱くなれば、とうとう散歩にすら出ることもなくなり。
ある、冬の終わり。 天寿を全うし、ソラも土に還っていった。]
(216) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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── 墓地 ──
[小さな石碑の前。 最期のごはんのように水色のガラス器に水を入れ、首輪の横に置き。 ゆっくりと立ち上がれば、隣の蒼佑を見上げ。]
……ソラを看取らせてくれて、ありがとう。
[次の犬を飼う予定は、もうない。 今はもう、犬より手のかかるかもしれない眷属兼恋人の手を取れば、指を絡めた。
そして。]
(217) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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……蒼佑。
[繋いだ手をすこし引きながら、呼ぶ。]
桜を、見に行こうか。
[もうソラを置いてかなきゃならない心配もないし。 なんて添えながら。
隣の反応を待った。*]
(218) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[久しぶりに晴れた空の下で。>>219 近頃、随分口数が少なくなった蒼佑は、僕の言葉にすら反応が曖昧なことがある。
啜る赤い蜜は、とうに甘く熟れきっていて。 おそらく、いつ朽ちてもおかしくない。]
……蒼佑?
[返事は、ないかもしれない。 もしかしたら約束すら忘れて、置いてかれるかもしれない。 こんなときはいつも、そんな想像をしてしまい。 でもそれを口にする勇気もなくて、黙って眉尻を下げることも多くなった。]
(223) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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おい、どうしたんだ。蒼佑?
[突然頭を振りだしたのを見て、慌ててもう片方の手を伸ばして随分痩せた頬に触れる。 不安と心配で押し潰されそうになりながら見上げていれば、ゆっくりと、落ち着いてきて。
返事が、あった。]
…………乗れるだろ。 僕がずっと隣にいるんだから。
[家にいるのと変わらない、と。 手を降ろし平気な顔を作れば、淡々と答えながら。]
(224) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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[繋いだ手を、ぎゅ、と握る。>>222]
……それ以外何があるんだよ、ばか。
[帰ろう、と家に向かって歩き出し。 蒼佑の手を引いた。*]
(225) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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[墓地から帰ればそこには、二人きりの家があった。>>227
よく、ソラの散歩のために朝のベッドから抜け出す僕を引き止めて、駄々を捏ねたりもしたくせに。 なんでか蒼佑はあまり嬉しそうではなくて。
リビングの隅にぽつんと残された、クッション。 もう少しだけこのまま、と片付けるのを止めた僕と同じ気持ちがそこにあることを願ってしまう。]
(248) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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……蒼佑、おぼえてるか。 モモがはじめてこのうちに来た時、 はしゃいで玄関にあったガラスの置物割ったの。
コンは、なかなか蒼佑に懐いてくれなかったよな。 そういえば、アサギの器だけ変な色だったっけ。
[犬の気配がない夜も。 何もしないでただ眠る夜も、いつぶりだろう。 蒼佑の隣に潜り込んで、うとうとしながらぽつりぽつりと。 思い出話をしているうちに、声に欠伸が混じりだし。]
…………、
[静かに眠りの淵に落ちていった。]
(249) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[祖国に帰るのは、何百年ぶりだろう。 決してそれは比喩ではなく、生まれた街や家の記憶も正直曖昧だ。 わざわざ調べてくれたコーディネーターには悪いが、過去を巡るようなルートは丁重に辞退して。
桜がゆっくり見れる場所、とだけ希望をつけてあとは蒼佑に任せた。その結果。]
見頃なのはいいけど…… こんなに歩いたのは、ソラの散歩以来だよ。
[観光地というには、山以外何もない場所に人気はなく。 山肌一面を淡い色に染める樹を、間近で見あげれば感嘆の息が零れた。]
(250) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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……昔は何とも思わなかったけど、 こんなに綺麗だったんだな。
[ひらり、と落ちてきた花弁を掌で受け止めたなら。]
蒼佑がくれたのと、同じ花だ。 初めて会った時にくれた、ガラスでできた栞と同じ。
[掌を開いて、隣の蒼佑に見せ。]
……あの頃の蒼佑のこと、 なんだこの物好きなやつって思ってたな。
[そっと花弁を風に任せて地に還し。 すぐ隣の”さくら”に手を伸ばした。]
(251) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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でも今は───
傍にいるのが蒼佑でよかった。 そう思ってる。
(252) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[このデートの日程がこの先空白なのも。 こんな辺鄙な場所を選んだ理由も、わかってる。 わかってて、僕はここに来た。]
……僕も、一緒に連れていけよ?
[狂って咲いて朽ちかけた樹へ。 背伸びをして、触れるだけのキスを。*]
(253) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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