270 「 」に至る病
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[あの日、蒼佑からのメッセージに気づいたのは没頭するように仕事を終わらせた後のことだった。>>1:64]
……これのせいか。
[内容は何の変哲もない、いつもの会話の一端。 それに僕がスマホを部屋に置きっぱなしにするのは、今に限ったことじゃない。>>1:113 出版社の担当者にも、急ぎの案件なら僕より蒼佑に連絡した方が早い、なんて引継ぎがされているほど。]
(116) 2019/10/10(Thu) 22時頃
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[スマホの傍らに置いたままの本を開く。 そこには、変わらない薄青のガラス栞があった。]
『桜はすぐに散ってしまい、そのままだとすぐ朽ちる。』 ……だったか。
[淡い花弁の輪郭を指先でなぞる。]
もしこのガラスが割れてしまったら、 朽ちるのかな。
[本来なら、とっくに朽ちてるはずの花弁。 すこし力を入れたら皹が入ってしまいそうな、繊細な薄青の硝子の中で咲く花を見つめて。
傷つけないよう、そっと。 栞を挟んだまま、本を閉じた。*]
(118) 2019/10/10(Thu) 22時頃
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── 「おつかい」の日 ──
わかった、そうする。
あと、お菓子を買ってきた方がいいかな。 できれば、紅茶缶をわかる場所に出しておいてくれ。
[不在の間の支度を整える蒼佑の行動は、相変わらず甲斐甲斐しく、変わった様子はなかった。>>12
ただ、久しぶりにちゃんと見るその顔は頬骨が目立っていて。久しく触れてないその身体も、一回り小さくなって見えた。]
(119) 2019/10/10(Thu) 22時頃
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…………。 蒼佑は、もう食べたのか?
[あの日から、一緒に食事を摂っていない。>>11 蒼佑はよほど気合を入れて土産を作ってるのか、工房に籠っている時間が増えた。 蒼佑に付き合って食事をしなければ、顔を見るのはすれ違う程度になり。僕も「食事」をしていない。
そのことについて、僕から言及することはなく。 蒼佑から、何かを言ってくることもなかった。
生憎、生き血以外を飲めるか試したことはなく。 冷蔵庫のパックを口にする気にもなれなくて、あれからずっと喉が渇いたままだけど。 元々数日くらいなら、食べなくても生きていられるくらい。見た目よりずっと、この身体は丈夫にできている。
でも、蒼佑の身体はどうだろう。]
(120) 2019/10/10(Thu) 22時頃
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ああ、行ってこい。
[それでも蒼佑が変わらないように振る舞うなら。 僕も変わらない顔で、見送ろうとして。 いつものように出掛けるその顔を見上げれば、訝しげに眉を顰めた。]
……しないのか?
[いつもなら呆れてもうざがっても、強引にしてくるくせに。>>14 ネクタイの先に口付ける蒼佑の仕草を、瞬きせずじっと見つめながら、眉間に皺を寄せたのは無意識。
手を伸ばせば、しっかりアイロンが掛けられたシャツをぎゅっと掴んだ。]
(121) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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蒼佑。帰ってきたら、話がしたい。
だから…… ちゃんと「おつかい」を済ませて、帰ってこい。
[指を離せば。 今度こそ、玄関から出て行く背中を見送った。*]
(122) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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[そうして蒼佑が出掛けたあと。 いつものソラの散歩を終えた僕は、リビングで本を読みながら来訪者を待っていた。 きりがいいところで本の間に薄青のガラス栞を挟みこみ。 時計を見れば。]
……ちょっと遅いな。 キャンセルの連絡はなかったはずだけど。
[珍しく、朝から手の届く範囲に置いたスマホを覗く。 予定変更ならば、通達役のドリベルを通じて何かしら連絡があってもおかしくない。 ミルフィ・ウォルフォードは若い女の子だと聞いている。]
…………。 バス停まで迎えに行った方がよかったかな。
[少し辺鄙な場所ではあるが、迷うほどの道でもないし。 この辺に、変質者が出没するという話も聞かないけれど。]
(130) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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……蒼佑は、もう着いた頃か。
[スマホをじっと見つめていると、足元に寝そべっていたソラの耳がぴくりと動き、僕は玄関を振り返る。
あまり間を空けず鳴った呼び鈴の音。 こちらも無事着いたらしいことにほっとして立ち上がれば、来訪者を迎えるべく、玄関のドアを開けた。
次の瞬間。]
(131) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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………… は?
(132) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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[開口一番のそれに、目を丸して固まる。>>36 もしかして、迎える相手を間違えただろうか。 でも確かに若い女の子という項目は合致してる。けれど。]
───あっ、ソラ! 待て!
[固まった僕の一瞬の隙をつき。 来訪者にテンションが上がった大型犬が横から飛び出し、勢いよく彼女へ飛びついて。 慌てて屈めば、ソラを抱えて引き剥がした。]
(133) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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大丈夫、怪我してない? 驚いたよな、ごめん。
えっと、君がミルフィ・ウォルフォードで合ってるかい?
[やんちゃなソラを宥めながら。 もう一度女の子を見直せば、かわいらしい子だ。
そして彼女が緊張してることくらいなら、僕にもわかる。 蒼佑ならこういう時、笑顔で上手くフォローをするんだろうけど。僕は少し眉尻を下げて、困った顔をすることしかできない。]
(134) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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[それでも、差し出された本を受け取れば。>>37 読みこまれた形跡が残る本に、僅かに黒目を細め。]
……よかった。 なかなか来ないから、心配してたんだ。 ああ、もし犬が苦手なら 君が居る間は近づかないようにするけど。大丈夫?
サインはあとでもよければ、中へどうぞ。
[ソラを連れて踵を返し、彼女を家の中へ招こうか。*]
(135) 2019/10/10(Thu) 22時半頃
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[拒まれなければ、尻餅をつかせてしまった彼女に片手を差出して、立つのを手伝おうか。>>150 最初こそ面食らったけれど。 少し落ち着けば、はきはきとした礼儀正しい子だ。>>151
犬嫌いではなさそうだけど、念の為ソラには部屋の隅に置いたお気に入りのクッションで大人しくしてるよう言いつけて。 彼女には、リビングの椅子のひとつ示して。]
飲み物は紅茶でいいかな? ちょっと待ってて。
[僕はキッチンに入り、ガラスのティーポットを手に取った。いつも蒼佑が淹れるのを見てるから、やり方はわかる。 湯気の立つティーカップを二つと、焼菓子が乗った小皿を持ってリビングに戻り。 彼女の前にそれを並べながら。]
(191) 2019/10/11(Fri) 00時半頃
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[その口から出た褒め言葉に、きょとりとした。>>153 そわそわと室内を巡るその視線の先に気づけば、ようやく合点して。]
ああ、ガラス細工か。 蒼佑……僕の眷属がガラス職人でね。 隣が工房になってて、そこで作ったものなんだ。
褒めてたって、あとで伝えておくよ。 きっと喜ぶ。
[淡々とした説明をしながら。褒めた時の蒼佑のにやけ顔を思い出しかけ、速攻で頭の隅に追いやった。 そうして僕も彼女の向かいの椅子に腰を下ろしたけど。
それきり、何故か彼女は黙り込んでしまった。 けれど今度のそれは、緊張とは少し違う気がして。 僕も黙ったまま、じっと彼女の困ったように寄せられていく眉を見つめること、しばらく。]
(192) 2019/10/11(Fri) 00時半頃
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[沈黙をほどいた彼女に、僕はまたきょとりとして。 ようやく、おおよその状況を把握する。]
そうなんだそれで…… じゃあ、こういう「おつかい」も初めてなのか。
[さっきも彼女が”父”と呼んでいたし。 ウォルフォード教授が眷属を養女にした、という噂くらいは聞いている。 それも長命の吸血鬼の感覚からすれば、ごく最近の話だ。]
(193) 2019/10/11(Fri) 00時半頃
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[少し考えて。]
べつに無理に話をしなくていい。 今日のこれは、眷属の健康診断みたいなものなんだ。
でも僕が君に何かするわけでもなければ、 君が何かをしなければならないわけでもない。 ただ、今話してくれたみたいに、 僕に普段の君達ことを話してくれればいいんだ。
[噛み砕いて説明しようとした結果。 子どもに諭すような言い方になってしまう。 事実、僕から見れば彼女は二百歳近く年下なのだから、そこは許してほしい。]
(194) 2019/10/11(Fri) 00時半頃
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そして申し訳ないんだけど…… 普通の人間の親子、というのが 僕にとっては抽象的すぎるんだ。
ウォルフォード教授とは、普段どうしてるの? 何も教えてもらえないくらい、会話がないとか?
[揺れる瞳を、じっと見つめ返しながら。 彼女が何も知らないことに対する、素朴な疑問を口にした。*]
(195) 2019/10/11(Fri) 00時半頃
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蒼佑が家族……?
[首を傾げた彼女の言葉には、ぽかんとした。>>216 眷属は、自ずと吸血鬼と一緒にいる時間が長くなる。 家族である場合も、少なくはないけれど。]
違うよ、家族というわけじゃない。 ……というか、考えたことがなかったな。
[蒼佑のことを彼女は見たことないはずだから。 僕がそう風に思われることを、何かしたんだろうか。
口元に手を当てて考え込みそうになったけど、初めての「おつかい」だと話し始める彼女の声で、我に返る。]
(336) 2019/10/11(Fri) 22時頃
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……なるほど、ね。 ホームドラマでありそうな、仲が良い親子だな。
[彼女の細い指がカップを手に取るのを見て。>>218 僕もカップを目の前の持ち上げれば、冷めかけた紅茶で唇を湿らせながら。
でも、そんなに慕う教授のことを話してる君が 嬉しそうに見えないのは、なんでかな?
[緊張してるから、とは違う気がして。 先を促せば、僕は目を丸くした。>>219 死にかけたところを助けるために眷属にして。 養女にして育てて、ずっと一緒に暮らしてるのに。
血を吸ってないなんて。]
(337) 2019/10/11(Fri) 22時頃
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[ひとしきり不安を吐き出した彼女の謝罪に。>>222 僕はゆっくり首を横に振った。]
いや、もっと話してくれても構わないよ。 口にすることで、スッキリすることもあるだろうし。
……え。僕の家族の話を聞きたいの?
[思わぬ話題の方向がこちらに向いて。 少しだけ眉尻を下げて、困った顔を。]
……僕の話は、あまり参考にならないと思うけど それでもいいなら。
[さて、どこから話そうか。]
(338) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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僕を育ててくれた家族は、母だったよ。
外で遊んだことはなかったけど、 寝る時にはよく本を読み聞かせてくれたし、 色んな国の言葉を教えてくれた。
母に褒めてもらえるのが嬉しくてね、 小さい僕は必死に覚えたんだ。
[彼女が持ってきた翻訳本を、そっと撫でて目を細めた。 あの頃教えてもらったものは今も、僕の中に息づいてる。]
……そんな僕の母も なぜか吸血鬼については教えてくれなかった。
あの頃の僕は、今の君よりずっと幼かったから 教えるのは早かったのかもしれない。
けど……
(339) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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もしかすると、 母は僕に教えたくなかったのかもしれない。 僕が知ったら、君のように心配しただろうから。
僕が……母の血を吸い続けていいのか、って。
────なんて、 母が亡くなった今では、確かめようのないことだけど。
(340) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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[そこで一旦言葉を切って、彼女を見つめ直す。 察しがよければ、結末の意味はもう気づいてるかもしれない。]
眷属だった母は、毎日のように僕に血を与えてくれた。 その結果、母は病を拗らせて亡くなった。
君が読んだ本に、どこまで載ってたかわからないけど… 眷属は寿命を手に入れる代わり、病にかかる。 そしてそれは、吸血の度に進行していくものだったんだ。
(341) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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[淡々と。けれど一息に話し終えれば、ふぅ、と息を吐き。 渇いた喉をさすって、静かに目を伏せた。]
君が眷属のことを知った上で、 それでも教授のことが心配なら。 一度ちゃんと話してみたほうがいいと思う。
……普通の親子じゃなかった僕からの助言は、 あてにならないかもしれないけど。
[助言なんて、余計なことかもしれないけど。 失くしてしまった後で、何も知らない子どもだったことに嫌悪した。幼い頃の僕に対する、我が儘だ。*]
(342) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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[彼女の顔色が変わっていき。>>360 怯えたように目が合わなくなる。>>361 僕には、その理由がわからない。
どちらも、親に教えてもらえなかった子どもだけど。 あくまで僕は吸血鬼であり。 彼女はやはり、眷属だった。>>364]
…………。
[ようやく合った、彼女の瞳。>>365 さっきまでと違うその色に、僕は少しだけ目を瞠って。
嬉しいような悲しいような、何とも言えない気持ちになる。]
(420) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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……君は、母をしあわせだったと言うんだね。
僕は吸血鬼だけど、 眷属の義務なんて果たしてほしいとは思わないし。 立派な眷属なんて、求めていない。
でもそれじゃあ、 君たちは納得しないんだろうな。
[蒼佑にしても彼女にしても。 求められないことが、眷属にはひどく堪えるらしい。 そもそも。その献身も、眷属の本能も、吸血によって植え付けられたものかもしれないのに。
そんな否定も、静かに零れる彼女の涙の前にすると。 僕は何も言えず、口を閉じた。]
(421) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[静かに立ち上がって。 黙ったまま、彼女の前へハンカチを置く。
そうして、テーブルに置いたままの翻訳本を手に取り。 裏表紙を捲ったところに、ペンを走らよう。 約束していたサインを終えれば、本を彼女へ返しながら。]
今日、君と話ができてよかったよ。 それと、母さんを立派だと褒めてくれてありがとう。
……母さんと過ごしてた時間は あの頃の僕にとっても、”しあわせ”だったんだ。
[僕にとって、ただひとつわかっている真実を明かし。]
(424) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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どうか、教授と君もしあわせであることを願うよ。 「おつかい」おつかれさま。
[定期健診の終わりを告げよう。
ミルフィ・ウォルフォードは現状『問題なし』。 彼女の帰宅後については、管轄外だ。*]
(425) 2019/10/12(Sat) 01時頃
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[それから。
話が一段落した気配を察してか。 部屋の隅のクッションでそわそわしているソラの、待て、を解いてやれば。 尻尾を振って駆け寄ってきて、早速彼女の足元に懐こうとする様子に、苦笑しながら。]
……ところで。 たくさん喋って、お腹空かないかい?
[紅茶のカップを下げながら、彼女に問いかけた。]
(428) 2019/10/12(Sat) 01時半頃
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サンドウィッチがあるんだけど、 もしよければ食べていってほしい。
蒼佑が焼いていったタンドリーチキンと ロメインレタスを挟んだやつなんだけどね。 僕一人じゃ食べきれないんだ。
[髭面のおっさんの手料理でもいいかな、と一応確認を添えて。 都合が悪かったり、食べきれず余るようなら、いっそ教授の分まで包んで持って帰ってもらおうか。**]
(429) 2019/10/12(Sat) 01時半頃
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