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[ 「死んで」しまってから
わたしの耳はさらに多くを捉えるようになり
サイラスの普段とぜんぜん違う…怒りの篭った足音や
グレッグにぶつける衝動
(やめて、メアリーをそんなふうに言わないで…)
そして怒りの篭ったグレッグの声
らんぼうな”おと”
(いやだ、やだ、ねえどうしてそんな事するの!)
地面に音もなく散らばる、あの子のことば
( ………きっと、ちがうよ……… )
銀薔薇の持ち主を知って、 きっと としか言えない
じぶんにショックを受けながら、耳を塞ぐ。 ]
[ サイラスがわたしの名前を呼ぶたびに、
ぴくりと跳ね上がる肩をなだめる。
わたしが視えているわけではないと、
わたしを喚んでいるわけではないと。
わたしの事で彼のこころが悲鳴を上げていることが
優しいグレッグの人が変わってしまったような声が
ひどく辛くて、そんな声達を聞いていたくなくて ]
…………………っ。
[ 踵を翻して 逃げるように、走った。
闇の中で生活するようになってから、一度もした事のない
ぜんそくりょくで。]
[ どうして何にもぶつからないのか
もう、考えたくもなかった。 ]
はあ、 はあ、 はあ、 はぁ。
[ 息が切れるのは動悸ではなくて、恐怖。
触れようとした物体にしか触れられず
唯一の音すら伝えられず、不均一なラジオを聞くだけ。
世界から自分は切り離されてしまったのに、
わたしだけはまだ”ここ”に居てしまうのか。
いっそ 耳まで なくなってしまえばいいのに。
そう思った乱暴なこころは、容易く たったひとつの
小さな喚び聲
………せんせ。
[呼んでももう、応えが返ることはない。
「泣くんじゃない」と叱ってくれることもないだろう。
だから わたしは。
その場にべったりと座り込んで 子供みたいな大声を上げて
うわあん うわあああん と
誰の目を憚ることなく 泣いた。
へんじを伝えることなど何も出来ないのに
「わたし」に語りかける優しい聲>>3:=1だけは
聞きたいと思ってしまうから 耳を削ぐこともできず。
きゅう、と締まる手首の絹糸を、左手で押さえて
あの日とは逆の道を わたしを背負う先生の後を、辿った**]
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─ ??? ─
[何かに呼ばれたような気がした。
どろりとした暗い底から、意識がゆっくりと覚醒する。
ぼうっとしていた。
喉に無意識のうちに手が添えられる。
切り裂かれた傷を補おうとするかのように]
… キャシー ……?
[夢の続きを呼ぶようにして辺りを見渡す。
ここはどこだ。どうしてこんなところに。
見渡せば、どこからか微かな音がする。
先ほどまでも聞こえていた音だ。
求めるようにゆうるり頭を巡らせた。
あれは置いてきた幼子の泣き声
メアリー…?
[名を呼ぶと、ずきりと痛んだ。
─── どく どく どく
切り裂かれた喉から血が、手を伝い腕を濡らして流れる。
まるで涙の代わりだとでもいうように、止まることなく流れ続ける]
[おとうさん。と呼ぶ声が聞こえた。
どこにも行かないでと手を伸ばしてきた、幼い子。
ようやく綻びかけた、小さな蕾。
彼女はどこだろう。
濃密な血の匂いを纏いながら、男はゆらと頭を揺らす]
[死の匂いに誘われるように、男が向かったのはマーゴットの家。
そこに嘆き悲しむ娘を見つけた
ベッドに横たわるのは黒い髪の優しい眠り姫。
その優しさゆえ、その愛らしさゆえに命を落とした哀れな娘]
( メアリー… )
[声は届くことはない。娘は友の亡骸の上で泣き続ける。
小さな部屋に、死者と死体と生者がひとりずつ]
[止めるべきだったと、ぼんやり思う。
マーゴットの死を、せめて男は止めてやるべきだった。
いずれ自らが死を望むなら。
せめて娘に、親しい友を遺しておいてやるべきだったのだ。
─── ぽたり ぽた、 ぽた
しずくが零れて血と交じり合い、二人の少女の上に降り注ぐ。
決して彼女たちを濡らすことのない雫が]
(ああ、)
[ふと。何かに気付いたという風に、男は外に目を向けた。
ゆらり漂う希薄な影は、嘆く娘を置いてふわりと壁をすり抜ける。
泣き声が大きくなっている]
…───どう 、したんだい?
[辿ったのは、先に聞こえた泣き声
幼子のような泣き声を辿り、泣きながら歩む娘に声を掛ける。
彼女の顔は先ほど見てきた死体と同じ。
泣きじゃくりながら歩くらしきその娘の魂へ向け、希薄な男の幽霊が*首傾けた*]
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【人】 花売り メアリー―朝― (49) 2015/05/17(Sun) 16時頃 |
【人】 花売り メアリー―未明・教会付近― (50) 2015/05/17(Sun) 16時半頃 |
【人】 花売り メアリー―朝― (51) 2015/05/17(Sun) 18時頃 |
― 回想:二日目 夜 ―
[ …………――ざあ、と木々がざわめいた。
その中に一つ、幼い頃共に登った木がある。]
[夜の森の中、濃く、血の匂いが馨る。]
[崩れ折れた体を受け止めている。]
[消えゆく体温をその手で感じている。]
[淡い笑みに気づく事は勿論無かったが、
村医者は、やがてはその背に手をそえ、
共にずるりと座り込んだ。]
………どうにかできるわけ、ないだろ……
[血のにおいの中、小さく呟いた。
集会のあとのグレッグの言葉を思い出す。]
「…ルパートとスティーブンはさ、
ずっと…このままなの?」
もう、とっくに、とっくにさ……。
[そう簡単に戻れたら、八年の月日なぞ経っていない
どうしようもないことだと、村医者は思っていた。]
( 君の大事な妻を殺した )
( 君の娘を 君の目の前で突き飛ばした )
( 君の平穏を壊した )
[ ――いつも、傷つけてばかりだ。
投票前の彼がぶつけてきた静かな怒りを思う。]
( 酷いやつだろう。君は僕を思うまま殺してよかったんだ。爪で牙で言葉で。臓腑を抉り、心を八つ裂きにして、かまわなかったんだ。)
[ だが、振り返ればこの有様は何だ。
どうして自分「が」彼を殺しているのだろう。
縋りつくことすら
「それで許してくれ」と言っているようで、
できはしなかったのに、それが間違いだったのか。
――彼が自分に殺されたがっていた事など、
悟っていて尚、そう「誘った」事など、知らぬ儘。]
[何故彼は昔の呼び方で この自分を呼んだのか
―――――――、…………!!!
[空を仰いだ。
雲母の如く黒い空を。
潮騒を奏でる森の中、
旧友の亡骸の背を搔き抱き、
一つ、消え入りそうな狼の遠吠えが響き渡る。
頬に流れた銀色を、蒼褪めた月だけが見下ろしていた。*]
― 3日目、そして、 ―
[本に埋もれて死ねるなら。
きっと、彼も本望だったのだろうとは思う。
――実際は森の中、
狡猾に仕組まれた罠の餌食になるのだが。
ジョスランが伝言を受け取ってくれたので
その背を見送り――
[ シャボン玉のような聲が聞こえた。
”それ”が何を意味していたのか、
今となっては、わからないままだ。 ]
[
最初はただの衝撃にしか感じられなかった。
どうやら悪い予感は的中したらしい。
ああ、やられたなと知覚するには
どうにも深く眠りすぎていたようで、
胸が十字架で貫かれる瞬間すら
意識は酷く曖昧だった。 ]
( 痛
い、
あ、あ
やめ、
あ
あ
噫 )
( …………、 )
( ……朝飯、
何にも作ってないな。 )
[ 轟、と炎が唸る ]
[ 体が焼かれていく。悪臭がする。
酷い痛みを感じながらも動けずにいる。
ぐらり、祭壇付近の壁が一つ落ちた時]
[男の男としての意識も また 燃え落ちた。*]
― 未明 ―
[ 祭壇を中心として、教会が焼かれていく。]
[ 十字架を突き立てられた骸が一つ
ゴミのように――事実、ゴミなのだ。
無残に転がっている。]
[ まるでそれは悪魔の処刑のよう ]
[ 赤々と燃えあがり夜を煙らせる炎は、
さながら、愚か者に下された―― ]
……罰でも与えたおつもりかい?
……はははっ。
[ 一つの影が、教会を仰ぎ嘲り笑った。 ]
[
そこには真っ黒な影が立っていた。
目も口も鼻も無く、
スティーブン・イングロットのシルエットを象るような影。
胸に十字架を突き立てられたからか、
そこから、もやもやと僅かに白色が滲んでいた。
生前と違う形があるとすれば、
時折揺れる尾と耳らしきものだろうか。
それは揺らぎ、霧散し、また形となって揺らめく。
その姿は狼男のようで、悪魔のようにも見えた。]
[黒焦げの骸の傍で嘆く青年の傍に、歩み寄る。]
起きないよ。
もう子供でもないだろうに、情けねえなあ。
[触れられぬ掌は「殺してやる」
泣き叫ぶ彼の頭をそっと撫でる。]
( それとも……情けないのは僕のほうか。)
( 触れられないんじゃあなあ )
[――やはり。誰かの涙を拭う役は、
自分にはできないようだ。
そっとその背に背を向けて佇めば、
壊れたステンドグラスの向こうに虚ろな空が見えた]
[口だった場所から、
虚ろな声が告白のように零れる。]
死は救済だったんだ。
罪を背負って尚も生き続けていた…が――
[手を広げる。相も変わらず影の色は変わらないが
ルパートを殺した時と同じように、
手は鉄錆の匂いに満ちていた。]
あるべきところへ、裁かれるべきところへ逝ける。
もう、黙って針の筵に立たされるような事も無い。
あるのが終わりか、更なる責め苦かは知らないが。
[だからあの時、「道連れにしてやる」と言った彼の
エンジェル・ブルーの双眸が。
村医者には、”天使”のものに見えていたのだ。
視線を落とす。]
酷いだろう。
だからさ――復讐なんて、考えてくれるなよ。
君は君の道を行けばいい。
[この背を、追う事は、どうか やめてほしい。]
[――託したガーネットを思う。]
…………噫、そんな事を考えていたから、か。
こうして、ここで。
何にもできないのが、
そんな…への「罰」なのかもしれないなァ……?
[けらり、と自嘲気味に笑えば、
影の尾はゆらりと揺れた。
――ジョスランの姿が見えた。
少しドライなところはあるが、
今のヨハネスに声をかけてくれているだけ有難い。
……はは。ドブにでも捨てておけ。
そこの黒焦げのゴミなんてさあ。
[笑って、影はローブの裾らしきものを翻し
逃げるように教会を歩き去る。
少女の姿は
マーゴットに銀の薔薇を与えたという少女。]
( 罰を与えようとするなら、きっと…… )
[思って、笑って、その場を歩き去る。
向かう先は己の自宅。**]
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[ 何本も束になった、ほそいほそい薄紅の絹。
あの夜、お墓の前でせんせいが教えてくれた「繋ぐ石」と
同じ場所に絡んだ、ただの糸。]
…そんなに締まったら、痛い…よ……。
[ 喚くな、と彼に右手を取られたようで
そんな痛みすら いまは尊く。
わたしは払うように糸に涙を吸わせて、ぽてりぽてりと
彼の足音と「わたしだったもの」の後を追う。
みんないて、わたしだけがいない世界
そう、おもっていた。]
…………?
[ 声に
きっと呼ばれているのはわたしじゃなくて、せんせいだ。
そう思いながらも聞き覚えのある声は、深く静かに響く。
その傍らには……ひとつもなかった、足音。]
…………っ…、
[ 真っ暗闇に、ぼんやりと浮かぶ幸せな食卓。
わたしのお皿に嫌いなものをこっそり移すメアリーがいて
それをこれ見よがしに声に出して注意するグレッグと
それを優しそうな笑い声で包む、おとうさん。]
…いじわる…………。
[ もう戻らない、触れられない日々。
わたしは俯き、テーブルの上のスープに塩味を足して
「触れられない幸せ」をかき消すように、スープごと薙ぎ払った。]
パシン。
[ 乾いた音、指先に触れた何か。
あたたかいスープはまだ 覆らず目の前にある。
薄く開いたくちびるが小刻みに震えるのは、
きっとまた、そこに「わたし」は居ないのだろうという恐れ。
けれどその音に吸い寄せられるように、手を…伸ばした。*]
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― 回想:3日目 ―
[体温を無くした自分より小さな体を
静かに見下ろす琥珀色の目は、
レンズの向こうで見せる感情を曖昧にしながら
戻ってくるサイラスの姿を捉える。
「……すまねぇ、先生」
( マーゴットを頼むと、言ったじゃあないか、 )
[理不尽な叱責を向けようと口を開きかけて
その瞼が赤く腫れていることに気づく。
力なき蒼い目。
きっと、彼が一番悔しかったに違いないのだ。]
…………。
[何か声をかける前に足早に歩き去っていく
サイラスの姿を見送る。
マーゴットの体の重みを感じ、眉根に皺を寄せた]
…………辛かったな、君も。
(だけど、 酷でも
この娘が、
土に埋められこの世を去る瞬間までは
……君に、見届けてほしかった )
[それは父親面した男のエゴに他ならず
村医者は息をすいこみ、吐き、空を仰いだ。
……吹き荒ぶ風が、泣き声のように聞こえた。*]
【人】 花売り メアリー[多分…ドナルドおじさんは (104) 2015/05/17(Sun) 23時頃 |
【人】 花売り メアリー―→墓地― (105) 2015/05/17(Sun) 23時半頃 |
【人】 花売り メアリー サイラスは、それをわたしに聞いて (106) 2015/05/17(Sun) 23時半頃 |
【人】 花売り メアリー[昔絵本で見たことがある。 (108) 2015/05/17(Sun) 23時半頃 |
― →自宅 ―
[コツ、コツ、コツ。]
[音が響く。]
[コツ、コツ、コツン]
[喧騒の中を、縫うようにして村外れの方へと。
教会の方で騒ぎが起きているせいか、
村医者の住居のあたりは、閑散としていた。
がら、と――いつものように
戸を開くまねをしたが、実際は開いていない。
見えていないかのように
そのまま自宅へ足を踏み入れた。]
[――昨日は何をやっていたんだっけ。
そうだ、クラリッサに頼んでいた草を
そろそろ取りに行かないとと考えていた。
このまえ化膿止めもあげてしまったから
ストックがない。作らねば、と考えていた。
次第に昇りだす朝日に、照らされる室内。
机に転がる仕事道具。
本に挟まれた栞の場所。
壁の染み。
猫が飛び出していったであろうベッド。
そういったものが静かに朝陽に照らし出される。
何一つ、変わりはしない。]
[朝食を作っていない。
どうせ、いつ帰ってくるかもわからないが
まあ、ひもじいのは嫌だろうからな――と
鈍く光る包丁を取ろうとして]
[ ――どんどん、と扉が叩かれ開かれる。]
「スティーブン先生!」
なんだい
「教会の火事で――」
ああ、あそこで死んでるの僕なんだぜ。
笑えるだろ
「……くそっ、いないのか!こんな時に!」
……怪我人は……?
「薬屋に――」
( …………、 )
なるほど。こりゃあ、悪趣味だ。
[ 包丁に触れる。
銀の刃は、影を傷つけることすらなく。
確かに「ここにいない」という
現実を、影につきつけていた。]
【人】 花売り メアリー[返事はどうだったのだろうか。 (109) 2015/05/17(Sun) 23時半頃 |
[ゆらと振り向いた娘の目に、この身は映ったろうか。
ひょっとしたら見えていないのかも知れない。
そんなこともあるだろうと、男はひどく納得していた。
何故未だここにいるのか。
願いは叶えられて、全ては終わったのではないか。
分からない。分からないまま、娘の視線の先を追う]
( …───、ああ。)
[やはり見えていない。
いや、ひょっとしたら娘の方が、己の幻想なのかも知れない。
他者の夢を覗くように、或いは古い過去の夢を見るように、
遠い昔の食卓がぼんやり向こうに姿を見せるのだから
[向こうに見える、あれは幼い日のメアリー。
グレッグはもう随分と馴染んでいて、
メアリーと並べば、丁度年の離れた兄妹のよう。
今よりおさない印象の黒髪の娘が、遠慮がちに笑っている。
暖かな、───遠い日の風景。
男は目を細めて少しの間、じっと幼い従兄妹を見つめていた。
そして俯きながら…涙を堪えるようにしながら、
塩に手を伸ばす黒髪の娘へと目を向ける]
… マーゴットや、
[音は音になっただろうか。
かふりと、喉の穴から抜けて消えてはいないだろうか。
男は知らない。
淡い夢に手を伸ばした時、
男もまたかつての幻想の姿を纏っていることに]
[懐かしい夢、あたたかで優しいスープ。
それへ手を伸ばして、俯きがちな娘へと差し伸べる。
…ああ、この子はまた、寂しいのかも知れない。
甥も、ここに来たばかりの時はそうだった。
無理もない、両親を亡くして一人ぼっちでここに来たのだ]
………、そら、
[ぬくもりを手渡すように、手を差し伸べた。
──── パシン。小さく、夢の弾けるような音がした*]
【人】 花売り メアリー[墓地へ行く道すがら、少し遠回りをして通るのは (117) 2015/05/18(Mon) 00時頃 |
【人】 花売り メアリー[おとなの前では仮面をかぶることにした。 (118) 2015/05/18(Mon) 00時頃 |
[くる、とローブの影を翻し、自宅を出た。
再び歩いていく。
村の中央にある教会から燻る煙。
空に溶け込めず、穢い色をしているように見えた。
道中、金色の髪が見えた。
その隣に立ってみる。]
………。
[眼鏡のような影を直す仕草。
それから、笑うように肩を揺らし、
拳を一度握って震わせた。
「生きてたら一発ぶん殴ってる」とでも言いたげに。]
そんなんでどうする。
大丈夫、
大丈夫。
……君は強いよ。サイラス。
[その拳を解いて、サイラスの背をとん、と叩いた。
どうにも、彼が一連の犯人だと思えない。
――否、そもそもこの影は、生きていた頃から
あまり強く人を疑えぬ性質では、あったのだが。
何はともあれ。
今は一人たつ彼の背を、応援するように再度叩いて
またどこかへと歩いていく*]
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メモを貼った。
【人】 花売り メアリー―少し前― (133) 2015/05/18(Mon) 00時半頃 |
【人】 花売り メアリー[一瞬視線から外れ ふわり彷徨う碧眼。] (135) 2015/05/18(Mon) 00時半頃 |
………おとう、 さん?
[ 幻のつづき。 メアリーの、だとか いろんなものが
目の前からパァンと散って、出たことば。
しあわせな”かぞく”のイメージを纏ったままの 彼が
私の目の前にかたちをなして。
払った腕は ふるえながら
触れた なにか を探して彷徨う。]
ねぇ ……わたしを呼んだ?
[ 聞こえた”わたしのなまえ”
それにすがるように 触れるように 五指は掴む。]
[ 夢の中でも構わない。
深い皺の刻まれたゆびを握って引き寄せて
あの日の優しい「おとうさん」を見上げる。
ああ、おねがいだから ]
ねぇ ……わたしは、居ますか……?
[ ゆらいだまんまのわたしの形を、ください
いばしょを ください
あのう、暫くお世話になっても良いでしょうか?
――宿屋で彼に求めたわたしの居場所は
まだここにあるだろうか。 ]
メモを貼った。
メモを貼った。
[ああ、やっぱり。この子は泣いていたんだ。…心の中で。
心細げな顔をしていた。
メアリーやグレッグらと親しくなって、次第に笑顔が増え。
そんな様子を暖かく──見守っていた日もあったのだ。
大切なものを喪う痛み。
この家では、誰しもがその痛みを抱えていた。
けれど──…、いや、だからこそ。
この”家族”は黒髪の娘を、家族のように迎えられたのだろう]
……、ああ、
[おとうさん。その呼びかけが、すとんと落ちた。
大切なもの、喪いたくはなかったもの。
緩やかな狂気を引き止め続けていたものに、それは良く似ていたから]
[探すように伸ばされた白い指に、皺じみた指を絡める。
握れば、こんな時なのに暖かさを感じた]
…────、
[つきり、痛みを覚える。
男の狂気は、この娘を見殺しにした。
彼女がここにこうしている責任の一翼を、男は担っている。
分かっている。だから本当は資格などないのだ、分かっている。
こんなことで許しを得たいわけでもない。……ただ、]
[ただ。幼子めいて伸ばされた指先を。
存在を問いかけて、泣いている魂を。
そのままにしておくことは、出来なくて]
だいじょうぶ。
君はここにいるよ。…だいじょうぶ。
…──── ほら。
こうしたら平気だろう?
───… マーゴット …
[最後にもう一度、ちいさな彼女の名を呼びかけて。
ここにおいでよ。ここに住んでしまいなよ。
明るく子どもたちが笑って、男が頷いたあの時のよに。
この娘の涙が止まればいいとだけ、今は本当にそれだけ願って、
幼子にするように、柔らかな黒髪をとんとんと優しく撫で続けた*]
【人】 花売り メアリー―墓地― (158) 2015/05/18(Mon) 01時頃 |
【人】 花売り メアリー ご、め……なさっ……。 (160) 2015/05/18(Mon) 01時半頃 |
【人】 花売り メアリー[わたしが摘んできたアネモネを父に (161) 2015/05/18(Mon) 01時半頃 |
【人】 花売り メアリー どうしたら 終わるのかな…。 (169) 2015/05/18(Mon) 01時半頃 |
[ 掴むことが叶った手。
( ……ルパートさん…! )
詰まった喉が、ことばを遮る。
わたしは 彼が痛みを抱える理由を知らないけれど
家族のように接してくれた彼の手から
どこか なにか 恐れるような そんな違和を掬う。
けれど まだまだただの子供のわたしは
かけられたあたたかい言葉たち
音もなく吸い込まれて、覚束ぬ呼吸を整える。 ]
るぱー と、さん……… ……ありがとう…。
[ 視てくれるひとが居た安堵と。それが
誰も知らぬ街で、まず心許した「おとな」だったことに
わたしは彼の胸中も知らず、
頭を撫でてくれる優しくて大きな手に甘えてしまうんだ。]
[ ……どれくらいそうして貰っただろう。
近づく力ない彼
躰を震わせる。 来ないで欲しいとおもうほどに
声はあるのに触れられない、視てもらえないことが
つらい。
けれど。 それもサイラスが生きていてくれるからだと
そう自分に言い聞かせて ルパートの腕に額を埋める。
声の方へ手を伸ばしてしまったら 多分また
目からしょっぱいものが流れでてしまうだろうから
両手はぎゅっと 触れられるひとの腕を握って。]
ルパートさん。メアリーもきっと泣いているよね。
[ 彼に触れられるということは ………たぶん。
さっきすれ違ったメアリーの”おと”を思い出す。
慰めたいひとを慰められないことは、きっとわたしより
彼のほうがつらいのではないかと。]
なにもできないのに傍に居たって、いいですよね。
[ 遠ざかる、わたしを抱えたせんせいの足音。
もっと早く遠ざかる、大好きなひとの足音。
伝えられないことに慣れないといけないな と
心のなかで薄く自嘲して
わたしはそんな問いを ”父親” たる人へ投げ。]
だから、行ってきます。 …ありがとう。
[ 両手をおなかに添えて、丁寧なお辞儀。
勝手でも、なんでも。
わたしは貰った大きな勇気と決意を足に乗せ、
ほんのすこうし わらうことができた。*]
メモを貼った。
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[ ざららら、と潮騒のように草葉が舞う。]
……やっぱり、出られない か。
[ある程度まで進むと、足が引き戻される。
肉体はないのに痛みを感じるように。]
――見届けろ、という事、なのかね。
[ きな臭い匂いと共に、歩きだす。
アネモネが揺れていた。]
[風に乗って届く声。
盗み聞くつもりはなかったが
いつのまにか墓の近くに来てしまっていたようだ。
少女の咽び泣く声が胸に痛い。]
(君のお母さんもお父さんも、
殺してしまった…な)
[村医者はルパートの無実も何も、知らないから
何がどうなっているのかもまた知らないが。
向けられた刃のような言葉を思い出している。]
「さっき聞こえた、投票の話。
もしそんなものをするんだったら
わたしは先生が死んだらいいと思う。」
……人を呪わば、穴二つってな。
[それが皮肉なのか自嘲なのか、
影自身にもわからなかった。
ただ、もやもやと白く、胸に燻るものに
そっと手を当てて、空を仰ぐ。]
( ……そもそも、どうして…… )
[「裏切り者」の人狼は、人を殺す禁を犯し
その上、同族まで殺してまわっているのだろう。
――投票にて過ちを正せと、最初に言ったのは自分だ。
それが裏切り者たちを刺激することになって
教会に火災を起こさせ、
(あの時はそういえば、呼ばれていた気がするが。
死んだショックからか、上手く思い出せなかった。)
無関係な人々までも巻き込んだ とするなら。]
…………はァ。
馬鹿らしい……。
[……この体では、ヤケ酒も飲めはせんのだ。]
[死んでも尚色々と苛まれる事に
改めて自分の罪の重さを自覚しながら、
疲れ果てたかのように影は、再び森へ。
少し開けた場所に出ると、
幼い頃登った木の根に座り込む。
風に蒲公英の花が揺れる中、
影は、無い瞼を静かに閉じた。*]
メモを貼った。
― 昨日 墓地 ―
[ その場から遠のいてしまったふたつ
わたしは行く先を知るほうへ足を運びます。
ルパートさんが居るということは
族長様やオーレリアもどこかにいるかもしれないと
そんな小さな 期待と言ってしまっていいものか
複雑なものを胸に抱きつつ。
幾つかの声が聞こえたのは墓地のはしっこ
開いた穴と、その中で動かない骸が4つ。
包まれていて触れることはできなかったけれど ]
ルパートさん……。
[ さっき身を預けた彼なのだろうと、声を落とす。
サイラスが促して結果は聞かずに帰ってしまったけれど
”選ばれた”のは彼だったのかと 頭を垂れた。]
[ 先刻感じた 彼の手から拾った違和
ふ、と、何かが過るけれど わたしはそれに蓋をする。]
もうどうしようも、ないのだもの。
[ それが本当だったとて、わたしを撫でてくれた彼の手は
変わらないあたたかさだったのだから。
ひとつ、慈しむように ざらりとした袋を撫で
土が被さるおと達に重ねて うたを唄う。
また会う日まで また会う日まで
神の守りが 貴方のお側にありますように。
そんな、送別のうたは
声の無いラディ
エルの悲壮な遠吠え
……エル、
あなたの名前、喚べなくって…ごめんなさい。
[ ふっさりとした毛並みを抱きしめて。
せめてあの時。 ”彼”が名を教えてくれたとき。
口にしておけばよかったと、後悔ばかりが募る。]
せんせ、ありがとう。
[ わたしをここまで運ぶのも、土をかけることも
たぶん彼
抜けるような空も、見上げる姿
固く握られた拳が、視えた気がした。 ]
[ ばさり、とたなびく外套のおと
いっつも上機嫌なようでいて、その向こうは霞んで
ほんとうのすがたが見えなかった 不思議な彼。
それでもいま、この人が”そう”ならないために
一番頼れるのはこのひとだったから。]
アル、おねがいがあるの。
…………せんせを、護って。
わたしと繋がっていたひとを…まもって。
[ 右手首のさらりとした絹糸に左手を被せ、
この糸が 彼と繋がってしまわぬように。
自警団の彼が一緒に住んでいるのなら心強いと、
小さな願いを言葉に乗せて、翻る足音
― 早朝 火事 ―
[ 赫く燃える教会、わたしの目にすら映るような。
雑多な野次馬たちは、わたしの友達の姿
焼けるおと、パチンと何かが弾けるおと、悲鳴
いまこの村を包んでいる不条理が ここに凝縮されて
擦れ、熱を持って、業火を吹く。 ]
族長様……。オーレリア…。
[ あの2人がころされたばしょ。はじまりのばしょ。
わたしなら、熱も感じず中へ行けたかもしれないのに
両親が出会った村が壊れてゆくさまを”視て”いられずに
鎮火に励むヒトとヒトオオカミとの間をすり抜けて
誰もいない家へと帰る。
昏いままのベッドで
何処かから聞こえた笑い聲
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【人】 花売り メアリー―本屋― (218) 2015/05/18(Mon) 11時半頃 |
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[腕に縋り来る娘へと視線を落とす
彼女に自分の今の顔はきっと見られてはいないだろう。
情けないような、泣き笑いのようなその表情は]
(救われているのは、───どちらの方か)
[絡めた指先に、抱き寄せた腕の中のぬくもりに。
存在を、ここに在ることを確かめ許して貰った気になっているのは、むしろ、こちらの方かも知れなくて]
ああ。
[サイラスから、生きる大切な者から目を背けて。
搾り出すように湿った声で紡がれる、愛しい娘の名前
こたえた男の声は、罅割れてはいなかったか。
後悔やら悲しみやら罪悪感やら、それでも断ち切れぬ未練やら。
そうしたものを綯い交ぜに、ほつりと短く声が落ちる]
… ああ。
[あの子も、置いていかないでとあんなにこの腕に縋っていたのに]
そうだね、
[この娘は気付いているだろうか。
自分を励ますだろうその言葉、
それがこの愚かな男をも励ましてくれていることに。
犯した罪悪、それを口にするのはやめた。
少なくとも今この時彼女に告げるべきことではない。
言えば自分は楽になろうか、彼女をきっと苦しませて。
そんなことはもう、充分以上にやって来た。
己の為に友を苦しませ、娘を甥を嘆かせた。
この上更に、重ねることに意味があるのか。
…───それともこれも、弱い愚かな男の逃げか]
傍にいて欲しいと、きっと思っているよ。
[君にはつらいことだろうけど。
そう音にせず思うのは、互いに知ることだろうから。
だからと、彼女が与える希望だけを口にして]
君は強いな。強い、いい子だ──…
ああ。行っておいで、マーゴット。
気をつけて行くんだよ。
[自分勝手な感傷を裡に押し込め、目を細め、
かつて、宿から娘と出掛ける彼女に向けたと同じ声を掛ける。
そして淡い花の微笑
─ 墓場 ─
[聞き覚えのある声
男はは、その声
マーゴットのような強さを持ってのものではなく。
ただ”呼ばれた”のだ。
見えるのは、娘一人の”おそう式”
震える肩はやはりあどけなく、ひどく小さく見えた]
メアリー……
[嗚咽。嘆き。
この娘をもっと見守っていたかった。
ずっと傍にいて守ってやりたかった。
…ああ、これが未練かとぼんやりと思う。
未練が未だに、この身を縛り付けているのかと]
…………、
[いつものように、大丈夫だよと言える声も腕もなく。
風に紛れて寄り添い、娘の肩を抱くようにする。
透明な腕は草も娘もすり抜けていて、気付かれることもないけれど]
[娘が泣き止むまでそうしていて、
やがて真っ赤なアネモネが供えられるに手を添えた。
娘の目が、花と同じように真っ赤に泣き濡れている。
涙を拭ってやれる指はなく、
男は微かに歯をかみ締めて俯いた。
喉に手を当てる。ああ、やはり涙の代わりに血が流れている]
……、すまない。
[死んだというのに、妻の気配は近くにはない。
こんな罪に塗れた男に、もはや彼女に会う資格もないのか]
────…、すまない …。
[もう一度繰り返して、立ち上がる娘を見守った。
決意を口にする健気さ
願い篭めるようにして、その小さな背を見送った。
暫くの間、ずっと、ずっとそうして*いた*]
─ ??? ─
[おとなになる。ということが、
どれだけ変わったことかと───今は、思う。
死後に、こんなことを考えていても仕方ないのかも知れないが。
まったく、大人になってどれだけ成長したかと思う。
未だ若い者たちからは、男は大人に見えただろうか。
───とんでもない。
まったく、残念なほどに成長していない。
それどころか、身動き硬くなった分だけより悪い。
友と呼んだ男を八年苦しめ続けたことなど、その最たるものだ]
[妻を喪い、その死を嘆き。
救えなかった──救ってくれなかった彼を恨んだのは本当だ。
悲しみに沈みながら恨んだ…怒った。
そうしていないと、悲しみに押し潰されそうだった。
そうしていることで、自分を支えた時期が確かにあった。
ひどい話だろう。
医師はなにも、神じゃない。
救えない患者がいたって当然だ。
分かっている──…分かっていた、けれど。
彼なら、スティーヴならと思ってしまったのだ。
妻を助けて欲しいと、無茶な願いで縋ってしまった。
彼女が助かるならば、自分は何だってしただろう。
禁忌を犯すことすら出来たろう。
けれどその前に彼女は死に、その機会は永遠に失われた。
─── 見殺しにされたと、あの時思った]
メアリー…
[愛しい娘の嘆き声が微かに聞こえる。
ああ、彼女は今どうしているだろう。
生前最後に聞いたのは、悲しい絶叫
可哀相なことをしてしまった。
彼女の為に生きなくてはと、確かに思っていたはずなのに]
[妻の居なくなった世界は、色を失ったようだった。
あの時、多分、男のどこか大切な部分も一緒に死んだのだろう。
それでも時の流れは残酷で、痛みも次第に麻痺をする。
気付いたのはいつ頃からだったろう。
妻の墓に、折に触れてはそっと供えられる花のあることに。
甥ではない、娘でもない。
レオナルドに、それとなく聞いてみたこともある]
『いや。ルパート、多分それは──…』
[それは多分、”彼”の供えた花であろうと]
[…かつてキャサリンが笑って教えてくれたことがある。
スティーブンに教えて貰った、おまじない。
願いをするには蒲公英の綿毛を吹いて、一息で飛べば叶うだろう。
他愛もない、可愛らしいまじない
そんな無邪気なことを口にするところもある男だった。
あの時の彼女の願いは、叶ったか。
そういえば結局、聞きそびれてしまった。
優しい思い出の向こうに、冷たい雨音と嗚咽が重なる。
遠く記憶の向こうに蓋をしてきた声
────「すまない」と。繰り返し、響く]
[花の贈り主が分かっても、彼との関係が変わることはなかった。
変えられなかった…というのが、少し正しい。
もう、無邪気に声を掛けられる間柄ではとうになかった。
顔を合わせても、気まずい沈黙の続くばかり。
やがてすぐ耐え切れずに、どちらかが居なくなるという感じだ。
臆病だったのじゃないかと思う。
どちらも、相手に声を掛けることが出来ずにいた。
いや、声を掛けるなら自分からだったろう。
でも出来なかった。
もう何を言っていいのかすら、分からなくなっていた]
[それでも、表向きは互いにどうにかやっているようだった。
村医者は偏屈ながらも村人に頼られる医者としてやっていたし、
宿の主も細々ながらも一見穏やかに、店を続けていた。
年を取ればそれなりに出会いもあるもので、
どのみち幼い娘と多感な年頃の甥がいて家は賑やかだったし、
時折やって来る奇妙な傭兵の世話も焼いたし、
宿に長逗留した、気の毒な娘の世話も家族で焼いた。
彼らから、男は大人に見えただろうか。
穏やかに人当たりの良い、父や年長者に見えただろうか。
天秤は危うい均衡を保ち続ける。
平穏はそうして続いていくはずだった]
[ ───けれど ]
[”裏切り者”が捕まれば、それで良いのだろう?]
(”彼ら”は逃れられるかも知れない。)
[同胞を殺すなど───、愚かなことを。]
(”裏切り者”と何が変わるというのだ。)
[死は、八年前のあの日からずっと身近にあり。
届かない憧れのように、男の傍らに座り続けていた。
天秤が揺らいだ時、その壁も、また揺らいだ。
身近にやって来た死の誘惑に手を伸ばす。
…ああ!なんて強い誘惑だったことだろう。
彼らのため、子どもたちのため。
そんな言い訳を幾ら尤もらしくつけてみても、知っている。
これは単に、男が自分の為に望んだことだ。
何ひとつ”大人らしい”思慮分別もなしにして。
ひどく傲慢でわがままな子どものように]
グレッグ、
[遠い日の少年も、逞しい青年になった。
彼が居てくれるからと、少し安堵があったのを否定はしない。
…しないけど。最後に見た彼のまなざしを思う。
”また”彼に、親を亡くす痛みを負わせてしまった]
メアリー…
[愛しい娘の嘆き声が、聞こえ続けている。
お前にそんな思いをさせるつもりじゃなかった。
…いや、分かっていたのだ。分かっていたはずなのに。
怯えたように服の裾を掴んで、
どこにもいかないでと願う娘の瞳に確かに知っていた筈なのに。
それなのに、その切なる願いを破ってしまった]
(……お前たち、)
[お前たちが生き延びる道ならば、と。
男は共存のまどろみから醒めた者らに語りかけた。
ほんとうに、それは願いだったのだ。
だから聞こえる嘆きにも、悲しみにも]
(忘れておくれ)
[復讐など考えてくれるなと。
彼に重荷背負わせたのは自分なのだと───…]
( …ああ、)
[声を届けることが出来たら良かったのだけど]
………、スティーヴ。
[八年間。あれ以上苦しめたくはなかったなと思う。
遠い昔、彼は心優しい少年だった。
大人になってもそれは同じこと。
ならば八年、苦しんだんだろうなと思う。
苦しめたのは自分。
その上、更に背負わせたのもやはり自分だ。そしてその上、]
… ごめん …。
[赤々と教会を焼く炎が闇の向こうに見えている。
あれは今か過去か未来か、時の流れは今や曖昧で。
ただ、男はその中に誰がいるかを”知っている”
十字架に貫かれた人が誰かを、分かっている]
[己の罪の末路だ。
真に焼かれるべきは、この愚かな男じゃなかったか。
自分に───彼に手を下させてしまった。
彼にも、あの子らにも。
ではこの罪をどうしたらいいのだろう…
こたえを求めて、ゆらり頭を巡らせる。
向かうべきところは一つだろう。
マーゴットに、死なせてしまった娘に貰った
なけなしの勇気を手に、目を上げる。
生前避け続けてきた”彼”のところへ。
幽霊はゆらり、彷徨い*はじめた*]
メモを貼った。
メモを貼った。
― まどろみの中 ―
[ うつら、たゆたう意識。 ]
[ 誰かが咽び泣く声が聞こえた。]
( マーゴット。
そうやってすぐに泣くんじゃない。 )
( ……マーゴット。 )
[暗闇の中、白い手首をぎゅうと握って、
抑えようとして、
その幻影は男の手をすりぬける。]
[――そうして、響き渡る泣き声に耳を塞いだ。]
[
それはラディスラヴァの嗚咽に聞こえた。
それはメアリーの「やめて」という声に聞こえた。
それはグレッグの「叔父さん」という声に聞こえた。
それはサイラスの萎れた声に聞こえた。
それは「ヨハネス」の血を吐くような叫びに聞こえた]
(泡を吹かせるのは此方のほうだったが)
(置いて逝く方も悔しい事を、君は知らない。)
[ そしてまた、それはあの日背を向けた友
声無き泣き声のように、聞こえた。]
( ……キャサリン。)
(僕は、どうすればよかったんだろうか)
[彼の涙を拭うものは。
ただ。妻のたおやかな白い指先であるべきだった。
――奪ったのは自分だ。医者の顔をして
何一つ守れはしないこの自分だ。]
(……泣いているのは、誰ですか。)
( 心の痛みに効く薬はありませんか。)
[噫、患者が沢山いるのに、
男はそれを救う術を 一つも持っていなかった。]
( 必要なのはきっと誰かの温もりで
そしてそれを与えるのは、
自分の役目では ない。 )
[知っている。よく知っていた。
ならば、どうすればいいかわからなかった。
だからこそ、あの時。
そして彼に「誘われ」た時。
男は、優しさと反対の道を行った。
あの家族から更に父を奪う事になると知りながら
大義名分をたて、信じた道を進む事にした。
話し合うこともあるいは出来ただろうに。
うらまれることなど重々承知だった。]
[――……「村医者」を罰すならば、
一番最後につるし上げればよかったのだ。
すべての罪を押し着せて、
「疑いあいを唆した、こいつこそが大罪人だ」と
そう云って処罰してしまえばよかったのだ。
それを予感し、受ける覚悟すらあった。]
( ……残念だったね……。)
[それとも、「裏切りもの」たちは
(それが男の予想する彼らだったならば)
あの火刑で少しは、溜飲が下がったのだろうか。
そうならばいいなと思う。
きっと、生きる限りそうではないんだろうなとも思う。
罪は人の心にすまうもの。
けして、逃れられはしないものだから。]
[
夢の中に彼の背を見た。
無邪気に声をかけていた時は最早遠く
降り注ぐ雨の中立つ彼の姿は
一層、孤独なように思えた。 ]
( ……ルパート。 )
( ………………、僕は)
[ 聞き覚えのある足音が聞こえた。 ]
― 現実へ ―
[目を開ける。
顔も体も、依然として真っ黒な影のまま。
( ……足音。)
視界の端に、蒲公英が揺れていた。
白い綿毛が風にそよいでは、
( ……噫、聞きなれた、足音だ。)
一つ、また一つと飛んでいく。]
タンポポの綿毛を一息に吹き飛ばす。
――種が残らなければ、恋が叶うんだと。
昔、よく遊んだ人間の子が言ってたよ。
[彼女はとうの昔に亡くなったが。]
[影は前を向いたままそういうと、
ずるりと立ち上がり、
彷徨う幽霊の目の前に立った。
自分が抉った首の惨状がそのままなのを見ては、
虚勢の様な笑顔を浮かべる。
全て黒く塗り潰された顔では伝わりはしないが]
…………やあ、ルパート。
[そう、静かに元友人の名を呼んだ。*]
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【人】 花売り メアリー[封筒を手にすると (296) 2015/05/18(Mon) 21時半頃 |
【人】 花売り メアリー―→宿屋― (297) 2015/05/18(Mon) 21時半頃 |
【人】 花売り メアリー―宿屋・勝手口― (298) 2015/05/18(Mon) 21時半頃 |
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メモを貼った。
【人】 花売り メアリー ダメ―――!!! (304) 2015/05/18(Mon) 22時頃 |
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【人】 花売り メアリー イヤァァァアアアアアアア!!!!!! (321) 2015/05/18(Mon) 22時半頃 |
【人】 花売り メアリー お兄ちゃんッ…――!! (342) 2015/05/18(Mon) 23時半頃 |
[ゆらり、幽霊の行き着いた先は懐かしき木の根元。
死出の道行にも見かけた、一本の木の下に
…─────、
[ひゅう。と、喉から開いた穴から空気が抜けた。
これではタンポポの綿毛は飛びそうにない。
向こうを向いたまま、昔がたりを口にする黒焦げに、
そんな、他愛もないことを思って]
… スティー 、ヴ
[名を呼び返す音は掠れて聞き取りにくく、
ひゅうと空気の通る不快な音が混じる。
おかしいなと喉に手を遣れば、またそこから血が滴っていた。
少し眉を顰めてみる。
こんな姿を、また晒しに来たかった訳じゃない。
これでは、あまりにこれ見よがしではないか。
とはいえ向こうも黒焦げなのだから、これで丁度というわけか]
……………………………。
[ああ、やはり。彼を前にすると言葉を失う。
なんだ、これは死んでも同じか。
死んでも人は変わりはしないか…当たり前の話だろうか。
血を押さえるようにして、喉に手を当ててみる。
可笑しかった。こんなに穴から空気を吐いて、
なお、喉に言葉が詰まるとでもいうつもりか]
……………………。
… 謝りに、……───来たよ。
[長い沈黙の後、ひどく聞き取りにくい囁き声を風に乗せ。
一歩を踏み出しす足が、タンポポの上に重なった。
透き通る足の下、タンポポの白い綿毛が身体を抜けてふわり、闇に白く浮き上がる*]
メモを貼った。
メモを貼った。
[焼かれた体に未だ炎が燻るように
ゆらりと尾のような影が揺らめいた。
――かちり、と影の爪が一度鳴る。
(誰が彼を殺したのか)
ひゅう、と虚ろな空気が通う音。
(あの喉を抉り殺したのは自分)
つ、と骨ばった首から、ぽたぽたと血が滴る。
(あの血を掌で受けたのも、自分)
呼ばれた名と、続かない言葉。
(…………ああ、変わらないな、何もかも。)
彼が――ルパートが、何を知っているのか、
何も知らない影は、彼が眉を顰めた理由を
正しくは理解していない。
ただ、死んでもまだ痛いのか、と思っただけだ]
[長い長い沈黙の中、
影は、無い目でただ鳶色を見つめている。]
……………。
[ 彼が一歩。踏み出せば
花は折れることなく、綿毛を揺らすだけ。]
[ 何を、と思う。]
………… は。
[小さく息を吐いたのは、沈黙が重かったからで。
それから、小さく肩を竦めて、それは少し
憎たらしげな仕草に見えただろうか。]
…………子供の時は、
一晩寝りゃすぐ仲直りだったのにさ。
なんだって、僕ら今こんなに不器用なんだ。
謝られるような事は、されてない。
(むしろ謝ることの方が多すぎるんだ)
それでも。
[相も変わらず、彼を目の前にすれば
胸が痛み、心が血を噴出すような心地がするが
少しだけ向き合えるようになったのは
最早、死んでしまったから、というのが大きい。]
ルパート。
……何か、あるのかい……?
[喋ることさえ辛そうな彼に
問う声は、できる限り柔らかく。
まるで診察中の医師のような口調で問うた。*]
メモを貼った。
【人】 花売り メアリー グレッグお兄ちゃんを苛める奴は (359) 2015/05/19(Tue) 00時半頃 |
【人】 花売り メアリー
(370) 2015/05/19(Tue) 01時半頃 |
【人】 花売り メアリー なにが…大丈夫なの…。 (373) 2015/05/19(Tue) 01時半頃 |
[かつての友から向けられる声は、あくまで柔らかく
それが逆に、彼まで届く距離の遠さを思わせた。
実際には目前にすぐ、手を伸ばせば届く位置にあるというのに]
……、君に、
[手を、伸ばそうとする。
持ち上げられた腕は、躊躇うように宙で止まった。
黒焦げの背後に、ゆらと揺れるものがある。
息を失った鼻腔に焦げ臭さまで漂うようで、
差し伸べた手は宙に軽く握られ落ちた]
辛い、 思いを───…
… させた、ろう ?
[あの時の、瞳の奥の迷いと恐れ
あの時押し殺した声で呼ばれた、名の響きに
どうして気付かない筈があったろう。
彼とは親しい───友だったのに]
…………。
君が悪かった───…、
…─── わけじゃ、ない。
[いつの。とは言わぬまま]
…もう恨んでも、 ない。
だから、
…────、ごめん。
君にそれだけは、言って……おきたかったんだ。
[仲直りというには不器用に、男はゆらと頭を下げた。
けど、これだけはというように、
空気の漏れる喉から切れ切れに声を押し出して。
下げた腕を再び伸ばすことなく、ついと向こうへ身体を*向けた*]
メモを貼った。
【人】 花売り メアリー―9歳の記憶― (386) 2015/05/19(Tue) 02時半頃 |
【人】 花売り メアリー[ その日兄はとてもうろたえていた。 (387) 2015/05/19(Tue) 02時半頃 |
【人】 花売り メアリー
(388) 2015/05/19(Tue) 02時半頃 |
【人】 花売り メアリー
(390) 2015/05/19(Tue) 02時半頃 |
[少しでも柔らかく、話し辛いなら、話しやすいように。
それは友に向けるものとしては、
少し、距離が遠いものだった。
呼びかけられる。
手を伸ばされ、
まるで何かを恐れるようだ。
年月が経っても変わらないのか、
それとも年月が人を臆病にするのか。
ルパートの唇から零れる言葉は、
どこまでも、どこまでも不器用で
何がどうだっただとか
そういった具体的なものを置き去りにして
搾り出すように彼の心情だけを描き出す。]
[――……そうして、言葉だけ置いて、
彼はまた、ついと背を向けるのだ。
君のほうが辛かった……だろう。
キャサリンが死んで、
君一人で家族を支えて……。
うらんでない なんて嘘をつくなよ。
[許しは請わないと言った筈だ。
それなのに、こうして謝りにきた。
それは多分、相手も辛いからなのだろう。]
…………ルパート。
[呼んでも彼は振り返らなかった。
その背が、酷く悲しいものにみえたのは何故だろう。
泣いているように見えたのは、何故だろう。
影は息を吐く。
胸に空いた風穴から白く靄が零れた。]
ルパート。君は、「また」、……そうだ。
[一歩。]
僕の答えも、声も。何も、聞かずに
そうやって……いつも、いつも、背を向けるんだ。
[二歩。]
[進むごとに影が薄まる。]
[隣に立つ頃には、
影は生前の姿をほんの少しの間、取り戻して]
勝手だなあ。ルパート。随分と勝手だ。
[その背に触れた。
幾度か、とん、とん、と叩いて撫でる。
喉奥につかえた痛みを流そうとするかのように]
ごめんな。
苦しかっただろう。辛かっただろう。
…………もう、いいんだ。ルパート。
(背負わなくたっていいんだ)
[そう言って静かに、空を見上げた。
できる事は、ただ、
この友の背に負った悲しみが少しでも軽くなるように
寄り添う事くらいだったが。
――それすらもおこがましいか。
ルパートの背を撫でながら、小さく自嘲した。**]
メモを貼った。
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