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![]() | 【人】 寡婦 パピヨン─ 三年三組教室 ─ (212) 2017/03/17(Fri) 23時頃 |
![]() | 【人】 寡婦 パピヨン─ 廊下 ─ (213) 2017/03/17(Fri) 23時頃 |
![]() | 【人】 寡婦 パピヨン (214) 2017/03/17(Fri) 23時頃 |
裸……?
[おかえりなさい、を言えてほっと一息ついた直後にまた目を丸くすることに。
それからわたしの眼差しは。
上須賀くんとささらちゃんの間を行ったり来たりしたけど下手に詮索はしない。
パンケーキの話を聞けば盛大に「いいなあ」と口にしたけれど]
………こうなったら、
昴くん帰ってきたらパンケーキ作ってもらおう。
盛り付けは健士郎くんにやってもらって。
[今は夜遅いからまたいずれ]
[
頭を示されたなら、より心配になる。
体のケガよりもヤバいやつなんじゃないのかな、それって。
でも、元気そうに振る舞うその様子に、
それ以上何をどう言えばいいのかは分からない。]
……ああ、うん。
わたしたちのマネキンもあったんだ。
[
聞けば、帰る順番は一斉ではなく、少しずつなのだということが分かる。
それに何の意味があるのかは分からないけど、残された人たちはどういう気持ちになるんだろう。
あの笑い声と泣き声の放送を聞き続けて、頭がやられたり、しないかな。
——なんて。チャイムが鳴るごとに変遷して行く校舎のその後の様子を、わたしは知らない。]
えっ?
[
わたしのマネキンの有様が聞こえた。
……校舎を出る際、途切れた記憶。
あれも夢を見ていたような、ふわふわした心地だったけど、
全身を包む寒さを少し思い返して身震いした。]
そうなんだ。なんでだろうね。
よく覚えてない。……みんなもそうでしょう。
[髪をいじりながらとぼけてみる。
別にマネキンの裸を見られても大したことはないけど、
もしかしたら美術準備室の件がいろいろと筒抜けになってしまうのではないか。
そんなことを心配して、でも、上須賀くんは直接見たわけじゃなさそうだし。]
何があっても不思議じゃないもの。ね。
[
朝食はパンケーキ?
あっ、いいな。ずるい。
元賀くんがクリーム係したの。
見たかったな。文化祭の時、フリル手伝ってもらったの、すごく上手かったし。
向いてそうだよね。
[自慢された。ストレートにそう思った。
パンケーキといえば我々にとって思い出の食べ物ですし。
文化祭を模した校舎でそれを食べることができたなんて、羨ましいとさえ思う。
どこか、緊張感の欠けているわたし。
クラスメートが死の淵にいるというのに。
必ず戻ってくると確信しているのか、それとも、どうでもいいと思っているのか。
……後者ではない、と、思いたい裸のわたし。
自分の気持ちさえ、殺して生きていこうとしたこれまでのわたし。
どうすればいいかは、ゆっくり考えていく。]
[
わたしはあの校舎で推測をした。古辺くんと話していたこと、それをそのまま口に出す。
みんなにも自分の気持ちを知って欲しかった、から?
だって、あの校舎は文化祭みたいだったけど、
明らかに文化祭にはなかったもので彩られていたから。
橘くんには、ああいう風に見えていたのかも。
[……目映すぎる電飾に、止まらない放送。
あれはきっと、橘くんの苦悩に直結している。と思えた。
そういえば、あれは答えを問いかける形式だったっけ。]
[あれに対するわたしの回答は、
きっと、橘くんが求めていた回答にはならないのではないか。
そう思うから、上須賀くんに頷く。
そうだね。
少なくとも、死んでみたって答えは見つからない。
……と思うけど。
それとも、……答えを見つけたくなかったのかも。
[これも、ただの勘。今度ばかりは自信もない。
誰かに答えを突き付けられたら絶望するかもしれない。そう思えたなら、って。
わたしは橘くんの何を知っているというんだろうね。
自分で吐いた言葉を掻き消すように、苦笑いして頭を振った。*]
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![]() | 【人】 寡婦 パピヨン[枕の横から聞こえてきたそれに、耳を疑います。 (223) 2017/03/17(Fri) 23時半頃 |
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![]() | 【人】 寡婦 パピヨン[その黒髪の持ち主には、すぐ追い付けたでしょう。 (225) 2017/03/17(Fri) 23時半頃 |
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![]() | 【人】 寡婦 パピヨン[チャイムの後。外を見れば、きっと目に入るでしょう。 (232) 2017/03/17(Fri) 23時半頃 |
![]() | 【人】 寡婦 パピヨン[……さようなら、冷たい校舎。 (233) 2017/03/17(Fri) 23時半頃 |
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…………。
[帰った時のこと、
よく覚えてないとささらちゃんは言うけれど。
わたしもそうだ、ってすぐには答えられなくて、
誤魔化すみたいに手をひらりと振った。
今にして思えば、あお姉があの校舎にいるのなんてどう考えてもおかしいのに、
なんで、逃げなかったんだろう、あの時のわたし。
……過ぎた話だ、と気持ちを切り替える]
そうだね、
……機械のコンセント抜いても声が止まなかったりもしたし。
[結局提案するだけで終わった、“機材を椅子で殴って止める”というのは誰かやったんだろうか、
いっつもあの調子じゃ力ずくで止めたくなる人が出てもおかしくはないんじゃなかろうか。
わたしが帰った後もさらに鳴る音が変わり続けている、とは、
さすがに想像の外側にあった]
[パンケーキにはしあわせな思い出があればいい。
そんなことを昴くんが思っているとは知らないけれど、
事実として、パンケーキにはしあわせな思い出が詰まっている。
思い出の再来を願って、心を軽くできたのはほんのわずかの間。
だって、誰か一人でも戻ってこなかったら、
パンケーキどころじゃないって思うわたしがいる。
なかなか、ささらちゃんみたいにどんと構えていられないのは、
わたしが心配しすぎなだけなのかな。
でも無理もない話だと思う。
心の中に閉じ込められて広がる景色を見てみたところで、
りーくんのことが分かったわけでもなし]
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