196 水面に映る影より遠く
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[久水さんと丹野さんの着付けは、 私がしましょうとも。 何方かの身体を使わせて頂いて、 説明しながら、着付け教室を開きましょう。 ただ、その前に。
ご飯をたべて、腹拵えをしてから再集合です。 準備には………三時間くらいあれば 足りますでしょうか? 時計をちらり。 プール後の空腹を満たすため 一時解散? それともみんなでつまみ食い?*]
(324) 2016/08/22(Mon) 20時頃
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─ 花火へと─
[再集合をして、みんなを着付け、 そして、変身してゆくさまを満足げに 楽しく眺めさせていただきました眼福です。
先ほど、思わぬ叫び声を耳許であびた 鈴宮さんの鼓膜が破れていないといい。 と、今更ながらの心配を胸に抱きつつ。 ひとつひとつ着付け方を教えてゆきました。 実演してみせるだけでは、 やはり上手く伝えることは難しかったのでしょうね。 鈴宮さんの掌に掌を重ねて、ひとつずつゆっくり。 じっくり舐め回すように堪能するように丁寧に。]
(338) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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ほら、これで完成です。 ………ふふ、鈴宮さんなら きっとすぐに覚えられますよ?
[出来上がった彼女の浴衣姿にご満悦。 耳許で、こっそりされる内緒話も、 聞き耳を立てて、楽しそうに聞くのです。]
(339) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[けれども、耳許に届いたその言葉に、 息が、止まってしまいました。
視線は一度、地へと落ちます。 数秒の出来事でしたが、 それはとても長い時間のように感じました。 私は、困ったように微笑んで、 でも、鈴宮さんに心配をかけたくはありませんから。]
(340) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[こっそりこそり。 みんな内緒話が好きですね。]
(341) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[さて、 私の髪も、東明さんに弄ばれてしまったのでしょうか? 人に髪を触られることは、嫌いではありません。 むしろ、すきなほうです。 ましてや、東明さんのようなかわいい女子に 触ってもらえるとあらば、私の心臓は どきがむねむねでした。 仕上がりはどんな風になっていたのでしょうか? 彼女の魔法の掌は、みんなをお姫様に変えるのです。 あ゛、東明さんもお姫様なのですけれどね! そして、私はヒーローなのでみんなを守る立場、的な?]
(342) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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……まんぞく、です。
[ふう、小さくため息。 見上げた時計は、集合時間を過ぎては いなければよいのですけれど…。 さあ、急いで向かいましょう。 ……と、一歩を踏み出しかけたところです。]
(343) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[ 私に素顔を晒せと、のたまう悪女がいます!!!
この眼鏡は、………伊達眼鏡のようなものです。 私の空気感を彩るアイテムのひとつなので、 視力が悪いわけではありませんでした。 ほんのすこしだけ、空気に当てられていた そのせいもあるかもしれませんね。 私は、眼鏡のフレームをかけ直すように 指をかけて、位置を調整します。]
……なくても、 見えないことはないですけど
[外してしまえば、私の醜い顔面が晒されてしまう! そう思うと身震いがするわけです。]
(344) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[ 眼鏡は果たして死守できたのでしょうか?
大和撫子たる私が、はしたなく襟元を はだけさせることは決してないと誓いましょう。 ただ、周りのみんなの艶やかな姿に、 思わぬ興奮をしては、頬の色を染めたことでしょう。
そこでふと、私は思い出してしまったのです。 この花火、男子たちも一緒なのだと! こんなにも愛くるしい女子たちを、 男子たちの前に晒してしまってもよいものでしょうか?
いいえ、いいはずがありません!! けれど、みんなの足は校庭へと向かうのです。 私は、傍にいるであろう、誰かの浴衣の袖を きゅっと握り、 いやいやをしてしまうかもしれませんね。]
(345) 2016/08/22(Mon) 21時頃
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[準備の途中で、鈴宮さんは写真を撮っていたかもしれません。 あまり、写真というものに残されたくはないのですが、 鈴宮さんの顔を見れば、拒絶するのは申し訳なく だから、せめて。 顔くらい見えないようにと隠していたかもしれません。 鈴宮さんの隠し撮り技術の方が上だった場合は、 むりかもーですけれど、ね?
髪が、東明さんの魔法のおかげで、 ゆるふわフェミニンになりました…!>>356 私は、鏡に映る自分が自分でないような気がしてい、 テンションが、やはり上がってしまっていたのでしょう。]
(399) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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ぇ、みえ、ます……… んん。
[期待に満ちたその瞳に乾杯。…じゃなくて完敗です。 ただ単に恥ずかしいから外せなかっただけですから、 あまりに勿体振るほうがよくないのかもしれません。 それに、……彼女は無理やりと思っているかもしれませんが 実際に私は、今を楽しんでいるのです。 久水さんにここまで連れてきてもらったのですから、 感謝の意味も込めて。]
(401) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[ 眼鏡は、外したことでしょう。 慣れない硝子越しの視界。 硝子を通して見てきた世界が、 直接的に脳内へと辿り着きます。]
(まるで、違う世界見たい…)
[なんてこっそり思っていました。]
(404) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[さて、私が掴んだ浴衣の主は、 鈴宮さんだったのですが。>>352 見えないから掴んだと思われていたのは 私にはわからないこと、でした。]
ち、ちが………ちが、います……
[私は、ヒーローです!!!
お姫様だなんて言われるものだから、 言われ慣れていないものだから。>>353 思わず意識がまた他所にずれるのでした。 そして、私は、彼女と手を繋いだまま。 ようやく校庭へと辿り着いたのでしょうね。]
(406) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[そして、辿り着くまで花火の話をしたのだと思います。 私は、一度解散したときに、 近くの 駄菓子屋さん で、花火を買ってきました。 お店のおばちゃんとは仲良しですから、 おまけ といいながら、 袋いっぱいに包んでくれました。 こんなにいらないかも、と思ったりもします。 だから、何が入っているのかはわかりませんが、 きっと楽しい花火たちなのだろうと思いました。]
(408) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[男子たちは、すでに花火を始めていた? のかもしれませんね。 辿り着いたら、浴衣を褒めちぎる男子たち。 ……たとえば、青い春のふたりがこの中にいるとしたら、 私は影の功労者として称えられても 問題はないのだろうと思います。
私は、みんなの後ろでこそり。 そんな私に、グッジョブと言うのは 強引に花火の約束を取り付けた若菜さん。>>391 まあ、今回ばかりは許してあげましょう。 あなたのおかげで、こうして花火に来ているのも ひとつの後押しになったのですから。 …と、私は小さく頷くだけでした。]
(410) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[そして、心配していた千島さんも、 ちゃんと花火をしに来ているのを見つけ、 安堵の息を吐き出したことでしょう。
ぺかちゅう、いつなら教えられるでしょうか?]
(411) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[おのおの、思い思いに花火というイベントを借りた 青春を過ごしていることでしょう。 男女の甘酸っぱいひとときを 邪魔するつもりはありませんから、 私はこそこそ、すみっちょで 花火に火をつけてぱちぱち。]
きれー、ですね
[ひとりぼやいてました。 すると、シャッター音が聞こえます。>>395 盗撮か………!?!? と思うと、そこに居たのは樫木さん。]
(413) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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来年も、変わらない光景が 見られたらいいですねぇ
[肘をついて彼をちらり。 視線の先の光景は、 きっと変わらずに再現されることは叶うのでしょうね。 たとえば、バケツの二人組を横目に、 私はまた呟くのでした。]
(414) 2016/08/22(Mon) 23時半頃
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[想い出を決して望んでいない訳ではないのです。 こうして共に過ごす日々は、 とても輝かしくて楽しくて、 私の宝箱に綴じ込めてしまいたいものなのでしょう。
ですが、私は我が儘なのです。 傲慢でお下劣で酷い女なのです。 自分と同じだけのものを、 相手にも求めてしまう。 私が憶えているものすべてを、 あなたにも憶えていてもらいたい。 そんな我が儘なのです私は、 こうして想い出を重ねてしまっては、 いけなかったのです。]*
(415) 2016/08/23(Tue) 00時頃
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[盗撮といえども、 みんなを盗撮しているかと思ったので、 まさか自分にレンズが向けられているとは、 夢にも思っていませんでした。>>420 だから、此方に向くカメラに私は酷く狼狽え そして、眉を潜めていたに違いありません。
でも。]
……ふふ、こうして離れていると、 みんなの楽しそうな笑顔がよく見えますね でも、私なんかよりもっと素敵なひとが 来年にはいると思いますよ?
[あ 火花が消えました。 儚い花火の散る様子は、褪せゆく記憶と重なります。]
(445) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[浴衣を汚してしまっているかもしれません。 丁寧に洗って返しますから、お許しください。 立てた膝を、両腕で抱えましょう。 そうして、彼の手の内に収められたカメラを 視界にとらえていました。
背中を押す過去も、手を引く未来も。 偶然あつめられたこの補講メンバーには、 それぞれ異なるものとなるでしょう。 ですが、私たちには同一の記憶が残されます。 補講をした僅かな数日、そしていまこの瞬間。
この想い出は、 私たちに何を残してくれるのでしょうか? 私たちは、まだ何もわかるはずがないのです。]
(446) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[貴方の押すシャッターは、 いまこの瞬間を、形として残すものです。 といっても、残せるものはほんの一部分。 切り取られた一瞬だけなのです。
けれど、遠い未来に、 その写真を目にしたとき、 私たちは思い出すのかもしれません。 褪せかけたこの、ささやかな青い春を。]
(447) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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……いい、ですよ。 想い出、ですから。
[写真を撮っていいかなんて、 ……よくないに、決まっています。 それでも、許可してしまうのは。 この熱い夏に魅せられてしまったから。 ということにしておいてあげましょう。]
(448) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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[少し、風にあたって乱れた前髪。 東明さんが、綺麗にしあげてくれたのですから、 写真に映る前に、私は綺麗に整えましょうか。
───カメラのシャッターは、 この瞬間を一枚の絵に閉じ込めたのです。
私と樫木さん。 ふたりと、背後の奥の方に映るみんなの姿。 この一枚は、もしよければもらいたいな、 と、思ったりもしました。]
(450) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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くすっ、……どうして、 どうして、樫木さんがお礼を言うんです? 私こそ、
[宝箱に綴じ込めるものが、 ぼんやりと決まってきたところです。 消えない想いも、想い出も。 其処には本当にあったのだと、 何らかの形で示すことができたのであれば、 私は、………─── 私は、]
(451) 2016/08/23(Tue) 01時頃
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ありがとうございました、
[俯いて、私は小さく呟きます。 でも、すぐに笑顔になることでしょう。 空の月を一度仰げば、 次なる花火を取りに、行こうと立ち上がります。
憶えてしまった感情を、かき消すかのように。]**
(452) 2016/08/23(Tue) 01時半頃
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[私の、 空気計画 は、見事に瓦解しました。 最後の最後に、でした。 補講なんて、受けなければよかった。 そう思う側面もあるかもしれません。 結局、自らの肌を他者に見せる結果になったのですから、 はじめから、森に沈んでおけばよかったのです。
転校する なんて、 先生に伝えなければよかったのかもしれません。 そうすれば、みんなにこんな空気を与えずに “ いつも通り ”を続けられていたのでしょうから。
後悔に、後悔が重なります。]
(479) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[ “ まだ、帰りたくない ”
そんな我が儘が通用するほど、 世の中は甘くはないのでした。 分け合おうとした火種は、>>473 与えてしまったら、終わり。 私の花火の炎は消え落ちてしまうでしょう。 まるで、灯火の炎が いと のように、 紡がれていったかのようです。]
いいでしょう、特別に。
(480) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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呼ばせてさしあげても、構いませんよ?
[若菜さんの提案に、 私はこう、答えました。 他の人も、好きなように呼べばいいのです。 私は、一度も嫌だとは言ったことはないですから。 優さん その名の通り、 ゆたかな心で、ゆたかな未来を 築き上げてくれることでしょう。]
(481) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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[線香花火の小さな火種に、 ながくながく続くようにお願いしたのは、 人生で初めてだったと思います。
全員分の、線香花火。 落ちてしまったら、 あたりは暗闇に包まれていました。 でも、傍には、何人もの友人たちがいたので、 暗闇は怖くはなかったように感じました。 いまなら、水面に映る影さえも、 この手でつかみ取れるような気さえしたのでした。]**
(482) 2016/08/23(Tue) 07時頃
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読書家 ケイトは、メモを貼った。
2016/08/23(Tue) 07時頃
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