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【人】 双子 夕顔――神楽邸・回想―― (19) 2011/08/18(Thu) 14時頃 |
【人】 双子 夕顔[だから、二人だけの相談をするのは、もっと後でいいと思っていたのだ。 (20) 2011/08/18(Thu) 14時頃 |
【人】 双子 夕顔[朝顔はどんな顔をしたのか。 (21) 2011/08/18(Thu) 14時頃 |
【人】 双子 夕顔[一年ぶりに、隣に誰も寝ていない朝。 (22) 2011/08/18(Thu) 15時頃 |
【人】 双子 夕顔お祭りが終わったら、朝ちゃんは帰ってくるんだもの。 (23) 2011/08/18(Thu) 15時半頃 |
【人】 双子 夕顔どうしよ。 (24) 2011/08/18(Thu) 15時半頃 |
【人】 双子 夕顔源蔵せんせなら、何か知ってるかな。 (25) 2011/08/18(Thu) 15時半頃 |
【人】 双子 夕顔――村の通り―― (42) 2011/08/18(Thu) 21時頃 |
【人】 双子 夕顔寂しい……のかな。 (48) 2011/08/18(Thu) 21時半頃 |
―寄合所―
……解せぬ。
[ものっそい不機嫌な顔で、腕組みをして呟いた]
長老、出し物のからくりを作らねばならんから、僕は役員にならんでいいという約束だったではないですか。
[たしか出し物の依頼を引き受けた時に、そういう口約束をしたはずなのだが。精一杯ねめつけてみるが、長老は何かふがふが言うだけで、まったくもって要領を得ない]
祭りの出し物がひとつ減っても、知りませんよ僕は……。
[溜息ついて、寄合所の端に座り込んだ]
[何かおかしい、という想いは、夜も更けてからますます強くなる]
いや、離してください、夜くらい帰らせてくださいよ!
[家へ帰ろうと思ったら、顔役に首根っこつかまれて引きもどされる。寝泊まりの道具なら充分にあるからと。食事ならおかみさん連中が差し入れを持ってきてくれるからと]
やです、やですよ、僕は南瓜を食いに帰るんだっ。
[頑として言い張ってみるものの。聞き分けのない子供を諭すように、再びころりと、寄合所の奥に転がされてしまった]
……どうなってんだ。
[まるで、何か見えない力に、この場所に閉じ込められているかのような。昨日、団十郎と話をした時の、『神通力』という言葉が脳裏に過った]
メモを貼った。
【人】 双子 夕顔――鳩渓堂―― (55) 2011/08/18(Thu) 22時頃 |
【人】 双子 夕顔[玄関に出てきた一平太に、やたらと丁寧な挨拶をされて。 (60) 2011/08/18(Thu) 22時半頃 |
【人】 双子 夕顔えへへ。 (70) 2011/08/18(Thu) 23時頃 |
【人】 双子 夕顔ええっ!? (77) 2011/08/18(Thu) 23時頃 |
【人】 双子 夕顔[出された煎餅が、おみつからのものと聞いて。] (88) 2011/08/18(Thu) 23時半頃 |
【人】 双子 夕顔
(89) 2011/08/18(Thu) 23時半頃 |
【人】 双子 夕顔[一平太は、源蔵よりもずっと直截に、答えをすらすらと教えてくれて。 (108) 2011/08/19(Fri) 00時半頃 |
― 寄合所 ―
ほうこの漬物なかなか美味ですな。
この漬け方はどうして―?
[漬物の話やら世間話やら。すっかり役員と談笑している。帰宅しても特段することもないので宿泊に抵抗はないようだ。
海岸を見張る―其れが出来ないのは心残りだが。]
―寄合場の窓際―
……また人連れてきたかんじですか…?
わたしは手伝わないってば……。
[相変わらず不機嫌な様子で外を眺めている。
障子、そして雨戸を開いたそこは外の空気が直接流れ込んできていて。
逃げ出そうと思えば逃げ出せなくもないが。]
…………あーあー……。
つまんないですねー……。
お祭りは楽しむほうがいいに決まってるのに…。
[そこに、訪問者が現れた。]
[ぶちぶちと文句をいいつつ、部屋の隅っこで祭具の組立中]
……日向の質問に、答えそびれたなぁ。
[手助けなしでも、彼女は答えを出せるだろうか。
「みらいじんはわるい」、日向ははっきりとそう言った。けれど、そう確信しているならば何故、彼女は「質問」をしたのだろう。
それはきっと、迷いに他ならない。誰かのお墨付きを得ることで、自覚ない迷いを振り払おうとする行為]
……あながち間違ってもいないと、思うけどね。
本来交わるべきでないものが交わると、必ずひずみは生れる。
時の仕組みを完全に理解しないまま、その場しのぎの誤魔化しで記憶操作を続けているとしたら。それは良いことではないのだろう。
……いや、
[ほつれた飾り紐を編み直しながら、小さく呟く]
そんな説教くさい話ではないな、
おょ、甚六さん…?
え……傘……?
[それは修理に出していた傘。]
あー…団十郎さんから…ですよね…?
ありがとう、って伝えておいてください……。
忙しいから…甚六さんも外出れないですよね…。
[受け取った傘はやけに軽くて、見違えるようだった。]
…………。
[修復された傘。
あのおんぼろだった傘。
繕い、直し、そして、また傘としての働く。]
―― お迎えがやって来た ――
燈火運び?
[井戸にスイカを放り込んだ後
お豆腐が多すぎると、母さんに怒られた
だって、皆で食べられる方がいいと思ったんだもの
お味噌汁にだって、使うと思ったんだもん
そんな時に、お祭りの実行委員だって人が来て
私に、その役が来たんだと言った]
…――――
お家に、帰れないの?
[未来に帰れないのは、構わないけれど
夕ちゃんと一緒にいられないのは、嫌で]
…………、うん。
[なんともいえない空虚感。
この原因が分かることは恐らくないだろうと確信している。]
………外出られないから。
傘届けてもらっても使わないですけど…。
[寄合場の部屋の中で傘を広げる。
傘の中から見上げるようにしてみれば、そこにある風景はいつもとは変わっていた。]
……毎日、進んでいく、ってこういうことですよね…。
[風が吹き込めば、そのまま外を見た。]
人として出会い、関わってしまったんだ。
……忘れたくないよ。
[過ごした記憶、大切な記憶。
細かな砂のように両手から零れおちて、きっと]
ひとりで見上げる星空に悲しくなっても、
僕は、その理由をきっと思い出せないんだ。
夕ちゃん…―――
[代わりに行こうか、と言ってくれる夕ちゃん
でも、夕ちゃんが代わりに行ったって
一緒にいられない事に、変わりはないから]
…――――
いいよ、私、行くよ
夕ちゃんと一緒にいられない時間は、寂しいけれど
一度、こういう役もやってみたかったんだ
[母さんがやって来て、荷物や着替えの準備をしてくれて
夕ちゃんに、行ってきますって、言う前に
連れていかれてしまった]
[障子の向こう
あおいいろ
ほろ り こぼれる
なみだが1つ
そらも うみも
いまだけは
このかなしみを隠してほしい]
部屋の中で傘を広げた志乃に気づいて。後ろ姿をぼんやり眺めた。
……理解できないですね…まったく。
なんなの……、本当に。
[抱くはずのない感情だけが胸に残り続ける。
その理由を知らないまま唇を噛む。]
………仕事、手伝えば気分転換になるでしょうか。
掃除ぐらいは…できるかな…。
[気が向いてはじめた掃除が逆に止められてしまうのは後の話。**]
―― そして、朝 ――
[目を覚ましてみれば、集会場の天井が見える
外では、誰かが忙しそうに走る音
隣には、夕ちゃんがいない
一年前までは、こんな朝が当たり前だったのに
目覚めてみれば、随分と寂しい気がする
もし未来に帰ったら、こんな日が毎日続くのかと思うと
心から、恐ろしくなってしまった]
…――――
夕ちゃん、いない…――――
[起きた所で、私に手伝う事なんてない
約束事を覚えたり、道順を覚えたり
そんな事ばかりで、正直暇だ
だからこそ、夕ちゃんのいない時間が、異様に寂しく感じる]
【人】 双子 夕顔[しばらくして、一平太と客たちが、ぞろぞろと客間に入ってきた。] (117) 2011/08/19(Fri) 00時半頃 |
[なんとなし、その背に声をかけづらく。結局志乃の傍には寄らぬまま、集まって談笑している男衆の方へ
漬物、僕にもくれんか。
[そう言って、茄子の浅漬けをつまんで口に放る。
もぐもぐと物を噛んでいるうちに、そういえば昨日の朝以来、食事をしていないことに気がついた]
夕ちゃん…――――
[ぐすり、泣きそうになってしまったけれど
でも、立派にお勤めを果たせば
未来に帰らなくても、きっと怒られない
仕方なかった、で済む気がする]
…―――
[よし、頑張ろう
私は、頑張るのだ]
でも、何をがんばったらいいんだろう
[とりあえず、お手伝いでもしようかな]
[ご飯を食べている人達に、お茶でも出そう
ええっと、お湯を沸かして、お茶っぱにお湯をかける?
ああ、湯のみにお茶っぱを入れて、お湯をかけるのかな?]
どうぞー
[そんな淹れ方で淹れたお茶を、皆に配った
所々から、お茶を吹きだす音が聞こえた]
あ、せんせーも、お茶どうぞ
[お茶っぱの浮いたお湯を、差し出した]
おや、あさも来ていたのか。
……大事な話は、ちゃんとできたかい?
[差し出された湯のみを、礼を言って受け取って]
――ふむ、
[茶葉の浮いた湯をじぃっと見つめる]
よし、あさ。今日の授業は「お茶の淹れ方」だ。
[とても真面目な顔で頷いた]
はい、せんせー
大事な話は、まだ途中です
今は、二人で、一緒に考えているところ
[先生は、じぃーっと湯のみをみている
何かあるのだろうか、と思ったら
今日の授業は、お茶の淹れ方らしい
美味しい淹れ方があるのかな、面白そうだな]
はい、お茶の淹れ方ですね
[先生の前に、正座してみた]
[おやこれはと源蔵の姿を見るや、
いやいや私どもと同じく、どうやら役員として招かれたようですよ。
[と申せば、うーんそうだっけなあと返された。
キレの悪い返答に疑問符を少し浮かべた。]
あ、博史さんも、お茶どうぞ
[お茶っぱの浮いたお湯を差し出した]
どうもありがとう。
[差し出された湯を受け取る。しかし直ぐに年端もいかぬ少女の姿にめをぱちくりさせ。]
もしかして、きみも、役員に選ばれたのかい?
[あまり考えず聞いた。]
うむ。学びの基本は、知識と実践のひと続きだ。
まずは煎茶の淹れ方にしよう。まず湯のみに湯を注ぎ、その湯を急須に移す。そして急須の湯を、別の器、湯ざましに移す。
こうして湯の温度を、沸騰したよりもいくらか低い、適温に調節するわけだ。そして茶葉を急須に……、
[昔こうやって、一平太にも茶の淹れ方を説明した気がする。例の手記を読むに、祖母も茶の淹れ方がわからなかったようであった。
ひととおりの説明を終える頃に、その様子を見ていたおかみさん連中が薬缶と茶筒と、新しい湯のみと急須、一式を持ってきてくれて]
さぁ、何事も経験だ。
[朝顔に、真面目な顔で頷いた]
はい、燈火運びのお役目らしいです
お籠りしなきゃいけないんだけど、良くわからないし
やる事がないので、お手伝いをと、今お茶を
[私が手伝いをすると、皆がやめてくれって言うの
なんでだろう、本当に]
珍しいとはなんだね。そっちで呼びつけておいて。
[男衆の中から漏れた言葉に、露骨に不機嫌な調子になりつつ二つ目の漬物もぐもぐ。博史の言葉にも煮え切らぬ返答をしている様子に、昨夜感じた違和をまた感じた]
……博史殿は、普通に招かれたんで間違いないですか?
[少し不自然な質問かもしれない。けれど体裁構ってられずに、そのままに問いを投げた]
えっと、お湯を、湯のみにいれて…―――
[先生に教わった通り、湯のみにお湯を淹れて
それを急須にいれて、湯冷ましに・・・湯冷まし?
これかな? これにいれて、冷やしたらいいのかな?]
うん、と…――――
[適温って、どのくらいだろう
触って、熱くないくらい?
でも、触るの怖いしな…――― まぁ、いいか]
えいっ
[茶漉しにお茶っぱを淹れて、急須にお湯を注ぐ
くるくると回すと、良いらしい
何回とか、作法があるらしいけれど
私には、良くわからない]
はい、せんせー
[急須から湯のみに注いで、先生に差し出してみた]
大丈夫かな?
[少々温いかもしれないが、大丈夫だろうか]
[役員の任命の件で、先生が不信を感じている
当たり前か、長をこちらで操作したのだから
普通はやらない事を、平気でやっている]
…――――
[だけど、それを説明するわけにはいかないし
もしも説明したなら、どうなるのだろう
ああ、でも記憶を消すだけなのかな]
ありがとう。
[湯のみを受け取り、香りをかいで、一口含んで飲み込んだ]
……うん、上出来だ。
[にこりと笑って、空いた手で朝顔の頭をぽんぽんと撫でる]
学びはまず先達に習い、倣い、それから経験。そしてより良くしようとする向上心だ。
先達を見て、わからないことがあれば懼れずに尋ねてごらん。そうすればこの茶はさらに美味くなる。
[そう言って、ずず、と茶をすすり]
大事を話せるようになったあさなら、きっとこれから、もっといろいろをできるようになっていくだろうさ。
[たとえそれが、どの場所であろうとも]
何故私が早くに呼ばれたかはよくわかりませんが。
[普通に、という言葉に若干の違和感を覚えた。例年の祭りを思い起こし、そしてそのときと違うことを考えれば、呼ばれたこと位か。]
あ、よかった…――――
[上出来だって、先生が頭を撫でてくれた
頭を撫でてくれる先生も、未来にはいなかったな
強く怒りもしないけれど、優しくもしない
お仕事として教師をしているのであって、それ以外ではない
そんな人にばかり出会って来た
だから好きなんだ、この時代の人達は]
尋ねる…―――― か
じゃぁ、せんせー
尋ねてみても、いい?
[私が、何よりも気になっていた事
大人に聞いても、なかなか答えてくれない事]
[役員の選び方に問題があるのでは?と作業時の人手の少なさから、やや思っている節がある。]
まあしかし。
呼ばれた割りにやることが無いというのも、変な話ですね。
[お湯をずずーっと。]
メモを貼った。
うん、私は役員ではないよ
なんて言うんだろう、こういう役の人
…――――
いけにえ? ひとばしら?
[なんだか、間違っている気がするけれど
博史さんに、そう答えた]
メモを貼った。
[尋ねてもいいかと、問う朝顔に。目線合わせて、小さく頷く]
もちろん。言ってごらん?
[そう言って言葉を待った]
[先生が、尋ねてもいいと言ったから]
子供は、どうして生まれるのかな
[そう、尋ねてみた]
皆言うの、好きな人のお嫁さんになりたいって
お母さんも、最初はそうだったと思うの
でも、私は、お父さんとお母さんの
喧嘩してる姿しか、見た事がないの
同じ場所に住んでいるのに、顔も合わせないの
子供が産まれたら、皆そうなるのかな?
いけっ、いけにえ…!?
[話を聞いて、表情が真っ青に見えただろう。
言葉の意味くらいは十二分に知っている。]
ちょっとまつんだ、それは本当なのか?
私の街ではそんな風習なかったぞ―
[故郷とその周囲に人を犠牲にする風習は無く。]
[本当なのか―と、周囲に視線を求めた。]
流石にそれは、しきたりでも―。
[まずは反対するだろう。
このまま視線が素通りされたなら、勘違いのままに。]**
メモを貼った。
…――――?
[博史さんが、なんだか真っ青になっている
何か、可笑しい事を言ったろうか]
うんと、禊をしてね
体を清めて、火をつけて歩くんだよ
[言い方が、誤解を呼びやすそうであるが
間違っては、いないとおもう]
[質問の、最初の出だしに、一瞬ぎょっとなるが。続いた言葉に、表情を改める。
『夕顔の』父母が不仲だという話は聞いたことがない。今まで何となしに理解していた考えが、さらに補強された形だが、そのことには触れる必要もなく]
ん……、そうだな、それは僕には難しい質問だな。
[湯のみに残った茶を飲み干す]
僕にはね、自分の親の記憶があんまり無い。
幼いうちに、学者の家に預けられて、それ以来会ってないからね。
でも、だからこそ思うのは、
[想うのは、祖父母のこと。手記に綴られた、長い、長い、想い]
夫婦ってのは結局他人が寄ったもので、だからそれが寄り続けてあるというのは、とてもすごいことなのだと思う。
別の環境と価値観の中で育った、他人同士。他人だから離れやすい。けれど他人でも、寄り続ければ家族となれる。
[そこで一息ついて]
子どもができたから、離れてしまうんではないよ。「子はかすがい」という言葉があるくらいだもの。
夫婦というのは、家族というのは、ものすごいものだ。だから子どもだけのせいなんてこともなければ、これから変わらないなんてことも、ないと思うよ。
[博史の答え
普通に呼ばれたらしい、博史や他の男衆たちと。
この場にいることを、不思議がられる自分や志乃や仁右衛門と。
両者を並べた時の相違点を思う時に、行きあたった答えは]
……まさか、あの場所に寄せぬためか
[気付くと同時、寄合所の出口へと駆け出して。
けれどすぐに、顔役らに腕を取られて引き留められる]
やめろ、放せ!このままぺーたが帰ってしまったらどうしてくれる!
[珍しく激昂した様子で、じたばたと暴れて。ふいにすぅっと血の気が引いて、ころりとひっくり返った。しばらくの寝ず食わずと、先の癇癪とで、貧血を起こしたらしい。悔しそうに唸りながら、その場に*蹲った*]
メモを貼った。
そっか、他人か…――――
お父さんとお母さんは、他人のままだったのかな
寄り添い続ければ、家族になれるのなら
私も、誰かの家族になる事が出来るのかな
[私は、男の人に恋した事はないけれど
いつかそんな日が、来るのだろうか
そんな日が来るなら、私は、出来る事ならば
私の両親のようには、なりたくないとも思う]
で、せんせー
かすがいって、なぁに?
[意味がわからなかったらしい]
…――――?
[先生が、何かを呟いたと思ったら
急に走り出して、止められて、倒れてしまった
貧血だろうけれど、無理がたたったのではなかろうか]
せんせー、無理しちゃいけないよ
[ぺーたが帰る、と言う言葉を聞いて
通信相手が言っていた言葉を思い出す]
そっか、ぺーた、そうだったんだ
[うんうん、と納得したように頷いた]
大丈夫だよ、せんせー
ぺーたはきっと、帰らないよ
だってぺーた、せんせーの事大好きだもの
せんせーも、ぺーた、大好きでしょう?
[よいしょっと、先生を引きずっていって
お布団に寝かせて、枕の上に先生の足を乗せた
割らないように、眼鏡を取ってお布団の横に置いて
唸る先生を、膝枕してみた]
大好きな人と離れるなんて、きっと、凄く辛い事
私には、耐えられないほどに辛い事
だから、信じて待ってみよう
帰るにしても、帰らぬにしても
ぺーたはきっと、せんせーに会いに来るよ
[一つ、二つ、頭を撫でてみて
さっきまで、教えてもらう立場だったのにな
私の知らない事を話す時は、頼りになる大人なのにな
こんな時は、なんだか私よりも子供みたい
そんな所も、先生の良い所なんだろうけれど]
だから、ちゃんと体調を整えておくんだよ
いざという時に体が動かないと、悲しいんだからね
後で、血になるご飯、つくったげるから
鍋とか、どう?
[漁師さんにお願いして、何か取ってきてもらおう]
ちょっ…どうしました?
[
言葉は聞き取れなかったものの、弾かれた彼に寄る。]
いきなりどうしたと言うのです。
どちら様がどうとか…。
[素早い動きは、一瞬
[磔、火炙り、生贄、子供。しきたり。幾つものパーツが一つの答えを出すには時間がかからなかった。]
まさか―お主等…。
[源蔵の傍で彼を留めた男達を睨み付ける。
言葉の量は小さいながら、舌の根ははっきりと動く。]
年端も行かぬ女子に磔をして火刑に処すとは、流石に古くからのしきたりと言えどその所業は許せんな。
[ゆらぁりと立ち上がる。]
お前達の誰かが、大凡、海岸を見張ると私が口にしたのを聞いていたのであろうよ。その所業を余所者の私に見せないために…。
[今までこの村に流れ着いて、まともに怒ったことが無かったかもしれない。が―。]
ゆ、ゆるさんぞ、きさまらー!
[わなわなと震え、村長に談判しようと塞ぐ男達を退けようとして。
源蔵と同じようにはじかれた。]
―寄合場の窓際―
………騒がしいですね…。
[誰かの怒鳴り声が聞こえた気がして振り向く。
そこに見えたのは出て行こうとする先生の姿。
止められているを黙って見た後、首を傾げた。]
………??
[先生を引き摺っていく、双子のどちらか。
それから、先生と同じように向かっていく博史も。
ぼんやりと眺めながら黙っていた。
けれど、双子のどちらかの言葉を聞いて顔をゆがめる。]
大好きだから…帰らないなんて嘘…。
………いや、一平太殿が帰る場所なんて他にないだろうし、何の話をしているのかさっぱり分からないですけど。
[呟いた言葉は無意識。
その後、呟いた言葉を取り消すように言葉を重ねるのだった。]
【人】 双子 夕顔[団十郎が席を立ったのに続くように。] (157) 2011/08/19(Fri) 23時半頃 |
【人】 双子 夕顔――鳩渓堂・書斎―― (170) 2011/08/20(Sat) 00時頃 |
【人】 双子 夕顔[そこにいたのは勝丸で。 (178) 2011/08/20(Sat) 00時頃 |
【人】 双子 夕顔えっ? (183) 2011/08/20(Sat) 00時半頃 |
…――――
[しばらく、先生を横にならせた後
血になるご飯を作る、というミッションを遂行すべく
私は、膝枕を解除した]
まっててね、せんせー
[ぱたぱたと、役員の人の所に歩いて行って
そっと、袖を引く]
私、血になるご飯の材料が欲しいの
猪、取って来て
[いきなりそんな事言っても、難しいと言うのはわかるけど
子供だもん、少しくらい無理な我儘、言ってもいいよね]
あぁ、なれるさ。きっとなれる。
[夕顔の呟き
子はかすがい。かすがいというのは、二つの材木をがっちりと繋ぎ合わせるための金具のことだ。今度団十郎に見せてもらうといい。子どもの存在は、離れそうになった夫婦のきずなを繋ぎとめる力がある。大雑把に言うとそんなところだ。
[そこで一度言葉を切り]
……世の中綺麗ごとばかりじゃないということは、わかっているよ。でも僕は信じたいな。僕も、あさも、きっと愛され望まれて生れてきたと。
[たぶんきっと、自分の母も。きっと愛されていた。
手記に綴られた、祖母の、この時代に対するたくさんの想い。それは嘘ではないと信じたい]
猪鍋がいいの、だめ…――――?
[役員の人達が、何か相談し始めて
仕方ないから、と、狩りに行ってくれる事になった
ついでに、団十郎さんがくれたと言う、お菓子を貰った]
わ、ありがとう
夕ちゃんと…―――― あ、夕ちゃんいないんだ
どうしよっかな
[お菓子の袋を抱えて、ぽてぽて、歩いてみた
材料が来るまで、鍋はつくれないものね]
…――――?
【人】 双子 夕顔あたしも、難しい漢字は読めないし。 (193) 2011/08/20(Sat) 00時半頃 |
[貧血で倒れた後、ずるずると朝顔に布団まで引きずられて、されるがまま。童女に膝枕されても狭くない、小柄な体がなんとも情けない]
……ん、すまん。
[起き上がれる気力も体力もなく、そのまま膝を借りる]
醜態を見せたな。……僕は、うん、わかっているんだ。
帰ることを、邪魔しちゃいけないってことくらいは。
[片腕で顔を覆いながら、ぽつぽつと呟く]
それでも僕は怖い。思い出すら残してくれないなんて、あんまりじゃないか。
……でも、ぺーたを困らせたくない。この気持ちも本当なんだ。
[あまりにも素直に言葉が零れ過ぎて、まるで子どもに還ったようで。鍋とか、という言葉に、こっくりと頷いた]
[志乃先生が、なんだか寂しそうに、悲しそうに
一人で、何かをしているから]
しのせんせ、何してるの?
[そう、声をかけてみた]
私ね、しのせんせと、お話したかったんだ
お菓子、たべる?
猪鍋の相談を遠く聞きながら、布団の上で*くったり*
―― ちょっと回想 せんせーに膝枕 ――
うん、そうね…―――
帰りたい人の、邪魔をしちゃいけない
でも、帰りたくない人は、引きとめて欲しいかもしれないね
[顔を隠して、ぽつりと語る先生
私はそれを聞き、自分なりの感情を発露していく]
想い出すら残せない、私達も悲しいのよ
心が繋がってしまった、愛してしまった人に
自分の欠片が、何一つ残っていないと想像をしたら
私は、耐える事が出来ない気がする
だから、今、素直に言ってしまえばいいんだよ
帰らないでほしいって、さ
帰ってしまったら、その恥は記憶から消えてしまうし
帰らないでくれたなら、恥なんてなんともないでしょう
えぇー…と……。
どっちのほうですか?夕?
[朝はもう少しぼんやりとしているという風に記憶している。
もっとも、2人いたところで見分けはつかない。
正確にはどちらがどちら、ときちんと把握していないのが真実だった。]
……お菓子は…そんな贅沢できないからいいです。
じじ様…長老からもらったならあなたが食べるといい思いますよ。
わたしとお話、ってなんですか?
[何をしているの?という問いには何も答えない。
何もしてないから答えられなかったのだ。]
私は、朝だよ
[隣に座ろうと、歩み寄ったけれど]
これは、団十郎さんからの差し入れなの
夕ちゃんとわけようと想ったんだけれど
夕ちゃん、いないし…―――
だから、一緒に食べてくれないかな?
一人は寂しいの、何をするにも
[はい、と袋を差し出した]
何を話したかった、と言うんじゃないんだけれど
凄く、寂しそうだったから
どうしてそんな顔をしてるのか、聞きたかった、かな
…そう、朝ですか。
[そのまま視線を窓の外へと向けた。]
……夕のために残しておくといいですよ。
ずっと会えないわけじゃないんだから、お祭りが終わった後に一緒に食べればいいじゃないですか。
お祭りまでもう少しありますけどね…。
[何をするのも一人は寂しい。
その言葉に再び視線を少女へと向ける。
差し出された袋は笑顔で受け取るが、少女へともう一度返す。]
……ふふ、寂しい、わけないじゃないですか。
わたしは寂しいって思う人がいないですから。
おとーちゃんとおかーちゃんに会えないのは寂しいけですけどね。
[仮にこの気持ちを寂しいとして。
原因がまったく分からないのだから答えようがない。]
寂しい、って思うはずないんですよねー…。
やっぱり、こう、理由がほしいですよね。
仮にこれが寂しいとか悲しいとかだと。
[苦笑いの後、また視線は空へと。]
[拒否はされなかったようなので、隣に腰をおろして
志乃の視線の先を、追ってみる
そこには、窓の外の景色しかなかった]
お祭りが終わった後、私がここにいられるかわからないもの
[それでも、笑顔で返された袋を受け取って
夕ちゃんに、残してあげようと思った]
…――――
志乃せんせ、強いんだね
夕ちゃんと、おんなじだ
でも、私は、寂しそうだと思ったよ
[私の想像が、正しいとして
その気持ちの解消の方法を、私は知らないから
どうしてあげる事も、出来はしないのだけれど]
んと、それはきっと
忘れてるんじゃ、ないかな
夕ちゃんと、おんなじで
[空を見上げる、視線を追ってみた
私は、記憶操作をする立場である
だからこそ、何かを忘れているのでは、と思うのだが]
この世界から、完全に、痕跡を消す事は出来ないんだよ
何かを忘れてしまっても、心や体、景色の中に
小さな、傷が残るの
寂しさは、心の傷なのかもしれないね
なんですか…それ…。
村を出て行くにしても夕も一緒でしょう、それなら…。
[ここにいられるか分からない。
仲良しだった双子が離れ離れになる。
そんな風に聞こえてしまった。]
強いんだったら、こんなところでそら見てないですよ…。
いろんなことの、なんで、を知りたい。
そう思うのは弱いからです。
[趣味と銘打ってはじめた会議。
でも、それは自分の気を紛らわすためのもの。]
……は?忘れてる?
いったい、わたしが何を忘れてるっていうんですか…?
[酷く、いらついた。]
寂しさは心の傷なんかじゃない……。
心の傷を表すなら、絶望。
寂しさはその心の傷が化膿して塞がらない痛み。
…朝に何が分かるっていうの…?
何を知っているっていうの…?
変な想像で話するのは…やめてほしい。
完全に痕跡を消す、って何?
その言い方だと、誰かがそうしてる、ってことみたいじゃない………、ですか…。
[最後の語尾は消えそうになりながらも。]
…ご、ごめんなさい…。
[そうして、口を閉ざす。]
お互いに、同じ願いを抱いても
それが形になるかはわからない
そういうものでしょう、世界って
離れ離れになって、二度と会えないかもしれない
私にとってのお祭りは、別れるか繋がるか、決まる日なの
[お菓子の袋を、ごそごそ
あまいもの、何かないかなぁ、と思いながら]
知りたい事を知ろうとしたら、傷つくよ
世の中には、知らない方がいい事の方が多いんだ
それでも知りたいと思えるのなら
それはきっと、志乃せんせーの強さだと思うけれど
ああ、駄目か…。
[あれから2、3回押し込もうとして押し出されて結果力及ばず座している。必死さから彼らの表情の変化をうかがうことは出来なかった。]
ぬ…かくなる上は。
[この村に来て主に刀から鍬に持ち替えたとは言え、刀そのものを捨てたわけではなく、それを差していることもある。
たった一度だけ使って、その後もう二度と使うまいと決めたそれに手をかけようとして。また手を離した。]
やめろ。
それだけは駄目だ。
それこそが駄目だ。
[息を静かに整える。]
どうだろうね、誰かがそう、しているのかもね
少なくとも私は、なんで、の回答を知っているけれど
それを語る事が出来ないの、ごめんね
[ごめんなさい、と言う志乃先生
私は、傷ついてはいないけれど]
答えを知ったら、傷ついてしまうし
答えを聞いたら、苦しんでしまうし
答えを覚えたら、忘れてしまう
それで構わないなら、教えられるけれど
どうせ、夕ちゃんには話してしまったし
一人も二人も、かわらないものね
…わたしは、この村のことしか知りません。
せかい、なんて言われても分からないわ。
この海の向こうのことを言ってるの…?
朝ちゃんは、ガイジンさん…なのかしら…?
[少女が話す内容のほとんどを理解することができずに頭を抱えた。
必死に搾り出した答えは、海の向こうに帰るというもの。]
傷つくから知らないは理由にならない。
知らないことで傷つくから。
それは強さではなく、人の欲です、きっと。
……朝ちゃんの言いたいことがわたしは分からないです…。
[お菓子をごそごそとしている姿を見ながらそう告げる。]
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