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【人】 酸味探し ドリベル
(149) 2017/03/17(Fri) 12時半頃 |
【人】 酸味探し ドリベル
(150) 2017/03/17(Fri) 12時半頃 |
【人】 酸味探し ドリベル
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【人】 酸味探し ドリベル
(153) 2017/03/17(Fri) 12時半頃 |
【人】 酸味探し ドリベル
(154) 2017/03/17(Fri) 12時半頃 |
【人】 酸味探し ドリベル
(155) 2017/03/17(Fri) 13時頃 |
……やっぱりわかんないよね。
何も残さないでふっと消えちゃうよりはマシ、……だったかもしれないけれど。
[とは言ってみたけど……どうなんだろう。
つばさちゃんのマネキンは見るからに心臓に悪かったし。
そもそも、ふっと消えただけだとしても、
「消えた人は帰ったかも」という予想(あるいは希望的観測?)に辿り着けたんじゃないだろうか。
……結局あれこれ考えるのはやめた。
ため息をつくわたしと髪をくるくるいじるささらちゃんと。
それぞれ沈黙を抱えつつ歩いていた、病院までの道中]
― 病院ロビー/そして、再会 ―
[上須賀くんに手を振り返す間も、
わたしの表情は驚きを見せたまま固まっていた。
苦笑の後、病状を説明されて、
ようやく、そんなに深刻にとらえてほしくないんだろうか、と考えることができていた。
向こうで朝飯を食べた、ということは、
上須賀くんが帰ったのは、朝飯にありつけなかったわたしよりも後らしい。
マネキンが残っていたと聞いて苦笑いひとつ。無残な姿確定である]
……たいへんおさわがせしました。
[そしてぺこぺこ頭を下げる]
でも、上須賀くんもちゃんと帰ってこれてよかった。
……おかえりなさい。
[つばさちゃんから現状を聞いた上須賀くんがこぼした問いに、
答える術を持たず考えてこんでしまう。
そもそも―――どうして屋上から身を投げたのかだって分かっていない。
“あのメールの送り主”をりーくんに置き換えてみても、
何を求めて死んでみることにしたのか、
何があって死んでみるしかなさそうだという考えに行きついたのか―――という問いにぶち当たる。
それでも、考えてみて、]
……、誰かに答えてほしかったのかも。
ほら、メール、もう一通あったよね? 謎かけみたいな。
[言葉を紡ぎながら近くにいる皆を見回していた*]
『 人を人たらしめるものとは、何ぞや? 』
[三星莉緒としての答えを挙げるなら、
それはただ一言、“他人”となる。
ヒーローがヒーローたる条件は、
性格が当てはまるかどうかではなく、
心の強さでもなく、
誰にも正体を知られることなくさっそうと事件を解決すること―――でもなく、
第一に、助けるべき他者が存在すること。
これが人全体にも当てはまるのではないかという話]
[――ただ、多くの人の例に漏れず、
わたしにとっても最も身近な他人とは血の繋がった家族であり。
その存在――つまりはあお姉を思い浮かべればこそ、素直に答えることができなかった。
わたしからあお姉を取り去ってしまおうにもできない、
そんな気持ちを抱えているからこそ。
これがわたしの答え。
それが真の正解とは限らないけれど。
でも、わたしからすればりーくんは紛れもない人だよ。
病院に運ばれたと聞いて駆けつけてくれるクラスメイトがいるんだから*]
[病院へ急ぎながら思うのは、あの校舎での出来事だった。
能久と一緒に作った、ふわふわのパンケーキ。
「ふわふわ、きらきら、かわいい。魔法使いみたいだね」
クリーム控えめのパンケーキを、「そんなんよく覚えてたな」って受け取って食べてくれた保田。喜んでくれた……と思うのは、きっと錯覚ではないだろう。
やったことといえば、生クリーム作りなどの簡単な手伝い、それと、パンケーキにクリームで飾り付けしただけ。
ほんの少しの勇気をもって、起こした行動。踏み出した一歩。
そのおかげで返ってきた言葉の数々や笑顔が、本当に、言葉に出来ないくらいに、嬉しかった。]
[今までずっと悩んできたのは、俺の考えすぎだったんじゃないか、と。
たとえ知られたとしても、自分が思っていたよりも、周りは受け入れてくれるんじゃないか、と。
無理に隠そうとして、もし知られたらっていちいち怯える必要は、無いんじゃないか、と。そう、思えた。
まあ、今すぐ、周りの人全員に、何もかも話したりするなんて、とても出来ないけれど。
それでも、本当の自分を受け入れて、周りの人にも少しずつ話して、受け入れてもらいたい。
そう思ったことはきっと、間違いなんかじゃないはずだ。]
っ水野!
[走っているとやがて病院が見えてきて、その夜間入り口に立っている水野が目に入れば、喜色を滲ませながら声をかけた。
あの校舎で、血塗れのマネキンを残して居なくなってしまった水野がこうして目の前にいるのを見て、心の底から安心したから。
入り口に着き、肩で息をしながら「連絡、ありがとう、無事で、よかった」と言えば、水野は苦笑しながら「うん。元賀も、おかえり」と返してくれた。
だが、水野から橘の容体を聞けば、徐々に表情は厳しくなっていっただろう]
……五分五分、か……。
[五分“も”ある、と思えればいいのだが、同じだけ、もう生きている橘と会えない可能性がある、と思うと、心配だし、気持ちが落ち込みそうにもなる。]
……いや、でも……きっと、大丈夫だ。
[あの校舎からこっちに帰ってくることができれば、きっと助かるだろうから。
そして、きっと……まだあの世界にいるあいつらが、橘を連れて帰ってきてくれるだろうから。
今は、そうなることを信じよう**]
メモを貼った。
[三星におかえりと言われて
ん、ただいま。
俺は実際お前らのマネキン見てねーんだけどな。
そういや天ヶ瀬のは裸だったって聞いたぞ。
見に行きゃよかったかな。
[どういう帰り方したんだ?と首をかしげ]
せっかく昴がパンケーキ焼いて
健士郎がきれいにクリーム飾ってくれたの
食えなくて残念だったな。
焼き立てふかふかでうまかったぞ。
[そう言って自慢した]
なぞかけっつーと、
人を人たらしめるものは…とかいうやつか?
[三星に言われて
そんなん死んだり、死んでみたりで
見える答えじゃねーのにな。
だって、生きてるから人だろ。
俺の答えが理一の考えじゃねーだろうからな。
メモを貼った。
裸……?
[おかえりなさい、を言えてほっと一息ついた直後にまた目を丸くすることに。
それからわたしの眼差しは。
上須賀くんとささらちゃんの間を行ったり来たりしたけど下手に詮索はしない。
パンケーキの話を聞けば盛大に「いいなあ」と口にしたけれど]
………こうなったら、
昴くん帰ってきたらパンケーキ作ってもらおう。
盛り付けは健士郎くんにやってもらって。
[今は夜遅いからまたいずれ]
[
頭を示されたなら、より心配になる。
体のケガよりもヤバいやつなんじゃないのかな、それって。
でも、元気そうに振る舞うその様子に、
それ以上何をどう言えばいいのかは分からない。]
……ああ、うん。
わたしたちのマネキンもあったんだ。
[
聞けば、帰る順番は一斉ではなく、少しずつなのだということが分かる。
それに何の意味があるのかは分からないけど、残された人たちはどういう気持ちになるんだろう。
あの笑い声と泣き声の放送を聞き続けて、頭がやられたり、しないかな。
——なんて。チャイムが鳴るごとに変遷して行く校舎のその後の様子を、わたしは知らない。]
えっ?
[
わたしのマネキンの有様が聞こえた。
……校舎を出る際、途切れた記憶。
あれも夢を見ていたような、ふわふわした心地だったけど、
全身を包む寒さを少し思い返して身震いした。]
そうなんだ。なんでだろうね。
よく覚えてない。……みんなもそうでしょう。
[髪をいじりながらとぼけてみる。
別にマネキンの裸を見られても大したことはないけど、
もしかしたら美術準備室の件がいろいろと筒抜けになってしまうのではないか。
そんなことを心配して、でも、上須賀くんは直接見たわけじゃなさそうだし。]
何があっても不思議じゃないもの。ね。
[
朝食はパンケーキ?
あっ、いいな。ずるい。
元賀くんがクリーム係したの。
見たかったな。文化祭の時、フリル手伝ってもらったの、すごく上手かったし。
向いてそうだよね。
[自慢された。ストレートにそう思った。
パンケーキといえば我々にとって思い出の食べ物ですし。
文化祭を模した校舎でそれを食べることができたなんて、羨ましいとさえ思う。
どこか、緊張感の欠けているわたし。
クラスメートが死の淵にいるというのに。
必ず戻ってくると確信しているのか、それとも、どうでもいいと思っているのか。
……後者ではない、と、思いたい裸のわたし。
自分の気持ちさえ、殺して生きていこうとしたこれまでのわたし。
どうすればいいかは、ゆっくり考えていく。]
[
わたしはあの校舎で推測をした。古辺くんと話していたこと、それをそのまま口に出す。
みんなにも自分の気持ちを知って欲しかった、から?
だって、あの校舎は文化祭みたいだったけど、
明らかに文化祭にはなかったもので彩られていたから。
橘くんには、ああいう風に見えていたのかも。
[……目映すぎる電飾に、止まらない放送。
あれはきっと、橘くんの苦悩に直結している。と思えた。
そういえば、あれは答えを問いかける形式だったっけ。]
[あれに対するわたしの回答は、
きっと、橘くんが求めていた回答にはならないのではないか。
そう思うから、上須賀くんに頷く。
そうだね。
少なくとも、死んでみたって答えは見つからない。
……と思うけど。
それとも、……答えを見つけたくなかったのかも。
[これも、ただの勘。今度ばかりは自信もない。
誰かに答えを突き付けられたら絶望するかもしれない。そう思えたなら、って。
わたしは橘くんの何を知っているというんだろうね。
自分で吐いた言葉を掻き消すように、苦笑いして頭を振った。*]
【人】 酸味探し ドリベル
(220) 2017/03/17(Fri) 23時半頃 |
…………。
[帰った時のこと、
よく覚えてないとささらちゃんは言うけれど。
わたしもそうだ、ってすぐには答えられなくて、
誤魔化すみたいに手をひらりと振った。
今にして思えば、あお姉があの校舎にいるのなんてどう考えてもおかしいのに、
なんで、逃げなかったんだろう、あの時のわたし。
……過ぎた話だ、と気持ちを切り替える]
そうだね、
……機械のコンセント抜いても声が止まなかったりもしたし。
[結局提案するだけで終わった、“機材を椅子で殴って止める”というのは誰かやったんだろうか、
いっつもあの調子じゃ力ずくで止めたくなる人が出てもおかしくはないんじゃなかろうか。
わたしが帰った後もさらに鳴る音が変わり続けている、とは、
さすがに想像の外側にあった]
[パンケーキにはしあわせな思い出があればいい。
そんなことを昴くんが思っているとは知らないけれど、
事実として、パンケーキにはしあわせな思い出が詰まっている。
思い出の再来を願って、心を軽くできたのはほんのわずかの間。
だって、誰か一人でも戻ってこなかったら、
パンケーキどころじゃないって思うわたしがいる。
なかなか、ささらちゃんみたいにどんと構えていられないのは、
わたしが心配しすぎなだけなのかな。
でも無理もない話だと思う。
心の中に閉じ込められて広がる景色を見てみたところで、
りーくんのことが分かったわけでもなし]
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