261 エイプリル・トフィーの融解点
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[ ああ、きっかけはなんだったかしら。
報われない恋の話が好きだった。 恋に身を焼き、もがき苦しんで そうまでしても成就しない恋の物語は とっても美しくて、純粋だと思ったの。 そんな恋がしたいと思っていた。 同い年で、誠実で、どこまでも私に尽くす彼と 皺くちゃになるまで愛し合うよりも 儚い恋に身を焦がして、綺麗なまま死にたい。
私を愛して、それでも叶わない人と 何処までも破滅的な恋がしたかった。 だから、私は彼の手を拒まなかったの。
私も知らないような、身体の秘密を暴いて 私を強く抱きしめてくれて それでも手に入らない彼との恋愛は とっても刺激的で、背徳的で 私はとっても夢中になれた。]
(5) 2019/03/29(Fri) 13時半頃
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[ なのに、置いて逝くなんて、ひどい。]
(6) 2019/03/29(Fri) 13時半頃
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[ きっかけは、偶然。 会社の同期だった子と、駅ですれ違って 偶々あの人の訃報を聞いたの。 「不倫して降格して、結局死ぬしかないんだもん。 あんたには分からないだろうけどさ。」 なんて、チクリといわれたけれど、どうでもいい。 気が付いたら、私は誠司さんの家に向かっていた。 奥さんからの接近禁止命令なんて頭からとうに 抜けていて、こっそり調べた彼の住所へと 足を急がせていたの。 彼の家は、立派な庭付きの一戸建てで きちんと手入れされていれば綺麗な花が 色とりどりの咲いていただろう庭は 萎れた草が伸び放題になってしまっていて 空の犬小屋と散らばった砂場遊びの道具達が よりいっそうここを寂しいものに見せていた。]
(18) 2019/03/29(Fri) 19時半頃
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[ 家のインターホンを何回押しても 家の中から物音一つ聞こえなかった。 育ち盛りの子供がいる家って もっとうるさいと思っていたけど。 もし誠司さんの死が嘘ならば 今一度、私を抱いてほしかった。 夜にだけ輝き咲く硝子の花が私なら その手で粉にして散らしてほしかった。 けれど、もしうわさが真実ならば……] 「……あんた、どの面下げてここに来たのよ」 [ 何の前触れもなく、誠司さんの家のドアが開いて 中からひどくやつれた女が顔を出した。]
(19) 2019/03/29(Fri) 19時半頃
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[ 白髪の混じった頭をひっつめにしたすっぴんの女が 顔を出せば、家の中のもわん、とした臭気が鼻を突いた。 芳香剤や、洗剤、犬と子どものおもちゃの臭い。 ――彼に相応しくない、所帯じみた臭い。 多分綺麗にしていればこの女もきっと違って見えたはず。 まるで、この家の庭みたいに。] すみません、誠司さん、いませんか? 金輪際近付くなって、言われたけれど、 でも、どうしても信じられなくて……。 [ 仄暗い底なし沼みたいな女の眼を見つめ返して 私は静かに口を開くの。 彼女は愛する人を私に奪われたでしょうけれど 私だって、何もかも奪われたの。]
(20) 2019/03/29(Fri) 19時半頃
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……私、持ってるんです。 避難用のシェルターの案内状。 これを貴女に譲ってもいいの、お子さんでも。 可愛い盛りの息子さんでしょう? 助けたいなら、あげます。 だから――――――――、
[ (わたしを、ころして) (わたしを、みにくく生き延びさせないで) 全てを言い終える前に─────私の頬に痛みが走った。
私を打ったその手は、大きくも、温かくもない 小さくかさついた女の手をしていた。]
(21) 2019/03/29(Fri) 19時半頃
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[ そのひとは泣いていた。 愛する人に裏切られ 愛した人に先立たれ 憎い女に侮辱され 子どもを一人抱えたまま どうすることもできないで ただ死を待つだけの無力な女。 私の流したかった不幸な涙が 私の目の前を、ただ静かに流れていった。]
(22) 2019/03/29(Fri) 19時半頃
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「……………………… ……………………… ……………もう、二度とこないで」 [ そうして女は、ドアを閉じた。 最後まで、私を罵倒してくれもしなかった。
そうして、私はぽつんと、頬の痛みを抱えて 寂れた花園を背に、いつまでも立ち尽くしていた。]*
(23) 2019/03/29(Fri) 19時半頃
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