266 冷たい校舎村7
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
―― 夢 ――
[やわらかな光の中で、やさしい夢を見た。
傍らには小さな犬がいて 小学生の男子がふたり、無邪気に遊んでいる。
猫の額のほどの大きさの公園は、 あの頃は無限大に大きく感じられて。
これは夢なんだ、と俺は気付いたんだ]
(48) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
つかまえた。
[俺は無邪気に笑っていて、 君は俺をあたたかく抱きしめてくれる>>5:401]
(49) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
[大好き、と君が言ってくれるから>>5:404 俺ははにかみながらこう答えた]
うん、俺も大好きだよ。
[素直なところが俺の長所なんだよ。 知ってた?
君をやさしく抱きしめ返す]
(50) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
[人は変わっていく。 その流れを止めることなどできない]
(51) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
[君が「いつかうどん屋になんの?」>>0:517って 無邪気な顔で聞くものだから、 俺は少し考えた後に]
うん、そうかも。
[なんて、あの頃の返事>>0:654と 違う答えを返したんだ。
でもきっとそれは、諦めではなくて――……]
(52) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
[明滅する携帯電話の光で、目を覚ました]
(53) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
―― 自宅 ――
[目を開ければ、 いつもと変わらぬ天井の木目が見えた。 橙色の豆電球に照らされたその部屋は、薄暗い。 煎餅布団を剥ぎ、携帯電話を開く。
相原愛子からのメールが届いていた。 瞬間、意識が覚醒する]
(54) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
……拓海。
[自殺未遂。病院に運ばれた。 並ぶ文字列に目を見開く。
布団から飛び起きると、 財布やら家の鍵やらを鞄の中に 急いで突っ込んだ。
――と。 その見慣れぬハンカチが目に入った]
(55) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
泣いちゃダメだよ、たかもと君 泣くのは皆で出てからにしよ、ね>>3:391
(56) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
[明らかに女物のそのハンカチは、 あの冷たい校舎で宮古から受け取ったもの。 それをまじまじと見下ろして]
夢じゃない。
[小さく、深呼吸して もう1度携帯電話に目を落とした]
(57) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
[そこには相原からのメッセージがあるだけで、 拓海からの遺書めいたメール>>1:1>>1:2は どこにも見当たらなかった。
俺は、ひどくそれに安堵する。
あいつは帰る、生きる>>5:307と確かに言ってくれた。 だからもう、あんな遺書なんていらないし あいつも遺書を送る必要なんてないんだ]
(58) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
……親父。
[厨房を覗けば、 すでに仕込みを始めている父の姿があった]
すまない。 今日の仕込みは手伝えない。
[毎日の習慣であるそれを断り、頭を下げる]
(59) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
拓海が救急車で運ばれた。 だから、今から病院に行ってくる。
今日は遥の手術説明日だって、知ってる。 でも――――
[ふわり、と頭に軽い感触。 顔を上げると、にかっと笑う親父の姿があった。 俺を安心させようとするときに浮かべる、それだ]
(60) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
「行ってこい!」
(61) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
行ってきます!**
(62) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃
|
|
―― 病院へ ――
[まだ暗い夜道を走った。
いつも追いかけるあの背が見えないものだから、 俺は荒い息を吐き出しながら たったひとり、アスファルトの道を駆けた。
橙色の街灯が目に眩しく、 けれど空の端が微かに白ばんでいるのを見遣り 夜明けはもうすぐだと悟る。
おかえり、を言ってあげなきゃいけないから 俺はただひたすらに走ったんだ]
(70) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃
|
|
___________________
To:七月葉子
いま病院に向かってるとこ。 無事に戻ってこれたか? ___________________
(71) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃
|
|
[信号の待ち時間、1通のメールを送る。
葉子にメールをするのは、 随分と久しぶりだと思った。
学校では委員長と副委員長として 普通に話をするものの それ以外の交流は一切なくなっていた。
アドレスが変わっていたら それはそれでショックだなあ、と 一瞬苦笑を浮かべたのちに病院へと駆ける]
(72) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃
|
|
[君の携帯電話に送られてきていたメール>>69など 俺はまったく知らなかったものだから]
(73) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃
|
|
[そうして、病院へと辿り着く。 荒い息を吐き出し、壁に凭れかかったのだった]*
(74) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃
|
|
―― 病院 ――
[震える携帯電話を見遣れば、メールが1通。>>84 葉子から返ってきた メッセージに少し安堵をしながら 壁のひんやりとした感覚に身を預けていた。
葉子には着拒されてもおかしくはないって 思っていたから、少し意外で 嬉しかったのは本当。
自分の連絡先を消されていたことを 俺が知る機会は、きっと一生ないことだろう]
(113) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
[やがて3年7組の担任がやってきて、 拓海が目を覚ましたことを伝えられる。>>7>>44
俺はいかにも委員長って面で、それを聞いていたと思う。 本当はガッツポーズのひとつでも してやりたかったんだけどな。
そうやって純粋に喜ぶのは どうにも俺のプライドが許さなくって。
一度粉々になったはずの チョモランマのような俺のプライドは、 そう簡単には完全にへし折れてくれないようだった]
(114) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
[拓海の無事を知らされれば、 どっと肩の荷が下りたような安堵に包まれる。 病院の白い天井を見つめながら]
……拓海。 約束、守ってくれたんだな。
[ぽつりと呟いた。
そんなときだったろう。 葉子に声を掛けられたのは>>85]
(115) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
――――ただいま、葉子。
(116) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
[その言葉を、いったいどんな表情で 俺は葉子に伝えたのだろう。
たぶん今までのように、 澄ました委員長面ではいられなかったはずだ。 壁に傾けていた重心を元に戻し、 葉子にまっすぐ向き直ると]
拓海、意識を取り戻したって。
[その事実を、葉子に伝えた]
(117) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
ったく、心配かけさせやがって。
[腕を組みながら、拗ねたように言った。
あの校舎に迷い込むまで、 こんな砕けた口調を 葉子に晒す機会が訪れるだなんて 思ってもみなかった]
(118) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
[それから、隣にあった自販機で ホットコーヒーの缶を2本買うと、 1本を葉子に差し出して]
……少し、話しできるか。
[彼女にそう問うただろう]**
(119) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃
|
|
―― 後日 / 病室 ――
勉強頑張って、と。>>90 よくもまあ抜け抜けと俺に送れたもんだな。 あれ何かの嫌味かよ。
[来客用の椅子に腰掛けて、 ベッドに横たわる拓海に俺は口を尖らせた。
それはとても怪我人に対する 口調ではなかったけれど、 しんみりするのは俺の柄でもない。
あいにく人を思いやる涙など あの冷たい校舎で枯れ果ててしまったものでして。 何事もなかったかのように、俺はそこにいる]
(131) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃
|
|
どうせ大学にも行かないし 勉強やる必要ないし。
みんな受験受験でつまんねえから、 早く学校戻ってこい。
[なんて無茶を言ってやる]
(132) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃
|
|
[鞄の中から寄せ書きと千羽鶴を取り出すと、 寄せ書きは本人に手渡して、 千羽鶴は病室のベッドからよく見える位置に飾った。
寄せ書きには「早く良くなってください 高本」などと いかにも委員長然としたテンプレ文章が 整った繊細な字体で書かれていることだろう]
クラスのみんなから。 委員長だから、俺が代表で。
[仕事を果たせば、再び椅子にどかっと座り込んで]
(133) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃
|
|
…………。 お前も、大学行かねえの?
[そう拓海に問うただろう。 様子を窺うような、そんな表情で]*
(134) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃
|
|
―― 後日 / 病室 ――
[まるで全てお見通しというように>>145 拓海が俺に笑いかけるものだから、 俺はバツが悪い顔をして目を逸らした。
無理に否定はしないでおく。 俺も少しは性格が丸くなったものでして]
……死ぬ気で早く治せ。 早くしないと春が来ちまうぞ。
[話題を逸らすように、無茶を重ねて 俺は口を尖らせたんだ]
(150) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
あー、はいはい。ハグハグ。
[お生憎さま。 夢の中みたいに素直な俺は>>50 もう成長しきって消えてしまったみたいです。
両手を広げて「おいでおいで」をする拓海>>146に 俺はいつものように>>>0:430おざなりに答えると、 ずいぶんと雑な動作で彼を抱きしめたのだった]
(151) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
[重度の怪我人だって? そんなことは考慮してやらない。
拓海の背をぽんぽんと叩いて軽くハグ。
こういう態度が甘えだって理解はしていたけれど。 せっかくお前が帰ってきてくれたから、 俺は甘え倒してやると決めたんだ。
散々心配をしたんだ。 それくらい許されるだろう?]
(152) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
[ああ、拓海はここに帰ってきてくれたんだって。 そのぬくもりに、安堵を感じて]
(153) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
ハヤク、ヨクナッテクダサイ。 いや本心だって。
[寄せ書きを見つめる拓海>>147が わずかに涙ぐんでいることに気付いた俺は、 それに気付かぬふりをして、おどけてみせた。
泣くくらい嬉しいんだったら もう死のうとするんじゃねえぞ、馬鹿。
心の中で罵倒をひとつ飛ばす]
(154) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
……そっか。
[あんまりにも事もなげに 拓海が「就職」だと笑って見せるものだから>>148 俺はどんな表情をすればいいのか 分からずにいる。
散々俺が悩んで、苦しんで、嘆いていたことを こいつはいとも簡単に“受け入れ”た。 少なくとも、俺にはそう見えた。
ずるいなって思う。 どうしてそんな顔をしていられるんだろう。 俺はそれに、耐えられなかったというのに]
(155) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
ああ、継ぐよ。
[それを認めるのは、まだ少し心が痛くて 俺はきっといつものような笑顔は 浮かべられなかっただろうと思う。
苦しげに、息を吐いて]
(156) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
妹の調子、良くなくって。 看護の人手も必要だし、治療費も稼がなきゃいけない。
――――だから、俺があの店を継ぐ。
[はっきりと、それを言い切った。 口元に浮かぶのは、ほろ苦い笑みだ]
(157) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
卒業まで誰にも言いたくなかったんだ、ホントは。 同情されるのは嫌だったし。
最後まで、将来有望な クラスの優等生でいたかった。
卒業後に、あいつ今何してるんだろって たまに話題に上がって。 T大にでも行ったんじゃねえの、って噂されて。
皆の記憶の中で俺は 優等生のデキる奴として刻まれたまま――
(158) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
――そのまま俺自身は、消えてしまいたかった。
(159) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
[ふっと相好を崩して、拓海を見つめる。 馬鹿馬鹿しい考えだろって、笑って]
お前は、俺の実家を知ってるし。 きっといつかは、知れてしまうことだし。 だから、卒業したら お前に思い切り愚痴ってやろうって。 そう思ってた。
まさか拓海も就職とか思わないだろ。 早く言え。
そしたらとっくに打ち明けてたわ。
[拗ねるように言って、頬杖をついた]
(160) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
お前、ノート盗まれただろ。 あの犯人、俺だから。
受験失敗しちまえって思って。 そしたら、大学行かないでくれるかなって思って。
[拓海から視線を外して、罪の告白を行う]
(161) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
……ごめん。
[謝る声は、消え入るように小さい]**
(162) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃
|
|
―― 病院 ――
……………葉子、
[彼女に服の袖を引っ張られて、 大きく目を見開いた。>>164
俺に顔を見せないように俯いている彼女が 泣いていることに気付いてしまったから、 どうしようもできずに俺は棒立ちしていたんだ。
葉子の背に回そうとした手が、震える]
(207) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
[きっとあの校舎に行く前の俺なら 何の躊躇もなく彼女の背に手を回して、 そのまま抱き締めたのだろうけれど。
今の俺にはそれが躊躇われて、手を引っ込めた。
そういうのは得意だったはずなのにな。 おかしいだろ]
(208) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
[でも「何も求めてなんかいないから」>>4:279と言った 震える葉子の声音を、確かに俺は覚えていたから。
彼女が泣き止むまで、ただ俺は傍にいて 葉子を見守っていたんだ。
温かい缶コーヒーを、手渡す]
……葉子も俺に、話したいことあるのか?
[少し驚きに目を見開いて、ベンチに腰を下ろした]
(209) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
…………………。
[普段なら、良く回る頭と口が 相手の喜ぶ言葉をすらすらと吐いてくれるのに。 こういうときばかりは、役に立ちやしない。
缶コーヒーを啜りながら、 葉子と目も合わせることもできずに 唸る自動販売機の放つ光を見つめていた]
(210) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
あのさ。
[結局、上手い言い出しが思いつかずに 俺は後先を考えずに語りだす]
(211) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
お前は、俺に振られたとか 思ってるかもしれないけれど。 俺は、まだ葉子に好きって言われて 返事をしてないから。
――――だから、聞いてほしい。
(212) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
[もう一度、イチから始めよう]
(213) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
俺たち、付き合わないか。
(214) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
[あのときと同じ台詞>>0:141で]*
(215) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃
|
|
―― 後日 / 病室 ――
寂しがり屋だよ。悪いか。
[もはや「ばか」>>204と言われても反論はしない。 拗ねたように口を尖らせて、つーんと横を向くだけだ]
別人のフリをする。嫌だ。 絶対にうどん屋を継ぐとかクラスの奴らには言えない。
[やっぱり俺のチョモランマのようなプライドは 健在のようでして、拓海にそう反論をする]
(252) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
顔良し、頭良し、スタイル良し。 三拍子そろった俺がうどん屋とか普通になしだろ。 うどん屋の高本と、優等生の高本は別人ですー。
[ムキになって言い返す俺の姿は、 かなり餓鬼っぽかったと思う。
あんまりガミガミ言っていると 他の入院患者たちに迷惑がかかるから、 音量だけは控えめだったけれども]
(253) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
[瞬間、拓海の稲妻チョップが俺の額を抉った]
(254) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
……いった。 ちぇっ、そうだよな。お前はそういう奴だった。
[付け加えられたひと言>>206に、 俺は小さく「ありがとう」と呟いて。 額をさすりながら、少し恐る恐る拓海を見つめた。
やっぱり俺は、怖かったんだと思う。 拓海に呆れられることが。
本当に怒ってないか、と窺うように拓海を見遣って]
(255) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
みんながみんな、 お前みたいな奴だったら話が早いのにな。
[きっと浮かべた笑みは、 お前には敵わないよって表情をしていたと思う]
(256) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
腹いせに友達のノートを盗んで、 大学にも行けず、 病弱な家族がいて。
……ひどい奴、って周りは思うだろ。 あるいは、可哀相な奴って憐れむか。
(257) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
俺は、そんな目で見られたくない。 学生生活の最後の1分1秒まで、 優等生で完璧な高本悟でいたい。
俺の青春を、そんな周りの奴らの視線で 汚されたくない。
[俺って昔からそういう奴だろ、って肩をすくめて]
だから、このことは 卒業するまでは秘密だ。
(258) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
[自分の選んだ道を納得するには、まだ餓鬼過ぎて そんな答えしか今の俺には導き出せないんだ]
(259) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
[いつかこの道を選んだ自分を受けられたときに、きっと]
(260) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
俺の性根がこんなみみっちいことは お前が知ってりゃそれで充分だろ。
[強がりじゃない、つもり。 あ、でも。身長の低いお前に「ちっちゃい」って 言われたことは大変に癪です]*
(261) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃
|
|
―― 病院 ――
……やるなあ、葉子。 俺、告白して振られるの初めてだわ。
振られるってこんな気分なんだな。
[振ることは数多あれど 振られることのなかった俺は、 葉子の答えに対して、自嘲気味にはははと笑った]
(356) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
ああ、一緒にいてやるよ。
[普通以下の人間、と自分を蔑む葉子>>345に 「なるほど、そういうこと」と言って、 俺は微笑んで見せたんだ]
(357) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
なあ葉子。 卒業したら俺がお前以下の存在になるって 葉子は気付いていたか。
(358) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
この進学校で。この受験戦争で。 良い大学に行ける奴こそが正義だ。
大学にも行けないで、受験もできないで、 家を継ぐしかない俺は、カースト最下位の人間。 ・・・・ 普通以下だ。
(359) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
[葉子には、俺の実家がうどん屋だと 明かしたことはなかったけれど。 あの冷たい校舎で拓海に言った台詞>>5:211から、 きっと聡い彼女は朧げな事情を察しているはずだ]
(360) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
良い大学に行って キラキラした青春送る奴が傍にいると、 俺のプライドが刺激されて敵わん。
……だから、ああ言った。
大学にも行けないような、 俺みたいなカースト最下位の男に相応しい 人間に葉子がなるんだったら、 傍にいてやろうと思った。
(361) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
一緒に地獄に道連れになってくれる奴を 探してたんだよ、俺は。
あるいは、俺が地獄に落ちて当然の人間なんだって 分からせてくれる人を。
[後者を求めて自分を傷つけてくれる人に 依存していたことを、 今の俺なら、客観的に見ることができる]
(362) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
葉子。 きっとお前は、それなりに良い大学に行って 楽しい青春を送って、俺を置いて行ってしまう。
(363) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
みんなが委員長で、穏やかで、やさしくて 頭の良い優等生が好きだなんて、 それこそ傲慢だ。>>2:398
……お前が言った台詞だよ。
[頭の良い俺は、かつて葉子が言った台詞を 一語一句違わずに復唱することができる]
(364) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
優等生でない俺も認めてくれるお前ならって そう思って告白したんだ。 甘ったれてるだろ。
[ほら、やっぱり俺は最悪に性格の悪い奴なんだ]*
(365) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃
|
|
―― 後日 / 病室 ――
いいや、聞きたくはない。かな。
[拓海のその質問>>303に、 俺はしばし黙り込んだのちにそう答えた]
例えばお前が俺の教科書を盗んだ犯人なら、 これでお相子だなって笑えるけど。 ……その言い方だと、たぶん違うだろ。
[拓海の無表情な顔を見つめる。 長い付き合いだ。それくらいの機微は読める]
(370) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃
|
|
もし犯人がその事実を 俺に明かすことを望んでいないなら、 お前がここで話すのはフェアじゃないな。
俺は、拓海だから、ノートを盗んだって告白した。
[他のクラスの奴らには言えないぜ、と笑う]
(371) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃
|
|
もしもその犯人が俺に謝りたいようなら、 直接言ってくるだろ。
[そう告げたのちに、 こちらも努めて無表情にこう問うた]
(372) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃
|
|
……お前の親父、勾留されてるって本当か。
(373) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃
|
|
[店の常連客から聞きかじった噂。 堪え切れずに、俺はその問いを発したのだった]*
(374) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃
|
|
―― 放課後 ――
[宮古の腕を掴み、階段の踊り場の壁に押し付ける。 そのまま、吐息のかかるほど近い場所で]
お前、面白い女だな……。
[キメ顔は、そう長くは続かなかった]
(375) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃
|
|
宮古。こんなのでいいのか。 すごく恥ずかしいんだけど。 なんなら皆見てるし。
[気恥ずかしげに頬を掻いて、視線を逸らした]
(376) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃
|
|
[残念ながらもう俺は 宮古の元ペット候補でして。 これはクラスメイトの無邪気なお願いに 付き合ってあげただけ。
何が楽しいのかはひと欠片も理解できなかったが]
……あ、これ。借りてたやつ。
[調度よい機会と、宮古に差し出したのは 丁寧にアイロンがけされたハンカチ>>57>>3:391]
(377) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃
|
|
あのときは、 お見苦しいところをお見せしました。
[宮古に向けるのは、いつもの高本悟らしい 委員長然とした爽やかな笑みだ]**
(378) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃
|
|
――――――――ッ、
(423) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
[左頬を叩かれる、と思った。>>382 俺は葉子のそれを避けることなく、 じっとその場に佇んでいる。
勢いよく振り上げられた掌は、 しかし俺の頬に触れればそこで止まる。
そのまま叩けばいいのに、と思った。 甘いなほんと]
(424) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
……だろ?
[甘ったれてる、という葉子の言葉>>382に 俺は悪びれもせずに笑って頷いた。
頬のあたたかな感触にこそばゆさを感じながら、 葉子の語る言葉に耳を傾ける]
(425) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
[重ねられる「好き」>>388に動揺することなく じっと、葉子の瞳を見据えたまま]
強情だな。
[ぽつりとひと言、呟いた]
(426) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
「気持ちがないのに優しくしたり、抱きしめたり、 そういうの全部、要らないから、やめてよ」>>4:279
(427) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
「なら、気持ちがあればいいんだろう?」
(428) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
お前がいい、って言ってるだろ。
(429) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
[頬に触れる手首を掴んで、強引に引き寄せた。 そのまま、葉子の背に手を伸ばし、 やさしく抱きしめる。
――恋人時代に、そうしたように]
(430) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
葉子が何に劣等感を抱えて、 何に悩んでいるのかは知らないけど。
[死んであげていい。価値のない人間。>>2:401 あの冷たい校舎で彼女は確かにそう言った。
葉子が何に追い詰められているのかは 正直なところ、俺には 想像もできなかったけれど]
(431) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
俺は、お前がいいんだ。
[同じ言葉を、繰り返した。 そのまま、葉子の背に回す腕に力を込める]
(432) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
それとも、隣にいるのが俺じゃあ 不服だっていうのか?
[やっぱり俺の口調は上から目線で、 じっと葉子の瞳を覗き込んだ]*
(433) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃
|
|
「あのね。高本くん。 家を出ることになったんだ」>>405
(480) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
―― 教室 ――
そっか。 おめでとう、京輔。
[その言葉は、存外にすんなりと出てきた。 自分でも意外だった。 誰かの門出をこんなに自然に祝えるだなんて]
(481) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[あの冷たい校舎に迷い込む前の俺なら 裏切りやがってという気持ちひとつ抱えて、 今まで手を付けてなかった京輔の教科書を 隠してやるくらいの真似はしていたかもしれない。
京輔に感じていたのは、 つまりはそういう共感であったから]
(482) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
距離を置けることが、俺は羨ましいよ。
(483) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[自然に、「羨ましい」という言葉が出てきた。
それは京輔相手だったからというのもあったし、 きっと俺の成長の証でもあった。
京輔の問い>>414にひとつ瞳を瞬かせて]
いいや、笑えないな。
[はっきりとそう答えて、俺は首を振った]
(484) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
血の繋がりは切れない。 決して、逃れられない。
[呪いの言葉を紡ぐ]
それでもそこから離れようとあがく人を、 今の俺は笑えねえよ。
[そうして俺は、自席から立ち上がった]
(485) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
京輔。見て欲しいものがある。
[俺は京輔を先導して歩き出す。 教室から出て、階段を下りて2階へ。 そのまま美術室の扉を躊躇なく開けた。
そうしてそこへ、足を一歩踏み出す]
(486) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
本当はさ、美術部に入りたかったんだよ。俺。
(487) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
でも、部活に入るだなんて 家族が許してくれるわけない。だから。
(488) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
部活ごっこ、してたんだ。 あの校舎から帰ってきてから。
学校生活の後悔の、穴埋めをするために。
(489) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[自嘲気味に俺は笑って、窓際へ近づいてゆく]
拓海に聞いたんだ。 朝だったら美術部員も教師も来ないよって。 あとは美術部の画材とか備品の場所も、全部。
毎朝早く来て、ここで絵を描いてた。 たまに拓海に写メを送ってアドバイスも貰って。
[美術部の備品横領を悪びれずに語りながら、 そのキャンバスに掛かった布を外す]
(490) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
京輔。 これを見てお前はどう思う?
(491) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[それは一枚の油絵だった。
青白い顔をした、けれど端正な顔立ちの少女が 白いベッドの上に座っている。
痩せこけた少女の体躯は、薄幸の印象を与え しかしその顔に浮かぶ笑みは穏やかだ。
風に吹かれて、 窓際の白いカーテンが揺れている。 少女の髪も、風に揺れる。 そんな、穏やかな情景が丁寧に油絵で描かれていた]
(492) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
俺の妹。
[ぽつり、と俺は呟いた]
俺の足を引っ張る存在。
[続く言葉に恨みがましい響きはなく、 ただ晴れやかであった]*
(493) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
―― 病室 ――
[拓海は笑顔のまま、しばらく固まっていた。 俺は無表情にそれを見つめている。>>454
再び動き出した拓海は やっぱり笑顔を浮かべていて。 無理くりに笑うその姿に、小さく溜息を吐いた]
……やっぱり、本当だったのか。
[俺は表情を殺したまま、拓海を見ている]
(494) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
その笑顔で、何を守ろうとしてんの?
(495) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[静かに、問いかけた]
俺はお前が必死に隠して守ろうとしてきたもんを 別に否定もしないし、壊そうとも思ってない。
[例えそれが、もう壊れていたものだとしても]
……だから、無理に笑うなよ。
(496) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[子供の時分。 こいつの家に遊びに行ったことがある。
拓海がいて、親父がいて、お袋がいて、たろがいて。 あたたかな家庭がそこにあった。
よく遊びに来てくれたねって、 ひんやりとした麦茶を出してもらって。
それをちびちびと飲みながら 「綺麗なお母さんだね」って 少し赤い顔で拓海に耳打ちした]
(497) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃
|
|
[蝉の鳴き声の聞こえるその部屋で 他愛もない話を延々と続けたその時間を、 確かに俺は覚えていたから]
(498) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃
|
|
[――――だから、俺は]
(499) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃
|
|
いいんだよ。 友達の前では愚痴のひとつ零したって。 つらいって、泣き喚いたって。
[俺はお前にとって頼れないような友人かい、と すこし……いや、大いに不満げに眉を寄せる。 そうして、両手を広げた。 おいでおいでって、くいくいっと指を動かして]
(500) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃
|
|
……その、なんだ。 いつものお前の真似。>>0:192>>146
[ハグをしてやるぞ、のポーズだ]
(501) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃
|
|
[俺だって、甘えるだけじゃなくて お前を支えたい。友達だから]**
(502) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃
|
|
―― 放課後 ――
いやいやいや。 いくらなんでも笑いすぎだろ。
[肩を震わせて 必死に笑いを堪える宮古の姿に 俺は頬を掻くしかなかった>>460]
(527) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[それを見た通りすがり級友たちも 笑いながら脇を通り過ぎるものだから、 小っ恥ずかしくて仕方ない。
なんの羞恥プレイなんだ、これは]
なにが面白いんだか。
[ハンカチを返しながら、ぼそりと零した]
(528) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[依存関係は、終わった]
(529) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[こうやってくだらないやりとりをして 戯れている宮古と俺は やっぱり普通のクラスメイトでしかなくて。
もう俺は彼女に甘えることもなければ、 彼女は俺を傷つけることもない。
本当に俺らの間には 何も、なかったかのように]
(530) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[――――それでも]
(531) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[見せられちゃった>>466と言って ころりと笑う宮古は、相変わらずに綺麗で しばしの間、俺は目を奪われる。
我に返っていつもの委員長然とした 笑みを無理くりに浮かべると]
ご要望があれば、またいつでも。
[ひょいと肩をすくめて、踵を返した]
(532) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[鎖骨の近くに刻まれた、火傷痕を指でなぞる]
(533) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
あっぶな。
[宮古の姿が見えなくなった後、 俺はこう呟くんだ]
……また囚われそうになる。
(534) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
[やっぱり、悪魔みたいな女]*
(535) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃
|
|
―― 美術室 ――
……そっか。
[幸せそうな女の子。>>510 その評価に、俺は少しはにかんだ。
京輔は相変わらず静かに笑っていて それは彼の本心であるように思われた。
絵の中の少女は、穏やかに笑っている]
(536) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
[――――幸せ。
俺は彼女を、そう見ていたのだろうか。 哀れで、可哀相で、俺の足を引っ張る邪魔な存在。 そのはず、だったというのに]
(537) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
[ふっと、肩の力が抜けるのが分かった。 ああ、なるほど]
(538) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
俺も、好きだよ。
(539) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
妹のことが、大好きだ。
[やっとその一言を、口にすることができた]
(540) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
[美術室は、やわらかな陽光に包まれていた。
俺と、京輔。 微かに鼻を衝く画材の香り。 並べられた木製の椅子とテーブル。 壁際に置かれた石膏像。
そして、幸せな少女が描かれた1枚の絵画]
(541) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
[穏やかな時が、そこには流れている]
(542) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
[俺は京輔の言葉>>514に きょとんと目を丸くした。
そうして、くすりと笑って]
……お前、美術部員だろ。 俺に教わってどうするんだよ。
[あんまりにも、京輔が大真面目に言うものだから 堪え切れないとばかりに、笑ってやったんだ]
(543) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
ああ、いいよ。一緒に描こう。
(544) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
[――――やっぱり。 俺とお前は似ているよ、京輔]**
(545) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃
|
|
―― 病室 ――
[こんなにも取り乱す拓海を、 俺は初めて見た。>>582
服を掴まれ、胸に顔を埋められる。
ああ、今まで そういうふうに我慢してきたんだなって。 そういうふうに俺を見てきたんだなって。
こいつも人間だったんだなあって、 すとんと胸に落ちるものがあった]
(594) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
帰れねーだろ、普通に。 てか、意地でも帰ってやんねえ。
[馬鹿かお前は、といつもの調子で返すと 俺は拓海の背に腕を回した]
こんな状態の友達置いて とっとと家に帰れるわけねえだろ。
[あの冷たい校舎から、 お前を見捨てて帰れなかったように]
(595) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
羨ましく思っていいし、 恨みに思っていいし、 縋っていいんだよ。
それが駄目って言ったら、 嫉妬に駆られてお前のノートを隠した俺って もはやなんだよ。畜生か。
[拓海は聖人にでもなるつもりかって 鼻で笑ってやる。 そうして、抱きしめる手に力を込める]
(596) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
お前はおかしくないし、お前は悪くない。 ――俺は、お前と出会えてよかった。
[ひとつひとつ、拓海の言葉>>583を否定していく。 だって俺は、最高に性格が悪い男だから]
(597) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
生きろ、って。 あの冷たい校舎で、 確かに俺はお前に言ったんだ。
その責任くらいちゃんと取らせろよ。
つらかったら俺に当たれ。 恨めしかったら俺を殴れ。
ひとりで抱え込まれて、 また勝手にひとりで死なれちゃ堪らねえ。
(598) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
ずっといっしょだ>>0:304って、約束したろ。
(599) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
[そうしてわしゃりと、拓海の頭を撫でた]
だいたい高校卒業したら就職するって、 この時期に入院してて いったい就活どうするんだよ。
帰ってからあの家にたったひとりで、 どうやって暮らしてくんだよ。
笑ってる場合じゃねえよ。 心配で心配で堪らねえじゃねえか。
(600) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
職がねえっていうなら、 俺の店で顔パスで採用してやるよ。
噂が立っててあの家に帰れねえっていうなら、 一緒に物件探してやるよ。
だから――……
(601) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
俺を頼ってくれ。
(602) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
[縋っていたのは、俺の方かもしれない]*
(603) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃
|
|
___________________
To:養拓海
言われんでも いま葉子の見舞いに向かってるとこ。 拓海も心配してたって伝えとくな。
___________________
(620) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃
|
|
[待っていてほしい、と>>551 確かに君が言ったから 俺は君の回復を祈っていたんだ]
(621) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃
|
|
―― 病室 ――
[数回ノックをしてから 俺はその病室の扉をくぐった。 手に赤いガーベラの花束を持って ベッドに横たわる葉子に笑みを向けた]
刺されたって聞いて、 すごく心配した。
[ベッド脇の花瓶にガーベラを活けると 来客用の椅子に座り、葉子を見つめた]
(622) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃
|
|
拓海に続いて葉子も入院だろ。 学校は大騒ぎだよ。 受験の雰囲気なんて吹っ飛んじまった。
[それから、様子を窺うように間を開けて]
あの日、今夜全部終わらせてくるって 言ってたよな。
(623) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃
|
|
……こうなったの、そのせい?
(624) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃
|
|
[罪悪感がないと言ったら、嘘になる。 努めて冷静な声音を心がけて、 それでも問わずにはいられなかった]*
(625) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃
|
|
―― 病室 ――
おう、遊びに来い。 っていうか。やっぱりお前、遠慮してたのかよ。
[わしゃわしゃと、さらに拓海の頭を撫でてやる。 ずっと聞きたくても聞けなかった。 なんで最近は、うどん食いに来なくなったんだって。 ――怖くて、聞けなかった]
お前を雇うなら、 親父もお袋も満場一致で賛成してくれるよ。 いつでも来てくれ。来い。
[拓海のあたたかさを確かめるように、抱きしめて]
(764) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
[その笑顔>>638に、心底俺は安心したんだ]
(765) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
[お前の背中をいつも追いかけて、 お前の将来に嫉妬して、 お前のやさしさに甘えていた。
俺とお前の関係はいつも一方的で、 きっと歪な友情だった。
――――だから]
(766) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
[お前に恨まれるのも、 お前から頼られるのも、 俺はすごく嬉しくて堪らないんだ。 おかしいかな。
だってそういうのが、 健康な友達関係っていうもんだろ]
(767) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
……ずっと友達だ。拓海。
(768) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
[きっと浮かべた俺の笑顔は、 餓鬼みたいに無邪気なもので。
あのな、俺がこういう表情を見せてやるのは お前が友達だからなんだぞ。 そんな傲慢なことを、心中で思っていたりする]
(769) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
[真っ白なカーテン。 真っ白な病室。真っ白なベッド。
まだ無垢だった子供の頃を思い出しながら、 泣いて縋りつくお前の背をさすっていた。
お前が泣き止むまで。 お前の気が済むまで。
いつまでも、いつまでも――……]*
(770) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃
|
|
―― 病室 ――
やっちゃった、じゃない。
[こつん、と軽く拳を 葉子の額に当ててやる。
その余裕ある口振りに安堵して、 ふっと相好を崩した。
それから、葉子の語る言葉に耳を傾ける]
(771) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃
|
|
……今更それ聞く?
[お前馬鹿か、と言わんとばかりの 傲慢な態度で笑ってやろう。 俺って、性格の悪い男だから。
幻滅したか、と問われても>>672 もうとっくのとう。葉子と付き合って 彼女が成績を落としたその日に、幻滅していただなんて さすがに今の場面じゃあ言えないな]
(772) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃
|
|
[成績の良いお前に興味を持って、 成績の悪くなったお前に幻滅した。
お前が成績を良くするために何をやっていたか。 その噂が本当だったとして、 今更それで幻滅するなんてありゃあしないよ]
(773) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃
|
|
[俺よりも頭が悪くて、可愛げがなくて。 だけど危なっかしくて放っておけない。
そんなお前と一緒にいたいと願ったから、 今ここに俺がいるんだろう?]
(774) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃
|
|
[俺は、葉子に手を差し出した]
……教えてくれよ。 付き合ってくれ、に対するお前の答えを。
[頭の良い俺が 誰かに問題の答え合わせを要求するだなんて 中々ない機会だぞ]
(775) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃
|
|
[俺の手を取るか、取らないか。 お前の答えを聞かせて欲しい]*
(776) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃
|
|
―― 病室 ――
[大学に行く。>>809 葉子のその言葉を、俺は瞳を瞬かせて聞いていた。
様々な思いが脳内を駆け巡る。 それは、決して肯定的な感情だけではなかったけれど 俺はしばしの間を置いて、ふっと相好を崩した]
そっか。応援してる。
[その言葉を、何の皮肉も嫌味もなく 本心から言えたことに、俺は自分で驚いていた。 葉子に向けたのはきっと、偽りのない笑顔]
(885) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
[悔しくて、悲しくて、つらくって。 ノートや教科書を隠して回って 周りに当たり散らしていた俺は、 ここで前に一歩をやっと踏み出せたのだと思う]
(886) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
[この先も並んでいくため、と>>810 確かに彼女は言ってくれたから]
(887) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
[だからきっと、 葉子が無事に大学に合格できた時にも 心からの笑顔を向けられるはずだ]
(888) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
[――――そうであってほしい、と願う]
(889) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
[握り返された葉子の手のぬくもりに、 俺は目を細めた]
物好きはお互いに、だろ。
[葉子の眼鏡をそっと外して、その唇に口付けた]
(890) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
[お前のそういう顔を知っているのは、俺だけでいい]**
(891) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃
|
|
「兄さんのうどん作ってる後ろ姿、 わたし大好きなんだ」
(968) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
―― 後日談 ――
[わたしがそう言うと、兄さんは はにかんで笑いました。
頼りになる兄さん。 格好いい兄さん。 大好きな兄さん]
(969) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[店を切り盛りするようになった兄さんは すっかり頼もしくって。
あいつがいればこの店も安泰だなって 父さんも母さんも笑っていて、 この家はいつも笑顔にあふれています]
(970) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[でもね、退院したその日。 わたしは見てしまったんです。
もう高校を卒業して、何年も経っているのに 閉店後の誰もいなくなった店内で 暗い顔をして英語の単語帳をめくる 兄さんの姿を]
(971) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[本当はね、わたし気付いてたんです。
あんなに勉強が好きだった兄さん。 大学に行きたくないはずなんて なかったのにね。
わたしの家の幸せは、 きっと誰かの不幸で成り立っています]
(972) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[店には、いろんな人が来ます。
店の人手が足りない休日は、 たまに拓海兄さんが店の手伝いに来てくれて。 兄さんにあんなに優しいお友達がいるのを わたしは嬉しく思うんです。 幼馴染って、本当にいいなあって わたしはちょっぴり羨ましい。
ときどき、うどんを食べにくるお姉さんがいます。 兄さんは何にもわたしに言わないけど、 きっとふたりは付き合ってるんだろうって わたしはとっくのとうに気付いているんですからね。 女の勘は鋭いんです]
(973) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[綺麗なお姉さんがたまに暖簾をくぐります。 兄さんは「悪魔のような女だ」って言うけれど、 わたしにはとてもそうは見えません。 人は見かけによらないんですね。
定休日に店を訪ねてくることが多いのは 京輔兄さんです。 ふたりしてスケッチに出かけたりしているのを見ると、 同じ趣味があるっていいなあって羨ましくなります]
(974) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[この店には、たくさんの笑顔があふれています。
ある日、携帯電話を見つめる兄さんいっとうに 素敵な笑顔を浮かべていたものですから わたしはこう尋ねました]
兄さん、なにか良い知らせでもあったの?
[そうしたら、上機嫌に兄さんは笑って]
(975) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
「拓海からメール。>>931 あいつ、粋なことしやがって」
(976) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[同窓会のお知らせでしょうか。
兄さんの笑顔がいつにも増して 輝いていたものですから、 わたしの頬も自然に緩みます]
(977) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[大好きな兄さん]
(978) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[家族の前では、決して弱音を吐かない兄さん]
(979) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
|
[兄さんの幸せを、わたしは誰よりも祈っています]**
(980) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃
|
1
2
3
4
5
6
7
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
5日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る