人狼議事


158 Anotherday for "wolves"

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─ラディスラヴァの家─

前足をころり、遊ばせてみる。
この足にかかる埃を被った白骨は、女の母のものか。
或いは父のものだっただろうか。
女が幼き頃食い散らかした、大人二人の白骨死体。

随分と長い時を騙し続けたものだ。
嘲り、誰にとてその瞳を見せることなく声を押し殺す姿。

女を傍で暫く見てきて、思う。

滑稽であったのは誰とも無く。
女の生き方そのものであるだろう、と。


その命も、尽きようとしている。
否、尽きようと『している』のだ。

友人を、仲間を、村の人々を、そして幼馴染を。

遊戯を楽しむが如く騙したその先で
女は如何様にして死して逝くのか。
観るにも値しない、安手の悲劇。

耳を澄ませば聞こえるだろう。
素晴らしき恩寵の節々が。

歪なその恩寵に。


  「にあぉ」


小生の声が一つ、溶けた**


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― 星が、欠けるまで ―

 …… ――― 、

[ 『次の時』と。
   まだ 繰り返す
   まだ 針を回す
   そんな口振りを告げる‟魔女”に、]

  …… そうだねえ、

[ にこり。
  
   微笑んで。
   最高のストーリーは、 
   筋書は ‟未だ 答えない”。 ]

 [ まるで、ああ。
    こうして並びたてられば
    救いようのない、お伽噺みたいだ。 ]


[魔女が死の舞踏を躍るなら。
   死神は死の凱旋を行進する。

   ただし。
   風舞い 色付く鮮血も、
   柔肌を引き裂き、十字に掲げる絵図も。]

   [‟まだ” それは、夢の中。 ]

  [ 現実は、

   その可憐な果実のようであり、
   悪趣味な衣装<ドレス>を、

     その肩口を、
     肉を抉るように 一閃。
     星が墜ちるよう 流れていった。 ]


[肉の、血の感触が手に残る。
 漆黒色の、夜を煮詰めたジェットブラックが
 まっかな まっかな クリムゾンで、塗れた。]

 [ひとおおかみの。 死天使の。

  本来の凶つを、
  あまい あまい 血のにおいが、
          やわらかい肉のにおいが。]

 [ ―― 擽る。
      炎に、油が注がれる。 ]

[それから逃れるよう、

 一度、死神のつかいのような。
 黒き狗が、ぴょん っと、
       後ろに飛び退こうと、

 魔女は艶やかに、わらう。 ]


[ ―― … ひとのすがたに、
       黒狗が戻ろうと。

 殺意を煽情する色艶は、
 歯車が外れたような、

   閉じ込められていた、
   魔性の鈴の音は。 ]

     [ からころ、 ]

     [ 耳障りに、劈く。 ]

[じい と、

  一直に駱駝色を 天の蒼は据えたまま。
  物音と同時、音無き手が口となり。
  その、ほそい首筋を、締めるところを

    つい と 逸らせば、少女。 ]


 ( ――― 守った? )

[掠めたこえに。

  今し方、殺されかけた少女は。
  助けを求めた少女は。

     ――― まるで、
         怖じるでもなく、

  戸口から、ラズベリー色の魔女へ
  縋るように 純朴な、子供らしいいろを投げる。]

  ( ひとつ。

      晴れかけていたピースが、濁る。 )

   …… っはは、
   … なあんだい これ、茶番だったの?


[ 助けを求めた少女は、魔女に魅入られていて。
  噫 駆けつけた黒狗は。

     ――― 無駄、だったんだろうか。
         ああ、本当に。

  魔女が少女を不快に感じたなんてしらないから、
  『邪魔もの』のように、『不要物』のように。
   扱われた あのころを、おもいだす。

 …… 貧しくっても、温かい記憶のあった
    あの 生家から追い出した
    あいつらのことを。

 (そもそもあそこから歯車が可笑しかったんだ!)
 (父さんは なんで、義母を止めなかったんだ!)
 ( ――知ってるよ、ぼくらが邪魔だったから )]


[  生を与えた主に。
   救いを求めた少女に。

  ( 勘違いかもしれない。
     とばっちりかもしれない。

  でも。 でも。 一度、影が重なれば。
  ―― 仄暗い炎は、死ぬまで燻る。)

  一度思いこんだあたまは、
  ここにいることが無駄だと。
  (生きてることが無駄だと)
  なあんにも触れられてないのに、
  自然と そんな声さえ聞こえてくるようで。

  作られたから。
  呼ばれたから。ここにいるのに。

  ―― なら、最初からひとを巻き込むなよ。 ]


 っは、 はははは 、ははっ ……!!

 [ 焦がれる、
    想う。 先程の殺意を。
    翳る感情は、流るるばかり。

    壊れたテープのよに、わらって。
    血のにおいが 染みついて掻き立てる。]

  [ 滑稽。
 
   そう、こんなぼくも、
   滑稽だって。 さっきのことばが思い出す。]

  ( …… 腹が立つなあ。

    メアはどーかしんないけど。
    でも、どうせアンタは。
      スティの、仇なんだろう? )


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[なら、留まる理由なんてなかった。
 助けたのも滑稽だけれど、
 あのまま こんな思いをするなら。

    ―― 本当にさっきのが茶番なら、
    ( いや、きっと そうだったんだ。 )
   そのまま 心の臓を破ってやればよかった。]

[ふつり ふつり]

  [連想されては、繋がれて。
   負の感情が、"思い込み”に
   無限に繋がれてゆく。

 憎悪が、無関係の八つ当たりでさえ膨張して、
 ―― まとめて、殺してやりたいとさえ思えば。]

  [ 気が付けば、

    ざわり 漆黒が再び、風も無いのに揺れる。]


[ ああ。別に、‟ひとり”なら。
    処刑を待つことも、ないよね。 ]

    …… ――― やっぱり、

    夕方を待つまでもないな。
    アンタ以外に、今日。
     殺されるべき、人間はいないだろう?

    っははははっ、 は、 …

      … … その笑い声、
      さっきから耳障りだと思ったんだ。

[ 凍てつく 蒼白い炎が、 
   急速に命を燃やすような

   激しい閃を 迸らせて 、 ]


 そうだ、さっきの質問のこたえ。
  ―― 答えてやるよ。

 [ くくっ、 三日月は 昇る。 ]

   いちばん滑稽なのは、
   アンタが? ‟アンタたちが”?
   … 紡いだはなしなんかじゃあない。

    まだ‟お遊戯”が。
      ‟御噺”が続くと思ってる
      アンタが、一番滑稽で、

   『わらえる話』を、
     同じくらい滑稽なぼくが

    ――― ‟作ってやるよ”。


  [ 駱駝色が、揺れる。
  そこに 血だまりのいろは
  覗いただろうか。]

   たん、 と、

    地を蹴れば、
    そのまま 血に塗れたままの新夜の色は
    鋭い一振りの刃になって、

   剛腕が、洞をつくる。
   その 心の臓を引っ掴んで、 抉る。 ]

  [ 血管を ぶちり ぶちり、 

    引き千切って、無理矢理『こころ』を。
    まだ手で脈打つ 核を、掲げた。]


[ どくり どくり

  ああ 形を崩さぬ赤黒い塊は、
  波打つ鼓動がいつまでつづくか。
  医学の欠片もない、狗はしらない。]
   
    ―― ははははははっ!!

  [ ただ わらう。
     狂ったように、

     高揚するこころに 従って。 ]

   討ってやったよ、 … スティ、

  [黒い狼は。
    その心臓を持ったまま、
    わらって、 … 声を顰める。 ]


[寂寥を 寂寞を。
  宿す、エンジェル・ブルー。
  (天国には絶対行けやしないのに、皮肉なことさ)

  こんなことをしたって。
  何も 何も 、

    変わらない。
    ああ 衝動に身を任せたって、

    こいつと、  ]

      [   気付いた。   ]
      [  気付いて、いた。 ]

   [目を見開いて、閉じる。]

  ( ――― それでも。
        ‟戻っただけだ”。 )
  ( 懲罰をしていたときと、変わらない。  )


[無垢な、手をつないだふたりのときには。
 平和ボケした猫には。
   ―――― けっして、もどれない。]

  [ ひとみが、熱を帯びた気がした。 ]
  [ 気のせいさ と わらって、  

     捕まえたままの心臓に
     完全にはずれきった螺子は、
     おおかみのくちを歪ませる。 ]

  … そうだ。言ってやった手前。
    題をつけなきゃねえ。
   『泥棒猫に核を奪われた、
     語り部気取りの魔女人形』 

   ( ああ、猫じゃあなくて狗だって。
    誰か突っ込んでくれないもんかな)

      … ってところか 、 な 、


  [ ぐらり。 言い切るまえに、

    ――― 突き動かしていた
        糸が、切れる。 ]


  [ 勝利の遠吠えと見まがうようで
    ひとりぼっちのおおかみが、
      仲間をよぶ おとは、

    きっと 来てほしいひとを。
        来てほしいひとたちを。

     呼ぶことは出来ずに、
     星の配列のような 歪を背に刻まれて]

  [ 嘗て流してきた 血の海に沈む ]


 [ 鈍い色の包丁を手にもつ、
   助けた少女を 捉えて、
     濁りゆく星は、またたく。  ]

      [ 星陣を合わせるには、
        間にあわないし、力もない。]

  ( …… ――― 意味なんて、あったのかな)

[ 歯車が狂い始めたころから、
  『要らない』存在だった ぼくは。
  『棺』の名を背負い、死を見届けるだけ。
   大事なものを ぜんぶ ぜんぶ 手から零して、
   
    最期は。要らないことをして、
    無駄死に ――― とんだ喜劇さ。
 
  魔女の心臓を ごろり 転がる弾み、
  斃れた身から ひとすじ、 零れたような。 ]



  ( 神様が、
    こんなときだけ働いたんだろうかね)

 [ は。 ]

   [ 多くの手を汚して、
     のうのうと生きてきた存在に
     とっても ふさわしい 最期だ。 ]
  
   [結局 魔女とおなじとのたまって。

    一番、籠の鳥の狗が
    ちゃんちゃら可笑しいじゃあないか。  ]


[ ―― 英雄になりたかったわけじゃあない。
     戦神にも、天使にもなりたくなかった。 ]

 [ ただ、狗を飼ってくれる飼い主がいれば。
   猫のように、人々の輪の中で暮らせれば。

      ほんとうは それでよかった。
      ほんとうは それがよかった。

      必要と、されたくて、
      構ってほしくて。

  ひとりがいやで、
     ずっと ずっと 逃げてきた。  ]

 ( やっぱり、あの数寄者の
    鴉を連れ帰ってやれば、よかったかなあ )


  


[ は。 ]

   [ もう、わらえない。 ]

 [ 苦手だったあの空気を求めるのは、
  ひとり 潰えるのが嫌だったから。

     ―― 天はそれを見透かしたように
     北を向く ちっぽけな狗を見棄て。]


    [ 星は、墜ちる。 *]




[ ―――  、

    懐の柘榴石を握ろうとして、
    ちからつきた けものの手のさき。

     零れてしまった 赤いガーネットは
     決して もう、届かない。  * ]


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─星が、消えるまで─

[星が墜落するような、一閃。
肩に感じた痛みなど、それは『慣れていた』もので。
それよりも痛いと感じるものを最後の最期まで隠しながら。
私はくすくすと、ころころと笑い続けていました。
模造品の鈴の音が、高く高く転がります。]

 茶番?

 そうね、茶番劇だわ。
 私がこうして生きていることも。
 あなたがこうして生きていることも。
 人と獣が手を取り合って生きることも。

[饒舌に語る私は、語り部の魔女として相応しかったでしょうか。
私は    にも、   にもなれないのだから。]


[多くを語る瞳の色をして、多くを口にしない彼が
壊れたように笑い声を上げています。
狂った姿はまた、獣のそれに逆戻り。
まるで気分を逆撫でされた猫。
いいえ、大切な玩具を捨てられて噛みつこうとしている犬みたい。]

 あら、『人間』だなんてやめて頂ける?

 一度だって、私は私を『人間』だと思ったことなんてないわ。
 『ひと』なんて脆いものじゃないの。

 私は『人狼』。

[螺子のとんだ歯車を、ギシギシと加速させるように。
言の葉の手で回しましょう。]


[上る三日月。
まだ明るい空の下、答えられる声に、私はふうわりと笑います。

まだ続くと思っていると、思わされている仔犬。
彼は、彼らは知るはずもありません。
「お遊戯はおしまい」、そう謂った私の声なんて。

それから見えるのは断罪風景。

黒き獣の手が、私の命を奪っていきました。
『こころ』を奪われたのなら。
もう、痛みなど、感じないでしょうか。]


[たじろぐことも、逃げることもなく。
降りかかる獣の一閃を受けとめて。
ぶつぶつと古びた縄が引きちぎられるように心臓を取り出されてしまったなら。
流石に立つことはままならず、その場にぐしゃりと屑折れて
血濡れた服が、スカートが
鮮やかなラズベリーの色に染まっていました。

模造品の鈴が、小さく小さく鳴っていました。
こふ、こふ、と。
上り詰める血を口端から溢しながら。
最後の最期に伝えてあげましょう。]


 『憎き魔女人形から核を奪った
  瑕だらけの健気な仔犬』

 そっ  ちの、ほ  うが

    ぴ 、ったり     ね?

[仇を打つなんてこと、私が知るあのお医者さんが望むとも思えませんが。
飼い主を奪われて牙を剥く、愛らしくさえあるその仔犬に。
私はただ、くすくすと笑って謂いました。

魔女人形は、憎まれ殺されるべき『役割』。
主演なんてつとまらないのだから。

仔犬を主にするように。
題名をそっと、塗り替えて。]


[そこからの記憶は、淡くなっていくばかり。
光る何かを手にした彼女が、彼に襲いかかっていたでしょうか。
流れる赤が、紅が、あかが。
血だまりの地べたが、遠くとおく。
『みんな』の声もまた、掠れ。

私は消えてしまう間際。
右手を喉にそっと添えて。
音もなく口を、はくはくと。
ただはくはくとさせておりました。

誰にも届かぬその声に、
誰かが『泣いて』くれたように思います**]


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[ わたしが。せんせがカビないように
 空気の入れ替えをするはずだったのに ]

  …… うん。

[ なんにも言わずに包んでくれる手のひら
 わたしのこころの良くないものを、少しずつ覆い隠して。
 たすけて、と 求めた救いをただあるままに受け止めて
 吸い取ってくれるこのひとは
 
  (こころは専門外だって言っていたけど)
  (……うそだよ。やっぱり、おいしゃさまだ。)

 ふわりと軽くなったこころのお陰で、私は足を動かして
 恐れずに、サイラスの声を視ることができたんだ。]
 


[ 彼へ 泣かないで そう言いながら
 むしろ彼が泣いていることに安堵したのも事実で、

わらいに歪んだ「ひとごろし」の顔は、今も脳裏に焼き付いて
「こころ」そのものを歪めるほどに、恐ろしかった。
優しさは、時に狂気に転ずるのだと
幼かったわたしには理解できずに、理解した今ですら直視できない恐怖として遺る。

どうか、どうか、あなたはそうなってしまわないで。]

  ……。

[触れられない手をおろす。せんせが居た場所を振り返り
まだまだ湿っぽいまんまの笑顔だけれど、作ってみせて]

  はい。 ……ありがとうございます。

[彼の抱える辛さも、悔いも知らぬまま。
夜の墓地に静かに響く優しさを受け取って、
離れてゆく足音を見送った*]



  「おはよう」 言えるかな。


[白む空、薄い筋雲が浮かび上がるそら。
わたしにとっては、鳥と虫の声が変わる朝。
閉じられたばかりの土の前に座り込んで、声を待つ。

グレッグが「起きて」きやしないかと ほんの少し期待して
暫くその場に留まっていたのだけれど。

いつのまにかわたしは 花が香る新しい墓標たちに囲まれて
暫し意識を手放して *いた* ]


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―回想・墓地―
[それは男の姿が河原に現れる少し前のこと。
男だった狼が、墓地に埋められた少し後のこと。
並ぶ墓標は幾つかの鮮やかな花に彩られている。

花と、墓石、それらに囲まれ丸く縮こまり
眠る少女の姿の傍に、男の姿は暫く在った。]

(―――…おはよう。)

[眠る少女に、そう声を掛けることはない。
サイラスに告げられ、応えたとおり、
男は眠ることにしたのだから。]


[風がそよぎ墓標に供えられた花びらが舞う。
風がそよいでも少女の長くて綺麗な黒髪が動かず、
生きていれば髪飾りになっていただろう花びらが
マーゴットの姿をすり抜けて地へと落ちる様子に
目を細めて。

男はマーゴットへと小さな囁きを遺した。
それは、信頼していた"彼"にも伝えた言葉。]


[少女が目を覚ます前に、男の姿は空へと溶けた。**]


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―河原―

[流れる水の中にざぶざぶと入ってゆく。
 獣も同じように水に飛び込んで身体をくぐらせたりと
 勝手に血を洗い流していた。
 白シャツに着いた血痕は落ちにくいだろうから、
 家に戻ったら違う服に着替えよう。]

 兄さん、鹿でも狩ってきなよ。
 お腹すくでしょ。

[燃費が悪いのも仕方がない、
 なにせ一つの身体を人と獣に別けて二人で使うからだ。
 だから、兄さんがこうなってからは
 俺はずっと獣の身体にはなったことはなかった。
 まるで人間のように非力なのだ。]


[仕方ないとぶつくさ言いながら獣は森へ入る。
 がさがさした音が聞こえるからその内
 本当に獲物も獲ってくるだろう。
 間違えてスティーブンとかに噛み付いてなければいいんだが。
 見送って河原から村へと先に戻ることにした。]

 さてと。

[他に誰かの姿が見えないものかと見回す、
 最近は生者でも出歩く姿は少ないから
 多分今堂々と歩いているのは死者の方。]


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― ゆめ ―

  メアリーのばか!  もうしらない!

[ (…わたしは何で怒っていたんだっけ。)

 3日も過ぎればば そんなこと?って言えるような
 ささいなささいな口喧嘩。
 バタン!大きな音をたてて宿屋の勝手口を出て

 (…それから、どうしたのだっけ。 あぁ、そうだ。)

 トスン!トスン! かかとを打ちつけながら
 いちばんおおきな樹の下にむすっとした顔で座り込む。 ]

  追いかけてきたってしらないんだから…。

[誰に言うでもなく呟くくせに、ほんとうは、
風のような足音が来るのを待っていた。……それなのに。
近づいてきたのはあの子の足音じゃあなくて]


  ………グレッグ。

[歳の離れた"おにいちゃん"は、あの子の自慢の宝物で
わたしも兄のように慕ってはいたのだけれど、
「甘える」には、ちょっと遠慮が先に立っていた。

走ってきたのか、配達の途中なのか、
短い呼吸音がそばにある。わたしはそれをくるりと見上げて]

  あのね、メアリーったらひどいのよ。

[ あれや、これや 当人がいないのをいいことに
あの子がいつも甘えている兄へ告げ口のような不満を零して

 (…ああ、いやだ。恥ずかしい。)
 (顔を覆いたくなるような幼い行動) ]

  もう遊びにいかない。 …メアリーなんかきらいだもの。

[ ぷすー、 頬を膨らませてそっぽをむいて ]


[そんなずるいわたしの話を聞いた彼は
困ったような、悲しむような、ふたりめの妹をあやすような


いつくしみを浮かべた声で   "そう" 言った。


その声が、あんまりにも静かだったものだから
わたしはきょとりと毒気を抜かれて
ぐつぐつ煮えたミルクの膜がどろっと引っかかっていたはずのこころのなかが、 すう、っと通る。]


   …………。
                  ………うそだよ。
   うそだから、グレッグはしんぱいしないで。


[なんだかとても恥ずかしくて、耳まで真っ赤。
座り込んだままそっぽを向いて]


[ぷくりふくらました頬はそのまま、暫く座っていたけれど
数刻もしないうち わたしは足を宿屋へ向ける。

  ああ、もう。
  わたしから謝ったりしないってきめたのに。

  おにいちゃん、狡いなあ。

いつもとおんなし勝手口。
いつもとおんなし大声で ]


  めーーーーあーーーーりーーーーーー!


[   あの子の名前を呼んだんだ。  **]


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[走り出したのは狂った笑い声が聞こえた後。
霊に距離などないと知ったのは惨劇にたどり着いた後。]

「  討ってやったよ、 … スティ、 」

[声が出なかった。
ラディの姿と、アルの掌に収まる心臓を交互に見た。
絶叫は理性が押しとどめ、
ただ耐えるように掌を握れば、
爪が食い込んだ場所からぽた ぽたと
黒いものが滴り落ちては消えた。]

( 仇討ちなんて そんな事、 )

[視界の端、ひらりと揺れるワンピース。
 声をあげるも、届かず]

 ───、アル、危、……!

 [ざん、と鋭く、銀色が一閃。]


[昼、空はまだ明るいのに
満ちゆく鉄錆の匂いと、赤く染まっていく床。
静かに横たわる遺体が二つ。
真ん中に立つ少女が一人。

吹き出す血の音も
薄れゆく命の音も
どちらも耳に入らず、
倒れるラズベリーと黒を見つめていた。
少女の高い声がやけに響いた。

獣をさばく為の銀の包丁は
血にまみれてらてらと滑っていただろうか。
そこは惨憺たる地獄の様相を呈しているように思えた。]


  ───……。馬鹿野郎……!

[声を押し殺し叫んだ。
「飼い主」の存在なんかに縛られて、
殺して、殺されて、……馬鹿なんじゃないか。

そんな風に血だまりの中転がる姿など望んじゃいなかった。
ただ生きていてほしかった。
我儘だと知っていても──。

──声も 何も 届きはしない。
転がったガーネットは静かに光るだけ。]

 ……、っ、……、

[影は──小さく息を吐いて、
静かに拳を硬く握り締め、踵を返した**]


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― 消えた星は、 ―

  『また、会えたね』

    …… ―― また、会えたね。

[ 流れた雫から。
   … ―― 夜と混同とした暗闇のなか、
        星の薄明りをまとった
        少女が、白い手を差し伸べた。 ]

  [ 少年は、そっとその手を取る。 ]
  [ 元々、高くも無かった背丈は、
    年の割に若い見た目をしていた青年は

    さらにあどけない、
    こどものすがたをして。

  そっくりの、白いワンピース姿の
  髪の長い少女とふたり ならぶ。 ]


 [ 消えた星は明滅して、
   ―― あたらしい星にはなれないけれど。


   落ちた星屑は、
   魂の欠片は そこにある。 ]

   [ くらやみが、晴れた。 ]
   [ 屍のある喧騒の場所よりも、
       森のちかく。

     紫苑の花に 導かれて、
     野花の小道で、手をつなぎ。


       ――― ひとりじゃない感覚が、
       とっても、ひさしぶりにおもった。]



[ ――― 青い空は、
  透き通ったぼくらに眩しい。
  ああ、また 皮肉気にわらってる。

    陽光が 煌々、耀くのに目を細める、
    その奥で網膜に焼き付いた柘榴石が。
    焔のように ひかった。 ]

[ 同時。 さざめく風が、

    ―― 意識が闇に落ちるまえ、
    聞こえたよな 聞こえなかったよな、

      ことばが、
      風に戦いでゆく。]

  『……ねえ、アル。
  ‟なにを”、‟だれのことを”考えてるの?』


[ ―― ‟にせもの”じゃあない、
    ‟ほんもの”の少女は。

       透きとおるようで、
       凛。と。

   死んでなお、虚ろな洞なんかじゃあない。
   その形を こころを、

      確固としてもった、
      ひとであり、いぬだった。]

  …… ―― さあ、誰だろうなあ
  
   [ そんなねえさんを見つめながら、
     くすり と 、姿相応にわらう。 ]


[自宅に戻る道すがらのこと。
 途中喚くような声が聞こえたが、
 生者のことなんてもう、どうでも良かった。
 ただ一人の死は今でも願って居たのだけど。]

 逆恨み?いいや違うね。
 アイツは今でも俺の平穏を壊した害悪のままだ。
 一回ぐらい殺しても良かったかな。

[こんなことグレッグに聞かれたら殴られるかもしれないが
 その考えは改める気は無いままだ。
 からっぽの胸に詰めるものももう無いので、
 何にも感じない。]


[がさりと茂みが揺れて、一匹の兎を咥えた獣が戻る。]

 なに兄さん、それだけ?
 二人分なのに足りるの?

 『煩いな、次はお前が行けよ』

 やだよ。

[それでも狩りが出来るだけ、開放されてきた証なのだろう。]


  『 当ててみようか? 』

   …… やだよ。
   ――― だって、当てるでしょ。

    [くすくす] [くすくす]

[顔を見合わせて、ふたりはわらう。

  ――― 天使のような蒼は、
      まったく同じ色をして、

  それなのに 太陽と月のように、
  それぞれを追いかける二匹の狼のように、

     ちがう 『いろ』を浮かべ。
     それでも ぼくらは。(わたしたちは。)

  『ふたつでひとつ』‟だったから”。
   お互いのことが ようく、わかる。 ]


  『 ―― なら、行ってきたら? 』

[ ひとしきり、
   お互いの頬に触れ、

   額をあわせるように、じゃれる。
   子犬同士、あそぶようで、
     …… どこか、再びの別れみたいに。

  また 『いつか引き裂かれる』
      ‟片割れ”の身に、触れて、]

    [ ぱ と、 手が (糸が)
        はなれてゆく。   ]

 …… ――― ねえさんは、

    … ひとりじゃ、いやだ。
    また、会えたんだからさ。


  [ 差し出した手を、

     ―― 少女は、取らない。
     …… 寂しそうに。

  そこだけは、‟にせもの”とおなじように、
  空気のように 散りゆくだけの花のよに、

    後ろで手を組んで、
       立ち尽くした、まま。 ]

   『 …… アル、
     あたし 、 (…もう、繋げないよ。)

      … あとをつけていくから、
      先に行ってくれる?     

    っふふ、たまには手をつなぐより
    列になっていくのも、面白いじゃない。』


 (『 … そうやって、あたしに頼るのは。
     縋るのは、 死んだって、
     ―― アルのために、なんないから。 』)

[(昔から、姉の後ばっかり追って、
     死んだ後すら 幻影を見て。

  そんな姿を、『よく知ってる』から。
  突き放すんじゃない。ただ、うしろをあるくだけ。)

    ――  そんな姉のこころはしらないで、
        無垢な瞳は、ぱちり。


   …… 瞬いて、なにも考えることなく
   こくり。 『わかったよ』 と、

   クリアカラーの、鴉羽が 頷いた。 ]

  


[ くるり。 ]


     [ そのまま、黒衣を纏う少年は
       生きてるように ひらり、

         あの重々しい外套よりも
         閃く マントを纏い。 ]

[ 微笑む、
  白いワンピースの少女をうしろに。

  
     ――― … 、

  硬い足音もなく、
    とてり と 小道を歩き出す。 *]


メモを貼った。


─ 回想

[男がその騒ぎに気付いたのは、
宿の裏手から妻の驚いたような声が聞こえたからだ。
食堂で仕込みをしていた男は手を止めて、裏手へと顔を覗かせた。

甥が、この家にやって来て、もう5年になる。
やって来たばかりの頃、心細げにしていた少年は、
すっかり兄貴分やら友達も出来、ここの暮らしにも馴染んで見える。

とはいえ、まだ多感な年頃の少年だ。
甥が寂しがらないようにと、妻は気に掛けているようだった]


キャシー、どうしたんだい?

[近づくと、幼い娘のきゃっきゃと楽しげな笑い声が聞こえた。
娘のメアリーは3つになる。
この年になって漸く授かった、キャサリンとの宝物だ。

その無邪気な声に自然と笑みを浮かべながら裏に向かうと、
井戸端では、甥と娘が水遊びをしていたようだった。
娘が嬉しげに笑って、桶の水をそこらじゅうに撒いている。
妻は、その娘のお遊びを止めるのに大わらわだ。

男の足元にも、小さな手からびしゃんと水が跳ねてきた。
再び上がる高い笑い声]


こぁら、メアリー、いたずら娘。
そら、捕まえたぞー?

[傍に来た娘を捉えてやれば、
またきゃっきゃと楽しげな笑い声が上がる。
その顔を覗き込んだとき、ふと娘の目が少し赤いことに気付いた。
見れば、腕や足に小さな擦り傷がある。
転んで泣きでもしたのだろうか。

幼い娘を妻に預けて、男はすぐ傍らの甥へと視線を転じた。
どうも元気がないようだ。
水遊びを叱られたにしても元気がないなと目を向けた。

グレッグの目が赤い。
ごめんなさいと呟く小さな声に、瞬いた。
さては水遊びより前、外で何かあったのだろうか。
ともあれこのままでは二人とも風邪を引いてしまうと、
一旦、中に入って二人の子どもたちを乾かすことにした]


…ほら、グレッグ。

[二人を乾いた柔らかな布で拭いて乾かして。
キャサリンがメアリーを着替えさせに行く間、
ルパートはミルクを温めて、グレッグへと差し出した。
暖かなミルクは蜂蜜入り、ふわりと甘い優しい味だ]

落ち着いたかい?

[少年がミルクに手を伸ばし、落ち着くまで。
見守ってから、男は微笑んで頷いた]


昔はなあ……

僕も兄さんと…お前の父さんと、良く川に遊びに行ってね。
そりゃあ、濡れるわ汚れるわで怒られたりもしたもんさ。

[懐かしげに口にするのは、彼の父との昔の思い出]

一時、釣りに夢中になったこともあってね。
確か物置に、まだ釣竿が残っていたはずだが…
どれだけ釣れるか、どれだけ大きな魚が釣れたか。
日が暮れるまで夢中になったっけ。

[小さく笑って昔日から視線を引き戻し、
くしゃりと甥に笑みかける]



───…なあ、グレッグ。今度二人で釣りに行こうか。


[それから幾日か後のこと、
約束通りに甥と連れ立って川に釣りに出かけた。
メアリーはキャサリンに任せての、男二人水入らずだ。

きらきら光る水面を眺め、少し真剣な顔で釣り糸を水に垂らし。
妻のお手製弁当を食べては、二人揃って空を眺めた。
釣り糸を垂らしながら、色々な話もした。
他愛もない話だ。でも楽しかった。

結局大した魚は釣れなかったけど、
そうして日が傾くまで二人で過ごした美しい水辺の光を、男は今も覚えてる]



(ああ…、だからだ。)

[あの時:515つい、甥にホットミルクを勧めてしまった。
もう彼もすっかり成人しているのだと分かっていたのに。
あの時の少年は、甘いミルクにほっとした顔を見せてくれたから。
もう一度それが見たくて、酒ではなくミルクを勧めてしまった。

蜂蜜入りのミルクは、あたたかくて甘い思い出の匂い。
今はもう遠い、───遠い、記憶の中の*話だ*]


[獣からもう動かない兎を受け取って自宅へと戻る。
 いつものナイフで血を抜き、内臓を出して、皮を剥ぎ、
 肉の塊に切り分けてゆく。
 足以外の部位は鍋に放り込んで野菜と共に煮こむ。
 足は二本とも塩と胡椒でこんがりと焼く。
 美味そうな匂いが漂いだした頃、
 焼けた肉を二本皿に取って床に下ろす。

 そのまま床に座って、獣と肉を共に食む。うまい。
 獣は器用に前脚を使って骨と肉を分けて食い]

 内臓も食べる?

 『いいや、こっちのがいい』

[見上げるのはくつくつと音を立てる鍋の方。
 獣のくせに生意気だと思う。]


 せっかく死んだし、族長でも探してみようか。

[気まぐれに思い出してそう声をかけると
 獣はあからさまに耳をぴんと立てて尾を揺らす。]

 どんだけ好きなんだ。

 『いや、その……』

[鍋はまだ完成していないから、散歩でも。
 そんな気楽さで黒の代わりに赤い布へ手を伸ばして
 いつものように羽織ると獣を伴って家を出た。]


メモを貼った。


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 匂いとかしないの?

 『今は兎の匂いしか』

 兄さんの役立たず。

 『…………面目ない』

[獣のくせに使えない。
 仕方なしに現れそうな場所を探してみる。
 墓地、集会所、自宅?思いついた順に歩くとして。]

 墓、増えてるかな。

[知っているのはスティーブンの場所までで、
 それ以降増えた山に誰が居るのか、なんて知らないまま。]


 結局さ、裏切り者はどうして行動に出たのか。
 そういう話が無いからイライラするんだよ。

 『というと?』

 言葉があるのに獣みたいに実力行使しかしないから、
 裏切り者だって言われるんだってこと。

 『犯行声明文を残せと?』

 はあ?どういうこと?
 
[会話は噛み合わないまま、何度目になるのか
 薄暗い墓地へとたどり着いた。]


─墓地─

小生は死肉色と謳われた紐を首に揺らす。
緩やかに風に乗る足音は、死した者にも聞こえるであろう。
そこに居たのは、よく小生を女の元まで運んだ男

足元に座ると、女と似た色の毛をした尻尾を地面に叩いた。
気付こうか、気付くまいか知れたことではないが。
兄と呼ばれた獣の横に、小生が座る。


メモを貼った。


― アネモネの小路 ―

[毒が真っ赤に咲き乱れる花の小路へ、草の影から足を降ろす。]

  風はあの日となにも変わらないのに。

[……まだ村に来て間もない頃。
綺麗に飾られたアネモネしか知らなかったわたしは何も知らずに手を伸ばし、メアリーと2人して指先を腫らしてしまった。

大慌てで寄った花屋で、この花は手折ると危ないことをクラリッサに教えて貰いながら、くるりくるり。後でサイラスに看て貰いなさいと、包帯を巻いて貰った白い指先をこすり合わせた日。

とおいとおい昔のはなしなのに、花は今でも変わりなく
傷付かぬわたしの指を撫でるように揺れて、薫り立つ。]

  ……懐かしい。あの時はびっくりして泣いたね。

[  ざあ、 と風が鳴いて  ]


[  かさり、 葉が擦れて  ]

   メアリー…… おんなしだね。

[ルパートもグレッグも あの子の側にはもう居ない。
両親をいっぺんに喪ったばかりの頃の自分が、重なる。

 ( ……ひとりなら いっそのこと。 )

 ふわり、 朱い花唇が足元を擽って
 ――風と踊る、朱いWindflower。

 ( ああまるで。 まるであの子のようじゃないの。)

街を風のように翔ける足音。花のように咲く無邪気な声。
手折ると吐く酸のような毒でさえ、 ――愛ゆえの。

わたしは空に向かって花開く一株を根本から手折り ]


  ……いっしょにお花を摘みましょうよ。

[ わたしは手の中の花と、風にそう語りかけ、
 くちびるで弧を描く。

 わたしに折られたはずの花は、かわりなく
 風の水槽の中でゆうらりと揺蕩ったままだ。

 とおく、とおく 村のほうで
 アォォ と響いた遠吠えひとつ
 わたしは微かに黒い瞳を開いて眉を下げる。

 きっとまた、だれか死ぬ。(それならいっそのこと)
 きっとまた、だれかが殺す(そんなことする位なら)

 わたしはふるる、と首を振り
 アネモネの花びらへと 口づけた。**]


―墓地―

[自分の身体も埋まっているのだろうところ、
 感慨深くもないまま歩いていると、
 見覚えのある猫が居た。]

 またお前か。

 『主人はどうした』

[触れるのだろうか。
 獣が見下ろすように猫を見て、ふすふすと鼻先を寄せる。]


濡れた鼻先が息をかけてくる。
不快な、と獣の方は尻尾で柔らかな平手打ちをするとして。
男の足元へと進めば、その手が伸びてくることがあっただろうか。
不思議なことに、小生は死した者にも生きるものにも触れられる。

男は謂う。
主人はどうした、と。

あの女を主にした記憶など小生にはない。
あれはただ、面白そうであったから観ていただけの
一つの御伽噺にしか過ぎぬ。

  「にあー」

そう一声鳴いたところで、伝わることもないだろう。


あの女が命を奪われ、何処へと消えたのか。
小生の知る善しもないことだ。

どこぞに隠れているのだろう。
かくれんぼだといったのは、女ではなく幼き少女であったが。
あの女もまた、かくれんぼが上手い。

上手すぎたのだ。
誰も見つけてやれなかった。
今も何処かに、隠れているのだろう。

くだらない女だ。


メモを貼った。


獣が珍しく反撃を食らっている。
 見えているようだし触れられるようだ、
 只の猫だと思っていたがそうではないのかもしれない。]

 死んだのか?

[何の返事だろうか、初めて聞くかもしれない鳴き声に
 そう返しつつ猫を抱き上げた。
 全くいつも通りの感覚だったから、
 こいつも何かのモンスターだと確信した。] 

 で、あいつを探せって?
 それとも、兎食べに来るか。

[ラディスラヴァから、探すなとは言われていない。
 ただあの女は相変わらず拒絶をするだろうし、
 どうせ誰にも本音を言わないんだ。
 獣はともかく猫に味付きのスープを出していいものか
 飼い主でないので詳しくは無いが。]


メモを貼った。


[――とん、と地面に暗い影一つ。
今この黒い状態で獣に見つかったなら
間違って噛まれそうではある。
それほどに男の姿はヒトとは思えぬ様子だった。

閑話休題。

白く照った道を一歩、二歩、と歩むに従い
血の香りは離れていくはずなのに
狼の鼻は。そしてぬるい風は、
決して鉄錆の匂いを忘れさせはしなかった。

苦々しい感情を抱きながら男はどこへともなく歩いていく。
最早、村を出てしまいたいのに出る事も叶わないのだ。]


[死者に足音はないが、
こつ、こつ、こつりと音を刻んでいる錯覚がする。
森の中、いつしか紫苑が咲き乱れる小道に来ていた。

ひらり、視界の端に揺れた黒衣に其方を見る。]

 ……?

[まさか。
いや、あれはそこまで背が低くはなかった筈だ。

背反する思い、疑念を抱え、男は見えた人影の方へ。
少年とでもいうべきものがいる場所へと、歩いていった。]

  ア……

     ”ヨハネス”?

[よびごえは、届いたのかどうか。**]


メモを貼った。


メモを貼った。


尻尾は雄弁に語る。
獣の頬を撫でるようにはたいてから、小生は男に抱き上げられた。

この男は、小生が死んだとでも思っているのか。
それとも物怪のなにかだと思っているのか。
くるり、喉の奥を鳴らして哂ってやった。

探す価値もない女を捜しに行くと謂うのなら
小生は止めこそしないだろう。
しかし聞こえた兎の言葉に

  「にぁん」

猫なで声一つ上げて見せれば
今宵の食事にはありつけそうだ。


あれから、唄も聞こえない。
風に乗る禍々しい気さえ、ない。

何処に隠れているのやら。

ゆうらり、ふわり。
小生の髭が揺れる**


猫に翻弄される獣は滑稽で、愛おしい。
 不満そうな獣の背も撫でつつ、
 胸の隙間に猫を落とさないように抱いていると
 機嫌良さそうに喉を鳴らす。]

 ああ、食うのな。

[その向こう、墓場の奥まで覗いても
 一見しては誰の姿も見えないから居ないと判断した。
 そろそろ鍋も良い頃合いだろう。]

 兄さんは兎もう一匹ぐらい仕留めるように。

 『何だと?』

 食い扶持が増えた。

[不満気な獣を追いやって、
 猫を抱いたまま墓場を後にした。**]


メモを貼った。


メモを貼った。


[ ――― すん。

 死者に、匂いも気配もありはしない。
 けれど、 けれど。


 擦り抜けていく空気が、
 とおりぬけてゆく気配が。

     犬に 蒼穹を、
     それから紫苑の路の向こうを。
     仰がせて、 弧を描くように
     うしろを、(ねえさんに)
        振り向いた。    ]

  [ その姿に一瞬振り返って、
     にこっとわらう姿に、
      にっとわらいかえす。 ]


 [ ―――そのまま 一本。

   ほそい指が、 
    (魔女も食べないような、白い指。)

   前を ぴん、と少女は差した。 ]

   [  そこにあるのは、
       まっくろな靄。 ]

 [ 形のない『悪魔』とで言えるよな、
   でもその耳と尻尾は、狼男みたいな。

     けれど、酷く、覚えのあるようで、 ]

   …… ――― 、 スティ?



 [ 『ヨハネス』 と。

   棄てた名前を、わざわざ呼ぶものだから、
   てっきり人違いかとさえ思った、

     … ―― けれど、
   呼ぶ名は反射的に飛び出してた。

   …… まぎれもなく その声は、 ]



    [ 元々幼い、東洋混じりの顔つきに、
      更にあどけなさが混じりこんだ
      瞳が、 まあるくなる。   ]


 [ こどものきおく。
    猫の 狗の、記憶。

    いろんなものが混濁しながらも、
    濡れ羽を伏せて、黒衣を翻し――。

 (会いたかったはずなのに、
   探そうとしたのに、

      いざとなれば、 )

  姉のもとへ逃げ帰るよう
  一直線に、駆け出そうとする。 ]

  [それを見守る少女は、
   驚いたようで 困ったように
 
    ―― ふんわり。

   白色が滲む、黒影に わらいかけた。* ]


メモを貼った。


「―― 、 スティ?」

[ 噫、やはりあの彼だ。
幾分か――否、かなり声も姿も幼くはなっているものの
それはやはり「アル」であり「ヨハネス」だった。

後ろには白いワンピース姿の可憐な少女が立っている。
彼女が、或いは「姉」だろうか。

エンジェル・ブルーは此方の姿を捉えると丸く見開かれ、
それから黒い睫を伏せると、踵を返し
一目散に背後の少女の元へ走っていく。]

 、

[その様子に面食らったものの、
己の真っ黒になった掌を見ればそれも、当然かと思えた。
ふんわりと少女が困ったように笑う。]



[顔があれば――(生憎、今は元には戻れないようで)
眉尻を下げていたのだろうが、
相も変わらず顔面を黒く塗り潰されたままの影は
苛立つように頭を軽く搔いて溜息をついた。]

 ……。

[何を言えばいいのかわからない。]

 ……別にとってくったりはしないさ。

[一発、殴りたくはあるけれど。]

 ヨハネス……

[ああ、どちらで呼べばいいものやら、と迷う。]

 ……アル……で、いいんだな?


 

 随分とあっさり死にやがって ――……。


[ぽつりと落とした言葉は、
先ほどの惨劇を見ていた事を吐露するもの。

複雑な思いを抱きながら、
姉の背にでも隠れそうな少年を視ている*]


メモを貼った。


[たた、 と駆けながら、

  紡がれる無言の間が、
  ちょっぴり息苦しい。
  それすら、足音で掻き消して。
 
  こころまで、
  すこし退行していた黒犬 ……

  と言ったって ねえさんの背には
   …… 隠れは、しないけど。  ]

    ―― ……。 

[ 溜息を乗せた風が、
  ぬるり と 足許に纏わりついて
  邪魔するみたいで、

    たた た、 
  …… 次第に、足は遅くなり 止まる。]


  ……、

 … なんでもいいよ。

[ふたつの名で惑うよな、
 そんな声に 背を向けたまま、

   … 少し、不機嫌そうに
   傍らの、少女の服の裾を掴んで、

  ぎゅう と握り込むのも一瞬。
  力が抜け落ちるように、
  触れた指が下がってゆき

    ――― そのまま、腕が垂れる。 ]


[ まるで。

 さっきのことを、見てたかのようなことばだ。
 死んでまで 『解放されてまで』、

   …… こころは苦しめるんだと
   締め付けられるんだと。
   気付きたくないことも気付きながら、

   『乖離』しようとしてた、現実が
   一気に 雪崩れ込んできた。  ]

[ 背に奔る、拙い一閃も。 ]
 [ ―― あの、ひとりぼっちの感覚も。 ]

   [ 全部まとめて、
      突きつけられて、
     黒髪をくしゃり、と掴んだ。 ]


  …… ――― それは、 …

[ その表情は、
  後ろを向いたままの矮躯と、
  感情を押し殺したような声からじゃあ
  きっと、わからなかっただろうけれど。 ]

 (『随分とあっさり死にやがって ――……。』)

[ リフレインして、
   焼き付くよなことばに、
   黒い外套の、心臓のあたりを軽く、握り。

   ふる。 鴉羽の色を、振るう。 ]

    ( その台詞は。 )

  …… スティが言うことばじゃあ、ないだろ。



  ―――  それは。

       ぼくの、台詞だ ……!!

[振り向きたくない。
 見たくない。

  現実に背けようとして、
  『怖いから』逃げたんじゃあない。
  ただ、何て話せばいいかわからなくなったから。

     何て怒ればいいかわからなくなったから。]

  [ それを全部薙ぎ払うようにして、
      キッ と、 睨み付けながら
 
    ぐるり。無理矢理 振り返る。 ]

 


  
[ 瓜二つの少女は 背後で、
 黒い艶めきを靡かせたまま。

   相も変わらず 、けれども。
   困惑を ほんのすこし寂寥に変えた
   ほほえみを湛えて、

   黙したまま、
   黒い子犬の背を見ていた。 **]

     
    


  ……あんたに白目向かせてやろうと思う前に、
   (恩も、なにも返せてないのに)
    勝手に居なくなるなんてさあっ …。
  
 [ そんなの。

   ―― 許されるわけないだろうよ。 ]

 [ 自分勝手な我儘を、
   見た目通りの子供のように
  
   わあわあ 喚いて。
   ぶん殴ってやりたいっていうのは、
   こっちだって一緒だったけど。

  あんな影じゃあ、殴れるかだってわからない。
  蒼いひとみは、 す、 と地面におちた。 **]


メモを貼った。


―河原―
[せせらぎの音を聞きながら、
男は河原の向こう岸を眺めていた。]

 ……不思議だな。

[ぽつりと、呟く。
今の体でこの川を渡ることは容易だろうに、
足が、この先から先へ進もうと、
村の外へと出ようとはしない。
何か不思議な力によるものなのか、
それが男の中の裡の真意なのか。

それでも、或いはあの男なら――…
兄貴分の幼馴染であった赤毛の男ならば、
容易に超えてしまえるのではないか、
そうとも思う。
男にとってドナルドは―――…
自分にはできないことをこなしてしまう、
ずっと、そういう存在だったから。]


[絶対的な"憧れ"が、
"劣等感"を孕むものになったのは何時だったか。]


[コンプレックスを裡に抱えつつも、
それでも自分にできないことをやってのける
ドナルドの姿は男の目にはいつだって眩しかった。

何も言わずに村を去ってしまった時でさえ、
淋しかったけれどもこの村しか居場所がなかった
自分とは違って簡単に外の世界へと出ていける、
そんなドナルドの姿にただ、すごいと思いを馳せて。

ああ、だからか。とも思う。
彼が村に帰った時、あのようなことを言ったのは。
嬉しくない筈がなかった、けれどもきっと彼は
広い世界に出たままこの村には戻らないのだと。
そんな勝手な理想、憧れを押し付けていたから。

だから喜びよりも先に哀しみと失望が前に出た。
村を捨てた男として、許せないと吐き捨てる事で、…]



 ……子供だね、俺。

[わかっていたことだけれど、と。
自嘲交じりに小さく呟く。

このような状況でも、頭の何処かで思っているのだ。
あの男は―――…こんな状況の中でも、
きっと、死ぬことはないのではないかと。

緩く、首を横に振る。
そうであって欲しいと思う気持ちと、
そうでなければいいという気持ち。

正義感の強い彼が生き延びること、それは…
従妹の危険を、意味することでもあるのだから。*]


[くるん、黒髪揺らし空色の瞳が此方を睨む]
[その様子を少し寂しそうに見ている瓜二つの少女。]
[……調子が狂う。]

 あー、……大体さ普通に考えて君より僕のが先に地獄行きじゃないか寿命からして

[今それが来ただけだろう、などと
おとなげなく無神経な言葉を投げ返した。

本当に離れたくなかったなら、
それこそ「巻き込んで」心中でもしておけと
──それはそれで真っ平御免だが、そう思った。

心配していたことも、悲しんでいたことも。
知っているが、ならばどうすればいいのかわからない。
逡巡したのち向ける言葉はいつも通り。
遠慮も何もありはしない。]


[ ぎゃんぎゃんと喚きたてる
犬だか猫だかわからないイキモノ(子供)を目の前にして
影は片手で片耳塞ぎ、軽く首を横に傾げて
「居なくなるなんてさあ、」のあたりでかたりと肩を竦めた。]

  ───……ざまあみろ……と言ってやりたいところだが……。

[はあ。と相手が目を伏せる様にため息。]
[此方は悪いことはしていないが、
 芽生える謎の罪悪感]
[歩み寄り、濡れ羽烏の色の如き髪を
 少し強引に 何度も、撫でた。]

 ……悪かった。
(……なんで僕が謝ってるんだ)

[子供の扱いは得意ではない。
 少し屈んで、言い訳じみた言葉を並べる]


 ……寂しい思いをさせた。

[自分が死んだ後のアルカイドはけして独りではなかったように見えたが、孤独とはそもそも心の持ちようだ。
自分が死んで満たされぬものがあったのなら、
彼は多分、寂しかったのだろう。

人の死を看取る事の多い医者は、
その感覚が最早麻痺してしまっているのだが。

そうして拒まれなければ何度か撫でただろう。
(他にどうすればいいかわからなかったのだ)
こんなヒトでなしの姿でも触れられる事を不思議に思いながら。
姉と目が合うことがあれば、
「君はカイド?」などと聞いたかも知れない**]


[わたしと同じに色褪せた朱の花はどのくらい集めただろう。

既に摘まれた茎をみつけるたびに、摘んで行った誰かのすがたが視えるけれど、それが誰かは…

( わたしのお墓に、ひとつあった朱色 )
( ……メアリー?…… )
( でも。毒があるって知っているはずなのに )

誰が死んでいて、誰が生きていて、最後は誰が残るのか。

( ……なんのために、残るのか。 )

あの時、焔色のあの人のおかげで「残った」わたしは
幸運にもこの村でもう一度生きることができたけれど
均衡の崩れた世界は ヒトか ケモノか どちらかだけ。]

  わたしは おおかみになれるのかなぁ。

[ぐぬぬと唸っても伸びぬ爪先を弄りながら、朱い花束携えて
摘んだ花は今も変わらず土に根下ろし風にそよいでいるけれど、わたしはそれに気付かないまま、村へ帰るのでした。 **]


メモを貼った。


メモを貼った。


[遠巻きに聞こえてくる「ヒト」たちのうわさ話は
朝の空気を鋭く揺らした遠吠えのことだと想像に難くなく

 血みどろだった  犬同士が  あぁ嫌だ、怖い
 あんなことがあったんじゃあ、
         あの宿屋はもう廃業かもしれないね ]

   ………。

[じくり、じくり、心を蝕むひとのこえ。
「宿屋」と聞こえてわたしの肩はびくりと上がる。

(メアリー……)

父も兄も居ない宿屋で「なにか」が起こるとしたら。
わたしは痛む胸と朱い花を抱えて、
鳴らぬ靴音を 色褪せた世界にだけ響かせた。**]


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