人狼議事


278 冷たい校舎村8

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視点:


メモを貼った。


倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/20(Sat) 00時半頃


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/踊り場──

  ……は?

[ ──って、礼一郎は言った。

 話を聞く男の時代と誰かが言っていた。
 けど、礼一郎はかなり序盤で、思わず。

 軽い調子で肩をすくめられて、>>3:893
 それでも、話は続いていくので、
 氷室が、静かな目をしているので、

 礼一郎はかろうじて口を閉ざす。]
 

(37) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 氷室は流暢に言葉を紡いだ。
 
 中には同意できる点もそりゃ、ある。
 クラスメートが死んだらいやだよな。
 頬を引っ叩くかはわからないけれど、
 死ぬなって、言うよなあ、そうだよな。

 なんでだろうな。
 そこまでは同じ意見なのに、>>3:894]
 

(38) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……間違っている。とは、思わなかった。]
 

(39) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ けど、]
 
  ……わかんねえよ。
  励みになんかならねえし、

  死ぬんじゃなくっても、
  死にたくなるような悩み抱えてるやつ、
  少ねえほうがいいに決まってんじゃん。

  俺だったらそんなん、
  ……逆にもっと死にたくなる。

[ 意味が分からない、という風に首を横に振った。
 穏やかな声で言われるのが、かえって怖い。]
 

(40) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……でも、
  そういうふうに思うやつも、
  いるかもしれねえってのは、わかった。 

[ 礼一郎にはやっぱりわかりそうもない。
 平和で、円満で、みんな笑ってる。
 それが嘘もごまかしもなく存在しててほしい。

 誰かの苦悩は生きる糧にはならない。

 ゆるりともう一度頭を横に振った。
 可能性として、覚えておきます。それでいい?]
 

(41) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 氷室は、礼一郎は違うと言う。>>3:896

 その仮説を採用するなら違うだろうな。
 礼一郎用の仮説はもう別に考えてあるけど。

 否定されるのを、礼一郎は聞いて、>>3:897
 お利口によく聞いていたんだけれど、

 ……なんだか、聞いてて自然とさ、
 ほんの少しだけど、笑えてきた。
 笑えて……んのかな。苦笑い?]
 

(42) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なんだよそれ。
  俺が超ナイーブみたいじゃん。
   
[ そういうふうに見えてるんだなあって、
 そりゃ、礼一郎は小心者だけど。]
 

(43) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 話の矛先を切り替えるように、
 礼一郎はそういう話なら、と口を開いた。]

  ……絶対いやだけど、
  もしおまえがこの世界の主だったら、

  俺が、励み? 糧? になってやるよ。
  ……存分に励みにして、死ぬなよ。

[ 誰だって絶対いやだって言うんだろうけど、
 礼一郎は目の前の友人じゃないといいって思う。

 というか、みんな違っててほしいよ。
 今からでも、どうにかなんねえのかな。

 ……ならないんだろうなあ。って、
 ないものねだりばかりしていたら、]
 

(44) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 時計の針は8時50分に差し掛かろうとしている。*] 
 

(45) 2020/06/20(Sat) 01時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ レイレイコンビの、礼儀正しいほう。]
 

(95) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そう呼ばれるの、
 礼一郎はほんと好きだった。]
 

(96) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ わかりあえたらよかったんだけど。
 ……って、礼一郎は思っちゃうんだよな。
 そうじゃないからこそ、補い合えるのに。]
 

(97) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……ま、君がわかってんなら大丈夫か。]
 

(98) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/踊り場──

[ 圧倒的爽やかイケメンスマイルを、
 ありがたがることもなく注がれている。

 ……冗談。礼一郎にとってもそれは、
 やさしく受け止めてくれる友人の笑み。
 に、見えているから、ちょっと照れるな。

 ……というか、
 やさしいとされて礼一郎は少したじろいだ。
 もうちょっとそれが冗談じみてたら、
 「 まあな 」ってふふんと笑って受け流すとか、
 できた……はずだ。いつもどおりにさ。]
 

(99) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……そーか?

[ ありがとってほんの小さな声で言う。

 でも、礼一郎はさ、
 そうやってやさしいだなんだ言われるのが、
 ずっと、嬉しかったし、誇らしかったのだ。]
 

(100) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……別にそんなヤワじゃねえし。

[ 否定もせずにいっと笑われて、>>69
 礼一郎はちょっと、ムッとした声で言う。
 ……かなり、いつもみたいに。拗ねたように。]
 

(101) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……理解のできない礼一郎なりに、
 おまえの力になりたいよって、
 伝えたつもりだったんだけどな。

 や、それは伝わってるんだろうなあ。

 勢いのいいほう、なのに、
 物分かりもいいんだから、できた人間だよ。

 ……ほんとに、そう思ってる。]
 

(102) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎とはきっと違うやり方で、
 氷室は人と人の間を渡り歩いて、飛び回ってて、

 それをずっと見てられたらなって思うよ。
 礼一郎はそういう友人がいて誇らしかった。

 ……それに、ほら、
 たまに、危なっかしいとこもあるし。]
 

(103) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……解決。って、なんだろうな。
 礼一郎にはまだわからない、けど、]
 

(104) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……うるせえ。
  ちょっとでも報われるなって話だろ。
  おまえがそれで、生きる気になんなら。

  んなこと、わかってるよ。
  ……おまえと、俺と、みんなも、
  みんなで、また笑って……、
 

(105) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ …………チャイムが鳴る。>>#0]
 

(106) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ すっ とその場の空気が変わった。

 氷室が顔を上げて、
 打って変わった真面目な表情で言う。

 マネキン人形が増えてる。
 ……という言葉に、礼一郎はうなずく。
 いやだなって思いながらも、うなずいた。

 間を置かず駆け出した氷室のあとから、
 勢いよく階段を下っていく。*]
 

(107) 2020/06/20(Sat) 03時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 氷室がひらりと手を振って別の方向に消えた。>>74
 礼一郎も、あとでって手を振って、
 当たり前のように、別の道を駆けていく。]
 

(112) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在──

[ なんで。なんて言われたって困るけど、
 礼一郎は最下層まで駆け下りてった。

 下から順番に、とか。
 性格的な部分かもしれない。

 探しているものがあの人形だなんて、
 本当に気が滅入ってしまうけど、

 なあ、めちゃくちゃに走ってたって、
 見つけられる探し物もあるのかもしれない。
 ごめん、嘘言ったかも。って礼一郎は思う。
 もうとっくにここにいない友人に、思う。]
 

(113) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/B1家庭科室──

[ なにかの導きでも、予感でもなく、
 礼一郎がそこにたどり着いたのは、
 自分の足で順に探し回ったからだ。

 その教室に首を突っ込んですぐ、>>3:800
 礼一郎はそれを愛宮心乃だと認識する。]
 

(114) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ………… ]
 

(115) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なんで、

[ 重い足取りで礼一郎は歩いてって、
 うつ伏せに転がる人形を見下ろしている。

 背中に刺さったままの箒の、
 かたちづくる、形を見ていた。

 さっき見かけたときの、
 掃除に励んでいた姿を思い出して、

 ……礼一郎はやっぱり、
 これが本人の願望の果てだとは、>>3:782
 思えない。……思いたくない。]
 

(116) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ほんとにちゃんとしてるなあって、
 礼一郎は、いつもそう思っていて……、]
 

(117) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 許されたような気がするんだ。
 ……って、声とあの陽射しが蘇って、]
 

(118) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ これもそうなの? って、礼一郎は思うけど、]
 

(119) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……愛宮が背負う記号じゃ、ねえだろ。

[ ……思う、けど、
 彼女もまた内にはなにかを秘めていて、
 それに対するなにかのあらわれ、だったとしても、
 礼一郎は、納得できそうもなく、悲しい。]
 

(120) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 少しの間、そうしてじっと見下ろしていた。
 誰かが訪れたとしても、気づかないくらい。

 背中に突き刺さったままの二本が、
 あまりに痛ましくって、それに、
 これじゃ、布かけておこうとか、
 そういうこともできないじゃん。

 なんでだよ、愛宮さあ……って、
 礼一郎はそういうことばかり考えてて、

 ……散々考えてから、
 突き刺さったうちの一本に手をかける。
 ゆっくりとそれを引き抜こうと力を込める。]
 

(121) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ こぽり。と、空になった穴から、
 新たに血が溢れ出すのを、
 箒を片手に、呆然と見つめていた。

 ……崩れた形を見て、
 あと一本もって礼一郎は思う、けど、

 小刻みに震える自分の手に気づいて、
 先に、かけるものを探してこようって、

 人形の傍らに箒を置き、
 ふらふらとした足取りで廊下へ向かった。**]
 

(122) 2020/06/20(Sat) 04時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/20(Sat) 04時半頃




  夢はいつか覚めるものだって、そんなのずっと知ってるよ。

 




       ─── 現実世界 ───

 




 [ 夢から覚める瞬間が嫌いだった。
  でも、あたしは、あんまり怒るってしないから、
  天井を見上げる顔が不機嫌とか、
  そういうことは、ない。

  ぼんやりしていた視界と、頭と、
  そういうものがだんだん綺麗になっていくような感覚。
  ベッドの中でのびをしたあたしの脚も、腕も、
  至って綺麗なもので、
  部屋の中の寒さをちゃんと伝えてくる。 ]

 




      綿津見まなの夢は終わった。

 




 [ ……二度寝しよう。とか、思ったんだけど、
  寝返りを打った目線の先、ぴかぴか光ってる。
  何がってほら、
  あたしたち現代っ子の文明の利器ですよ。

  あたしは映えに弱いにんげんで、
  歩きスマホもできないけど、まあ、見るよね。
  そういう風に生きてきました。フツーに。 ]

 




  [ ……流石に自殺未遂はフツーじゃないって? ]

 




   はーい もしもしあたし。
   フツーじゃない日常なんて最高だと思いませんか?
   クラスメートの事件だよ、びっくりだね。

 




      ちっとも最高じゃないなあ。

 




 [ 通信切断。やめよう。
  あたしは作品が好きだけど、
  ひとの死に様を笑う趣味はちょっとない。

  ましてやついさっきの、リアルすぎる夢で、
  一緒にシチューを食べて、隣で寝てたあのこが、
  "そう"だったなんてちょっと処理が追いつかない。

  文化祭みたいな浮かれ気分に、
  すぐなれたら苦労しない。 ]

 




 [ 綿津見さんちがそこそこフツーでよかったのは、
  お父さんもお母さんも、
  夢のマイホームを建てるときに、
  交通の便を考慮し尽くした ってとこにも、
  あるんだろうな。

  病院までも徒歩で行けるそこに、あたしは、
  ……ちょっとふたりに説明する時間がありながらも、
  すぐ、そこに向かっていたと思う。
 
  防寒対策はしっかりね。
  返しそびれた夢のマフラー、
  今度はあたしのをしっかり巻くよ。
  赤いそれは、血なんて物騒なものじゃなくて、
  ついさっきまで話していたあたたかい色だ。 ]

 




    これから会いに行こうと思えるほどには
    あなたがすきだよ。ほんとう。
    ……フジュンでは、あるかもしれないけれど。

 




        [ 走る。
          現実世界は息が苦しい。 ]

 




    拝啓 しおりちゃん
    
    あなたは夢に逃げたかったの。
    それとも 現実でなければどこでもよかった?

 




       ─── おかけになった電話番号は
              現在電波が ……… *

 




      ─── 病院前 ───

 [ 完全に息があがっていた。運動不足ですね。
  勉強してばっかりだからしょうがないんですよ。
  現実世界ってほんとなんなんだろうね!

  ぜえはあ言いながら、冬の冷たい空気を吸い込んで、
  冷たすぎて噎せてる。あまりにつらい。
  長めのマフラーはちょっと絡まっている。

  ホラーはめいっぱい怖がった後楽しむのが良い、
  なんて感じのあたしは、
  そのまま入り口に入ろうとして、 ]

 




    …… きたなかきゃくほんだいせんせー。

 [ やっほーって、手を振る……
  って、気分ではなかったから、手をあげた。

  マフラーが首に絡まったまま言う台詞じゃないって?
  真夜中の病院へようこそ、こんばんは。
  また会いましたね。

  かっこわらいは付けられなかった。
  夢から覚めた後って、どうしても、
  元気出ませんから、あたし。 ]*

 


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そこが1階と同じつくりであるということは、
 さっき、廊下を駆け抜けながらも理解していた。]
 

(130) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在──

[ 上と下から、
 赤色と黄緑色に挟まれたような廊下を歩く。
 ……視界にちらつく色がうるさくて、
 なんだか気分が悪くなりそう。

 ……さっき、階段の踊り場で見たのは、
 こんな色だっただろうか。と、
 礼一郎は床の黄緑を眺めて思った。>>2:6

 こんなの、掃除終わらないだろ。
 礼一郎には奉仕活動なんて、
 ある休日の午後を費やすくらいでよかった。]
 

(131) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 1階が増えた。
 上の階も増えていた。

 それは何を表しているんだろうな。
 まき散らされた色とりどりのインクも。

 礼一郎はワックスがけされたあとの、
 ぴかぴかの廊下のほうが好きなんだから、
 そこんとこ、世界の主と気が合いそうにない。

 ……深層心理がどうとか言い出しちゃ、
 もう礼一郎の手に負えないから考えない。]
 

(132) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 単純に、この世界のあれもこれも、
 礼一郎の感性とは重なりそうもない。]
 

(133) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 体育館、この階にもあった。
 人形はなくって、液体だけ。>>2:211

 そこから、布を引っ張り出してくる。
 ……こういう場合には便利だなって、
 礼一郎は現実感なく考えるけど、

 もう、さっきつくられた階層じゃ、
 備品のひとつも使い物にならないなんて、
 知ったら、いよいよ意味がわからないな。]
 

(134) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 意味や目的なんてそもそもあるのかな。
 という根本的な疑問は、いつも芽生えない。]
 

(135) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/B1家庭科室──

[ かぶせるようにって、
 大きな布を抱えて礼一郎は戻った。

 開いた扉、その先に、
 さっきまではなかった人影がある。
 赤く染まった手をだらりと垂らして、
 そこにひとりたたずんでいる。]

  ……葉野?

[ 覇気のない声で問いかけた。
 立ち尽くしている様子の彼女に、
 少し遅れて、「大丈夫か」と言った。]
 

(136) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……その、愛宮、だよな。
 
  七星とかイクトのときみたいに、
  布だけでも持ってきたんだけど──、

[ その前にもうひとつ問題があるんだったな。]

  ……それ、一本は、
  俺、抜いたんだけどさ、

[ 礼一郎は迷いを含んだ声で言って、
 少し、その人形に近づく。
 ……それで、葉野と横並びになる。]
 

(137) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  痛そうで、見てらんなくて、
  抜いちゃったんだけどさ、

  そのままにしておいたほうが、
  ……もしかすると、よかったのかな。

[ 葉野の横顔をちらりと見た。
 それから、ふたたび視線を戻す。
 戻しても、そこにあるのは、
 およそ愛宮らしからぬとしか思えない光景である。]
 

(138) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……みんな、ほんとは死にたくて、
  この世界つくったやつだけじゃなくて。
  だからこんなふうになるんじゃないかって。

  言われたんだけどさ、葉野は、
  ……葉野も、死にたかった?
 

(139) 2020/06/20(Sat) 13時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎はやっぱり、
 そんなのあんまりだと思うので、

 世界の主がちょっと不器用なだけ。
 だと思いたい。思っていたいんだけどさ。

 どうですかね。そこんとこ。
 クラスメートの女子。友人。
 文化祭に一緒に取り組んだ仲間。
 礼一郎の友人に迷惑をかけて、
 そのあと、また別の友人には迷惑をかけられてた。

 ……そのくらいの距離感から、
 距離感にふさわしくない質問を投げますが、
 どうですかねって、箒を見下ろしたまんま。*]
 

(140) 2020/06/20(Sat) 13時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/20(Sat) 13時頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/B1家庭科室──

  そ。

  ……やっぱ、そのままってのもな。
  痛々しいし、やっぱ正直見んのキツイし。

[ おっしゃるとおりと肯定を返した。>>141

 やだなあ、犯人的だなんて。
 礼一郎にはそんなつもりも、
 ……そんなふうに見えてたつもりも、
 まったくなかったもんだから、
 ふつうに背後をとったんだよね。

 クラスメートを殺す?
 ないない、そんなことあるはずがない。]
 

(154) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 抜いてあげたいよねって葉野は言って、
 もう一本の箒に手をかけた。>>141]

  うん、こんなの、
  愛宮に似合わねえし。

[ 礼一郎はめいっぱいの同意を込めて、
 ひとつうなずきを返した。

 おさえておこうか。と礼一郎はしゃがんで、
 人形の背中、箒の根本あたりに手を置いた。]
 

(155) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ みんな本当は死にたい説。
 ……支持者はどのくらい集まるんだろうか。

 考え込む様子を礼一郎は見上げていた。>>142
 支持とも非支持ともとりがたい言葉が、
 葉野の口からこぼれ出てくる。人騒がせ。まあね。]

  ……ま、確かに。
  人騒がせなのは間違いねえよな。

  こうなるとき、痛かったりすんのかな。
  痛くなくても、怖そうだよなあ。

[ 見てきたいくつかの人形、
 どれも痛々しかった、と礼一郎は思う。
 友人が死んだようで胸が苦しかったです。でも、]
 

(156) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……でも、
  それでメール送ったやつがスッキリして、
  じゃあ生き返ろーって思えるんなら、
  それなら、アリかなって気もしねえ?

  人の迷惑もちょっとは考えろよって、
  そりゃ少しは思うかもしんないけどさ。

[ ……人騒がせなのはたいがい事実だと思うし、
 葉野が言ったっていいんじゃないかな。>>142]
 

(157) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ でも、葉野は死にたくなかったと言うので、
 どうやらこの一説は死にました。>>143

 素直に、言葉の綾とか考えなくて、
 ふつうに、そっか。って思って。]

  そっか。
  じゃ、やっぱ違うのかな。

  ……なんかさ、
  そうじゃなかったらいいなって思ってたのか、
  そうだったらいいなって思ってたのかも、
  自分でもよくわかんねーや。

[ みんなに悩みがあってほしくはないし、
 でも、世界の主が考えを変えてくれるなら、
 それはそれでいいような気もしていた。]
 

(158) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そう、気づいたらちょっと他人目線。
 この世界をつくったのなんて、
 自分じゃないような気もしてきていて、
 友達の言葉に、結局引っ張られているのかも。]
 

(159) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 抜けた箒の根本から、
 また、血が新たにどろりと流れる。>>143

 ……二度目もやっぱり、
 痛そうだって思ってしまって、
 礼一郎はハンカチを少しの間傷にあてがってみる。

 ……際限なくあふれるなら意味ないけどさ。
 いきなり、ばさっと布かけるのも違うじゃん。]

  ……こういうの、
  仰向けのほうがいいのかな。

[ わかんないけどさ。
 そう思って、ゆっくり体を反転させてみる。]
 

(160) 2020/06/20(Sat) 17時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  …………、

[ 手を組み祈るようなポーズと、
 額に記されたマークが見えて、

 何も言えずに、
 礼一郎は布でそれを覆い隠そうとした。*]
 

(161) 2020/06/20(Sat) 17時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/20(Sat) 17時頃


 
TO:紫織さん
------------------------------------
おーい、早く起きれー!(-"-)
------------------------------------
 


 
 [ 夢の世界じゃない世界なら
  こんなに簡単に送れるのにな。 ]
 


 
[ ぴぴぴ。 ]
     [ 通信良好。 ]
           [ (笑) ]
 


 
[ あーちゃんの親と、ワタリさんと、
 あーちゃんが死んでくれたおかげで
 幸せになって喜んでるおれはクズ。

 ケロっとした顔でおれに優しくする
 兄と母と父もゴミ。

 あーちゃんももっとクソガキだったら
 今も平和に生きてたのかなぁ? ]
 


 
[ いま、ウソつきが一人死にかけてるし
 そんなに簡単にいかないか。(笑)。 ]
 


── 現在:病院前 ──

[ 送信。……送信成功。
 あの校舎の中とは違って、
 メールを送るのは簡単だった。

 あ、ここ病院だからまずかった?
 まだ入る前だから許してほしい。と思う。

 一酸化炭素中毒。っていう手段で、
 紫織は自殺を図ったらしい。
 漫画とか映画とかで結構聞く死因だった。

 メールを打つ指先は冷たい。震える。 ]
 


 
[ ぼんやりしてたら遠くから人が走ってきて
 夜中に元気な人居るな。とか、考えていたら
 クラスメイトだった。手があげられる。 ]

  おっはあ、ワダツミちゃん。
  チョーさむいね。

[ いつもならウェイウェイ×気がするまでするけど
 そんな気分じゃないので、笑い掛けるだけ。
 スマイルは0円だしね。
 よくわかんない?おれも。

 右手にスマホ、左手にコンポタだから
 手をあげるのも厳しいものだし。 ]
 


 
  紫織さん、ヤバいねー。

[ ヤバい。っていうのが
 紫織の容態についてなのか、
 自殺を図った事実についてなのか、
 郁斗には分からなかった。

 っていうか、本当に。……本当は。
 考えたくないんだけれどなあ。って、感じ。 ]
 


 
  ……てか、超マフラー絡まってるじゃん!
  急ぎすぎでしょ、フツーに。

[ 焦るよね。分かる。
 まあ、焦ったところでなんも出来ねえけど。
 って、声に出すほど郁斗はひどくない。

 スマホしまって片手のままで
 絡まりを解こうと……してみようとする。
 コンポタ?そのままだよ。
 だってまだ飲み終わってねーし。

 さっきぶり。夢の世界ぶり。また会ったね。 ]*
 


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/B1家庭科室──

  はは、なんだそれ。
  いーよ。やってみる?
  怖かったのに怖くなかったーとか、
  嘘つくのナシな。

[ 見栄を張りたくなるのは、
 もしかすると礼一郎のほうかも。
 人形、見るだけでも怖かったんだし。

 ちょっとした遊びのつもりだった。
 次々にクラスメートがこうなっていく。
 そういう世界なんだと理解しはじめている。]
 

(178) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……どっちかが帰る前に、
  教えられりゃ、覚悟決められんだけどな。
  ほら、あとから帰るほうは。

[ 残念ながら、礼一郎の頭に、
 いなくなった友人の言葉は届いてません。

 もうずっと通信状況は不良。
 ふつうの人間なんだから、それは叶わないな。

 死にたかったとか全然ない。とか、
 そいつが言うから、>>143
 礼一郎も当たり前に、二人して帰る気でいる。]
 

(179) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  そうそう。
  それで、やっぱり生きるってなるなら、
  ……それがさあ、一番大事じゃん。

[ いくらこの世界に少しずつ慣れたって、
 帰ったら、の約束をしていたって、
 誰かが死のうとしてるのは変わらないから、
 結局なんかちょっとしんみりするよな。

 礼一郎の声はまた少し沈むし、
 何が最善かわからないことばかりで、
 スッキリしていません。見ての通り。]
 

(180) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……メール、
  信じて欲しかった、だっけ。

  そんなの、あんなんさあ、
  逆にどう疑えってんだよ。

  楽しかったじゃん、文化祭。
  なんで信じる信じないの話になんの?
  ……信じるに決まってんのにな。
 

(181) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そうだろって、礼一郎は思う。
 礼一郎の感覚でモノを言うだけ。

 遺書の文面を思い出して、
 そこからわかることがあまりになくて、
 なんだかほんとにやるせないよな。

 文化祭、楽しかったね。そうだね。
 いい思い出になったよね。もちろん。

 ……で? だから? なんだってんだよ。]
 

(182) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ほんと、そいつ、バカじゃねーの。
  もっとさあ、何が辛かったとか、
  恨み言とか、ちゃんと、書いとけよ。

  許すも許さねえも、
  わかんねえよ、あれじゃ……、

[ 思い出しているうちに悲しくなって、
 ゆっくり息をしながら、
 マネキンをおさえる手に力を込めた。

 あんまり良い子の口の利き方じゃなかったな。
 葉野からハンカチを受け取って、>>176

 はやく止まれって、
 祈るような気持ちで傷口をおさえた。]
 

(183) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……布を人形全体にかぶせる。

 お疲れ、と声がして、>>177
 この状況で聞くのが少し不思議だった。]

  ……ああ、お疲れ。

  俺、いったん教室戻るわ。
  この……愛宮のことも伝えなきゃだし。

  おにぎり、あとでもらうわ。
  サンキューな。

[ とっさに同じ言葉を返して、
 報連相がちゃんとできるふたりだった。
 それでは。というふうに別れ際、
 あっ、と礼一郎は慌てて付け足した。]
 

(184) 2020/06/20(Sat) 20時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……バカとか言ったの、内緒な。

[ 今死のうかと思い詰めている人間に、
 バカだなんだとかそんな、言えないよな。

 気にしすぎ? 礼一郎は小心者でナイーブだ。
 誰かが書き残したものにケチつけるなんて、
 人としてロクなもんじゃないだろ、って。

 いつか、元いた世界で、
 人形になる痛みや恐怖を共有するはずの友人に、
 頼む。ってふうに両手を合わせて、立ち去った。*]
 

(185) 2020/06/20(Sat) 20時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/20(Sat) 20時半頃


【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 書き換えられた黒板のメッセージを見てる。]
 

(197) 2020/06/20(Sat) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/3年8組──

[ 増えたもの、いなくなった人間。
 ……が、書き連ねられてた場所に、
 いくつかメッセージが加えられている。

 七星、喜多仲、早未。と来て、
 綿津見の名が書かれているのを、>>172

 いなくなった人間の名前だ。
 と、礼一郎の脳はすんなりと認識して、
 どうやらそれは彼らに宛てられた……、

 帰ったあと、についてのメッセージ?]
 

(198) 2020/06/20(Sat) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 連絡事項としての愛宮の不在。
 礼一郎が書こうと思ってたのはそれで、
 黒板を前に、チョークも取らず戸惑った。

 女子の字が並んでるそこに、
 ……書く? 書いていいんだろか。何を?

 少し悩んでいたけれど、
 でも、考えてみたらさ、このほうがいいよな。
 誰かがいなくなりました。よりよっぽど。

 ……白いチョークを手に取る。]
 

(199) 2020/06/20(Sat) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  愛宮、食事のお礼に今度なにか奢らせて

[ ……誰か、葉野あたり、
 何か書き足してくれてもいいよ。

 思ったよりも照れ臭い。
 礼一郎はチョークの粉を払いながら思う。

 それから、えーっと、
 掃除のほうは、あとはこっちでやっておくので。
 心配しないでください。ちゃんとやります。

 約束どおり、礼一郎は雑巾とバケツを手に、
 再び1階まで、階段を下りていく。*]
 

(200) 2020/06/20(Sat) 20時半頃

メモを貼った。


-- 現在/→病院 --

[ 雪は降ってないけど、12月の末らしく寒かった。
 風を切って自転車を漕げば、
 髪が思いのまま広がってなびくし、
 覆われていない顔や指先から体温が奪われる。

 さむいなあ、つめたいなあ。
 千夏はとっても悲しい。

 どうして紫織は自殺を選んだのか。とか。
 どうして千夏は精神世界に居られなかったのか。とか。
 どうして、どうしてなんでしょうね。 ]
 



[ 他のみんなは、どうしてるかなあ。
 とようやく気が付いた。 ]
 



[ 考え事をしていても、
 足はきちんとペダルを踏んでいて、
 事故に遭うこともなく病院の前へとついた。

 自転車を降りて、病院を見上げる。
 深夜だというのに明かりがいくつも灯っていて、
 どこに紫織がいるのかわからないけど、
 どこかで……手術か処置かを為されているのだ。
 そう、千夏は思う。 ]
 



[ 自転車を引いて、
 置き場へと向かおうと視線を下に向ければ、
 自販機の明かりに照らされた人影が見える。

 あ。と思った。
 見覚えのある二人が生きてて動いてて。
 千夏はほっと息を吐いた。 ]
 



[ 二人に声を掛けずに、
 千夏は自転車置き場へと向かう。* ]
 


メモを貼った。




    しおりちゃん、やばいね。 

 [ こんばんは、お元気ですか。
  あたしはそのまま返してしまう。
  他に言葉もあまりない。

  多分、状況も、自殺したって現実の事実も、
  その他、言葉に表せないなにもかもをひっくるめて、
  やばい。 ]
  
 




 [ 現実世界はどうあったって
  あたしたちに優しくない、って、思いませんか。 ]
  
 




 [ あたしはぐるぐる巻きのマフラーに埋もれたまま、
  コンポタを持つ喜多仲君のところまで歩む。
  うぇいうぇい×ノリが続くまでの挨拶は、
  きっとお互い気分じゃないね。

  スマイルはタダだし、
  これでいいってことにしましょう。
  あたしのスマイルは演技指導のいらないもの、
  ……だと思います、脚本先生。
  少なくとも今はね。まだぎりぎりね。 ]

 




 [ 映画とかであるよね、こういうの。
  文字だけの話ならいくらでも見られる。作品の一部。
  キャラクターや展開を色づけるためのもの。

  あたしは特に震えることもなく、
  "あと一時間ぐらい経てば終わるんだな"なんて、
  エンドロールの瞬間を惜しんで、
  チュロス咥えたまんま、眺めていられる。 ]

 




     [ やっぱり終わるのって怖いね。 ]

 




 [ あたしはやってもらう分には、そりゃあ。
  ありがたく受け取ってしまうにんげんだから、
  大人しく解かれましょう。
  暖かいよこのマフラー。ヒーローの色です。

  コンポタそのままだね。
  これが終わったらゆっくり飲んでください。
  あたしはおしるこでも買おうかな。 ]

 




   ……なんか、終わるの 怖いなって思って、
   そしたら、走っちゃった って、いうか。

 [ 何が、とは、言わなかった。
  フツーそうだよね、って、言えなかったよ。

  いつかあたしが熱弁したうちに、
  "この話終わるの嫌だね"って、
  そういうものもあったと思うけれど。

  なんだろね、あの時みたいに、
  外の空気は熱気に包まれてなかったし、
  むしろ、寒すぎて、冷たすぎる。 ]

 




 [ カンカクテキな感想だと笑いますか。
  笑えないかな、こんな状況。

  冷たい息を吐きながら呟いて、
  すこし、遠く。
  ……ああ、生きてるあの子がいたから、
  声はかからなくても、空いている両手を軽く振って、

  あたしと喜多仲君、
  ふたりぶんの挨拶を送ろう。 ]*

 


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/1階廊下──

  終わんねえだろ、これ。

[ ここまで愛宮がやってくれたんだろうな。
 ……ってとこまでやってきて、
 礼一郎は先は長いなあって思う。

 掃除に詳しいわけでもないし、
 せいぜい足跡とインクの片づけのつもりで、
 箒も塵取りも薬品もなく、雑巾を握っている。

 ま、でも、やるって言ったからには、
 ちゃんとやりますからねって、
 礼一郎は廊下にしゃがみこんでいる。

 つーか、また足跡増えてない?
 誰だよまったく。>>3:851]
 

(231) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ごしごしと床をこすっていた。
 無心にちゃんとお掃除してるんだけど、
 やっぱり、しあわせは見えないし、
 許される。という感覚は芽生えない。けど、]
 

(232) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 正しいことをしている気にはなれる。]
 

(233) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……胸を張って生きていたかったんだよね。
 

(234) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 お掃除の実況ってのもなんだし、
 少し、礼一郎の話でもしようか。
 っていうか、します。させてね。
 

(235) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 あるとき礼一郎は気づいた。
 虐待ってやつかな、これ。って。
 もう結構前の話だ。
 

(236) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……気づいたから、
 あまりひどいことをしないようにしよう。
 これは人ではない。というのは、
 家の外では通じないルールだった。

 今さら人間になんて見えない。
 気持ちが悪い生き物だけど、
 これ以上、恥を重ねるのはやめよう。
 

(237) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……でもさ、
 礼一郎がそう決めてから、
 それは、おなかすいたとか、
 しまいには万引きしちゃったとか、
 礼一郎にばっかり言ってくる。
 

(238) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 たぶん、助けなんて、
 とっくに求められてた。
  

(239) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 それが憎かった。
 

(240) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ふつうに、ちゃんと、真面目に、
 正しいことをして生きてきたはずなのに、
 気づけば許しを請う側に落ちていたのが、
 礼一郎にはどうしても許せる気がしない。
 

(241) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 何を? ……決まってんじゃん。
 妹が生まれて、今も生きてること。
 

(242) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 それさえいなけりゃ、
 礼一郎の人生は完璧だった。
 

(243) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 今さら死なれたって処理に困るけど、
 生まれてこなきゃよかったのに。
 ──って、礼一郎はよく考えた。
 あるいは不審者にでもさらわれて、
 二度と見つからなければいいのに。
 

(244) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 家に帰るたび、そういうことを考えてる。
 正しくない思考であることはわかってる。
 

(245) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 家に帰らなくていいから、
 礼一郎はこの場所にいると、
 少しだけちゃんとした人間になれた気がする。
 

(246) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……だからさ、
 

(247) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……帰れなくても、
  別によかったんだけどな。

[ 赤い足跡をまたひとつ消したとこだった。
 向こうのほうに、誰かがぽたぽた垂らした、
 血痕も残っているはずだから、急ごうか。

 帰れなくてもよかったんだけど、
 ……友達との約束は守りたいからさ。

 生きていかなきゃいかないし、
 たぶん、そうじゃなくても、
 ここにずっとはいられない。
 ……って、薄々気づいている。]
 

(248) 2020/06/20(Sat) 22時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

 
[ 立ち上がって、大きく伸びをする。
 あのさあ、愛宮、これマジできりないよ。
 やれるとこまでやるけど……腹減ったな。

 家庭科室。おにぎりがある。だっけ。
 じゃ、家庭科室前まで片づけようか。*]
 

(249) 2020/06/20(Sat) 22時半頃



  ……おなかすいたなあ、



[ 愛宮心乃の寝起きはいつもと違う
 ミュージックなんて聞こえない無音の目覚め。

 嫌な汗をかいているのが分かる。
 滲んだ額を、パジャマの袖で拭った。

 台所へ降りて、冷蔵庫を開けた。
 ちょっとつまめるもの、……見当たらない。
 コップ一杯の水を喉に流し込んでから、
 コートを羽織り、近所にコンビニへ歩き出していた。 ]
 



[ 夢占いをしたら、どんな結果になるんだろう?

 結局、あの校舎の主は誰だったのか。
 答え合わせがままならない状態で、
 追い出されてしまった、不思議な世界だった。

 ……もしかしたら、己の内に秘めていた感情が、
 しらずしらずのうちに見せた、単なる夢だったなら、
 いいのに─── って思っていた。 ]
 



[ 愛宮心乃は歩きスマホはやっぱりしない人間だった。
 だけれど、ちょっと出かけるって時に、
 念のためスマホを持ち歩くのは、現代人ゆえ。

 コンビニのレジに並んでいる間、
 ふと、ぴかぴか通知が光ってるのに気づいたら、
 開いてみないわけがないんだよね。

 ……見覚えのあるメール。
 続いて届いてたのは、なっちゃんから。 ]
 





      しおりちゃん、だったんだ

 



[ あの、増築されたぐちゃぐちゃな校舎。
 しおりちゃんの頭の中だったんだ、って呟いた。

 どうしよう、って思って、
 コンビニのおにぎりコーナーにいた。
 夜だからか、種類はほとんどなくって、
 昆布をひとつ選んで、ビニール袋を揺らしながら、
 愛宮心乃は、走っていた。

 ついさっきまでも、走ってた気がするけど
 身体はまだ、心乃にしては軽くって、
 ぜえはあしながら、病院まで走っていた。

 ……自転車とか、親に送ってもらったりとか、
 そういう頭がなくって、ただ。走っていた。 ]
 



[ もう、だめだ── って思ったら、
 ようやく病院のエントランスが見えてくる。

 呼吸を整えるため、走るのは一旦終了。
 深呼吸をしながら、エントランスまで歩き始める。

 このときに、まだ自販機の下に人影は見えたかな。* ]
 


メモを貼った。


── 現在:病院前 ──

[ お元気ですか?元気じゃないね。
 元気だったらチョーヤバいね。逆に。

 今の状況で元気な人がいるって言うなら
 教えてほしいな。と郁斗は思う。

 やばい。って、かわいい。と同じくらい
 ふり幅のある言葉でしかないけれど、
 どうしたって、やばい。としか言えない。

 ボキャブラリー貧困?知ってる。
 別に良くね? ]
 


 
 [ 現実世界は優しくないね。 ]
 


 
 [ じゃあ夢の世界が優しいだけかっていうと、
  ……うーん。どうだろ?(笑) ]
 


 
[ マフラーを片手で解く。こと82(0..100)x1秒。
 適当にぐるぐるって巻きなおす。

 おしゃれさ?何それ美味しいの?ってふうに。
 片手で綺麗に巻けるほど、郁斗は器用じゃない。
 でも首が締まるよりマシ。じゃないかな。

 びっくりするくらいストレートな髪の毛が
 マフラーの下から露になって、
 また緩いカーブを描いていく。

 マジ髪綺麗だよね〜(笑)って、
 こんな状況じゃなければ言ったんだけど。 ]
 


 
 [ たぶん、紙と舞台の上の世界が一番優しい。
  消しゴムだって使えるし。
  練習だって出来るし。

  …………でも、もう終わっちゃったね。 ]
 


 
 [ 終わっちゃった。 ]
 



 
  終わ、……そっかあ。

[ 終わり。って単語すら、ちょっと怯んだ。
 なんたって、怖い。
 その意見に同意しかなかった。

 脚本を語るまなはだいたいハイテンション。
 だった、ので。いつもと違う雰囲気で、
 それすらも郁斗は、足元がぐらつく気がする。 ]
 


 
  まぁ、も〜病院ついたし、
  ゆっくりしなよ。
  おれたちたぶん、待つしかできないし。

[ さっき言うのをやめたっていうのに、
 つい口に出してしまった。残念ながら。

 どうしようもない事実だった。
 紫織は自殺未遂を起こして、それは過去で、
 現実の過去はどうにも書き換えられない。

 し、夢から醒めてしまった自分たちは
 もう声を掛けることなんて、できない。 ]
 


 
[ コンポタの缶にかぶさる白い息を眺めてたら、
 まなが手を振ったので、そっちを見た。

 千夏だった。あの夢にもいた。
 自分も軽く手を振って、そうしたら
 心乃の姿も見えた。また手を振る。

 続々と集まってくるクラスメイトは
 なんなんだろうな。何もできないのに。

 なんにもできないけど、こういう時って
 無駄に、足掻いちゃうよな。と郁斗は思って、
 人数は増えたのに、物寂しい気持ちだ。 ]
 


 
  おはよ〜、心乃ちゃん。
  ……おにぎりぃ?いいなあ、おなか減った。

[ コンビニの袋がぶら下がっているのを見て
 郁斗はそう言ってみる。
 半分以上、ウソだった。おなか減ってない。
 ただ会話していたいだけだった。

 そもそも、おはよう。って挨拶自体
 相応しいのかは分からない。

 いつも動かしている頭の、四割くらいしか
 上手に働いていない気がした。 ]*
 


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 彩り豊かなおにぎりに、
 礼一郎はわあっと感嘆の声を漏らした。
 おにぎりなんて、海苔をぺたり。
 食べていけば梅か鮭、みたいな、
 ベーシックなのしか馴染みがなくて。

 うん、でも、あれ? あのさ……、]
 

(282) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/家庭科室──

  ……ど、
  どういう計算?

[ 食事は残しちゃいけません。
 ──って、習わなかったか?

 なあ葉野、これ、
 何人が何個ずつ食べる計算なんだ?

 もちろん、礼一郎の頭には、
 そんな計算ありませんって想定はない。]
 

(283) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ すでにいくつか食べられた様子はあるが、
 葉野と福住は女子だし、つか葉野も食べるのか?
 レイとソーマ……そんな大食漢だったかね。

 ……細かい計算なんてよそう。
 礼一郎はとりあえずって、
 ベーシックっぽいのふたつと、
 変わり種っぽいのからツナカレーを手に取る。

 ついふつうっぽいの選んじゃうのは、
 礼一郎の性格なので仕方がない。]
 

(284) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……いただきます。

[ 例によってひとり呟いて、
 かぶりついてみたら、
 中身はおかかとツナマヨだった。
 ……ツナがかぶっちゃったな。]
 

(285) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ゆっくりとそれを咀嚼していたとき、
 礼一郎はふと黒板に残されていた、
 短い返事に気づいた。>>3:326

 お礼、こっちが言う側だと思うんだけどな。
 ……やっぱり、帰ったら何か奢りますね。

 ……帰ったらって、何?

 礼一郎はやっぱり、
 すっきりしない顔をしているんだろう。

 ふと、さっきの会話を思い出して──、]
 

(286) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 委員長なら全部書いちゃう?
 ──って聞かれて、>>256
 礼一郎は一瞬答えに詰まった。

 「 ……遺書を宛てる相手に、
   関係あるなら、書くんじゃねえかな 」

 考えた末にそう答えたんだけれど、

 ……そうだね、言っても仕方ないことも、
 言うのが恥ずかしいこともあるだろう。

 葉野の言うのはたぶん正論だった。
 だから、それ以上は何も言えなくて──、]
 

(287) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ──つっても、
  許さなくてもいいって、
  なんの話だよ……

[ ごちそうさまでした。

 ちゃんと食事を終えてから、
 スマートフォンを取り出した。

 電波状況はいまだ圏外。
 それでも確かに届いたメール。
 正解を探すように、しばらく眺めていた。**]
 

(288) 2020/06/20(Sat) 23時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 00時頃




 [ 夢の世界は、どうだったんでしょうね。

  なっちゃんのマネキンはやばかったし、
  辰美君の片手もたいへんやばかったし、
  ぐちゃぐちゃに増えた学校もやばかったから、

  ………… 優しいだけじゃないですかね?(笑) ]

 




 [ 一番優しくて、一番夢中になった、
  あの、紙と舞台の上の世界は、もう、終わっちゃったね。 ]

 




 [ ぐるぐる。長いもの(物理)に巻かれている。
  エントランスと街灯と、それから自販機と、
  少しのあかりに照らされた赤いマフラーは、
  ちょっと目立つ。
  
  おしゃれは多分、フツーにそこそこ?
  気にしないひとでも、ありがたく巻かれましょう。
  あたりまえのことです。おしゃれと命の天秤。
  あたしの髪がまっすぐになったり、
  カーブになったり忙しくて、ちょっとだけ笑った。

   ありがと、って、ぽつり。 ]

 




 [ すき きらい はフツーにあるから。
  短いより長い方がすき、って、
  そういう理由の、あたしの髪。

  いつもの調子だったら、
  ありがと〜(笑)で返すぐらいの、
  ……そういう、軽いやりとりが、
  あったのかもしれないけど、

  やばいね、あたしたち。やばいね、いつもより。
  ずっとこれ言ってるなあ。もう。
  他に見つからないじゃん。状況。 ]

 




 [ 本日も大変、
  語彙力の無い綿津見でお送りしております。
  それでも、終わる、って言葉は、
  たとえ 夢の世界を語るものであっても、
  とっても小さい。
  
  あたしたちの夢は終わった。もう覚めたら戻れない。
  そんなの 知ってる、知ってた。
  ……知ってる、んだけど、それでも。
  さみしいけれど、 ]

 




 [ 駐輪場に向かったちかちゃんと、
  エントランスの光にうつる、ここのちゃん。
  なっちゃんはエントランスから顔を出して、
  こっち、って、声をかけてきて。

  みんな、なんにもできなくても、
  来てしまうものなんだなって、

  ……理由は分からなくたって、
  そういうものだって、思う。 ]

 




 [  あたしは、きっと、
        しおりちゃんの夢の続きを待っている。  ]

 




 [ 喜多仲君にクレープ映え、教えてもらうの、
  少なくとも、夢の続きの、
  その後だろうなあ なんて。

  あたしは黒板に残した、願いか 祈りなのか、
  そういうなにもかもを思いだしては、
  ここのちゃんへと手を振った。 ]

 




   喜多仲君、コンポタおかわりいる?
   ここのちゃんは何がいい?
   ちかちゃんにも買おっか。
   ……なっちゃんはあたしと一緒でいっか。

 [ ……喜多仲君のそれを真に受けてるわけじゃないよ。
  現実世界、気の紛らわし方を探すのも、
  だいぶ難しいよね。

  そういう 話。 ]**     

 


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/家庭科室──

  ……ソーマじゃん。
  んー? これ?

[ 声をかけられたようやく、
 新たな入室者に気が付いた。>>365
 そこそこ集中していたらしい。

 何をしているのか。
 という問いに答える前に、
 連城がおにぎりに着目したので、>>366

 すかさず、礼一郎も口をはさむ。]
 

(377) 2020/06/21(Sun) 09時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  おー、食え食え、
  たんと食え。うまいから。
  俺もおかわり検討中。
  黄色っぽい……カレーのうまかった。

[ ……もうちょっと食べようかな。

 礼一郎もひょいと立ち上がり、
 もういくつかおにぎりを取って席に戻る。

 ……今度は、ふつうっぽくないやつ。
 来いよって隣の席をぽんとたたいて、
 「 いただきます 」……いや、さっき、
 ごちそうさまも言っちゃったから、仕切り直し。]
 

(378) 2020/06/21(Sun) 09時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ おにぎりを食べようとして、
 机の上の置きっぱなしのスマホが目に入る。
 ……何してんの? だっけ、えーっと。]

  ……遺書見てたんだよね。
  結局、何が言いたいんだろうって。

  こうなってる理由とか、意味?
  読み解けばわかるんじゃないかなって……

  それもう、全然わかんねえんだけどな。

[ 読解問題ならちゃんと本文を読み解けば、
 隠された正解が見つかるはずなんだけどな。

 手詰まりです、というふうに、
 礼一郎は苦笑いを浮かべて、それで、]
 

(379) 2020/06/21(Sun) 09時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ソーマはどう思う?
  たぶんさ、
  俺らの中にいるんだよな、こいつ。

[ おまえか? おまえだろ。みたいな、
 詰問とか犯人捜しは趣味じゃないけどさ、

 隣のこいつの可能性もあるのかあ。
 って礼一郎は思ったりもしたけど、
 礼一郎と違ってちょっとスッキリしたよな、
 晴れやかな顔をしているようにも思える。

 そうならいいんだけどな。
 ……って、礼一郎は内心で思う。友人として。*]
 

(380) 2020/06/21(Sun) 09時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 10時頃


倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 10時半頃


-- 現在/病院 --

[ 自転車をゆっくり引いてゆこうとしたとき、
 二人のうちの一人が、こちらを向くから、
 千夏はびっくりして、すこしうれしかった。

 二つの手が振られる方向はあきらかに千夏で、
 たぶん後ろには誰もいなかった。
 なので。千夏も二人に向かって手を振り返す。
 やっほーいぇーいっていうテンションではないけど。

 手を振って、それから自転車を指さす。
 駐輪場に停めてくる、
 という意思は伝わったはずだ。 ]
 



[ のろのろと自転車を引く。
 駐輪場は空いていて、どこでも停めたい放題だった。
 雪の降る朝と同じく、深夜は人が出歩かない。
 出入り口から近いところに停めて、鍵をかける。

 なにができるって、わけでもないし、
 たとえ念を飛ばしても届くわけない。
 もしかすると紫織のためではなくて、
 自分のためにここにきたのかな、と千夏は思う。
 一人でいたら、どうしていいのかわからない。 ]
 



[ 一人も、静かも、すき。
 ただ、今は誰かが、いいえ、
 あの世界を共有したみんなが、恋しかった。
 早く二人のところにいこう。 ]
 



[ 千夏が自動販売機の近くに戻る。
 二人、が三人になっていて、わ。と思う。

 紫織の世界にはまだ誰が留まっているのか。
 すこし考えて、頭を振った。 ] 

  ……さむいね。

[ 挨拶、はさっき手を振ってしたから、
 なんて言ったらわからずに、
 すこし考えて、三人の顔を見上げてそう言った。

 おかえり。みんな生きてるね。
 生きててえらいよ。* ]
 


メモを貼った。


──現在・病院前──


  は、ふう、……
  おはよう、喜多仲くん、まなちゃん


[ どうにか、声を絞り出せる。
 ちいさく手を振りながら、彼らの元へ。

 まだまだちょっと、呼吸は荒い。
 すぐに落ち着けるほど肺は発達していないし、
 苦しい、けど、それで倒れるようなことは早々ない。
 ただの運動音痴なだけ、うん。

 案外、愛宮心乃の持っていないものは多かった。 ]
 



[ ─── おはよう、

 朝、出逢った人にいう挨拶。
 目覚めて一番初めにあった時に言う挨拶。
 夜中だったとしても、今日という日に会ったのが
 一番最初だったら、使われることもあるもの。

 だけど、まだ高校生の私たちにとっては、
 朝いちばん、学校で会った時に使う言葉だ。

 何かからの目覚めを共有している、のだろうか。
 愛宮心乃が眠っていたことを、知っている?
 ……もしかして、顔でわかる? ]
 




  ……おにぎり、いる?


[ そうして、ビニール袋の中身を指摘され
 ちらりと三角の頂点をみおろした。、
 いらないかどうかとかは、知らないので、
 取り出して喜多仲に差し出している。

 足りないのなら、また買いにいけばいい。

 そして増えたもうひとり。
 ちーちゃんを出迎えるように手を振った。 ]
 




  ……さむいねえ。

  コンポタ、あったまってよさそうだね
  でもいいよっ まなちゃん
  自分でお金出すから!
  うーん、私はおしるこ、にしよっかなあ…


[ 寒いね、って同意する。
 だからこそ、あったかい飲み物はちょうどよい。
 でも、お財布持ってきてるよって示す。 ]
 




  あっ、ちーちゃん、無糖のコーヒーあるよ
  これにする?


[ そして、自販機を見上げて商品をどれにしようかな。
 その中でみつけたひとつを示したのなら、
 いいんじゃないかな、ってちーちゃんへ伝えた。 ]
 


        ───ガッ、コン

 



[ 無事、おしるこを購入すれば
 両手で握り締めながら、病院の入口を見る。 ]


  風邪引くといけないから、
  そろそろ私たちもいく?


[ 三人に告げたら、私は病院の中へ行こう。
 一緒に来てくれる人は、いたかなあ。

 中に入れば、なっちゃんがいた。
 状況を看護師さんに聞いていてくれたみたいで、
 まだ、予断を許さない状況なんだって教えてくれる。

 救急外来の椅子にちょこんと座る。
 ……1.5人分の座席量を使うことになるけど、
 走ってきて疲れているので、ゆるしてほしい。* ]
 


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/家庭科室──

  ……は? なんて?

[ コメのボウレイ。聞き違えか?
 そう思って聞き返したら、
 どうやら辰美の受け売りらしい。>>414]

  あー、もったいねえしな。
  なんか、たまに、
  あいつのボキャブラリーが謎だわ……

  ま、そういうことだからさ、
  たんと食おう。豪快にいこうぜ。

[ ぶつくさ言いながら、
 二人並んで平和におにぎりを頬張る。
 会話の内容は、あまり平和じゃない。]
 

(421) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……やっぱそうだよなあ。
  信じないわけ、ないのにな。

[ 連城があたりまえに、
 あれは誰にとっても良い思い出だろうと、
 肯定してくれることに救われる。

 それから、そう言うってことは、
 連城でもないのかなあって礼一郎は思う。]
 

(422) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 連城が友人たちの名前を挙げて、
 可能性をひとつずつ消していくのを、
 礼一郎は良い子に黙って聞いていた。

 集まってゲーム、の話の下りで、
 「 そんな話、確かにしたわー 」って、
 遠く思える朝に言及したりしながら、

 最後に、連城が自分でもないと言うので、
 礼一郎はなんだかそれがうれしい。]
 

(423) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……そっか。
  スッキリした顔してんなあって、
  ちょっとだけ思ってた。マジで。へへ。

  なんかさあ……
  みんな悩んでて、みたいなの、
  キツイなあって思ってたから、
  ……なんかちょっとうれしいわ。

  よかったな、ソーマ。お疲れ。
 

(424) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 何目線? って言われたら、まあ、
 友達目線じゃないかな。

 しゃらんらーってくるくるしながら帰るとこ、
 ちょっといいなって思っちゃうけど、
 礼一郎はよかったねって微笑んでいる。
 お疲れってこういうときに言うか知らないけど。

 そんな折に自分に話題が向けられたから、
 礼一郎はそのまま、穏やかなトーンで答える。]
 

(425) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……さあ?
  レイが言うには、この世界の主にしては、
  俺はナイーブすぎるからナシらしい。

  は? って感じだけど、
  そう言われるとさ、
  なんか、そうなのかなって。
  わりと信じちゃってるんだよな。

  あと、俺、
  色がごちゃごちゃうるせえのも、
  あちこちインクで汚れてるのも、
  あんまし好きじゃねえからなあ……

[ ないんじゃない? って軽い調子で。]
 

(426) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それから、連城がしたように、
 自分が聞きかじった情報を吐き出す。]

  葉野も、死にたいとかなかったって。
  言ってたから……はは、
  候補者、いなくなってんじゃん。

[ 行き着いた先に、可能性が残りません。
 この世界のつくり的にはおかしいけど、]

  ……ほんとにさ、
  やっぱり誰も死んでませんーって、
  そういうオチだったらいいのにな。

[ そう思わない? 礼一郎は言って、
 また一口、おにぎりをかじった。*]
 

(427) 2020/06/21(Sun) 18時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 18時半頃


── 現在:病院前 ──

[ エントランスと自動販売機の光が混ざって
 集まったクラスメイトの顔を照らす。 ]

  いーよ、心乃ちゃんが食べる分
  無くなっちゃうじゃん?

[ 差し出された三角形が複数個あったのなら
 素直に受け取っていたかもしれないけれど。

 心乃が下げている袋の中身は空っぽになって
 じゃあ申し訳ないな。って思ってしまう。
 それはもう、素直に。 ]
 


 
[ 自転車置き場の方から千夏がやってきて
 約束していた訳でも無いクラスメイトが
 こんな真夜中に、しかも病院に集まるなんて
 すこし可笑しい。笑えないけれど。 ]

  おはよ、はやみん。
  さむいねー、凍えんねぇ。

[ 冬だし。外だ。寒いに決まってた。

 寒い。って話題は2回目だったけれど、
 その話題に頼らなきゃろくでもない話をしそうで
 何度だって郁斗は声に出した。 ]
 


 
 [ みんな、生きててえらいよ。本当に。 ]
 


 
 [ みんなが生きてるから、おれはまだ笑えるよ。 ]
 


 
  ええ〜いーよいーよ!
  てかさァ、おれ奢る場面じゃ……
  フツーに先越されるし!
  不甲斐ねぇ感じになっちゃったじゃん!

[ 飲み物奢る?とまなに言われて
 むしろおれが奢る?と郁斗は提案。
 ……しようと思ったんだけど。

 心乃の手のひらに収まるおしるこに
 思わず肩を落とした。 ]
 


 
[ 賑やかな会話……といっても、
 騒いでいるのは郁斗だけかもしれないけれど
 とにかく、クラスメイトと話していれば
 すこし気が紛れて、安心した。 ]

  待って待って、おれも行く!

[ 誰かと一緒に入る機会を逃してしまえば
 一生入ることが出来ない気がする。

 自動販売機横のゴミ箱に
 飲み終わってしまった缶を投げ捨てて。
 心乃の後に続いて扉を潜った。 ]*
 


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/家庭科室──

[ そうだな。葉野よありがとう。
 おにぎりはおいしかったです。
 追加で取った青のりのやつも。

 だよなーって言われて、>>459
 そりゃもちろんって礼一郎はうなずく。
 礼一郎の独りよがりじゃなくてよかった。]
 

(474) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なんだよ、
  照れてんのか、この。
  こっちまで恥ずかしいだろ。
  そこはよかったでーすって言っとけよ。

[ 逸らされた視線に、>>462
 礼一郎は今さらちょっと恥ずかしくて、
 この、って連城を軽く小突いた。

 うれしくて悪いかって礼一郎は思う。
 けど、口に出すんじゃなかった。]
 

(475) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  そりゃ地獄だわ。
  やだなー平和がいいよ、平和が。

[ 冗談っぽく礼一郎は言うけど、
 礼一郎の周りだって平和じゃないしな。

 わりと本気でそう願ってた。
 礼一郎のとこは無理だけどさ、
 みんながみんな、そうじゃなくてもいいじゃん。

 だから、もしそうだとしたら、
 少しでも心が軽く……ってのには同意だ。>>464]
 

(476) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  言えてる。し、
  俺もさ、ここに来て、
  よかったって思えることもあったよ。

  ……もしかしたら、この世界の主もさあ、
  そのために俺らのこと呼んでくれたのかなあ。

[ 礼一郎はまた願望を吐く。
 どこまでも、この世界の主にやさしくあれって、
 良い子であれって無意識に求めるみたいに。

 でもさ、本当にみんなのこと、
 根はいいやつだって思ってんだから仕方ないだろ。

 仏頂面でも超絶自信家でも嘘つきでも、
 礼一郎の友だちに悪いやつなんているはずない。]
 

(477) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……おまえまで笑ってんじゃねえ。
  つーか、俺そんなにナイーブじゃねえし。
  マジでナイーブだったら委員長やらねえわ。

[ 礼一郎の自覚としてはそんな感じです。

 思い切り声をあげて笑われたもんだから、>>469
 面白くなさそうな顔しておにぎりに逃げる。

 どうすりゃいいかなーって、
 連城が礼一郎と似た考えを話すから、>>471
 礼一郎もそうだなーってうんうん唸る。]
 

(478) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  マジでそれな。
  ここの正体なんかわかんないまま、
  みんなで現実に戻ってさ、
  アレなんだったんだろうなーって、
  次の日、学校で話せたらいいのに。

  ……でもたぶん違うんだよな。
  誰かが……誰だってやだよ。
  泣いて土下座したら絆されてくんねえかな。

[ 土下座、礼一郎は今まで見る専だったけどね。
 まあ、冗談でもそんなこと言わないけどさ。

 現実的とは思えない展望を吐き出して、
 礼一郎ははあってため息を吐く。]
 

(479) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……なんで誰かわかんねえんだろ。
  わかったらさ、ちゃんと、
  生きて帰ろうって言えるのに。

[ ……考えすぎると食欲が失せるな。

 良くないって思いながら、
 自分の知っている情報を当然として、
 相手も知ってると信じ込んでいた。

 何気なく向けられた質問に、>>473
 一瞬、「 えっ 」と動揺してしまう。]
 

(480) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……悪い、
  勝手に知ってると思い込んでた。

  ふたりとも、帰ったんじゃねえかな。
  愛宮は下の家庭科室で見たよ。
  綿津見は、黒板で名前見ただけだから、
  場所とかは俺もわかんないけど……

[ 帰れたんだよなって、
 尋ねるというふうでもなく礼一郎も呟く。

 見に行くなら、と場所も教えようとして、
 自分の知っているだけのことは伝えた。*]
 

(481) 2020/06/21(Sun) 20時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 21時頃


メモを貼った。


-- 現在/病院 --

[ ほんとにさむいよ。
 合流した三人はちょうど自販機でなにを買うか、
 の話中だったらしい。
 ちょっぴり眩しい自販機に目を向けた。

 喉が渇いたな、って今気が付く。 ]

  おはよう。
  喜多仲くん、まなちゃん、ここちゃん。

[ 挨拶には挨拶を返す。
 人間社会に溶け込むために必要なので。
 天気や気温の話は鉄板。二回目とは知らずに。 ]
 



[ 現代人必須の持ち物。スマホにお財布。
 千夏もお金は持ってきていたので、
 順番を待って心乃が勧めてくれたコーヒーを買う。 ]

  うん。ここちゃんありがと。
  そのコーヒーにする。

[ 奢る場面だと主張する郁斗には、
 くすくす千夏は笑った。
 いつもうるさいなあ、元気だなあと思っていた郁斗が、
 今はこんなにもありがたかった。 ]
 



[ 買ったコーヒーは熱くて、
 かじかんだ指先が溶けていってしまいそう。
 中に行こうと提案する心乃に首を横に振って。 ]

  コーヒーがちょっと熱くて。
  冷めるまでもうすこしだけ、ここにいるね。

[ ううん。本音。
 心乃が買ったあまぁいおしるこ、
 いいなあっていう目で見てしまいそうだから。

 病院内に向かう背中を見守った。* ]
 


メモを貼った。




 [ ここのちゃんが持っていたおにぎりの、
  その、ほんとうの大元を、あたしは知っていなくて。
  ここのちゃんと喜多仲君のやりとりを見ているばかり。

  寒い。寒いね。
  にんげんせいかつの話題の鉄板は、
  天気と気温の話です。 ]

 




 [ みんな、おはよう、こんばんは。また会ったね。
  さっきぶりだった筈なのに、
  懐かしいような気持ちにもなる。

  同窓会ってこういう気分なのかな?
  卒業してないのにそんなことを思ってしまうし、
  そもそもここは病院だ。
  しかもメンバーのひとりは死んでしまいそう。

  やばい状況。ほんとうにやばい。笑えないね。 ]

 




   [ でも、みんなが生きてることに安堵する。 ]

 




     [ 生きてて偉いよ、ありがとう。 ]

 




  [ みんなが生きて、みんなでいてくれるだけで、
     あたしの白紙は色づくと思うのです。 ]

 




 [ 奢りを提案したあたしでしたが、なんと。
  みんなそれぞれ買っていくようで。

  ……というか、ここのちゃんがおしること、
  ちかちゃんのための
  無糖コーヒー(にがそう)を買ったので、
  お財布の中身はそんなに変わらないまま。
  あたしもおしるこひとつ買って、
  ふたりに続いて病院へ、

        いこうとして。 ]

 




    ちかちゃん、
    多分、あっち、あったかいから。
    ……あ、

 [ 外にいるちかちゃんへ、ちょっと近づいて。

  ……鞄の中に入っていました。未使用カイロ。
  ストックは持っておきなさいって、
  そんなお母さんの意見を、
  受け取っていて良かった。ほんとに。 ]

 




    もしよかったらつかってね。
 
 [ 暖を取ってるちかちゃんに、あとでね、って。
  いなくなっちゃう前の複線でもなんでもなく、
  あたしは手を振って、中へと入っていく。 ]

 




 [ 椅子、には、座れなかった。
  緊急外来の椅子が並ぶスペースで、
  あたしは、あたしが行けるぎりぎりのところに、
  静かに立っている。 ]*

 


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ

──現在/家庭科室──

  それでいいそれでいい。
  なんてな、わはは。
  そーそー、大事な友達……、
  友だちだろー仲良くやろうぜ!

[ バカみたいに、お気楽みたいに、
 礼一郎は笑いながら肩でも組んでやろって、
 小突き返されついでに腕を伸ばした。

 じゃれてた。
 じゃれて騒いでんだから、
 こっちの顔が赤いのには気づかなくていいです。
 日焼けしてるからわかりづらいしね。]
 

(520) 2020/06/21(Sun) 23時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……みんなそうだよ、たぶん。

  まあ、でも、そうだよな。
  死にたいって思い詰めてんのに、
  そりゃあねえか。うん。

  悪意なんかなけりゃいいし、
  なんなら悪意だったって、
  こうやって、会えたんだから、
  それだけでもいい、よな。

[ 悪意はない。きっとそのはず。
 連城もそこは同意見でよかった。

 でも、やさしいのはどっちなんだろうね。
 おまえは気遣いのできるやつだなあって、
 礼一郎は思うけど、言わない。
 恥ずかしいの、もう充分だったし。]
 

(521) 2020/06/21(Sun) 23時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  は? うるせえ。
  レイ以外に言われたことねえし。
  ……いいだろ、どっちでも。

[ なんだかんだその指摘を受けて、
 自分じゃないのかなって思っているので、
 言い返すのはそのくらいにしておこう。

 土下座されたから生きます。>>513
 確かにそれもないなあって礼一郎は思う。でも、]
 

(522) 2020/06/21(Sun) 23時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  確かに。
  気持ち押し付けんのはよくないけどさ、
  伝えるのは、伝えるべきだよな。

  ……俺は、俺なら、
  友だちだと思ってるやつに、
  生きてほしいって言われたらさ、
  邪だけど、たぶんちょっとうれしいよ。

[ たとえばこの世界の主と話す機会があるとして、
 一体何ができるんだろうなって考える。

 考えてもそれ以上の答えが出ないから、
 礼一郎も隣でおにぎりを食べてた。]
 

(523) 2020/06/21(Sun) 23時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……どんどんいなくなって、
  最後に世界の主がひとり残される。

  ──ってことにだけは、
  ならないといいよな。とにかく。

[ このままチャイムが鳴るたび誰かが消えて、
 順番に消えて、最後はひとりぼっち。

 考えるだけで気分が沈みそうで、
 礼一郎は想像を追い払うように、
 弱気な発言をする友人を見た。>>515]
 

(524) 2020/06/21(Sun) 23時頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……やー、ソーマなら大丈夫だろ。
  ちゃんと相手のこと考えてさ、
  押し付けとかじゃなくて、
  話せるだろ、おまえ、やさしいし……

[ 言いながら、言っている途中で、
 また恥ずかしいこと言った。って、
 礼一郎は気づいて、居たたまれなくなる。]

  ……ごちそうさま。
  俺、そろそろ教室戻るわ。

[ おまえどうすんの、って、
 表情を隠すように、立ち上がって廊下を見た。*]
 

(525) 2020/06/21(Sun) 23時頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 23時頃


メモを貼った。


【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それから、]
 

(552) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──夜──

[ また同じように教室に戻る。
 寝支度をして、床に寝っ転がって、
 礼一郎は、なんか静かだなあって思った。

 ひとり欠けただけなのに。
 そういえば、サッカーもバスケもしなかった。
 言い出しっぺがいないんだからさ。

 ……ひとり欠けただけ、じゃないな。
 だけじゃない。一人ひとりが重いよ。

 また朝になったら誰か消えるんだろうか。
 やだなって礼一郎は思うけれど、
 昨晩よりはすんなりと眠りに落ちる。]
 

(553) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ また同じ夢を見る。]
 

(555) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それは足元にいる。]
 

(556) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ いつもと同じ。
 いつものように謝るそれ。

 違ったのは礼一郎のほうだけで、
 ゆっくりとその傍らにしゃがみこんで、
 じいっとそれのことを見ている。

 なあ。って礼一郎が言う。]
 

(558) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 「 ほんと、なんで生きてんの? 」
 

(559) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……声、震えてんじゃん。笑える。]
 

(560) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 気づいたんだけど、
 ここにいれば礼一郎は、
 ちゃんとした人間でいられるんだ。
 
 家に帰らなくっていい。
 それが存在しない世界。
 全部忘れちゃえばいい。
 

(561) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 でもさ、残念なことに、
 礼一郎は平凡な人間だから、
 やっぱりこの異様な空間では、
 正しく呼吸ができないみたい。
 

(563) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 それに、逃げんじゃねえよって話だよね。
 

(565) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 じゃあ、そろそろ帰る準備をしよっか。
 

(566) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……やっぱり、目覚めは悪かった。]
 

(567) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──朝──

[ 顔を洗いに行こうって、
 礼一郎は今朝もそう思った。

 廊下に出ると今日も絶賛文化祭。
 朝からうるさいなあって礼一郎は思う。

 文化祭、楽しかったよ。
 お祭り騒ぎも礼一郎は好きだ。

 でも、さすがにもう、
 楽しいねーなんて言ってらんねえよ。]
 

(568) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……もっと楽しんだほうがよかった?
 ほら、この場所をつくった人的には。]
 

(569) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……廊下を歩いてく。

 礼一郎は視力が良い。
 裸眼で生活できる程度には。

 だから、見えてたはずなんだけどさ、
 床に一匹、よくわかんない虫がいる。
 気持ち悪いやつ。飛べないやつ。たぶん。
 ……というか、飛ばなかっただけかも。

 いや、よく見たら塵か埃だったかも。
 あるいは、インクの黒い染み。

 礼一郎は別になんでもなく、
 それの上を歩いてった。まっすぐ。]
 

(570) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


     「 ぎゃっ 」
 

(571) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 小さい声がした気がして、
 礼一郎はなんなんだよって振り返る。
 聞き慣れた声のような気がしたんだよね。
 ……でもこれ、なんだっけ。

 振り返ったら、騒々しい廊下が広がってる。
 ……あ。そういえばここ、家じゃねえわ。

 それと、もうひとつ。]
 

(572) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 血だまりが広がっている。]
 

(573) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎が通った場所に、ぽつんと。

 そこから、礼一郎の歩幅で、
 赤い足跡が点々と廊下に残されている。]
 

(574) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それだけ。それだけなんだけどさ、]
 

(575) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ──── っ、

[ 礼一郎は怖かった。

 何を思い出すんでも、何がよぎるんでもなく、
 単純に小心者だからさ、礼一郎って。

 なにもなかったはずのとこで声がして、
 なにもなかったはずのとこに血の水たまり。

 それがね、めちゃくちゃ怖かった。
 たぶん、いなくなった奴らみんな、
 すげえ怖かっただろうなあ。って思う。

 思わず、逃げるように駆けだしながら、
 礼一郎はなんでなんでなんでって考えて、]
 

(576) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……あ。なんか踏んだっけ。]
 

(577) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ それは紛れもなく、礼一郎の恥だった。]
 

(578) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 恥っつーか、
 罪だよ、礼一郎。
 生易しい言葉でごまかしてんじゃねーよ。
 

(579) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ そのとき、どういうわけか、
 自分の番なんだなって礼一郎は理解する。
 そういえば、もうすぐ8時50分だ。]
 

(580) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ …………もう怖くはなかった。]
 

(581) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 つまりそういうことだよ。
 礼一郎にはそれが、
 その程度のものにしか見えない。
 

(582) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 そこまでいっても恥ずかしいばっかりで、
 罪悪感なんてこれっぽっちも覚えないんだ。
 君たちにはあんなに素直にごめんって言えるのにね。
 

(583) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 それにさ、
 もしもこの世界の幕引きが、
 個々人にとっての幕引きが、
 そいつの抱えてるものにより、
 その形を決めるんなら、
 恐ろしいものに追っかけられて、
 必死になって逃げ惑うなんて、
 礼一郎にはちっとも似合わないよ。
 

(584) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 だからさ、行こっか。
 

(585) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ いや、どうすれば終わりなの?
 あれ、もう一回探して殺せばいいわけ?

 ……礼一郎はやっぱり簡単にそう思うけど、
 ダメだって言われちゃったんだよなあ。
 どうしたらいいんだよって礼一郎は思う。]
 

(586) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 思いながらも、ゆっくりと歩きだす。]
 

(587) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 だいたいいっつも廊下に転がってんだから、
 そういうことじゃないかなあ、たぶんね。
 

(588) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……ほら、
 

(589) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……2階の廊下の果てにそれはいる。]
 

(590) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 2階の廊下の突き当り……だったとこ。

 その奥にできた通路を見て、>>16
 礼一郎は、見に来てなかったなって思う。

 通路の奥、鮮やかな夕陽みたいなオレンジ色。
 ここからでもあちこち歪みが見てとれるね。

 ……結局のところ、
 この世界の持ち主のことなんて、
 礼一郎の知らないことばっかりなんだろうな。

 もっと知りたかったし、
 この奥も見に行きたかったけど、できないな。

 だって、]
 

(591) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎の足元にそれは転がっている。]
 

(592) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 人形の形をしていた。制服を着ていた。
 辛うじて座っている。みたいな。
 それをつま先で軽く蹴飛ばしたら、
 簡単にバランスを崩して横倒しになった。

 夢の中で見たみたいに。
 礼一郎はゆっくりそこにしゃがんだ。
 それの傍らにしゃがんだ。
 転がっているものを見下ろしていた。

 なんだか笑えてきちゃうよな。]
 

(593) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……ほんとさあ、
  なんでずっとこうなんだろうな。
  俺、ちゃんとしてたつもりなんだけどな。
  真面目にやってたつもりなんだけど。
  ……全部台無しじゃん。ふざけんなよ。
 

(594) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 声は震えていた。
 夢で見たのとおんなじように。
 ほんと、バカみたいだな。笑える。]
 

(595) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  あーあ。
  全部なかったことになんないかな。
  消えてくれりゃいいんだけどな。
  それか、また全部ひっくり返って、
  うちが正しいことになんねえかなあ。

  ……思ってる分には平気、つったってさ、
  心のどっかでそう思ってる限り、
  どう頑張ったって、ちゃんとしたって、
  俺は正しくなんかないんだろうな。
 

(596) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……やってらんねえよ。
 

(597) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 その通りだよ、礼一郎。
 

(598) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 でも、それを背負って生きていくのが、
 礼一郎の言う責任ってやつじゃないかな。
 

(599) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 さあ、先に進もう。
 自分の道に戻らなきゃ。
 

(600) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ああ、今日はなんだかうるさいな。
 みんなが傍にいてくれないせいだ。
 嘘。全部礼一郎が悪いんだけどさ。
 みんなといるときは、良かったなって。
 ふつうでいられたんじゃないかなって、
 ……どうしたって、思っちゃってさあ、]
 

(601) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 緩慢な動作で礼一郎は手を伸ばして、
 それの短い髪を掴む。強引に引き寄せる。]
 

(602) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ じいっと、礼一郎はそれを見ている。]
 

(603) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……あー、こうなるんだ。
 

(604) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 人形の顔に大きく×印が刻まれている。]
 

(605) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎の足元には、黄冬高校の制服を着た、
 男子生徒の人形が一体、無造作に転がっている。]
 

(606) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 それは、紛れもなく礼一郎の恥だった。
 

(607) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 いつまで経っても正せない、
 礼一郎のたったひとつの恥だよ。
 

(608) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……あのさ、礼一郎。
 重ねた罪は消えたりしないよ。
 償ったって、過去は変えられない。
 礼一郎が礼一郎として生きる限り、
 礼一郎はこの世で最低ランクのクズだよ。
 

(609) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 とっくに気付いてんだろ?
 

(610) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


  ……うっせーな。
 

(611) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ あーあ。ほんとうるせえな。誰に言ってんだろ。
 でも、見た人が怖がるようなもんでもないから、
 まあ、よかったかな。って、礼一郎は思って。]
 

(612) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……思ってたのとは、ちょっと違ったけどさ。
 

(613) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ こんなときまで良い子気取りかよ。
 って、礼一郎は最後にちょっとだけ笑った。]
 

(614) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 でもさ、本心なんだから仕方ないよね。
 礼一郎は基本的に、真面目で善良な人間だよ。
 

(615) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……どこか遠くでチャイムが鳴っている。]
 

(616) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 礼一郎のお節介はひとつも嘘じゃなかったよ。
 礼一郎の笑顔も、一から十まで本当だった。
 君たちのことが心から好きで、だから心配だ。]
 

(617) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ ……君たちなら信じてくれるかな。
 礼一郎だって本当は正しく生きたかった。
 清く正しく、己にも他人にも恥じる事のないよう。]
 

(618) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……というか、
 そうやって生きてきたつもりなんだってば。
 

(619) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……そんな礼一郎から、一言いいかな。
 真っ向から質問に答える気がないから、
 あくまで一言……聞こえますかね。
 

(620) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 嘘をつき続けて狼に食われるんなら、
 それは単に、相応の罰だよ。

 それが嫌なら、
 最初から正直に生きるしかない。 
 ……勝手に0点つけてろよ。
 

(621) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……それかさ、
 村人たちとか欲張んないで、
 友だちくらいにしておけば?
 少なくとも俺、信じるよ。友だちだし。
 ……お説教付きかもしんないけど。
 

(622) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ま、俺に言われたかねえよな。
 

(623) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 ……あー、人形になった感想?
 言う言う、正直に言うって。
 約束どおり、帰ったあとでさ。
 

(624) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ

──午前8時50分──

[ 2階の廊下の果て。
 ……だったところに、それは転がってる。

 廊下の隅っこに転がっている。
 無造作にそのあたりに落ちている。
 髪の短い男子生徒の人形だ。
 ほかの特徴は……少し小柄かな。
 本人は平均弱だって言い張るけどね。

 それから、
 ここに来てすぐ扉を蹴って、
 黒く染まったはずの上履きが、
 今は赤い血液でどろどろに汚れている。

 でもその割に、その人形は無傷だ。
 なんの傷もない。血も流していない。]
 

(625) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


 じゃあ、なんの血だったのかって?
 ……帰って礼一郎にでも聞いてみなよ。
 

(626) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

【人】 倫理委員会 アトレイユ


[ 傷ひとつない人形。
 ただ、その顔に大きく、
 真っ赤な×印が刻まれている。 

 傷なんかじゃない。
 ただ、刻まれている。
 消えない。         ** ]
 

(627) 2020/06/21(Sun) 23時半頃

倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/21(Sun) 23時半頃


-- 現在/病院→駐輪場 --

[ 送る背中はみっつ。
 くるりとこちらを向いた顔に首を傾ぐ。 ]

  ……うん。
  わ、ありがとう。

[ カイロを差し出してくれるまなの姿に、
 3年8組になったばかりの春を思い出す。
 あのときは飲み物で今はカイロだな、と。

 春もこっちのほうが涼しいよ、
 と教えてくれたんだっけ。違うっけ。
 たった八か月前のことがすごく遠くに思えた。 ]
 



[ 生きて積み重ねた十八年と数か月。
 特に事故などなければ、
 おそらく何十年かは続いていく。

 他人の人生、あまり口出しするもんじゃないけど。
 千夏は思う。

 生きてたら、いいことあるよ、って。
 紫織ちゃんの人生、
 ここで終わらせないほうがいいよ、って。 ]
 



[ あつい缶コーヒーを指先でつまみながら、
 教えられた方へと歩く。
 たしかにすこしあったかいかもしれない。
 そう思いながら、苦いコーヒーを啜る。

 すこし寒さが和らいだころに、
 自転車の鍵がポケットにないことに気が付いた。 ]
 
  ……鍵、さしっぱなしかも。

[ こんな真夜中。
 自転車泥棒が出没するとは思わないけど、
 手許に鍵がないのも不安で。

 千夏は再び駐輪場へと戻る。** ]
 


メモを貼った。


倫理委員会 アトレイユは、メモを貼った。

2020/06/22(Mon) 00時頃


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