266 冷たい校舎村7
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―― 3年7組 ――
[教室に拓海は姿を見せただろうか。>>2 まだ柊はそこにいただろうか。
いずれにせよ、3年7組の教室にいるメンバーに 声を掛けて寝支度を始めようとする。
外は相変わらずの銀世界。 時間の経過がよく分からない。 しかし、溢れる眠気を抑えることはできず 目頭を幾度か擦った]
(23) 2019/06/12(Wed) 00時半頃
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毛布を敷こう。手伝ってくれ。
ここにいない奴らは、 保健室で寝ているのかもしれないな。
[机や椅子を教室端に寄せて、毛布を敷く。 そうして、その中に潜り込んだ]*
(24) 2019/06/12(Wed) 00時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 00時半頃
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―― 3年7組 ――
うん? 堅治は見ていないな。 灰谷は葉子を探しに出て行ったきり。
[拓海の質問>>26に答えながら、机を運ぶ。 教室に京輔が姿を見せれば>>27軽い調子で]
おー、京輔。 教卓いっしょに持ってくれ。
[などと言って、てきぱきと寝支度を整えただろう]
(41) 2019/06/12(Wed) 01時半頃
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[そうして、布団に潜り込む。
非日常の真っ只中にいるというのに、 日常と変わらず眠気は襲ってくる。
固い寝床に若干眉を顰めながら、ぽつりと]
なんだか、 二度目の修学旅行みたいだな。
[漏らした呟きは、静かな教室に 存外に大きく響いていった]
(42) 2019/06/12(Wed) 01時半頃
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[級友たちと共に眠るなど、部活に入っていない俺は 修学旅行以外にあまり経験がない。
あの時はもっと柔らかい布団の上に眠れたのだが、 今は我儘を言ってはいられなかった。
近くに拓海がいたならば、 「修学旅行の時みたいに馬鹿騒ぎはやめろよ」 なんて冗談を言いながら、目を閉じる。
そうしてそのまま、眠りに落ちた]**
(43) 2019/06/12(Wed) 01時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 01時半頃
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[――――白、白、白]
(96) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[俺の進路希望調査票は、真っ白なまま。
書くことができなくって ぐしゃぐしゃになって鞄の中にしまい込んでいる。
悔しくて、惨めで、虚しくて 堪らなかった。
あの人たちは、俺の優秀さを全く理解していない]
(97) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[――――頭が、真っ白になったんだ]
(98) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[楽しい修学旅行だった。
あの頃は葉子とも普通に付き合っていたし、 灰谷ともぎくしゃくした仲ではなかった。 宮古に、救いを求めることもなかった。
班決めのときに特に発言しなかった 京輔に「同じ班になろう」なんて 委員長らしく声をかけて。
道中は、拓海の馬鹿騒ぎに付き合って はしゃいでいた。 朝起きた時に顔に落書きをされていたときは、 さすがに怒って地獄の鬼ごっこを始めたけれど]
(99) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[――――修学旅行の翌日。両親に見せられた白い紙]
(100) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[テーブルの上に置かれたそれは、 妹の病院での検査結果。
生まれた時から入退院を繰り返していた妹。 憐れで可哀相な妹。
あまり芳しくない数値を示すそれを見せながら、 両親は切々と俺に訴えた。 金がない。看護をしなきゃいけない。余裕がない。
そうして、あっさりと言い放った]
(101) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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家業を、継いでほしい。
(102) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[真っ白な進路希望調査票に、 俺はついにその2文字を記入した。
その日からだった。 俺がクラスの奴らの教科書やノートを 盗むようになったのは。
受験なんて、失敗してしまえ。 みんな大学へ行って、俺を置いていくんだろう]
(103) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[――――真っ白な紙に書いたのは、「就職」の2文字]*
(104) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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―― 8:50 ――
[嫌な夢を、見ていた。 目を覚まして辺りを見回す。
窓の外には、相変わらず真っ白な風景が広がっている。 気分が悪くなり、手洗いへと向かった。
手洗い場の鏡を見つめる。 ひどく、青白い顔をした自分がいる。
顔色の悪い頬をそっとなぞるが、 そこにあの修学旅行のときのように 落書きなどありはしない。
楽しい日々は、過ぎ去ってしまった]
(105) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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ひどい顔だ。
[自嘲気味に笑って、顔を洗う。 頬をぱしんと叩けば、少しはましな 表情になっていただろうか。
結局、葉子はあのあと教室には姿を見せなかった。 俺とは顔を合わせたくなかったのだろう。
――らしくもない。俺が罪悪感を覚えるなんて。
ひどく吐き気がして、ひどく胸が苦しかった。 朝食を食べる気にはならず、 しばらく鏡の中の自分を見つめていた]
(106) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[そうして、3度目のチャイムが鳴る>>#2]
(107) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[手洗い場を出ると、 拓海が階段を上がっていくのが見えた。>>76
なんとなくその背が気になって、 俺は拓海の後ろを追う。 いつもあいつの背を追いかけてばかりだな、と 内心で笑った。
拓海からしばらく遅れて、 4階の3年7組の教室に足を踏み入れる。 そこは、あの文化祭の日から 時が止まったように、お化け屋敷になっていて]
(108) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[ベッド脇には、あの日には なかったはずのマネキンが1体>>577]
(109) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[首に汚れた包帯の巻かれた赤毛の人形は、 堅治と雰囲気がよく似ていた。
呆然とした様子で マネキンを見下ろす拓海の肩に、 ぽんと手を置く]
拓海。このままにしておくのは可哀相だ。
[運んであげよう、と拓海に告げて もう1度そのマネキンを見遣る]
(110) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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[なんだか、ひどくそのマネキンが 苦しみにもがいていたように見えて 俺は人形の胸に手を当てた]
……無事に、帰れたように祈ってるよ。
[きっともう、宇井野堅治はこの校舎にはいない]*
(111) 2019/06/12(Wed) 11時半頃
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―― 回想 / 別人です ――
[きつねうどんを、灰谷のテーブルの上に置く。
ありがとう、と言われて>>2:429 じろっと視線を向けられた気がしたが 俺は素知らぬ顔をして、目も合わせずに厨房へ引っ込む。
それから、うどんを食べる灰谷を そっと見つめていた。
熱いおあげを口に含み、幸せそうな顔をしている 灰谷を見ていると、自然と口元が緩む。 この店のうどんの美味しさは、俺が1番よく知っている。
きつねうどんを完食し、灰谷が店を出る。 テーブルの片付けをしながら]
(112) 2019/06/12(Wed) 12時頃
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あいつ。 スープまで完食してやがる。
[小さく呟いて、苦笑した]
(113) 2019/06/12(Wed) 12時頃
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[次の日、灰谷に「兄弟いたっけ」>>2:431と 問われたならば、軽く首を傾げて]
双子? 俺には年の離れた妹しかいないけど。
[訳が分からない、という顔をしている。 きつねうどんの話をされれば、 やはり素知らぬ顔で]
よく分からないけど、分かった。うん。
[などと要領を得ない返しをしただろう]
(114) 2019/06/12(Wed) 12時頃
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[灰谷がなんだか幸せそうに見えたから、 それでいいんだ]*
(115) 2019/06/12(Wed) 12時頃
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―― 回想 / ペット候補 ――
[やさしく、抱きしめられる感触。 宮古のやわらかな温もり。
「好き」>>2:498というその言葉が やけに俺の胸に響いて、 俺は火照った目でただ宮古に頷いたんだ。
先程まで引っ張られていた髪を、 今度は丁寧に撫でられる。
使い分けられる飴と鞭。宮古から、目が離せない]
(116) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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[でも、本当は気付いていたんだ]
(117) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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[冷たい彼女の指先が、俺の頬をなぞってゆく。
吐息が、かかるような距離。>>2:499 身体を密着させて、互いの鼓動を確認しあう。
俺は宮古のペット候補。 彼女にいいようにされる玩具。 痛みつけられて、慈しみを向けられて。
嫌なことを、全部全部、忘れてゆく]
(118) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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[最近の彼女が、上の空のことくらい]>>2:501
(119) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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[俺が宮古を利用して、 諦めや救いを求めるように。
きっと彼女も俺を利用している。
心にぽっかりと穴が開いたふたりが、 その穴を埋めようと互いに利用しあう。
歪な関係。歪な執着]
(120) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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[俺は、彼女から目が離せない]*
(121) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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―― 回想 / 文化祭の打ち上げ後 ――
はいはい、ぶーたれない。
[最悪、だなんて呟く拓海>>2:459が なんだか不憫になってきた。 俺はしばし片付けの手を止めて]
久しぶりに、俺の実家寄ってけよ。 夕飯は奢るから。
[そう言って、打ち上げで出たゴミを 袋にまとめるのを再開しただろう]
(122) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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[俺はなかなか素直になれない人間だから 普段は拓海に皮肉ばっかり言っているのだけれど。 今日ばかりは、少しは素直になろうと思って]
……感謝してるんだよ、これでも。 素直に奢られとけ。
[やっぱりその口調は全然素直なものではなくって 内心で頭を抱えた。
そんな文化祭後の、一幕]**
(123) 2019/06/12(Wed) 12時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 12時半頃
R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 12時半頃
R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 13時頃
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―― 4階 / 3年7組 ――
[手を置いた瞬間、 拓海の肩がびくりと震えた。>>126
振り返った拓海の瞳は 穏やかなものではなかった。 険を帯びた、拓海らしくもない鋭い眼光。 小さく、息を飲む。
だが次の瞬間には、 それは寂しげな表情へと変わる。
俺は肩を撫で下ろすと、 拓海の問いにしばしの間を置いて 小さく首を振る]
(134) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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堅治自身は、もうきっといない。 相原と同じように。
[抜け殻みたいなものだろう、と憶測を口にした。 矢継ぎ早に発せられる質問>>127に どうどうと拓海を落ち着かせるように手を動かして]
(135) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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集団失踪事件には多くの生還者がいる。 だから沢山の証言が残っているんだ。
加えて、メールの送り主は 「早めに忘れて生きてくれ」なんて 文章を送り付けるお人好しだ。 道連れにされたんじゃなくて、 堅治も相原も無事に帰った。
そう考えるのが自然だろ。
(136) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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[順序立てて、説明をする。
それはすべて憶測なのだが まるで断定するような、力強い口調で。
拓海はとても取り乱していて、 マネキンはこの状況だ。
もっとも楽観的な憶測を話して とにかく拓海を落ち着かせようとする]
(137) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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分からない。 この世界から出る条件なんて。 分かってたら、とっくのとうに出てるさ。 ……俺、そういう奴だろ。
[ひょいと肩をすくめて、自嘲気味に笑った。
分からない。 ここに来てからその台詞を何度言っただろう。 俺らしくもないな、と思う。
置いて行かれるのは、昔から好きではなかった。 もしも先に堅治が帰ることができたのならば、 ずるいなあと歯ぎしりする性格の悪い奴。それが俺だ]
(138) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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ああ。どう運ぶかな。 ベッドのシーツを失敬するか。
[お化け屋敷のベッドからシーツを外して床に敷き、 その上にマネキンを移動させようとする。 足持ってくれ、と拓海に頼みつつ]
……ぬいぐるみ。
[幸せそうな猫のぬいぐるみが、そこにはあった]
(139) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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[場を和ませるように、くすりと笑って]
本当に可愛いよな、それ。 堅治、良い趣味してる。
[堅治の苦悩を何も知らない俺は、 ぽふぽふとぬいぐるみの頭を撫でて マネキンの胸の上にちょこんと置いてやる]
(140) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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[何となしにやった そのぬいぐるみの頭を撫でるという行為が、 堅治にとっては周囲の目を気にするものであることを 俺が知る機会はきっと訪れないのだろう>>2:566]
(141) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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[意識することなく可愛いと口にして、 意識することなくぬいぐるみの頭を撫でる。
その行動の贅沢さを、俺は知らない]
(142) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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……拓海。 早く一緒にこんなとこずらかりたいな。
[自分の背よりも大きな 堅治のマネキンを運ぶことに難渋しながら。
様子を窺うように、そう言って笑いかけた。
――だって、時々お前が浮かべる瞳が怖かったんだ]**
(143) 2019/06/12(Wed) 16時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 16時半頃
物静かだけども 手先の器用なおんなのこ
どこか不思議な雰囲気で 綺麗なおんなのこ
可愛い持ち物の似合う 今どきのおんなのこ
気が強そうに見えて 凛々しいおんなのこ
一つの恋に夢中になれるおんなのこ
普通じゃないところなんて
いっぱいいっぱいあるのだろう
だけども
おんなのこはみんな まぶしかった
まぶしいおんなのこたちを眺めて
おとこのこに交ざって 生きている
おんなのこ と おともだちになれても
おとこのこ と おんなのこ
おんなのこ と おんなのこ
おともだち の かたちって
一つの違いだけで かわってくる
頑張って 頑張って 頑張って
それでやっと おとこのこと並べる
おとこのこ の かたちをとれるのだから
境界のわからないおともだちを
距離感のわからないクラスメイトを
保つことが出来ている自分を
ほめてあげたって いいのかもしれない
──── 学校 ────
[ 妙な冷たさが頬を撫でる。
虎落笛にたたき起こされて、
宇井野は気だるげに頭を持ち上げた。
冬の夜は早い。
外はもう暗くなってしまっているようで、
部活終わりの生徒が窓の外に見えた。
ヴヴ、と、スマホが通知を告げる。
鞄から取り出そうとして、気づいた。
教室だ。教室で眠っていたらしい。 ]
[ 寝ぼけ眼で頭をわしりと乱した。
机に擦れて外れた胸のボタンを締める。
夢を見ていた気がする。
誰かが頭に触れて、
胸の上には何かが乗っていて。
その前を、遡って。はっとした。
そうだ。学校に閉じ込められて。
見回す。スマホを確かめた。
圏外ではないし、窓の外はいつも通りだ。 ]
[ 通知は、親からだった。
今日は遅くなるのか、と。
遅くなる、と、返事をしたところで。
ぴろん、と、通話アプリが受信を示した。
それを見て、 は、と、漏れた。
がたりと椅子が倒れる音がする。 ]
[ はっきりと思い出した。
そうだ、あの校舎。
誰かの精神世界かもしれない場所。
精神世界を作り上げる人の条件。
跳ねるように、教室を飛び出した。
熱心な運動部の生徒と、
一握りの教師しかいない校舎は、
時が止まったように静かだから。
上履きの足音はよく、 響いた。 *]
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[からりと笑う拓海>>153は、 すっかりいつもの調子に戻っていた。
俺は内心ほっとしながら、 マネキンの上半身側を持ち上げる。 重みに、顔を顰めた。
でかい。でかいぞ堅治]
なーんにも思いつかないな。 とりあえず、俺にもかまくら大福食わせろ。
[本当に、なにも思いつかなかった。 だからふざけてそう返した]
(168) 2019/06/12(Wed) 21時頃
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[それから、少しだけ考えて]
まあ、そうだな。
文化祭終わってから、 みんな受験・受験・受験って感じだし。 卒業前に、またああいうのやりたいよな。
文化祭の打ち上げみたいなやつ。 いちおう、委員長だし。
[戻れたらの話だけどな、と お化け屋敷の扉を肘でお行儀悪く開ける]
(169) 2019/06/12(Wed) 21時頃
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[俺は、学生時代というものに 縋り付きたいのかもしれない]
(170) 2019/06/12(Wed) 21時頃
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[灰谷と葉子のことに話題が及べば、>>155 俺はあからさまにバツが悪そうな顔をする]
たぶん、ふたりで一緒にいるだろ。 灰谷は葉子を探してたし、っととと……。
[教室と廊下との小さな段差に、足を取られかける。 注意散漫で、マネキンを落とすところだった。 ついに俺は盛大なため息を吐いて]
(171) 2019/06/12(Wed) 21時頃
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それに、まあ、色々ありまして。 無神経なことを言ってしまったといいますか。 葉子は俺の顔なんて見たくないだろうし。 俺が屑野郎ってだけの話なんですけど。
[拗ねたような口調。なぜか、敬語になってしまう]
(172) 2019/06/12(Wed) 21時頃
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……なんで女子ってやつは 変なところで目聡いんだろうなあ。
[鎖骨の火傷痕に気付かれたのは失敗だったな、と 思いつつ、自らの体を見下ろした。
過ぎたものは仕方ない]*
(173) 2019/06/12(Wed) 21時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 21時頃
―― 自宅 ――
( …… あれ? )
[暖かい家の中で目を覚ました。
……そのことすぐには受け入れられず、
何かに横たわった姿勢のまま、イロハはじ、っと目の前に映る光景を見ていた。
煌々とあかりのついた自宅のリビング。
台上に置かれた大きいサイズのテレビにローテーブル。
テレビはつけっぱなしで、
ゴールデンタイムの合間にちょこちょこと流れるニュース番組を今は垂れ流している。
テーブルの上には湯気を立てていないマグカップがひとつ。
この部屋には確か、ふたりは座れるサイズのソファーがあった。
イロハが今横たわっているのはソレだろう]
[母の帰りを待つうちにソファーで転寝してしまった。
そう判断するのにふさわしい材料が揃っていた。
だが……違和感。
それもぬぐいきれないくらいの]
ここは、学校じゃない…………
[ゆっくりと思い出す。
大雪の中学校に向かったこと、
道中が妙に静かだったこと、
3年7組の教室に集まった顔ぶれ、チャイムの音、
閉ざされた校舎(せかい)でのこと]
―― 帰る前の話 ――
マジで? あたしったらすごいじゃん。
[どうもタイミングばっちりだったらしい。
イロハの中にヒーローに憧れる思いはないが、
ついつい、嬉しそうな顔をしてしまう一幕もあったが]
あー……、そっか。
[教室へと引き連れていくことはできなかった。
七月の口ぶりからして、高本だけが先に教室に戻ったことには、
やっぱり、何らかの理由があったみたいだ]
なん、で、そんなこというのさ。
あたしがこうやって来ちゃうのも、こうやってここにいるのも、
これが……最後ってわけじゃ、ない、じゃん。だから……
[帰らないと、ってイロハは心のどこかで思っているにしても、
別にそれは今すぐでもちょっと先でもなくったっていい、
そう思っていた。
たとえば、の話になるけど、
この世界をつくったのが七月で、みんなを引き留めたがっているというなら。
彼女が望むならずっといてもいいくらいだったし]
[イロハは殊更穏やかな口調で七月に呼びかけた。
結局なんでもない、と返ってきてしまったけれど。
ただ、高本に会いたくない、というのがこの場に残る理由なら、
いくらか間を置けば頭も冷えるだろう]
…………うん。わかった。
[そう思って、こくこく頷いて多目的室を後にして、そうして]
なんか、うまくいかないモンだよねぇ……
[このまま、教室に戻る気にはなれなかった。
戻って、高本をはじめとした面々に、
ヨーコのちゃんのことは心配ないよ、って報告して、毛布で寝る?
……誰かの悲鳴とともにマネキンが現れる。
そういうことがこの先も、ないと限らないわけで。
少しの思案の末、イロハは多目的室のわりと近くに寝場所を取ることにした。
そりゃまあ何もないのが一番だけれど。
保健室から残ってた毛布をこっそりこっそり、拝借して、
廊下、は寒いから……美術室にしよう、と決めた]
[音を立てずに扉を開ける。
油っぽい臭いの中、いくつもの四角い板がイーゼルに立てかけられてそこにある。
――そっか、ここも、か。
ここにも文化祭の時間がとまったまま留まっている。
探索して回れば、美術部である蛭野や養の展示物も見られたかもしれないが、
イロハは見回ることより寝ることを優先していた。
入り口付近が一番スペースありそうだったから、
毛布を敷いて、そこで眠った]
[イロハだって、思いもしていなかった。
あれが、さいごになってしまうだなんて]
|
はーい、打ち上げ面子ひとり確保。
店って言っても俺の家は嫌だぞ。 もっとお洒落な場所がいい。
そういう大人数で使える店、 拓海の方が詳しそうだけど……っと。
[やはり、ふたりで運ぶにはこのマネキンは大きい。
拓海の背丈が俺よりかなり低いので 傾斜がついて上手く運べない。
本人が気にしてそうだから指摘はしないけど]
(211) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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もう別れてるから、浮気じゃないよ。
[ほぼ認めているようなものだった。>>196 まあそれに近いよなあ、と言って嘆息する]
好きって、何なんだろうな。 恋だの愛だのがよく分からない俺に 問題がある気がしてきた。
[分からない、をまた口にした。
このふざけた校舎に来るまでは、 極力口にしなかった言葉。 学年1位の優等生は何でも知っていて当然だから]
(212) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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[大丈夫、と繰り返す>>197 拓海の声音はいつにも増してやさしくて。 それでも俺は小さく首を振った]
やっぱり屑野郎、な気がするよ。 だって、俺は自分のことしか考えていない。
葉子のこと 付き合ってるときも、別れた後も、 何にも考えてなかったなって。
俺なりに反省して――……
[言いかけたところで、 「手伝うよ」>>174と声を掛けられた。 視線だけ声の方向を見遣れば、柊の姿があった]
(213) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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ふたりじゃきつかったとこ。助かる。
[体育館へ運ぼう、と歩みを早める。
拓海の言葉>>199に柊を見遣れば、 確かに顔色が悪い気が、する。
こいつは馬鹿だけど 意外と空気読める奴なんだよなあ、などと 拓海に対して失礼なことを考えている]*
(214) 2019/06/12(Wed) 22時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/12(Wed) 22時半頃
|
[柊とは、微妙な距離感の間柄だった。
3人でマネキンを運ぶ間、 俺はすっかり品行方正な委員長面をして、 穏やかな表情を浮かべている。
たまに相槌を打つ以外は、 口数は先程よりは少なめだったはずだ。
――さっきの話、聞かれてたかもな。
内心で嘆息した。 心を許した者以外に 自分の弱味を見せることを俺はよしとしない。
交友関係の広い柊のことだ。 変な噂を立てられなければいい、と思う]
(246) 2019/06/13(Thu) 00時頃
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|
[先程の会話に対して 柊が「責められている」>>226と 感じていることに、俺は一生気付かない。
ただ顔色の悪い柊を気遣う素振りを見せながら、 マネキンを運んだだろう。 こういう演技だけは上手いから、 きっと拓海には気付かれなかったと思う。
体育館にマネキンとぬいぐるみを安置すると、 可愛らしいぬいぐるみの頭をひと撫でして立ち上がる]
(247) 2019/06/13(Thu) 00時頃
|
|
じゃあな堅治。
[その間に、拓海と柊が 内緒話をしていたことには気付かずに 俺は拓海に向き直ったんだ]
柊、行っちゃったか。
[慌ただしい奴だな、と軽い口調で言う。 それから、少し真面目な顔をして拓海を見た]
(248) 2019/06/13(Thu) 00時頃
|
|
……拓海。俺、さ。
葉子があのメールの送り主だったら どうしようって怖くなってる。
死んでいい、ってあいつ言ってた。
[そのときはまだ、灰谷のマネキンはここへは 運ばれてきていなかったはずだ]
(249) 2019/06/13(Thu) 00時頃
|
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俺にも、人並みに罪悪感とかあったんだな。
[自嘲気味に笑って、 体育館を後にしようとするだろう]*
(250) 2019/06/13(Thu) 00時頃
|
R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 00時頃
|
―― 食堂へ ――
おい、ちょっと待てって。
[くるりと踵を返して 体育館から去る拓海を追う。>>251 俺は昔から、こいつの背を追いかけてばかりだ。
途中、葉子や京輔や颯太とすれ違った。
意気地なしの俺は 葉子と視線を合わせることができなかったんだ]
(263) 2019/06/13(Thu) 00時半頃
|
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[食堂の扉をばたん、と閉める音。 俺のすぐ脇の壁に伸びる拓海の手。>>252
ひょっとしてこれは 壁ドンというやつをしたいのだろうか。 身長差がありすぎて様になってないけど。
いつもなら茶化すところだが、 珍しく拓海が真面目な表情をしていたので 俺は黙って拓海の言葉>>252に耳を傾ける]
(264) 2019/06/13(Thu) 00時半頃
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だって。 ひとりにしてほしいって言われて。 明確に避けられて。 これ以上どうしようもできないだろう。
……俺は、もうあいつの彼氏じゃない。
[後ろめたさから、 その声は消え入りそうなものだった。
おかしいな。馬鹿どもには興味なかったはずなのに]*
(265) 2019/06/13(Thu) 00時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 00時半頃
[灰谷彩華はあの校舎(せかい)のどこにもいない。
――と、言うのは、間違いないらしい。
盛大に階段落ちした状態で残るのとどっちがよかったんだろう、
なんて、ことは、……考えない。
のろのろとソファーから身を起こす。とたん、額に鋭い痛みが走って顔をしかめた]
……、ん、何……?
[触ってもよくわからなかったので、
洗面所の鏡の前に立って、前髪をかきあげる。
額にはたんこぶができていて、見るからに赤く腫れていた]
…………。
[一瞬心当たりのなさに呆然としたイロハだったが、
心当たりに思い至ればそれはそれで呆然となった]
まさか、……帰る前に頭ぶつけたから……?
[精神世界のしくみはやはりよくわからない。
とはいえ痛いのは確かなので、家にある救急箱で応急手当をした。
消毒液をしみこませたガーゼを傷口にテープで止める。
前髪をいつも通りおろせば多少は隠れるが、
それでも明るいところでは見えてしまうだろう]
[手当てを終えてリビングに戻ってくれば、
何気なく部屋着のポケットの中のスマホを取り出す。
何分か前の、通知。
トークアプリの方に新しい通知が来ていたようだ]
アイちゃん……!
[何、ていったらいいんだろう。「おかえりなさい」?
そうやって返信の第一声を考えていたイロハだったが、
送られていたメッセージの内容を見て小さく息を呑んだ]
え、 うそ、なんで……
[養が病院に運ばれたって。血まみれだったって。
思わずイロハはつけっぱなしのテレビを見たが、
ニュースはとっくに終わっていた。
だからとりあえずテレビを消して、スマホをいくらか操作して、
それから相原にメッセージを送った]
『わかった。あたしも行く』
『それとメール来てた?』
『きてなかったよ』
[……察しはいいと思ってたよアイちゃん。
というのはさておき、そう。
はじまりの時間に、3年7組の教室にいた面々に関初入れずに送られていた、
遺書じみたメール。
それが、今手にしているイロハのスマホには届いてなかった。
相原のところにもきてなかった。
だから―――だから、
つまりは送信できなかったのでしょうか。
考える、それはじたばたして動けないことに他ならない。
だから、自分の部屋からコートとマフラーを引っ張り出して、
ふつうに、家を出た。
母宛てのメッセージは何も残してはいなかったが、
……まあ、別にいいさ、必要以上に怒られたって**]
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―― 食堂 ――
[馬鹿に馬鹿と言われた。>>271 普段なら激昂をするところだが、 今の俺は拓海に自信なく言葉を返す]
誰だって、傷付きたくはない。だろ。 逃げることの、何が悪いんだ。
[逃げるために、宮古に救いを求めて 自分を傷つける俺を、否定された気がして。 俺は苦しげに呻くだろう。
――本当は、拓海が正しいって分かってるんだ。
拓海を見下ろす俺の瞳が、揺れる]
(279) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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……それは。
[痛いところを突かれて黙り込んだ。>>273
俺は、性格の悪い人間だ。 だから馬鹿がどうなろうと構わないし、 勝手にひとりで死んでろと思う、はずなんだ。
けれど、ああ、認めなければならない。
俺の心は、葉子の死を背負えるほどに 頑丈にはできていない]
(280) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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責任って。 もう別れた彼女に対して、か。 お前、重すぎだろ。
[苦し紛れに、鼻で笑ってやる。 心が痛くて痛くて堪らないのに、 傲慢で高飛車な態度で、すべてを覆い隠そうとする。
責任。そんなものは背負えない。 人の生き死にだなんて。 無理だ。俺は潰れてしまう。 自分のことで、精一杯なのに。
きっと俺の声は、震えていた]
(281) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[誰かに置いて行かれるのは、嫌なんだ]
(282) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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・・・・・ [でも、どうすればいいのか分からない]
(283) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[くるりと踵を返す拓海の背を追う資格は 俺にはなかった。>>275
いつも俺を甘やかしてくれるはずの幼馴染は、 俺に幻滅したような眼差しを向けてくる。 胸が、苦しい。呼吸が荒くなる。
――お願い。置いて行かないで。
脳裏に過ぎった幻聴は、 餓鬼だった頃の自分の声だった]
(284) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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……くそったれ。
[糞なのは俺だ。俺自身だ。 くしゃりと前髪を掻き上げる。
誰もいなくなった食堂に、たったひとりきり。 寂しくて寂しくて仕方がなくって 俺は膝を抱えて、しばらく俯いていた。
いっしょにあそぼ、と 俯く俺に公園で声を掛けてくれた幼馴染は もうここにはいない]
(285) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[なあ、宮古。 俺は全部お前に渡してしまいたいよ]
(286) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[……でもきっと、もうそれは許されない]**
(287) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 02時頃
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[高飛車で、傲慢で、お高くとまって。 それが高本悟という男だ。 ずっとずっと、そうだったじゃないか。
――拓海は、よく知っているだろう]
(325) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[いつまでって、言われても。>>289 そんな俺でも受け入れてくれるお前に 俺は甘えきっていたんだ]
(326) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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―― 現在 / 図書館 ――
[そのあと、食堂で何を食べたかは覚えていない。 ただ、紙粘土を食べているような感覚に ひどく吐き気を感じたのは覚えている。
この傲慢さも、プライドも すべてを捨ててしまえばいいのは知っている。 けれど性格の悪い俺は、 そう簡単にそれを手放すことはできないんだ。
――誰かに全てを渡してしまえるのなら。でも。
ふらり、と俺は食堂を後にする]
(327) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[俺は誰かに甘えてばかりだ]
(328) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[次に俺が足を踏み入れたのは、 陽気な文化祭の装飾が施された図書館だった。 そこで汁粉を飲む彼女>>262の背に、 俺は穏やかに声を掛ける]
……宮古。
[努めて冷静さを心がけようとして]
ペット候補、卒業させてほしい。
[きっと俺は、泣きそうな顔をしている]
(329) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[俺も宮古を利用している、だなんて言い訳だった]
(330) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[きっと、このままお前に甘えていたら 俺は本当の屑男になってしまう]**
(331) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 17時頃
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―― 図書室 ――
[そっか、と気の抜けたような返事が 俺に返ってきた。>>339
あまりにも彼女は いつもと変わらぬ様子で。 本当に、普段通りで。
息を飲み、二の句を告げずにいると、 俺の頬に宮古の指先が触れる。
思わず、目をつむった]
(361) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[一瞬、そのまま叩かれたいと願ってしまった]
(362) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[心の奥底で、彼女からの罰を望んでいた]
(363) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[けれど、彼女はあっさりと頷く。 まるで何ということもないというように。 いいよ、とただ一言を発する。>>340
――だって、俺はただの“候補くん”。 ――穴埋めのための代用品。 きっと俺は不甲斐ない顔をしているのだろう。 もう、彼女に甘えることはできないのだ。
あの居心地の良い時間は、 きっと2度と訪れない]
(364) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[きっと俺は、宮古に依存していた]
(365) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[頬に宮古の両手を伸ばされる。 ひんやりとして、気持ちがよくって 俺は思わず目を細めたんだ。
――きれいな人だ、と思った。
宮古が背伸びをすれば、 吐息がかかるくらい近い距離に、彼女がいて。
俺の額に口付けは落とされる>>341]
(366) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[これが、本当に最後なんだ]
(367) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[置いて行かれるのは、1番嫌いなのに]
(368) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[バイバイと、踵を返す宮古を見遣る。
俺を置いて、図書室から そのまま出ていこうとする彼女を]
ありがとう、宮古。
[堪え切れずに、声を振り絞った。 その声音は嗚咽にも近かったかもしれない]
(369) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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きっとこのままでいたら、 俺は本気でお前に惚れてたよ。 “候補”じゃ我慢できないくらいに。
(370) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[宮古がそのまま、振り返らずに この図書室を出て行ってくれることを 心の底から願っていたんだ。
この泣き顔を見られるのは、 俺のプライドが許さなかったから。
きっと宮古には、全てお見通しなのだろうけど]
(371) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[愛も恋も分からない俺でも、 これだけは言い切ることができるんだ。
……こんな歪んだものは、きっと愛じゃない]**
(372) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 21時半頃
てんとうむしのお世話をして
おともだちと笑いあった時間
なんてことない賭け事をして
勝った負けたと言い合う日常
自分たちの持つ物を活用して
一つの形に仕上がった文化祭
楽しかった 本当に
心の底から笑うことが出来て
それは確かな しあわせ で
たった一つの嘘が忍び込む
嘘はやたらと存在を主張して
楽しさの傍らに立っている
光があれば影が生まれるみたいに
それは しあわせと隣り合っていた
しあわせだよ って
語り掛けるようなゆるい顔
ふわふわの可愛さは
嘘なんてないしあわせを
伝えてくれたことでしょうか
────そんなこと 知る由もない
──── →病院 ────
[ 疲れる、って、感覚は無かった。
ばくばくと鳴る心臓が、
走り続けたせいなのか、
報せのせいなのかわからない。
街の、病院。
養が運ばれたらしいって其処を仰ぐ。
荒く吐き出す息が広がって、
凍えるような冬が 身体を冷やしていく。 ]
[ 待合室で待つことになるか。
身内ではないから、迷惑かもしれないけども。
病院の前。息を整えていたら、
やがて、誰かの足音を聞くこととなるのだろう。
クラスメイト。
あの冷たい校舎にいた仲間。
その姿を見つけたら、少し瞠って。
よ、と。片手を緩く、 持ち上げる。 ]
……灰谷。
養のこと、聞いて、か?
[ あの校舎のことは、
夢か現かも曖昧で。
吐き出せた言葉はなんだか、
不器用な形をしていた。
問うて、また、病院を見る。
相原もそろそろ、来るだろうか。
宇井野は誰が来るのかもわからないし、
養が血まみれだって理由もわからない。
だから、わからないだらけの声は、
どこか曖昧な色を、していたことだろう。 *]
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―― 図書室 ――
[宮古の出て行った図書室に、 俺はたったひとりきり]
ハンカチ、返さなきゃな。
[制服のポケットに、 その清楚なハンカチ>>391をしまって 大きなため息を、吐いた。
壁に凭れかかって そのままずるずると床に座り込む。 くしゃりと前髪を掻き上げる]
(403) 2019/06/13(Thu) 23時頃
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本当に、格好つけさせてくれないんだよな。 ……甘えたく、なるだろ。
[結局、泣き顔を見られてしまった。 最後の最後まで、彼女の前では 俺は情けない男だった]
ずるい、よなあ。
[声はまだ震えていて。 ぼうっとした瞳で、しばらく天井を見つめていた]
(404) 2019/06/13(Thu) 23時頃
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[視線を、机の上のお汁粉の缶>>343に移す]
捨てに行かねえと。
[彼女からの最後の“命令”。 ペット候補としての最後の仕事をこなすために、 俺はようやく立ち上がった]*
(405) 2019/06/13(Thu) 23時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 23時頃
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