231 自由帳の中で、僕たちは。
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―夢の話―
[おれはなぜか学生になっていて、寮に一人で住んでいる。 今は夜だろうか、暗くて寒い。 誰もいない部屋、しかし背後から音がする。 すぐに振り返るが誰もいない。 何か、トレイル[[who]]の髪の毛のようなものが落ちている。
やばい、これはヤバイ。
逃げようとしたところで気付く。 真後ろに、何者かの気配。 いつのまにか落ちてきた雨粒は窓を叩き打ち付ける。 逃げるためには振り返らなくてはならない。 しかし、振り返ったら終わりだとわかっている。
わかっているのに、ゆっくりと振り返ったその時。
息のかかるほど近くにサミュエル[[who]]の顔があった――]
(0) 2017/12/19(Tue) 08時頃
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んああああああああああああああああ!!!!!
(1) 2017/12/19(Tue) 08時頃
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―朝―
はぁ、はぁ、なんだ、まったく
[どこかで観たことのあるようなB級ホラー映画みたいな夢を見た。 まったく、なんであんな夢を見たんだ。 明日はいい日になるんじゃなかったのか、土岐 宇佐一…!! 心の奥で全く関係ない土岐にやつ当たる。
時計を見れば起きるには少し早い時間だが もう一度寝なおそうという気分にもなれず。 仕方なく早めの支度を済ませ、おれは徒歩通勤に繰り出した。 いかんせん寒いのでマフラーを巻いて、ポケットにカイロを突っ込む。 玄関のドアを開けるのに一瞬躊躇したが、一瞬だ、一瞬。
ドアの向こう、広がっていた空模様は――**]
(2) 2017/12/19(Tue) 08時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/19(Tue) 08時頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/19(Tue) 08時頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/19(Tue) 10時半頃
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─朝・図書館─
[教師の朝は早い。 今はまだ生徒が来るような時間ではないし、 なんなら教師も疎らにしか来ていない。 おれは自分の息で眼鏡を曇らせながら、鍵を借りて図書館の扉を開けた。 学校側と謂えどこんな早くに鍵を開けることも早々ないが 忘れ物をしたと謂えば、眠そうな浅見先生にすんなりと鍵を貸してもらえた。
当たり前だが、幽霊でもいない限り自由帳への書き込みが増えるはずもなく。 あまりに寒くて長居する気もない。 ノートを手に取るつもりはなく、しかし図書館の隅に向かう。
手にはコンビニや購買のものとは違うビニール袋。 中には小さめの鉢がひとつ。]
(3) 2017/12/19(Tue) 15時頃
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加藍菜、学名は「Kalanchoe」。 多肉・短日植物。
[薄い赤に彩られた小さな花がたくさん咲いている。 昨日の帰宅の頃、立ち寄った花屋で買ったものだ。 時期が時期だけに、鉢の中に小さなサンタクロースのピックがささっていた。
淡々と言葉を溢しながら、その鉢を窓辺に添える。 それはとてもいい意味の言葉をたくさん持つということを 教えてくれたのは、一輪の花だった。
──だめだ。 なんだかここ数日、思い出すことが多いな。 花が何よりも、その証拠だ。]
(4) 2017/12/19(Tue) 16時頃
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[花なんて似合いもしないもの、 誰かに見られたら何を謂われるか。
でもまあ。 なんつかまぁ。 置きたい気分になったんだから。 誰かと共有してぇって思ったんだから。
──りさ、いいよな?]
(6) 2017/12/19(Tue) 16時頃
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[ふ。と。 おれの柔らかな笑顔を知るのは 加藍菜と、ちいさなサンタクロースだけ。
朝の準備でもするかね。 先ずは寒いから職員室で熱いほうじ茶でも飲もうか**]
(10) 2017/12/19(Tue) 16時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/19(Tue) 16時頃
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─職員室─
[長期の休みに出すための課題をつくったり。 担任ともなればやることはそりゃあ多い。 ほうじ茶をちまちま飲みながら、パソコンの画面を開く。 ブルーライトカットの硝子板が画面の光を反射する。 そう追えば今年の夏はどんな課題だったかと、過去のデータを参照していた。
そういえば去年になるが、夏辺り。 入江の噂を耳にしたことがある。 相手は同じ寮、同じ、男。 入江をよく構っていた安藤という男は、入江の呼び出しの時もよく部屋の前で待っていて 入江よりもおれに頭を下げてくるような奴だった。 二人に合うことが必然的に多いおれは 噂好きの生徒や時には教師の質問攻めにあったものだ。 ひどいものでは「指導室貸してやってるのか?」なんてのもあった。]
アホか。
[どんだけ自由な校風だろうが流石にねぇわ。]
(11) 2017/12/19(Tue) 22時半頃
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[人の噂も七十五日、やがてそれもすぐになくなったが。]
おれが知るかよ。
[聞いてくる連中はそう謂ってあしらった。 いや、だってほんとに知らんし。 んなもんおれにじゃなく直接聞けよ。
おれからみれば、仲の良い先輩と後輩にしか見えなかった。 もしかしたら二人がそういう仲だったのかもしれない。 或いは片方が想いを寄せていたのかもしれない。 おれはそういうのに鈍いらしいから、わからんし詮索するつもりもない。 日々楽しそうだし、それでいいじゃねぇか。
“噂”なんて。 大抵、人を傷付けるもんでしかねぇだろ。 真実であれ、虚偽であれ。]
(12) 2017/12/19(Tue) 22時半頃
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『淵佳徹は教え子に手を出した最低な教師だ』
[そんな噂、もうこの学校に居る生徒で知るものは殆んど居ないだろう。 此処に赴任される前の、幾分前の話だ。 噂の真偽は結局明らかになることはなかったし、 だからこそ、今はこうやって生徒指導なんかまで任される身になっている。
人の記憶は風化していくものだ。 “噂”は風化すべきだ。
でも、消えないものは誰にだってある。 消せない、ものも。]
(13) 2017/12/19(Tue) 23時頃
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……謂いたいこと、あったんじゃねぇかなぁ。
[おれは、あった。 でも、謂わなかった。
入江はどうだったんだろう。 ただ笑ってばっかりで、あいつはそういうとこ謂わないし見せない。 一昨日指導室に呼び出したときもだ。 あいつは明らかに、おれから逃げた。
逃げた先に、あいつが吐き出せるような場所があるなら たとえば友田であったり、佐藤であったり、 古雅であったり、三笹であったり。 副担任の木島先生だったり。 つるんでるちょっと癖ある奴らでもいい。 逃げ込む場所があるなら、いいんだが。]
(14) 2017/12/19(Tue) 23時頃
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はぁぁぁぁーーーーー。
[眉間の皺が深くなっていた。 大きな溜め息を吐き出したら、隣のクラスの担任に心配されてしまった。 大丈夫ですと手を振って返す。
ガシガシと頭を掻いて、頭の中よりもパソコンと向き合おう。 誰か髪ゴムとかもってねぇかな。 ねぇか。ねぇな*]
(15) 2017/12/19(Tue) 23時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/19(Tue) 23時頃
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なんすかジェニファー先生、きゃーきゃー… え? ゆき??
[今日とて胸ぐらの開いた服を着ている、かの女史が なにやらきゃーきゃーしている。 曰く、雪が降っているとのこと。 窓辺を見れば確かにさらさらとした粉雪が降っていた。]
おー、まじだ。 雪とかテンションあがりますよねぇ。
[おー。とか、わー。とか。 地味におれのテンションはちょい上がってるんだが 「ならもっと楽しそうに言ってください」なんて謂われた。 少しはあがってるんすよ、これでも。]
(27) 2017/12/20(Wed) 01時半頃
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[雪が積もりそうなら、授業は自習にして遊ばせてやるかなぁ。 息抜きって必要だろ。 一昨日だかの帰り際、佐藤にも同じようなこと謂ったところだし。 そういえば変なタイミングで訊いてしまったことだったが。 あれから“もっと仲良く”してんだろうか。 だと、いいなー。とか思いながら。]
あ、先生髪ゴムもってません? いやぁ、ちと伸びすぎてて邪魔で。 シュシュ? しかない? いいですよ、髪留められりゃなんでも。
[ほわほわ素材のぴんくなシュシュをゲットした。 似合う似合わないじゃねぇ、髪を留めときたいだけだ。 後ろにピョコンと尻尾を作って、シュシュでゆるく留めた。]
(28) 2017/12/20(Wed) 01時半頃
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[昨日から突然馴れ馴れしすぎるか? と思わないこともなかったが、一通メールを。
まだ姿を見てない気がするのだが もしかしたら職員室で会ってないだけなのかもしれない。 別の教室に居る可能性も大いにあるが まあ、念のためだ。 ぱぱっと打ったのでひらがなが多くなってしまったが 無意識なので気づかないまま。
さて、あと少ししたらHRにでもいこうかね。 今朝は赤と斑頭の不良達の顔を見ることが叶うかわからないが*]
(29) 2017/12/20(Wed) 01時半頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/20(Wed) 02時頃
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え、あの人、原付で来る気…?
[メールを送ってすぐ、割りと早いタイミングで返信が来た。 原付と手袋が写りこむ雪の写真。 おいおい大丈夫か、スリップしないか?こわくねぇか?
雪道で スリップ横転 すってんこ ボロボロで来る 木島先生
なんて短歌は勘弁願いたいもんだ。 いやぁなんてひどい、10点。 土岐宇佐一の足元にも及ばない。]
(48) 2017/12/20(Wed) 16時頃
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[なにか返そうかと思っていたが、ひどい短歌の呪いにかかってしまって 結局すぐ返せないままHRの時間になった。]
あーい。はよー。…うーっす。
[今日もすれ違い様に生徒と挨拶(?)を交わす。 廊下も教室も実に寒い。 おれのクラスにもちらほらと風邪や熱などで欠席が見受けられた。 こんなに寒けりゃ風邪も引くわな。 雪降ってんのに、なんか残念だなぁ。]
一限目自習にすんぞー。
[積もりそうにない粉雪なのも残念だが。 ふと視線だけで生徒の調子を確認するが 友田の顔は果してどうだったか*]
(49) 2017/12/20(Wed) 17時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/20(Wed) 17時頃
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[自習の間、もう一つメールが届いていることに気付く。 文面にふと唇の端を上げたが、端から見れば薄ら怖かったかもしれない。
うん、そうそう。 わかってくれる人がいて、嬉しく思う。
反面それは、忘れていた――忘れようとしていた ここ数日の冬の幻を思い起こす。 自分の傷をじくじくとえぐるような。]
アホだな…。 自分で置いたんだろがよ。
[一転、眉間に寄せた皺は少しばかり深く。 それも一瞬のことだったから、生徒には見られていないと思いたい。 とんとんと画面に触れて返事を打つ。]
(51) 2017/12/20(Wed) 20時頃
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[添付されていた写真には、花と、あわてんぼうのサンタクロース。 返信を打ちながら、すっとぼけようかとも思ったが 嘘をつくのは好きじゃない。 別に図書館に行くことも、自由帳に書き込むことも 隠しているわけでないのでそのまま送信して。]
ん?
[あんな図書館の隅にちょこっと置かれた花なんて 普通に用事があるだけでは気付かないよな。 もしかしなくても、木島先生もあの自由帳を使ってるのか…? とまで考えて、一限目を終えるチャイムが鳴った。]
(52) 2017/12/20(Wed) 20時半頃
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[二限目は問題の三笹、古雅のクラスだったが 思った通りどちらもおらず。 おれの眉間の筋肉に休みをくれ、まったく。]
ったく…評価下げるぞあいつらは…。
[ぼやいてみても、仕方なく。 数名欠けた二年の教室で授業を滞りなく終わらせた。 そして昼になり、いつものように購買に行って 今日は『激辛やきそば』と書かれた真っ赤な四角いパッケージと 大きいのに安いシュークリーム、ほかにも少し買って指導室に向かった。]
(53) 2017/12/20(Wed) 20時半頃
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―指導室―
[今日は誰を呼びつけているわけでもない。 が、まあおれはよくここにいることが多い。 職員室は省エネの魔法で寒いし、ここなら自分で空調を好き勝手出来る。 こんなふうに、たまに窓を開けて煙草を吸ったって まあ…怒られたことないし。 あと一つは――]
……まぁ、来んわな。
[呼んでないのだから来るはずもない。 細い煙草に火をつけて、息を吐きだす。 白い雪が落ちてくる空に相反して、紫煙が空へと上って消えた。]
(59) 2017/12/20(Wed) 20時半頃
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[去年の“噂”の辺りからにはなるが 比較的、この指導室にいることを意識的に続けていた。 あいつの――誰に対してもだが。 だれかの駆け込み寺になるなんてまっぴらごめんだったが 此処の扉は大抵開いていた。 誰か来ようが、来まいが。]
さっぶいなー。
[部屋が? おれが? 勝手に自分の過去と重ねて。 『教師と生徒の恋愛』、『障害のある恋』。 入江がジェニファー先生に向けるものが本気でないとわかっていても すでに何度も告白をして振られているということは “あの入江が”というように、風に乗って耳に入ってくる。 だから謂わずにいられなかった。 「考えろよ」――と。
将来を、未来を。]
(60) 2017/12/20(Wed) 21時頃
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[未来を謳いながら、心は過去に置き去りのまま。 指導室の窓から外を見る。 此処から校庭をみても、花壇なんてなくて。]
眼鏡が曇ってんなぁ。
[自嘲をこぼしながら、曇り一つない眼鏡を拭いた。 熱いほうじ茶と、激辛焼きそば、シュークリームを平らげて。 もう一つ買ったカレーパンは、そのまま机の上に置いた。 付箋に「ひるめし」とだけ書いて張り付けて、机の上に置く。 野良猫がやってきて食うかもしれないし、食わずにそのままかもしれない。
指導室に貴重品なんてものはない。 施錠しようがしまいが、任されたおれの勝手だ。 帰る前にはもう一度くるし、と。 暖房をつけたまま、鍵もかけないまま、そこを出た*]
(61) 2017/12/20(Wed) 21時半頃
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―昼過ぎ・図書館―
あ、浅見先生。 蛍光灯どうです?
[丁度佐藤とはすれ違いのように、昼過ぎごろに図書館に来た。 朝、用務に蛍光灯のことを話しておいたから交換に来たと思うが確認のためだ。 チカチカしていたところはすっかり明かりを取り戻している。]
はい? あー、あれですか? 『加藍菜(カランコエ)』ですね。 多肉なんでそんな水やらなくていいんすけど 短日植物なんで、夜暗いとこに置かないとだめです。 まあ、図書館は夜電気落とすんで大丈夫じゃないっすかね?
[おれが理科教師だったからだろう、あの花は何て名前なのかと聞かれ 簡単な育て方も一緒に教えておいた。 だってこの人あんまマメに世話しそうにねぇし。]
(62) 2017/12/20(Wed) 21時半頃
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三年の佐藤がきいてきた? へぇ?
[どうやら図書館に佐藤がきて、あの花の名前を聞いていったらしい。 図書館の棚の上のところの掃除とか任されてたりして、なんて 数日前に部室の棚の上を掃除していた佐藤の背中を思い出した。
これといって深くを考えないおれの脳みそは 土岐宇佐一が佐藤喜一のアナグラムだなんて思いつきもしないし あいつ本好きそうだもんなーとか、そんな程度だ。 そんなだから、綺麗な字が受け持ちの生徒のものだということもわからない。
気付かないようにしているのかもしれない。 『自由帳』のなかは、現実と切り離された世界だと そう、思いたいからなのかも、知れない。]
(63) 2017/12/20(Wed) 22時頃
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[自由帳のページを捲った。書き込みは増えている。
薄赤の花を差し出す、Rの猫のイラスト。 にせささみの天気予報。 土岐の新しい短歌を見て、口の端を上げる。 おれが知る、“この鉢を見て喜ぶ二人目”だ。 勝手に喜んでくれていると思ったが、間違ってはいないだろう。 名前を問う書き込みが添えられていたが、おれがそれに答えるのもこっぱずかしい気がして。]
(64) 2017/12/20(Wed) 22時頃
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おおゆき、いいな。 おれは、ゆきだるまがみたい。
“F”
(65) 2017/12/20(Wed) 22時頃
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[珍しく日中に書き込みをしてしまった。
浅見先生には軽く会釈をして、図書館を出る。 さて、そろそろ午後の授業だが。 次のクラスはどこだったか**]
(66) 2017/12/20(Wed) 22時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/20(Wed) 22時頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/20(Wed) 22時半頃
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―放課後・指導室―
[授業で雪の結晶がどうやって出来るのかなどを教えて、時が過ぎる。 気がつけば放課後にもなっていて、一日の流れの速さを感じた。 子供は知らないことばかり、新しいことばかりが起こるから 一日や一年が大層長く感じるらしい。 逆に大人は新鮮味も発見もなくなり、毎日を繰り返すから 一週間も数年も幾分早く感じるのだ。
指導室に向かえば人はおらず。 そこには『ひるめし』と入れ替わるようにして置かれたクリームパン。 辛いものが甘いものに変わっていた。 どうやら野良猫が置いていったようだ。]
等価交換?
[見返りなんか求めてなかったが、律儀なやつだ。 熱いほうじ茶をいれて、クリームパンを食べながら残りの仕事に向かう事にする。]
(85) 2017/12/21(Thu) 01時半頃
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[そろそろ提出しなければならない書類の中に、二年の斑模様の名前を見つける。 赤いのといい、こいつといい、今日も出席してなかった。]
はー、まだ古雅はいい古雅は。 授業寝てたり居なかったりで赤点なのは、困るけど可愛いもんだ。 三笹はいかん。 あいつは出席してねぇのに成績がいいときたもんだ。
[あいつはなんだ、おれに恨みかなんかあるのか。 生徒も、全学年あわせると相当な数いるし 勿論その中にはおれの事嫌ってるやつもいる。 三笹もそれか、その部類なのか。
吐いた溜息はそう軽くはない。 渋い顔で書類にチェックを入れた。 これが担任に回れば、彼らはめでたく冬休み補習組の一員となるだろう。]
(86) 2017/12/21(Thu) 01時半頃
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―図書館―
[仕事を終えた頃には、もう日も落ちていたか。 自由帳の中身を確認する。 ライの書き込みが増えていた、土岐みたいになりたい、と。 いつも隅に書く、ライ。 名前は書いてなかったが、昨日の「大人になりたくない」も もしかしたらライのものかも知れないな、と。
何か書き足そうか考えて、シャーペンをくるくると迷わせた。]
(87) 2017/12/21(Thu) 02時頃
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-・ ・-/ ・ ・・- ・・ ・/
ときのたんか、かっこいいもんな。 あーるやひよこみたいに、 えがかけるのも、うらやましい。
“F”
(88) 2017/12/21(Thu) 02時頃
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[雑に消したから装飾にしようとした部分が少し残ったが、まあいいだろう。
ライの他にも書き込みが増えていれば目にしていた。 それを見ればなにかしの反応が自分の中ではあったが 今日、ノートには残さないまま。
偽ささみの予報が当たるのかどうか。 また、冬子の反応も楽しみにしつつおれは学校を後にした**]
(89) 2017/12/21(Thu) 02時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/21(Thu) 02時頃
地下軌道 エフは、メモを貼った。
2017/12/21(Thu) 14時頃
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