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[手を掴めば不思議そうな顔のセイルズさん。
わたわたと顔を赤くして。
聞かれた事にうぅと唸って俯くの。
だ、抱きしめられた時は温かくて、安心して…
私、好きですわ。
でも、胸を触られるとドキドキして……
えぇっと、すごく、すごく、困ってしまいます、わ。
だってセイルズさん。
男の人、なんですもの……、
[私もよく子供や女の子を抱き締めてあげてたから。
だから、それは素敵な事。
でも、胸を触られると男の人を意識してしまう。
だから、すごくすごーく困るの]
[でも、セイルズさんが呟く言葉が。
そんなに名残惜しそうに言われると、
私も困ってしまうわ。
お話してる時の柔らかなセイルズさんの顔を思い浮かべると、余計に!
だから、少し悩んで。
そうして困ったように微笑んで]
……もう、仕方のない人。
恥ずかしいけれど、でも。
紳士でいてくれるなら、触ってもいいです、わ。
[おずおずと、掴んでいた手を胸元にそっと置くの。
まだ恥ずかしいけれど、でも、温かい。**]
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[
その手の動きが妄執とも言うべき狂気に浸透してくる。
その微笑みがノッカを求める心を強くする]
ええ、愛してください。
自分もノッカを想っていきますから。
[
「暫く」の間だけは時間はいっぱいあるのだから、
愛しあいたいと想っている。
微笑んでくれている唇に口づけて、
見上げて頷いてくれるのを確認すると自分は手指を動かして着ているふわもこのパジャマを脱がしてしまう。
うさみみのフードを揺らしながらノッカを下着姿にしてしまい、
自分もまた上半身をはだけると再び手を握り、
もう一方の手でノッカの肩へと触れた]
ノッカ――昨日の痕が残ってますから――
[肌を見れば昨日口づけで残した痕がいくつもいくつも残っていた。
自分はノッカの瞳を覗きこみ、キスをする]
今から、上塗りしてしまいますね。
[キスは唇だけではない。
次はノッカの喉元へと唇を触れて、
愛おしそうに、ちゅ、と吸う。
キスは昨日の痕の上を、一つ、一つ、丁寧に。
愛したい存在の肌を、啄んでいった*]
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[ぼんやりとした視界の中。
彼がナイフを奪った。
元より体力差のある相手。
本気で掛かってこられたら抵抗なんて出来ない。
血の不足している今なら尚更。
それに、目的はもう叶ったから。
その心を手に入れるのは諦めた。
彼の心は子供達のものだ。
だからせめて一つになりたかった。
中途半端な形だけどそれは叶ったから。]
[どんなにそのナイフが切り裂いても。
あなたの中に入った私は消えないわ。]
うん、バカだねぇ。
ほんとうにバカで困っちゃうなぁ。
だってピスティオは生き続けなきゃ。
そうじゃないと、
私が生きられない。
[朦朧とした意識の中。
手を伸ばせばぬるりとした感触がした。
手で抑えて止血を試みるけど。
止まっただろうか。
ナイフがあればシーツを切り裂いて包帯にして。
強く縛って血を止められるのに。
流れる血と共に体温が失われていくようで。
私の手が震えて、歯がカタカタと鳴った。
私は食べられたいの。
死んでもいいの。
だって一つになったら生きられるもの。
それがしあわせね。
そう信じていたけど。]
[ピスティオから流れる赤。
鮮烈に目を焼く赤に震えが止まらない。
私は自分が死んでも。
ピスティオが死ぬなんて事。
ちっとも考えてなかったから。
怖くて怖くて。]
……ひぅ、やだ、やだ……止まって。
[泣きながら流れる赤を止めようと必死で。
やがて縋り付いて泣きじゃくる。
まるで子供のように泣きじゃくって。
何度も何度も繰り返した。
死なないで。
お願い死なないで*]
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[ああ、きっと頭が回ってない。
愛憎から真逆に位置した無関心を装おうとも、
最も遠いわけではなく、ただの紙一重。
遠い意識は冷たくなっていく気配がする。
頬には熱い感触が未だ残っている。
何でこんなことをしたのかな、と、
考えるのも億劫だったのに薄れた視界で泣く光景に、
手を伸ばして指で触れ、その濡れた輪郭を撫でた]
むり、だろ
[唇だけの動きで通じただろうか。
或いは声に出せてたかもしれない。
だが、圧迫の苦痛で押し出された息は、
煙で燻されたせいで、未だ掠れたままの音だ]
イルマ、お前さぁ……
[足どころか手がそれ以上動かない。
頬に触れた指を大人しく落とした後は、
掌を押さえつけ止血するイルマを眺めて、
彼女の好きにさせていた。
痛いと文句をいうべきだろうが、
少なくとも切った時点で相当だったし、
何よりその苦痛が、
今にも落ちていこうとする意識を縫い止めている]
ほら、俺が……
俺が怪我しても、痛いだろう……?
[夢見心地のような囁きを吐いて、
イルマが指先に巻いていた包帯を思い出す。
それを咎めるように、心配した言葉も。
彼女の思想から考えるなら、
血か肉を何かに使った痕跡なんだろうな。
でも、サンドイッチは美味かった、
まるでキングスにでもなったかのようで、
人間を食べる気持ち悪さは未だ渦巻くが、
彼女が作ってくれた料理が美味かったのは事実で。
でも、食われるのが幸福というなら、それは]
俺は、痛くて……それが嫌…、 だった
[幾分かはっきりした否定を繰り返して咳き込んだ。
圧迫の苦痛が傷の苦痛に返ってきている。
熱持つような痛みになっているのは、
神経は未だ無事ということだろうか──まぁ、今更だ。
大事なのはそうではなく流血による冷感が弱まり、
体温を感じる痛みが戻っている事だったが口にはしない。
彼女が自らそれを冷静に悟るまでは、
死にかけの自分で意識を引いておくしかなく、
実際治療を止められれば危ない気はする。
そのつもりで意地を通し、意地を殺したのだし]
一緒に逃げるんじゃなかったのか。
そんな一緒じゃ、ダメ、だったのか……
[呟きは部屋に響くほどには大きくなく、
傍らに届くだけの小さな音で内緒話のように。
招集日をすぎれば孤児院に添った男は街から消える。
それじゃあダメだったのか、そんな問いかけを]*
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[
下着しか纏っていないことが恥ずかしくて、
ちいさく身じろぎをした。
昨日は目が合えば恐ろしかったのに、
今日は、なんだか照れくさい
照れを隠すように、すこし、はにかんで]
…… ん、
[ああ、こんなに痕がついていたんだ。
そーさんの唇があたしの肌に触れる度、
心臓がドキドキする。
身体は次第に火照ってきて。
お腹の奥もじんわりと、熱を持ち始めた*]
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……痛い?
針、痛かった?
ごめ……ごめんなさい。
わ、わたしうまくなったと、思ってたのに。
[息をしゃくりあげて。
泣きながら謝る。
脳内が支離滅裂で上手く言葉が拾えないし。
思いも言葉に出来ない。]
いっしょににげる?
にげられるの?
だって、お父さんもお母さんも。
お兄ちゃんだって。
私を置いていったのに。
どうして一緒に連れていってくれなかったの?
[うう、と低く呻いて。
涙は止まらない。
大事な人は生きるだろうと思っていたのに。
死にそうで。
目の前で命が零れそうで。
今は冷静でいられない。]
みんな置いていくから。
わたし、置いていかれたくないから。
だからこうするのがいいって。
そう思ったのに。
[目の前の彼は。
私のせいで死にそうで。
私は何をしたんだろう。
何をしてるんだろう。]
わたし、ただ好きなだけだったんだよ。
それだけ。
それだけなのに、
ごめんね。
[泣きながら少し頭が冷えてきて。
青ざめた顔をしながら。
ナイフを手に取って自分のシャツを切り裂いて。
そして出来た布切れで彼の腕の根元を縛った。
鎮痛剤と化膿止めと。
あときっと熱が出るから熱冷ましと。
飲ませないといけない。
立ち上がろうとして。
私は地面がぐるぐると回る感覚がして。
くたくたと崩れてベッドに上体を伏せる。]
一緒に逃げて、くれるの……?
[だって私より大事なものがあるでしょう。
なんて呟く唇は弱々しく。
ぐるぐると回る世界の中で。
凭れ掛かる温もりだけは確かで。]
私は今死んでもしあわせなんだけどなぁ。
だってあったかい。
[洩らす言葉は紛れもない本心だった*]
メモを貼った。
[一つ花を咲かせる度に
喉元を過ぎて鎖骨を啄み、肩筋から腕に移っては腋から胸元へ戻り、
下着に包まれた膨らみの上辺を啄んでいく。
少し見上げればはにかんだ表情が見えて、
身体を乗り上げると唇を重ねてまた一つ]
ノッカ、寒くないですか?
もう一枚、脱がせますよ
[寒ければ身を擦り寄せよう。
そうしてもう一枚と背へと腕を回してブラジャーのホックを外す。
しめつけの緩んだ胸元から布地を遠ざければ、
露わとなったそこへと顔を寄せて、耳をぴとりとつけた]
至極、高鳴ってます、ね。
それにいい匂いだ。
[瞼を閉じて、二つの膨らみの合間に顔を埋める。
小ぶりな膨らみの合間、ちう、と心の臓の真上にキスをして――自分もまた頬を綻ばせていた*]
[“人には適性というものがある”それが持論だった引きこもりがちの作家は、冗談の通じない子供に無理をさせず、不向きなことを避けるようにして道筋を作った。結果その子供は、差異が明らかになるほど人と関わりを持たず、欠落を抱えたままでも普通に暮らせるようになり]
[こうして今、殆ど初めて他者と向き合っている]
そうか。
……男だと、貴女にとっては違うのか。
[暖かくて、安心して、同時に動悸も覚えることがあるというのは、セイルズにとって抱きしめても身体に触れても同じ事。身体が違えば機能も違うけれども、それ以上でも以下でもない、筈、なのだが──彼女が顔を赤くし俯いて
[……一言尋ねる前に、彼女が微笑んだ。
仕方のない人、の一言に、許容の意味が乗った気がした]
……有難う。
[取られた手はそろりそろりと動かされて、唇にも弧が戻っている。
対するセイルズも、困惑は随分と薄れて、緩く笑んだ]
こうして触れると、肌で貴女を感じられるのだけれど
ここが一番、よく分かる気がする
[彼女が胸元に触れさせてくれた掌に、柔らかく蕩けるような手触り。セイルズには全くないもので、彼女が纏う雰囲気のように穏やかで、暖かい。
言いつけを破る気持ちはなかったから、布地の上をそっと滑らせて脇へと流れ、軽く掬い上げて重みを感じ、そのままじっと、微かに伝わる鼓動を追っている]
[日向で得る微睡みのような時間。
彼女の面に現れていた紅色が他のものへと移り変わっても、何ら疑問を抱かぬくらいにとっぷりと浸って]
……ずっと眠っていたけれど、
喉は乾いていないだろうか。
飲み物も食事も、
好みがあれば教えて欲しい。
[やはり用件から離れきれなかったものの、他愛のない雑談を口にする。
冷蔵庫の中も、戸棚の品も、今はセイルズ一人の嗜好に合わされている。美味しかった
生活の彼女の色が増えていくところを想像して、少し心が弾んだ]*
メモを貼った。
[服を切り裂く音に視線を向けて、
素肌が見え、小さく身震いし、瞼を伏せた。
彼女の綴る言葉は痛くて重い。
今はまだ背負うには戸惑う重さだが、
荷重に慣れることだけは得意な身だ。
置いて往こうとした立場で何を言うべきか、
置いて逝こうとした彼女に何を告げようか。
迷うのは確かなのに、
ごめんね、なんて謝られたものだから]
そうだ、なぁ……
街から出る計画でも立てるか?
[一緒に逃げるなど夢物語だと、
現実に則した頭の片隅は囁くけれど。
涙を零して子供のように訴えるイルマに、
サンタはいないなんて現実を語っても仕方ない。
何より、それを自分自身が望まない。
喉奥でくつくつ笑い唇を緩め、
伏せたイルマの髪を一房掬い上げ指で梳く。
血で汚れるそれは醜いが、
髪の質自体は心地よく、ゆるゆると数往復。
濡れた髪が頬に落ちてべたりと張り付くのに、
隠した執着を垣間見た気がし、笑いを苦笑に変えた。
好き『だった』し、好きだ。
決して理解できない行為を知り、憤りは抱いても、
感情というものはどうにも制御が利かないらしい]
死ぬなよ、お前が死んだら……
[私より大事なもの、に至る前に、
唇へ指先で触れてその言葉を塞いで、鎖して。
それ以上を言わせないし、思わせないつもりだった。
唇でも奪えばそれを伝えられたかもしれないが、
動けない身体というのはもどかしい。
捨てられない大事なものはある。
けれどそれはイルマがそれ以下というわけではなく、
言葉で説明するには複雑な想いがあったのだけれど]
[
あたしの熱を高めていく。
だから、寒くないって頷いて
…… どきどき、きこえる?
[自分でも、心音が高鳴るのがわかる。
そーさんがあたしの胸に耳を当てるなら、
この心音が聞こえない筈がなくて]
―― っふ、
[両胸の真ん中に、唇を落としされて。
少し熱の籠った息と共に、声が洩れる]
もう置いていかないから、
お前も俺を置いていってくれるなよ。
[無事な片手は力は半分程度しか籠められないが、
イルマを支え引き上げるくらいには役に立つだろうか。
叶うならベッドの傍らに引き上げて、
彼女の腕がまだ流血してるならそこに掌を添えて。
止血には程遠い緩さで掴んで訴える。
一緒にいるからこれを止めてくれと言いたげに]*
[そーさんも、ドキドキしてくれてるのかな。
―― って、ちょっとだけ気になったから。
そーさんの顔が離れたあとで
その胸板に、耳をぴたりと押し当ててみた*]
[は、と息を吐けば熱い。
流血しすぎて体温が下がっていくのに。
身体は燃えるように熱い。
布団越しに縋る存在があるからだろうか。
まるで一つに溶けるような感覚。
一緒になれる方法は一つじゃない。
ただ触れているだけでしあわせだって。
そんな事初めて知った。
でも置いていかれる寂しさは埋められなくて。
それを埋めたくて私は。
彼に食べられる事を望んだのだけど。]
置いていかない、ほんとう……?
うん、一緒にいるから。
置いていかない。
[引き上げられて上体を起こして。
血の流れる傷口を抑えられれば。
痛みに僅か顔が歪む。
もうボロボロなシャツを更に切り裂いて。
腕に巻き付けた。
縛る時はピスティオに手伝ってもらって。
なんとか形にはなっただろう。]
鎮痛剤と化膿止め、飲まなきゃ。
[出来れば点滴がいい。
でもそんな上等な物はないから経口摂取だ。
薬を取りに立ち上がらないといけないのに。
身体が言う事を効かない。
そんな言い訳をして。
私は彼に凭れかかったまま。]
もし、街から出られなかったら。
そうしたら。
せめて一緒に死のう。
ピスティオは誰かが覚えていれば生きてるって。
じゃあきっとここで身体が死んでも。
覚えてる子供たちがいるから。
私達は生きてられるよ**
メモを貼った。
聞こえていますよ。
とくり、とくり――それが大きく聞こえます
[
その声を覚えると瞼を開いて頭をあげる。
寒くないならばと――次なる場所を探していたけれど、
聞こえます?
[自分の拍動の音は確かに聞こえるだろう。
早くて、高くて、重たい音は血液を身体中に流して生きている証だった。
ノッカの頭を撫でてやり、
自分はノッカが満足するまで待っている*]
[セイルズさんの言葉に力強く頷いて。
違うって事をアピールするの]
はい、違いますわ。
すっごくすっごく、違いますわ!
[でも、まだ分かってなさそうに見える。
もうってじれったそうにして。
(貴方という男の人を知るのが、まだ怖くて)
だから困るのにって。
言えないままでむぅと睨むの]
[でも、困ったように微笑んで。
セイルズさんの手が胸元を触れるのを受け入れる。
優しく穏やかな手の動き。
自分の鼓動が手のひらから感じられて。
そっと目を閉じて]
……本当に、面白い人!
[くすぐったそうに、くすりと笑うの。
こうして一つ一つ、私を知ろうとしてくれる。
生真面目な手つきに愛しさがこみ上げるの]
[そうしてお互いの温もりを感じて。
セイルズさんの望むまま身を委ねて。
交わされる雑談に喉を押えて]
……そういえば、喉が渇きましたわ。
お水があれば欲しいです。
私の好み、ですか?
ふふっ、飲み物だとココアが好きです。
食べ物だと焼きたてのパンケーキ!
はちみつとバターをたっぷりかけて……、
考えただけで幸せですわ。
[頬を両手で包んでうっとり微笑むの。
セイルズさん、作ってくれるかしら?
そう思うと、今から楽しみに思うの。*]
メモを貼った。
[
その音はあたしと同じくらい速くて、
ちょっぴり安心した。
ドキドキしてるのは、
あたしだけじゃないんだって]
そーさんも、ドキドキいってる。
[えへへ、って笑いながら呟く。
あたしの頭を撫でる優しい手に、
安心したように、ほうっと息を吐いて。
緊張が、解れていく]
[そーさんの胸板から頭を離して、
あたしはそーさんを見上げた。
自分からなにをすればいいのか、
恋人らしいことなんてしたこともないから、
全く分からないのだけど。
ただ、してもらってるだけってのも、
良くないのかなぁ、なんて思いもあって。
でもやっぱり喜んでもらえることが
思いつかなかったから。
そーさんの唇に、自分からちゅーをすることにした*]
メモを貼った。
メモを貼った。
[避けてきた空洞の中に、分からないことが増えていく。アピール
[けれど、彼女が笑ってくれるから
ここに居ることを、拒絶せずにいてくれるから。
──いつかは教わって、推測して、分かるようになるのだろう]
[だから今は、焦燥に駆られる事もなく、静かに言葉を交わしていられる]
分かった、後で水差しと水を持ってこよう。
──買い物に出るのはその後にする。
ココアもパンケーキも、家には材料がない。
[なお、当然のように作る体で話をした。
彼女をこのように
蜂蜜とバターのたっぷり染みたパンケーキか。
ああいうのは確か、
綺麗な狐色を作るのにこつがあるだろう。
私は作ってもフレンチトースト迄だったからな……
[焼き物はあれで意外と難しい。二人前ほど焼いている間に、とりあえず人に出せる程度の見栄えまで至ってくれるといいのだが]
[それにしても、元々セイルズは夕食を尋ねたつもりだったのだ。そこから甘味のことになるなんて全く考えもせず──それだけ新しい彼女を知られたということに]
……楽しいな。
[吐いた息には微笑が乗った]
[尚──名残惜しげに掌離す時までには、改めて夕飯の献立も尋ねただろう。野菜も買ってくるから、と]*
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[やっぱりピンと来てない顔してる。
でも、いつかきっと分かってくれるわ。
一つ一つ確かめて、知っていって。
そうすれば私も貴方を知れるかしら?
じっと上目遣いでセイルズさんを見上げて]
ふふっ、作ってくれるの楽しみですわ。
いつも自分で料理していたんですもの。
誰かに作ってもらうのは新鮮です。
[好きな物を話せば材料を買いに行ってくれるみたい。
だから、私とっても楽し気に笑うの]
コツは温度ですわ。
焦らずじっくり、弱火で生地を温めるの。
急いで焼くと焦がしちゃいますよ。
私、それで何度か失敗しちゃったんです。
[パンケーキのコツを思い出と共に話すの。
楽しい思い出、
甘やかな、香り。
――過りそうになる、誰かの記憶。
目を閉じて、記憶に蓋をした。
今は幸せな事だけ、考えていたい]
[だから、微笑む貴方に笑い返すの。
ここには辛い事は何もないもの。
夕飯の献立を聞かれれば、少し考えて]
野菜を使うなら、ポトフが食べたいですわ。
とろとろに煮込んだ野菜とスープが美味しくて…、
…………、
よく考えれば私、食べ物はなんでも好きですわ。
だってみんなとっても美味しいんですもの。
[食べ物の話になるとうっとりして。
セイルズさんにおねだりするの]
[そうして、名残惜しそうに離れる掌。
買い物に行く貴方の、服の裾を掴んで]
……買い物に行くんです、か?
それなら……、
……、
これを、お渡ししますわ。
[すっと、左手の薬指から指輪を外して。
貴方の手に乗せましょう]
[一人になると、思い出すから。
辛い事を、苦しい事を、きっと思い出すから。
指輪を見る度に、きっと私は泣くのでしょう。
だから、指輪に目を伏せ微笑んで]
捨ててくれても構いませんわ。
預かってくださるだけ、でももちろん。
貴方に、お任せします。
[そっと指輪を乗せた掌ごと握り込んで。
そうして、お別れねって。
胸がきしりと痛んで涙が一粒零れた。**]
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メモを貼った。
自分でも不思議です……
今、ノッカに触れてる全てが愛おしい
[
生み出した快楽は薬によるものであるし、
その全ては偽りのものだったといえよう。
でもーー今笑ってくれているノッカは本物で、
それは漏れ出る熱い吐息からも伝わってくる。
嗚呼、それでも、ノッカが自分に近づいてくれなければ
きっと君はいつまでも自分の心をくしゃくしゃにしてしまう笑みを浮かべて
自分は無理に笑わせようとしただろう。
そう考えると背筋が寒く感じてしまい、
小さく身震いする]
ノッカ……
[
その表情は思案気にも見えたが泥濘みに入り込むようなものではなくて、
安心して息を吐いていると唇に柔らかな感触を感じた。
それはノッカの唇。
触れる唇は変わらぬ感触と味わいだけれど、
ノッカが、求めてくれたことに胸と股間がときめいてしまう。
自分はノッカを逃さぬようにと肩を抱き、
舌を口腔に忍び込ませていこうとする。
もっと交わっていたいから
もっと繋がっていたいか
ノッカを求める心身は滾っていくばかりだった**]
メモを貼った。
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― 本屋 ―
[次の日、珍しく本屋でせっせと動き回るワカナの姿があった。
少し什器を変更し、新しい配達員から雑貨品の荷物も受け取る。]
これで良いかな?
[店内を見回す。
我ながら少し季節感を出した可愛らしい飾り付けが出来たと思う。
店に来た人もこれならぱっと見て変わったな、と思ってくれることだろう。
うん、と頷くと、安堵のため息をついた。]*
メモを貼った。
[シャツの切り裂く音。
掌の下で滲んで滑る血。
視覚にも感触にも暴力的な状況で、
不思議と高揚よりも奥深くにある感情が
表に染み出すほどに刺激されている。
頬は緩んでいることだろう。
唇は宥めるような笑みを作り出してたはず]
薬、あるのか?
[薬屋は閉店の憂き目にあって、
治療院から失敬するにもイルマはこの怪我だ。
蓄えがあるとしてもこの部屋のどこにあるのか。
というか最初から死ぬつもりだったなら、
イルマは着替えとかも持って無さそうな気もする。
その上、まだ死ぬ覚悟があると聞いたなら。
肩を震わせた。
その余波は凭れるイルマにも伝わるだろう。
顔が上がるならおかしそうに双眸を細め、
屈託というものを剛速球で投げ捨てた顔で笑っている]
ダメだ、死なない。
街から出られなくても死なないし、
当然、おまえも死なせないし。
……まあ怪我が治るまでは世話になるけどさ。
[管理区から逃れるのは考えはすれど、
あやふやな未来に死を賭ける程に肝は座ってない。
だからとびきり悪辣に、悪戯げに。
そこまで覚悟を決めているイルマの顔を覗き込み、
視線が絡むまでは待ってその瞳を覗き込む]
イルマ、おまえちゃんと地上で生活しろよ。
ココへこっそり通うくらい出来るだろう?
死ぬ気で、誰にもバレないように、こっそりさ。
俺はここにいるし、逃げない。
どうしても心配ならお前が居ない間は繋げばいい。
怪我を治して、機会を伺って──
[──それで、と続けて、涙の跡が残るだろう頬へ。
不器用に唇を押し当て片腕で抱き寄せながら、
背を撫でるというにはすこし覚束ない手付きで、
ぎこちなく、身体の線をなぞるようにしてから]
あと……さぁ……。
俺がお前が怪我するのも死ぬのも嫌だって、
そろそろ分かってくれてもいいんじゃないか?
[怪我をし初めた頃からずっと、
それはダメだといい続けていただろうと言いたげに]**
[
けれど、その前に肩を抱かれたあたしは、
目を丸くした。
昨日のあたしは、逃げようとした。
逃がす場所なんてないと知りながらも、
舌を絡め取られることを嫌がった。
でも、今日は。
おずおずと、そーさんの舌に、
あたしの舌を絡めていく]
ふ、 ぁ……、
[じわじわと、熱があたしを侵食する。
愛液が滲みだしていることに気付いて、
耐えきれず、両足を擦り合わせた*]
メモを貼った。
[戯れた覚え等ない。
気色悪い"モノ"を振り払ったに過ぎない。
代わりに後頭部が痛いが、単瘤にはならない程度だ。
出来れば当たるなら眼鏡のブリッジに……いや、あの女は眼鏡をしていたかどうか。
……まぁいい。どうでもいい。]
場所を教えるなら、ここからの位置で教えるな。
ベッドからの位置で教えろ。
こっちは何も見えないんだ。
方向を覚えて、歩数を数える。
[這い蹲れと言われたが頑なに膝立ちをして命令を繰り返す。
男は手首を前で拘束されているのだ、四つん這いはそもそも不可能。
膝立ちの方が歩きやすいに決まっている。]
[相変わらず、何を言っているか理解できない。
生き物として、脳の構造が違いすぎるのだろう。]
悪い。
[短く、わからないと答えた。
何を持って悪くないと言えるのか。
拘束され、目隠しされ、立ち上がりも出来ない。
少なくともここは最悪の場所だ。]
飯?毒でも入ってるのか?
入ってなくても要らないが。
[食べる気になるはずもない。
脱出するならば空腹は敵だとはわかるが、
あまりにも得体が知れない。
殺しはしないだろうが…体に害を及ぼす薬物等、山程知っている。
見えない物等、口にしたくはない。]
[去って行く女、
再会の約束は無視をする。
そして、響いた鍵の音は二つ。]
――簡単には出られない、か。
[女には絶対に聞こえぬ小声で呟くと、
不自由な手を伸ばし、水が並々注がれたコップを転がした。
腹いせだ。]
[ベッドによじ登り、目を瞑る。
目を開いても閉じても、同質の暗闇が覆っていた。
ベッドの上でする事等、眠る以外ない。*]
[深夜、男がベッドの上で寝返りを打つ。
ゴトリ、と音がした。
今はただ、それだけ。*]
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
[
そう――自分を見てほしい。
自分を想ってほしい。
独りはいやと口にしたノッカの心が今は少しだけ分かる気がする]
ノッカ……
[絡めに応じてくれたノッカの舌を絡めとり、
自分の熱を味を伝えていく。
奪うでも、捕らえるでもない口づけは酷く甘く感じてしまう。
嗚呼――]
きもち、いいですか?
[問いかけて、舌裏を擽り歯茎へと舌を這わせていく。
そうしながら自分の腰を擦り合わせている太腿へと押し当てて、
ハーフパンツ越しにそこにある生理現象ではない熱を擦りつけた*]
メモを貼った。
メモを貼った。
は、 ふ…………っ、
[
ただ舌を絡めているだけなのに、
どこか、甘く感じて
熱が高まって行くのだから、不思議だ。
太腿に当てられたそれも、
あたしに負けないくらい、熱帯びていて。
指先を、その熱に。
ハーフパンツ越しに、そっと触れる。
今度はあたしの意思で、望んで。
受け入れるから、って]
……………… っ、
[そうして、あたしはそーさんを見上げた。
大丈夫、って言うように。
触れて欲しいって、誘うように*]
―?―
[暇だ。
やる事がない。
一応、目が覚めてから部屋の中は歩き回ったが、部屋が四角く、
コンクリートである事がわかったくらいだった。
膝立ちのせいで痛くてしかたない。
本屋に居て、部屋を見ていなくとも、男が何をしていたかはわかるだろう。
膝が汚れている。
仕方なしに、残りの時間はベッドに横になっていた。]
[――時間が経った。
暗闇の中で時間の経過はわからない。
ただ、部屋に入って来た女の口がおよその時刻を告げた。]
………
[その挨拶には無視をした。
どうやら男はペット以下らしい。
食事の有無は寝る前に聞かれた一度きり。
食べないからと言って二食も出さないのは飼い主を気取るなら怠慢だ。
尤も、出されたら出された分だけ床にひっくり返すだけだが。]
[女の言葉には、ピクリと眉を動かす。
目隠しのせいで、見えないだろうが。]
―――はっ、
[何を言い出すかと思えば。]
嘘をつけ。
[その声は掠れているが、か弱く震えるようなものではなく。
乾いた喉から、送るのは嘲笑。**]
[シャツはボロボロで。
白い腹が見えているけど。
そんな事気にしている余裕はない。
そもそも彼が私に女性としての何か。
そういった物を感じると考えてもいないから。
だから彼の唇に笑みが浮かんだのを見れば。
ただ単に傷の具合が多少はよくなったのだろうと。
そんな事しか思い浮かばない。]
薬は簡単なのだったら。
でも処方箋がいるようなのは……。
[薬屋はイワイの店だけではないから。
買おうと思えば帰るはず。]
……招集されて。
死なないでいるって難しいよ。
それが出来るなら皆そうしてる。
でも、ピスティオが生きるつもりなら。
ピスティオが生きてる間は私も生きるよ。
[この肉体が滅んだとしても。
彼の中に私がいるのなら。
彼が生きている限り私も生き続ける。
そう思っているしその考えは変わらない。
でもそれを口に出したらきっと彼は嫌がるから。
だから私は懸命にもそれを黙っていた。]
[ふ、と視線が絡む。
真正面から向き合うと少し気恥ずかしくて。
瞼を伏せれば睫毛が頬に影を落とした。]
別に逃げてもいい。
でもここにいてくれるなら私は嬉しい。
生きてるの、確認出来るから。
働けっていうならそうする。
会える時間減っちゃうのは寂しいけど。
肉体として生きるなら食べ物とか必要だもんねぇ。
[頬に熱を感じて顔中が熱くなるようだった。
抱き寄せられて身体を撫でる手が
動けばそわり、と落ち着かない心地がした。]
[私は私が死んでもいい。
でもそれは嫌だと言う。
私は彼が死ぬのは嫌だ。
きっとそれと同じなんだろうというのは理解出来る。
だから小さく頷いて。]
ごめんなさい。
[小声で謝った。]
[それから私は立ち上がって。
ふらふらとした足取りで鎮痛剤と化膿止め。
あと水を持って戻ってきて。
それを彼へと渡した。
自分も薬を飲んで。
そろりと彼を見る。]
料理はするつもりだったから材料はあるんだけど。
ちょっと暫く無理そう。
トマトジュースでも飲む?
[聞いてみたけど。
ちょっとそれを飲む気分になるのかどうか*]
メモを貼った。
[家に帰ると早速彼の居る部屋の扉を開けて、中に入る。
今日は大分忙しかった。
居心地の悪い思いをさせてしまっただろうか。
とりあえず、として今日の報告をしたところ、彼から帰ってきた反応は軽い笑いだった。]
嘘?
なんでわたしが嘘をつく必要があるの?
[微笑んで、彼の答えを待つ。
彼と話すのは面白い。
彼の考えていることを知れると思うと心も弾む。
と同時に彼の声が掠れているのに気が付いて、部屋の隅を見ると、コップが転がっていた。
水はもう既に少しの湿り気だけ残して蒸発しかかっている。
どうも大分前に転がされたようだ。]
…人間って、水を飲まないと死ぬのよ?
[少しだけため息をついた。]*
[
絡み合う舌を味わいて、
触れられた熱は逃れることなくノッカの指先に委ねた。
その指先が触れれば熱は一層と固くなり、
怒張と言う言葉が相応しくなっていく]
……はい、それでは――
[
互い弱点となる大切なところに触れ合いたい。
曝け出すのは信じてくれているからであろう、と思いたい。
自分の手は片方が肩を滑り降り、
胸の膨らみへと向かいその先端を親指で捉えてしまう。
押しつぶすように捏ねながら、
もう一方の手は脇腹を軽く擽りながら下腹部へと。
擦り合わせられている合間に指先を忍びこませて、
下着越しにノッカの熱の在りどころへと指先で触れる]
[そこをどう触って欲しいのかは昨日で分かっていることで、
愛液が滲みてしまっていることを認めながら、
それが一層と濡れそぼってしまうようにと指先を動かした*]
[この女の記憶力はどうなっているのだろう。
"どの口が言う"のだ。
白々しい。]
お前のどの部分をもって信用しろと?
お前が何を言ったところで、
俺は信用しない。
[そう時間すら、信用ならない。
サイラスの友人を名乗って現れた。
男の恩人を踏み躙り、思い出に割り込んできた女だ。
どうして信じられよう。]
―――証拠を見せろ。
薬屋が全焼したところを見せろ。
俺を薬屋に連れて行って燃え滓を見せろ。
この目で見、この鼻で嗅ぎ、この手で煤に触れたら。
信用してやる。
[俺が話す度に嬉しそうに声を弾ませる不快は放置した。
これは、とても重要な提案だからだ。]
[女は転がるコップを見つけたのだろうか。
昨晩転がしたコップだ、
水なんてとうの昔に跡形もなく消えているだろう。]
ああ、死ぬな。
毒の入った水を飲んでも死ぬぞ。
知らないのか?
[何も信用していないのだと、重ねた。*]
ん。知ってる。
だからお前はこんな手段にも出たんだろ?
[招集されて生き延びることの難しさは無論、
だからこそ、抗いようもなく受け入れていた。
自分は肉体労働従事だとはいえ、
加えて実験動物的な扱いと明記されている。
その不穏さを誰かに話したっけと過るが、
令状も関係なくなった今更、詮無きことだ。
そしてイルマが思い切った行動に出たのが、
それだけではないことも、よく理解させられている。
血の匂いが噎せ返る中での会話は気が滅入るし、
痛みだって頭に響いて気を抜くと気絶しかねない]
そうそう。
俺は遠慮なく食うからな、
監禁した責任とやらは取ってもらおうか。
[若干、不本意な共棲ではあるけれど、
死に直接結びつかないのならそれで今は満足して。
ヒモ生活の始まりを堂々と宣言した後は、
謝る言葉に空気をふっと和らげ、
仕方ないなと言いたげに頭をがしがしと撫でた。
謝罪の言葉が欲しかったわけではないが、
謝ることが出来るまで冷静ならもう大丈夫だろう。
少なくとも無理な行動に出ることはもう……
たぶん、無いはず。たぶん。……きっと]
薬ってさ、めったに飲まないし……
なんつーか苦手なんだよな……
[なんせ健康優良児な上に、
自分に金をかける暇があったら孤児に捧げている。
手渡されて眉根を寄せていれば水を渡され、
観念して飲むときには子供のように顰めっ面だった。
苦い、と訴える顔面とはこういう面のことだろう]
いや、今は食事はいいや。
それよかお前、風呂入るなりして、
出来れば着替えてくれないか。
匂いに酔うし、目のやり場に困る……
[薬は飲んだが血の喪失は激しく、
血が一点に集まっては困るどころの話じゃない。
看護師なら理解してくれるだろうとあまり言及しないが、
視線が微妙に素肌をちら見したり彷徨っているあたり、
健康優良児としては如何ともし難い状況に困り果てて。
結局は、誤魔化すように咳き込んだ]*
[パン焼きを生業にしていた彼女にとって
[密やかに閉ざされる
[ただ料理の話をして、教わったことを脳裏で反芻する。
彼女にとって料理を作って貰う事が新鮮なように、セイルズにとっては料理を教わる事が新鮮だった。手慰みに変わってからは勿論の事、その前も献立をどう回すか考えるのは、往々にしてセイルズ一人]
[目の前に彼女がいて、食べたい献立の話をし、陶然としている
[だから、引き留められた時は、去り難さを悟られただろうかと振り返り]
……え?
[彼女の行為
[これまでずっと彼女の指で輝いていたものが、セイルズの掌へと託される。目を伏せ微笑む彼女と、手元の指輪、交互に眼差しをやった。捨ててくれてもと彼女は語り、セイルズに任せるのだとこの手を握る]
[はたと何かに気付いたように、空いた片手でそろそろと口元を覆う。
頬からは力が抜け、言葉になり損ねた息が、緩く開かれた唇の隙間から抜けていた]
[ああ、彼女にとってこれは、一夜涙に暮れるだけの痛苦と悲哀を示すものに変わったのだと──一滴落ちる涙を受けて、すうと理解が及ぶ]
……分かった。
私が持っていこう。
[泣かないでくれとの声は掛けずに、濡れた眦をそっと拭った]
[託された指輪を握り、扉へと向かったセイルズだけれども、地下室を出る前に一度振り返った。
小さな部屋の中央に彼女が居る]
戸棚の本は、好きに読んでくれて構わない。
……分野も雑多だから、
早々に飽きたりはしない、と思う。
[繋がれた彼女の姿を目に焼き付けて、静かに扉を閉めた]*
ぁ…… 、
[
ちいさく声が洩れる。
嫌なわけじゃないのだから、
声を殺す必要もないのだけど。
慣れない行為の中、
普段発することのない声が口から出るのが、
どうにも恥ずかしくって。
顔に熱が、上がってしまう]
ひゃ、 ぁ…………
[
そーさんの指先が、
あたしの、熱くなってきたところに触れる。
そこが『良い』ところなものだから、
甘い声が、洩れてしまって。
ぎゅって、目を閉じる]
そーさん……、熱い、よぉ……っ
[布越しであるにも関わらず、あたしのナカは、
既にそーさんを求めていて。
じわり、じわりと、愛液が溢れ出す*]
[頭を撫でられれば嬉しそうに目を細める。
責任については勿論放棄するつもりはない。
だから彼に薬を飲ませる事も私の役目。
薬を飲むのを確認すればグラスを回収して。]
薬を飲むのが苦手なんて。
いい大人が言う事じゃないよぉ?
[今が五体満足であったなら。
口直しの果物でも出したのだけど。
残念ながら果物を切る余裕もないし。
その果物もない。
私は小さく笑ってピスティオの頭を撫でた。
気分は小児科の看護師である。]
匂い……?
[私は自分の腕を眼前に持ってきて。
くん、と匂うけどよく分からなかった。
汗臭いとかだと嫌だなと思ったけど。
目のやり場に困るという言葉で。
それは違うと理解はした。
ゆるりと首を傾げてピスティオを見て。
それから彷徨う視線が時折掠めるのは。
切り裂かれて覗く白い肌。
それに気づけば。
徐々に顔が紅潮していく。]
あ……、うん、患者さんでいた。
生理現象だって、言ってた。
先輩はそういうの手伝う時もあるって
言ってたけど。
わ、私そういう経験なくて。
暫く席外すから。
その、ごゆっくり……?
[自分でも何を言ってるんだろう。
自己ツッコミが入るけど。
他に何を言えばいいのか。
大怪我をした時はそういった減少が起こる。
子孫を残す本能からと聞いた事がある。
つまり、そういう事なんだろうと理解した。]
[理解して。
そして気づいた。]
あ、そっか。
ピスティオの子供を産めば。
家族が出来るね。
[いい事に気づいたと笑顔でそう告げると。
彼の反応を見ずにシャワールームへと向かった*]
メモを貼った。
[信用しない、という言葉には薄笑いだけ浮かべている。
心当たりが大いにあるからだ。
しかし、次の言葉には思わずため息をついた。]
へえ…
すごいわ。
貴方を外に出すことは出来ないけど、そうしたらきっと、貴方の居場所はずっと貴方の中にありつづけるのね。
[素晴らしい。
完全に街を見捨てて宮廷に活路を見出し始めたように見えたときにも思ったが、彼は、そうまでして自分で立ち続けるのだ。]
でもね。
水は飲んで。
[言葉は急に冷たくなる。]
貴方を殺したいわけじゃない。
殺したいなら既にいくらでも殺している。
その理屈はわかるわよね?
[言って床に転がるコップを持ち上げると、彼をおいて部屋を出る。
鍵は2つとも、やはり閉めた。
しかし、直ぐに2つの鍵の開く音が再度部屋に響く。]
持ってきたわ。
飲みなさい。
[見えないだろうが、気配は伝わるだろうか。
彼の目の前に水の注がれたコップを突き出した。]*
[匂いを嗅ぐ仕草は可愛らしいものの、
動けば余計にちらちら動くものだから直視できない。
宥めるのに寄り添ったがその近距離が徒となった。
身動ぎする度に揺れて肌を擽る髪が、
只管、置物となろうとする意志を煽ってくれやがる。
お願いだから理解してくれと、
いつもは無情な天に祈っていたら通じたらしい。
徐々に赤らむ顔で漸く安堵の息を吐き、
そういうことだからと身を剥がそうとした]
まっ……いや、違っ……
イルマ?
ちょ、待っ……
[現実はやっぱり非情だし、天は無情だった。
妙な勘違い、違う勘違いじゃない、そうじゃないが、
勘違いをして口走るイルマへ慌てて否定するも、
彼女は妙に生々しいお気遣いの言葉を残した上に、
突き抜けた解釈を置いて別室へ行ってしまった。
残されたのは手を伸ばすようにした姿勢の自分だけ。
それも腕を上げ続けるのがしんどいせいで、
ばたりとベッドの上へ落ちて、扉の閉まる音を聞く]
ノッカ……声、もっと――
[
向き合う顔に熱があがればそれは朱として現れて、
自分はそれに気づけばもっと声を求めてしまう。
押しつぶすように動かしていた指先は、
色づきが尖り始めれば弾くように動かしていく]
そう――きもちよく、なってください
熱いの感じてますよ……
初めてのときよりも、余程に、熱いです
[
甘い声色が漏れてしまう程に、
目を閉じてナニカを我慢するように。
溢れ出した愛液が下着に滲みを広げ、
次第に、くちり、と音を立て始めていく]
[自分は指を少しばかり離して下着の紐を解いてしまう。
紐による繋がりが途絶えればそれは薄い布地でしかなく、
捲れば花弁は晒されてしまう]
ノッカ、膝、立ててください
もっときもちよく、してさしあげますからね
[蜜で湿った指先でノッカの片足を開かせて、
膝を立たせるように誘導すればそれはより顕著となる。
自分は、つつ、と拡げた太腿に指先を伝わせて、
再び秘所へと指を這わせると薄布のなくなったソコを丹念に愛ではじめた*]
[振り返る貴方をじっと見守って。
一呼吸の間に弱く笑うの。
さようなら。
私の思い出、私の陽だまり。
私の――心を支えていたもの、すべて]
……ありがとうございます、セイルズさん。
私は、大丈夫ですわ。
[涙を拭うその手に頬を寄せて。
優しく微笑むの]
[扉に向かうセイルズさんを見送って。
振り返る貴方を見つめるの]
まあ、本があるんですのね。
私、本が好きだから嬉しいですわ。
少しずつ、読んでいこうと思います。
……じゃあ、いってらっしゃい。
[じっと、見つめ合うことほんの少し。
心配させないように微笑んで。
扉が閉まる音に、目を伏せるの。*]
……は?
[え、これ、何、どうしたらいいんだ。
しかもあの解釈をされてしまったなら、
ただベッドの上で待っていたら誤解されるやつでは?
しかし足も腕も痛めた今、動けるといっても最小限で、
つまり、これは所謂、詰み──
その2文字が頭の上からずしんと伸し掛かってきた。
思わず頭を抱えるがどうにもできない。
イヤではないがイマではないだろう、
というか唐突過ぎて理解がまだ追いついていない。
せめてそんな誤解を無かったことにしようと、
足の鎖を鍵で外して、血塗れの上着を脱いで、
無事な部分でべったりと肌に塗れた血を拭って──
着直すにも気持ちが悪いし、ぐるぐる丸めて。
床で割れたままの硝子をその布の塊に巻き込み、
ゴミ箱に投げ捨てて、そこで漸く気が付いた]
[……上半身裸とか、よりまずいんじゃないか?]
メモを貼った。
…………。
[部屋を片付けてれば誤解もなくなるだろ、なんて。
浅はかに考え、孤児院でのように片付けを初めて、
集中のあまり大事な誤解を解く部分が抜け落ちていた。
どうしよう、と思えど、どうしようもない。
というか何でそんな誤解に至ったんだ、
ただ着替えて欲しいと訴えただけなのに、どうしてだ]
[交渉は失敗に終わる。
女への信用は無くとも構わない上に、
男への信用も無いらしい。
――愛している癖に。
チッ、と舌打ちは隠さない。
嘘には騙されない。
この目で見るまでは。
"たとえこの女が異常者でも"。
サイラスの手帳を持って現れた時のように、
男の動揺を誘い、それを嘲笑うのだろう。
不機嫌そうに眉は歪むが、目隠しはそんな些細な変化すら覆い隠した。]
[水の話題になると、急に口調が変わった。
死んでほしくないらしい。
思わず笑い出しそうだった。
男を、限りなく死に追い遣っている癖に。
堪えたつもりだが、軽く上がる口角は止められず。
そして再び閉じられた鍵二つ。
部屋を一周してわかった事だが、やはり、ここには水道すら無いらしい。
本当に、どこが"悪くない"部屋なのか。
女も一人でここに住めと言いたい。
女のお勧めなのだから、喜んで譲るのに。]
[再び扉が開く音がした。
空気が揺れ、何かが差し出された、その感覚はある。
飲めと言うのだ。
顔の近くまで、コップが差し出されているのだろう。]
………
[男は寝転んだまま、顔をコップとは別方向へと向けた。
起き上がる気すらなく。*]
ま、まだ慌てるような……時間じゃ……
[そう、まだ水音が隣室から響いている。
つまりはシャワーを浴びているはずで、だから、
……だから?
こ、これはイルマが……イルマが悪い、そうだ責任を取ってもらいたい、いやいやそういう意味じゃなくてそういう意味でもいいけどそれはもっと後の話で、イマはこう、いや待て落ち着け俺の頭、そいういうことは想像するんじゃない落ち着けといっているだろう特に身体!!
しかしやはり非情な現実は時間を巻き戻してはくれず、
時の流れを正確に刻んでいく傍らで。
せめて下履きもズボンもベルトもしっかりしておこう。
これが唯一の生命線だと、落ち着かない妄想を拭い、
妄想に則して落ち着かない下半身を誤魔化すべく。
ふー、と息を整えながら、
いつの間にか緩んでいたベルトを締め直した]*
メモを貼った。
ぁ、あ、 ……っ
[
我慢することも出来なくて。
良いところを触れられる度に、
あたしの口から甘い声が零れていく。
しゅるりと解かれた下着の紐
あたしの濡れそぼったそこを隠すものは、
いとも簡単になくなった]
ん、 ふぁ、あ 、
[濡れているそこを見せることになるのは、
とても、恥ずかしい。
でも、そーさんに触れて欲しくて、
あたしはゆっくりと、膝を立てる。
あたしに触れる指は
やっぱり良いところを擦っていくものだから、
その度、小さく身体が揺れて]
そーさん、 きもちぃ…… っ
[焦らす様に、丁寧に。
溢れる蜜が、あたしの言葉がホントであるって、
証明してくれている*]
[目を伏せた先、
左手の薬指に残る指輪の痕。
目を逸らした先、
私の足に繋がれた真新しい鎖。
目を閉じて、息を整えて――]
えいえいっ!!
[じゃらじゃらと鎖を引っ張ってみる。
でも、鎖はびくともしない]
[試しに頬をつねってみるの。
うん、痛い。
夢じゃないのねと納得。
そうして、ベッドに丸まって考え事をするの。
昨日から色んな事があった。
どれもこれも、辛くて、苦しくて。
夢なんじゃって、そう、思う]
でも、夢じゃないのね……
[じゃらりと鳴る鎖がその証拠。
困ったわって頬に手をあて小首を傾げ]
[――……、
独りでいるのが、怖かった。
目を閉じれば血塗れのパン屋を思い出しそうで、
恐ろしいものが襲ってきそうで。
ぎゅっと服の胸元を握りしめて。
セイルズさんが出て行った扉を見ていたの。
早く、早く、帰ってきてほしいって。
あの人を笑顔で見送った時もそうだった。
本当に言いたかった言葉は、
いってらっしゃい、ではなくって]
おいて、いかないで……って、
[そう、言いたかったとまた頬を涙が伝う]
[
ノッカのそこを曝け出してくれる。
最初は無理やり暴いてしまったことを、
今は二人で紡いでいく。
無かったことにはできないけれど、
良い方に上塗りするように――]
きもちいい、ですね
至極、溢れてますもの……
ちょっと、直接見せてもらいますね?
[小さく揺れる身体を一度抱きしめて、
キスをしてから自分は身体を下へとずらしていく。
下へと移動しながら胸元やお臍にキスをして、
開いた足の間にまで下がれば目の前に見える花弁に息を吹きかけた]
[自分が荒らした花園を、
自分が求めるノッカのそこを、
視線に収めて、口を近づけ、舌を伸ばす。
まずは舌でそこを舐めてしまい、
蜜を纏った指先で中から蜜を溢れ出させるように掻き出しながら、
花弁へとキスをして、吸う音と、指で奏でる音を部屋に響かせていった**]
[あの時口元を覆った貴方を思って。
困らせてないかしらって、そう。
心配になって――、
泣かないでと言われなかったのに安心したの。
また泣いてもいいかしらって、
そう、ほっとする]
[ごしごしと目元を拭って。
気を取り直すように本棚に向かう。
本を読めば気が紛れるんじゃないかって。
沢山の本を眺めるの。
とても沢山の本があるけれど、
一番目にする作者さんの本を一冊手に取って]
この本なんて面白そう。
[その本が叔父さんの書いた本とは知らなかったけれど。
私は時間も忘れて読み進んでいったわ。*]
メモを貼った。
メモを貼った。
[脱衣所というほど立派なものはない。
簡易な洗面台に小さな鏡が壁にある。
それだけの場所。
そこで服を脱いで鏡の中にいる私を見た。
お義姉さんと比べて薄っぺらい胸。
流れた血は身体のあちこちを赤く汚して。
自らで傷つけた腕は酷い有様だ。
シャワールームへ入って。
恐る恐るシャワーで身体を流す。
腕にお湯がかかれば身悶える程痛い。
お湯に混じって流れる赤い水。]
[痛みを堪えながらシャワーを浴びている。
そんな時に男の子が何を考えているか。
そんな事ちっとも考えてない。
思い浮かばないのは経験がないから仕方ない。
勿論看護師だから子供が畑に生えるわけじゃない。
そんな事ぐらい知ってるけど。
知ってるからといって結びつくわけではない。
だから今呑気に思うのは。
どれくらい一人にしてあげたらいいんだろう。
という気遣いであった。]
[ボロボロになったシャツ。
まだ使える布はあったから細く切り裂いて。
止血する為に使う。
着替えはあった。
徐々に食わせていこうと思っていたから。
暫くはここにいるつもりであったので。
綺麗な服に着替えて。
髪の毛も乾かして整えた。
化粧は落ちてしまったけど、別に構わない。
多少幼く見えるけどそれだけだ。
看護師なので化粧は元々濃くはないし。]
[ここまでかかった時間は40分程度。
そろそろいいだろうか。
そういった行為にどれくらい時間を使うのか。
分からないけどきっと大丈夫だろう。
そう思ってシャワールームから出て。
部屋の中へと戻れば。
何故か上半身裸のピスティオがいた。]
…………ああ。
[看護師仲間から聞いた事がある。
男の人も胸を使う人がいると。
つまりそういう事だろう。
私はそう納得をした。
彼の知らない面を色々知ってしまったけど。
大丈夫、私はどんな彼でも好きだから。]
[努めて明るい表情を作る。
平常心が大事だ。
状況は全く平常ではないけれど。
何時もと変わらない、そう思おう。
私は洗面器にお湯を張ったものと。
タオルを持って彼に近づいた。
妙に片付いているような気がして。
内心で首を傾げた。]
身体拭くね。
背中向けてくれる?
[抵抗されなければ濡れたタオルで背中を拭いて。
自分で拭くと言われたなら素直にタオルを渡す。]
一回外に出ようと思うんだ。
薬はいるし、食料もいるよねぇ。
他に欲しいものはある?
[欲しいものがあるのなら出来るだけ手に入れよう*]
―回想、薬屋―
[ピスティオは特に何も聞かなかった。
店の外を通れば噂は聞こえよう。
男の不機嫌はいつも以上に深く眉間に皺を刻んでいたのだから。
……その声なら、問わないのは尚の事英断だ。
結局、あの笑みの意味はわからなかった。
店の外のような嘲笑の気配もない。
ただただ、穏やかな笑みだった。
あの女のように、薄ら寒い笑みではなく、男は安堵を覚えた。
だからかも知れない。
柄にもなく、その背に言葉を掛けたのは。
そして男も背を向ける。
以降、その日薬屋が迎えた客はいない。**]
へ、 ぁ、 待っ……ひあっ!
[
まさかまじまじと見られるなんて
思ってもいなかったから、
つい、制止の言葉が飛び出してしまった。
けれど。
それよりも先に、そーさんが、
そこに息を吹きかける。
指とはまた違う感覚に、高い声]
[文庫本の一冊位は読み終わるだろう頃合いに、片手鍋と器を携え地下へと降りる。いつもならポトフに添えるのは、彼女の焼いたフランスパンだったのだけれど、今日はオイルサーディンと合えたショートパスタ]
失礼、待っただろうか。
[新しい水差しをそっと袖机に置いて、彼女の隣に腰掛ける。……何せ急ぎで書庫にベッドだけ持ち込んだようなものだから、椅子はないし、机も袖机程度のもの。
それ故に、こうして傍に座れる所もあるのだけれど]
[大丈夫だと言っていた
[彼女は、本を読んでいたらしかった
──背表紙に記された著者名は、セイルズと同じ名字]
……それは。
[叔父の本だった。推理物も怪奇譚も、偶には恋愛小説も書く人だったから、彼女が読んでいる本が一体どれだったのかは覚えていないが──比較的古い作品だ、確か]
[戸棚を改めて見てみれば、一角にまとめて同じ名前が並んでいる。指一つほどの隙間が出来ているのは、きっと彼女が抜いた跡だろう。……まとめてここに置いていたのか。
暫く本棚を眺めた後、はたと言葉足らずだった事に気づく]
それは叔父の本、なんだ。
……作家をしていた。
同時に良く本を読む人で、
書斎の本は叔父が集めていた物だ。
[そういえばこの辺り、彼女に長々話したことは無かった気がする。
何せ諸々の家事を担っていたのはセイルズで、大抵家にいる人のことを、店の中で態々口に出す理由も無かったので]
[それにしても、叔父の本が面白かったなら良いのだけれど。
時間を忘れられただろうか。
彼女へと視線を戻し、首を傾げる]*
そーさん、 あっ、
そこっ、 きたないからぁ……っ!
[
反射的に閉じそうになる足を、
なんとか抑え込もうとすれば、
喘ぎ声なんて我慢することもできなくて。
指とはまた違う刺激に、
あたしの腰が砕けてしまいそうになるくらい]
ひああ、 吸わないでぇ……っ!
[そうは言っても、嬌声は零れてしまうし、
あたしの腰はびくびくと跳ねてるのだから、
『きもちいい』って思ってることは、
バレてしまってるんだろう**]
メモを貼った。
……な、なに
してない、してないからな……?
[扉の開く音に振り向いて視線が合って、
納得した様子に動揺がモロに顔に出ている。
化粧がないイルマを見るのも久し振りで、
その驚きも多分に現れていた。
唇を結んでいるからそれ以上の弁明はない。
いや、弁明などする必要ないからしないだけで、
明るい表情をしているイルマを見て安堵が……
否、不安が沸き起こったのを辛うじて飲み込んだ。
不幸な勘違いの連鎖をしているなど知らない。
知っていたとしても抗いようはなかったが、
そんな思考も近づいて来られれば吹き飛んでいく]
おい、腕……
あんまり無理すんなよ。
[湯の満ちた桶の重さを知るだけに、
慌てて場所を譲って置く机の障害物をなくして、
促されれば素直に背を預けて拭いて貰うに異はなく。
背に触れられると震えはしたがそれだけだった。
他人に触れられる違和感というよりも、
その暖かさが拭う後に来る肌寒さを予感した震え。
それだけ体温が高まっていることに今更気づいて、
詰まっていた吐息を細く、長く、吐き出すと]
無い、な。
子供らが無事ならそれでいいし、
ああ、俺の着替えが欲しいくらいか。
[背が綺麗になる頃、
欲しいものを述べたがこれだけだった。
実際には街や孤児院の状況を知りたいが、
そこまで望んでも仕方ないと理解はしている。
外に出る自由があるイルマが無理しない範囲、
大事なものはそれだけだから贅沢も言わなかった]
あとは……そうだ、な……
[はぁ、と息を吐いて、吸って、整える。
この一言を言うだけに何故こんな緊張するのか、
意味もわからず深呼吸を3度ほど]
イルマが無事に帰って来てくれれば、それで。
[疑われていた理由は分からずとも、
何故か厳しい噂まで流れていた始末なので。
それに嗅ぎ付けられないように、と、
元凶を知らないまま心配の言葉を吐き出して笑う。
家族になるんだろ、と最後に小声でいい添えて]*
[背中を拭いていれば広いなと感じた。
普段は患者さんを相手にしているし。
こうやって拭いてあげるのは老人が多いから。
こんなに健康な肌に触れる事は少ない。
ずっとここに閉じ込めていたら。
きっとこの背中も痩せ細ってしまうだろう。
動かない人間というものは弱っていくから。
一緒に衰えて死んでいくのならいい。
そう思っていたけどそれは望まれていない。
ならば私も彼も共に生きる道。
それを探さないといけないわけで。]
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