146 demi-human... 『亜人の住まう街で』
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―無明の亜空間―
ッが、は、っ はぁ……ッ!! あ、
[無限ともいえる沈黙の後。
転がった巨躯。
捻じ曲がった空間に投げ出されたと、知るのはまだ、後**]
…………。
[彼は絶句していた。
どこだここは。
行けども闇、触れれども虚空。ただただ、地面らしきものはある。それだけの淋しい空間。
まるで夜に包まれたかのような静寂に、ため息をつく。
空を仰げば、星。その星の歌声に耳をすませば、途切れ途切れに酷い怨嗟の声が聞こえた。
曰く、「気持ちが悪い」
曰く、「不気味だ」
曰く、「全てお前のせいだ」
それがまさか「地上」の人々の声だとは思わなかった彼は、ドーン・ミストの目を瞬きさせ、溜息をついては適当な場所に腰を下ろした]
……おれが憎いなら、殴りにこい
それともこれが貴様なりの復讐なのか
[好かねえな、と呟いた言葉は常とは違い、いつか戦場をかけていた頃の荒い口調。気が立っていた。]
……。
[押し黙り耳を塞ぐ。
真夜中の世界。
…気が狂いそうだ。**]
( ……寒い )
[陽のあたらぬ場所。
己の家も大概暗いが、この場所の比ではない。
まだ、体は動くか。――どれほど保つだろうか。
囁くは憎悪。呻くは怨念。
凝る闇に、差し込む光は只管に弱い。]
( 飲まれたのがおれでよかったのかもな )
[冷たい息を吐きながら、ぼうっとそんな事を思う。
そして、目を閉じた。
『 ………………!!』
呼び声が聞こえてきたのは、夢の縁に立ったすぐ後の事*]
[ ――名を、呼ばれた、気がしたのだが ]
『……おい! おいッ、そこの亜人!!』
[次に聴こえてきた声は全くあれとは違うもので
訝しく思いながら、彼は目を開ける。
目の前に金髪の壮年男性。それが「パルック」と呼ばれる人物だと、彼は知らない。じっとしていれば中々に人のよさそうな人相をしているだろうに、今は少しこけた頬にも、大きな鼻にも大量の汗を伝わせ、目を血走らせていた。
確かニンゲンや他の種族は暑い時や戦っている時に体温を発散するため「汗」というものを出すという。
……この男は何故、汗をかいているのだろう。こんなにも「寒い」のに。
彼がぼやけた思考でそんなことを思っていると、胸倉を掴まれ、怒鳴られる。頬に飛んでくる唾が気持ち悪くて拭った。]
『ここは……ここはどこだ! どうせまたお前達亜人がやったことなんだろう、そうだろう! 出せ、俺をここから出せ!』
出せない。おれも引き込まれた
[淡々と応える。白い息が零れる。――寒い。
なんでもかんでも亜人のせいにするなと睨めば、金髪の男は更に激しくがなりたてる。]
『煩い煩い! はやく返せ!妻と子に会わせてくれ! 暑くてかなわん、出せだせだせだせぇえええ』
……寒い、だろ、 が、
『全部全部お前らのせいだ! 醜いヒトモドキめ!!』
くるってやがる
[もしかしたらヒトによって、この亜空間で見えるものは違うのかもしれないが。それでも、血走った青い眼からは、既に正気の光は失われているように見えた。
彼がその薄い掌を払おうとすると、男は更に逆上し、大凡ヒトとは思えぬ唸り声をあげる。
星達の怨嗟の合唱が響く。――其れが、「ある男」に向けられた言葉のひとつひとつだと、彼は気づくことは出来ない。
血走った眼球がぐるぐるとまわるのが見えた。]
『あぁあぁぁぁぁあぁあぁあぁぁあ暑い熱い暑い熱い炎が、火が身体に燃え移っちまうよ燃える俺が燃えてしまうおいなんでお前は平気なんだそうかお前がやっているんだなだから平気なんだそうだろう早く出せここから出せ早く早く早く』
[”憎い”
そんな声が聞こえた気がした。
彼の鱗が奔る首――それでも、喉の辺りはまだニンゲンのそれなのだ――に金髪の男は深く深く爪を立てる。痛み、気道が締まる。苦しいのに、寒さに凍えるからだは動かない]
はな、せ 狂人、
『おおお目が、目がいくつも回ってぐるぐるぐるぐるぐる俺を見てるよう俺が何をしたっていうんだ許してくれよう俺のせいじゃないんだよころしてくれ熱い熱い熱い熱い……ああ、ああああ!
…くるっているのはおまえだ、
狂っているのは、お前だ!!』
[死ねと金髪の男は叫ぶ。
粘つく汗の感触。
ぐぅ、と押し込められた男の指の関節が白くなっていた。
眩んだ視界に、血走った眼が、叫び散らす口角の泡が映る。
背筋が凍るような――鱗が逆立つような心地がした。]
――――……離せェッ!!
[叫ぶ声は震えていた。
思い切り金髪の男の鳩尾を殴りつける。
ただの人間がリザードマンの一撃に耐えられる筈も無く、肺の空気をほぼ全て押し出しながら、金髪の男は殴り飛ばされ、地面に転がった。
……再び、怨嗟と静寂が闇を支配する。
響く木枯らしの音。肩で息をしながら、彼は男を見た。
気絶はしたが死んではいないらしい。
頬についた唾を拭うと、彼は鼻を鳴らし歩きだした。
男のいない場所へ。
体温を奪うのは、寒さだけではないような気がした。
『狂っているのはお前だ』
その言葉を反芻して、震える。
多くの人々を殺し、それでもこの街で生きようとした自分は――
――もしかしたら、この自分こそが、]
……は……
[小さく吐息を零して、彼は膝をついた。
そのままゆっくりと地面に倒れ臥す。
もう星すら見えない。
盲目の、闇だけが視界を支配する。
『お前のせいだ』
『不気味だ、近寄るな』
『気持ち悪い』
聴こえてくる聲に背を震わせる。
……噫、寒い。**]
『 うそつき 』
[ ……あの子がすすり泣く声が、聞こえた気がした。 ]
( ああ、そうだ )
[ 星の怨嗟の声。 ]
( ……置いていかないって、約束、 )
[ 今頃は泣き止んでいるだろうか。
約束を破ったのだから、嫌われても仕方がない。 ]
( 仕方がねえよなあ )
[地面に僅か爪を立てる。]
『 ………………………? 』
[鼻腔を擽るローズマリー(追憶)。]
( あー。)
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