人狼議事


191 The wonderful world -7 days of MORI-

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視点:


メモを貼った。


―6日目・Barメメント―

[お菓子は全部食べきれなかったので、これはそのまま皿を残して。
テーブルの上のものをざっくりと片付ける。
チーズと生ハムは二人で食べつくしました。]

………。

[少し考え、ウーロン茶を飲んでいたグラスを取り出し、ビールサーバーの前へ。
黄金色の液体がグラスに注がれ、白く弾ける泡が広がる。

それを一気に呷ってから、ソファで熟睡する皆方の隣へ座った。]


最後の晩餐が、菓子につまみにハーゴンダッツ。
ワインの代わりにビールだなんて…なんか、俺達らしいよな。

[眠る皆方の眉間を、人差し指で伸ばしながらくすりと笑う。

最後だからと口にしたビールの緩い酩酊感は、微かにふわりと頭の中を暖かくして。
それがとても心地よい。]


戦ってやられたら終わり。
戦わず、隠れていても終わり。
消えなくも、コンポーザーを倒せなかったら終わり。

それなら…
もう、精一杯やるっきゃねえ。
そうだよな。輝にい。

[ふわふわした感覚に誘われて、そのまま目を閉じる。
心の隅で、日付が進みはじめる音がする。
次に目を開けたらきっと…それが、最後の運命の日。**]


―回想:昨日の話―

[飛ぶ幼馴染の背が、翻る銀髪が、
何だかひどく頼もしく思えて、ふと、何だか涙が出そうになりました。
唇を引き結んで、僕は、祈ります。

早く、倒れて、と。
早く、明日になって、と。]


[その願いが叶ったのか、
程なくして、数多の攻撃に耐え兼ねたノイズは倒れることとなったでしょう。

ほぅ、と、僕は息をついて、じっと手を見ます。
その手に、もう、タイマーはありません。

ふわり、と飛んできた幼馴染に笑いかけて、
そして、僕は、彼を、近くの路地裏へと引き寄せたと思います。

ちらほら見えた参加者たちの前でするような話ではありませんでしたし、
少しだけ、ほんの少しだけ、彼を疲労困憊しているらしい人たちから遠ざけたかったのです。]


[そうして、話って何、と、
僕の顔を覗き込んできた彼を、じ、と見据えて、]

 歯、食いしばって、ね……!

[お決まりの忠告が届いたか、そうでないか。
それよりも先に、僕は、彼の頬に向かって、拳を叩きつけたと思います。]


―とある日の少年と幼馴染の母の話―

[確か、中学の頃の話です。
音流くん、と、僕の名前を呼ぶ声に振り向けば、
そこにあったのは、久方ぶりに見る、幼馴染のお母さんの顔でした。

僕が覚えていた彼女の姿とは違って、
そこかしこに解れや汚れのある、質素な服装ではありましたが、
けれども、にこやかな、優しげな雰囲気は変わっていませんでしたので、
僕は、立ち止まって、ルイのお母さんの話を聞いたのです。

曰く、僕らの家族も、神を信じるべきだ、と。
文明も、学問も、富も――筆も、本も棄てて、
ただ、自然のままに、神の声に聞き入るのが幸せだ、と。
そう、彼女は言ったのです。]


[多分、その少し前の僕なら、
その幸せそうな笑顔に気圧されて、
それを受け入れもしませんが、強く否定もしなかったでしょう。

けれども、丁度、その前の日に、
僕は、母の話を聞いていたものですから。

昔ながらの友人の変わり果てた姿に、
母がなにやら悲しんでいるのは気づいていたので、
生意気な中学生は、彼の母親に、こう、言い返したのでした。]


[ 「あなたは、僕らを幸せにしたいなんて、
  これっぽっちも思ってないでしょう。」

 「僕らの気持ちなんて考えてない。
  ただ、自分が満足して、浸りたいだけなんじゃないですか。」

 「あなたの幸せが、僕らにとっての幸せだなんて、
  勝手に決めつけないでください。」

子供の反論に、彼女は、ひどくつまらなさそうな顔をして、背を向けたのを覚えています。

それから先、ルイのお母さんを見かけることがなかったのは、
生意気な子供に、自分の言葉が伝わるわけがないと見切りをつけたのか、
或いは、他の理由だったのかは知りえません、が。]


―回想:終わりの路地裏にて―

[なるほど、と、何か、ピースがはまったような。
きっと、あの時、母は今の僕と似た心持だったのかもしれない、と。
今になって、僕はその感覚を理解し得ました。

昔からの友人が変わってしまったことに対する、失望や悲しみ。
何より、それを止められなかった、自分を責める気持ち。
ないまぜになったそれらが、のどの奥につっかえて、
ひどく、苦しくて、息すらもできなくなるような感覚に陥るのです。]


 ルイ、って。
 お母さんと、――君のお母さんと一緒だね。
 
 ……僕の幸せなんて、何にも、考えてない。

[かくして、僕は、じんじんと痛む拳を押さえて、
はぁ、と、息を――ため息を吐いて、
疑問符だらけの顔でこちらを見据える彼を、睨みつけたのでした。*]




   [ きみは、── 笑った。]

.


 ── 7th day?:スクランブル交差点 ──

[ 深い、深い、海の底から、
 光の届く水面まで引き上げられるみたいに、
 意識を、取り戻す感覚。

 海に行った記憶なんて、ない、けど。]

  ……── !!

[ 浅く取り戻しかけた覚醒途中の頭に、
 途端に、記憶 が、蘇り、流れ込んできて、
 きっとおれは、息をするのも忘れて、
 勢い良く身体を起こした。また、雑踏の中。

 きみは?*]


 ── 巻き戻し:6th day ──

[ きみが、拳を握りしめるのが、見えた。]

 ……?

[ きみの名を、呼ぼうとしたんだったか。
 話があるんじゃないの? って、
 そりゃもう、素直に待ち構えていたら、

 歯を食いしばれ、ときた。

 どういうこと?]


 ── 記憶:■の喪失 ──

 ……かーさん。

[ 記憶の中の母さんは、いつも、
 空っぽの部屋の窓際にいて、
 たまに、おれが声をかけると、
 いつもにこにこと笑って、振り返った。

 中学に上がって少ししたころ、
 卒業前にはちんちくりんだった制服に、
 おれは、”着られてる”って感じで、

 とうに親戚には愛想をつかされた父さんたちが、
 たまに、”見捨てるには惜しい”かつての知人に、
 声をかけたりしているのも、知っていた。]



 母さんたちの幸せに、
 カンケーないひと巻き込まないでよ……。

[ 両親が、かつてお隣さんだったきみたち家族に、
 そういう気もちを抱いているのも、知ってた。

 ”とてもよい人たちだったのに 残念だなあ”

 っていう、言葉の意味とか、
 包丁もない台所とか、鍵をかけたことのない玄関とか、
 うちとよその家が、どう違うのかとか、

 いつもうちに満ち満ちている幸福は、
 たぶん、ふつうのソレじゃない、とか。

 そのころのおれは、だいたい理解していて、
 おれの言葉なんて届かない世界にいるひとに、
 疲れた声を投げかけてみたけれど、]



  「 きっとまだ、気づけないだけね 」

[ いつか届くわ。今はあのひとたちの分も祈りましょう。

 と微笑んだ母に、なにも言わないで。

 確か、それが、最後の”おねだり”で、
 おれの声さえ届かない世界のあんたの声は、
 たぶん、この世のどこにも響きやしない、って、

 思った記憶は、すごく、遠くて、他人のモノみたいで、]




[ ── どうして、おれは、口をつぐんだんだろう?]

.


 ── 巻き戻し:6th day ──

[ なにかがぶつかった、って感じ。

 はじめてひとに殴られた感想なんて、
 頭のついてこなかった一瞬じゃ、たぶん、そんな感じで、
 頬骨のあたりが熱いぞ、という感覚と一緒に、
 ようやく、驚愕の事実が追いついてくる。

 ── きみがひとを殴った!

 驚きはそこにあった。
 恐らくおれは、ポカン、としていて。
 恐ろしく「失望した」って顔のきみに、
 率直に言えば、恐怖した。

 きみに、か。
 きみが尋常じゃなく怒っているらしい、ということにか、
 それが、どちらだったにせよ、
 きみの言葉が、すぐに頭に入ってこないくらいには。]


[ ── さて、きみの声を、言葉として、
 頭の中に取り込んでみても、はて、
 なんだか、ばらばらとなってしまって、
 やっぱりおれは、ただただ”意味がわからない”って顔で、
 きみを見つめ返していたのだと思う。けど。]

 ── おれは、ただ、ネルに生き返ってほしくて。

[ きみを、ありとあらゆる脅威から、
 今度こそ、遠ざけなければいけないと思った。]

 ── ネルも、がんばって、生き返ろうって、言ったから。

[ ゲームのルールの中に、生きただけだと思うのだ。
 この世界で、おれが、きみのためにできること、
 探していたし、できることはなんだってしたいと思った。]


[ なにが、かはわからないけれど、
 きみの反応か、きみの言葉か、なにか、
 なんだか、ひどく恐ろしくて、

 ── きみのためなら、なんだってする。

 その思いにのっとって、このゲームのルールの中で、
 正しく、ゴールを目指していたはずのおれは、
 ゲーム6日目、終盤を迎えてとうとう、
 きみの様子を伺うように、眉を下げて尋ねることになる。]



 ……おれ、なんか、おかしいこと、言ってる?

[ 口にしてようやく知る。ああ、そうだ。

 記憶が、過去の自分が、
 理解できなくても、違和感だらけでも、
 ふつうの幸せはうちにはなかったよ、って、
 そのことだけは、きっと、知っていた。*]


[拳に、確かな手応え。思わず怒鳴はほくそ笑む。
しかし、猫が火達磨になったのも一瞬のこと。
“猫だった物体”は、炎の中で千変万化を繰り返して。
やがて巨大なクマへと変化した]

 ……はっ、マジかよ。
 本気の一撃をぶちかましてやったっていうのに。

[乾いた笑いが漏れて。
やばい、敵わねえかもしれねえ。
圧倒的な実力差を、びりびりと肌に感じる]



 ―――――ッ!

[クマの剛腕が、怒鳴の眼前に迫った。
咄嗟にバックステップで避ける。
緩慢な動きのそれは、怒鳴の頬を掠めた。

つ、と赤い線が引かれて。
そこから、ぽたぽたと血液が流れ落ちる]

 わざと、手加減しやがったな。

[血を拭うこともせず、怒鳴はクマを睨みつけた]

 ……何もかもが気に食わねえ。

[その声には、怨嗟の響きさえあった]



 ソウルの統合により産まれる概念……だァ?

[コイツは。命を、何だと思っているのかと。
コンポーザーの回答に、怒りが込み上げてきて]

 テメエのいう“ゲーム”とやらに参加しているのはな。
 俺みてえな、小悪党だけじゃねえんだよ。

[怒鳴の声が、震えた]



 泥棒のくせして、世間知らずで優しい女もいれば。
 ムカつくけど職務に熱心な、正義感溢れる警官もいる。

[今までのことを思い出すように]

 女助けるためにヤクザに喧嘩売った兄ちゃんもいれば。
 若くして亡くなった、学生のカップルだっていやがった。

[とめどなく思いは溢れて]

 人畜無害そうな顔して口の悪い、鳥と飼い主もいれば。
 相棒を生き返らせるためには犠牲も厭わない男もいた。 

[視線を、小津に向けて]

 そして―――
 



 借金まみれでどうしようもない男だけど。
 奥さんも子供もいて、どこまでも優しくて。
 俺なんかの為に泣いてくれる。
 そんな、とんでもねえ甘ちゃんだって、参加してるんだ。
 



 おい、コンポーザー。
 テメエはそんな参加者たちが命すり減らして。
 必死こいて頑張ってる姿を見ても何も感じねえのかよ。

[怒鳴の拳に再び炎が宿った。
しかしそのパンチは、クマではなく―――木製の床へ。
忽ち炎が一面に広がり、狭い店内に煙が充満した]




 ―――小津、一発ぶしかましたれ!!!


[カチコミにいくぞ、と言わんとばかりに。
相棒に指示を飛ばす。

なあ、お前もコイツに一発かましてやらねえと。
気が済まないだろう?*] 


メモを貼った。


メモを貼った。


[彼は、やっぱり、何が何だかと言った顔をしていましたので]

 僕のためだって言うの。
 僕のために、人を殺した、って、言うの。

[ねえ、やめてよ、と。そう言わんばかりに、僕は小さく首を振りました。
生き返れる人数は、四人。けれど、そのために、誰かを蹴落とすなんて、そんなの。]


 ……おかしい、よ。
 そうやって、誰かを犠牲にして生き返ったとしてもさ、

 ……その後、僕が、どんな顔をして生きていくかなんて、
 ルイは、考えもしなかったんでしょ?

[ねぇ、だって、そういうことでしょう。
生き返ることだけが、君にとってのゴールで、
その後、僕が、どんな気持ちで生きていくかなんて、
全く、考えもしなかったんでしょう。]


 ルイは、勝手、すぎるよ。
 ……一蓮托生、なんでしょう、僕たち。
 協力して、信頼していかないと、
 生き残れないって、言われたでしょ?

[とはいえ、僕も、彼に甘えすぎていたのかもしれない、と。
そう思うのは確かです。ですから、もっと、お互いに――]

 ……だからさ、ルイが何を考えてるのか、
 僕はもっと知りたい、し、
 ルイにも、僕が、何を考えてるのか、知ってほしい、よ。

 パートナーでしょう、僕たち。

[あぁ、きっと、僕はこれが言いたかったのです。
僕の考えていることが、全部正しいことだなんて思いません。
だから、彼の世界を、見て、聞いて、共有したいと思うのです。

子供の頃、肩を並べて、絵本を開いた時のように。]


[まだ、彼は、分からない、という顔をしていたかもしれません。
何にせよ、僕は、その顔を見つめて、にっこりと笑って見せました。]

 ね、だから。
 明日からも、一緒に――。

[彼の手を取ろうとして、
けれど、それが成されることはなく、その手は、空を切ったのです。]


[背中に走った、何かに切られたような衝撃と、
一瞬遅れた鈍い痛みに、
僕は、声も出せずに、崩れ落ちることになったと思います。

それが、ボーナスタイムに入ってもなお、残っていた、一匹のノイズ。
死神や参加者の、怒涛のような攻撃を掻い潜った、雑音の足掻きであると、
僕が知ることは、終ぞ、ありませんでした。*]


― Bar メメント ―

[そして、男は復活する。]

 しゃああああああ!!
 よーし、漲った!

[と叫んだが、その肩に重みを感じ、見れば、圭一がすやすや眠っていた。]

 ・・・・・・・・・・。

[とりあえず、頭なでなで*]


メモを貼った。


[飛来する脚物家具を弾き飛ばして猫を狙うも、
同じ脚物家具とぶつかり合い、不協和音を響かせ落ちる。

その隙に飛び出す、炎を纏う怒鳴の姿。
彼の一撃は猫を捉えたが、次の瞬間それは姿を変えた]


  姿を変えられるのか……!


[巨体から繰り出される一撃は怒鳴を狙う。
どうにか彼は避けたようだが、背を向けたままの
彼の向こう側の床に、赤い染みが出来るのを見た。

しかし怒鳴は決して臆しなかった。
背中を向けられたままでも分かる。
彼は、怒りに打ち震えているのだと]


[彼の口から述べられるのは、
地上で出会った死した参加者たちの事。

彼らはまだ、戦っている。
それぞれの思いを胸に抱えて、生きようと、必死に。

そして長身の背が、男を振り返った]


  …………バラすでないわ、馬鹿者。


[紳士たるもの、他者に涙を見せてはならぬ。
今まで守れていたのに、この男のせいで破ってしまった。

けれど、怒鳴を責める気は毛頭なく、
目を伏せながら苦笑するだけだった]


[コンポーザーに言い募る怒鳴の拳が再び炎を纏う。
それが向かうのは、真下の床。

燃え広がり、轟々と立ち上る煙。
そして相棒の一言に、男は顔を上げた。

狭い店内で充満する煙。
外ならば拡散されるそれも、閉じられた場所ならば
薄まることなくその場に留まる]


  ……コンポーザー。
  貴殿は命を詰まらないもののように言うが、
  命とは何物にも代えがたい、世界で一番美しいものなのだ。


[それを感じる"心"は失ったが、確かに"記憶"していた。
―― ふわり。秩序無き煙が形を成す。
それはいつか、幾何に見せた金魚の形をしていた]


[ただし、その数はあの時の非ではない。
狭い店内に幾多の白煙の金魚が舞い、揺らめき、泳ぐ]


  我らは貴殿に鑑賞されるだけの金魚ではない!
  貴殿が水槽を逆さにするつもりならば、

  ―― 我らは宙を泳いで見せようぞ。


[男の言葉を合図に、白煙の金魚が熊へと向かい泳ぐ。
普通の金魚が泳ぐ速度よりもずっと速く、
それぞれが白煙の尾を引きながら不規則な軌道を描き、

クマをヒレで切り裂き、貫かんと迫るだろう]*




[とりあえず、夢のように問いかけられた言葉は本当か嘘可。幻か真実か。いずれにしても悪い気はしない。]

 ああ、もちろん、
 あとは、死ぬ気でいろいろやんだけだな!

[死ぬ気って死んでるけど、
 でも、覚悟完了は何度申告してもたりないくらいのものだろう]


メモを貼った。


― Bar メメント ―

…………

[すよすよすよ…すぴすぴすぴ…
気持ちよく、気持ちよーく熟睡中。
撫でられてふにゃふにゃと頭を動かして丸くなり……]

…ふにゃ。あれ。
輝にい、起きたんだ。おはよー。

[目を擦りながら大きく伸びをした。*]




 おう、起きたか。
 で。飯はちゃんと食ったか?腹いっぱいになったか?
 ヨハネちゃんは、ここにはいないみたいだからな。
 とりま、


 最終決戦いこか?

[なんちゃって、カッコつけていってみつつ]


どぉーーーん

[次には妙な効果音、というのはなかったんだが、
 ともかく、その姿はブブブブ…変わっていく・

 最初は、右腕が獣化。だけれども、
 そこから広がる、ブランデー色の毛並み。
 身体のラインはしなやかに伸び、
 毛はふさふさと、当然、服はびりびりっと破けていくが、

 まぁ、関係ないでしょう。
 完全な四足歩行の狼になるのだから]


手加減しなければ、ミッションにならないと思いまして。
やり方が下手なのは、お許しください。

[爪の先に擦った、血の感触。
その温度を感じながら、こちらを睨み付けてくる男を無表情に見つめ返します。]

ええ。そうですね。
此度のゲームには、実に多彩な可能性の種がありました。
もちろん、貴方もそのうちの一人です。

[何も感じない、というわけではありません。
今回の参加者、死神たち、そして白上さんの誘導も合わさって、
実に質の高いゲームに仕上がっているのは感じています。

――貴方が主張するような内容とは、ズレているのでしょうけれど。]


貴方は、一番大切なものを奪われて、その結果。
生前では考えられない行動を取るようになりましたね。

変化は、“せかい”の広がりを齎します。
実に興味深いものでした。

[長い年月の中、そうした事例は数え切れないほど見てきました。
だから、心を動かすには足りませんでしたが。

しかし、こうして眼前で対峙すると、感じるものがあります。
しばらくぶりの――なんでしょう、この気持ちは。
この区の全てを見て、聞いて、感じているだけの時とは違う、何かが。


[彼が炎の拳で殴りつけたのは、床。
そこから吹き出る熱、そして煙。
煙は、彼のパートナーの武器。

無数の白き金魚が泳ぎ、軌跡を引きながらこちらへと向かってくる光景。
それはなんと美しいことでしょう。

捉え切れない動きに、“クマ”は、その強靭な腕を以てしてガードを試みますが、
的が大きいのが災いして、切り付けられるがまま。]

……ふふっ。

[つい、笑いました。
……自分でも驚きました。

随分長いこと、営業スマイルしか浮かべていなかったはずなのですがね。]


[ ”どうしても”きみに生き返ってほしかったから。

 とは、もう言葉になってなかったんだろう。
 それを望まない、ときみは言って、
 だけど、おれは、どうしても、
 きみが失われるのが、耐えられなかったのだ。

 まったく考えなかったわけじゃない、と、思う。
 おれが、きみに望むことと、きみが望むこと、
 食い違ってしまったら、おれはどうするんだろうなあ。
 って、ほんと、うっすらと。

 きみは、おれがわからない、と言ったけど、
 おれの中にあったのは、最初から、
 ほんとうに、ただひとつだけだった。]


命は美しいか、否か。
それを見極めるために、魂を燃やしていただきましょう。
賭けてください。全てを。

[ただし、賭けるものは借金がどうとかいうレベルには収まりませんが。

――面白いじゃないですか。
僕が逆さにした水槽を、それでも諦めずに泳いでくる金魚。
そんなものがあるならば、ぜひとも、見たいと思うほどには。]

……終末は近いです。
貴方がたに、できるというのなら、ぜひ。

[傷だらけの“クマ”は、くるりと回って“龍”になります。
神話にて語られるような、胴の長い龍に。]



 ――おれはただ、ネルに生きてほしかっただけ。


[ それだけだったんだ。他には何もいらないってだけで。
 それしかなかった。
 おれにはそれだけなんだよ。
 だけど、きみのことは、なんにもわかんないよ。]




 ── ネルは、どうしたかったの。

.


[ぐるり、狭いカフェの中を回り、空気を掻き回して煙を晴らせば、
勢いよく飛び上がって天井を突き破るでしょう。
そして、瓦礫の山を彼らの頭上に振らせます。

それでも追って来てくださるのを期待しながら。
またしても場所を変えて、僕は1へと飛びます。*

1.エコーシティ
2.13'sスクエア]


[ ほかに、おれはどうすればよかったの。

 とでも、言うみたいに。
 啓示を待つひとみたいに、見えたかもしれない。
 それでも、きみが望むなら、そうしよう、
 とは、思ったのだ。

 きみが望むなら、おれもそうしたい。
 それもだめ?

 おれはきっと、ただひたすら、
 困り果てている、って顔をしていたんだろう。

 きみは、まっすぐにおれを見つめて、
 ゆっくり、口を開いた。]




 ”ね、だから。 明日からも、一緒に── 。”

.


[ きみは、ずうっと昔、
 並んで絵本を覗いたときや、
 一緒にビデオを見たときや、
 三人のおもちゃの兵隊を見たときみたいに、笑った。

 頷こうとしたおれの顔には、赤い血が飛んだ。]



[ ……なんにもない、この世界で、

 どうせ、十年ほども、死んでいたようなものだった。
 唯一、おれは、きみの世界で、息をして、
 おれを生かしてくれたのは、きみだったのだ。
 きみの本は、生きる理由、世界の意味、そのもの。

 ── だから、今度は、おれがきみを取り戻そう、って。]
.


[ ── きみが、崩れ落ちるのを見た。

 そのとき、おれが、どんな顔をしていたのか、
 なんて、おれにわかるはずもないけれど、

 きみの背後から現れた化物と、
 静かに崩れ落ちていくきみと、

 おれは、どうすればよかったんだろう。

 きみに手を伸ばそうとして、脳裏を過ぎったのは、
 どうしてだか、真っ赤な傘と、短い言葉。

 ── 触れてもいい?

 なんて、聞けるはずもなく、
 ひどく、指先が強張っている実感だけがあった。]




[ ── そして、それを最後に、世界は暗転する。*]

.


―Barメメント―


おう。ばっちりオッケーだ!
ハーゴンダッツまであったからエネルギーチャージは完璧。

……そうだな。
それじゃ、俺らと、この街の最終決戦。
行くとする…か……

[皆方に合わせてカッコつけな言葉を発した直後、叔父の姿が変わっていく様子に目を丸くする。]



え…?
すげー……
輝にい、そんな変化できたんだ……!!

[最初は腕。それから胴体。
毛皮に包まれ、骨格が変わり…]

大きい、狼……

[変化を最後まで確認してから、改めてふかふかの毛皮に手をやった。
もふもふ。もふもふもふ。]



(よし、背中のれ。)

[狼の声は圭一には聞こえるだろう。
あとコンポーザーもきっと万能なんだし]

(お前には、上手に当ててもらわないとな。
 あと、トリも探すぞ)

[協力は必須、それは自覚あるがゆえ
 そのほかにも怒鳴組やルイネル組がこちらにきたことは、まだ、しらない。]


 ── 7th day?:スクランブル交差点 ──

[ そうして、おれは目を覚ました。

 勢い良く身体を起こして、きみを探して。

 自分の置かれた状況と、
 ”脱落者へのミッション”に気がつくのは、

 あと、ほんの少し、あとの話。*]



 うるせえ。
 死んでから体面気にしてどうするんだ阿呆。

[馬鹿者、と小津に罵られれば。
にやりと笑って、横柄な口調でそう返す。
やられっぱなしは性に合わないのだ]

 世界で一番美しい、もの……。

[小津の言葉に、頭上に渦巻く煙を見遣った。

美しいものを美しいと感じる心。
それを失ったと、確かに小津はあの時そう言った。

小津も、このコンポーザーに対して怒っているのだ。
その言葉の意味を、怒鳴は噛みしめた]


[店内を煙の金魚が悠然と泳ぐ姿を、
怒鳴は呆然と見遣る。

それは美しい、白銀の舞い。
まるで、御伽噺の一幕のような。幻想的な光景]

 ……すげえ。

[素直に、そう声を漏らして。

思わず目の前で泳ぐ金魚に手を伸ばせば。
ばちんと金魚は宙で跳ねて、怒鳴の掌をすり抜けていった。

小津の合図と共に、金魚たちの動きが変わる。
早く、不規則で、先の読めない軌道を描くそれに。
目が回りそうな感覚すら覚えて。

凄まじいまでの、金魚たちの猛攻]





 ――――やったか!?


 


[思わず膝を叩いて叫ぶが。
次の瞬間には、怒鳴は驚愕に顔を歪ませる。

傷だらけの“クマ”が、“龍”へと姿を変えて。
カフェの天井を突き破って、舞い上がっていく光景を。

ただ怒鳴は、呆然と見送るほかなかった]

 ……は、は。嘘だろ。
 ドラゴンになりやがった、ぞ。

[掠れた声を出して。
まるで神話に出てくる神様のような理不尽さ]

 小津。俺らは、もしかしなくても。
 とんでもねえモンを敵に回しちまったみてえだな。

[穴の開いた天井を、見上げた**]


ひゃっ!輝にいの声で喋った…っ
って、輝にいだから当たり前か。

乗る?背中に?

[恐る恐る背中に跨り、首にぎゅっと捕まってみる。]

あ…意外と乗りやすい。
えぇと、やる事は二つ。
協力してくれそうな俺らみたいなのを探す。
コンポーザーを探す。
見つけたら、皆で倒す。そういう事だな。

[体勢を整え、狼に騎乗した状態で、現状を確認。
耳元で話しながら、了解と頷く代わりに頭をこつんと狼の頭に合わせた。]


メモを貼った。


メモを貼った。


―7th days?:スクランブル交差点―

[最後に見たのは、今にも泣きそうな顔をした幼馴染で、
大丈夫だよ、なんて、幼い頃のように手を差し伸べることもできず、
僕の意識は急激に沈んで――。

それから――?

がばり、と身を起こして、周囲を見渡せば、
最初の日とは違って、
きっと、そんなに遠くない場所に、彼と――
それから、遠くの空の“何か”が、見えたかもしれません。**]


メモを貼った。




 [ ―― "……貴殿らは、金魚か?"

  幾何と名乗る死神に問うた事。
   その返事を男が知ることは無かったが、
  もし聞こえていたならば、男はこう答えただろう ]


   いいや、違う。
   何故ならヒトは、金魚のように絢爛ではないからな。

 






  ―――― だがそれ故に、金魚よりも美しいのだ。*



 


[水の中ではなく空を泳ぐ白煙の金魚の群れは
クマ目掛けて不規則な軌跡を描き、泳ぐ。

金魚の群れは、狙い通りにクマを切り裂くが、
怒鳴がやったかと声を上げるのと、
コンポーザーが密かに笑ったのは、ほぼ同時だった]


  なっ……!?


[二足歩行の巨体が、空想上の生き物へと成る。
蛇のような身体に鋭い爪を持つ手と角を持つ龍。

狭いカフェの中を渦巻き、撹拌される煙は、
白煙の金魚の輪郭を消し去った]


[龍はカフェの天井を突き破り、空へと飛ぶ。
降ってくる瓦礫は再度テーブルの陰に隠れてやり過ごした。

騒動が静まった頃。
天井に空いた穴から空を見上げる。
隣から呆然とした怒鳴の声が聞こえた]


   何を今更。
   どんな者であろうが、諦めるわけにはイカン。


[いつか、類に語った「諦める事と諦めない事」
どちらを選ぶかはその時々で考えろと。


―――― 今は諦めてはならない時だ]

 




   追うぞ、ミスター。
   まさか、怖気づいたわけではあるまい。


[冗談めかしながら口端を上げて、
迷いなき足取りでカフェの出口へと向かった]**


メモを貼った。



(まぁ、そう、やすやすと賛同者が集まるとは限らないがな。)

[圭一を乗せると、派手に蹴り飛ばした出入り口、今度は狼の姿で扉をでる。]

(多分、さっきのダッツのアイスは、魔法力2倍ってやつだ。
 なんちゃってな。)

[そんなことをいいながら、さてと外に出て、見上げる空。
ちょうど7見えたのは、この世界にはいないはずの動物の姿だったか。]


メモを貼った。


[ 顔をあげたら、すぐ近くにきみがいた。

 雪崩れ込むように蘇った記憶が、
 響く声が、
 きみに、きみとおれに起こったことを、
 忠実に、思い起こさせる。]

 ── ネル、

[ きっと、二度目だった。

 おれは、今この瞬間に
 これまでに経験したどんな瞬間よりも、
 自分のあまりの愚かしさに、
 絶望というきもちをあじわって、
 ただ、この世界から、消えてしまいたいとさえ思った。

 この七日間のはじまりの、あの日以上に。

 ── だけど、チャンスもまた、あった。]




  [ ── 紀陸類は、まだ、あきらめない。あきらめられない? ]

.



 ── ネル、おれ、

[ ”今度こそ”って、また思う。

 繰り返し? 繰り返しなのかな。
 何度だって、たぶん、おれは思う。思ってしまう。
 どうしても、きみに、生き返ってほしい。
 きみだけ、生き返ってくれるなら、それでいい。
 そのためだったら、なんだってする。

 だって、おれは、きっと、
 いや、間違いなく、
 一度ならず二度も、死をも覆して、
 そのためだけに、ここにいるのだから。]




 [  ── 違うの?  ]

.


[ また、きみを死なせてしまった後悔とか、
 二度目の死の間際、きみが言ったこと。

 銀色の死神が、小さい死神が、
 元・同級生たちや、お菓子をくれた参加者とか、
 ── その、ほとんど名前も知らない誰かたちの言葉や、

 なにもかも、ごちゃまぜになって、
 おれは、]

 ……おれ、ネルに、生き返ってほしいよ。

 それは、あきらめられないよ。
 なにがなんでも、ネルには、生きてほしかった。
 ……生きてほしい。

[ おれは、やっぱり、それしかないんだ。
 と思って、ただ、それが、怖かった。**]



…だよな。どんだけ話が通じてるか、知ってるかでも変わるし…
なんか、左の方からすごい音がした気がしたんだけど…
……へぁ!?

[動き始めるとさすがに揺れる。
ただ、互いに霊体だからか、謎の安定感はあって姿勢は保てる。
そのまま扉を出て、空を見上げて二度見。]

でかい蛇?龍?
なんか、すげー長いのが南の方に飛んでったけど…
あれは、アレか。
コンポーザー…しかないよな。
レベルアップしてやがる…

[実際にはレベルアップではないのだが。
印象としては、鮫がもっとやばいのに進化したような、そんな感じ。]


メモを貼った。


魔法力2倍…あったらいいよな。
二倍の力で、ドーン!って。

いや、この状態で移動なら、落ちないギリギリ出力上げてでかいの投げて…
ヒット・アンド・アウェイでもっかい力が溜まるまで待つとか。
そんな作戦もとれないことは…ないのかな。

接近戦じゃない時には。

[皆方の主力攻撃は近接。
ただ、あの大きな龍相手に近接戦は
鮫の時の二の舞になりそうで。
遠隔戦に対応できそうな作戦を考えてみた。]


メモを貼った。


メモを貼った。


もう一度、龍の飛び去った方角に目を向けた**


― エコーシティ上空 ―

[ふわりと浮かび上がる巨体は、伝説の中に出てくる龍の姿。
雷雲を呼び、竜巻と共に飛ぶと言われています。

僕にそんな力は、あるのかというと。
残念ですが、UGの中限定でになります。

――久方ぶりに燃え上がりそうな気持ちを、認めざるを得ません。
この僕に臆することなく挑んで来るだけでなく、啖呵まで切った魂の残滓たち。
興味深さは増します。

遊戯というものは、見ているだけではなく、参加しなければ楽しめない、というやつなのでしょうか。
マブスラは観戦だけで熱中できたのですけどね。

ここで再び、誰かの訪れを待つことにします。
今の姿は、間違いなく目立つでしょう。**]


メモを貼った。


[自分の身に起こったこと。
背に走った衝撃と、泣き出しそうな幼馴染の顔。
行き着いた答えに、僕は、あぁ、と嘆息を吐き出しました。

つまり、僕が、ルイを。
一蓮托生の身。“そういうこと”なのだと気づいて、
僕は、その場に座り込んだまま、うつむいてしまいました。

一体、彼に、どんな顔をすればいいのか。
僕の頭にあったのは、それだけで、
僕の名前を呼ぶ彼の声にも、顔を上げられません。]


[それでも、彼は、未だ、
僕を、生き返らせたい、と、そう言うのですから、]

 ……僕だって、ルイと、
 ルイと一緒に、生き返りたい。

[僕は、ようやっと顔を上げて、彼に、そう言ったと思います。
僕ひとりだけ生き返っても、意味がない。
彼と、一緒に。

幸いにも、着信を告げた携帯にあったメッセージは、
未だ、可能性が残っていることを示しておりましたから、]


 ……まだ、ゲームは終わってない、って。
 だから、ね。

[一緒に、生き返ろう、って。
そう笑って、彼と共に、歩き出したでしょうか。

目指すは、南の方角。
雑踏に不釣り合いな、光る彗星のような“何か”が見えた先。*]


[ きみが、”一緒に生き返りたい”と言うとき、
 おれは、どんな顔をしていたのだろう。

 おれ、別に、生き返りたいとか、思ってないよ。
 生き返りたくないと思うほど、嫌いでもなかったけど、

 ── たぶん、おれがひとりで死んだなら、

 はじまりのあの日、きみがいなかったら、
 出会ったのが、桐原でも、小津さんでも、
 例えば、父さんや母さんでも、

 きっと、おれは、
 こんなゲームに参加もしないで、
 とっとと消滅していたように思うし、
 生き返る権利を賭けて争うとか、
 そこまでして、取り戻したい人生でもなかった。]


 ── 記憶:ヒゲ探偵と見つからないねこ ──


 ……あきらめるのなら、得意なんですけど。

[ なにか、諭すような小津探偵の言葉に、
 へらり、と、笑えたらよかったんだけど。
 日頃サボりっぱなしの表情筋が、
 そう都合よく働いてくれることもなく、
 淡々、ぼそぼそと、言葉を吐いただけのひとになる。]

 ……ねこはがんばって探すことにします。

[ あきらめないほうがいいものなんて、
 見当たらないですよ。とも言えないで、

 ひょこり、と、頭を下げた。夕暮れ。*]




 ── ネルが、そう望んでくれるなら。

*


 ── 中央エリア→南エリア ──

[ きみが望んだ答えじゃなかったとしても、
 おれの口から言えるのは、きっとそれだけだった。
 ほかに、なんにもないんだもの。

 だから、それ以上なにも言わず、
 きみと肩を並べて歩いていく。

 空になにかが浮かぶ場所へ。

 「あれかな?」って、きみに囁きながら、
 あるいは、途中で誰かに出会ったにしろ、]


[ 最終的に辿り着いた先で、
 おれは、迷うこともなかっただろう。

 長ったらしい前口上なんか、
 ヒーローでもなけりゃいらないんだって、

 攻撃なんて、全部きみに任せて、
 おれは、的を固定する手助けをするだけだって、
 駆け寄って、そのまま、勢いよく地面を蹴って、

 飛ぶ。**]


メモを貼った。


[やっぱり、彼は、訳が分からないという顔をしていたので、
僕も、困ったように笑って、行こう、と、促すだけでした。

僕が、何のために絵本作家になったかなんて、
きっと、君は考えたこともないのでしょうし、
そもそも、言ったこともありません。

けれども、また、一緒に、二人で絵本を読もう、なんて。
何だか、余りにも子供っぽ過ぎる気がして、言えやしないので、
それでいいのかなぁ、とも、思わなくもないのです。]


―中央エリア→南エリア:エコーシティ―

[――龍には、様々な伝説があるんだよ。
というのも、父から伝え聞いた話だったと思います。

命に代えて、干ばつから人々を救った善でもあり、
無慈悲に人間を食らう悪でもあり、
外国では、騎士物語において、討伐される暴君として描かれることもあると聞きます。

龍が物語に於いて成す役割はそれぞれ違えど、
そのどれもに共通するのは、超越した存在であるということ。

自然も、摂理も、何もかもを超えて、
ただの人間の力の及ばないところに、それは存在しているのです。]


[ですから、それを前にして、少しばかり膝が震えたのは、
至極当然のことなのかもしれません。
僕は、決して優れた人間であるとは言えませんし、
ましてや、選ばれし勇者でもありません。

ただ、幼馴染と――ルイと一緒に、世界の続きを見たいだけ。
それだけで、僕は、その超越した存在に、立ち向かおうと思うのです。

きっと、挨拶なんてする暇もなかったでしょう。
それが、特別な存在であることは、火を見るよりも明らかでしたし、
念のため、と、声をかけようとした僕よりも先に、
翅を纏った幼馴染は、それに飛びかかっていきましたから。]


[逡巡する間もなく、僕の周囲には、兵隊が現れます。

銀の刃が、羽を纏った少年に追随するように、龍へと飛びかかり、
弾丸は、龍の1(1.目2.喉元3.腹)を狙って撃ち出され、
残った盾を持った兵隊は、
万が一にも、僕が彼の足手まといにならぬよう、
その盾を頼もしく構えることになったと思いますが、さて。**]


[“龍”の元に飛び込むその勇姿を認め、
僕はそちらに顔を向けます。

生き返るためのチャンスは、まだ潰えていません。
今度こそ“なんでも”すれば宜しい。
煩雑なルールは無い、シンプルなミッションですから。

向かってくる翅の少年の様子も観察しておりましたが。
エントリー料を失ったことでタガが外れた、とでも言うのでしょうか。

ゲームのルールとしては何も逸脱しておりませんでしたが。
そのままでは少々、生き辛いでしょうね。

そうまでして他人に入れ篭むことができるというのもまた、僕にとっては興味深いですが。]


[“龍”の口から、吐息を放射します。
その風圧は、向かってくる少年を狙って、一直線に。
避けられればまた、それを追うようにもう一度。

こちらに近付かせようとするだけでなく、同時に、
羽ばたきによって舞い上がった鱗粉を掻き散らすため。

蛾の麻痺毒は、吹き飛ばしてしまえば無力化できるでしょう。
――直接触れられたら、僕でさえ危険だという予感がありますが。

そうして宙に吐息を吐き出し続けていたら、地上に現れし兵隊たちが、
その主の指示を受けてこちらへ銃を向けており。]


……くっ。

[風の音を裂くように放たれた音。それは、僕の左目へ突き刺さろうとしたでしょう。
瞼を閉じてしまえば、固い体皮は銃弾すらも弾くことができましたが。

その隙に、翅の少年が忍び寄っていたとしたら。
僕は咄嗟に身をぐるりと回転させ、僕を中心に竜巻を生み出し、
周囲にいた者を巻き込みながら、少しでも遠ざけようとするでしょう。*]


[――生き物は、目に鎧をつけることは出来ない。
――だから、何かあれば、相手の目を狙え。

母に咎められて中断された父の知識も、
理を超越したそれには通用しないらしく、
まるで埃か何かのように空を舞った銃弾に、
僕は目を瞠ったことと思います。

けれど、それも数瞬の事。
はっきりとわかったのは、僕の攻撃――
銃弾や斬撃といった、鱗に阻まれる力は、余り頼りに出来ないらしいということです。

けれど、幼馴染の力なら。
触れただけで、ノイズの動きを一瞬で止めることも出来る、それなら、或いは。
受け止めるでも、はじき返すでもなく、
吹き飛ばそうとした龍の姿に、僕は、そう思います。]


 ……ルイ!
 竜を、力を使って、殴りつけて!

[それを言おうが言うまいが、
きっと、幼馴染は、突っ込むことしか知らなかったでしょう。
一度目の息吹こそ避けはすれど、二撃目はそうもいかなかったかもしれません。

けれど、それが彼を吹き飛ばすことはありません。
幼馴染に追随するように動いていた兵が、
彼の身体を、後ろへと突き飛ばして、
代わりに、息吹を受けることとなったでしょうから。]


[きっと、それは、龍が作り出した竜巻からも、彼を守ることに繋がったでしょうが、
巨大な龍の動きを受けた兵隊は、たまらず、床に転がることになったでしょう。

幸いにも、大きな損傷はなかったそれに、僕は息を吐いて、
もう一度、翅を纏って、龍の頭上へと飛び出していった幼馴染の助けになるよう、
3(1.喉2.口3.胴)に向けて、銃弾を撃ち込もうとしたでしょうか。*]


メモを貼った。


[息吹を肩代わりした兵隊の働きで、翅の少年を撃ち落とすことはできませんでした。
やはり、手数こそが戦闘においては大事だということだったかもしれません。

再び撃ち込まれた銃弾を、胴で受け、弾きます。
鱗に包まれていない部位といえど、単純に皮膚の硬さには分があります。
ただの物理的な破壊はものともしない――とは、思うのですが。

いかんせん、“龍”のような大きな姿になるのは、多少の負担もありますので。
防御に集中していると反応が遅れてしまいがちになります。]

優れた連携であることは認めます。
しかし、近付けさせはしません。

[再び頭上へと飛び込んで来た少年を撃ち落とすように、
さらにその頭上に雷雲を作り出して、ゴロゴロという雷鳴の後に、
凄まじい稲光が、天より降るでしょう。]


[それは雷鳴を聞いて警戒すれば十分に避けられるものですが、
その一瞬で作り出した隙に、“龍”は地上へと落ち、その姿をぐにゃりと変えていくでしょう。]

そちらの貴方。
今はどのような気分でしょうか。

[変化する姿の中から、僕は問いかけます。
兵隊を操る幻想の主に。]

僕に挑むということは、生き返りたいということでしょう。
何を望んで、生き返ろうと思うのか。
お聞かせくださいますか。

[どのような返事が返ってくるのか、興味を膨らませながら。
僕が形作る次なる姿は、九尾を従えた“妖狐”。
その9つの尾の先端に灯る青い炎を、ゆらり、蠢かせて。

小さな青い火の玉の1連撃を、彼に向かって撃ち込みましょう。*]


メモを貼った。


[幼馴染も、兵隊を吹き飛ばした龍を、多少は警戒していたらしく、
きっと、閃光をものともせず、翅をはためかせて、避けたことだと思います。

けれども、そこで、龍は動きました。
とぐろを巻いていた龍が、僕の方へと長い体躯を伸ばして、
空気に溶けるように、ぐにゃ、と溶けて、

恐る恐る目を開けたその後、そこに竜はいませんでした。
人かも、それ以外かもわからない。
それでも、確かにそこにいた“誰か”――
――メール曰く、『コンポーザー』の問いかけに、
僕は、一瞬逡巡しつつも、口を開いたと思います。]


 ……僕は、ただ、彼と
 ――パートナーと、一緒に、生き返って、

[きっと、このヒトの前では、
嘘とか、建前とか、
そんなものは一切意味を成さない。そう思いました。

ですから、僕は、息を吐いたのち、
まっすぐに、彼を見据えて、答えたと思います。]

 ……一緒に、子供の頃みたいに、絵本を読みたい。
 もっともっと、色んな世界の続きを見たいんです。

[幼い頃とは、何もかもが変わってしまったかもしれません。
けれど、生き返りさえすれば、やり直すことだって。
夢の続きを追うことさえできる。

ただ、望むことはそれだけなのです。
生き返ってなにかしら人のために素晴らしいことをする、とか、
そんな大層なことを考えられない、夢を見続けるだけの僕に、生き返る資格はありませんか。]


[そうして、目の前の何かが、再び形を変えます。
人を惑わせ、国すら亡ぼすこともある、魔力を秘めた生き物、だったでしょうか。

その裂けた九つの尾の先に宿った青白い炎が、
ひとつとなって、僕に向かってくるならば、
僕の前に躍り出るようにして、盾を持った兵隊がそれを防いだことでしょう。

同時に、その報復と言わんばかりに、炎を撃ちだしたそれに向かって、
剣を持った兵隊が、刀を振るわんと向かい、
ライフルを持った兵隊が、その弾を1発、撃ちだしたでしょうか。]


[丁度、その時でした。
きっと、僕と“何か”を見比べるようにして、
隙を伺っていた幼馴染が、狐に向かって動き出したのは。

狐の後ろから回り込むように、枯れ葉色の翅を閃かせて、
幼馴染は空を舞います。

もしも、そちらに向けて、攻撃が飛んでくるのであれば、
無鉄砲な彼は、翅を仕舞い、狐に向かって、その身体ごと落下するようにして、
ゆらゆら、揺れる九つに裂けた尾の一つに、
力を込めた手で“触”れようとしたかもしれません。*]


メモを貼った。


いろんな世界、ですか。

[返って来た答えをゆっくりと咀嚼して、さて。
この少年は、生前に何をしていたのかを、僕は知っています。

絵本を開けば、そこに広がっているのはまた別の“せかい”。
雑音など一切感じない、無音の世界。
そこに美しさを感じた記憶は、たしかにありました。

もう、僕はそれも忘れかけてしまっていて。]

貴方には、この世界に、そうまでして生を望むほどの、価値がお有りだと。

[大層な願いがあるわけではない、らしいですが。
それならば、何故。あのような世界を紡ぐことができたのか。]


貴方は何かを失って、何かを得ましたか。
貴方のパートナーは、何かを失って、何かを得ましたか。

[絵本作家の少年と、翅の少年に、2人に向けた問いの形で喋ります。
しかしそれは、ただ喋っただけで、問いなどではありません。
答えが返ってくることはあまり期待していない、独り言のようなもの。

炎を防いだ兵隊とは別の兵隊が、迫ります。
刀を、尾の一つで絡み取り無力化し、銃弾は身を屈めてやり過ごします。
しなやかな九尾の体躯では、それが十分可能でした。]


[――しかし。
その直後、頭上からこちらへ舞い戻ってくる少年に気付き。

そちらへ5発の青い火の玉を放ちますが、
それは避けられたか、構わず突っ切って来られたか、
“九尾”へと距離を縮めて、触れようと。]

っ!

[尾のひとつに指先が擦ったか、そこから神経を伝って痺れるような感覚を覚えた、その刹那。
咄嗟に――そう、咄嗟に。
痺れ出した一本の尾を、他の尾が切り落とします。

止むを得ず後退し、彼らに向き直れば。
そこにいたのは不格好な八尾の狐。

やはり、近付かせてはならないと。
青い炎を収束して大きく広げ、炎の壁として放ちます。
火傷覚悟で突っ込むか、飛び越えるか。避ける手段は多くないはずです。*]


 ── 7th day?:エコーシティ ──

[ 殴れ、ときみが言ったので、
 おれはただ、その言葉の通りに飛んだ。

 硬そうな鱗を通して、果たしておれの力が効くのか、
 そんなこと、考える必要もないくらい、
 おれには、それしかなかった。
 なんにも殺せないこの力で、きみの助けになりたい。]

 ── まかせて。

[ 地面を蹴る。]


[ もしも、きみとおれの命が、
 ひも付けられていなかったら、
 間違いなく、おれは言っただろうに。

 きみのためなら死ねる。

 むつかしいのは、
 おれが死んだら、きみも終わるって、
 そのことだけだったのだ、ずっと。

 きみがそれを望まないんでも、なんでも、
 実のところ、おれはそうしたかったのかもしれない。]


[ ── 現実は、そうもうまくはいかないもので、

 そう簡単に攻撃は通らないし、
 おれが死んだら、きみが死ぬから、
 おれは、保身を忘れられない。

 響く雷鳴に、咄嗟に距離を取る。

 そうも早くは動けないのと、
 壊れると修復に時間がかかるのが、
 この翅の厄介なところで、

 だから、中途半端な空中から、
 地上へ、ぽんと飛び降りたんだったかな。**]


メモを貼った。


― 龍を遠くからみる ―

[圭一を乗せ、揺さぶりながら、走っていく。
 振り落とす気はないが、掴まっていないと危ないことは確かだ。
 いつもなら、ちょいとまた軽口も叩くところだけれども、
 さすがに、少し、考えることも多かった。

 なんとなく、だけど、
 バーにヨハネがいないことは、結果的、彼がそうではないかという根拠のない確信にすり替わっていたし。
 何より、そうであれば、やはり話をきく必要性を感じている。

 けれども、問答無用であれば、それはそれで受け入れるしかないだろう。
 この街を破壊できるコンポーザーなどに、まず、少数で立ち向かったところで、敵うなど考えられない。]


― エコーシティ ─

[ただ、その場所についた時、その龍は既に交戦中だった。
 見れば、それはあきらかに覚えのある二人組。
 翅の男と、童話の向坂。

 男は、明らかに眼光、一度赤く輝かせて、
 それでも、ぴたり止まって、背中にある圭一の反応をみたのは、
 もちろん、まだ理性を持った生き物だからだ。

 だが、正直、気分はよくない。]

 (――……ふぅん、あいつら脱落したのか。)

[内心、ざまぁ、と思った大人げない男、いや、狼であった。*]


[蒼穹を昇った龍を追うべくカフェの外へ出る、その前。
男は、頬から血を流す怒鳴を見て、
ズボンのポケットからハンカチを取り出した]


   使いたまえ。返さなくてよい。
   ……それと、先ほど言った嘘の話だが、
   吾輩は殺害依頼などしておらぬ。


[先ほど中断した嘘と本当の話。

本当は見知らぬ女性に殺された事。
その理由は分からない事。
嘘を吐いたのは、いつも脅されていたから
その仕返しの為だったという事。

それらを伝えた後に、男は目を伏せた]




   ……すまなかった。
   吾輩の嘘のせいで貴殿があんな目に
   遭ったのだから、許されるとは思わんが。

   だから、貴殿は吾輩の為に戦うでない。
   自らの為に戦いたまえ。


[それだけは伝えなければならないと、
男は怒鳴を見上げて、言葉を放った。

そうしてようやく、カフェの扉を開けた]


メモを貼った。


メモを貼った。


[外の世界は喧騒に包まれていた。

どこかで爆発音がしたリ、誰とも知れぬ声が聞こえたりと
未だ街が戦場であることを示していた。

空を駆る龍の姿を探した時、
その姿を南エリアの上空に見て進路を決める。

だが、地上に視線を戻して見えたのは、
腕を赤に染めながら何かを持つ中里。
闇を操りながら中里を呼ぶミーム。
そして、顔から眼鏡が取り去られた幾何]


   ミスター中里!大丈夫かね!?


[慌てて駆け寄るが中里の反応はない。
不思議に思ったが、男がいるのは
彼らとは違う次元だったことを思い出す]




   あまり無茶してくれるでない……。
   幾何少年も無理するでないぞ。


[つい、死神にもそう声を掛けた後にため息を吐く。
死神にも死神の事情があるのだろうが、
誰かが傷つくところは見ていて愉快ではない。
それに、幾何も先ほど会った時は辛そうにしていたから]


   ……もしも、生き返ることが出来て、
   また貴殿と会う事があるならば、
   写真でも煙でもない、本物を見せたいものだ。


[ ―― 煌びやかな世界を生きる、金魚の姿を。
彼らに語りかけるでなく、独り言のように呟いて
立ち止まっていた足は南エリアへと向かう]


―移動中―

うわっ……――は…やい……

[狼が出発。思ったより動きが強く、加速の力で振り落とされないよう、身を低くしてしがみ付く。

 周囲の景色が流れていくのを感じながら少しだけ顔を上げ、前方に視線を向けると
遥か先…南エリアに荒ぶる龍の影。どこか不規則な動きをして見えた。]


―エコーシティ―

+112
輝にい、他のグループが戦ってる…。あれは……
…え。向坂先生!?

それじゃ上は……

[到着した当時、コンポーザーの姿は龍形。
小柄な姿が、龍に向かって攻撃を繰り出している姿が見え…
ここにいるはずがないと思っていた相手なので驚いた。

もしかして…と思い、上を見ると龍の傍をひらりと舞う姿。
残れなかったのか…と思い、次の瞬間はっと気づいたように狼の首を、少し強めにぎゅっと抱えた。]


……輝にい、駄目、だぞ?
協力、しないと。
そういうの気にしてる状況じゃないから…な。

[動きが止まったタイミングで、狼の鼻面に掌をあて、上へ向かって撫でる。
 昨日、自分を諭したときの皆方の言葉をそのまま使って囁いた。]


メモを貼った。


メモを貼った。


 ……価値がある、って、気付けたんです。
 死んでいるからこそ、余計に。

[僕の言葉を咀嚼しながらも、狐は抜かりなく、
尾で勢いを殺された刀に、銃弾に、小さく悲鳴を上げかけましたが、
けれども、それより先に、二人の兵隊は、
それぞれ、態勢を立て直していましたから、
その頼もしさに、僕は小さく息を吐いて、続けました。]


 失ったもの、変わったものに、気付けたから。
 だから、生き返って、やり直したいんです……二人で。

[ぽそり、呟いた言葉が、狐の耳に届いたでしょうか。
何にせよ、言葉を続けることはありませんでした。
その後、尾を捨てて、周囲に炎を纏わせた狐にすら、
幼馴染が突っ込もうとするならば、]

 ……ルイ!危ない!
 いったん戻って!

[もう一度、狐の気を逸らすように、
銃弾1発をその体躯目がけて放ち、
そう、警告を発することになるのでしたが。*]




(ああん?)

[背中に乗せていた圭一がぎゅっと首を絞めた。
 その意図はもちろん、わからないわけじゃないし。
 こちらの台詞そのままに返してくる言動も、さすがな甥っ子だとは思うが、なお、狼の顔が厳しく、そして、歯茎と牙を剥きだしにした。]

(お前は、自分を殺した相手になんとも思わないのか?
 いや、千歩譲って、お前がなんとも思わないとして、

 もし、あいつが、お前を殺したことなど微塵も気にかけていないようなら、
 俺は、向坂を殺すからな)

[憎々しげに言い放つ。
 そう、俺はあの翅男が嫌い、なのだ。]

(もちろん、今は、いきなり噛みついたりはしねぇよ)

[それは一応、約束して]



 すまねえな。

[素直に小津からハンカチを受け取って。
怒鳴は乱暴に己の頬の血を拭った]

 こんなヒラヒラしたハンカチ、俺の性に合わん。
 あの野郎をぶっ倒したら、
 きっちりアイロンかけて返してやるわ。

[ひらひら〜、と。
冗談めかしてハンカチを振ってみせたのも束の間。
怒鳴のその顔が驚愕に歪むことになる]

 嘘の話……って、はァっ!?

[あんぐり、と口を大きく開けて]



 ええっ、じゃあ妻と娘に迷惑を掛けたくないっていうのは!?

[嘘である]

 保険金とかそういうのも!?

[それも嘘である]

 借金を苦にしてってわけじゃねえのかよ!?

[もちろん嘘である]

 え……それじゃあ。
 俺のせいで、テメエが死んだわけじゃねえの?

[まったくもって、その通り]


 はあああああああ、ふざけんなよおおおおおおお。


[怒鳴の絶叫が、その場に木霊して。
ぜえぜえはあはあ、と。しばらく肩で息をした]

 ちょっと小津、面貸せや。

[そりゃあ凶悪な顔して、小津に近付くと。
思い切りその拳を振り上げて―――]

 おりゃ。

[ぺちっ、と軽い音がした。
それはあの泥棒の少女がしたような、軽いパンチ]

 これでチャラだ、チャラ。

[ふん、と鼻を鳴らして。
あのドラゴン野郎を追いかけるぞ、と。先を促した*]



輝にい…威嚇の顔なってる。わかりやすく威嚇してる…

[掌で、狼の額や鼻筋の皺を伸ばすように撫で回す。]

俺が何か悩もうとする前に、輝にいキレたから。
それどころじゃなかったよ。
それに俺だって…逆の立場で、そんな事をしないとは限らなかった。
可能性は見ていたんだから。

[噛み付いたりはしねぇ、との言葉にほっと一息。
頭をぽんぽんと撫でて…]

――――!???
え…龍が…変化、した。

[顔を上げると、目の前で轟音と雷鳴。
龍が消えうせ、代わりに巨大な狐が出現していた。]


―― 南エリア / エコーシティ ――


[南へ下れば下るほど静けさが増す。

地上に課せられたミッションは分からなかったが、
MORIスカイタワーへと向かっていく参加者の姿を見た]


  ( そろそろ、最後も近そうであるな )


[地上に残る参加者の姿ももうない。
7日間を生き抜いた参加者はどれほどか。

しかし、コンポーザーを倒さなければそれも無に帰す]




   あれは……類!?


[エコーシティへ辿り着いた時に見たのは、
龍の傍を飛ぶ斑模様の翅。
あんな翅を持つのは一人だけだろう。
その近くには三体の兵隊を操る少年の姿。

加勢しなければと、思った時に、
狼にしがみつく一人の少年を見つける]


   貴殿は……此処に居るという事は、
   "あちら"で死んだのかね?


[龍に意識をやりながらも視線はそちらへと。
この狼は少年のサイキックだろうか、などと考えながら]




  話は聞いておるか?
  コンポーザーを倒さなければモリ区は消滅すると。
  
  ……コンポーザーの力は強大だ。
  故に、ここに居る者たちの力を合わせねば勝てぬだろう。


[そう声を掛けている間に、
龍は九つの尾を持つ狐へと姿を変えて、
類とパートナーと思しき少年に炎を浴びせる姿を見たか。

協力を要請しながらも、
男の足は狐と少年たちの元へと向かう]*



…………!?

[タイミングは、まだコンポーザーが龍である時だっただろうか。
声をかけられ、振り向いた。
初めて見る壮年の男性。姿勢を上げ、狼の上に乗ったままぺこりと頭を下げる。]

はい。死神のゲームの参加者です。
そう言っている貴方も、ですね。

コンポーザーが、自分を倒すミッションに失敗したら、全てを消してしまおうと考えている…と。
その話も聞きました。
協力をして頂けるなら有難い。
是非、よろしくお願いします。




(はあ?)

[威嚇の顔になっているというツッコミ。皺を伸ばされながらも、
 まるで諭されるような物言いに、黙り込む]


[ 6日、飛んだ。
 背に生えたソレも、随分と馴染んだもので、
 それが万能じゃないってことも、
 その中で、どう動けばいいのかも、
 ちょっとは、学んだつもり、だ。

 ダン、と、地面を踏むころには、
 ファンタジー世界のいきものめいた姿は消え、
 いきものとしての輪郭を失って尚、
 人間気取りで言葉を吐くもので。]


[ 隙を伺って息を潜めていた、というよりは、
 たぶん、なんにも言えなかっただけだ。

 ── きみは、気づけば遠かった。

 わからない。はじめは、隣にいたのに。
 おれが進むのをやめたからかもしれない。
 なにかを望むのも馬鹿らしいなって、
 考えるのも、なにもかも、やめてしまったからかも。

 いつからだろう、ネル。おれ、この世界がきらいだよ。
 夢なんて、見なかったし、
 世界の続きなんてのも、見たくもなかった。

 きみの目に見える世界は遠いよ。
 でも、おれにとっての思い出の欠片が、
 今のきみの世界だというなら、
 見てみたかった、とは、思ってしまうのだ。

 ……とっくに、あきらめたはずなのに。]


[ ひどく、息苦しいような気もして、
 けれど、気を抜くことはできないと思った。

 そう。考えることができるくらいには、
 おれは、必死だったのだ。このゲームについて。

 ── 今だ、と思ったのは、

 きみを守る存在がきちんとあることを、
 ちゃんと、知っていたからで、

 おれは、おれにできることをしよう、って、

 地面を蹴って、ふわり と、音もなく飛んだ。
 その獣の真上にきたとき、ぴたりと羽ばたくのをやめ、
 翅なんか、なかったみたいに、おれは落ちる。]


[ 落ちるだけだから、当然、
 攻撃を避けるとか、するわけもなく、

 ただ、おれは分かっていた。
 翅さえ、燃えなければいいのだ。
 死ななきゃ、それでいい。

 熱が、肌を焼く感覚も、はじめて知った。
 痛い、と、思わなかったわけではないけれど、
 それで怯んで、獲物を逃しちゃ、意味が無い、って。

 手を、伸ばした。*]


俺の能力は電気の塊の操作や投擲。
遠隔系ですが、チャージタイムがあるので連投は難しい能力です。

輝に……下の狼は、俺の叔父ですが、直接攻撃系なのでこの段階での接近戦は難しいと判断して、足代わりになってもらっています。
コンポーザーは状況によって形状を変えるようですので…気をつけてください。
前に俺達が見たときは鮫でした。

[自分達の能力を小津に説明しながら、狐に視線を向ける。
狐の周りには炎。
皆方の上で姿勢を整え直し、タイミングを伺った。]




[だが、圭一の驚いた声に、また龍を遠くに見れば、
 それは龍でなく、キツネになっていた。
 首を傾げる]

 変化自在ってやつか。
 で、キツネに化けた理由はなんだ?

[ただのバリエーションなのか。それとも]



だよな。
この状況を考えると、龍の方がぜってー強いと思うんだけど…

[皆方が首を傾げる様子に、自分も連動して首を傾げる。]

もしかして、俺の能力みたいに制限があったり、する?
あんますげーのには長い間変身していられないとか。

紀陸君のビリビリは効く様だな。
攻撃を繰り返したら削れるとか…

[狐は尻尾を切断し、炎の壁を作っている。
接近戦を避ける様子にそう判断。]


輝にい、ぎりぎりまで近づける?
壁を作っているなら…ふっとばす。

[意識を集中させる。
掌に、4個の光球が出現。
パチパチと弾ける音を立てながら少しずつ大きくなっていく。
自分と皆方の動きに追従させるように背後に浮かせた。]


[ 確かに触れた、と思ったけれど、
 顔と、身体を上げたとき、
 そこにいたのは、八つの尾を揺らす獣で、

 ── 効かないわけじゃない、と確信する。

 同時に、”落ちた”とき、身体の前面にあった、
 腕や、頬なんかの、むき出しの皮膚に、
 引きつるような、感覚も、あって。]

 ── なにか、失ったのかどうかも、
 わかんなかった。わかんないんだよ、おれひとりじゃ。

[ 結局のところ、おれは、なにを失って、
 なにを代償にして、ここにいるのか、
 それすら、よくわからないで、今こうしてる。]



 ……だけど、これから考えよう、って、
 ネルも言ってくれたんだから、
 きっと、それは、できるんじゃないか、って。

[ 思っちゃ、ダメなんだろうか。

 炎の壁は、飛べば越えられるだろうかって、
 考えたあたりで、きみの声と、

 新しい足音や声が、やってきただろうか。*]




[そこへ新たな、参加者、らしき人物。
 落ち着いた声の人物が近寄ってくれば、
 威嚇していた口を隠すように、顔は項垂れて、でも、眼光はその男へ向く。]

(誰だ?)

[そして、圭一が丁寧に応対し、その名前を知ることはできただろう。
 ふうん、と狼は頷くが、その武装は解除しない]




  無論だ。その為にここまで来たのだからな。
  ……しかしその狼が貴殿のパートナーなのかね。


[電気に、あとはおそらく獣化。
それが彼らの能力だと少年は語った。

しげしげと狼を眺めながらも
代わりに、こちらの能力を手短に話す。
発火能力と煙操作、そして自らの名を。

そして先ほどコンポーザーと対峙した時は
猫と熊の姿をしていたと]



[
言葉通り、光のような電気の球を生み出す青年を見て、
男は前方を見ながらパイプより煙を燻らせる。

それは何の形を成さぬまま、
不定形を保ったまま狐の周囲を取り巻く。

動くを鈍らせるための"膜"。
類や兵隊を操る少年、そして電気を操る青年が
攻撃を行うならば、それが外れぬよう動きを封じようと]*
 


―→ 南エリア / エコーシティ ―

[コンポーザーの姿を追って、南エリアを目指す。
途中で、傷ついた参加者たちを目にすることもあった。
すでに2度死した自分が、彼らに手助けをすることはできない。
心の中で彼らの健闘を祈り、その場を後にする]

 ……アイツは。

[小津の声に顔を上げれば、
見知った姿が宙を舞うのが見えた。

忘れるはずもない、あの姿を。
包丁で腹を刺された時のあの痛みが、蘇った気すらした]

 ざまあねえな。
 俺を殺しておいて、死んだのかテメエは。

[ケッ、と唾を地面に吐き捨てて]



 自分を殺した相手とも、協力しなきゃいけねえなんて。
 本当に……趣味の悪いゲームだなァ。

[呟いてから、まだ高校生くらいの年頃に見えるその少年が。
背後に4つの光球を浮かばせるのを見遣った。

狼に姿を変えている彼の“叔父”が、
いつぞや由美子を庇ったあの青年であることに。
怒鳴は気付かない]

 電気の能力……なるほど。

[ぱちん、と指を鳴らせば。
怒鳴の掌に火の玉が出現した]


 これで少しは威力が増すだろう!受け取れ!!

[圭一に向かって火の玉を投げれば。
彼の操る光球と合体して、
さらにその光球の輝きが増すだろう*]




(了解、しっかり掴まっておけ)

[圭一からの依頼に、狼は答えると、その身をひらり、今来た男の前で翻した。]

(協力は歓迎する。
 何かあったら言ってくれ)

[その姿は狼そのものであるから、
 きっと、今まで男を知るものがあったとしても、気付かないだろう]


メモを貼った。


火使いの男が怒鳴だということは、こちらからは丸わかりだった。



煙操作と発火能力ですね。了解です。
それなら…燻らせれば、パワーアップが見込めると…

[それから、コンポーザーがそれ以前にも変化をしていた事実を知る。
猫と熊。特に猫…小さな生物にもなれる事を確認。]

俺は北見圭一といいます。
それでは、よろしくお願いします。

[小津が名乗るのに、自分も名乗りを返して。
それから、後から現れたおそらく彼のパートナーにもぺこり礼]


―――お……おわっ!

[火の玉の衝撃で、一瞬光球が大きく揺れ…今まで以上に強い光を放ち始めた事に気づいた。
光球は、バチバチと電流を纏いながら、力強い赤い炎となり輝いている。
目に見えるパワーアップ。]

ありがとうございます!!!


メモを貼った。



よーーし!それじゃ、輝にい!狐狩開始りだ!!
向坂先生、援護します!
道を開きますから、思い切りぶっぱなしてください。

[すれ違いざま、向坂にそんな声をかけながら。
狼に乗り狐火へと近づいていき…]


紀陸君、一旦狐からはがれろ! 
一緒に落ちたら洒落になんねー!

[狐の動きを止めようとしている紀陸に鋭く声をかけ、大き目の2つの火の玉は狐本体に照準を合わせる。

残る二つが向かう先は…地面。
爆風により、炎を吹き飛ばそうと。
そうして、狐に接近する道を作ろうと。]


[ 突然、声が飛んできて、
 振り返った先、見た顔に、

 やっぱり、正しかったじゃないか、なんて。

 口に出さなかったのは、正解かもしれない。

 毛並みのよい獣に、覚えはなかったが、
 それに跨るひとも、その後ろに立つふたりのおとなも、
 おれは、よくよく、とは言わないまでも、知ってる。

 おれが殺した。
 ポイント持ってそうで、強そうで、
 最後に残られたら厄介だろうから、殺した。

 他にもたくさん、消えてったはずの参加者は、
 今、ここにはいなくて、……つまり、そういうことなんだって。]


そ、れ、じゃ……燃えて痺れろ化け狐ー!!!!

[全力+αの火の玉2発を狐に向かい放つ。
本来、照準合わせに若干の苦労が伴う所だが…淡い煙の膜がその動きを固定してくれた
赤い炎と雷が狐に向かって突き進む。

それと同時に青い炎の燃える地面に更に2発
こちらは、炎を割り、紀陸の逃げ道や、新たなる攻撃へと向かう道のりになれたか。]


[ 自分の殺した相手との再会に相応しい言葉を、
 生憎、おれは知らなくて、

 やっぱり、このゲーム中何度もしたみたいに、
 ぺこり、と小さく頭を下げた。

 駆ける獣と浮かぶ光球が見えたなら、
 ひらり、と、道を開けてみせただろう。*]


[炎の雷撃を放つとすぐに皆方の背に全力でつかまり…自分はチャージタイム。
彼が動くに任せて揺られながら、呼吸を整える事に専念した。]


[圭一が挨拶をし、そして、その能力をきいている。
 その会話は耳にしながら、その言葉通り、キツネに化けた]コンポーザーと、その二人の攻防を睨みつけた。

そして、援護が約束してもらえれば、圭一をそのキツネのなるたけ近くへ、
 獣ならではの俊敏さと、狼ならではのハンター能力で近づくことになるだろう]


そう、ですか。

[返ってきた声に、それだけ反応しました。
きっと、僕には与り知れない領域なのでしょうか。
知りたい、と。そう思ったのは、気のせいではないのでしょう。

……ああ、本当に。
僕も今更気付かされて、驚いています。
雑音に埋もれたせかいの中でも、まだまだ、知らないことがあったなんて。]




[狐狩り。その言葉通りに、彼らの戦いの場へ狼は踏み込んだ。
 そして、バウンドし、牙を剥いて、狐に寄り近づこうとする。


 その際、翅男をチラリみやれば、圭一をみてもその表情に変わりないことを確認した。]


[再び放たれる銃弾を、尾のひとつを犠牲にしながら受けて、
再び周囲の様子を感じ取れば、次々と人が集まってきていました。

いつの間にか漂って来ていた白い膜。
少しの息苦しさを感じ、動きが鈍るのを感じます。
尾を振ってそれを取り払おうとした、その矢先に。

真っ直ぐに飛んでくる、弾丸を、見ました。

ええ、“見た”んです。
見てから対処できるような攻撃でもないのに。
今までは、全てを感じ取ることで凌いでいたはずが。

“九尾”が、その強烈な一撃を受けて、燃え上がりました。]


[ ── その後を追うように、地面を蹴った。

 炎の消えた道を、駆けて、
 まっすぐ、その、化物に、突っ込んでくみたいに。
 或いは、飛んで。きみのくれた力を駆使して。
 どうにかして、近づきたかった。

 炎を纏っていようが、電気を帯びていようが、
 ”触れたら”、なんとかなるって、
 さっき、思ってしまったから、

 煙の膜が、炎が、電気が、
 狐の動きを阻害しているなら、
 伸ばした手の届くところに、まだいるなら、

 今度こそ、痛みも、なんにもない、
 ただ、”動けない”ってだけの感覚で、
 そいつを、捕らえてしまいたい。*]


ぐ……っ……!

[僕の姿が、崩れて行きます。
思ったよりも苛烈な攻撃だったことを、受けてから思い知ります。

次は何の姿になろうかと、考えて。
この状況から逃れるために、もう一度、“龍”に。]

ふふっ、ふ……ふふ……。

[何故でしょうね。笑いが込み上げてくるのです。
本当に、何故なんでしょう。

再び取った龍の姿は、どろりと溶けるような醜い姿。
ソウルを安定させる暇はありませんでした。]


[蕩けたぐちゃぐちゃの龍が、残滓を周囲に撒き散らしながら。
そのまま天へと昇り、地上を見下ろします。
僕の体力も大きく削られてしまいましたので、あまり長くは保ちません。

そして、僕を中心に雷雲を発生させて、
――雷鳴の後に、全てを焼き尽してやろうと、大地に向けて大雷を放つでしょう。

それが放たれるまで、数秒。
消え行く貴方がたに、何ができるでしょうか。*]


メモを貼った。


(行け!)

[機動力として動く狼は、まずは、その攻撃に専念する。
 煙と火に包まれた光弾は、かなりの威力をもつだろう。
 だが、それでも、この街を一つ消し去る力には及ばないかもしれない。

 だが、狼は、圭一の攻撃がより当たりやすいよう、飛び込み、
 そして、相手からの反撃がくれば、飛びのくつもりだ。
 圭一に危害は加わらぬよう、
 
 八の尾っぽが間違ってもその柔肌を切り裂かぬよう。]


メモを貼った。




[それが着弾した時は、あきらかな変化が訪れた。
 その狐の尻尾が飴細工のように溶け流れると、
 またその存在は高貴な龍、だが今度は、まるで腐れ神のようになった]

 (退くぞ)

[もちろん、悪予感しかしない。
 見るからに醜悪な姿に、生理的嫌悪を覚えたか。
 ともかく、生み出される雷電は、くらいたいものではもちろんなかった]


圭一をやや強引に揺さぶった状態になったかもしれない。**


メモを貼った。


―――………!!

[皆方の背の上で、暫く…呼吸を整えるために目を閉じていたが。
やっと落ち着いてきた所で目を開く。


狐狩りの狐は、見るも無残な姿になり…そして再び龍へ。
いや、龍のゾンビのような凶悪な姿へと変貌した。]



ちゃんとした形じゃねーって事は…やっぱ、ダメージ通ってる気がする。
気がするけど…うぅ…ビジュアルがえげつねー。それに…
雷なんて、人の真似して欲しくないんだけどなっ!

[上空に不自然なまでの黒い雲。軽口を叩きながらも、尋常じゃない力が集まっている事を肌でぴりぴりと感じる。]

――わかった。

[皆方にそう伝えると、緊急離脱の為か、今までにも増して強い揺れ。
姿勢を伏せ、全力でしがみついたまま、移動するに任せた。**]



(ダメージは通ってるだろう。
 だが、こっちが落とされちゃたまらん。)

[まねしてほしくない、といった言葉には、苦笑い、は見えないだろうけれど]

(電流が走る経験、してみるか?
 残念ながら本物は萎えるぞ。)

[なんて、無駄口叩きつつ、
 また身を翻すと、ダッシュでなるべく龍から離れようと**]


メモを貼った。


[ ── 立ち止まれない、と思った。

 確かに触れた、と思ったときに、
 また、するりと逃げられるような感覚。

 目前で、また、輪郭を失っていく化物に、
 立ち止まれない、と、思って。

 ……何もしなきゃ、終わる命だ。

 後を追うように、地面を蹴る。空に。

 歪だろうが、醜かろうが、
 ”きみのためならなんだってする”って、
 あのとき、この世界がはじまった瞬間から、
 思った。思っていたんだから。]




[ ── 危機的状況の残り何秒だか。

 そんな状況でも、おれにできるのは、
 ただ、きっと地上から狙いを定めるきみに、
 そのほか、なにかを試みる皆さんに、
 少しでも役に立てなかろうか、と、

 決して、丈夫じゃない翅で、
 残滓の中、ソレを追いかけ、飛び上がり、
 その、脚なり、どこかをつかもうと、
 あの紋様の浮いた手を、まっすぐ、伸ばすことのみである。*]

.


メモを貼った。


[突如の加勢と、
それから、その主たちの姿に、
僕は目を瞠りました。
正確には、そのうちの一人の顔に、です。]

 き、北見さん……!?

[どうしてここに、なんて愚問でしょう。
彼らも、僕らと同じ目的で――
奪われた生の権利を、もう一度取り返すために来ている。

僕は、ちらりと、幼馴染の顔を伺ったと思います。
“いつも通り”のその顔に、何だか無性に、怒りとか、悲しみとか、
そういうのがないまぜになって。

けれども、それを吐き出すことはせず、怒涛の攻撃を受けて、
姿を崩す狐に、目線を向けたと思います。
油断はせず、盾を構えた兵隊を傍らに置いて、
照準を、その狐に合わせたままで。]


[苦しそうに、どこか愉快そうに笑って、
狐は、その姿を、先程までと同じ、龍に変えました

けれど、その姿は荘厳とは程遠く、
まるで溶けかけた雪像のように、崩れ、溶けた、醜いものでした。
それでも、その超越した力は失われていないらしく、
瞬く間に、周囲に暗雲がたちこめたでしょうか。]


[自分たちの手に負えない、自然の怒りに対して、
人間に出来ることは多くありません。
雷雨にしろ、吹雪にしろ、ただ、身を縮こまらせて、それが去るのを待つしかないのが常です。

けれども、目前の、龍の最後の足掻きに対しては、
ほんの数秒では、逃げることも、建物の中に隠れることも難しかったでしょう。

ですから、僕は、一か八か、といった調子で、
空に羽ばたいていく幼馴染の背を守るように――彼に仇なすもの全てを退けるように、
兵隊が、銃弾をがむしゃらに龍に向けて繰り出したでしょうか。

少しでも、ルイの手が、龍の身体に届くように、祈りながら。*]


[圭一と名乗った青年が、怒鳴の炎と合わさった電気の球を
魂を込めたような掛け声とともに放つ。

赤に、白に色合いを変える弾は、
狐の形をしたコンポーザーに真っ直ぐに飛ぶ。
それを躱されぬようにと張った煙の膜は、
狐の動きを阻害し、そして燃え上がった]


  ! まだ動けるか……!


[強烈な一撃を喰らわせたかと思ったが、
コンポーザーは再び龍へと姿を転じ、空へと昇る。
ただし、その姿は先ほど見たものとは違い、
身体の輪郭はどろりと崩れ、その鱗片は地に落ちる]


[―― その直後。空に掛かる暗雲と轟く雷鳴。
マズイ。そう、直感で思った。

龍より離れる圭一と皆方を見やって、
そして空を飛ぶ類の姿を認めた]


   類!無茶をするでないわ!


[空を飛べない男は地上より叫ぶほかない。
けれど、周囲にまだ狐が燃えた時の煙が残っているのを知り、
パイプからのそれと共に天へと昇らせる。

それが形成するのは、コンポーザーと同じ"龍"。

手を伸ばす類の狙いが何かは分からないが、
彼の目的が達成されるように、
そして、コンポーザーを逃がさぬようにと
白煙の龍は相対する龍に絡みつかんとした]**


メモを貼った。


[雷が放たれるまでに。
彼らは、最後の抵抗をしたでしょう。

僕も、まさか、これが最後の一撃になるだなんて。
そんなこと、考えもしませんでしたから。

白い龍が立ち上れば、それはどろどろの龍へ絡み付き、
銃弾の雨が轟きます。

崩れた醜い龍の体は、びちゃびちゃと飛び散りますが、それを抑えるだけの余裕がありません。

死を賭した、翅の少年の手が。
とうとう、直に触れたものですから。]

…………! !!

[体の芯へと、痺れが回る感覚。
それと同時に、龍は地へと堕ちました。]


[同時に、形作っていた雷雲は霧散して、
溜め込んでいた雷のパワーは周囲に飛び散ります。

僕の体は、地面に堕ちて、ぐにぐにと変化して。
何者にもなれなくなって、ひどく、苦しい。]

……ぐ……っ……う……。

さすが、です、ね。
くっ……ふふ。

[身を守るくらいの力はありますので、殺されることは、きっとありません。
ありません、が。

どんな攻撃をされても、抵抗はできないでしょう。*]


メモを貼った。


[文字通り、龍は崩れ落ちて、地面に叩きつけられたでしょうか。
そうすれば、ぐねぐねと苦し気にもがくその胴に、兵隊の剣が押し当てられたかもしれません。
切り付けた訳ではありません。ただ、動きを封じ――平たく言うならば、脅すために。]

 ……降参、してください。
 倒す、が、ミッションの目的、なんですよね。

[コンポーザーを“殺せ”、では、なかったはず。
メールの文面を思い出して、僕は、もがくそれに、そう呼びかけたと思います。

或いは、その動きを封じた立役者――幼馴染が、再び、その身体に触れようとしたかもしれませんが、
何にせよ、僕がそれに求めたのは、彼が負けを認めること。それだけです。

甘い、と言われるかもしれません。
けれど、それでも、意思を持ったその人を――何故、生き返ろうと思うのか、僕に問うた彼を、殺すのは、何だか忍びない、と、思ってしまったのです。*]


[ 伸ばした手に、あれは、なんだったのだろう。
 硬いウロコ? なにともつかぬ異形のモノ?

 とにかく、ただ、手を伸ばして、掴もうとして、
 やっと、なにかに触れたんだ、と思った。

 ── そして、落下。

 必死に掴もうとした、その化物に、
 巻き込まれる、みたいに。]



 ── っ !!

[ 翅、を、広げて。
 たぶん、最後の悪あがき、ってやつ。

 少しでも、衝撃をやわらげようと、試みつつも、
 蛾 のようななにかもまた、地面に落ちた。

 結局、翅以外は、人間だから、
 硬い地面に打ち付けた身体のどっかしら、
 うまく動かせないのも、仕方なかろう。

 それでも、這うようにしてでも、
 あきらめの悪いおれが、再度、
 べたん と、その、異形に、手を伸ばしたのと、

 見上げた先、きみが、きみの司る剣が、
 光 みたいに、見えたのは、ほぼ同時だったと、思う。*]




    [ すこしでも、きみの役に立てたんだろうか。* ]

.


[さらに触れられて、身動きひとつできない僕に、
降参が突きつけられました。
その顔を見上げることもできませんでしたが。]

そう、です、ね。
殺そうとしても、きっと貴方がたには殺せない。
それだけの自負は、あります。

[ただし、今は。
力を使い果たしてしまって――こんな感覚、初めてで、どうしたらいいのか。]


もう、十分です。
この短い間で、十分に見せてもらいました。
僕が知らなかった、可能性を。

[僕が感じたものが、全て間違いでなければ。
こうして戦うことができて良かったと、結果的には思うのです。
実際に向き合わなければ、知ることのなかった“せかい”。]

……降参しましょう。
ミッションは、達成されました。

モリ区の未来を、もう少しだけ、見てみたくなりましたから。

[地に伏したまま、つい笑いが零れました。]


そして、――ありがとう、ございました。

[傷付きながらも、恐怖を前にしても、
消滅の運命を突きつけられても、それでもなお、
立ち向かうことを諦めなかった、皆様に。

心からの感謝を告げて、僕の姿は“夜羽 仙寿”へと戻ります。



間もなく、ゲームの終わりが、訪れるでしょう。*]


 ……こちらこそ、ありがとうございました。

[降参を認めた彼は、上品そうな人の姿に変わったので、
僕も頭を下げて、兵隊の剣を収めました。

そして、幼馴染の元へと駆け寄って、その怪我の度合いを確かめたでしょうか。
あちこち打ち付けてはいるようでしたが、
それでも、酷い怪我ではありませんでしたので、]

 ルイ、……良かった……!

[ようやっとその時、僕は安堵したように、表情を緩めたと思います。
そうして、ぺたり、彼の傍に座り込んで、
彼に向かって、笑いかけたでしょうか。**]


[ 地面から、空を背負った、きみの顔を見ていた。

 光を背負って、表情は、よく見えなくて、
 ただ、なんとなく、
 きみが、泣いてないといいなあ、って、思った。

 「ミッション」「達成」の、たったふたつの言葉が、
 行く先を、示している、んだろうなって、
 こみ上げるのは、安堵、だろうか。

 ”今度こそ”、きみの力に、なれたのかな。
 きみを、守れたのかな。おれのせいで死んだきみ。]


[ おれは、今更ながら、
 火傷や落下のダメージに、地面に転がったまま、
 肩で息をして、日頃の運動不足なんかを呪った。

 なぜか吐き出された礼の言葉の、
 意味するところは、いまいち分からなかったけれど、
 きみが褒められているようで、おれは誇らしくなる。

 その姿が、ヒトらしいソレに戻ったことも、
 気づくことは、なく。]



 ……ネル、

[ 正直なところ、
 きみが傍に来てくれて尚、
 立ち上がらなかったんじゃなくて、
 立ち上がれそうにもなかったのだ。

 疲れ、か、怪我のせいか、なんだか、分からない。

 でも、きみが来てくれたって、そのこととか、

 熱に焼かれた頬が引きつって、
 うまく表情をつくれる気は、しなかったけれど。]

 ── おれの、パートナーになってくれて、ありがとう。

[ たぶん、こどもみたいに、笑った。*]


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