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夢はいつか覚めるものだって、そんなのずっと知ってるよ。
─── 現実世界 ───
[ 夢から覚める瞬間が嫌いだった。
でも、あたしは、あんまり怒るってしないから、
天井を見上げる顔が不機嫌とか、
そういうことは、ない。
ぼんやりしていた視界と、頭と、
そういうものがだんだん綺麗になっていくような感覚。
ベッドの中でのびをしたあたしの脚も、腕も、
至って綺麗なもので、
部屋の中の寒さをちゃんと伝えてくる。 ]
綿津見まなの夢は終わった。
[ ……二度寝しよう。とか、思ったんだけど、
寝返りを打った目線の先、ぴかぴか光ってる。
何がってほら、
あたしたち現代っ子の文明の利器ですよ。
あたしは映えに弱いにんげんで、
歩きスマホもできないけど、まあ、見るよね。
そういう風に生きてきました。フツーに。 ]
[ ……流石に自殺未遂はフツーじゃないって? ]
はーい もしもしあたし。
フツーじゃない日常なんて最高だと思いませんか?
クラスメートの事件だよ、びっくりだね。
ちっとも最高じゃないなあ。
[ 通信切断。やめよう。
あたしは作品が好きだけど、
ひとの死に様を笑う趣味はちょっとない。
ましてやついさっきの、リアルすぎる夢で、
一緒にシチューを食べて、隣で寝てたあのこが、
"そう"だったなんてちょっと処理が追いつかない。
文化祭みたいな浮かれ気分に、
すぐなれたら苦労しない。 ]
[ 綿津見さんちがそこそこフツーでよかったのは、
お父さんもお母さんも、
夢のマイホームを建てるときに、
交通の便を考慮し尽くした ってとこにも、
あるんだろうな。
病院までも徒歩で行けるそこに、あたしは、
……ちょっとふたりに説明する時間がありながらも、
すぐ、そこに向かっていたと思う。
防寒対策はしっかりね。
返しそびれた夢のマフラー、
今度はあたしのをしっかり巻くよ。
赤いそれは、血なんて物騒なものじゃなくて、
ついさっきまで話していたあたたかい色だ。 ]
これから会いに行こうと思えるほどには
あなたがすきだよ。ほんとう。
……フジュンでは、あるかもしれないけれど。
[ 走る。
現実世界は息が苦しい。 ]
拝啓 しおりちゃん
あなたは夢に逃げたかったの。
それとも 現実でなければどこでもよかった?
─── おかけになった電話番号は
現在電波が ……… *
─── 病院前 ───
[ 完全に息があがっていた。運動不足ですね。
勉強してばっかりだからしょうがないんですよ。
現実世界ってほんとなんなんだろうね!
ぜえはあ言いながら、冬の冷たい空気を吸い込んで、
冷たすぎて噎せてる。あまりにつらい。
長めのマフラーはちょっと絡まっている。
ホラーはめいっぱい怖がった後楽しむのが良い、
なんて感じのあたしは、
そのまま入り口に入ろうとして、 ]
…… きたなかきゃくほんだいせんせー。
[ やっほーって、手を振る……
って、気分ではなかったから、手をあげた。
マフラーが首に絡まったまま言う台詞じゃないって?
真夜中の病院へようこそ、こんばんは。
また会いましたね。
かっこわらいは付けられなかった。
夢から覚めた後って、どうしても、
元気出ませんから、あたし。 ]*
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TO:紫織さん
------------------------------------
おーい、早く起きれー!(-"-)
------------------------------------
[ 夢の世界じゃない世界なら
こんなに簡単に送れるのにな。 ]
[ ぴぴぴ。 ]
[ 通信良好。 ]
[ (笑) ]
[ あーちゃんの親と、ワタリさんと、
あーちゃんが死んでくれたおかげで
幸せになって喜んでるおれはクズ。
ケロっとした顔でおれに優しくする
兄と母と父もゴミ。
あーちゃんももっとクソガキだったら
今も平和に生きてたのかなぁ? ]
[ いま、ウソつきが一人死にかけてるし
そんなに簡単にいかないか。(笑)。 ]
── 現在:病院前 ──
[ 送信。……送信成功。
あの校舎の中とは違って、
メールを送るのは簡単だった。
あ、ここ病院だからまずかった?
まだ入る前だから許してほしい。と思う。
一酸化炭素中毒。っていう手段で、
紫織は自殺を図ったらしい。
漫画とか映画とかで結構聞く死因だった。
メールを打つ指先は冷たい。震える。 ]
[ ぼんやりしてたら遠くから人が走ってきて
夜中に元気な人居るな。とか、考えていたら
クラスメイトだった。手があげられる。
おっはあ、ワダツミちゃん。
チョーさむいね。
[ いつもならウェイウェイ×気がするまでするけど
そんな気分じゃないので、笑い掛けるだけ。
スマイルは0円だしね。
よくわかんない?おれも。
右手にスマホ、左手にコンポタだから
手をあげるのも厳しいものだし。 ]
紫織さん、ヤバいねー。
[ ヤバい。っていうのが
紫織の容態についてなのか、
自殺を図った事実についてなのか、
郁斗には分からなかった。
っていうか、本当に。……本当は。
考えたくないんだけれどなあ。って、感じ。 ]
……てか、超マフラー絡まってるじゃん!
急ぎすぎでしょ、フツーに。
[ 焦るよね。分かる。
まあ、焦ったところでなんも出来ねえけど。
って、声に出すほど郁斗はひどくない。
スマホしまって片手のままで
絡まりを解こうと……してみようとする。
コンポタ?そのままだよ。
だってまだ飲み終わってねーし。
さっきぶり。夢の世界ぶり。また会ったね。 ]*
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-- 現在/→病院 --
[ 雪は降ってないけど、12月の末らしく寒かった。
風を切って自転車を漕げば、
髪が思いのまま広がってなびくし、
覆われていない顔や指先から体温が奪われる。
さむいなあ、つめたいなあ。
千夏はとっても悲しい。
どうして紫織は自殺を選んだのか。とか。
どうして千夏は精神世界に居られなかったのか。とか。
どうして、どうしてなんでしょうね。 ]
[ 他のみんなは、どうしてるかなあ。
とようやく気が付いた。 ]
[ 考え事をしていても、
足はきちんとペダルを踏んでいて、
事故に遭うこともなく病院の前へとついた。
自転車を降りて、病院を見上げる。
深夜だというのに明かりがいくつも灯っていて、
どこに紫織がいるのかわからないけど、
どこかで……手術か処置かを為されているのだ。
そう、千夏は思う。 ]
[ 自転車を引いて、
置き場へと向かおうと視線を下に向ければ、
自販機の明かりに照らされた人影が見える。
あ。と思った。
見覚えのある二人が生きてて動いてて。
千夏はほっと息を吐いた。 ]
[ 二人に声を掛けずに、
千夏は自転車置き場へと向かう。* ]
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しおりちゃん、やばいね。
[ こんばんは、お元気ですか。
あたしはそのまま返してしまう。
他に言葉もあまりない。
多分、状況も、自殺したって現実の事実も、
その他、言葉に表せないなにもかもをひっくるめて、
やばい。 ]
[ 現実世界はどうあったって
あたしたちに優しくない、って、思いませんか。 ]
[ あたしはぐるぐる巻きのマフラーに埋もれたまま、
コンポタを持つ喜多仲君のところまで歩む。
うぇいうぇい×ノリが続くまでの挨拶は、
きっとお互い気分じゃないね。
スマイルはタダだし、
これでいいってことにしましょう。
あたしのスマイルは演技指導のいらないもの、
……だと思います、脚本先生。
少なくとも今はね。まだぎりぎりね。 ]
[ 映画とかであるよね、こういうの。
文字だけの話ならいくらでも見られる。作品の一部。
キャラクターや展開を色づけるためのもの。
あたしは特に震えることもなく、
"あと一時間ぐらい経てば終わるんだな"なんて、
エンドロールの瞬間を惜しんで、
チュロス咥えたまんま、眺めていられる。 ]
[ やっぱり終わるのって怖いね。 ]
[ あたしはやってもらう分には、そりゃあ。
ありがたく受け取ってしまうにんげんだから、
大人しく解かれましょう。
暖かいよこのマフラー。ヒーローの色です。
コンポタそのままだね。
これが終わったらゆっくり飲んでください。
あたしはおしるこでも買おうかな。 ]
……なんか、終わるの 怖いなって思って、
そしたら、走っちゃった って、いうか。
[ 何が、とは、言わなかった。
フツーそうだよね、って、言えなかったよ。
いつかあたしが熱弁したうちに、
"この話終わるの嫌だね"って、
そういうものもあったと思うけれど。
なんだろね、あの時みたいに、
外の空気は熱気に包まれてなかったし、
むしろ、寒すぎて、冷たすぎる。 ]
[ カンカクテキな感想だと笑いますか。
笑えないかな、こんな状況。
冷たい息を吐きながら呟いて、
すこし、遠く。
……ああ、生きてるあの子がいたから、
声はかからなくても、空いている両手を軽く振って、
あたしと喜多仲君、
ふたりぶんの挨拶を送ろう。 ]*
……おなかすいたなあ、
[ 愛宮心乃の寝起きはいつもと違う
ミュージックなんて聞こえない無音の目覚め。
嫌な汗をかいているのが分かる。
滲んだ額を、パジャマの袖で拭った。
台所へ降りて、冷蔵庫を開けた。
ちょっとつまめるもの、……見当たらない。
コップ一杯の水を喉に流し込んでから、
コートを羽織り、近所にコンビニへ歩き出していた。 ]
[ 夢占いをしたら、どんな結果になるんだろう?
結局、あの校舎の主は誰だったのか。
答え合わせがままならない状態で、
追い出されてしまった、不思議な世界だった。
……もしかしたら、己の内に秘めていた感情が、
しらずしらずのうちに見せた、単なる夢だったなら、
いいのに─── って思っていた。 ]
[ 愛宮心乃は歩きスマホはやっぱりしない人間だった。
だけれど、ちょっと出かけるって時に、
念のためスマホを持ち歩くのは、現代人ゆえ。
コンビニのレジに並んでいる間、
ふと、ぴかぴか通知が光ってるのに気づいたら、
開いてみないわけがないんだよね。
……見覚えのあるメール。
続いて届いてたのは、なっちゃんから。
しおりちゃん、だったんだ
[ あの、増築されたぐちゃぐちゃな校舎。
しおりちゃんの頭の中だったんだ、って呟いた。
どうしよう、って思って、
コンビニのおにぎりコーナーにいた。
夜だからか、種類はほとんどなくって、
昆布をひとつ選んで、ビニール袋を揺らしながら、
愛宮心乃は、走っていた。
ついさっきまでも、走ってた気がするけど
身体はまだ、心乃にしては軽くって、
ぜえはあしながら、病院まで走っていた。
……自転車とか、親に送ってもらったりとか、
そういう頭がなくって、ただ。走っていた。 ]
[ もう、だめだ── って思ったら、
ようやく病院のエントランスが見えてくる。
呼吸を整えるため、走るのは一旦終了。
深呼吸をしながら、エントランスまで歩き始める。
このときに、まだ自販機の下に人影は見えたかな。* ]
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── 現在:病院前 ──
[ お元気ですか?元気じゃないね。
元気だったらチョーヤバいね。逆に。
今の状況で元気な人がいるって言うなら
教えてほしいな。と郁斗は思う。
やばい。って、かわいい。と同じくらい
ふり幅のある言葉でしかないけれど、
どうしたって、やばい。としか言えない。
ボキャブラリー貧困?知ってる。
別に良くね? ]
[ 現実世界は優しくないね。 ]
[ じゃあ夢の世界が優しいだけかっていうと、
……うーん。どうだろ?(笑) ]
[ マフラーを片手で解く。こと82(0..100)x1秒。
適当にぐるぐるって巻きなおす。
おしゃれさ?何それ美味しいの?ってふうに。
片手で綺麗に巻けるほど、郁斗は器用じゃない。
でも首が締まるよりマシ。じゃないかな。
びっくりするくらいストレートな髪の毛が
マフラーの下から露になって、
また緩いカーブを描いていく。
マジ髪綺麗だよね〜(笑)って、
こんな状況じゃなければ言ったんだけど。 ]
[ たぶん、紙と舞台の上の世界が一番優しい。
消しゴムだって使えるし。
練習だって出来るし。
…………でも、もう終わっちゃったね。 ]
[ 終わっちゃった。 ]
終わ、……そっかあ。
[ 終わり。って単語すら、ちょっと怯んだ。
なんたって、怖い。
その意見に同意しかなかった。
脚本を語るまなはだいたいハイテンション。
だった、ので。いつもと違う雰囲気で、
それすらも郁斗は、足元がぐらつく気がする。 ]
まぁ、も〜病院ついたし、
ゆっくりしなよ。
おれたちたぶん、待つしかできないし。
[ さっき言うのをやめたっていうのに、
つい口に出してしまった。残念ながら。
どうしようもない事実だった。
紫織は自殺未遂を起こして、それは過去で、
現実の過去はどうにも書き換えられない。
し、夢から醒めてしまった自分たちは
もう声を掛けることなんて、できない。 ]
[ コンポタの缶にかぶさる白い息を眺めてたら、
まなが手を振ったので、そっちを見た。
千夏だった。
自分も軽く手を振って、そうしたら
心乃の姿も見えた。また手を振る。
続々と集まってくるクラスメイトは
なんなんだろうな。何もできないのに。
なんにもできないけど、こういう時って
無駄に、足掻いちゃうよな。と郁斗は思って、
人数は増えたのに、物寂しい気持ちだ。 ]
おはよ〜、心乃ちゃん。
……おにぎりぃ?いいなあ、おなか減った。
[ コンビニの袋がぶら下がっているのを見て
郁斗はそう言ってみる。
半分以上、ウソだった。おなか減ってない。
ただ会話していたいだけだった。
そもそも、おはよう。って挨拶自体
相応しいのかは分からない。
いつも動かしている頭の、四割くらいしか
上手に働いていない気がした。 ]*
メモを貼った。
[ 夢の世界は、どうだったんでしょうね。
なっちゃんのマネキンはやばかったし、
辰美君の片手もたいへんやばかったし、
ぐちゃぐちゃに増えた学校もやばかったから、
………… 優しいだけじゃないですかね?(笑) ]
[ 一番優しくて、一番夢中になった、
あの、紙と舞台の上の世界は、もう、終わっちゃったね。 ]
[ ぐるぐる。長いもの(物理)に巻かれている。
エントランスと街灯と、それから自販機と、
少しのあかりに照らされた赤いマフラーは、
ちょっと目立つ。
おしゃれは多分、フツーにそこそこ?
気にしないひとでも、ありがたく巻かれましょう。
あたりまえのことです。おしゃれと命の天秤。
あたしの髪がまっすぐになったり、
カーブになったり忙しくて、ちょっとだけ笑った。
ありがと、って、ぽつり。 ]
[ すき きらい はフツーにあるから。
短いより長い方がすき、って、
そういう理由の、あたしの髪。
いつもの調子だったら、
ありがと〜(笑)で返すぐらいの、
……そういう、軽いやりとりが、
あったのかもしれないけど、
やばいね、あたしたち。やばいね、いつもより。
ずっとこれ言ってるなあ。もう。
他に見つからないじゃん。状況。 ]
[ 本日も大変、
語彙力の無い綿津見でお送りしております。
それでも、終わる、って言葉は、
たとえ 夢の世界を語るものであっても、
とっても小さい。
あたしたちの夢は終わった。もう覚めたら戻れない。
そんなの 知ってる、知ってた。
……知ってる、んだけど、それでも。
さみしいけれど、 ]
[ 駐輪場に向かったちかちゃんと、
エントランスの光にうつる、ここのちゃん。
なっちゃんはエントランスから顔を出して、
こっち、って、声をかけてきて。
みんな、なんにもできなくても、
来てしまうものなんだなって、
……理由は分からなくたって、
そういうものだって、思う。 ]
[ あたしは、きっと、
しおりちゃんの夢の続きを待っている。 ]
[ 喜多仲君にクレープ映え、教えてもらうの、
少なくとも、夢の続きの、
その後だろうなあ なんて。
あたしは黒板に残した、願いか 祈りなのか、
そういうなにもかもを思いだしては、
ここのちゃんへと手を振った。 ]
喜多仲君、コンポタおかわりいる?
ここのちゃんは何がいい?
ちかちゃんにも買おっか。
……なっちゃんはあたしと一緒でいっか。
[ ……喜多仲君のそれを真に受けてるわけじゃないよ。
現実世界、気の紛らわし方を探すのも、
だいぶ難しいよね。
そういう 話。 ]**
メモを貼った。
メモを貼った。
-- 現在/病院 --
[ 自転車をゆっくり引いてゆこうとしたとき、
二人のうちの一人が、こちらを向くから、
千夏はびっくりして、すこしうれしかった。
二つの手が振られる方向はあきらかに千夏で、
たぶん後ろには誰もいなかった。
なので。千夏も二人に向かって手を振り返す。
やっほーいぇーいっていうテンションではないけど。
手を振って、それから自転車を指さす。
駐輪場に停めてくる、
という意思は伝わったはずだ。 ]
[ のろのろと自転車を引く。
駐輪場は空いていて、どこでも停めたい放題だった。
雪の降る朝と同じく、深夜は人が出歩かない。
出入り口から近いところに停めて、鍵をかける。
なにができるって、わけでもないし、
たとえ念を飛ばしても届くわけない。
もしかすると紫織のためではなくて、
自分のためにここにきたのかな、と千夏は思う。
一人でいたら、どうしていいのかわからない。 ]
[ 一人も、静かも、すき。
ただ、今は誰かが、いいえ、
あの世界を共有したみんなが、恋しかった。
早く二人のところにいこう。 ]
[ 千夏が自動販売機の近くに戻る。
二人、が三人になっていて、わ。と思う。
紫織の世界にはまだ誰が留まっているのか。
すこし考えて、頭を振った。 ]
……さむいね。
[ 挨拶、はさっき手を振ってしたから、
なんて言ったらわからずに、
すこし考えて、三人の顔を見上げてそう言った。
おかえり。みんな生きてるね。
生きててえらいよ。* ]
メモを貼った。
──現在・病院前──
は、ふう、……
おはよう、喜多仲くん、まなちゃん
[ どうにか、声を絞り出せる。
ちいさく手を振りながら、彼らの元へ。
まだまだちょっと、呼吸は荒い。
すぐに落ち着けるほど肺は発達していないし、
苦しい、けど、それで倒れるようなことは早々ない。
ただの運動音痴なだけ、うん。
案外、愛宮心乃の持っていないものは多かった。 ]
[ ─── おはよう、
朝、出逢った人にいう挨拶。
目覚めて一番初めにあった時に言う挨拶。
夜中だったとしても、今日という日に会ったのが
一番最初だったら、使われることもあるもの。
だけど、まだ高校生の私たちにとっては、
朝いちばん、学校で会った時に使う言葉だ。
何かからの目覚めを共有している、のだろうか。
愛宮心乃が眠っていたことを、知っている?
……もしかして、顔でわかる? ]
……おにぎり、いる?
[ そうして、ビニール袋の中身を指摘され
ちらりと三角の頂点をみおろした。、
いらないかどうかとかは、知らないので、
取り出して喜多仲に差し出している。
足りないのなら、また買いにいけばいい。
そして増えたもうひとり。
ちーちゃんを出迎えるように手を振った。
……さむいねえ。
コンポタ、あったまってよさそうだね
でもいいよっ まなちゃん
自分でお金出すから!
うーん、私はおしるこ、にしよっかなあ…
[ 寒いね、って同意する。
だからこそ、あったかい飲み物はちょうどよい。
でも、お財布持ってきてるよって示す。 ]
あっ、ちーちゃん、無糖のコーヒーあるよ
これにする?
[ そして、自販機を見上げて商品をどれにしようかな。
その中でみつけたひとつを示したのなら、
いいんじゃないかな、ってちーちゃんへ伝えた。 ]
───ガッ、コン
[ 無事、おしるこを購入すれば
両手で握り締めながら、病院の入口を見る。 ]
風邪引くといけないから、
そろそろ私たちもいく?
[ 三人に告げたら、私は病院の中へ行こう。
一緒に来てくれる人は、いたかなあ。
中に入れば、なっちゃんがいた。
状況を看護師さんに聞いていてくれたみたいで、
まだ、予断を許さない状況なんだって教えてくれる。
救急外来の椅子にちょこんと座る。
……1.5人分の座席量を使うことになるけど、
走ってきて疲れているので、ゆるしてほしい。* ]
メモを貼った。
── 現在:病院前 ──
[ エントランスと自動販売機の光が混ざって
集まったクラスメイトの顔を照らす。 ]
いーよ、心乃ちゃんが食べる分
無くなっちゃうじゃん?
[ 差し出された三角形が複数個あったのなら
素直に受け取っていたかもしれないけれど。
心乃が下げている袋の中身は空っぽになって
じゃあ申し訳ないな。って思ってしまう。
それはもう、素直に。 ]
[ 自転車置き場の方から千夏がやってきて
約束していた訳でも無いクラスメイトが
こんな真夜中に、しかも病院に集まるなんて
すこし可笑しい。笑えないけれど。 ]
おはよ、はやみん。
さむいねー、凍えんねぇ。
[ 冬だし。外だ。寒いに決まってた。
寒い。って話題は2回目だったけれど、
その話題に頼らなきゃろくでもない話をしそうで
何度だって郁斗は声に出した。 ]
[ みんな、生きててえらいよ。本当に。 ]
[ みんなが生きてるから、おれはまだ笑えるよ。 ]
ええ〜いーよいーよ!
てかさァ、おれ奢る場面じゃ……
フツーに先越されるし!
不甲斐ねぇ感じになっちゃったじゃん!
[ 飲み物奢る?とまなに言われて
むしろおれが奢る?と郁斗は提案。
……しようと思ったんだけど。
心乃の手のひらに収まるおしるこに
思わず肩を落とした。 ]
[ 賑やかな会話……といっても、
騒いでいるのは郁斗だけかもしれないけれど
とにかく、クラスメイトと話していれば
すこし気が紛れて、安心した。 ]
待って待って、おれも行く!
[ 誰かと一緒に入る機会を逃してしまえば
一生入ることが出来ない気がする。
自動販売機横のゴミ箱に
飲み終わってしまった缶を投げ捨てて。
心乃の後に続いて扉を潜った。
メモを貼った。
メモを貼った。
-- 現在/病院 --
[ ほんとにさむいよ。
合流した三人はちょうど自販機でなにを買うか、
の話中だったらしい。
ちょっぴり眩しい自販機に目を向けた。
喉が渇いたな、って今気が付く。 ]
おはよう。
喜多仲くん、まなちゃん、ここちゃん。
[ 挨拶には挨拶を返す。
人間社会に溶け込むために必要なので。
天気や気温の話は鉄板。二回目とは知らずに。 ]
[ 現代人必須の持ち物。スマホにお財布。
千夏もお金は持ってきていたので、
順番を待って心乃が勧めてくれたコーヒーを買う。 ]
うん。ここちゃんありがと。
そのコーヒーにする。
[ 奢る場面だと主張する郁斗には、
くすくす千夏は笑った。
いつもうるさいなあ、元気だなあと思っていた郁斗が、
今はこんなにもありがたかった。 ]
[ 買ったコーヒーは熱くて、
かじかんだ指先が溶けていってしまいそう。
中に行こうと提案する心乃に首を横に振って。 ]
コーヒーがちょっと熱くて。
冷めるまでもうすこしだけ、ここにいるね。
[ ううん。本音。
心乃が買ったあまぁいおしるこ、
いいなあっていう目で見てしまいそうだから。
病院内に向かう背中を見守った。* ]
メモを貼った。
[ ここのちゃんが持っていたおにぎりの、
その、ほんとうの大元を、あたしは知っていなくて。
ここのちゃんと喜多仲君のやりとりを見ているばかり。
寒い。寒いね。
にんげんせいかつの話題の鉄板は、
天気と気温の話です。
[ みんな、おはよう、こんばんは。また会ったね。
さっきぶりだった筈なのに、
懐かしいような気持ちにもなる。
同窓会ってこういう気分なのかな?
卒業してないのにそんなことを思ってしまうし、
そもそもここは病院だ。
しかもメンバーのひとりは死んでしまいそう。
やばい状況。ほんとうにやばい。笑えないね。 ]
[ でも、みんなが生きてることに安堵する。 ]
[ 生きてて偉いよ、ありがとう。 ]
[ みんなが生きて、みんなでいてくれるだけで、
あたしの白紙は色づくと思うのです。 ]
[ 奢りを提案したあたしでしたが、なんと。
みんなそれぞれ買っていくようで。
……というか、ここのちゃんがおしること、
ちかちゃんのための
無糖コーヒー(にがそう)を買ったので、
お財布の中身はそんなに変わらないまま。
あたしもおしるこひとつ買って、
ふたりに続いて病院へ、
いこうとして。 ]
ちかちゃん、
多分、あっち、あったかいから。
……あ、
[ 外にいるちかちゃんへ、ちょっと近づいて。
……鞄の中に入っていました。未使用カイロ。
ストックは持っておきなさいって、
そんなお母さんの意見を、
受け取っていて良かった。ほんとに。 ]
もしよかったらつかってね。
[ 暖を取ってるちかちゃんに、あとでね、って。
いなくなっちゃう前の複線でもなんでもなく、
あたしは手を振って、中へと入っていく。 ]
[ 椅子、には、座れなかった。
緊急外来の椅子が並ぶスペースで、
あたしは、あたしが行けるぎりぎりのところに、
静かに立っている。 ]*
メモを貼った。
メモを貼った。
メモを貼った。
-- 現在/病院→駐輪場 --
[ 送る背中はみっつ。
くるりとこちらを向いた顔に首を傾ぐ。 ]
……うん。
わ、ありがとう。
[ カイロを差し出してくれるまなの姿に、
3年8組になったばかりの春を思い出す。
あのときは飲み物で今はカイロだな、と。
春もこっちのほうが涼しいよ、
と教えてくれたんだっけ。違うっけ。
たった八か月前のことがすごく遠くに思えた。 ]
[ 生きて積み重ねた十八年と数か月。
特に事故などなければ、
おそらく何十年かは続いていく。
他人の人生、あまり口出しするもんじゃないけど。
千夏は思う。
生きてたら、いいことあるよ、って。
紫織ちゃんの人生、
ここで終わらせないほうがいいよ、って。 ]
[ あつい缶コーヒーを指先でつまみながら、
教えられた方へと歩く。
たしかにすこしあったかいかもしれない。
そう思いながら、苦いコーヒーを啜る。
すこし寒さが和らいだころに、
自転車の鍵がポケットにないことに気が付いた。 ]
……鍵、さしっぱなしかも。
[ こんな真夜中。
自転車泥棒が出没するとは思わないけど、
手許に鍵がないのも不安で。
千夏は再び駐輪場へと戻る。** ]
メモを貼った。
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sol・la
ななころび
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