266 冷たい校舎村7
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死んで 虚無感を残すのも
生きて 苦しさを抱くのも
もしかしたら
殆ど 変わらないのかもしれないけども
3.75グラムの重たさのせいで
天秤は釣り合ってくれないんだ
[ 嬉しそうだったって。なんだよ。
柊の残していった言葉が、
ゆる顔の猫を思い出させる。
すきだ、なんて、口には出来ない。
可愛いなんて、言えやしない。
女々しさの一切を排した形が、
おさまりの良いものであったから。
振り払うように、頭を揺らした。 ]
少し、外に出るか。
[ エナメルを引っ掴んで、立ち上がる。
冷えた空気を吸い込んだら、
淀んだものも入れ替えてくれる。
扉を抜けたら、真っ白い息塊が広がった。
柊が戻ってきていた。
他のみんなはどうだろう。
戻っていたとして、
病院に集まるとは限らないのだけども。 ]
[ まだ、あちらにいるのだろうか。
また、あちらで死を迎えたのだろうか。
ぼんやりと考え込みながら、
大きな歩幅でのったりと歩いていた。ら。
ふと、目をやった小さな建物。
喫煙所と書かれた窓越しに、
見知った色があったものだから。 ]
……轟木。
帰ってたんだな。
[ 普段は立ち入ることの無い場所に、
扉を潜って足を踏み入れた。
片手にある煙草を見て、
苦笑いすれども、咎めることはしない。 ]
[ 人を縛る権利なんてない。
誰かを咎める権利なんてない。
ましてや、
距離感を取り戻せないまま、
初めましてのふりをした相手に。
湧き上がるこれは、たぶん、
罪悪感って名前をしてるんだと思う。
口にしない ごめんね を 押し込んだら。
クラスメイトを案ずるような、
そんな顔の形を きちんと作れたはずだ。 *]
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[壊れるのが嫌だから死んで でもそれを嫌がる人の死は拒んで>>181 本当に、どの口が、……と冷静に考えるだけの頭が今ない。
だから、高本に指摘されて大きく目を見開いた。>>182
結局、お前と七月の関係はどうなったのか、とか 何でそんなに怒ってるんだよ、とか。 理解が追いつかなくて困る。]
(197) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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[酷い話をするけれど多分、俺って、 そこまでお前に友達と思われてる、って自覚がない。 甘えられてる自覚はあったんだけど。
一緒にいたい友達だって思ってるし ずっと一緒にいるって約束だって忘れてない。
でもさ、やっぱりさ、人は信じられないからさ。 悟のことも信用しちゃいなかった。>>184
卒業したら全部話すって。ずっと友達だって。
どうせ口だけだろ、とどこかで思っていて]
(198) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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[……そう思う癖がついた俺が、一番人を裏切ってんのかなあ。 わかんないよ。 だって永遠の愛を、とか言って結婚した二人が別れてんだぜ?]
(199) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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……うるせえよ。 わかってるよ。 ヨーコねーさんが俺を追って死ぬなら それ、拒む権利、ないよ。 それくらい、わかってて。 …………考えが及んでなかった。ごめん。
でも。…… 生まれてもメーワクで死んでもメーワクなら 本当にどう逃げろって話なんだよ、まじで 生まれないほうがマシってか。知ってるわ
賢いお前なら知ってんのかよ……
(200) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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俺には、もう、手に負えねえんだよ。
[疲れたよ、って俺は顔を眉間にしわを寄せて、 息を長く、長く吐いた。 目の前に洗っても洗ってもなくならない洗い物がある そんな疲労感と絶望感が去来して、
く、と顔をあげる。>>184 せきにん。という日本語を追って、 それを口にした自分を後悔する。>>185
卒業したら全部話をする……それって、別に、 付き合ってた女を悲しませたことと同列じゃない。 俺の中では。 でも、お前の中では違うんだな、悟。]
(201) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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…………お前のほうが重いじゃん。 何泣いてんだよ。
俺は、お前に、 その後どうやって生きてくのかを聞いてるのに 意味わかんなくねえ……?
俺がその約束守ったところで、 お前にとってどうなの。 俺を見下してたお前にとって。
[笑顔が掻き消えて、ぽつ、と独り言が落ちる。]
(202) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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ずっと一緒って約束した公園の滑り台…… 先に来なくなったの、どっちだよ。
………………待ってたのに来なくなったから 俺の方から近づいてったんだろ。 犬みたいになってさ。
[お前にとっての俺、って本当になんなの? って ずうっと思ってる。 多分、言葉が足りないせい。>>174>>175]
(203) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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( ……頭痛ぇ、 )
[ずきずき痛んできた頭を抑えて息を吐く。 感情に振り回されているせいか、 それとも残りの命が短いのか、判断がつかない。
キョースケの声が聞こえて頭をあげる。>>187>>188*]
(204) 2019/06/16(Sun) 23時半頃
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生まれてメーワク、って誰が言ったんだよ。
[信じられない、という顔で 俺は拓海を見つめている。>>200 それから、少し声のトーンを落として]
(205) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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……少なくとも、俺は。 お前と会えてよかったと思ってるっつーの。
[賢いはずの俺は、 そんな答えしかお前に与えてやれない。 けど、俺にしては素直なその台詞は、 今の精一杯だったんだ]
(206) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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そうだよ。重いよ。 泣いて悪いかよ。 誰が泣かせてるんだよ。ぶっ殺すぞ。
[死ぬな、というのと同じ口で ぶっ殺す、と口にする矛盾。
まるで馬鹿みたいじゃないか。支離滅裂だ]
(207) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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俺を泣かせて、京輔を泣かせて、 葉子に「一緒に死んでいい」って言われて。 ここまでされて、まだお前分かんないの。
みんなに必要だ、 生きていてほしいって思われてるの。 まだ気付かねえのかよ!
(208) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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[それから、拓海の笑顔が掻き消えて 呟かれた独り言>>202に俺は息を飲むんだ]
……それは。
[先程までの勢いがなくなり、目が泳ぐ。 くしゃりと前髪を掻き上げてため息をつく。 とうとう俺は観念したように、 ぽつりぽつりと言葉を落とした]
(209) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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妹の体調が、ますます悪くなって。
餓鬼の時分とはいえ 店の手伝いをしなきゃいけなくなった。 だから、公園には行けなくなった。
言いたくなかった。家の暗い話なんて。 それは、お前も同じだろ。
離婚した、ってのは聞いてた。 でもそこまでお前が悩んでるって 俺なんにも聞いてない。
(210) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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見下してたよ。 なんで俺みたいな優秀な奴が大学に行けなくて お前みたいな奴が大学に行けるんだろって。
馬鹿にしてたし、羨ましいし、悔しかった。
ずるいじゃん。 俺を置いて大学に行くだなんて。 そんなの許せないじゃないか。
そう思ってたのに、何だよ。 大学も行かずに死ぬだなんて。
(211) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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[そこで、言葉を切った。 瞳の涙を拭って、まっすぐに拓海を見つめる]
いっぱい約束したろ。
あの夕暮れの公園で。ずっと一緒だって。>>0:272 雪の通学路で。悩みを聞いてくれるって。>>0:307 この校舎から出たら、打ち上げするって。>>3:211
全部、約束破る気かよ。 ふざけんな。
[やっぱり素直になれない俺は、 怒ることでしか自分の気持ちを伝えられない。 分かってくれ、ってお前に甘えているんだ]
(212) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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俺は最高に性格の悪い男だから、 友達のことを見下すし、馬鹿にするし、嫉妬しちまう。 けど、……けどな。
[先の、言葉が続かない。 ここにきて、変なプライドが邪魔をして。 本当に俺は自分という人間が嫌になる。
沢山の逡巡のあと、ぽつりとひと言]
(213) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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お前のことは、ずっとずっと 大切な友達だと思ってるよ。
[その呟きを、漏らしたのだった]
(214) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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死ぬなよ。馬鹿。
朝からひとりで肉まん食わせる気かよ。 誰のために毎日あれ買ってたと思ってるんだ。
……俺別に肉まん好きじゃねえし。
お前と一緒にいたかったから。だから。
(215) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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――――死なないでくれ。
(216) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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[今度こそ涙が止まらなくって。
制服の袖で目元を拭いながら、 消え入りそうな声で拓海に訴えたのだった]*
(217) 2019/06/17(Mon) 00時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/17(Mon) 00時半頃
ただいま
[ 病院でクラスメイトにただいまを言うのは、
なんだかちょっぴり変な感じ。
こんな機会、もう無いかもしれません。
私も、コーヒーにしようかしら。
どのコーヒーにしようかな。
怪我のしていない指先がうろうろ。
無糖と、微糖と、加糖と。
一つのメーカーだけで沢山あるんだもの。
あ、コーヒー飲んだら眠れなくなる。 ]
[ ひいらぎ君は、彼女……元、彼女の事
好きだったって。会いたかったって言う。
ココアのボタンを押しながら、頷く。 ]
うん
[ もし、ね。誰に何を言われたって、
貴方がそうだと言うのなら、そうだよ。
続くお別れした、という言葉を聞きながら
指を焼くような熱さの缶を、拾います。 ]
[ 女の子が何を考えてるか分からない
なんて、初心なこと言うので、笑っちゃう。 ]
男の子でも、分からないわよ?
よう君がどうして死のうとしたかも、
だって、分からないじゃない
[ あ、実は、分かってるのかしら。
分かっていたら、この例えは通用しないけれど
分かってないにこのココアを賭けましょう。 ]
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