88 めざせリア充村3
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[爆発は至近距離での事。 衝撃を十分に防ぐ厚みを展開できず、背中に熱と衝撃を受け一寸息が止まる。 着ていた服は破れ、背中は一面焼けただれたような赤を呈していた。 手に持っていたマフラーもモニカの熱と爆発の衝撃でボロボロと崩れ去り――
――未練の品が一つ消えた]
次から、そうするよ……
[>>188 乾いた笑い声とともにそう答え――]
(196) 2013/06/30(Sun) 10時半頃
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[抱きしめてくるモニカの腕を身体を蝕むように鉄が覆っていく。 ソフィアを固定したのと同じように、それ以上に内へと誘い鉄の鳥籠に捕えてしまう。 鳥籠の空気はそう多くはない。 そして――火は空気が無ければ燃えることはできないと思っていた。
>>140 千の瞳が浅い洪水を見つければ外骨格から作り突きだされた黒い蟲の脚が重鈍に動きその中へと入っていった。 雷を帯びた水は強く痺れるが元より自分で身体を動かすことはほとんど叶わない。 モニカにも雷の影響が及んだかもしれないが、それで気を失ってくれれば僥倖だった。
浅い洪水は灼熱の異形の蟲が触れるととたんに蒸発していくことだろう]
(197) 2013/06/30(Sun) 10時半頃
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[でも――まだ足りない。
モニカを骨格の内部に入れたことでオスカーの周辺の温度は少しずつ上がってきていた。 それは熱した鉄板の上に居るのと同じ様に、皮膚を焼きはじめていた。
出し惜しみをしている場合ではなかった。 貯蔵している鉄を全て用い、モニカに触れた熱を外骨格へと移動させ空気と水気に曝し、冷えた鉄を再び中へと戻す還流を生み出した。 半ば溶けている外骨格は周囲の地面を溶かして重力に引かれていった]
(198) 2013/06/30(Sun) 10時半頃
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[地図を頭に思い描き、千の瞳で見つけるのは近くにある湖。 湖の方へと蟲の身体は地面に沈みながら進んでいった――**]
(199) 2013/06/30(Sun) 11時頃
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それはそうね...絶対にしないわ。
...ここでも。「あれ」らは確かに貴方の体しか必要していないかもしれない。
だけど。
...貴方は彼らを、信じることもできないの?
私の場所が他にあると思ってるの?
貴方の過去を私は殆ど知らない。
私は父に犯されて...あの時は躾だと言われて信じてたけど。
...売られて。
...親に売られたと思ってないから、ある時一瞬の隙をついて数人で逃げて。
だけど捕まって。売られたんだと知って。
母は死んだと聞かされて。父は殺したと言われて。
...そこから出れたのはこの研究所のお陰だけど。
そこでもやってる事の「半分」は変わらない。
だけど、さ。
受け入れられないと思うのは、裏切りだと思うな。
きっと私は間違ってる。
殆ど全部、99%までは他人からみれば間違ってると思う。
だけど、ね?
...私はヤニク君や他の人は信じているよ?
言えないこと。言ってないことがあったとしても。
それでも、手を取り合う事は出来るって。そう思うから。
それは。それだけは。間違ってないと思う。
貴方だって、人間でしょ。自分自身でも、そう思っていないの?「実験体」だと思うのは...「あれ」らだけで、もう十分じゃない。
みんな、力なんてないままに全員が一緒にいたなら。
それはそれで良かったと思う。
私には、全員が必要だから。
勿論、あなたも。
[私は皆が必要だけど。皆は私など要らないんじゃないかという思いはずっと持っていて。
この機会にいなくなるのも良いのかもな、と。
何も彼らの為にならなくても。
「あの夜」の事でだけでなら、まだ...と。
でも、それなら。
もうここにいられないなら。心なんて、記憶なんて要らないな。]
...私はあなたが、必要。
でもあなたが私が受け入れられないなら。
私はここからいなくなるべきだと、思うわ。
[ミナカタ先生がいたのには途中から気がついた。
...きっと先生が知らないことも含まれていただろう。
言い切って。溜息一つ。]
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[腕に体に蝕むように鉄に覆われる。 中へ、鉄の鳥かごへと誘われるままに。]
――ゴホッ
[苦しくて咳をしたら、何か温かいのを吐いた。 鉄の味がする。 ちょっと心臓の痛みが消えた気。 ぺたりと鉄に掌で触る。 ひんやりしただろうか。熱は鉄を伝うだろう]
…ん?っがぁっ!! [>>197 ビリッと来たかと思えば強い電撃が体中に走る。 ナユタとライジが作った浅い洪水に入ったのだろう。 すでに心臓へ負担がかかっているモニカには雷の影響はかなりのダメージになった。 すっと目の前が暗くなっていく。意識が遠のく感じがした]
(200) 2013/06/30(Sun) 11時半頃
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ゴホッ、電撃はいた…ははっ…、たの、しいよ、おすかー、 [また咳がでる。これはやばいなと危険信号。 やばい、意識がもたない。 鳥かごの中で、小さく呟いて湖に着くころには気絶しているだろう。]
(201) 2013/06/30(Sun) 11時半頃
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[手の動きは、遅くなることはあっても早くなることはない。 ゆっくりと、ゆっくりと、気丈な心を折るように。
手がぬるつく。 塩辛い血が頬に飛んだ。
足が終わり、見上げる。 甘えん坊の志乃なら、きっと。 少し実際に酷いことをすれば、助けを求めてくれると思っていた。
でも、耳に届いた言葉は、それとは程遠く。 切れ切れの言葉一つ一つに、身を切られるような思いがした]
…………違う、だろ。志乃。
[優しく微笑まれて、俯く。 チアキの表情は、髪で覆い隠されて見えない]
(202) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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[さら、と頬を志乃の手が触れた。 血を失いすぎたのだろう。その手は冷たい。 思わず、その手に足を押さえていた方の手で触れる。
昔、研究所に行くときよりも前のとき。 冷たい小さな手を温めてやろうとしたときのように。
志乃の声から伝わるのは、痛みと悲しみと、それから……]
(203) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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[凛とした覚悟と、愛情]
(204) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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[からからに乾いた唇を、乾いた舌が舐める。 血の味は、どちらのものなのだろうか]
……舞姫殿、これが最後のチャンスだ。
逃げるなら、逃げてみせろ。死にたくないなら、助けを呼べ。
[鋏を、志乃の肩から抜く。 そうして、喉元に刃を向けた。
全員に聞こえるように、大きな声で死刑宣告をする]
(205) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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……終わらせる、ため。
[感情の見えない声での回答>>194を復唱する。 戦いを?この争いを? それとも、「仲間」とのつながりを?
首元を狙った手は、 後ろへと退くことで避けられる。
向けられた左手の先が欠けていた。 そのことにわずかに心が痛んだものの。 足を地面につけてもう一歩を詰めようとしたところで、 雷で編まれた柵が周囲に広がった。]
いっ……!
[前へ伸ばしていた左手の先が檻に触れて痺れる。 形を持たない柵は少し揺らいで、けれど腐り落ちることはない。]
(206) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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[青白い檻の中で、ライジを睨みつける。 現象物との相性は悪い。 無理に破ろうとしたら雷に焼かれるだけだろう。 その時聞こえた、微かな響き。]
…この音……
[胸の痛くなるような響きに意識を逸らす。 それはライジもまた同様だったようで、 周りを囲っていた檻がゆるみ、薄らぐ。
それを見て。 息を止めて檻の外へと体を投げ出した。]
(207) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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[泥の上に倒れこむ。 弱まっていたとはいえ雷が皮膚の表面を焼いて、 ちりちりとした痛みがはしる。 それを無視して、音の源を探して走った。
ライジは追ってくるだろうか。*]
(208) 2013/06/30(Sun) 12時頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2013/06/30(Sun) 12時頃
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[“舞姫”の音を無くせば 我が軍にとっての戦場は濁るだろう。 彼女の奏でる甘やかで残酷な音は、 退路も希望も断たれた兵士たちの 最期の救いだった。
ソフィアに破られ雷の籠は壊れた。]
志乃、ありがとう。
[駆けていくソフィアを負うことは無く、 戦場に響く死刑宣告(>>205)に 反応を返す事も無く。]
(209) 2013/06/30(Sun) 12時半頃
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…… ナユタは連れて帰る。
[まだ呆然としたままなのか、 動きの鈍いリッキィの傍からナユタを引き離し。
さすがにちょっと重かったが、 彼の亡骸を抱いてこの場を去るつもりだ。 ナユタは、叶うなら、 故郷の土に帰してやりたい。
途中、 もし背後に攻撃を仕掛けてくる者が在るなら、 そのすべての頭上に落雷を呼ぶ。*]
(210) 2013/06/30(Sun) 12時半頃
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― 拠点 ―
[“天使”に続いて“斬り雨”が討たれ、 “舞姫”の帰還も絶望的であるとの報告を。
“魔女”もまた、忽然と行方が解らなくなったと そこで諜報をまとめる男から聞いた。
ひとりすごすごと生きて戻った俺は、 しばし、“飼い主”たちから折檻を受ける。
濡れた地面に顔を押し付けられて、 泥を飲みながら、ようやく、少しだけ泣いて。
涙の滲む目元を靴底で踏みつけられ、 ほんの短い時間だったが そのまま気を失った―――*]
(211) 2013/06/30(Sun) 13時頃
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― 戦場 ―
[赤軍は、持ち駒の中でも選りすぐりの 使える“魔法使い”の隊の大半を無くし、 焦った末に、 無機質な兵器による防衛の体制を固めると決めた。
防衛地点として設定された拠点周りの数カ所に、 戦力のほとんどを集結させる命が下され。
半刻後には、 真っ赤な人の壁が、赤の拠点を取り囲む。**]
(212) 2013/06/30(Sun) 13時頃
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[聞こえた宣告>>205。 その声の方へと向かって、水を蹴る。 近づくにつれて地面はぬかるみからただの土へと変わっていく。 少し痛んだ足首に、歯を食いしばって速度を上げた。
チアキが志乃を殺すのか。 兄妹のようだった二人が。]
……邪魔っ!
[青い服を見て寄ってくる赤を、かわして触れて腐らせて。 チアキの鋏が降ろされる前に、辿り着くことは叶うだろうか。]
(213) 2013/06/30(Sun) 13時頃
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[触れた頬は、少し冷たい。 濡れた感触。でも、その感覚さえ遠くなる。
視界が歪んで、髪に隠れてチアキの顔は見えないけど]
っ、……悪夢は、終わるの、これで終わり
助けは、……呼ばない、逃げも、しない
[高らかな、死の宣告。 それでいい、それで……喉元に触れる冷たさに微笑んで]
"――あなたが、殺すの、は"
(214) 2013/06/30(Sun) 13時頃
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"私で、―――…最後、"
[呪いの様な願いを囁いて、静かに目を閉じた。 途切れ途切れに口遊むのは、寝る前にいつも歌っていた唄。
今日も生きていて良かったです。 今日も幸せでした。
死んで逝った"家族"たちに、報告する為の唄。 今から、そっちにいるからね。
残る人たちには、どうかどうか――幸せに、 最後に歌う唄くらい、誰かの幸せを]
(215) 2013/06/30(Sun) 13時頃
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[目が良く見えない。耳が良く聞こえない。 だけど、微かに聞こえたソフィアの声に視線だけを送って
唄いながら、微笑んだ。 チアキの刃が、喉を引き裂く所を見せたくはなかったけれど
喉を裂かれれば、紅が散る。 赤く、紅く、朱く。
牡丹の花が落ちるように、伸ばした手が地に落ちた―――…**]
(216) 2013/06/30(Sun) 13時頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2013/06/30(Sun) 13時頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2013/06/30(Sun) 13時頃
[ケイトがヤニクに話すのを聞く。
淡々と話す彼女の思惑がわかってしまい、
困ったなとため息をついて膝を曲げ、
ヤニクには聞こえないように告げた。]
……なぁ、お前らの性格を分析して、
レポートにしたのは誰だとおもってる?
一番近くでみてたのは、誰だと思ってる?
俺が何も知らなかったと思うか?
[それはケイトにだろうか。
それともヤニクにだろうか。
ただそう問いかけて、
できれば冷ややかな笑みでも浮かべて。
ヤニクがなにか言う前に、あるいは何かする前に。
さっさとそこから立ち去った。**]
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…………。
[志乃の手を、透明な涙が濡らす。 繰り返される気丈な言葉。 いつの間に、こんなにしっかりした子になったんだろう。
素人目にも、もう助かりはしないだろうと、そう思うに充分な出血。 それでも、志乃は一度も弱音を吐かなかった。
二度目に向けられる、呪いの言葉。 そこにある意志に、また、少しだけ泣いた]
(217) 2013/06/30(Sun) 14時頃
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[志乃が唄うごと、悪夢じみた光景が崩れていく。 焼け焦げたトランプの兵は、ただの死体に。 チェシャキャットはハンカチに。 ただ、>>1針ネズミだけが、酷く哀しげな声で泣いていた。
どこからか、ソフィアの声がする。 こちらに向かう足音よりも、志乃の唄はずっとはっきり聞こえた]
……ソフィア、来るな。
[冷たい声で、近付くことを制止する。 志乃は、もうほとんど意識がないのだろう。口ずさむ唄が、少しずつ小さくなっていく。
か細い、仔猫の鳴くような声は、それでも。 幸せを願う気持ちが込められていた。
……顔を上げる。 その顔は、冷たく険しかった]
(218) 2013/06/30(Sun) 14時頃
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[僕、と言えばいいのか。 俺、と言えばいいのか。 舞姫、と呼べばいいのか。 志乃、と呼べばいいのか。
何も分からない]
……頼む、恨んでくれ……。
[手が、震える。
それでも、歯を食いしばって、そうして。
手にした鋏に、力を込めた]
(219) 2013/06/30(Sun) 14時頃
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