219 The wonderful world -7days of SAIGAWARA
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人
狼
墓
少
霊
全
─ →北:浄玻璃公園 ─
[そう、人の数だけそれぞれの想いがあり
それだけ正義の形も変わるのかもしれない。
大多数が決して絶対的な正義でもなく
少数が悪と言うわけでもない。
だから、彼の言う通り無理なのだ。
何が正しいかを一括りに決めてしまうなんて。
全ての歪みを正すことなんて。
それは即ち、死の世界なのかも知れない。
二度死んだ今この時点よりも更に深い、
それこそ消滅後の世界。
それを思えばぞくりと肚の底から冷える気がしたが
相手の手を握り、震えをその時は誤魔化せた。
そして、相手の言葉に頷いてみせたのである]
[そして見つけた精製陣。
そこに近づく事は危険だったのかも知れない。
しかしそれに襲われ、死神すらも喰らわんとする
その精製陣を放置しておけなかったのは
自分も、彼も、一緒だったのだ。
だからこそ、彼に氷槍を託し、
その頼もしい笑顔に此方もニッと白い歯を見せる]
……ったく、無理すんなよ!!
|
[ わたし、尋ねたことがあります。
幼い少女ではなかったコンポーザー様。
ねえ、どうしてわたしたちを拾ったの? ふたつ目の選択肢さえ与えず、 消してしまうこともできたじゃない。
問いに、そのひとは言いました。
「そのほうが、おもしろそうだったからなあ」 コンポーザーなんて、いつの世もそんなものです。
なにがおもしろそうに見えたのかしら。 わたしたちの行く末を予測でもしたのでしょうか。
なにがおもしろそうだったの? って、 それを聞けばよかったのでしょうか。]
(@134) 2017/06/25(Sun) 01時頃
|
[大丈夫、彼が共に動くなら。
そう自身を鼓舞しながら、彼のひきつけたノイズを
地面から氷槍を生やして天空へと突き上げる。
大型のノイズはそれで一度天に舞い、
地面に叩きつけられた所を
その真上から地面に縫い付け足止めし、消滅させ。
空を舞うノイズには氷槍を射出しその翼を狙い
接近してきたノイズには迎撃の形で氷槍を見舞う。
辺りにキラキラ、氷の欠片が舞い散って、
陽の光に煌めいて場違いに美しく感じる。
相棒に氷槍が当たらないように、
それでいてノイズ達が彼の邪魔をしない様に。
牽制し、迎撃を繰り返していたさなか]
|
[ かえって困ってしまうほどに、 わたしは今に幸せを感じているのです。
死神と成って、さまざまな経験をしました。 おいしいものを食べて、たくさん遊んで。 若者に流行りのお洋服も、 きっと生前には着なかったものです。
おともだちがたくさんできたのです。 わたし、みんなのことがとても好きだわ。 あなたがいないのは寂しいけれど、 思ったとおり、わたし、幸せを取り戻してしまった。
ねえ、もしかすると、 わたしなんて、もうどこにもいないのかしら。
だとしても、わたし、 死神と成って生きることを、やめられそうにありません。]
(@135) 2017/06/25(Sun) 01時頃
|
やれええええ!!豊原!!!!
[相棒の叫びに追って被せる様に叫んだ。
バチッ、と辺りを震わせる何かの音が聞こえ、次いで
相棒の喜びの声が聞こえて顔が綻ぶ]
やったな豊原!
これで、闇色のノイズはここからは……?
[休憩を取る間
もしかしたら何かを探す狐が近くまできていたかもしれないが、気づく事はできただろうか。
もし気づいたとしても、二度目の死のきっかけを思えばその姿に警戒をしたのかもしれない。*]
[あと、どれくらいのノイズが残っていただろう。
大体は弱らせた。ぜ、は、と肩で息をし
冷え切った指先を喉で温めながら目にしたのは
闇色ではない、ノイズ。
こちらをジィと見つめては、近付いてくるそれ。
手にした氷槍で地面に縫い付けたクマの頭を
ブチ抜きつつも視線で追えば、一声鳴いたか。
闇色のノイズ退治をしていると言うのに駆け寄って
そして離れて、またこちらを見てる]
『……あいつ、呼んでるみたいだ。
なんかの罠か?
それとも……助け、呼んでる?
こいつら、死神も襲ってたし、もしかして』
|
[ ああ、なんてすばらしきこのせかい! ]
(@136) 2017/06/25(Sun) 01時頃
|
[死神の誰かを助けようと?
そもそも、そんな仲間意識が
ノイズと死神とに成立しているか否かなんて
男は知る由もない。
しかし、死神もまた襲われていた現状に]
……あいつ、追ってみよう。
いざとなったら、俺連れて脱出、な?
俺はまだ大丈夫だから、お前も無理すんなよ!
[そんな風に相棒に声をかけて、狐を追いかけ
走り始めたのだった。
追ってくる残党が居たなら、氷槍を射出し牽制し
そのまま、足先は南へと]*
|
[ だからね、今もそう。 クールタイプなのね! とか、 今回はすてきなひとが多くて嬉しい、とか、 そんな他愛もない言葉を返して>>@119>>@120、 死神は、無邪気に笑って、喪服の裾を揺らして、]
── ええ、だって、こんなに楽しいんだもの!
生き返れないからなんて理由で、 このせかいから去るなんて、もったいないわ
死神になったって、 このせかいはすばらしいところってこと、 ぜひ知っていただきたいの
[ 過去も今も、きっと世界を愛し愛された女は、 朗らかな笑顔を浮かべたまんま、 今日もサイガワラで土くれを、紡ぐ。**]
(@137) 2017/06/25(Sun) 01時頃
|
─ →南:黒の精製陣 ─
[狐に誘われるままに、相棒と共に
サイガワラ区の反対側、南へと連れてこられ
その最中にも闇色の雑音は遅いかかってくる。
死神の数自体は、少なくなっている気がするのは
気の所為だっただろうか?
此方に襲いかかってくることはない狐。
それが導く先は何か、と
雑音をいなし、滅し、時に避けて逃げ出しながら]
大丈夫か、豊原?
………無理はするなよ。
[それは、互いに言い聞かせていた言葉かも知れない。
やがて先に男が目にしたのは、
公園で見かけたものと同じか似通った紋様。
闇色の雑音が生み出される様。
そして]
…………あいつ…………ッ!!!
[視線の先に、二人の死神。
ギリ、と奥歯を噛み締め其方を睨みつけるものの。
また生み出される闇色ノイズ。
しかし、自身と相棒の仇に近づくには
どうしても、その精製陣が、邪魔で。
邪魔で、雑音も、雑音を生み出す精製陣も!]
このぉっ、砕けろぉぉぉ!!!!
[怒りの咆哮と共に陣の真上に精製されたのは
巨大な氷柱を思わせる氷の槍。
それは、精製陣目掛けて真っ直ぐに落ちていき
そこから今まさに生み出されようとしていた
闇色の雑音をも巻き込んでバキバキと砕けながら
その紋様を切り刻んで行く。
バヂッ!!と、辺りに放電した様な音が、響いた]**
[
(短い短い華の命。
散る間際まで、満足の行く生であったのか、
それすら見る事を赦されない個々の華。
なれば、その刹那くらいは、
儘、真白に彩を乗せられたなら、と。)
仄かに疵の名残は感じながらも、
降参宛らに振られた手と言葉と、余りにも己に正直であれたものだから、夢と思ったまま。]
だとすれば、君が消えなくて良かった。
恨むと同時に、空虚を感じただろうから。
[立ち上がっていた君の下駄が、軽く音を立てた。]
嗚呼、余りにも忙しくて、
静寂とは当分無縁だったから。
今日一日くらいは赦されて善いだろう、て、
[明朗に笑うその姿を、眩しげに目を眇めて見上げたなら、腰を起こして立ち上がる。
招く君の横に添って、“行き当たりばったり”に付き合ってくれるらしいのに笑って返せば、はにかむでもなく言われた言葉に頷いた。]
……私の事?
はは、そんな事で良かったら。
[それから、尚も行き当たりばったりを続けるように、「気になった道を適当に選んで行くでは駄目か、」などと言った。]*
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