88 めざせリア充村3
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……志乃が母親なのか。
[先ほどの己の言葉は
あまり冗談にならなそうである。]
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[相変わらずの虚ろな金の目は 揺るぎなく彼女を見つめたままで。
パチリと小さな光を零した右手で、 自らの右腿へと触れ。
形振り構わずそこへ電気を流し込む。
激痛と熱、筋肉が壊れるのを感じたが、 麻痺した神経に刺激を受けた足は跳ねる。 刹那的なその力で、後方へと飛び退こうと。
無傷な左足での着地は不安定だったが、 何とか、 地面を踏みしめる事は叶ったか。**]
(101) 2013/07/04(Thu) 18時半頃
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…っ、ふふ。うん。有り難くきいておく。
[まるで甘えているように頬を寄せるヤニクに小さく笑って。
ヤニクは笑った事に怒ったかもしれないけれど、自然な笑みをしまう事は無い。
その顔は、彼の胸に埋まったままだから、見られる事は無かっただろうか。
ヤニクが満足するまで…それかヤニクから離れていくかするまでその状態のまま。
恥ずかしかったけれどそれに勝る感情が、確かにリッキィの中にあった。]
―ヤニクの部屋→実験室―
[どのくらい、時間が経っただろうか。
随分と長い間だったかもしれない。
ヤニクに手をひかれながら部屋を出れば、ほんの少し後ろを歩いただろうか。
着いた先の扉を見上げれば、一瞬だけ立ち止まり。
どこから何処までが悪趣味な夢の中だったのだろうかと、ぼんやりと考えながらと扉を潜った。
残りのカプセルを順々に見つめ、ある一箇所へと歩み寄る。
その中で悪夢に魘されている人を、心配そうな顔で見つめた。]
………、嘘でも、死ぬ場面なんて見たく、ない……
[それだけ呟くと、カプセルから離れる。
オスカーとケイトを見つければ、近づきはしただろうけれど、なんと声をかければいいか分からずに黙ったまま。
後から入ってきたであろう、志乃とナユタが目に入れば……特にナユタの方に視線をやれば気まずそうな顔をして。]
――→実験室――
[廊下を歩きながら、リッキィの手は握ったまま。
扉の前に着くまで誰にも会わなかったから、その手はそのままに。
さすがに部屋に入る前は、恥ずかしくて手を離し、並んで入るのもなんだか気恥かしくて、数歩だけ先に中に入った。
彼女を抱きかかえて外に出ていたのは見られていたから、下手な誤魔化しでしかないのだが。]
オスカー。……なんだそいつ?
[部屋に入るとオスカーはケイトと何か話していただろうか、彼の傍らには小さな影がいて。
近寄ってじっと見つめる。怖がられただろうか。
彼はオスカーに少し似ていた。]
3年?
[夢での年月の事だろうか。
不思議そうに首を傾げたが、それ以上は問わなかった。
脚に抱き着いてくる可愛い子。
聞こえてくる金属音に、笑みを零した。
キィの頭を撫でながら、リッキィたちの姿を見つけて、
オスカーに言った言葉を繰り返せば、返ってきた声に
くすりと笑んだ。]
そう、ですね……
やはり、おはようの方があってるでしょうか?
[リッキィがナユタに向ける視線に気付いていたが、
知らないふりをした。あの時、ナユタが誰と戦っていたか。
良く覚えているから。]
お母さん、か……
[母のように思われている。
そのこと自体は嬉しい。だけど、母親と言うのが
どういうものかは、良く知らない。
一瞬だけ、寂しげに呟けば、すぐに微笑んだ。
キィを撫でる手は、優しく。
だけど、モニターの向こうを知れば、その手は止まった]
ん。おはよう、志乃。
[眠る前とはなるべく変わらない声で志乃に返す。
彼女の足元に抱きついている幼子をみつければ、視線を合わせようと膝を折り。
叶うのなら、その子の頭を撫でただろう。無言で。]
で。これは誰かの隠し子?
[淡々と、そう訊ねた。さて、こたえはなんと返って来るだろうか。]
[モニターにはなるべく視線をやらずに幼子へと注がれる。
それでも音は聞こえただろうか。ソフィアの声、チアキの声。
モニカの声、兄の声。
志乃が幼子の頭を撫でる手を止めても、画面だけは見ないように。
……見れない、が正しかったかもしれないけれど。
何かしら先ほどの問いの答えが返って来れば薄く、または何やら楽しそうに反応をしめしたかもしれない。
そして、ミナカタを視界に入れると。]
ねぇ。どこからが夢?私が眼に何かされたのは、現実?
[気になっていた事を、そのまま声にしただろう。]
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[背中に回した左手に、生々しい崩れた肉の感触。 伏したすぐ上を雷撃が通り抜け、 一瞬遅れて背筋に悪寒が走った。
口端から赤を零し、それでも笑うライジへと銃口を向けたまま。 たとえ手が震えていたとしても、 この距離なら外すことはない。
息を止め、引き金を引く。 一発。二発。三発。 鉛玉はしかし地面へとめり込んで。
無理な動きでその場を飛び退き弾を避けた体は、 倒れないのが不思議なくらいだった。]
(102) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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[暗い思考に落ちかけていたが、ミナカタが呟く声が
聞こえて、少しだけ無理やり笑った。]
ふふ、私がお母さんだったら、父様はおじい様?
[楽しそうに声を震わせたが、隠し子と聞こえて
瞳を瞬かせた。]
そういえば、……どうして、この姿に?
[隠し子云々については、とりあえず触れないでおいた。]
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[撃つ時に添えた左手で、 銃の持ち手は使い物にならなくなっていた。
どうせ残弾もなかったのだと捨て。 銃を持つためにつけていた手袋も捨てる。]
…逃げないで。
[足を踏み出す。今度はこちらから。 雷が放たれても最低限のものしか避けず。 まっすぐライジへと歩いていく。]
(103) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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ーー終わりに、しよう?
[手を胸に。]
(104) 2013/07/04(Thu) 20時半頃
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[ヤニクとリッキィ、志乃とナユタ。
人が増えて、実験室はにぎやかになる。]
俺のではないからな。
[リッキィの問いの第一候補は己だろうか。
心外だ、という顔をしながら
キィの代わりに、彼女の頭を撫でる。
そうすれば顔をあげてこちらを見ただろうか。
問われた質問には]
……それは、現実だ。
お前は部屋の前で意識を失ってたところを
カプセルの中に運ばれている。
夢なのは、それから先。
[その先の彼女の記憶は何だろう。]
……いうなよ。志乃。
[彼女の顔に苦い顔をする。
それでも嫌がる感情はない。
隠し子云々については自らはそれ以上は言わず。
キィについてはオスカーに説明を任せただろう。]
[ミナカタの苦い顔に、またくすりと声を震わせる。
嫌がっていない様子で、嬉しい。
"家族"――自分にとって、何より大事なもの。
兄や、妹、父。ここで共に過ごした仲間たちは、
血の繋がりはなくても、自分にとって"家族"だった。
ふと、視線でケイトを探す。ケイトは傍にいただろうか。
近くに居なければ、こっちにおいでと手招きをしただろう。]
……ケイトさん、
[どんな表情で、どんな想いで、
ケイトは、戦う彼らを見ていただろうか。
目覚めた自分たちを見ていただろうか。
自分より幾分か大きい彼女に手を伸ばして、
キィにしたように、その頭を優しく撫でた。]
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[銃弾の行く末には興味を示さず、 着地した位置から雷を放つ。 ソフィアに避けられれば、次を。 また避けられれば、さらに次を。
声を聞く。
―― 逃げる………? ―― 何から………?
―― 俺には「逃げる」なんて選択肢は無いのに。
三度目に呼んだ雷は、 ソフィアに届く前に消える。
力がまた尽きつつある。 咄嗟に薬を噛んで飲み込もうとするが、 咽返る血に阻まれて思うようにいかない。]
(105) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[ソフィアが近付いてくる。
彼女の手に捕まれば死ぬ。 俺は死ぬわけにはいかない。 足は痛みに震えるだけで思うように動かない。
―― 生きて 生きろ 生きなくては 生きる …
薬を諦め、 右手で自らの頭を掻き毟りながら、 身体に残るありったけの電撃を脳に叩き込む。 直接的な刺激を与えればきっとまだ戦える。]
(106) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[脳を部分的に壊し、 視神経を焼き切った電気が身体を貫く。
心臓が大きく脈打ち、 刺激に反応してか、能力がまた漲るのを感じる。
―― まだ、終わらない。生きて。戦って …
視力を失い死んだ目は もう何も見ていない。 血を吐くばかりで呼吸もままならない。
それでも俺は“戦場”に確かに立っていて、 小刻みに震える右手をがむしゃらに振るい 賑々しく夜空に稲妻を呼び雷鳴を響かせる。
見当違いな場所に振る雷は、 ただただ地面を焼くばかり。]
(107) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[――生きるんだ。どこまでも。
その意思は失われない。 失う事は許されない。許せない。
なのに。]
(108) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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[ソフィアに触れられ、
安堵したように、 短く息を吐いた。]
(109) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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−回想:>>95− ゴホッ、ゴホゴホ―――
[ぼたり、ぼたりと床に血を吐き落としていく。 チアキが振りほどこうとする腕を動かせば炭化した表皮が落ち―、それでもなお、掴み続ける。]
ゴホッ、死にたくないなら――ッごほ―
[咳にかき消される。]
(110) 2013/07/04(Thu) 21時頃
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―回想― [>>98 カチリと撃鉄を起こす音が聞こえた。]
[そうだ。これでいい――。 やっと会える。]
[軽い音が聞こえ、目の前が暗闇に包まれた。]
―――。
[誰かが見れば、そこには抑えきれなくなった熱で自身が焼かれ、頭撃ち抜かれたモニカが転がっていることだろう**]
(111) 2013/07/04(Thu) 21時半頃
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楽器職人 モニカは、メモをはがした。
2013/07/04(Thu) 21時半頃
[ 困ったように眉根を下げ――]
病気はわからない、かな。
[食べ物は鉄で良いと思うがその他の器官に関しては謎だった。
オスカーの情報をベースに身体が構築されているらしいのでそうした形のものはあるだろうが、機能があるかはわからない]
そこは少しずつ知っていくしかないんじゃないかな。
[手の出しようがないところなのでやや投げやり――]
―志乃の部屋→実験室―
[やわらかい水が、
体内に満たされているような余韻を味わいながら、
志乃と共に実験室にたどり着く。
まず視界に入ったのは
ケイトにミナカタ、ケイトは…ずっとここで
戦場を見守り続けていたのだろうか。
そしてオスカーと…オスカーに似た小さな子。]
オスカー…、目覚めたんだね。
[3年ぶりと返されて、首を傾げつつ、
キィだという少年を見る。
金属音の鳴き声は紛れもなくキィの音だったけれど…]
キィ…?この子が…?
[志乃に懐く、キィをまじまじと眺めた。]
リッキィはさっきぶりだね。
お疲れ様。
[ 柔らかな微笑みを浮かべてリッキィに労いの言葉を掛ける]
ヤニクは……ただいま。
[ 三年――いや六年ぶりに話すと酷く懐かしい感じがした]
そいつって……
[キィの方を見て、小声で聞かれたことに首を横に振った。
キィはじっと見つめられれば、じぃと見つめ返して……少しすると首をこてんと傾げた]
しーの。笑うな。
[くすりと震える空気を感じて。
その声は楽しそうですらあったけど。]
だから診察させろよ。
ああ、怖がるな痛いことはしない。
オスカー、兄ちゃんならそんな無責任なことは言うな。
[投げやりめいた事を言うオスカーを叱りつつ
動き回るキィを興味深そうな眼差しで見る。
それは医師としての好奇心だったが
同時にキィの身体を思ってのこと。]
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