278 冷たい校舎村8
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……このウサギ、なんか颯真に似てね? こっちの狼は辰美っぽい。 特徴よく捉えてんな。
[感想を言いながら、 そのまっすぐな廊下を歩いてゆく]
(109) 2020/06/22(Mon) 10時頃
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[そうして、廊下の奥にその姿を見つけた>>59]
葉野。 放っといてって言われても、 さすがにもうそのお願いは聞けねえや。
[昨夜の別れ際の言葉>>4:527を思い出し、 辰美に続けてそう話しかけただろう]**
(110) 2020/06/22(Mon) 10時頃
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CC レイは、メモを貼った。
2020/06/22(Mon) 10時頃
CC レイは、メモを貼った。
2020/06/22(Mon) 10時頃
[ 帰ってきてほしいと祈るべきなのか、
嘘つき! と言ってやりたいのか、
礼一郎にはもうよくわからなかったけど、
近くで待ちたいとは、確かに思った。]
──現在/病院前──
[ 夜の病院。
こちら品行方正な健康優良児。
まるで縁のない場所の前に立ち、
はあはあと肩で息をしている。
そういえば、何も言わずに家を出てきた。
礼一郎には家族に送ってもらう発想はなく、
別にそれは不仲だから、とかじゃない。
心配してるかな。
とごく当たり前に礼一郎は思い、
スマホで父親にメッセージを送った。]
[ 友人が危険な状態であること。
他の友人たちと病院に駆けつけること。
家を勝手に出てきてしまったこと。
このメールに気づいたら返事がほしいこと。
眠っていたはずの父だったから、
返事など来ないかと思っていたが、
案外間を置かずスマホが震えた。
そういう事情なら仕方がないが、
一言声をかけるべきだった。という指摘と、
迎えに行くから帰りは連絡するように。
入り混じる礼一郎と友人を案じる言葉。]
[ あー、気づいてたんだなって礼一郎は思う。
まあ、出がけにバタバタしていたし、
目が覚めたって不思議じゃないよな。
礼一郎は起こしちゃって悪いなと思い、
病院に入る前、もう一通返事を送る。
心配かけてごめん、ありがとう。
また連絡します。みたいなね。
そういうふつうのやり取りをする。
ふつうに、やり取りが成立する。]
[ 礼一郎は、ふつうにそこそこ両親が好きだ。
ちょっと口うるさかったりもするけど、
つきとおせない嘘ついてんじゃねえよって、
呆れ果てちゃったこともあるけれど、
でも、礼一郎のことを息子として大切にしてくれる。
塾から遅く帰っても温かい食事を出してくれたり、
おまえは父さんより賢いからなあ、
できるだけ良い大学に行けよって、
自分のことみたいに嬉しそうにする人たちが、
礼一郎はふつうに家族として好きだよ。
何やってんの、って呆れ果てても、
家族に対して、いなくなれなんて思わない。]
[ とにかく、そんな連絡を終えて、
いざ病院に入ろうかってときに、
礼一郎はふとそこに立つ人影に気づく。
……気づくのが遅れたのが不思議なくらい、
鮮やかな、存在を主張するような白をまとって。
福住だ。そういえばさっきメールが来てた。
4回目のチャイムのときまではいたはずで、
じゃあ、同じタイミングだったのかなって思う。]
[ 礼一郎は軽く手を振って、ちょっとだけ遠慮がちに、
こんばんは、という感じに何歩か近寄った。]
……葉野、だったんだな。
[ はじめてその名前を声に出したとき、
礼一郎はなんだか無性に悲しくなる。
話が違うじゃん。とも思うし、
なんで? って疑問も渦巻いている。
あんまり悲しいので、
はあって大きく息を吐いてから、
いまだに潜れずにいる入り口を見てた。]
死にたかったとか、全然ないって、
……言ってたんだけどなあ、葉野、あいつ。
[ 礼一郎はじっと入り口の方を見てる。
なにかの間違いでもいいから、
今すぐ葉野が元気に歩いて出てこないかなって、
現実に起こり得ないことを考えたりもする。]
[ それから、やっぱりあの世界で人形になるのは、
帰ってくる、と同義だったんだなって思って、]
……福住もさ、人形になったんだろ。
大丈夫だった? その……痛いとか怖いとか。
[ 福住の人形を礼一郎は見ていないけれど、
友人のああいう姿、見るたびに思ってて、
深い理由もなく、心配げに聞いてしまう。
ぶるりと身震いをした。ここは寒いな。
病院の中に入らなくては。入って……、
入ったって、待つしかないんだなって思う。
帰ってきてほしい。また会いたいなって、
礼一郎はやっぱり当たり前にそう思っている。**]
―― 現在:病院前 ――
[ 車から降りたら途端に冷気が襲ってきた。
雪は降っていなくても、寒いものは寒い。
温かいものを買おうと自動販売機を眺めていた。
飲む用とカイロ用。今日も買うのは2本。
がこん、と音を立てて落ちてきた飲み物を、
取り出して顔を上げた誠香の視界に、
意外な、とても意外な人物の姿が飛び込んできて
誠香はぱちぱちと目を瞬いた ]
え? あれ?
[ 手を振る姿に釣られたように、
ジャスミンティーのペットボトルを持った手を上げて、
それでも誠香はまだぽかんとした顔をしていた ]
阿東、帰ってたんだ?
[ マネキンと代わったクラスメイト達に、
きっと会えると思っていた。
けれど誠香の記憶している限り、
阿東は校舎にまだいたはずだ。
もしかして同じタイミングだったのかな、と誠香は思う ]
……うん。
[ 葉野、と阿東が名前を口にした。
わかってはいたけれど、
自分以外の人がその名前を口にすると、
改めてその事実がのしかかってくるようだ ]
[ 死にたかったとか、全然ない。
紫織が言っていたという言葉を考える。
あの校舎での本心だったのか、
それとも嘘をついていたのか、誠香にはわからない。
わからないけれども ]
すごーく今更の話なんだけどさ。
昨日の夜、あ、校舎の話な、保健室で寝る前に、
しおちゃんと話してて。
元の世界に帰ったら、千夏ちゃんに
みんなでメイクを教えてもらおうって話、
してたんだけど。
その時、しおちゃん言ったんだ。
「いいなぁ」って。
……今思えば、なんかその返事って、他人事っぽい。
その場に、しおちゃんはいないみたいだ。
……ほんと、今更だけど。
[ じっと入口の方を見ている阿東をちらりと見て、
また誠香はペットボトルに視線を戻した ]
……う。うん。なった、んだろうな。
なった記憶はないけど。
[ 人形になった。
誠香にその記憶はないけれど、
意識が途切れた後に、きっと代わったのだろう。
あまり考えたくないけど ]
怖い……はあった。痛い……はそれほどでも。
でも、それよりなにより……恥ずかしかった。
[ あれは誠香の悩みで、恥だ。
恥の具現化に襲われたようなものだ。
考えただけで恥ずかしい。
あれが見られたとか、消えたくなる。
頭を抱えてうわーっとか叫びたくなる。やらないけど ]
阿東は?
[ ぶるりと身震いをする姿に、
あまり引き留めてはいけない気がしたのに、
聞かずにはいられなかった。
真夜中の病院前は、なんだかまだ非日常にいるように
錯覚する。
寒そうに立っている阿東は、当たり前だけど
年相応の男子高校生の姿をしていて、
勝手に苦手意識を抱いていたというのに、
どういうわけか兄に似ているようには見えなかった** ]
──現在・病院内──
うん、私も見たよ。変な夢
閉じ込められて、最後には……
[ 手首を摩るのを見れば、心乃は自らの胸元を撫でる。
……痛くも痒くもない、なあ。 ]
[ もしも、もしもだよ。
あの夢がこっちとリンクしてるなら。 ]
あの世界で、死んじゃえばさ、
こっちに帰って来れるってことなのかな
……だったら、向こうに戻って、
[ 戻って、しおりちゃん、のこと。
──と、言いかけて、口噤む。
もう、なにかを与えられると思っていない。
そもそも、向こうに戻れるかすら怪しい。
物騒なお話はやめにしたいと思うのに、
無機質な白い光が照らす中では、
心はざわついたままだった。** ]
──現在/病院前──
ああ。
愛宮と綿津見が帰って──、
たぶん、そのあとかな。
最後に時計見たの、8時50分前だったし。
……タイミング的に、
福住もそうだったのかなって。
[ 物わかりのいい子の顔して、
礼一郎は投げられた問いにうなずく。
あのとき、順番が来たのだと思って、
それは今も感覚として変わらない。
残れなかったなあ。残してきちゃった。
そういう気持ちがないわけではないが、
どこか、仕方ないような気もして。]
……いいなぁ、か。
気づいてたのかな、あいつ。
自分が死にかけてるって。
気付いてんならさ、
教えてほしかったな。
……こっちのわがままだけどさ。
[ 礼一郎にだって、
そいつの何が嘘で本当かなんて、
察しようもないから、寂しいなって。
ぼんやりと口にしてから、
ふと、福住のほうに視線を向けた。]
今さら、つったってさ、
そのとき気づけなくたって、
そんなの仕方ねえよ、だから、
……あんま気に病むなよな。
俺なんか、ソーマにまでさ、
葉野は違うらしいぞーとか言っちゃった。
[ 礼一郎はちょっと後悔している。
あれもまた、無責任な発言だったね。
今からでも訂正できないかなって、
念じてみたって届かないし、
ここからできるのなんて祈るくらいだ。]
……恥ずかしい、か。
なんかさ、みんなの人形、
痛そうだし、怖かったじゃん。
そうじゃないといいなって、
……思ってたんだけど、
恥ずかしいのもいやだな。
[ 想像してみる。相当いやだな。
いやだけど、無事戻って来れたのはせめての救い?
避けられてんのかなあとか思ってたのが嘘みたいに、
礼一郎の口からはすらすらと言葉が出てくる。]
……どうなったか知らねえし、
別に、聞きだすつもりもないけど。
大変だったなあ、お疲れ様。
そんな思いしたならなおさら、
ちゃんと帰ってこれてよかったわ。
[ しみじみというけど、
礼一郎の言葉はちょっと他人事みたいだな。]
[ でも事実、礼一郎の幕引きはあんなだったし、
同じように聞き返されて、うーんとうなる。
なんていうかなあ、首をかしげて苦笑した。]
俺は……なんだろ。
思ったよりあっけなかったわ。
[ あっけなかったし、とっくに知ってた。
わかりきってて見ないふりしてんのに、
目の前に突き付けられてるようで、]
ま、いい気分にはならなかったけど。
[ そんな感じですかねって笑って、
まあ、細かい話は先約があるからさ、
先に伝えなきゃいけないやつがいまして。
また視線を入り口の方に戻して、
言葉だけを福住に向かって投げていた。]
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[ 2人の後に続いて保健室を出て上階を目指す。 7階の踊り場で一度立ち止まった幸俊>>101に、 8階があると告げられた。
7階の状態を思えば、 8階はいったいどうなってしまっているのかと 少し不安になりもするけど。
当然、引き返す気などないので、 目配せに応じて頷き、8階へと上って行った。]
(111) 2020/06/22(Mon) 16時半頃
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――8階――
[ 少し身構えつつ、8階にたどり着いて。 目にしたのは、一直線に伸びる廊下、 探している彼女の名を表すような、紫色のインク。
そして。 窓の外で上映されている自分たちのクラスの劇と、 壁にかけられたCG作品>>56だった。]
おおー……
[ 思わずそう声を漏らし、上映されている劇やCG作品に目を向ける。 こんな時でなければ、もっとゆっくり見ていたかった。 特にCG作品は、よく見れば、知ってる友人たちを彷彿とさせるもので。]
(112) 2020/06/22(Mon) 16時半頃
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な。俺ちょー可愛く描かれてて嬉しい。 怜ちゃんは……この豹かな?たぶん。
[ 怜>>109につられるように、感想を零す。 どれも、素晴らしい作品だとは思ったけど。
ただ、一つ、一匹、足りないような気がした。 例えば、紫色の動物、とか。]
(113) 2020/06/22(Mon) 16時半頃
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