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![]() | 【人】 友愛組合 チアキ
(107) 2013/05/17(Fri) 19時半頃 |
─ 仲睦まじい兄弟の家 ─
[こんなにもゆっくりと眠ったのは、いつぐらい振りだろう。
漸く目を覚ましたのは、傍らにあった温もりが、動き始めるのを感じたから。
それがなければ、下手をしたら陽が西に傾くまで、微睡み続けていたかもしれない。
サミュエルでもあるまいし。]
……、ふぁ……。
[身支度を整えて庭に出ると、伸びをする。
ついでに、大きな欠伸が出た。]
ん……たしかに……。
[腕を回しながらしみじみ呟く弟に、同意しつつもつい苦笑してしまうのには、あれそれと理由があるわけで。]
― キリシマが訪れた頃 我が家の寝室 ―
[戸口から聞こえたノックには気付いたものの。
「やあ。先生。いらっしゃい」などと出迎える事も
「今日は天気が悪い。休もう」などと逃げる事も
もちろん、駆け寄って歩行を支える事も出来ない。
無力な霊体として、
砕けた黒石と成った実態を見つけてくれた
師の姿を見つめる。]
先生。 先生、 …… 。
[彼の言葉を聞き、その背を見つめて声をかける。
届くはずのない声を。]
[顔が歪む。膝をついて泣きたくなる。
「お前はずっと私の弟子だ。」
その言葉に、胸がギシギシと軋んで痛い。
師が誇れる弟子にはなれなかった。最後まで。
せめて泣かずにその場に強く立ち。
向き直り去りゆく師に向けて両腕を広げた。
朧な霊体となった体では
抱き締める事は叶わないが。
彼がこの身を通過する一瞬、
ありがとう先生 ありがとう、と心の中で呟いた。*]
![]() | 【人】 流浪者 ペラジー ごめん、なさ……っ、!! (109) 2013/05/17(Fri) 19時半頃 |
メモを貼った。
[悪戯が失敗して二人が戯れているところへと、
ゆっくりとした速度で到着。]
……お元気そうでなによりです。
[最後に見た二人の様子とは打って変わって、
どちらも健常そのものだ。
それはこちらにも当てはまるが、それはさておく。]
……はい。ついてきちゃいました。
[向けられた言葉を
これが逆の形であったなら、
悔いても悔やみ切れなかったのだろうが。]
これから……どうしようねぇ?
[もう、魔物と対峙することもない。
病に罹ることもない。
一度目の死の時は、とにかく早く戻ることばかりを考えていたのだけれど、戻る必要がないとなれば、さてどうしたものか。]
まぁ、ゆっくり考え……
[ぼんやりと向けた視線の先に、サミュエルと、ドリベルが見えた。
あぁ、彼らも自分達と同じ姿になっているのだなと、すぐに分かった。
緩く手を挙げ、呼ぼうとしたが……]
…………。
[ドリベルが、人差し指を唇に当てていることに気付いたので、何も見ていないふりをした。]
メモを貼った。
メモを貼った。
…………。
[サミュエルは、順調にケヴィンの背後に近付いていた。
一方こちらはといえば、何も見ぬふり知らぬふりで、ゆっくりと、柔軟など行っている。
時折、ドリベルの方をちらりと見ては、笑いそうになるのを堪えて。
そして………]
……… うん。
鍛えて、地獄の鬼でも狩りに行こうか。
[先生は、先生ひとりだけ。
しかしケヴィンの明るく力強い声に励まされる。
傍に居ると、姿を見ていると、
不思議と気分が前向きになる不思議な兄弟だと
ずっと感じていた。それは、死して尚変わらない。
新たな師匠を何と呼ぼうか。
そんな事を考えながら、少しだけ笑って肯いた。]
お二人も。
仲良さそうで何よりだよ。
……ッ、ぶっ……!!
[ケヴィンが気配に気が付くか。
サミュエルがまんまと出し抜くか。
さてどちらかと思ったら、まさかの相打ち状態だった。]
……ッっ!
[おかしくて、噴き出して。
屈み込んだ。]
……っ、はは……っ。
ごめ……ッ!
[弟の視線がこちらへ向けば
うん、でも、サミュエルもドリベルも、元気そうでなにより……
……元気っていうのは、違うか。
[けれど、じゃれ合うケヴィンとサミュエルの様子は、やはり「元気」という言葉がよく似合う気がした。]
![]() | 【人】 心意六合拳 攻芸[だから男は怠惰だったのだ。 (113) 2013/05/17(Fri) 20時頃 |
そうか、ふたりは”共鳴”で……
[だとしたら、はじめに発症したのは、自分と同じく副作用のあらわれなかったドリベルの方かとも思ったが、どうも違うようで、緩く首を傾げた。
今となっては、どちらでも変わりはないかもしれないので、敢えて聞くことがしなかったが。]
ん、なに?
[弟の視線が、一瞬だけこちらへ向いた気がして、小さく笑みを浮かべ、問いかけた。]
…………。
[おそらく、ドリベルとサミュエルへ向ける視線には、どことなく、羨ましげなものが滲んでいたかもしれない。
置いて逝くことも、置いて逝かれることもなかったが。
もし、弟が、魔物に襲われてなかったならば。
はたして”共鳴”したろうか。
ひどく身勝手とは知りつつ、そうであって欲しいと思わずにいられない。]
ホレさんも、元気そうだね。
[柔和で穏やかな様子も生前とは違わず。
朗らかに笑う声に、微かな笑みを返した。
ケヴィンと遊んだ後。
ホレーショーへも歩み寄り、
握手をしようと、手を差し伸べる。]
また会えて嬉しい。
………… けど、ちょっと悲しい。
[彼らへの挨拶の後に続いたのは、
ほろりと漏れた、本音だった。]
![]() | 【人】 友愛組合 チアキ ……そうだな、きっと美味しいよ (116) 2013/05/17(Fri) 20時頃 |
ん、元気。
久し振り……
[差し伸べられた、サミュエルの手を取ろうとして]
……でも、ないか。
[少し言い直してから、強く握る。]
私も、会えて嬉しいよ。
………… うん。
[けれど、続いた言葉の理由は、自分でもよく分かった。]
メモを貼った。
ああ、行ける行ける。
目指せ10人斬り。ファイト。
[サミュエルの返事に、愉快そうに笑う。
少しだけでも、笑みを見せてくれたのが嬉しい。]
……ま、この歳になれば、
ケンカするネタもあまりないしな。
[こっちも相変わらずだな、と笑って。]
………?
[兄の、ドリベルとサミュエルに向ける視線がどこか羨ましげに見える気がしたが、その胸中はわからない。
しかし、もしもその疑問を聞いたならば、
『何をいまさら』と呆れてしまうだろう。
あんなことまでしておいて、と。
予防薬で防がれたかもしれないが、もし予防していなければ、確認するまでもなく共鳴していたに違いないのだ。
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