278 冷たい校舎村8
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[なんでもないから、と連城颯真が言う。 笑おうとして変な表情を浮かべる>>110 どうみてもいつもの「彼」ではない。
何か変なものでも見た。 ――違う。 隠し事がある。 ――合ってそうだけど、なんか違う。
颯真にしてはビビりすぎ。いやあいつはビビりだけど。 ………………誰だ、こいつ?
違和感を言い表せず、辰美はふと疑問を口にする。]
(128) 2020/06/20(Sat) 12時半頃
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んん……だいじょうぶそうに見えねえけど。 …………
お前さ、文化祭の時 2-5のクラスにいた?
[人酔いして空き教室に閉じこもっていた誰かは 今の連城颯真に似ていると思った。**]
(129) 2020/06/20(Sat) 12時半頃
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[ そこが1階と同じつくりであるということは、 さっき、廊下を駆け抜けながらも理解していた。]
(130) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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──現在──
[ 上と下から、 赤色と黄緑色に挟まれたような廊下を歩く。 ……視界にちらつく色がうるさくて、 なんだか気分が悪くなりそう。
……さっき、階段の踊り場で見たのは、 こんな色だっただろうか。と、 礼一郎は床の黄緑を眺めて思った。>>2:6
こんなの、掃除終わらないだろ。 礼一郎には奉仕活動なんて、 ある休日の午後を費やすくらいでよかった。]
(131) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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[ 1階が増えた。 上の階も増えていた。
それは何を表しているんだろうな。 まき散らされた色とりどりのインクも。
礼一郎はワックスがけされたあとの、 ぴかぴかの廊下のほうが好きなんだから、 そこんとこ、世界の主と気が合いそうにない。
……深層心理がどうとか言い出しちゃ、 もう礼一郎の手に負えないから考えない。]
(132) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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[ 単純に、この世界のあれもこれも、 礼一郎の感性とは重なりそうもない。]
(133) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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[ 体育館、この階にもあった。 人形はなくって、液体だけ。>>2:211
そこから、布を引っ張り出してくる。 ……こういう場合には便利だなって、 礼一郎は現実感なく考えるけど、
もう、さっきつくられた階層じゃ、 備品のひとつも使い物にならないなんて、 知ったら、いよいよ意味がわからないな。]
(134) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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[ 意味や目的なんてそもそもあるのかな。 という根本的な疑問は、いつも芽生えない。]
(135) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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──現在/B1家庭科室──
[ かぶせるようにって、 大きな布を抱えて礼一郎は戻った。
開いた扉、その先に、 さっきまではなかった人影がある。 赤く染まった手をだらりと垂らして、 そこにひとりたたずんでいる。]
……葉野?
[ 覇気のない声で問いかけた。 立ち尽くしている様子の彼女に、 少し遅れて、「大丈夫か」と言った。]
(136) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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……その、愛宮、だよな。 七星とかイクトのときみたいに、 布だけでも持ってきたんだけど──、
[ その前にもうひとつ問題があるんだったな。]
……それ、一本は、 俺、抜いたんだけどさ、
[ 礼一郎は迷いを含んだ声で言って、 少し、その人形に近づく。 ……それで、葉野と横並びになる。]
(137) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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痛そうで、見てらんなくて、 抜いちゃったんだけどさ、
そのままにしておいたほうが、 ……もしかすると、よかったのかな。
[ 葉野の横顔をちらりと見た。 それから、ふたたび視線を戻す。 戻しても、そこにあるのは、 およそ愛宮らしからぬとしか思えない光景である。]
(138) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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……みんな、ほんとは死にたくて、 この世界つくったやつだけじゃなくて。 だからこんなふうになるんじゃないかって。
言われたんだけどさ、葉野は、 ……葉野も、死にたかった?
(139) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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[ 礼一郎はやっぱり、 そんなのあんまりだと思うので、
世界の主がちょっと不器用なだけ。 だと思いたい。思っていたいんだけどさ。
どうですかね。そこんとこ。 クラスメートの女子。友人。 文化祭に一緒に取り組んだ仲間。 礼一郎の友人に迷惑をかけて、 そのあと、また別の友人には迷惑をかけられてた。
……そのくらいの距離感から、 距離感にふさわしくない質問を投げますが、 どうですかねって、箒を見下ろしたまんま。*]
(140) 2020/06/20(Sat) 13時頃
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[犯人は現場に戻ってくる。 ……とも言いますので、背後からの気配は実に犯人的でした。>>136 一瞬だけ肩をぴくりとさせて、そんなわけないかーと安堵して振り返る。 そこにいた委員長は、大きな布のようなものを抱えていた。]
……あ、そっかそっか。 被せてあげるのね。
[聞けば、マネキンの傍に転がる箒は委員長が抜いたらしい。 それの是非は、わたしには分からない。 刺さったままでも痛々しいけど、抜いて出てくる血もまた痛々しい。]
どうだろ……でも、抜いてあげたいよね。
[いずれにせよ布を被せるつもりなら、抜いたほうがいいか。 もう1本の箒に手を伸ばす。]
(141) 2020/06/20(Sat) 15時半頃
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みんな本当は死にたい、かぁ……。
[じっと考える。 千夏ちゃんも、それを望んでいるらしい仄めかしをしていた。 痛々しい姿になった心乃ちゃんも、喜多仲くんも、 それと同じぐらい心の痛みを抱えていたのだとしても、おかしくない。]
けど、例えそうだったとしても、 みんな死なせて、同じような苦しみを味わわせて、 スッキリして、じゃあ生き返ろーって、 ……人騒がせだよね。
[人騒がせ。わたしが言っちゃいけませんって? そっかー……。]
(142) 2020/06/20(Sat) 15時半頃
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わたし、別に死にたかったとか、全然無いし。 だからきっと、違うと思う。
[ごめんね、人騒がせな呑気者で。 後ろめたさなんて無くて。
もう1本の箒が抜けたなら、 そこからどろっと血が溢れ出てくるので、 少し後ずさってしまった。]
(143) 2020/06/20(Sat) 15時半頃
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[別に、死にたかったわけじゃあないです。]
(144) 2020/06/20(Sat) 15時半頃
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[死ななきゃいけないな、って思っただけ。**]
(145) 2020/06/20(Sat) 15時半頃
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――現在:廊下――
[ 小首を傾げられた>>127。
うん、そうだよね、明らかに様子おかしい、もんね、僕。 こんな変な奴の相手しなくていいから、 手、放してくれないかな、って、 困るような、居たたまれないような気持ちだった]
(146) 2020/06/20(Sat) 16時半頃
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え……?
[ 文化祭の時のことを口に出されて>>129、 驚きつつ彼の顔を見る。
覚えていてくれたんだ、と思った。 いや、文化祭からそこまで日が経っているわけではないから、別におかしいことではないのかもしれないけど。
なんだか、僕、を見ていてくれるような気がして。 上手く説明できないけど、ほんの少し、嬉しいような、期待、するような。 そんな気持ちになってしまって。 少し迷いながらも、否定、できなかった。]
(147) 2020/06/20(Sat) 16時半頃
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……うん、いた、よ。
[ 肯定して、小さく頷く。
でも、確かあの時は。颯真に似ているけど、別人、だと思われた、のではなかったか。 それなら……連城颯真の、双子の兄とか、弟とかの振りでもした方がいいのか、と頭に過る。 それはそれで、いつこの校舎に来たんだとか、色々おかしいと思われるかもしれないけど。 もしかしたら、この場は乗り切れるかもしれない。
しかし、それは、僕が連城颯真ではないと否定することになってしまう。 それは、ちょっと、嫌だった。]
(148) 2020/06/20(Sat) 16時半頃
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僕、は……
[ でも、何かしらの言い訳をしなければ、と思って、 口を開いて、少し迷って、]
……君の知ってる、友達の、連城颯真じゃ、ない、よ。 だから……心配とかは、しなくていいし、 放っておいてくれて、いい。
[ 俯いて、呟くようにそう告げる。 もう、“俺”の振りが出来るとは思えなかったし、 嘘も出来るだけ吐きたくなかったから*]
(149) 2020/06/20(Sat) 16時半頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2020/06/20(Sat) 16時半頃
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――現在/1階廊下――
[じっ、と、辰美幸俊は驚いた様子の連城を見ている。
あの日は確かに似た別人だと思った。>>148 だからその時辰美が目の前の彼と、 あの日の誰かを結びつけたのは 声や口調の類似による閃き、それでしかなかった。
たどたどしく、小さい肯定を聞き、 あの日空き教室にいた人の正体を知っても 辰美の手は、連城の手を放していなかった。>>146
どうしても振り払われれば別だが、 離せばどこかに行ってしまうような気がして 離せなかった。]
(150) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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……
[放っておいてくれていい。>>149 そう聞いて口癖のように「あ?」と言いかけて、 開いた口を閉じる。 それから穏やかにこう問うた。]
でも、お前も連城颯真だろ。
俺にはそう見えるけど、違う? 心配するし、放っておけねえよ。
(151) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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[友達の連城颯真じゃない、と彼は言う。
悪霊?双子?罪悪感?精神の病気? ――――……二重人格?
辰美の家での様子を誰も知らないように、 辰美もまた、クラスメイトの一側面しか知らないから 連城の言うことがどういうことなのか すぐに理解は及ばなかった。
けれども、繋いだ手の先にいるのは、 確かに連城颯真だ。]
(152) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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……なあ。 俺は辰美。辰美幸俊。 メーワクとか思わないから。 お前の事、聞かせてくれねーか
[辰美は連城を見つめながら、穏やかに問いかけた。*]
(153) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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──現在/B1家庭科室──
そ。
……やっぱ、そのままってのもな。 痛々しいし、やっぱ正直見んのキツイし。
[ おっしゃるとおりと肯定を返した。>>141
やだなあ、犯人的だなんて。 礼一郎にはそんなつもりも、 ……そんなふうに見えてたつもりも、 まったくなかったもんだから、 ふつうに背後をとったんだよね。
クラスメートを殺す? ないない、そんなことあるはずがない。]
(154) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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[ 抜いてあげたいよねって葉野は言って、 もう一本の箒に手をかけた。>>141]
うん、こんなの、 愛宮に似合わねえし。
[ 礼一郎はめいっぱいの同意を込めて、 ひとつうなずきを返した。
おさえておこうか。と礼一郎はしゃがんで、 人形の背中、箒の根本あたりに手を置いた。]
(155) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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[ みんな本当は死にたい説。 ……支持者はどのくらい集まるんだろうか。
考え込む様子を礼一郎は見上げていた。>>142 支持とも非支持ともとりがたい言葉が、 葉野の口からこぼれ出てくる。人騒がせ。まあね。]
……ま、確かに。 人騒がせなのは間違いねえよな。
こうなるとき、痛かったりすんのかな。 痛くなくても、怖そうだよなあ。
[ 見てきたいくつかの人形、 どれも痛々しかった、と礼一郎は思う。 友人が死んだようで胸が苦しかったです。でも、]
(156) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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……でも、 それでメール送ったやつがスッキリして、 じゃあ生き返ろーって思えるんなら、 それなら、アリかなって気もしねえ?
人の迷惑もちょっとは考えろよって、 そりゃ少しは思うかもしんないけどさ。
[ ……人騒がせなのはたいがい事実だと思うし、 葉野が言ったっていいんじゃないかな。>>142]
(157) 2020/06/20(Sat) 17時頃
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