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[ 手元の缶は、いつかの飲み物と違って、熱すぎるほど。 ]
【人】 大太刀源流 タツミ
(138) 2020/06/22(Mon) 21時半頃 |
メモを貼った。
*
[ あたしは立ちっぱなしでマフラーに埋もれている。
病院の入り口から足音がしているから、多分、
帰ってきた人が段々増えてきているんだ。
あたしみたいに。
夢のなっちゃんは落ちて、砕けて、"死んでいた"。
現実のなっちゃんはここで祈っている。
夢から覚めたみんなは、きっと、
そのひとの色をうつすマネキンと、
入れ違いになるんだろうな、って、
あたしは ぼんやり考えていた。 ]
【人】 大太刀源流 タツミ[重く息を吐いて笑うのをやめる。] (139) 2020/06/22(Mon) 21時半頃 |
[ 帰ったときのこと、実を言うと覚えていない。
あたしの夢を見ていた"あたし"と出会って、
夢が終わるのを自覚すればあっという間だ。 ]
[ もういられないのなら、
息苦しい現実に帰ろう、ただそれだけだよ。
あたしに何かがあるとするならば。 ]
[ マネキンだって、傷ひとつついてないのだろうって、
よく分からないけど、確信がある。
"人波"に紛れて蒸発してないかとまで思うけれど、
どうかなあ。多分無理かなあ。
まあ、なんでも、
残る人が怖くならないものだといいや。
それだけならだいじょぶ。きっとね。 ]
[ そこそこ整えてあるあたしの爪が、
缶のプルタブを引っ掻いている。 ]*
-- 現在/駐輪場 --
[ 探し物はなんでしょう。
毎日のように乗っていた自転車の鍵。
修学旅行で買ったキーホルダーがついたやつ。
どこにあるのかなあって、愛車をみるけど、
鍵穴には鍵はさされてなくて。
結局さっき鍵しめたんだっけ、と曖昧な記憶を探る。
……うーん。わかんない。 ]
落ちてるのかな。
[ どうかなあ、と千夏はため息をついて、
スマホの明かりを頼りに地面を照らす。
びゅうと風が吹いて寒さに震える。
こういうときに、あったかいカイロは心強い。* ]
メモを貼った。
── 現在:病院内 ──
[ 最後には。
自分から聞く気にはなれそうになかった。
恐らく、夏美が一番初めに目覚めたことや
自分がその次辺りに目覚めたことを考えれば
目覚める条件というものは分かりやすい。
たぶんみんな死んで帰ってきた。のかな。
みんなあーちゃんに殺された、
……ってことはないだろうけれど。
落ち着かない指先が組み合えば、
無機質な光に当たり前に影を落として
なんてことなくそれを眺めている。 ]
[ ただひたすらに、ここが現実。
っていう事実だけを見続けてる。 ]
向こうに戻って……って、
どーやってすんの…?
[ 声が震える。
なにかを与えられるとは思ってない。
でも手を伸ばして届くならと思ってしまう。
あの時伸ばして届くことのなかった手が
もし、友達に、届く可能性がまだあるなら。 ]
眠ればいい?
……死にかければいい?
どーやったら、ちゃんと、また、
紫織さんに会えんのかなぁ。
あの世界に戻れんのかなぁ。
[ 静かな病院が憎い。
馬鹿みたいな音量でロックでもかけてほしい。
へたくそなギターでいい。全然かまわない。 ]
フツーに。マジびびったけどさ、
分かってたら逃げねーから…。
間に合わない?かな?
説明なしとかずりーし!
もー一回チャンスくれてもいいじゃん?
[ 組む手の先が冷たい。死んでるみたいだった。
いっそこのまま死にかけたら、
都合が良いのかもしれない。 ]
紫織さんを殺すのだって
分かってたらおれ、やったよ。
それでこっち戻ってくれるっていうなら
別にいーよ…マジで。
[ 口を噤んだその先を続けた。
本当に。この現実に比べてしまえば本当に。
夢の世界で友達を殺す方がマシだ。
断言する声はやけに平坦になる。 ]
[ どうやったらあの世界に戻れるのか。
友達が死ぬのを防ぐとこが出来るのか。
ぐるぐると、永遠に同じことを考える。
だれかおれから正気を奪ってほしい。
って、郁斗は切実に思う。
言ってることはすでに支離滅裂でも。 ]
……おれさあ、何も出来なかった。
[ とめどなく流れ落ちた言葉は
それを最後に一旦止まる。
せっかく自分を呼んでくれた友達に
喜多仲郁斗は手を伸ばせなかった。 ]*
メモを貼った。
―― 現在:病院前 ――
僕は油断しきってたな……。
[ ヒヤヒヤしていたという阿東はやはり委員長だと思う。
誠香はというと、寝起きですっかり油断していた。
油断していなかったら、入った教室の扉は、
閉めなかったと思う。
それで回避できたかというと甚だ疑問だけれども ]
そうだよなあ。
人はどんどん減ってくのに、
校舎はどんどん増築してたし。
あれからまた増えたのかな。
[ 寂しそう、という感想に同意した。
残っているのは紫織意外だと怜と辰美と連城。
冗談で思い浮かべた逆ハーレム、
ほんとに実現しちゃったよ、なんて誠香は思う。
男子3人に囲まれて説得される紫織。
いじめてるように見えないか少し絵面が心配ですね ]
褒めてんのに。
[ 笑ってしまったら、なんだか阿東は不本意そうだった。
委員長はこんな時でも委員長なんだなあ、と
感心と安心とちょっとおかしかったのと。
茶化したつもりはなかったので
素直に褒め言葉と受け取ってほしい ]
クラスメイトのこと、いちいち嘘ついてるんじゃないか
なんて疑うやつの方がやだよ。
仕方ないって。
……そもそも、無自覚だったんなら、
しおちゃんだって嘘ついたつもりなんて
なかったのかもしれないし。
[ 紫織が嘘をつく癖があることを
誠香はよくわかっていない。
なにしろいまだに辰美と紫織が付き合っていたと
信じているくらいですので ]
[ 連城の名前がでて、ああ、と誠香は頷いた ]
僕も連城とそういう話したよ。
その時に、あー、連城は違うなーって思った。
[ 夏美に似たマネキンの前で、確かそんな話をした。
遠い昔みたいに感じる。
確かあの時、辰美が夏美にかける布を
取りに行ってくれて……なんて思い返していたところ、
突然怜の名前が出てきて、
ちょっと不意打ちを食らってしまう ]
あー、氷室ともそういう話したんだよ。
お互い、あんな殊勝な遺書は書かないな、で
意見が一致してさ。
仲はいいよ。今絶賛喧嘩中だけどな!
[ 無駄に胸を張っておいた ]
[ 胸を張ってはみたものの、
きっと心配したと言われてしまっては、
ちょっとしおしおとしてしまう。
正論だ。ドのつく正論だ。
誠香だって見つけるたびに心配したし落ち込んだ ]
……そうだよなあ。
あっちにいる間は、マネキンに代わったらどうなるか、
誰もわからなかったんだし。
帰れるっていうのも希望的観測だったし。
心配、させたよな。きっと。
[ 先に帰られたら「抜け駆けした」って
苦情を言ってもいい。
辰美とそんな約束もしたんだった。
ジュース賭けようって言わなくてよかった ]
うん。そーする。
[ 気にしすぎない。
できるかどうかはわからないけど、努力はします ]
[ 食い気味で念を押したのは念のためです。
少しくすぐったそうな顔に見える阿東に、
してたよ、と誠香は言葉を重ねた ]
そりゃびびるよ。わけわかんなかったし。
でも、寝る場所の段取りとかさ、
ごはんをここのんが作ってくれたりさ、
なんとなくまとまりみたいなのが出たのって、
阿東とここのんがいてくれたからだと思うし。
やりたくてやったことでも、
やってもらった方はお礼を言うもんなの!
助かった!
……あと、実をいうと
今までちょっとだけ阿東のこと苦手だった。ごめん!
[ どさくさで謝りました。
あの校舎で最後に謝りまくったので、
ちょっとハードルが下がっていたのかもしれません ]
[ でもやっぱり少し、決まりが悪かったので ]
辰美が頼りになりそう。
連城は情に訴えるかなあ。
氷室は……なんかちょっと心配。
[ 阿東と目を合わさずにそんな予想をしつつ、
病院に足を踏み入れ……ようとして。
ふと、振り返った。
まだ、帰ってこないのかな。
頭をよぎったのはそんなこと ]
阿東、先行ってていいよ。
僕、少しだけここで待ってる。
[ あの校舎で3日目の朝を迎えたのに、
こちらでは大した時間はたっていなかったようだった。
それなら、4人がもうすぐ帰ってきたり
しないだろうか。
そんなことを思ったので* ]
メモを貼った。
【人】 大太刀源流 タツミ[氷室から逃れた葉野が、嘘をつく才能について零す。 (151) 2020/06/22(Mon) 23時頃 |
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