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[幼馴染も、兵隊を吹き飛ばした龍を、多少は警戒していたらしく、
きっと、閃光
けれども、そこで、龍は動きました。
とぐろを巻いていた龍が、僕の方へと長い体躯を伸ばして、
空気に溶けるように、ぐにゃ、と溶けて、
恐る恐る目を開けたその後、そこに竜はいませんでした。
人かも、それ以外かもわからない。
それでも、確かにそこにいた“誰か”――
――メール曰く、『コンポーザー』の問いかけに、
僕は、一瞬逡巡しつつも、口を開いたと思います。]
……僕は、ただ、彼と
――パートナーと、一緒に、生き返って、
[きっと、このヒトの前では、
嘘とか、建前とか、
そんなものは一切意味を成さない。そう思いました。
ですから、僕は、息を吐いたのち、
まっすぐに、彼を見据えて、答えたと思います。]
……一緒に、子供の頃みたいに、絵本を読みたい。
もっともっと、色んな世界の続きを見たいんです。
[幼い頃とは、何もかもが変わってしまったかもしれません。
けれど、生き返りさえすれば、やり直すことだって。
夢の続きを追うことさえできる。
ただ、望むことはそれだけなのです。
生き返ってなにかしら人のために素晴らしいことをする、とか、
そんな大層なことを考えられない、夢を見続けるだけの僕に、生き返る資格はありませんか。]
[そうして、目の前の何かが、再び形を変えます。
人を惑わせ、国すら亡ぼすこともある、魔力を秘めた生き物、だったでしょうか。
その裂けた九つの尾の先に宿った青白い炎が、
ひとつとなって、僕に向かってくるならば、
僕の前に躍り出るようにして、盾を持った兵隊がそれを防いだことでしょう。
同時に、その報復と言わんばかりに、炎を撃ちだしたそれに向かって、
剣を持った兵隊が、刀を振るわんと向かい、
ライフルを持った兵隊が、その弾を1発、撃ちだしたでしょうか。]
[丁度、その時でした。
きっと、僕と“何か”を見比べるようにして、
隙を伺っていた幼馴染が、狐に向かって動き出したのは。
狐の後ろから回り込むように、枯れ葉色の翅を閃かせて、
幼馴染は空を舞います。
もしも、そちらに向けて、攻撃が飛んでくるのであれば、
無鉄砲な彼は、翅を仕舞い、狐に向かって、その身体ごと落下するようにして、
ゆらゆら、揺れる九つに裂けた尾の一つに、
力を込めた手で“触”れようとしたかもしれません。*]
メモを貼った。
いろんな世界、ですか。
[
この少年は、生前に何をしていたのかを、僕は知っています。
絵本を開けば、そこに広がっているのはまた別の“せかい”。
雑音など一切感じない、無音の世界。
そこに美しさを感じた記憶は、たしかにありました。
もう、僕はそれも忘れかけてしまっていて。]
貴方には、この世界に、そうまでして生を望むほどの、価値がお有りだと。
[大層な願いがあるわけではない、らしいですが。
それならば、何故。あのような世界を紡ぐことができたのか。]
貴方は何かを失って、何かを得ましたか。
貴方のパートナーは、何かを失って、何かを得ましたか。
[絵本作家の少年と、翅の少年に、2人に向けた問いの形で喋ります。
しかしそれは、ただ喋っただけで、問いなどではありません。
答えが返ってくることはあまり期待していない、独り言のようなもの。
刀を、尾の一つで絡み取り無力化し、銃弾は身を屈めてやり過ごします。
しなやかな九尾の体躯では、それが十分可能でした。]
[――しかし。
そちらへ5発の青い火の玉を放ちますが、
それは避けられたか、構わず突っ切って来られたか、
“九尾”へと距離を縮めて、触れようと。]
っ!
[尾のひとつに指先が擦ったか、そこから神経を伝って痺れるような感覚を覚えた、その刹那。
咄嗟に――そう、咄嗟に。
痺れ出した一本の尾を、他の尾が切り落とします。
止むを得ず後退し、彼らに向き直れば。
そこにいたのは不格好な八尾の狐。
やはり、近付かせてはならないと。
青い炎を収束して大きく広げ、炎の壁として放ちます。
火傷覚悟で突っ込むか、飛び越えるか。避ける手段は多くないはずです。*]
── 7th day?:エコーシティ ──
[ 殴れ、ときみが言った
おれはただ、その言葉の通りに飛んだ。
硬そうな鱗を通して、果たしておれの力が効くのか、
そんなこと、考える必要もないくらい、
おれには、それしかなかった。
なんにも殺せないこの力で、きみの助けになりたい。]
── まかせて。
[ 地面を蹴る。]
[ もしも、きみとおれの命が、
ひも付けられていなかったら、
間違いなく、おれは言っただろうに。
きみのためなら死ねる。
むつかしいのは、
おれが死んだら、きみも終わるって、
そのことだけだったのだ、ずっと。
きみがそれを望まないんでも、なんでも、
実のところ、おれはそうしたかったのかもしれない。]
[ ── 現実は、そうもうまくはいかないもので、
そう簡単に攻撃は通らないし、
おれが死んだら、きみが死ぬから、
おれは、保身を忘れられない。
響く雷鳴
そうも早くは動けないのと、
壊れると修復に時間がかかるのが、
この翅の厄介なところで、
だから、中途半端な空中から、
地上へ、ぽんと飛び降りたんだったかな。**]
メモを貼った。
― 龍を遠くからみる ―
[圭一を乗せ、揺さぶりながら、走っていく。
振り落とす気はないが、掴まっていないと危ないことは確かだ。
いつもなら、ちょいとまた軽口も叩くところだけれども、
さすがに、少し、考えることも多かった。
なんとなく、だけど、
バーにヨハネがいないことは、結果的、彼がそうではないかという根拠のない確信にすり替わっていたし。
何より、そうであれば、やはり話をきく必要性を感じている。
けれども、問答無用であれば、それはそれで受け入れるしかないだろう。
この街を破壊できるコンポーザーなどに、まず、少数で立ち向かったところで、敵うなど考えられない。]
― エコーシティ ─
[ただ、その場所についた時、その龍は既に交戦中だった。
見れば、それはあきらかに覚えのある二人組。
翅の男と、童話の向坂。
男は、明らかに眼光、一度赤く輝かせて、
それでも、ぴたり止まって、背中にある圭一の反応をみたのは、
もちろん、まだ理性を持った生き物だからだ。
だが、正直、気分はよくない。]
(――……ふぅん、あいつら脱落したのか。)
[内心、ざまぁ、と思った大人げない男、いや、狼であった。*]
[蒼穹を昇った龍を追うべくカフェの外へ出る、その前。
男は、頬から血を流す怒鳴を見て、
ズボンのポケットからハンカチを取り出した]
使いたまえ。返さなくてよい。
……それと、先ほど言った嘘の話だが、
吾輩は殺害依頼などしておらぬ。
[先ほど中断した嘘と本当の話。
本当は見知らぬ女性に殺された事。
その理由は分からない事。
嘘を吐いたのは、いつも脅されていたから
その仕返しの為だったという事。
それらを伝えた後に、男は目を伏せた]
……すまなかった。
吾輩の嘘のせいで貴殿があんな目に
遭ったのだから、許されるとは思わんが。
だから、貴殿は吾輩の為に戦うでない。
自らの為に戦いたまえ。
[それだけは伝えなければならないと、
男は怒鳴を見上げて、言葉を放った。
そうしてようやく、カフェの扉を開けた]
メモを貼った。
メモを貼った。
[外の世界は喧騒に包まれていた。
どこかで爆発音がしたリ、誰とも知れぬ声が聞こえたりと
未だ街が戦場であることを示していた。
空を駆る龍の姿を探した時、
その姿を南エリアの上空に見て進路を決める。
だが、地上に視線を戻して見えたのは、
腕を赤に染めながら何かを持つ中里。
闇を操りながら中里を呼ぶミーム。
そして、顔から眼鏡が取り去られた幾何]
ミスター中里!大丈夫かね!?
[慌てて駆け寄るが中里の反応はない。
不思議に思ったが、男がいるのは
彼らとは違う次元だったことを思い出す]
あまり無茶してくれるでない……。
幾何少年も無理するでないぞ。
[つい、死神にもそう声を掛けた後にため息を吐く。
死神にも死神の事情があるのだろうが、
誰かが傷つくところは見ていて愉快ではない。
それに、幾何も先ほど会った時は辛そうにしていたから]
……もしも、生き返ることが出来て、
また貴殿と会う事があるならば、
写真でも煙でもない、本物を見せたいものだ。
[ ―― 煌びやかな世界を生きる、金魚の姿を。
彼らに語りかけるでなく、独り言のように呟いて
立ち止まっていた足は南エリアへと向かう]
―移動中―
うわっ……――は…やい……
[狼が出発。思ったより動きが強く、加速の力で振り落とされないよう、身を低くしてしがみ付く。
周囲の景色が流れていくのを感じながら少しだけ顔を上げ、前方に視線を向けると
遥か先…南エリアに荒ぶる龍の影。どこか不規則な動きをして見えた。]
―エコーシティ―
+112
輝にい、他のグループが戦ってる…。あれは……
…え。向坂先生!?
それじゃ上は……
[到着した当時、コンポーザーの姿は龍形。
小柄な姿が、龍に向かって攻撃を繰り出している姿が見え…
ここにいるはずがないと思っていた相手なので驚いた。
もしかして…と思い、上を見ると龍の傍をひらりと舞う姿。
残れなかったのか…と思い、次の瞬間はっと気づいたように狼の首を、少し強めにぎゅっと抱えた。]
……輝にい、駄目、だぞ?
協力、しないと。
そういうの気にしてる状況じゃないから…な。
[動きが止まったタイミングで、狼の鼻面に掌をあて、上へ向かって撫でる。
メモを貼った。
メモを貼った。
![]() | 【人】 記号の妖精 ミーム[衝動のまま波のように掲げた壁は、もうバディの道の邪魔することなく、痛々しい腕とは反対の手で、"課題"であった眼鏡を掴む。>>166 (203) 2016/06/18(Sat) 23時頃 |
![]() | 【人】 記号の妖精 ミーム ……。 (204) 2016/06/18(Sat) 23時頃 |
![]() | 【人】 記号の妖精 ミーム
(207) 2016/06/18(Sat) 23時頃 |
……価値がある、って、気付けたんです。
死んでいるからこそ、余計に。
[僕の言葉を咀嚼しながらも、狐
尾で勢いを殺された刀に、銃弾に、小さく悲鳴を上げかけましたが、
けれども、それより先に、二人の兵隊は、
それぞれ、態勢を立て直していましたから、
その頼もしさに、僕は小さく息を吐いて、続けました。]
失ったもの、変わったものに、気付けたから。
だから、生き返って、やり直したいんです……二人で。
[ぽそり、呟いた言葉が、狐の耳に届いたでしょうか。
何にせよ、言葉を続けることはありませんでした。
その後、尾を捨てて、周囲に炎を纏わせた狐
幼馴染が突っ込もうとするならば、]
……ルイ!危ない!
いったん戻って!
[もう一度、狐の気を逸らすように、
銃弾1発をその体躯目がけて放ち、
そう、警告を発することになるのでしたが。*]
(ああん?)
[背中に乗せていた圭一がぎゅっと首を絞めた。
その意図はもちろん、わからないわけじゃないし。
こちらの台詞そのままに返してくる言動も、さすがな甥っ子だとは思うが、なお、狼の顔が厳しく、そして、歯茎と牙を剥きだしにした。]
(お前は、自分を殺した相手になんとも思わないのか?
いや、千歩譲って、お前がなんとも思わないとして、
もし、あいつが、お前を殺したことなど微塵も気にかけていないようなら、
俺は、向坂を殺すからな)
[憎々しげに言い放つ。
そう、俺はあの翅男が嫌い、なのだ。]
(もちろん、今は、いきなり噛みついたりはしねぇよ)
[それは一応、約束して]
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