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[そんなことより、と話題を探す]
大学、行かなくていいの?
[私が逃げるから、家から出られないんだろうけど、一週間休むつもりなのかな。そんなに休んで大丈夫なんだろうか。
手段を選ばなければトイレとかお風呂場に閉じ込めるとか、柱に繋ぐとか、方法はあるだろうに、なんて被害者らしからぬことを考えてしまった]
あ、要らないッスか? 遠慮しなくてもいいのに。
まぁ、そう言うなら。
[仕方ない、とスマートフォンを引っ込める。
俺が勝手に選んでもいいんだけど、パンツはともかく、ブラジャーという物が分からない。
なんだこのAなんちゃらBなんちゃらって数字は。いや、まぁ、胸のサイズがあるから仕方ないんだろうけどね。]
あぁ、大学……。
良いッス。一週間休みます。ちょっと体調崩して動けなかったって話しとけば大丈夫ッスよ。
[逃げる心配と言うよりも、折原さんと一緒に居たいとか思っちゃってる。
まぁ、ドレスはドレスで作って着せるんですけど……。
鍋の材料が届くまで手持ち無沙汰になった俺は、針を持ってないタイミングを見計らって、
折原さんの足を俺の足でこそばゆくなるようになぞってみる。
つまり、ヒマしている。]
[下着のことは追及されなかった。ほっと胸をなでおろす。
このまま一週間やりすごそう。そもそも、この状態で採寸だってしたんだもの。さらしをやめたら多分ドレスが入らない]
そんなあっさり……本当に大丈夫?
[一週間休むってあっさり言われて眉をさげた。
簡単にいうけど、一週間って結構大きい。講義についていけなくなったりしないのかな。
ノートをコピーさせてもらえれば、大丈夫なのかな。
まあ、仕事を一週間休む私に人のことは言えないかもしれないけど]
こんなもんかな。
[三角のチーズが完成。両手に持たせてみる。
このあたりでくっつければいいかな、なんて位置調整していたら]
ひゃんっ!?
[足をなぞられた。こそばゆい刺激がぞくぞくって背筋にまで伝わって、変な声が出た。
バッて口を押さえる。顔がかあっと熱くなった]
な、なにするの。
[口元を手で押さえたまま、もごもごと抗議する]
[出かけるといっても、本当に少しの間だけだ。
歩いて数分の、自分の店。その扉に『close』の看板を掛けるだけ。
あとは、帰り道で、携帯電話を取り出すだけ。
その相手、唯一の従業員に休業の電話をすれば、
返ってきたのは、短い、了解の返事。
ややあって吐き出された「一人で悩まないでください」の言葉には、
少しばかり目を瞠ったけれど、答えを返すことはなかった。
彼は、自分の悩みが、
店を経営することだとか、料理の腕だとか、
そういったものだと思っているのだろう。
そんな単純な話ではないのだ。少なくとも、今の自分に関しては。]
[がり、と、マフラーをした首元に爪を立てる。
渇く喉を抑えつけるためのクセは、未だに治ることはない。
傷の上に傷を重ねたそれは、
きっとひどく醜いものになっているんだろうけれど、
そんなのは些細な問題だ。
それよりも。
浮かんだ、白と赤の生き物の姿に、思考を戻す。]
[多分、一時間も経っていない。
短いといえど、食事をするのには十分な時間だったけれど、
きっと、家の光景は微塵も変わっていないんだろうね。
すっかり冷めてしまったスープと、ぱさぱさしたサンドイッチ。
少女の傍らにあるそれらを一瞥したのち、
部屋に戻ってきた主は、溜息を一つ。
彼女の様子はどうだったかな。
自分から逃げようとした?動く気力もなかった?或いは――。
何にせよ、細められた碧眼が、ウサギの赤い目を射抜く。
ずかずかと彼女に歩み寄って、その細い身体を、乱暴に引き倒しただろうか。
あぁ、もう、喉が渇いて、仕方がない。**]
!!
[心臓がどくんと跳ねた。今の、折原さんの声……。
もう一回なぞりたい衝動に駆られるけど、抗議をする折原さんの声に思いとどまる。]
あ、す、すいません。
つい、どうなるかなーって思って……。
凄い可愛い声でしたね。俺、結構ドキッとしました。
あ、て、てか! それ可愛く出来ましたね。
チーズも可愛いし、ねずみも可愛いッス。
俺の羊より可愛いかも。
[あれはわざと不細工に作ったものだから、比較しようが無いとは思うけど。
所謂ブサカワって奴。
俺も羊ちゃんの友達作るかーと作ってれば、いつの間にか夜。鍋の材料が届いた。
今夜は鍋パよ〜。]
[ 時計は探していなかったから、
どれだけ時間が経ったのかは、分からない。
ウサギをぼんやり見ていた卯月は、
扉の開かれる音で 身を固くした。
当然の如く
出された食事には手なんて付けていない。
それが何を意味するのか
ある程度は分かっていた、つもりだった。
少し、離れる。
卯月の赤い目を見てくる碧眼が
恐ろしくて。 ]
[ ―― どちらも無言だった、筈だ。
ため息をつかれる音と
卯月に近づく足音が聞こえたけれど、
それ、だけ で、 ]
[ 身体に伸びてくる手。 ]
[ 一瞬何をされたのか、
理解が追いつかなかった。
ぐらんと回転した視界は
碧眼を捉えて、止まる。
倒されたと感じたのは、漸くここで、だ。
細い身体だ。
押されてしまえばされるがまま。
卯月だって取っ組み合いになったら負けることぐらい、
自分で分かっている。
―― だけど、
"何"を、されるのか と 思ってしまえば、 ]
[ ひゅ、と
息を吞んだと 同時。 ]
[ 真白な手が彼を引きはがそうと
顔まで 勢いよく伸びた。
容赦 なんて
そんな状況じゃあなかったから、
伸ばした爪を立てるみたいに。 ]
メモを貼った。
【人】 本屋 ベネット
(31) 2017/01/22(Sun) 21時頃 |
【人】 本屋 ベネット[自宅は商店街から程近く。 (32) 2017/01/22(Sun) 21時頃 |
可愛くない、し。
そういうこと、言わなくていい、からっ。
[聞かなかったことにしてほしかったのに、律儀に感想なんて言われてしまったら、もうどんな顔をしたらわからない。
視線から逃げるようにネズミさんに目を落とす。チーズの場所を決めたら、また針でちくちく刺せば無事ネズミさんにくっついた。
赤いマフラーも位置を調整して固定すれば完成だ]
うん。初めてにしては、なかなか上手くできたかな。
[可愛くできたという声に、満足して頷いた。よし、あとは]
あの、私のカバンに、黒猫さんがいるんだけど。
出してもらっていいかな。
【人】 銀河ギャル キャンディ[こっちが勝手に心配してんだから、別に謝る事ないのに>>30。 (33) 2017/01/22(Sun) 22時頃 |
【人】 銀河ギャル キャンディ[店長さんのおうち>>32への道のりは、そんなに長くもなかった。 (34) 2017/01/22(Sun) 22時頃 |
【人】 銀河ギャル キャンディ (35) 2017/01/22(Sun) 22時頃 |
黒猫さん?
[カバンを開けて、中を見れば、俺が作った黒猫がいた。なんか、無性に嬉しい。
でも、黙っておく。これはその内打ち明けよう。]
ああ、これッスね。はいどうぞ。
[渡すとき、掌を軽く爪でなぞってみたり。]
[少し伸びた爪が、右の目元を掠めて、
ち、と、舌打ちが反射的に漏れた。
あぁ、けれども、ちいさな草食動物の抵抗は、
捕食者を退けるまでには至らなかったろうね。
不健康な食事をしていた、細い身体。
服の襟元から覗く、その肩口に、
――思い切り、噛みついた。]
[白い肌から滲む、くらくらするほどに“あまい”味が、喉に沁みこむ。
それでも、物足りないと思う自分に、
頭が冷えていくような感覚も、同時に。
じくりと痛み始める目元に、噛みついていた力が緩む。
さて、少女に突き飛ばされるのと、細い身体から手を離すのは、
一体どちらが先だったろう。*]
ありが、
[とう、って受け取ろうとして、てのひらをなぞられて思わず声が途切れた。
軽く睨む。こういうの、ちょっとずつ入れてくるから油断ならない。大学生くらいの男の子なんてそういうものなのかもしれないけど。
とにかく、今は黒猫さんだ。黒猫さんのボールチェーンの継ぎ目を外して、ネズミさんも通す。ちゃんと付けられるように細工はしてあった]
よし。
[黒猫さんとネズミさん。二匹並ぶととても可愛い。出来栄えに満足して、こたつの隅に置いておいた。すぐにカバンにしまっちゃうのはなんだかもったいない。
そんなことをしてるうちに晩御飯の時間になったかな。何か手伝う? って聞いてみた。
まあ、私に包丁を持たせたりはできないだろうけど]
あ、じゃあ、そうッスねー、鍋の素入れて貰っていいスか?
後はもつととりももの投入をお願いします。
俺はその間に野菜を切ってきます。
[鍋にはやっぱり白菜。折角だから今日は大根と長ネギも入れる。後は、豆腐だな。
二人分の野菜はそこまで多くないけど、流石に白菜は後で投入する分もあるだろう。
あ、後はやっぱり。乾燥春雨だ!
トントン、と包丁の音が響く。テレビは付けっぱなし。
この時間もバラエティ。時たまテレビから笑い声が漏れてくる。
平和だな。]
うっし、切れましたよー。
野菜行っちゃいましょうか!
[わかったって返事して、鍋の支度に取り掛かる。
なんだろう。まるで、家族団欒みたい。変なの。私と新井さんは家族でもなければ恋人でもない。拉致した人と被害者のはずなんだけど]
……お鍋なんて、ずいぶん久しぶり。
[ぽつっと思わず呟いた。そうだ、久しぶりだった。母と二人になってから、お鍋なんか食べてない。
おかしいな。私と母は家族のはずなのに、家族団欒らしいことしてなかった。今のこの状況の方がよっぽど家族っぽい。
変なの]
そうだね。
[新井さんの声に我に返る。頷いて、お野菜を投入するスペースを作った]
[煮える野菜。白菜が熱さにやられてしなりとした。
こうしていると、本当にそういう関係だと錯覚してしまう。]
この鍋待ってる時間っていいッスよね。
まだかな、まだかな、って。
[お玉で肉に火が通ってるか確認する。もうそろそろ良いだろうか?
爪楊枝で肉を刺してみれば、うん。そろそろ良さそうだ。]
ささ、召し上がれ。オススメは大根ッス。
絶対味染みてますよ。味染みた大根はめちゃくちゃ美味いスよねぇ。
[ああ、今度はおでんが食べたくなってきたか。
飯と共に鍋を突く。予想通り、大根は染みて美味い……。]
あ、お酒開けますか?
つっても日本酒くらいしかもう無いですけど。
[ 引っ掻いた感触がする。
―― けど、それまでで。
草食動物みたいな抵抗じゃあ
捕食する相手が退くわけも無く。
こういう 状況で浮かぶこと。
皮を剥がされることを覚悟して
…覚悟した、つもり だった。 ]
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