278 冷たい校舎村8
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『おいしくない』
そのうちおいしくなる
『……おいしくない!』
……はいはい。よくまあそんなにわめいたり泣いたりできんな
[にらみつけてくるガキの俺と目が合う。よくもまあそんなに泣けるもんだ。そういう感想が思わず口をついていて、――ガキの俺は、それを聞いてきょとんと目を丸くしていた。]
『なんで?』
……なんでっつか
『なきたいときはなくよ。 わらいたいときはわらうよ。へんなの』
(1098) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時頃
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[ガキの俺はベンチから降りて、空を仰ぐ。 仰いで、くるりと振り向いて、俺の目を見て
――まくしたてた。]
(1099) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時頃
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『おにいちゃんがいじわるしてくるからかなしい。 おとうさんがおにいちゃんのことばっかりいうのやだ。 もんげんをまもらなかったら、おこるおかあさんがこわい。
たまにみえるこわいものも、やだよ。 あたまがおかしくなったみたい。
だからおれ、ずっとずっとずっとないてる。 ないておこられてる。それは、やだ。 よわいおれは、やだ。』
『……でも、なくのだけがまんするの、むずかしいよ。 うれしいこともぜんぶ、がまんしちゃう』
[ガキの俺の口調が、ほんの少し変わっていくのを、 俺は何も言えずに見ている。 静かに風が吹いている。]
(1100) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時頃
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『七星にいたずらしたらたのしいし。 ワカバヤシにおこられたらちょっとはずかしーけどうれしかったよ。
れーといっしょにいるのすごくうれしいし ひむろとふくずみがしあわせそうでもうれしい。
わだつみとはなしたらあたたかくてほっとするし はののうそはきらいだけど、わらってくれたらしあわせ。
きたなかとはやてといっしょにいるとげんきになるし まこともそこにいたら、すっごくうれしい。
はやみがおなじほんをよんでたらうれしいし えのみやのごはんをたべたらほっとしたの』 『……ぜんぶダメ? ぜんぶ、がまんしなきゃダメだった?』
(1101) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時頃
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『おれ、きらいなものにも、すきなものにも、 うそつきたくなかったよ。 ……だいじなもの、おっことしちゃいそうで、こわかったよ』
(1102) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時頃
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[ガキの俺がまっすぐ、俺の目を見ている。 ね、と言って微笑んでいる。
…………いや。これは、本当に子供の頃の俺か?
困り果てながら黙ってその目を見つめ返す。視界がどうにも滲んで困る。]
『…………なんでそんなにないてるの』
………うるせえよ
[光化学スモッグ警報でも出そうな、晴れた空。 どこにも雲が見当たらないのに雨ばかりが落ちて 俯いた俺を、子供の俺がのぞき込んでいる。]
(1103) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時頃
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『おれがなにおとしてきたかなんて、わかってるでしょ
……うそつくの、そろそろね。そろそろ、やめときなよ。
あ。――れーくんだ。 じゃあね、おじさん。』
おいこら、誰がおじさ…………
[顔をあげる。 突き抜けるような青空の中、そこには誰もいなくて、 ――――――――――……直後、視界が暗転した。]
(1104) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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―― 未来の話 ――
[スマホが鳴る音で目を覚ました。 ……メールが一件届いている。 どうでもいい日常の話だった。
メールボックスの中には、 友人を映画館に誘うメールや、 或いは、家族が引っ越す友人を気に掛けるメールが散らばっている。]
(1105) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[夢を見た気がした。 ひどく懐かしい夢だったのに、内容が思い出せなくて 辰美は頬に落ちていた涙を不思議そうに拭った。
誰に首を絞められることもない、 少しだけ遠い町に借りた部屋の中。 大学もバイトも休みだった辰美は、 スマホを手に取ってベッドから身を起こした。
窓を開ければ、 降りしきっていた雪は穏やかな陽光に溶けて、 暖かい風が吹き込んだ。
その風に巻き込まれて桜の花がひとつ、ふたつ。 部屋の中に紛れ込んで、飲みかけの薬だったり 読みかけの『ゴーストライター』に落ちる。]
(1106) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[暖かな日差しを浴びながら、 半分覚醒した頭で、辰美幸俊はスマホを触っている。
クラスメイトを家に招いたあの日、 『撮らせて』と全員に頼んで撮った写真を取り出しては 思い出に浸るようにそれを眺めた。
気まぐれのように過去へとアルバムを遡る。 日常の景色。故郷の景色。 そういったものが過って、
――ふと、その指を止めた。]
(1107) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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……あれ。
(1108) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[……ほんの一瞬、 あの校舎の黒板に記されていた ”みんな”の文字が映った気がして>>5:18
辰美はそれを懸命に探そうとしたのだけれど 結局、その写真はどこにも見つからなかった。
真実を嘘に。嘘を真実に。 あの不思議な出来事が本当にあったかなんて 今や、あの時間を共有したクラスメイトの胸の中にしかない。]
(1109) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[辰美は息を吐いてベランダから外を見る。 飛行機雲のかかる夜ではなくて、 色鮮やかに桜が照り映える昼だった。 もう一度スマホに指を滑らせ、あの日の共犯者にメールを打った。]
(1110) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[それを送信した直後、スマホがせわしなく震える。 ……今度はなんだ、と確認してみれば、 それは兄からの電話だった。
元気にしてるか。 俺はちょっとずつ回復してる。 随分遅れたけど、大学も行けるはず。
そんな言葉に辰美は穏やかに相槌を打つ。
元気だよ。 回復おめでと。 俺より一個下の学年じゃん。勉強教えようか。
長くもなく短くもない会話のおしまいに、兄は言う。]
(1111) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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『お前さ、丸くなった?』
……なんのことだよ。うっせ。
『まさか故郷離れて寂しいんじゃねえだろうな』
……。ばか。
(1112) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[辰美は思わず噴き出した。
確かにここには、辰美が『だいすき』だったものはない。 あの日に笑っていたともだちはここにはいない。 スマホの中に、確かにあったものとして写真が残るだけ。
高校を卒業してしまえばそれぞれの人生があり 別れを惜しむ心を置き去りにして、時間は進む。
けれども、――と、ほんの少し夢見がちな男は言う。]
(1113) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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すこし寂しいけど、だいじょーぶだよ。
(1114) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[切れやしないって信じているから。 切らしやしないって、想っているから。]
(1115) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[兄との通話が終わった後。
ほんの少しだけ眦に滲む涙をごまかさずに、 眠たげな狼……むしろ、犬、のようにあくびをすれば 流し足りなかったらしい涙が頬を伝った。
辰美はそのままゆるゆると微笑んで 晴れ渡る窓の外を眺めている。
雪解けを迎えた春爛漫。
やさしすぎるあたたかな風が、 しずかに1人の男の頬を撫でていった。**]
(1116) さねきち 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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―― デート、じゃない話 ――
[ 軽蔑した? って聞きながら、 肯定されたらどうしようと思っていた。 否定の言葉を期待しながら、 虫のいいことを考えているなと思う。 だって、誠香だったらきっと軽蔑する。 全部自滅の自業自得じゃん、と思ってしまう。
それなのに、返ってきたのは 思いがけない感謝の言葉。>>1077 誠香は思わずきょとんとして、 それから意味を理解すると苦笑した ]
……お礼を言うことじゃないよ。 僕の嘘に、巻きこんじゃったのに。
[ 頭を撫でる手に、 怜は僕に甘すぎだ、なんて思う ]
(1117) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ 感想を伝えられたことは確かになかった。>>1079 あの雪の日に、 初めて読者だったことを知って驚いたくらいだ。 だから誠香はうんと頷いて、 僕は、と言った ]
僕は、そのことに感謝してたよ。
[ 正直、知り合って間もない頃に小説の話をされていたら、 仲良くなれたか怪しいとすら思う ]
(1118) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ 初めて怜から聞く兄の本への感想に、>>1081 誠香は目の奥が熱くなった。
兄は優しい人だった。 兄は、優しい文章を書く人だった。 誠香は、兄が好きだった。 兄が書く文章が好きだった。
そう、兄に才能がないなんて、そんなはずなかった。 そのことを、誰よりも誠香は知っていたはずだったのだ ]
(1119) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ うん、うん、と涙をこらえながら、 誠香は相槌を打っていたけれど、 ファンレターを送っていた、と聞いて>>1082 ぽかんと口を大きく開けた。 そんなこと、知らなかった。 全然、気づかなかった ]
なにそれ……知らない。 うそ……まじで?
[ ファンレターは、もちろん全部読んだ。 大切に取ってあるけれど、読むたび誠香は胸が痛かった。 その感想を受け取るべき人は、誠香ではなかったから ]
(1120) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ だから、兄は誠香を恨んでいない。>>1083 その言葉に、表面張力ぎりぎりだった、 誠香の瞳の涙が、とうとうあふれてしまう ]
そう、かな……? おにーちゃん、許してくれる、かなあ……? 僕……僕、おにーちゃんのこと、好きだった! 大好きだった! おにーちゃんに才能がないなんて、 ひどい……ひどいうそついた! それでもっ、許して、くれる、かなあ……?
[ きっと誠香は涙でぐちゃぐちゃで、酷い顔をしている。 両手で顔を覆ったけれど、 指の隙間から涙があふれて止まらない。 墓参り、という言葉に、>>1084 声にならずうんうんと頷いた ]
(1121) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ 思い出したのは、あの校舎でのこと。 あの時誠香はわんわん泣く怜を慰めたけれど、 今は完全に立場が逆転していて。 きっと今、誠香はとてもブサイクだ。
こんな恥ずかしいとこ見られたら、 女だったら嫁にいけないとこだった。>>2:52
そんな言葉を思い出したタイミングで、 怜が何か言った>>1085 ]
いやそれは気が早すぎだろ!?
[ 食い気味でツッコんだ誠香はきっと悪くない。 驚きのあまり涙も止まっちゃったよ!!* ]
(1122) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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―― ニセモノ作家の進む未来 ――
[ 誠香の書いた、最初で最後の小説が世に出た。 出版社の力の入れようはそれはもうものすごく、 今まで世間を欺いていたことを告白する自伝的小説、 という内容も世間の注目を集めた。 どうやら本当に映画化の話まであるらしい。
嘘が真実になっていく現実を、 誠香は黙って受け止めていた。 誠香はそれだけのことをしたのだし、 その道を選んだのは、誠香自身だ ]
(1123) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ 最初で最後の小説、という約束だった。 これで作家は終わり。そのはずだった。 ふつーの大学生に戻ります! ちなみに進学先は海星大学だ。 国公立への進学はやめた。 もともと、そこを第一志望にしたのは、 そこが兄の入学した大学だったからだ。 兄の陰を追いかけるのは、もうおしまい。 あと、美貌の彼氏に群がる女どもを ちぎっては投げちぎっては投げするためには、 やっぱり近くにいたかったので。
そうしてふつーの大学生になった、はずだったが、 出版社は諦めが悪かった。 誠香の書いた小説が売れたので、欲が出たらしい。 暴露本みたいなものだから話題になっただけだよ、 と誠香は思っているのだが ]
(1124) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ その日も、出版社に呼ばれていた。 出版社あてに届いたというファンレターは開封済みで、 批判的な内容の手紙は弾かれたのだろうなと知れた。 正真正銘誠香の小説に宛てられた感想の手紙だ。 ありがたいとは思うけれど、 まだどこか、現実味がないというか、 信じられないような気持ちでいる。 ……本当だったとしても、あの小説の内容は、 誠香が一生つき通す嘘なのだけど ]
「あと……そうそう、これ、見てください」
[ 相変わらず誠香はエゴサはしない。 きっと誠香のついた嘘への批判なんて、 山ほど出てくるだろうし。 受け止める勇気は正直なかった。 受け止めようとしたら、ごめんなさいと叫びながら、 今度こそ死にたくなってしまいそうだ ]
(1125) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ 出版社の人が示したディスプレイに、 気のない顔を向けた誠香は、 目に飛び込んできたものに大きく目を見開いた ]
(1126) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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[ それは、CG作品だった。 重苦しいフクロウの幻影がほどかれて、 その中から翼を広げた白鳥が出てくるような>>733 ]
「このCG描いた子、福住さんと同い年らしいですよ。 それで……」
[ 出版社の人が何か言っていたけれど、 誠香の耳には届いていなかった。 食い入るようにディスプレイを見つめる誠香の目から、 ぱたぱたと透明の雫が零れる ]
(1127) takicchi 2020/06/29(Mon) 00時半頃
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