76 ─いつか、薔薇の木の下で。
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可哀想なサイラス。でも
誰よりも幸せなサイラス……。
[呪文のように、そうつぶやく。
そう、薔薇のときにみている、彼らの深く激しい恋情を。]
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もっと……ねえ、もっと欲しいの。 たくさん頂戴。 貴方をもっと、もっと……!
[まだ足りない。満たされない。開いた穴は埋まらない。 幾度と裡に熱を得て、快楽に震えても。 渇望は留まる所を知らない。 薔薇の欲に肉体は悲鳴をあげる。 それでもなお、求め続けて。 その狂宴は、限界を迎えた身体がその意識を手放すまで続く**]
(24) 2013/03/30(Sat) 00時頃
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[彼の、薔薇の欲に抗うことはできない。 ただ流されるまま暴かれ、高められた。 慣れない行為に息はあがり、やがて導かれた先へと、ただ熱を帯びた瞳で頷いて]
ごめん、な
[掠れた声で呟いて、あとはもう、熱に浮かされるまま]
(25) 2013/03/30(Sat) 00時頃
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ああ、僕もあんなだったら……。
[嫉妬と憧憬と……やはり、持ってしまったほのかな恋情を。
ため息とともに押し隠す。]
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……ッ!!
[貫かれ引き裂かれれば、揺れて乱れる長い髪の間から、恍惚と苦痛が交互に覗く。
押しとどめようとしながらも、離さないように縋り付く。 精気に満ちるたびに中庭の木々はさわさわとざわめき、 次第に綻ぶ新芽。蕾の色は次第に深く。]
(26) 2013/03/30(Sat) 00時頃
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エリアスは、窓の前、ため息は甘く。**
2013/03/30(Sat) 00時半頃
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[揺れ動く紅い瞳は蠱惑的に煌めく。 胸に残された傷痕に吸い寄せられるよう唇を押しあてて。
薔薇は喜んでいる? ヴェスパタインは?
嗚呼、この香りに心まで塗り替えられそうで]
ヴェ、ス……!
[薔薇の名前は知らぬから、目の前にいる彼の名を呼び、薔薇の糧になるよう、熱を吐き出した。 縋るよう絡めていた腕に力を込めて、今はただ、全ては薔薇の為に]
(27) 2013/03/30(Sat) 00時半頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2013/03/30(Sat) 00時半頃
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……ぁあ!!
[精気注がれて、びくんと身体が跳ねる。 力入らぬままにもがいて、オスカーを突き放した。]
逃げ…ッ!!
ダメだ、このまま、じゃ…!
[少しだけ取り戻した正気は、彼を逃がそうとして。
苦しげに自分の胸を引っ掻き、もう片方の手は宵闇色の瞳に爪を立てようとする。]
このままじゃみんな、薔薇に、食われ……
(28) 2013/03/30(Sat) 01時頃
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[離れようとする彼に手を伸ばす。自らを傷つけようとするその手を止めようと]
駄目だよ、ヴェス もう止まらないよ
……ほら
[綻び始めた蕾に向ける瞳は恍惚に揺れる]
咲かなきゃ…… もう、目覚めない
(29) 2013/03/30(Sat) 01時頃
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[限界を迎えて意識を手放したのは、どちらが先だっただろうか。
月明かりの下、上体を起こすと、まだ意識を失っているように見える相手の頬に唇を寄せて]
先輩…。 俺、役に立てました?
[行為後の倦怠感は、薔薇の作用がなければこんなものではなかっただろう。 初めて行為を覚えた身体はそれすら知らず。
むせ返るような性と薔薇の香りの中、蒼い目を細めて微笑んだ。]
(30) 2013/03/30(Sat) 01時頃
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[立てた爪は瞼を傷つけて、それでも抉ることは叶わず。]
…ぁ、あぁ…… 俺のせいだ。 俺が…シリィにひどいことして、 ラスにも、オスカーに…も………
[赤い涙を流しながら、冷えていく身体が震える。 微かな声で詫びながらも、精気と生気は吸われていって。]
(31) 2013/03/30(Sat) 01時頃
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ヴェスパタインは、赤黒く濁った眼差しで、淡く笑む。**
2013/03/30(Sat) 01時頃
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やめろ、ヴェス
[視界に入る、薔薇ではない赤。 虚ろに潤んでいた瞳に束の間光が戻る]
そんな赤、いらない そんな言葉もいらない
[腕をひけば、生気の吸われた彼の手は、瞼から離れるだろうか。先よりは強引にひいて]
俺を責めればいい ……止められなかった、俺を
[細い腕で精一杯包み込めば、触れあう、まだ熱の残る肌。再び理性は薔薇に飲まれ、紅い涙へと唇を*寄せる*]
(32) 2013/03/30(Sat) 01時半頃
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ノックスは、ヤニクの隣でまどろむ。**
2013/03/30(Sat) 02時頃
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