15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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>>172>>173
[そして、ひとが、己を凝視する。 シィラにとって、ひとは、ヨナかそうでないか。
そうでないひと、は、わが娘を殺したひとと同じ、ひと。
そんな、シンプルすぎる分け型。]
(176) 2010/07/22(Thu) 22時半頃
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>>175(シィラside)
[シィラは同時に感じていた。
その異形と化していく男が……
異形の異形の理を……
感じようとしていること。]
ギィ……
[でもそれは同時に……。]
(177) 2010/07/22(Thu) 22時半頃
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[そう、同時に、その理を知れば、
世界は無事かしれなかったが。]
(179) 2010/07/22(Thu) 22時半頃
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>>186
フィル……。
[青色の眸が見る。]
――……誰が待ってくれるの? ラルフは…生きてる?
(202) 2010/07/22(Thu) 23時半頃
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(シィラside)
[シィラは、紅い眼を点滅させはじめる。 それは、警告。
いや、警告ではなく、予告。
シィラがその娘の仇を討つかのように、人に刃を向けること。 それは、ヨナには隠した本性。]
ギ………
(205) 2010/07/22(Thu) 23時半頃
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>>207(シィラside)
[そして、シィラも唄を聴く。 それは、慰めではなく、それは、労わりではなく、 それは、安らぎでもなく、それは、もちろん、希望でもない。
ただ、争いを、 人とひとの、息の止めあいを、尊ぶような、
異様な唄。]
ギ……ギィ………。
[シィラを狂わせるにも十分な唄。]
(210) 2010/07/22(Thu) 23時半頃
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>>209
なくならない……。 でも、死んでほしくないの……。
彼が死んだら……
それは、私のせい だ。
[シィラに投影したこと。 穢い自分を知るものが、いなくなってほしいと……。]
――…ああああ
(212) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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ヨーランダは、フィリップの言葉に、唇を振るわせる。
2010/07/23(Fri) 00時頃
[ヨナを見つめる気配は、そこにある。
柔らかな眼差しで少女を見下ろしている。
ただ、彼女の望む言葉を、
彼女だけに届く言葉を発する為に]
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>>212
――……私は、本当は、 穢く、おぞましい、
魔女の娘。
[フィルを見た。]
そんなこと、ない……って 誰かに云って欲しい………。
(218) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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[声音は響く、優しげに。
ただ、彼女の耳だけに――]
穢いなんて、そんなこと、あるはずない。
ヨナは綺麗だよ。
だって、君の中には 泉が見えるもの。
[語尾に柔らかな笑みが混ざる
気配はヨナに触れようとそうっと腕を伸ばして]
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ギィイィィ
ギィィイイイィィ
[シィラは、さまざまな異形の想いに、 影響され、コリーンの唄に惑わされていく…。
そう、護るはずのヨナをなお悲しませたという、狂いは、 シィラ自身も確かにおかしくさせていて……。
その背の羽根は震えた。]
ギ……
[そして、隠されていた鋭い棘がまた、顔を出す。]
(220) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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>>221 フィル…… 私は、穢い……。
だって、嫌だったの。 ラルフにもあなたにも、
私が、そんな女だと、 話してしまったのは、
同情を買おうとしたの、きっと。
[どこかでシィラの鳴き声がする。]
そんな生き方しかできなかったことを、 そして、そんな生き方をまたしようとしたことを。
それをちゃんとシィラは見抜いていたの。
(223) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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(シィラside)
[そして、誤作動を起こしたシィラは、 紅い眼の点滅を早くしながら、身体を激しく煽動させる。
天使にもみえる羽根も羽ばたかせて……。 何より、一突きで人を殺せる棘を揺らめかせる。]
(225) 2010/07/23(Fri) 00時頃
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ボク みたい?
ねぇ、どうして気付いてくれないの?
どうして?
[そうして、ただ受け入れられない現実を見る。
撫でられたネコミミトカゲは不思議そうな顔を見せる。
見えない少女の傍らで。]
そう。
私が視えないのね。
ソフィアも、アリーシャも。
[泣き出しそうに潤んだ瞳。]
[眠る少女の躯に咲いた花は色を段々と褪せさせていった。
涙が毀れ落ちる直前。]
アリーシャ…。
[微笑むアリーシャと、瞳が合った。
そんな気が、した。]
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>>230>>232
普通のこと…… 普通……
普通と思っていいのかな。
[頭をはたかれて、少しだけ我に返る。 そして、フィルの顔を見た。]
ラルフに向き合え?
[目を瞬かせる。]
――……
[そして、ラルフの遺体に会いにいくのを了承する。 同時に、その気配もさっきから、感じているような気もするのに。]
(233) 2010/07/23(Fri) 00時半頃
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― ラルフの眠る部屋 ― >>235 [フィルに手を引かれて、そこに向かう。]
あ……
[見ると、彼はそこに眠っていた。 そう、今までで一番、安らいだ顔をして……。]
――……
[そう、今までもたくさんの死を見てきて…… そして、泣いてきたのだけど。]
ラルフ……
[本当に、止まることない涙が……
まるで泉のように。]
(237) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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ヨーランダは、よろよろと部屋に入っていく…そして、その遺体の傍に・・・。
2010/07/23(Fri) 01時頃
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――……ラルフ
左手を 見せて
[砂で消えたそこを欲する。 そして、やっぱり、泣いた。]
(238) 2010/07/23(Fri) 01時頃
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アリーシャ。
私の初めてのお友達。
一番に大好きよ。
私の精霊さん。
[たった一粒零した涙。
けれど、少女は笑顔であった。
それは幸せそうな、安らかな。]
[ 約束という呪いが影を動かす ]
[ 気配の手は冷たかっただろうか、温かだっただろうか ]
[ それは彼女の望む通りに ]
[そして]
[ 背後から伸びたその両腕は、
薄い肩を交差して、ヨナの両目を覆い隠そうとする ]
――……泣かないで、ヨナ
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[目がふさがれたような気がした。 涙が一瞬、流れを止めて…。]
――……
[ラルフの遺体をまた見てから。振り返る。 そこにいるのはフィルのはずなのだけど……。]
(241) 2010/07/23(Fri) 01時半頃
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私が視えていなくてもいいの。
ソフィアも大好きよ。
私のお友達、大事なお友達。
みんな、みんな、大好き。
[やっぱり花《ポーチュラカ》の微笑みを携えて。]
視えてなくてもいいの。
慣れているもの。
誰にも見られず、相手にされず。
そうやって生きて来たのだから。
[淡く淡く、胸元の花が褪せていく。
淡く淡く、胸から落ちた記憶が戻っていく。]
[ ふりかえれば、
影は彼女が望むように、そこにあるだろう ]
[ そして ]
ヨナ、俺は死んでいないよ……
君がそう言わなければ、死なない。
――……だから、泣かないで
俺は死んでいない。
[ 声音は 囁き 再びその腕を伸ばす ]
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――…死んでいない?
[その青色が微かに見開いて……]
死んでいない……死んで……。
[その眸は、左手が刃でない、その姿を捉える。]
――…ラルフ……。
[フィルがそこにいるなら、どんな風に見えているのか。ともかく……]
(242) 2010/07/23(Fri) 01時半頃
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――……よかった……。
[そして、今までで一番の笑みが漏れる。]
(243) 2010/07/23(Fri) 01時半頃
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驚かせること、好きだったわ。
怒られるなら、怒られたかった。
お話したかった。
遊びたかった。
手を繋いで欲しかった。
だいすきって
抱きしめて欲しかった。
呪われた、この躯がいけなかったの。
[触れるのは自分の冷たい躯。
動かず冷たい、呪われた躯。]
[その影は微笑むヨナに、優しげに微笑む。
伸ばした両腕は彼女を包み込むように抱きしめて]
[ 視界を、世界を閉ざす ]
――…うん、泣かなくていいんだよ。
あんまり泣いたら、涸れてしまう。
もう大丈夫だから。
ずっと傍にいるから。
ヨナ、辛いことは全部忘れてしまえばいい。
嫌なことがあったら俺に教えて、君を護るから……
[ その左腕の影は一度刃の形をなして、
けれど、決して彼女だけは傷つけない ]
[ ヨナの望むように、
その影は振舞うだろう ]
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うん、泣かなくていいのね。 泣かなくて……。
[その姿をフィルとの間に見ている。 そして、フィルにも見えていると思っている。]
傍にいる……。 傍にいてくれる。
それだけでいい……。
[その言葉は、シィラとの決別も意味しているようで……。]
(246) 2010/07/23(Fri) 02時頃
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