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[ぼうっと目を覚まして、
いつもの自室の天井じゃないって思って。
セイルズさんのお家に来たんだって、思い出して。
辛い事もたくさん、思い出して]
…………。
[私、動く気力もなくぼうっと天井を見上げていたの。
でも、顔を横に向ければサイドテーブルにメモを見つけて、手を伸ばす。
私の事を心配してくれる気遣いが嬉しくて。
そのメモを胸の上に置いて、目を閉じるの]
[でも、セイルズさんが帰ってきたなら挨拶しなきゃって。
ベッドの上に身を起こすの]
あ……、もうお昼、ですか……?
私、わたし……、
[食事の支度がしてあると知って。
私、昨日からまともに食事をしていないのを思い出すの。
お腹が空いたのを思い出して]
ありがとう、ございます。
何から何まで……、
[ぺこりと頭を下げて。
用意してくれた食事を頂く事にしたの。**]
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 天文学会 ワカナ― 昼前・通勤 ― (194) 2018/12/09(Sun) 15時半頃 |
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【人】 天文学会 ワカナ
(206) 2018/12/09(Sun) 16時頃 |
[
「子どもを産むための道具」とは中々どうして的を得た言葉だ。
『繁殖用』として招集されれば確かに道具であるし、 自分もまた『繁殖用』として選ばれた理由を探るべくという意味も含んだ行動だったからだ。
つまり
自分はノッカと繋いでいた手を、両手とも離してしまう。
片方の指先で自分の顎に触れ、
もう一方の手はノッカの脇の下辺りでベッドについて、
身を乗り出した]
独りは寂しくて、ノッカはどうしてほしいですか?
[自分は親指を己の唇に触れ、その親指の腹をノッカへと伸ばし先ほどまで美しい声を奏でていた唇に押し当てた。
独りは寂しい。
なるほど、――自分にはなかった考えだ。
自分は寂しいと思うよりも、キングスを駆逐する未来を描いていたのだ。
憎悪は心を動かす原動力であり、身体は心に従い動いていた。
寂しいと思う暇などなかったのだ]
ノッカ、心の空虚は身体の触れ合いで埋められます。
寂しさもまた、心の空虚。
家族を失った空虚は、さぞや寂しかったでしょう。
[唇に押し当てていた指先をずらして、頬を撫でる。
優しく、丁寧に、ゆっくりと。
益々と身を乗り出しては自身の股間の品をノッカの腹に擦り付けて、
ノッカの瞳を覗きこむ]
同時にね、身体の触れ合いは、
心の繋がりを強くします。
[脇の下辺りについていた手を折り、肘で身体を支えて前腕をノッカの背へと回していく。
背へと腕を回せば身体を抱き寄せて、
頬にあてていた手は首筋をなぞり項に触れた]
家族というのはね、そうやって繋がりを持っていくものです。
ほら、産まれた子は母親に抱かれて育つでしょう?
あれも触れ合いです。
育てば、父親に頭を撫でられたり、抱っこされるでしょう?
あれも、触れ合いです。
[『道具』であっても長年使えば愛着は湧く。
人への愛着も、ペットへの愛着も、『道具』への愛着も。
今回の理は変わらぬことだ]
ノッカ、こうして触れ合い続ければね。
自分とノッカは家族になれる。
一月で足りなければ、一年でも。
一年で足りなければ、三年でも。
三年で足りなければ、数多でも千代に八千代に。
ノッカが寂しいと感じなくなるまで、
ずっと一緒にいてあげますよ。
そう――
独りにはしませんよ?
[微笑みすらも浮かべずに、
自分はとても、とても、真顔でそう告げていた**]
メモを貼った。
[キングスに憐憫の情があるかは
わからないけれど、
少なからず気に入るもの
あるだろう。
その『お気に入り』が飽きられた時。
その『役割』を果たせなくなった時。
人間は、死を迎える。
じゃあ―― あたしは?
あたしが、子を産むという『役割』を
果たせなくなってしまったら。
そーさんが、あたしへの興味を失ったら。
あたしが迎える、未来は]
[―― 何も変わらない。
あたしを支配する者が、
人間か化け物かの違いだけ。
幾度も身体を重ねたとて
そこに心が伴わないのならば。
あたしに対する感情が、
『愛玩道具』に対するものならば
あたしの心が満たされることは、ない
そーさんは愛してくれるって言うけれど。
瞬いた瞳
本質のかけらを、拾い取る。
このひとは、『あたし』を見てくれない。
あたしが持つ『何か』を、見てるだけ]
[あたしの瞳は、そーさんをじっと見上げる。
ひとりは、こわい。
けれど、独りにはしないっていう、
そーさんの言葉は。
父さんと母さんが育んだような
穏やかな愛は無く。
あたしが欲しいと言ったから与える、
そんなように思えて]
………… そーさん。
あたし、シャワー浴びたいです。
[そーさんの言葉に返事はせず。
あたしは笑みを浮かべて、言葉を紡ぐ。
その表情は、かつての
諦めを抱いた、笑顔*]
メモを貼った。
[
見上げてくる瞳が映すは困ったように微笑みを浮かべた自分であろう。
「愛してあげる」とは言ったものの自分はノッカが求めた解答を知らぬようだ。
自分の与える愛は無機質なものなのだろう。
それもまた研究か――。
研究に明け暮れた自分が与える愛など高が知れている]
……嗚呼、今、連れていこう。
[ただ――その笑顔は見たくはなかった。
胸の奥が疼くような痛みを生み出し、
その痛みは更なる執着を生み出してしまう。
花のように笑ってくれたならば
いっそ興味を失ったかもしれないけれど]
―― シャワー室 ――
[「連れていく」の言葉通り、自分はノッカから一度身体を離すと横へと移動した。
背中へ回す手はそのままに、膝裏へと手を入れて横抱きに抱き上げてしまう。
自分が告げたこともあるが、
今、ノッカを独りにするつもりはなかった。
それはプライベートも何もあったものではないものだが。
仮眠部屋を出るとそこは大部屋になっている。
大部屋には何も置かれておらず、伽藍としていた。
床を見れば何かが置いてあった痕跡がいくつもあり、
それらが更に奥の扉へと向かった跡が見て取れるだろう。
つまりここは、引き払う準備が済まされている部屋だった。
ノッカを連れ込むのはその反対側。
大部屋から続く扉の一つを開けるとシャワールームになっている。
シャワールームは一人用でそれほど広いわけではないが二人いても少々窮屈なだけである]
[ノッカを床に下ろして、扉を閉めれば狭い空間に二人きり]
はい、ここがシャワールームですよ。
独りのほうがいいかもしれませんが……
[ゆるりとノッカの方へと手を伸ばす。
その手はノッカではなくその向こう側のコックを捻るために伸びたのだが、
ノッカにはどう見えたことだろう*]
メモを貼った。
[
あたしの知る愛を、持ち合わせてない。
知らないのか、忘れてしまったのか。
あたしには分からないけれど。
ラベンダー畑で笑い合うあの頃の、
家族の愛に満ちた、些細な一日を
穏やかな、愛を。
それさえあれば。
あたしの心は、生きていけるのに]
[
腹の中の精がまだ残っているから。
運んでもらうことを、甘んじて受け入れる。
―― つかれた。
初めての行為に、
疲労を覚えるのは当然のことで。
閉じそうになる瞼を必死に押し留める。
何もない部屋。
そこに何が置いてあったのか、
なにを奥の部屋に移動させたのか、
あたしには、知らないことだけど。
寂しい部屋を通り過ぎて、
辿り着いた先は、シャワールーム]
ひとりでも、
[
そう呟いても、そーさんは
あたしをひとりにする気はないようで。
深い息を吐き出して、
シャワーの方を向こうとした、ときに。
こちらに手が、伸びてきたものだから。
反射的に、ビクリと。
身体を跳ねさせて、しまった。
情事の前。
怯えるあたしに伸ばされた手を、思い出して*]
[鍵を開き、静かに作った隙間から覗いた先には、去る前と同じ布団の膨らみがあった。傍に置いたボトルにもまだ触れられた様子がなく、だからきっと彼女は深い眠りに落ちていたのだろう
材料ならば他にもあったが、消化の良い物と栄養のある物それぞれを用意して、きっと正解だった]
[布団がもぞりと動いた
身を起こした
──ココアが、そこにいる]
まだ正午は過ぎていない。
──おはよう。よく眠れただろうか。
[薄暗い部屋の中で挨拶と共に向けていたのは、微かな微笑み]
[食事も出来ているのだと伝えれば、彼女はまた、恐縮したように礼を告げた。気にせずともよいのにと、セイルズは再び口を開く]
どうか、気にしないで欲しい。
……私がしたくてしている事だ。
[全てを委ねられたって、むしろ望む所なのだ]
[食卓へと彼女を招き、二人分の食器に食事をよそう。香草焼の隣にはミニトマトを添えて、牛乳で煮込み塩で味を調えたオートミールには、胡椒を一振り。足りなければお代わりもあった]
ひとりには、しませんからね?
[
ここまで
伸びた手に身体を跳ねさせていた。
自分の手はノッカを素通りしてコックを捻る。
ぱらぱらと天蓋から降り落ちる湯は熱くもなく温くもない適温で、
肌に触れるとその上を滑り落ちていく。
髪事湿りゆくので乾かすのが大変であろうけれど、
浴びれればいいと作ったものなので融通が効かないのだ]
ノッカ、今、また抱かれると思いました?
[返す手でノッカの背に触れ、抱き寄せてしまう。
肌と肌が触れ合えばより情事の前を近づこうか]
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