241 The wonderful world -7days of KYRIE-
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―東エリア:霧江警察署―
[逃げた豚を追ったジリヤは、
そこに広がっていた光景に、ふふ、と笑みを零しました。
何せ、先程逃げたらしい豚が一匹と、
それ以外に、二匹の子豚が
いた訳ですから。]
三匹の子豚ですわね。
[つまりはそういうことです。
とはいえ、家を建てる暇など与えません。
ジリヤは聖母の如く微笑んで、
微笑ましい豚の団欒に歩み寄りました。
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[狼よりも恐ろしい来訪者に、
三匹の子豚はたちどころに逃げていきました。
一匹は2の方向へ、
もう一匹は2
そして最後の1匹は2へ向かったでしょうか。
(1.スクランブル交差点
2.オシリスカメラ
3.いちご横丁
4.マナ・マリンパーク
5.JUN-Shock
6.イザナタワー99)]
……。
[ジリヤは決意しました。
今夜の晩御飯は、角煮にすることを。*]
−鳴呼麺本舗−
[ブタを追いかけているうちに
お腹が減ってきたので小休止。
二度死んでもなおラーメンが食べられるとは
なんと幸せなことだろうか。]
……店長。豚骨ラーメン、焼豚マシマシで。
[店長に何か嫌なことでもあったのかと聞かれたが、
そんなことは一切気にしない。]
──南エリア/オシリスカメラ──
[ 今夜の夕飯だなんだといったって、
死者に食事が必要なのかもわからぬが、
ニーナは豚トロ丼が好きだ。
──ということを言おうにも、
パートナーは隣にはいない。
咳をすればテレパシーで
反応くらいはしてくれようが、
なんにせよ一人である、現在。オシリスカメラ。
( 尚ひどく咳き込んでいたジリヤに、
血反吐でも吐くんじゃないかと
ドキドキしたのは先刻のことである ) ]
[ 子豚を追いかけ街を駆け、
一度は見失い周囲を探して回った。
建物の影になる場所に
はみでた丸い胴体を見つけ( かわいい )、
そうっと回り込んでみたら、
なんと、三匹寄り添ってるではないか!
( 奇跡的にかわいい! )
ぴぎぴぎと身を寄せ合う子豚に、
ニーナは顔を覆いそうになった手を握りしめ、
だらしなく溶けそうな頬をぺちんと叩き、
ビッグ・バッド・ウルフさながら
慎重かつ大胆にピグノイズに歩み寄る──!
49(0..100)x1 *]
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── 回想:6日目 ──
[女の子二人は、名前を名乗ってくれて。]
翔也に、圭な。
よろしく。
…………明日、一応最終日だよな。
死ぬなよ。
[そんな一言を、告げただろうか。 あおいちゃんに優しかった二人に、死んで欲しく無いと、そう思った。 ……その後、圭の一言>>48を聞けたかは、俺には分からない。**]
(65) 2018/05/25(Fri) 20時半頃
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[ "緋色"の理由は、
傲慢であり、怠惰であり、
時に嫉妬を含み、憤怒を抱き、
強欲を 孕んだものであったのかもしれない。
── それは、昔からのものであるのか、
今、まさに死して宿したものであるのか、
どちらだろうか、
"はじめまして"のおとこにとって、
其れは 読み解きにくいものではあれど。 ]
[ ── 確かに、
互いの"理由"であることに、変わりは無く。 ]
── やだな。
君が思い残すこと無く死んだら、
僕はいよいよこの世とおさらばするしか無いよ。
[ 遺してしまうひとは、いるのだけれど。
…本当は、不幸な事故に遭ったら、
死んでしまうのがこの世の理なのだから。
足元を這うアイビーを碧が追い、 ]
── だって きみ、
"死んでも離れてくれない"んだろう。
[ 銀をかき混ぜた掌に、
諦められない理由がまたひとつ* ]
── 最後の日 ──
[ ── キリエ駅の、前に居た。
あの時二度目の死を迎えた線路を遠目に、
( …このおとこ、
気恥ずかしさを抱えることも無く、 )
アイビー、…ではなく、
パートナーの蹴った石を追いかける。
脚から辿るみたいに、碧は黒を、ひたり。
ぶれないと思っていた目線だったのに、
── 口を開いたところで大きく揺れた! ]
、っ と
[ この辺りは良く来る方だが、
こんな大きな揺れがあったか、そう思わせる地震。
── 否、この雑音ひしめく世界で、
ただの地震と片付けて良いかも怪しいが、── ]
北か。
…行くだけ、行こうか。
[ ゆる、頷く。
自分に出来ることといえば、哀れな子豚を追いかける。
きっと、それくらい* ]
── 北エリア:知恵の林檎像 ──
[ 北エリアに進み、…此処も此処で。
覚えのある光景と全く違うものに、
碧を細めた。
灰の都会とは言ったものだが、
今はすっかり黒い都会の方が近い。
空すら黒に塗れてしまいそうで、
── …… 嗚呼、センスが無いな! ]
[ 何とはなしに、指を弾いた。
ちぃさな礫が宙を飛び、行き先を辿りながら、 ]
── くらげちゃんが僕たちを見た時、
ミッションをやってること、
知っているように見えなかったんだけれど、…
これって黒牧さんの個人的なものなのかな。
[ すこぅし前に思ったことを呟いた。
もうひとつ、ふたつ、礫を作って飛ばしながら、
知恵の林檎像までの道を、ゆっくりと。
子豚は視線ですら逃げるのだから、
此くらいで様子見をしようと段々思い始め、
返答を待ちながら、── 見つけた!。
きっと76(0..100)x1個目の礫が額に飛んで ──、 ]
[ …今度こそぶつかって仕留められる!
── と思ったのがまずかったのかも知れない、残念!
子豚はぴぎぃとひとつ鳴いて、
ひとつ、プシュケーランドを見やり、
ふたつ、スクランブル交差点に脚を向け、
みっつ、盟海珈琲店へ鼻先を動かし、
一瞬迷った後、
── 3つめの行き先へ逃げ出した! ]
……… あー、……
[ 盟海珈琲店へ逃げ出す俊足の子豚。
哀れなのは子豚じゃあなくて、
この白いおとこだったのかもしれない。
どうしましょうか。
パートナーをちらと、見た。 ]
−プシュケーランド−
[気晴らし第二弾。
ブタに逃げられ続ける鬱憤を抱え、
ゲームセンターで散財でもするつもり______
だったのだが、なんとそこにも丸いシルエット、
愛しい愛しいブタさんがいるではないか!]
あら、こんなところで迷子かな?
ほーらブタさん、こっちにおいで?
[そういって手を差し伸べてウェルカムの構え。
そろそろ捕まってくれてもいいでしょう?
56(0..100)x1*]
逃げるか?よろしい。ならば戦争だ。
[仏の顔も三度まで。
全速力で逃げ出すブタに向かって駆け出し、
一気に地面を蹴って上空へ飛び上がった。]
後悔しろブタ野郎!ブラックシャウト!!
[そしてそのままブタの背中目掛けて急降下。
威力が弱まったとはいえ、捕らえるには充分なはず。
64(0..100)x1]
ズドーン!!
[気迫溢れるダイブもむなしく、
少女の身体は虚空の地面に激突した。]
・・・。
[多分ブタは2の方向に行ったんだろう。
もう、知らん!!
1.知恵の林檎像 2.鳴呼麺本舗 3.キリエ駅**]
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[あおいちゃんの視線は、此方を向かない。 それでも俺は、そっと言葉を紡いだ。]
あおいちゃん。 生きることは、苦しいかい? 辛いことだらけの、人生かな。
人を傷つけるのは、楽しいよね。 スカッとするし、相手を支配する感覚は、病み付きになると思う。
辛いことがあったら、そっち逃げたくなるのは、分かるよ。
…………でもね。 でも、言わせてもらうね。
[ふぅと息を吐いて、吸って……]
(72) 2018/05/25(Fri) 21時半頃
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でもね。
人を傷つける生き方を、選ばないで欲しい。
世界が君を傷つけて、苦しいことばかり押し付けたとしても……
君が、君自身が、人を傷つける生き方を、選ばないで欲しい。
逃げていいよ。 間違っていい。 とてもとても勇気のいることだけど、助けを求めてくれたら嬉しい。
それでも…… それでも、苦しんだ君が、傷付いた君が、誰か他の人を、傷つける生き方を、選ばないでくれたら、嬉しい。
(73) 2018/05/25(Fri) 21時半頃
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君を傷つける何かを、許す必要は無い。
ただ……
ただね。
君が、そいつらと同じになるのは、悲しい。
君が人を傷つける人になるのは、悲しい。
理不尽だらけの狂った世界だから。 俺は君が生きててくれるだけで嬉しいよ。
でも一つだけ。
一つだけ、願うことが出来るなら。
君には優しい子に、育って欲しい。
(74) 2018/05/25(Fri) 21時半頃
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それをね。伝えたかったんだ。 今日で終わりかもしれないから。 もう君と、話せないかもしれないから。 小さな君に、最後にどうしても伝えておきたかった。
どうか。人を大切にする気持ちを、忘れないで。 自分のことを、大事にしてね。
君のことを、大切に思ってる。
[3回しか、会って無いのに何をと、思われるかもしれないけど。 小さな女の子が、人を傷つけて涙を流す姿を、放っておくことは、出来なかったから。*]
(75) 2018/05/25(Fri) 21時半頃
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[ ── と、思ったのだけれど、
どうしようか、
哀れなおとこが碧を向けてすこしのこと。
( その顔と言ったら、
狙われた子豚よりも酷かった! )
どすん、という音がして、
足元が揺れた。 ]
……… ?
[ 地震?と思い下を向く。
── 本来落下物に注意するべきだが、
このおとこは"こんな風"なので。
見下ろした哀れな碧は、
そりゃあつぶらな子豚の瞳とごっつんこ。
ぱち、ぱち、
一体何事かと 只、
呆然と子豚と見つめ合う数秒間。 ]
[ 見事な跳躍を決めた子豚が懐に飛び込んできた! ]
─── 、っ ちょ っ、!?
[ ナンパされることの多い人生ではあったが、
子豚に突撃されることなんて全くなかったので、
( …このノイズは雌なのかも知れない。
妙に冷静な頭が判断を下しながら、 )
勢いで地面に倒れ、
黒の点々とする空を見上げる情けない格好。
子豚に馬乗りになられたおとこは、
( ── 字面のことは言ってくれるな。 )
そのまま両手で子豚を抱きしめた! ]
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