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メモを貼った。
ん、わかりました。
下着はつけて寝ます?
[+51寝やすい服を思い浮かべて、下着の必要性を問うて一度仮眠室を後にする。
別段ノッカを一人にしても問題はないだろう。
逃げられる場所はどこにもないし、裸だからだ。
向かった先は大部屋の、シャワールームの反対側。
そちらに唯一ある扉を開けて中に入り、
少ししてから扉から出てきてまた閉じた。
その時には自分はシャツとハーフパンツを履いていて、
手にはふわもこしている着る毛布を持っていた]
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[それはうさぎさんを模したようなもので、
着ると温かいし抱きしめても温かい。
一石二鳥な代物であった。
なんでもいいらしいのでそれを選んだわけだけれど、
仮眠室に戻ってそれを手渡したらどういうだろうか。
少しだけ楽しみであった。
もちろん、今夜は一緒に寝るつもりで、
ノッカを抱きしめて寝たいか選んだわけでーー**]
メモを貼った。
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[
何度もうなずいた。
世間には下着もつけずに
寝る人もいるようだけど、
あたしは下着も服も着て寝る派だ。
その意を告げれば、
そーさんは部屋を出て行く。
ひとりになったあたしだけど、
別に、今は逃げるつもりも毛頭なくて。
静かになった部屋を、ぐるりと見回す。
あたしの部屋にあった物のいくつかが、
部屋には置かれていた
……………………。
[つまり、あたしの部屋ってことなのかな。
知らない部屋だから、落ち着かないけれど]
違うだろ
[長い髪が揺れて振り向く姿は、
何時もより晴れやかな笑顔に見えた。
目に見えるものだけが真実とは限らない。
己の視界に映る モノ の全ては、
思い込みと想像その限界の枠内に収まっている。
とは、大学の時の授業で聞いた話だ。
きっとイルマへもそうしていたんだろう。
可愛いなと思う表情の裏側、その真実。
幼馴染が見せる笑いが晴れやかでも、
その内心を余す所なく暴くことができないのなら。
自分の都合のいい世界を、
無意識とはいえ見ていただけに過ぎない。
だから、もう一度]
違う、だろ
[鎖の響きは心を軋ませた。
2人分の体重でベッドが上げる悲鳴は耳に入りはしたが、
繋げられた鎖の音色には勝らず耳を素通りしている。
重ねた否定と共に視線を近く寄るイルマへ。
唇に、瞳に、滑り落ちて指先に。
怪我の痕跡が偽だと祈るが虚しさだけを呼ぶ。
きっと、食べる とは、比喩ではなくて]
[
また、そーさんは戻ってくる。
もこもことしたそれに、あたしは目を丸めた。
随分と、温かそうだ。
触れてみれば、
思っているよりもふわふわしている。
あたしはそれで問題なかったから、
それを身に纏うことにした。
下着も渡してもらえたならば、それも一緒に]
………… 一緒に、ねます?
[つい、問いかけたのは。
シャワールームでの出来事を忘れられないのと、
あたしも、少しだけ。ひとりが心細いから]
何だよそれ。
要らねーし、……それに
[拗ねたような言葉に続く語尾は曖昧に、
眉をひそめて緩く首を振る。
真っ赤なものはもう散々だった。
届いた手紙、置かれた人形、
それらを染めていた赤は彼女のものなのだろうか]
怪我、してほしくない。
[伸ばした手は彼女の肩を掴めただろうか。
首を、掌に収められただろうか。
力を籠めるつもりはなく、
此処が自由ならばどうとでもなるとでもいいたげに。
だって自由でいたならきっと抑えられない。
『お前は、子供たちを巻き込んだのか』
そんな致命的な亀裂を呼ぶ問いかけを──
答えを聞いてしまえば、恐らく後悔する言葉を。
辛うじて飲み込んでいるのに]
[あたしは今度こそ、大きなあくびをする。
瞼も次第に重くなってきたものだから、
ころんと、ベッドに横になって。
そーさんが横になれるくらいのスペースは、
あけておく。一応。
随分と絆されてしまったって、
フード(うさぎさんの耳がついてる。かわいい)の下で、
こっそりと、すこしだけ、苦笑して。
次第に、意識は遠のいていく*]
[触れていた掌をするりと滑らせベッドに落とした。
バカなことをした。
バカなことだ──だって、自分は。
触れた指先から伝わる体温。
滑らかな肌、サラリと流れる髪。
それが幻想だとしても自分を見るイルマを、
亀裂を刻まれたとしても、厭う気にはなれない。
ただ、その事実を知りながら、
彼女というものを受け入れがたく思いながら。
幼い頃から育てた距離感を失う気はなく、
決して嫌いにはなれない。
離別を知りながらも縋り、頼る程に、
好きなのだから、当然だ]
[
ふわもこした着る毛布パジャマと一緒に下着は差し出していた。
ノッカが部屋にいることに安堵している自分に驚いて、
そのために
はい、一緒に寝ましょう
[自分はあからさまにほっとしたような表情を浮かべていた]
イルマ。
お前、俺に食べて欲しいのか。
[ベーカー家がどうのとか知らない。
知らないが、彼女の望みがそれならば。
叶えられないと言外に伝えるように、
視線をふと外して、もう瞳は彼女を映さない。
肉体も、言わずもがな心も、
削いだ彼女など見たくはなかった。
そうしてどこか苦しそうな物言いながら、
逃げることを示唆するように、じゃらりと鎖を鳴らす。
足の痛みを無視して、”安静”とは程遠く。
実際手が自由だ。
鎖を何とかする方法さえあれば逃げ出すつもりで]*
[地下室は、元々只の倉庫だった。叔父はそこに人を迎え入れる事など考えておらず、途中から現れた同居人の部屋だって上に置いた。窓の代わりに換気扇が低く唸り、本棚の隅には薄闇残るここは、本の中でも大切なものを陽の光から護る場所]
[叔父のものを継いだセイルズは──そこに、大切なひとを隠した]
[差し出したコップを、何の疑いもなく手に取ってくれたココアは、決して薄闇が似合うひとではない。鎖だってそうだ。肌を噛まないよう、彼女に繋がる箇所だけは布を巻き付けていたけれども、たったそれだけで鋼の持つ無骨さも凶暴性も減らせる筈がない]
[それでも手は止まらない。止められない]
メモを貼った。
[意識を失いくたりとしたココアを運ぶのも、その片足をベッドの足と繋ぐのも、水のない地下室へと飲み物を運び入れるのも──昨夜のように、喜悦と苦痛を胸の裡にてかき混ぜていて]
[故に、幾度目かの往復でクッキー
目覚めたココアと目が合って──苦痛に耐えるかの如く眉間に皺を寄せて、僅かに開いた唇からは、安堵の息が漏れる]
……ココア、
[呼ばれた名に返すのは、彼女ひとりを表す名前]
[最後の願い
そうして彼女を穏やかに抱きしめ、柔らかい髪を梳くように撫でられたのは、ここに来て漸く先の不安が霞んでくれたから]
大丈夫だ。……大丈夫。
貴女は渡さない。
[再度の懇願
それが張り詰めていた意識を解き、緩んだ口元から、自覚した内心が滑り出る]
メモを貼った。
私は、貴女が居ないと駄目、で
──大切、だから。
[眼下で揺れる髪の隙間へそう囁いて──揺らめく栗色に唇が掠る]*
[ふわもこに身を包んだノッカは至極愛らしかった。
股間のモノがそれに反応してしまっているのは本能なの諦めてほあい。
もうすこしスペースを開けようかノッカ抱き寄せてしまう]
ノッカ、可愛らしいです
可愛いうさぎさんだ
それじゃあおやすみなさい……良い夢をーー
[自分もまた瞼を閉じよう。
久しく見ていなかった夢が
今度はいい夢でありますように
意識が遠のいて、翌朝を迎えるのは一瞬のことだっ**]
メモを貼った。
ーー 翌朝 ーー
[そう言えば、ヌヴィル先輩との飲み会はいけそうにないな。
朝寝ぼけた頭で考えたのがそんな思考であった。
朝の微睡みの時間は貴重で、
その微睡みの時間を削りながらこれまで生活をしてきたのだ]
おはよう、ノッカ。
[自分はまだ寝ているであろうノッカにそう囁く。
フードかぶったうさぎさん。
寂しいと死んでしまうらしいけれど、
それは迷信であろうかな。
フードの下の表情を見ながら。
自分はノッカが目覚めるのを待つばかり。
もっともこの時間はとても楽しいものなのだけれ**]
[
それがまた
子供のように見えてしまうのだから、
あたしはこっそり苦笑するしかない。
パンツが紐パンだったりだとか、
サイズがぴったりだったとか。
今は、聞かないでおいてあげよう。
ちょっとだけ、
微妙な顔はしてしまったけれども]
…… うん。おやすみ、そーさん。
[
文句を言う気力も無く]
[―― 意識が落ちてしまう前に。
もういちど。
そーさんの髪を撫でる。
あなたが寂しくありませんように、って。
そう、思って*]
……トマトスープ嫌い?
[拗ねたような言葉は可愛い。
愛おしさにうっとりと目を細めて。
ピスティオを見つめる。
否定の言葉が重ねられても。
私は気にしない。
だって何時かは分かってくれるだろう。
そう思っているから。
化物に搾取される未来しかないのなら。
二人一つになる未来を選んだ方がしあわせだ。]
[ピスティオが手を伸ばして。
その手がこの細い首を掴んだとしても。
私は抵抗しなかっただろう。
彼は何か言いたげな顔をしている。
何を言いたいのか分かる。
彼が大事にしている物を
踏みにじったのは私だから。]
私は独り占めしたかった。
だから火を着けたんだけど。
でもねぇ、子供たちはちゃんと助かるように。
ピスティオが死んじゃったら困るから。
それもちゃんと逃げられるように。
でもそんな事言っても納得しないよねぇ?
みんなみんな私を置いていくから。
じゃあ今度は置いていかれないようにしようって。
そう決めたの。
そして私の望みを叶えて貰いたい。
私は一人でいたくないから。
ピスティオと一つになりたいよ。
だからねぇ、食べて。
[その血肉になって私は死にたい*]
― それから暫く ―
[どれだけ眠っていたのかは、わからない。
たくさん眠ったような気もするし、
かといって、情事での疲労が
全て取れたわけでもない。
もぞりと動いて。
囁かれた声
今が朝らしいってことがわかった]
………… おは、よう?
[寝惚け眼のあたしは、
ぼんやりと、そーさんを見上げる]
[そーさんは、おしごと、大丈夫なのかな。
こんなことをしておいて自警団なんて、
まったくおかしな話ではあるけども。
くあ、と一回、欠伸をすれば、
眦にちょっぴり涙が溜まる。
まだ眠いって言うように、
あたしはまた、
ベッドに丸まってしまったのだけど。
既に起きているそーさんが、
それを許してくれるかどうか**]
メモを貼った。
[二人分の吐息は、入り交じり換気扇から外へ出ていった。小型の電灯がベッドへとぼやけた陰をひとつ作っている。ココアの体温に浸りながら、セイルズはゆるゆるとその背を撫でている]
[──静かな部屋では、囁き声もよく響いた]
どうしても制限は多くなるが
……出来る限り、貴女に不自由はさせたくない。
[通信は駄目、ここから出るのも暫くは駄目。義妹への連絡がまだだと言われれば、彼女の端末を持ってくるだろうけれど、その後は居場所を知られぬよう、電源を落としてしまなければいけない。
それと、目下の問題として手洗いが無いというのもある。
非常袋の簡易トイレは一日分が精々。後で補充しなければ]
風呂も暫くは難しいから、
後で温タオルでも持ってくるが……
[──しかし改めて口にすると、かなりの制限だ。
この状態でそもそもセイルズに叶えられることなどあるのかと、彼女に見えぬ位置で少々の困り顔]*
メモを貼った。
……嫌だと言ったら?
[その唇から言葉が綴られるたびに、
ベッドどころではない軋みが頭に響く。
足の痛みが頭痛になったかのようだ。
瞬いた視界は改善することなく見知らぬ部屋と、
イルマを映して切り替わらない。
その上、放たれた言葉が寂寞の根を張るなら]
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