15 ラメトリー〜人間という機械が止まる時
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――……みな、行くんだね。
ヨナ、ごめん……
君をここから、連れ出しては あげられなかった。
[傍で聞こえる呟きに紺の瞳を上げて。
緩く首を傾いで問うけれども答えはきっと返らないだろう。]
―――…不思議ね、
[それは、セシルの呟きとは異なる響きで。
生きる彼らには少しでも長く生きて欲しいと願うのに、
彼らが終焉を迎えることを哀しいとは不思議と思わない。
それは――…死することは壊れることだとは思わないからか、
黒髪の女の死に際と関係しているのかもしれなくて]
[届かぬ距離にいる彼に足のことを問われると
大丈夫、と淡く微笑んでこう返した。]
―――…もう 痛くないの…
…"壊れた"のではなく、"取り戻した"から
[長く艶やかな黒髪が揺れる。
焼蛍虫も、逃げる人々も――…皆、綺麗。
それは生きているから、彼らは今を生きようとしているから。
だからこそ――…願うのだ。
彼らがここから逃げ延びようと力尽きようと、
後悔のないように―――…と。**]
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