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メモを貼った。
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[ ざららら、と潮騒のように草葉が舞う。]
……やっぱり、出られない か。
[ある程度まで進むと、足が引き戻される。
肉体はないのに痛みを感じるように。]
――見届けろ、という事、なのかね。
[ きな臭い匂いと共に、歩きだす。
アネモネが揺れていた。]
[風に乗って届く声。
盗み聞くつもりはなかったが
いつのまにか墓の近くに来てしまっていたようだ。
少女の咽び泣く声が胸に痛い。]
(君のお母さんもお父さんも、
殺してしまった…な)
[村医者はルパートの無実も何も、知らないから
何がどうなっているのかもまた知らないが。
向けられた刃のような言葉を思い出している。]
「さっき聞こえた、投票の話。
もしそんなものをするんだったら
わたしは先生が死んだらいいと思う。」
……人を呪わば、穴二つってな。
[それが皮肉なのか自嘲なのか、
影自身にもわからなかった。
ただ、もやもやと白く、胸に燻るものに
そっと手を当てて、空を仰ぐ。]
( ……そもそも、どうして…… )
[「裏切り者」の人狼は、人を殺す禁を犯し
その上、同族まで殺してまわっているのだろう。
――投票にて過ちを正せと、最初に言ったのは自分だ。
それが裏切り者たちを刺激することになって
教会に火災を起こさせ、
(あの時はそういえば、呼ばれていた気がするが。
死んだショックからか、上手く思い出せなかった。)
無関係な人々までも巻き込んだ とするなら。]
…………はァ。
馬鹿らしい……。
[……この体では、ヤケ酒も飲めはせんのだ。]
[死んでも尚色々と苛まれる事に
改めて自分の罪の重さを自覚しながら、
疲れ果てたかのように影は、再び森へ。
少し開けた場所に出ると、
幼い頃登った木の根に座り込む。
風に蒲公英の花が揺れる中、
影は、無い瞼を静かに閉じた。*]
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― 昨日 墓地 ―
[ その場から遠のいてしまったふたつ
わたしは行く先を知るほうへ足を運びます。
ルパートさんが居るということは
族長様やオーレリアもどこかにいるかもしれないと
そんな小さな 期待と言ってしまっていいものか
複雑なものを胸に抱きつつ。
幾つかの声が聞こえたのは墓地のはしっこ
開いた穴と、その中で動かない骸が4つ。
包まれていて触れることはできなかったけれど ]
ルパートさん……。
[ さっき身を預けた彼なのだろうと、声を落とす。
サイラスが促して結果は聞かずに帰ってしまったけれど
”選ばれた”のは彼だったのかと 頭を垂れた。]
[ 先刻感じた 彼の手から拾った違和
ふ、と、何かが過るけれど わたしはそれに蓋をする。]
もうどうしようも、ないのだもの。
[ それが本当だったとて、わたしを撫でてくれた彼の手は
変わらないあたたかさだったのだから。
ひとつ、慈しむように ざらりとした袋を撫で
土が被さるおと達に重ねて うたを唄う。
また会う日まで また会う日まで
神の守りが 貴方のお側にありますように。
そんな、送別のうたは
声の無いラディ
エルの悲壮な遠吠え
……エル、
あなたの名前、喚べなくって…ごめんなさい。
[ ふっさりとした毛並みを抱きしめて。
せめてあの時。 ”彼”が名を教えてくれたとき。
口にしておけばよかったと、後悔ばかりが募る。]
せんせ、ありがとう。
[ わたしをここまで運ぶのも、土をかけることも
たぶん彼
抜けるような空も、見上げる姿
固く握られた拳が、視えた気がした。 ]
[ ばさり、とたなびく外套のおと
いっつも上機嫌なようでいて、その向こうは霞んで
ほんとうのすがたが見えなかった 不思議な彼。
それでもいま、この人が”そう”ならないために
一番頼れるのはこのひとだったから。]
アル、おねがいがあるの。
…………せんせを、護って。
わたしと繋がっていたひとを…まもって。
[ 右手首のさらりとした絹糸に左手を被せ、
この糸が 彼と繋がってしまわぬように。
自警団の彼が一緒に住んでいるのなら心強いと、
小さな願いを言葉に乗せて、翻る足音
― 早朝 火事 ―
[ 赫く燃える教会、わたしの目にすら映るような。
雑多な野次馬たちは、わたしの友達の姿
焼けるおと、パチンと何かが弾けるおと、悲鳴
いまこの村を包んでいる不条理が ここに凝縮されて
擦れ、熱を持って、業火を吹く。 ]
族長様……。オーレリア…。
[ あの2人がころされたばしょ。はじまりのばしょ。
わたしなら、熱も感じず中へ行けたかもしれないのに
両親が出会った村が壊れてゆくさまを”視て”いられずに
鎮火に励むヒトとヒトオオカミとの間をすり抜けて
誰もいない家へと帰る。
昏いままのベッドで
何処かから聞こえた笑い聲
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![]() | 【人】 小悪党 ドナルド やっぱり、お前ら気が合ってるだろうが (187) 2015/05/18(Mon) 06時頃 |
![]() |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[その答えが否であったとしても (211) 2015/05/18(Mon) 10時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド まあ、分からなくて当然だな (213) 2015/05/18(Mon) 10時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド― 早朝:教会 ― (215) 2015/05/18(Mon) 11時頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド
(216) 2015/05/18(Mon) 11時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド― 墓地 ― (223) 2015/05/18(Mon) 11時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド そういえば、一体何人いるんだろうな (224) 2015/05/18(Mon) 12時頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[母の時は彼女が何を思い (225) 2015/05/18(Mon) 12時頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド[家族が死んだと泣いていた夜 (226) 2015/05/18(Mon) 12時半頃 |
![]() | 【人】 小悪党 ドナルド
(231) 2015/05/18(Mon) 13時頃 |
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[腕に縋り来る娘へと視線を落とす
彼女に自分の今の顔はきっと見られてはいないだろう。
情けないような、泣き笑いのようなその表情は]
(救われているのは、───どちらの方か)
[絡めた指先に、抱き寄せた腕の中のぬくもりに。
存在を、ここに在ることを確かめ許して貰った気になっているのは、むしろ、こちらの方かも知れなくて]
ああ。
[サイラスから、生きる大切な者から目を背けて。
搾り出すように湿った声で紡がれる、愛しい娘の名前
こたえた男の声は、罅割れてはいなかったか。
後悔やら悲しみやら罪悪感やら、それでも断ち切れぬ未練やら。
そうしたものを綯い交ぜに、ほつりと短く声が落ちる]
… ああ。
[あの子も、置いていかないでとあんなにこの腕に縋っていたのに]
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