97 wicked ROSE 【ハジマリの五線譜】
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[余りそうは行かないかも知れない]
……でも、お前さ。
もし今度、俺がいない時に。 さっきと同じ状況になったら、どうするつもりなの?
[床に着地する白鼠を見つめながら、少し強めの口調で青年に問い掛けていた]
(229) 2013/09/29(Sun) 01時頃
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[やめろ、と頼んで止まれば確かに平和的な解決だろう。 まず無理だろうが。
訊いて置いてだが。 対策が無い事は、半分以上予測していた。
実は、ひとつだけその対策があると青年が云わずにいる事は知らず。
出来れば会いたく無い。 だけど、このまま彼をひとりで行かせる事に、抵抗を覚えたのか]
(232) 2013/09/29(Sun) 01時半頃
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[困惑気な、或いは苦虫を潰した、弱い表情を浮かべて、視線を泳がせ]
…………えっと。
俺、まだ調子良くないみたいだし。 いざと云う時、お前が何とかする、て云う条件付、なら……
……一緒に……付いて行っても、かまわないけど。
[寝台に降ろされたアスランに、そろそろと寝台の占領権を明け渡しつつ。 流石にまだ乾いてはくれてない、自分の服に触れながら、そう呟いた]
(233) 2013/09/29(Sun) 01時半頃
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無茶しないのは、どっちだか。
[申し出に頷きながら、無茶はするなと云うが。 それを云う本人こそ、誰より無茶をしそうな事実に、苦笑を交えて]
……オーケー。 それで交渉成立だな?
[衣服は乾いてない。この際この寝巻きのまま歩いても構わないだろう。 物干し縄から青年を向き直る。 交渉、悪い場合は共闘の成立に対して、本当に何気なく、右手を青年へ差し出していた]
(236) 2013/09/29(Sun) 02時頃
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[いざと云う時は、本当に任せないといけないかも知れない。 尤も、そう成らない状況であるのが何よりも喜ばしいとは思うが。
そう肩を竦めながら、穏やかな笑みで差し出される。 一回り大きな右手が、この手を握る。触れる]
(…………あれ……?)
[キリ、と胸が締められる様な緩い圧迫感。 辛くはない。身体は引締るのに暖かい。矛盾した感覚。 不思議な感覚を覚えた事に、ぱち、と瞳を瞬かせていた]
(238) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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[触れた手に感じる、何処か矛盾した感覚。 矛盾。不協和音は、心にも嬉しくないのに。 だけどそれとは違う。
何処かでこの様な感覚を、自分は経験した筈なのだけれども。 それが何時の事かは忘れてしまった。
心が引締る。それでも何処か嬉しい、そんな掌の温度。 どこかで]
(239) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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[何だろう…瞳を瞬かせながら、右手を離した時、その感覚も消えた]
…………なあ。
俺、まだちゃんと聞いた覚え無いんだけど。 お前、名前は何ていうの?
[右手を放した後に、青年へ投げ掛けたそれは気付けば口を衝いて。 だけど、その質問で何時までももたもたしていられないとも感じていた。
今はまだ、似非神父と呼称があるから、気にはならない。今は]
(240) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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[問いからの応えに、自然と眉を寄せた]
……何だよ。名前の無―― あ、うん、わかった。
[当然の様、事情を尋ねたのも、自分が始めての存在ではないだろう。 更に尋ねようとした間合いに、歩き出した。上手なはぐらかし方に少年もまた釣られて]
(242) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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えと、コンデンス、だっけ。
お前のご主人……なのかな。 とにかく、そいつの事、任せたからな。
[部屋の出際、寝具を掛けて眠るアスランに視線を送り。 次いで、床から二人を見送る白鼠に向けて、云い置く言葉を残してから、青年に続く様にしてその部屋を出て行った]
(243) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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[ふと、感じていた掌の記憶。遠い儚い感覚。
忘れていた少年は知らない。 結びたいと遥か遠くで願っていた。
彼方で響くは、運命の絆が奏で鳴らした、小さな想い出の残響]
(244) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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明之の処、いくぞ。似非神父。 道案内はちゃんと任せたからね。
[掌をふと眺めながら、青年の足取りを追いかけ始めた。 響いた痛く悲しい、鈴の響きへ続く道を、追いかける*]
(245) 2013/09/29(Sun) 02時半頃
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― 大聖堂 客室の近く ―
[青年の後を追う様、続いた先に二人の姿は見付かる。 ぽーん、と喜色を顕した様なのびやか、安心を顕す音]
チェレスタ。 ……彼にも肩、貸してあげたんだね。
あ、俺はもう元気だから。安心して? ぐっすり寝たらマシになった。ありがと。
[明之に肩を貸す姿が、殆ど自分へしてくれた時と同じ。 まるで覚えたての知識を再び実践している様な感じ。
自分を視てまた浮かべた喜色に、安心させる様に微笑を浮かべた]
(326) 2013/09/29(Sun) 19時頃
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[先程の音、二人とも無事でいたのだろうか。 実際、青年の推測通りに、明之自身が消耗した様子でいた]
俺は……ついてくよ。 チェレスタは、どうする?
[首を傾げられると、青年に頷き、明之を預かる彼と共に。が]
…………イーシュ……?
[誰だそれ。そう思うと同時に、ちり、と頭を何か掠めた気がした]
(327) 2013/09/29(Sun) 19時頃
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― 聖堂 巡礼者用の客室 ―
[青年が部屋へ寝かしつける明之を再び眺めて思う。 やはり彼を見ると、何か違和感を覚えて仕方が無い。
青年が、その頭をよしよしと撫でている、下手せずとも年下に見える幼い姿]
…………告解室から出てきた、んだよな。 明之は、この時代の人間じゃない。
[何を求めて、この時代に導かれたのだろうか。 聴こえたのは、悲痛と悲壮に叫ぶ、破綻した高き声音]
(329) 2013/09/29(Sun) 19時半頃
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[自分は音域の天使『アルト』だ。 今の時代、本来のその役目の本質がどの様な物であるかと云う指針は失われ、少年自身の解釈で執り行われるが。
其処に崩れかけた旋律が存在するならば謳おう。 柔らかな音色は旋律を包み、優しい夜月の中再び導き往く。
ﺳﻮﻳﻮﺭﺍﻧﻮ《ソプラノ》やﺗﻴﻨﻮ ﺭﻭ《テノール》の様に、圧倒し、高く強く、どの音よりも晴れやかに響き渡る力はない。 でも、この声は、響く旋律達を柔らかに、優しく導く様な声はある。
だから、この声こそはﺁﺭﻭﺗﻮ《アルト》。
少年が、己が奏でる詩を総称してにつけた名前は……]
(330) 2013/09/29(Sun) 19時半頃
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似非神父、俺、ここで明之視てるから。
[紅茶の片付け、スータンの裾洗い。 目的を聴けば、少年は逡巡した後、客室に残ることを選んだ>>284]
……あんまり。 寝巻きで動き回るのも落ち着かないし。
[今更だが、目下借り受け中の寝巻きの裾を、広げてみせながら]
(331) 2013/09/29(Sun) 19時半頃
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[青年が部屋を抜けた間、明之はどうしていただろう]
……明之は。 そのイーシュとか云う奴と、知り合いなの?
[先程、その名を耳にすると悲しげな表情を浮かべていた]
……そいつの事。気にしてるみたいだけど。
[零した涙、嘆く声。 まさか、その『イーシュ』とやらが、先程のアレの原因なのだろうかと勘ぐりもして]
(333) 2013/09/29(Sun) 19時半頃
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[その後ノックの音が再び響いた。 誰か、と言えば頭に浮かぶ候補は二人位で]
……おかえり、似非神父。 悪い。あんまり明之と話してない。
[部屋に残りはしたが、明之から話を色々聴いた訳でない事を先に。 不安な表情は、元々の精神状態なのだろうが。 何故かの苦手意識も手伝い、あまり話せない少年では、安心要素にはならなかったか]
(334) 2013/09/29(Sun) 19時半頃
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なあ、聴き損ねた事があるんだけど。
[礼を告げられると、悪い気はしないのか、微かに視線が横にずれて。 そして忘れ物を思い出した様に口を開く]
……イーシュって。誰? ここの神父か何か、て訳でも無いだろう?
[今の所、この聖堂に元々いるこの青年に直接聴くのが早かった。
視ていた明之は、何かを感じただろうか。 焦がれる者を知らない少年。 処か、響き過ぎた、掠れたテノールを引き合いに出されると、不思議そうな表情を浮かべて、小首を傾げるだろう]
(339) 2013/09/29(Sun) 19時半頃
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ふぅん……。
[客室の椅子に座りながら、青年の応えに相槌を打って。 先程の明之の談を要約させてみようと考え出した]
(つまり、知り合いぽい事は間違いが無くて。 明之曰く、そのイーシュは、明之の比翼の君。
比翼……対の存在、その位の人、と云う事だよね)
[その言葉が選ぶ音色の響きから。 そのイーシュに対する明之の想いの様は察せるのだが]
(346) 2013/09/29(Sun) 20時頃
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[元々、この部屋にいたらしいのに、今はいない。 明之を置いて離れた。沈んだ悲しげな表情からも察して]
(……つまり、明之の方が。 事実上の距離以上に、そのイーシュに恋焦がれてるのか。
……或いは、イーシュの方が。 本当に二人は比翼である絆でいるはずなのに。 自分の気持ちに正直になれず、明之を悲しませている初心な人。
……のどちらかなのかな……)
[器用に頬杖を突きながら、ぼうっと。 観察する様に明之の動向を眺めながら、そんな結論を独りごちていた。
何だか軽く、短編の恋愛小説を読ませられた感じがした]
(347) 2013/09/29(Sun) 20時頃
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[何処かぼんやりとした沈黙を感じながら、はたと思い出した。 鳴り響く鐘の音色、着実に何かが起こりつつある今。
あの黒曜の化物は、何だったのだろう。
随分と、《大衆》の目に見える形で騒動を撒き散らしたあの水蛇。 刺激したかと思えば、竜に化けて。
遊ばれた?侮られた?対峙して負けた筈なのに見逃されたが。 あの化物にも使役者がいるはずだが。 そいつは今、何をしているのだろう……]
(349) 2013/09/29(Sun) 20時半頃
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[そんな物想いに耽っていたからか。 最初、青年が提案した言葉が理解できず、ぱちぱち、と何度も瞳を瞬かせた]
……おい、似非神父。 なんで、地下のアレが、そのイーシュの手掛かりに……
そもそも、俺はどうするんだよ。
[地下、元々少年が標的にしていた聖遺体の場所だが。 もう忘れたのか?と半分本気で、青年の記憶力を疑いかけた。 この状況下、下手に『アレ』を弄る事が対して得策になるかと云われれば、疑問だろうなと思い浮かべながら、蔓にやられたあの地下はまだ無事なのだろうかとも]
(350) 2013/09/29(Sun) 20時半頃
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[濡れ羽の鈴が、耳元を音色で通り過ぎた]
ああ、どうせ俺じゃアレに触れないからって、そう。 …………〜〜。
たく、もう。 お前といると、こっちの調子が先に狂うよ。
[笑いながら、何てこと無い様に告げる表情を見て。 自分の考えすぎなのか、いやそうではあるまい、しかし、と。 夜髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜながら、盛大に溜息をついた]
(356) 2013/09/29(Sun) 20時半頃
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俺も行くよ。地下に。
確かに、『アレ』には触れないだろうし。 今は無闇に触りたくもないんだけど。
『アレ』については、俺も良く知っておきたいんだ。
[当人でもある明之は提案に元より否やも無い様子。 行くなら向かおう、と椅子から立ち上がるのが、二人へ対する合図になるか。
少年の視線は、ここまでで随分とお人好しを露見させてくれた青年へと、半分はいっそ心配になって来た、苦笑混じりの表情を見せていた]
(357) 2013/09/29(Sun) 20時半頃
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― 聖堂 地下階段前 ―
[方角、階層、侵入時に大まかな場所は把握していた故に。 少年でも其処まで行く事はそう難しく無く、殆ど青年と横並びに行く]
……何だか。 俺が逃げた時よりも、随分と蔦や茨が成長してないか?
[石壁や床を廻る緑を眺めて、ぽつとそんな感想を漏らした。 元はあの聖遺体が発生源だろう、然し何故それが発生したのだろうか。 まるで、聖遺体を護る揺り篭を、檻を。 この聖堂を丸ごと取り込み、ひとつの巨大なそれに為そうとしている様に感じられた。 地下階段の、暗闇の大口を見遣り]
(362) 2013/09/29(Sun) 21時半頃
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[漏らした感想で、青年から微かに視線を逸らされた事に、少年は気付かず]
明之、付いて来れるか?
[階段を埋める植物、下へと続く暗い道。 一応、傍らの明之の様子を確かめながら、少年も軽い足取りで青年に続いた。 タン、タタン、弾む三拍子の気持ち早足。
地下の霊廟、奥底まで続く様な大階段。 明らかに、人の手で掻き分けられた痕が、植物に散見された。 その痕をなぞる様に辿れば、やがてそれは終点の位置まで]
(368) 2013/09/29(Sun) 22時頃
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― 地下霊廟 聖遺体の檻 ―
[地下霊廟に辿り着くと、少年は驚きに眼を瞠った。 つい数時間前、この場所に侵入した時との様変わりに]
……これ、誰が毟ろうとしたんだろ。 この場所には誰もいない様だけど。
もしかして、イーシュって奴が?
[形成された鳥籠の檻のお陰で、そこからは満足に近づけない。 柵の植物は、右側へ、左側へ、掻き分ける様に毟られて。 だが、それを途中で諦めた様に、元通りの八方覆う障害として機能していた]
(369) 2013/09/29(Sun) 22時頃
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[植物の隙間から、護られし聖遺体の姿は窺えただろうか]
どう?奥の中身、見えるかな。 …………んー……。
[時折、聖遺体のあろう方向を覗きつつだが。 少年はそれとは別口に、何か落し物を探す様に。 時折床面の緑を靴先で押し退けながら、辺りの床面を調べていた]
(371) 2013/09/29(Sun) 22時頃
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[蔓の合間から除く副葬品や、さらりと零れる黒髪。 永遠の時を眠る亡骸は、確かに美しい造詣をしていたが]
……え、明之に……?
――……うッ。
[ツキ、ん。明之の、そして茨に眠る亡骸が持つ容姿。 それらを浮かべた瞬間、脳裏を奔る痛みに、思わず足を取られそうになる]
(381) 2013/09/29(Sun) 22時半頃
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