151 宇宙船は旅浪者の夢を見るか?
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[どう考えても大丈夫じゃなかった。
卒業の危機である、非常に哀しいことに。
現実逃避を始める頭はとりあえず寝ろ、話はそれからだと囁いている。
少女も眠って復帰を早くするくらいしか正直思いつかなかった。
いっそ夢オチであってくれ。
鈍い動きで頬をつねったら痛かった]
ねえ、今の気分分かる?
[戯れに端末に聞いてみると、退屈を提案してきた。
昨日今日で近いものをピックアップするまでは戻ってきている。
惜しいけどそれじゃない]
エラー、これは自虐的抑鬱。
パラメータを見なくても断言できるわ。平坦で間違うけど直して。
もう最悪……。
[少女は額に手の甲を当てるーー熱したポッドみたい、ひどいな。
無理と偏った食事で体が弱っていたのが原因の一つだと自身で思っていると、
自虐的にもなろうというものだ。
少女はアオイが知恵熱であることは知らないため、
流行性の風邪かもと最悪の想像もしているわけで。
いつ治るかと思うと気分は重い]
[その時着信を知らせるランプが灯って、少女はのろのろとメールを開く。
さっき送ったメールの返事がもう返ってきていた。
内容を流し読みするとアオイは大丈夫とあってとりあえずほっとする。
少女自身は大丈夫ではないが——]
……寝よう。
[回復してやれるとこまで足掻くしかない。
手伝えることがあれば言ってくれとメールしてくれた人もいる。
借りれるものは猫でも借りよう。クリスにもそのための一通を送った]
[温め、なおかつべしょっとさせない。そんな方法はないものか。
実験器具を並べて暇つぶしをしていると、メールが届いた。
文面に目を走らせ、眉を下げる]
やっぱりそうよね。
[大丈夫? なんて愚問だった。大丈夫なわけなかった]
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― ケイイチの部屋前 ―
ここか。 あとはこれをドアの前に置いて……。
[と、ケイイチの端末を持ってドアの前にしゃがんだ時、 タイミングよく手の中の端末がなんらかの通知をよこしてきた。 あまり間を置かずにもう一度。びくっとなる]
わ、悪いなあたしにはまだやるべきことがある……。
[それがさっきと言えそうな時間に目的の部屋の場所を訊いたひとりである級友からのメールとは知らず。 ドアの前にケイイチの端末を至極丁寧に置く。 そのまま小走りで駆け去った。周囲が閑散としているのをいいことに。
そうして顔を上げれば無意識のうちに自室の前まで来ていたようだった。 ふうと一息ついて、今度は自分の端末を取り出し、 第二資料室で作っておいたメールを送信する]
(43) 2015/03/11(Wed) 23時頃
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『to:ケイイチ・ソノダ Message: すまない、あたしは君のことを誤解していたようだ…… 君が君なりにクリスティアの幸せを願っていると分かった以上、 文句つける点はない。何かあれば話は別だが。
あたしが言うのもなんだけれど周囲に苦労はかけるものじゃないよ、いいかな』
(44) 2015/03/11(Wed) 23時頃
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――っくしゅん!
[メールを送信した直後、くしゃみが出た。 風邪か? それとも誰かが噂をしているのか。 「ここに廊下を走ってたやつがいるぞー」とかいう、 かわいいものならまだマシだけれど]
……おお、こわいこわい。
[冗談めかして呟き、自室の扉を開けようとしたが、]
なんかあったかい飲み物でも買うか。
[念のため、である。あくまで]
(45) 2015/03/11(Wed) 23時頃
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[慰めになるかわからないが、マドカへ励ましのメールを送信していると、ノックの音がした]
はーい……くらりん!
[クラリッサの姿を認めるとキャラチップスマイルになる。
差し入れという言葉にこくこくと頷いた]
ありがとう。嬉しい。
退屈していたの。
いい香り。
[コーヒーを受け取ると、くん、と鼻を動かして香りを楽しむ。トマトジュースが一番好きだが、やはりコーヒーの香りは格別だ]
アオイの様子を見てきてくれたのね。ありがとう。
よかった。
私、暇は暇なんだけど、ここから動けなくて。
[そう言って、大掛かりな実験装置に目を移した]
完成まで目が離せないのよ。
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― 購買 ―
え、えーと……、 イチゴバナナチョコミルクプリン、生クリーム仕立て……はもう売り切れ?
[新作、という札を見つけて興味が湧いたのだが棚は既に空。>>2:44>>3:9 ちょっとだけ呆然としているとお会計担当の人が次の入荷予定日を教えてくれた。 この日付なら卒業までにはなんとか間に合いそう]
んー……。
[ホット用の棚にずらりと並んだ飲み物パックとにらめっこする状態が10秒ほど続く]
(47) 2015/03/11(Wed) 23時半頃
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ミルフィは、10秒後、オレンジティーのパックを取ってレジに向かった。
2015/03/11(Wed) 23時半頃
そうなの。
面倒だから、絶対割ったりしないでくださいって念を押して提出したのに、先生が割っちゃって、作り直し。
[ため息を吐くクラリッサに向かって、肩をすくめて説明する。
眼帯のことを指摘されると、照れたように笑った]
うん。
もうね、やめようと思って。
[コーヒーに目を落として、ぽつりと零す]
本当はね、わかっていたのよ。
私は特別でもなんでもない、普通の人間なんだって。
シェル、開けて。
[届いたメールを端末に自動展開させる。こんなとき空間画面式は便利だ。
しかし、シェルドンがしっかりした感情蓄積データを持っていたら、
三原則の第二条において操作を禁止するか寝ろと警告が入るはずである。
普通に開く画面は主人の危機を感知していない証拠でもあった。
クリスからの返答を見て頷き目を閉じる]
焦らない。
[状況が重くのしかかったことをはっきり認識できた今、
寝ようと思うのもなかなか簡単なことではない。
単位は足りたというのに卒業論文の、しかも一度完成しかけた研究結果が
飛んだという理由だけでもう一年の崖っぷちである。
そしてもう一つ酷く気が重いのは。
単位を満たしたことに嬉々として菓子を送ると宣言した先生のことだ。
……どんな顔をして会えば良いのか分からない。
無理すんな。
思い出したメールの文面約一行が心に痛い。とっても痛い。
こうなるならせめてホワイトデーの文面を削らずに送れば良かったと思う]
心配…?そうか、それはすまなかったな。
[アイリスの反応に不思議そうな表情を浮かべながらも、心配をかけていたというのなら、素直に謝るべきなんだろう。
続く言葉に表情を顰める。]
良い兄貴だと思ってくれているならそれは十分嬉しいが…。
凄いとか、天才とか言われるとそれは違うと言いたくなるが…。
残念…ってのはどうなんだ…?
言葉足らずなのは分かるが…。
[どうにも人の感情や心を見抜くのは苦手なせいで、そう言われてしまうのは仕方がない気がしてしまう。]
だが…俺が伝えられるのは言葉くらいしか…。
[手伝いを申し出てくれるクラリッサに目を瞠って、大丈夫、と笑った]
もう、あとは見てるだけなの。
でも、一緒にいてくれるだけで嬉しいわ。
[コーヒーを飲みつつ、格好良かったと言われると目を丸くする]
格好良かった? そんな風に言われたの、初めて。
[どちらかというと遠巻きにされることの方が多かった。
でもクラリッサはそういう差別をしない。そういうところがとても好きだと思う]
さすがくらりんよね。
ありがとう。
[照れたようにそう笑って、眼帯のない顔にも慣れてね、なんて冗談を言った]
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[購買の近くには軽く飲み食いできるスペースもある。
メールが来ていたのを確認したからその片隅に腰を落ち着けて一息つく。 これを飲んだら夜まで自室……いや第二資料室にこもった方がいいかやはり。 そんなことを考えつつ]
(53) 2015/03/12(Thu) 00時頃
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